JP2008018752A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】各気筒の吸気管104に吸気制御弁105が設けられ、要求エンジントルクに基づいて吸入空気量が制御されるエンジン10と、前記エンジン10の出力軸に接続された電動モータ20と、を備えた車両の制御装置であって、エンジン始動時に、前記電動モータ20の出力を前記エンジン10の出力軸に付与するモータアシストを行い、前記エンジン10の燃焼室内のガス流動を強化するように前記吸気制御弁105を第1所定開度まで閉じ、点火時期を圧縮上死点後の第1所定時期まで遅角させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、このような実情を鑑みなされたものであり、エンジンと、エンジンをアシストする電動モータとを備えた車両において、エンジンの始動性および運転性を確保しつつ、始動時の排気エミッションの更なる低減を図ることを目的とする。
さらに、急激な回転落ちやエンジンストールを防止するため、一旦モータアシストを行った場合であっても、バッテリの充電量が所定値以下となったときは、モータアシストを中止するとともに、遅角させた点火時期を進角方向に制御するのが好ましい。この進角方向に制御することには、例えば、前記第1所定時期から前記第2所定時期へと点火時期を制御することか含まれる。また、吸入空気量の増加要求があったときに実際の吸入空気量が所定時間以上増加しない場合には、遅角させた点火時期を進角方向に制御し、又は/及び、閉じた吸気制御弁を開方向に制御したりするのが好ましい。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両の概略構成を示している。図1に示すように、本実施形態に係る車両は、エンジン10と、このエンジン10のクランクシャフトに接続される電動モータ20とを含んで構成されており、電動モータ20の出力トルクがエンジン10のクランクシャフト(出力軸)に付与されてエンジン10の出力をアシストできるようになっている。また、電動モータ20と図示しない駆動輪との間には、自動変速機30が介装されている。
電子制御ユニット(ECU)50は、各種センサ等からの入力信号に基づいて現在の運転状態を判断し、エンジン10、電動モータ20及びオルタネータ40等の動作を制御する。ここで、入力信号としては、図では省略しているが、吸入空気流Qaを検出するエアフロメータ、スロットルバルブ102の開度TVOを検出するスロットルセンサ、エンジン冷却水温度Twを検出する水温センサ、運転者によるアクセルペダルの操作量APOを検出するアクセルセンサ、エンジン回転速度Neを検出する回転センサ、バッテリ22の充電量SOCを検出するバッテリセンサ(充電量検出手段)などの各センサの検出信号のほか、スタータスイッチのオン/オフ信号、各種電装品のオン/オフ信号などがある。
さらに、オルタネータ40の制御に関しては、エアコンやヘッドライトなどの各種電装品がONされるとオルタネータ40を動作させて発電し、発電した電力を各種電装品に供給するとともに、余った電力をバッテリ22に供給する。
図2は、エンジン始動時の制御のメインフローを示している。図2において、S11では、エンジン始動要求があるか否かを判断する。かかる判断は、例えばスタータスイッチがONになったか否かを判断することにより行う。但し、これに限るものではなく、他の信号等によってエンジン始動要求があるか否かを判断してもよい。エンジン始動要求がある場合にはS12に進み、エンジン始動要求がない場合には処理を終了する。
S13では、バッテリ22の充電量SOCがあらかじめ設定した下限値以上であるか否かを判断する。SOCが下限値以上の場合は、電動モータ20を動作させてモータアシストを行うことが可能であると判断してS14に進み、SOCが下限値よりも小さい場合は電動モータ20に供給する電力が不足している(モータアシストを行えない)と判断してS15に進む。
S15では、モータアシストを伴わない始動時制御、すなわち、通常の始動時制御を実行する。この通常の始動時制御は、上述したように、点火時期を遅角させるとともに、吸気制御弁107を閉じる(閉制御する)ものであり、より具体的には、点火時期が圧縮上死点以前の所定時期(本発明に係る第2所定時期に相当する)に設定され、吸気制御弁107が全開から所定開度(本発明に係る第2所定開度に相当する)まで閉じられる。
S24では、バッテリ22の充電量SOCがあらかじめ設定した下限値以上であるか否かを判断する。ここで再びバッテリ22の充電量を確認するのは、電動モータ20に電力を供給した結果、バッテリ22の充電量が低下してしまい、電動モータ20が必要なアシストトルクを出力できなくなってしまうことを防止するためである。SOCが下限値以上の場合には、モータアシストが可能であるので圧縮上死点後の所定時期まで遅角させた点火時期をそのまま維持し(S25)、S0Cが下限値よりも小さくなっている場合には、S26に進み、圧縮上死点後の所定時期まで遅角させた点火時期を進角側に戻す(例えば、通常の始動時制御において設定される圧縮上死点以前の所定時期とする)。また、併せて電動モータ20も停止する。
上述したように、モータアシストとガス流動の強化により、従来に比べて、始動性や運転性を害することなく、始動時の点火時期を大幅に遅角できるため(図6の矢印参照)、従来に比べて、排気温度を効率的に上昇させることができる。これにより、HCの排気行程中の燃焼室内及び排気管109での酸化反応がより促進されてHCの排出を大幅に低減することができる。また、排気浄化触媒110の活性化を早めることもできる。この結果、エミッション性能の大幅な向上を図ることができる。
ところで、上述した実施形態では、本発明の最も特徴的な部分である、モータアシストを伴う始動時制御に関し、その全体的な制御について説明してきた。すなわち、本実施形態においては、エンジン始動時(特に冷間始動時)に、電動モータ20を動作させてモータアシストを行い、燃焼室内のガス流動を強化するように各吸気管104に設けられた吸気制御弁105を閉制御し、点火時期を圧縮上死点後の所定時期まで遅角させることで、始動性、運転性を害することなく、排気温度を大幅に上昇させてエミッション性能の向上を図るようにしている。
(1)吸入空気量、点火時期について
モータアシストを伴う始動時制御において、排気温度の上昇という観点からは、点火時期を可能な限り遅角させるのが望ましい。このため、まずは、モータアシスト及び吸気制御弁105の閉制御によるガス流動の強化によって広がった範囲の最大限で点火時期を遅角させるようにする(図5参照)。この場合、排気温度を最も効率的に上昇することができることになり、HCの燃焼室内及び排気管109での酸化反応が促進されて、エミッション性能の大幅な向上が図ることができる。
(2)吸気制御弁105について
上述したように、吸気制御弁105が開度可変タイプの場合には、通常の始動時制御とモータアシストを伴う始動時制御とのそれぞれにおいて適切な開度に制御して燃焼安定性を確保できるガス流動を燃焼室内で発生させるのが好ましい。この場合、例えば、燃焼安定性を確保できる吸気制御弁105の開度と点火時期(吸入空気量)の組み合わせをあらかじめ求めておき、この組み合わせに基づいて、より遅角側の点火時期と吸気制御弁107の開度とを設定するようにすればよい。
Claims (9)
- 各気筒の吸気管に吸気制御弁が設けられ、要求エンジントルクに基づいて吸入空気量が制御されるエンジンと、
前記エンジンの出力軸に接続される電動モータと、を備えた車両の制御装置であって、
エンジン始動時に、前記電動モータの出力を前記エンジンの出力軸に付与するモータアシストを行い、前記エンジンの燃焼室内のガス流動を強化するように前記吸気制御弁を第1所定開度まで閉じ、点火時期を圧縮上死点後の第1所定時期まで遅角させることを特徴とする車両の制御装置。 - 前記電動モータに電力を供給するバッテリの充電量を検出する充電量検出手段を備え、
前記蓄電池の充電量が所定値以下のときには、前記電動モータによるモータアシストを行わず、前記エンジンの燃焼室内のガス流動を強化するように前記吸気制御弁を第2所定開度まで閉じ、前記点火時期を圧縮上死点前の第2所定時期まで遅角させることを特徴とする請求項1記載の車両の制御装置。 - 前記モータアシストを行うときの吸入空気量を、前記モータアシストを行わないときの吸入空気量よりも大きくすることを特徴とする請求項2記載の車両の制御装置。
- 前記モータアシストを行うときの吸入空気量と、前記モータアシストを行わないときの吸入空気量とを略等しくし、前記第1所定開度と前記第2所定開度とを同一開度に設定することを特徴とする請求項2記載の車両の制御装置。
- 前記モータアシストを行うときは前記吸気制御弁を通過する吸入空気の流速を音速とする一方、前記モータアシストを行わないときは前記吸気制御弁を通過する吸入空気の流速を音速未満とすることを特徴とする請求項2記載の車両の制御装置。
- 前記エンジンによって駆動されて発電するオルタネータを有し、
該オルタネータの発電負荷に応じて前記吸気制御弁の開度を補正することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両の制御装置。 - 前記電動モータに電力を供給するバッテリの充電量を検出する充電量検出手段を備え
前記蓄電池の充電量が所定値以下となったときは、前記モータアシストを中止するとともに、前記遅角させた点火時期を進角方向に制御することを特徴とする請求項1記載の車両の制御装置。 - 吸入空気量の増加要求があったときに実際の吸入空気量が所定時間以上増加しない場合には、前記遅角させた点火時期を進角方向に制御することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両の制御装置。
- 吸入空気量の増加要求があったときに実際の吸入空気量が所定時間以上増加しない場合には、前記閉じた前記吸気制御弁を開方向に制御することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両の制御装置。
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