JP2003293921A - パワートレインの制御装置 - Google Patents
パワートレインの制御装置Info
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Abstract
の安定性を良好に保持しつつ、排気ガス浄化触媒の暖機
を有効に促進することができる手段を提供する。 【解決手段】 パワートレインには、排気ガスを浄化す
る触媒コンバータ(排気ガス浄化触媒)を備えたエンジ
ンと、エンジンにトルクを付与してトルクアシストを行
うISGとが設けられている。ここで、パワートレイン
はコントロールユニットによって制御される。コントロ
ールユニットは、冷間始動後所定期間内においてアイド
ル時には、エンジンの点火時期(点火リタード)を燃焼
変動小領域までリタードさせて排気ガス浄化触媒の暖機
を促進する。その際、コントロールユニットは、ISG
にエンジンに対してトルクアシストを行わせ、エンジン
の安定性を確保する。そして、非アイドル状態となった
ときには、点火時期は、燃焼変動大領域を飛び越して、
MBT近傍にジャンプさせられる。
Description
動時等におけるアイドル時に、点火時期をリタードさせ
ることにより排気ガス浄化触媒の暖機ないし昇温を促進
する一方、エンジンに対してトルクアシストを行ってエ
ンジンの安定性を確保するようにしたパワートレインの
制御装置に関するものである。
れた排気ガスには、NOx(窒素酸化物)、CO(一酸
化炭素)、HC(炭化水素)等の大気汚染物質が含まれ
ているので、これらを浄化するために、排気通路には排
気ガス浄化触媒を用いた触媒コンバータが介設される。
しかしながら、排気ガス浄化触媒は、その温度が活性化
温度に達しないと排気ガス浄化力を十分には発揮するこ
とができない。このため、エンジンの冷間始動時等に
は、大気汚染物質の排出量を低減するために、排気ガス
浄化触媒を迅速に高める(暖機する)必要がある。
値よりも大幅にリタードさせることにより排気ガス温度
を高め、排気ガス浄化触媒の昇温を促進するようにした
エンジンの制御装置が提案されている(例えば、特開平
11−107838号公報参照)。すなわち、点火時期
をリタードさせれば、燃料の燃焼によって生じた熱の力
学的エネルギへの変換率が低下し、その分、排気ガス中
に残留する熱が増えて排気ガス温度が高くなるからであ
る。
ジンでは、点火時期をリタードさせると燃焼安定性が低
下して燃焼変動が大きくなり、エンジンの安定性が悪く
なる(振動が大きくなりショック大となる)。また、エ
ンジンの冷間始動時におけるアイドル時には、燃料が気
化・霧化しにくいので、燃焼安定性が悪くなる。このた
め、エンジンの冷間始動時等において排気ガス浄化触媒
の昇温を促進するために点火時期を通常時よりも大幅に
リタードさせると、エンジンの安定性が非常に悪くなる
といった問題がある。
になされたものであって、エンジンの冷間始動時等にお
いて、エンジンの安定性を良好に保持しつつ、排気ガス
浄化触媒の暖機ないしは昇温を有効に促進することがで
き、エンジンのエミッション性能を有効に高めることが
できる手段を提供することを解決すべき課題とする。
になされた本発明にかかるパワートレインの制御装置
は、(i)エンジンの排気ガスを浄化する排気ガス浄化
触媒(例えば、三元触媒)と、エンジンにトルクを付与
してトルクアシストを行うエンジン駆動手段(例えば、
ISG:Integrated Starter Generator)とを備えたパ
ワートレインの制御装置において、(ii)エンジン始動
後の所定期間内におけるアイドル運転時(以下、「冷間
アイドル時」という。)に、エンジン駆動手段にエンジ
ンのトルクアシストを実行させるトルクアシスト制御手
段と、(iii)冷間アイドル時に点火時期をリタードさ
せる点火時期制御手段とを備えていて、(iv)エンジン
が非アイドル運転状態となったときに、点火時期制御手
段が、点火時期を所定量以上アドバンス側にジャンプ
(急変)させるようになっていることを特徴とするもの
である。
冷間アイドル時には、点火時期制御手段によって点火時
期がリタードされるので、排気ガス温度が高められ、ひ
いては排気ガス浄化触媒の暖機が促進される。その際、
エンジン駆動手段によって、エンジンに対してトルクア
シストが行われるので、エンジンの安定性が良好に保持
される。したがって、エンジンの安定性を良好に保持し
つつ、排気ガス浄化触媒の暖機を有効に促進することが
でき、エンジンのエミッション性能を有効に高めること
ができる。
ンジン駆動手段を備えたエンジンにおいては、点火時期
を通常値(例えば、MBT)よりもある程度リタード側
の領域に設定すると燃焼変動が大きくなる(以下、この
領域を「燃焼変動大領域」という。)。しかしながら、
同じ充填効率ceの下ではこの燃焼変動大領域よりリタ
ード側の領域では、再び、燃焼変動の絶対値が小さくな
り、エンジンの安定性が良好となる(以下、この領域を
「燃焼変動小領域」という。)。したがって、冷間アイ
ドル時には、点火時期を、この燃焼変動小領域までリタ
ードさせるのが好ましい。そして、エンジンがこのよう
な状態から非アイドル運転状態に移行したときには、点
火時期が燃焼変動大領域をジャンプしてアドバンスさせ
られるので、点火時期が、燃焼変動の絶対値が大きく、
エンジンの安定性が低い領域にとどまるのを回避するこ
とができる。
は、トルクアシスト制御手段が、点火時期のアドバンス
側への上記ジャンプによるエンジンの出力トルクの変化
を抑制するようにトルクアシスト量を制御(低減)する
ようになっているのが好ましい。このようにすれば、エ
ンジンがアイドル運転状態から非アイドル運転状態に移
行したときに、点火時期のアドバンスによるトルクの増
加が、トルクアシストの低減によって抑制される(打ち
消される)ので、トルクショックが発生しない。
排気ガス浄化触媒の温度又はこれに対応する温度(以
下、単に「触媒温度」という。)を検出する温度検出手
段が設けられている場合は、触媒温度が所定温度(以
下、「基準温度」という。)以下のときにおける上記点
火時期リタード量が、触媒温度が基準温度より高いとき
の上記点火時期リタード量よりも大きい値に設定され、
トルクアシスト制御手段が、触媒温度が基準温度以下の
ときに限り、エンジンの出力トルクの変化を抑制する上
記トルクアシスト量の制御を実行するようになっている
のが好ましい。このようにすれば、不必要なトルクアシ
ストを回避することができる。
は、点火時期制御手段が、触媒温度が基準温度より高く
なったときに、目標点火時期を所定値以上アドバンス側
にジャンプさせ、該目標点火時期が実現されるように点
火時期を制御するようになっているのが好ましい。この
ようにすれば、点火時期が燃焼変動大領域をジャンプし
てアドバンスするので、点火時期が、燃焼変動が大きく
エンジンの安定性が低い領域にとどまるのを回避するこ
とができる。
は、点火時期制御手段が、目標点火時期をアドバンス側
にジャンプさせる際に、エンジンの最大トルクを達成す
ることができるMBTよりもリタード側のところにジャ
ンプさせ、この後目標点火時期をMBTに徐々に接近さ
せるようになっているのが好ましい。このようにすれ
ば、点火時期が急変しないので、トルクショックが発生
しない。
は、点火時期制御手段が、点火時期のジャンプ先を、充
填効率ceが高いときほどMBTとの差が小さくなるよ
うに設定するようになっているのが好ましい。一般に、
MTBは、充填効率ceが高くなるほどリタード側に移
行する。したがって、例えばジャンプ先を、充填効率c
eにかかわらず一定の点火時期(リタード量)に設定し
ておけば、該ジャンプ先は、自然に、充填効率ceが高
いときほどMBTとの差が小さくなることになる。この
ようにすれば、エンジンの燃焼変動大領域を避けなが
ら、点火時期の変化量を最小限に抑えることができる。
的に説明する。図1に示すように、パワートレインを構
成するエンジン1は、吸気弁2が開かれたときに、吸気
ポート3から燃焼室4内に混合気を吸入するようになっ
ている。そして、この燃焼室4内の混合気は、ピストン
5によって圧縮され、所定のタイミングで、点火コイル
6によって起動される点火プラグ(図示せず)により点
火されて燃焼する。燃焼ガスすなわち排気ガスは、排気
弁7が開かれたときに排気ポート8に排出される。な
お、点火コイル6は、点火時期を、所定の範囲内で自在
にアドバンス(進角)又はリタード(遅角)させること
ができる。
は往復運動をする。このピストン5の往復運動は、コネ
クチングロッド(図示せず)によりクランク軸9の回転
運動に変換され、このクランク軸9の回転力がエンジン
1の出力トルクとなる。なお、吸気弁2の開閉タイミン
グは、吸気側VVT機構10(可変バルブタイミング機
構)により変化させられる。また、排気弁7の開閉タイ
ミングは、排気側VVT機構11(可変バルブタイミン
グ機構)により変化させられる。なお、吸気側又は排気
側のVVT機構は、普通のカム動弁機構であってもよ
い。
燃料燃焼用のエアが供給される。そして、吸気通路12
には、エアの流れ方向にみて上流側から順に、エア中の
ダストを除去するエアクリーナ13と、吸入空気量を検
出するエアフローセンサ14と、アクセルペダル(図示
せず)と連動して開閉されるスロットル弁15と、エア
の流れを安定化させるサージタンク16と、吸気通路1
2内ないしは吸気ポート3内のエア中に燃料(例えば、
ガソリン)を噴射して混合気を生成するインジェクタ1
7とが設けられている。また、吸気通路12には、スロ
ットル弁15を迂回するISC通路18(バイパスエア
通路)が設けられ、このISC通路18にはISCバル
ブ19が介設されている。アイドル時には、このISC
通路18を介してエアが供給される。また、ISCバル
ブ19の開度を増減することにより、アイドル回転数を
制御することができる。なお、エンジン1は、筒内噴射
方式であってもよい。
通路20を介して外部(大気中)に排出される。この排
気通路20には、排気ガスを浄化する排気ガス浄化触媒
を用いた触媒コンバータ21が介設されている。ここ
で、排気ガス浄化触媒としては、例えば、NOx、H
C、CO等を浄化する三元触媒等が用いられる。この排
気ガス浄化触媒は、その温度が活性化温度(例えば、3
60〜400℃)以上になると十分な浄化力を発揮する
が、その温度が活性化温度より低いと、十分な浄化力は
得られない。
らなるコントロールユニットCが設けられている。コン
トロールユニットCは、エンジン1、あるいは後で説明
するISG25等の総合的な制御装置であって、各種制
御情報に基づいて種々制御を行うようになっている。具
体的には、コントロールユニットCには、エアフローセ
ンサ14によって検出される吸入空気量、スロットルセ
ンサ22によって検出されるスロットル開度、クランク
センサ23によって検出されるクランク角、水温センサ
24によって検出されるエンジン水温等の各種制御情報
が入力される。そして、コントロールユニットCは、こ
れらの制御情報に基づいて、インジェクタ17の燃料噴
射量及び噴射タイミングの制御、点火コイル6(点火プ
ラグ)の制御すなわち点火時期制御、ISGバルブ19
の開閉制御すなわちバイパス空気量の制御、ISG25
の制御すなわちトルクアシスト量の制御、VVT機構1
0、11の制御すなわちバルブタイミング制御等を行
う。
インには、エンジン1にトルクを付与してトルクアシス
トを行うISG25が設けられている。このISG25
は、スタータとオルタネータとが一体化されてなるモー
タないし発電機であり、ベルト26を介してクランク軸
9と一体回転するようになっている。このISG25に
対しては、36Vバッテリ27と、12Vバッテリ28
と、インバータ29と、DC/DCコンバータ30とが
設けられている。なお、このエンジン1では、普通のス
タータ31もギヤ機構32を介してクランク軸9に連結
されている。クランク軸のトルクは、トルクコンバータ
33(又はクラッチ)を介して、油圧式の自動変速機
(図示せず)に伝達される。この自動変速機にはオイル
ポンプ34が付設されている。なお、図2(b)に示す
ように、ISG25を、ベルト26を介してクランク軸
9に連結するのではなく、直接クランク軸9と連結して
もよい。
このパワートレインの各種制御を行うようになってい
る。しかし、コントロールユニットCによるパワートレ
インの通常の制御は一般に知られており、またかかる通
常の制御は本願発明の要旨とするところでもないのでそ
の説明を省略し、以下では本願発明の要旨にかかる、冷
間始動時等におけるアイドル時、すなわち冷間アイドル
時に、エンジン1の燃焼安定を保持しつつ排気ガス浄化
触媒21の暖機ないし昇温を促進するための、点火時期
及びアシストトルクの制御(以下、「冷間始動アイドル
制御」という。)を説明する。なお、ここで「冷間始
動」とは、エンジン1が未暖機状態から始動される場合
を意味し、寒冷状態からの始動に限定されるものではな
い。
説明する。図9に、エミッション性能、排気ガス熱量、
エンジントルク及び燃焼変動の点火時期に対する変化特
性の一例を示す。図9から明らかなとおり、エミッショ
ン性能は、点火時期がリタードするほど良くなり、また
充填効率ceが低くなるほど良くなる。排気ガス熱量な
いし排気ガス温度は、点火時期がリタードするほど良く
なり、また充填効率ceが高くなるほど良くなる(高く
なる)。エンジンの出力トルク(エンジントルク)は、
点火時期がアドバンスするほど大きくなり、また充填効
率ceが高くなるほど大きくなる。燃焼変動(絶対値)
は、ある点火時期のときに最大(最悪)となり、これよ
りリタード側でもアドバンス側でも低くなる。なお、燃
焼変動が最大となる点火時期は充填効率ceが高いとき
ほどリタード側に移行する。
となる領域まで点火時期をリタードさせると、排気ガス
熱量が多くなり、エミッション性能が良好となる。ま
た、燃焼変動が小さくなる。なお、点火時の混合気温度
は、ピストン位置の影響を受けるため、点火時期がリタ
ードするほど混合気温度が低下する。このため、混合気
が着火しにくくなり、失火が生じやすくなる。つまり、
リタード量が非常に大きいところには失火領域が形成さ
れる。この失火限界は、充填効率ceが高いときほどリ
タード側に移行する。
図であり、ISG25によってトルクアシストが行われ
ている場合における、燃焼変動等の、点火時期と充填効
率とに対する変化特性を示している。図3に示すよう
に、ISG25によってトルクアシストが行われている
エンジン1においては、最大トルクを得ることができる
MBT(ラインG1)よりもリタード側に、燃焼変動が
大きくなりエンジンの安定性が悪くなる燃焼変動大領域
R3が存在する。そして、この燃焼変動大領域R3より
リタード側には、燃焼変動が小さくなりエンジンの安定
性が良好となる燃焼変動小領域R2が存在する。この燃
焼変動小領域R2よりリタード側には、失火が生じやす
い失火領域R1が存在する。なお、図3中において、ラ
インG2はエンジンの発生トルクが0の状態を示してい
る。
ては、冷間アイドル時には、エンジン1に対してISG
25によりトルクアシストを行いつつ、点火時期を、エ
ンジンの燃焼変動が大きい燃焼変動大領域R3を避け
て、燃焼変動が小さい燃焼変動小領域R2内の所定の時
期(冷間アイドル用点火時期)に設定するようにしてい
る。ここで、冷間アイドル用点火時期は、燃焼変動小領
域R2内においてアドバンス側に設定される。点火時期
を不必要にリタードさせると、このパワートレインを搭
載した車両の発進時における点火時期の変化量(アドバ
ンス量)が大きくなり、トルクショックの増加を招くか
らである。また、点火時期を過剰にリタードさせると、
点火時期が失火領域R1に入ってしまうおそれもある。
R3と燃焼変動小領域R2との境界は、充填効率ceが
高いときほどリタード側に移行する。したがって、冷間
アイドル用点火時期は、充填効率ceが高いときほどリ
タード側に設定する必要がある。
冷間始動アイドル制御が行われるので、冷間アイドル時
には、エンジン1の安定性を良好に保持しつつ、点火時
期のリタードにより排気ガス温度を高めることができ
る。これにより、排気ガス浄化触媒の暖機を促進するこ
とができる。よって、エンジン1の安定性を良好に保持
しつつ、排気ガス浄化触媒の暖機を有効に促進すること
ができ、エンジン1のエミッション性能を有効に高める
ことができる。
つつ、コントロールユニットCによる冷間始動アイドル
制御の具体的な制御方法を説明する。図4に示すよう
に、この冷間始動アイドル制御では、まずステップS1
〜S3で、それぞれ、エンジン始動後所定時間内である
か否かと、アイドル運転時であるか否かと、触媒温度が
基準温度(所定値)以下であるか否かとが判定される。
なお、ステップS1における所定時間は、例えば30〜
90秒の範囲内の適当な値に設定される。また、ステッ
プS3における基準温度(所定値)は、排気ガス浄化触
媒の性状に応じて、例えば360〜400℃の範囲内の
適当な値に設定される。
り、アイドル運転時であり、かつ触媒温度が所定値以下
であれば(ステップS1〜S3がすべてYES)、ステ
ップS4〜S8で、点火時期が燃焼変動小領域R2内の
冷間アイドル用点火時期までリタードされ(以下、「冷
間リタード」という。)、かつエンジン1に対してトル
クアシストが行われる。
定時間内において、アイドル状態ないしは触媒温度が変
化した場合の、制御状態の変化の具体例を示す、図5
(a)に示す具体例では、触媒温度が基準温度T0に達
した時点で冷間リタードが停止されている(実行スイッ
チがオフされる)。図5(b)に示す具体例では、非ア
イドル状態となったとき(アイドルスイッチがオフされ
る)に、冷間リタードが停止されている。なお、この
後、再びアイドル状態になったときには、触媒温度がす
でに基準温度T0を超えているので、冷間リタードは実
施されない。図5(c)に示す具体例では、一旦非アイ
ドル状態となった後、再びアイドル状態となったときに
は、触媒温度はまだ基準温度T0に達していないので、
冷間リタードが再度実施されている。そして、触媒温度
が基準温度T0に達した時点で冷間リタードが停止され
ている。
ceが演算される。続いて、ステップS5で、充填効率
ceに応じて目標点火時期(リタード量)が、予め設定
されたマップから索引(検索)される。このマップにお
いては、充填効率ceが高いときほど点火時期がリター
ド側に設定される(リタード量が大きくなる)。かくし
て、この目標点火時期が実現されるように、点火コイル
6が制御される。なお、ステップS5において、充填効
率ceが高いときほど点火時期がリタード側に設定され
るが、これは、エンジン1がISG25によってトルク
アシストされるので、充填効率ceと点火時期(点火リ
タード量)とを広い範囲で自在に選択することができる
からである。
維持するのに必要なエンジンの要求トルクが演算され
る。続いて、ステップS7で、エンジン1の出力トルク
が演算される。そして、ステップS8で、ISG25に
よるトルクアシスト量が演算される。ここで、エンジン
1の要求トルクと出力トルクの差がトルクアシスト量で
ある。かくして、このトルクアシスト量が実現されるよ
う、ISG25の出力が、その電流を増減するなどして
制御される。この後、ステップS1に復帰する。
定時間内でないと判定され、アイドル運転時でないと判
定され、又は触媒温度が基準温度(所定値)以下でない
と判定された場合は(ステップS1〜S3のいずれかが
NO)、ステップS9で、この制御ルーチンの前回処理
時に、ステップS1〜S3の条件がすべて成立していた
か否か、すなわちステップS1〜S3がすべてYESで
あったか否かが判定される。
ている場合は、ステップS1〜S8を繰り返し実行して
いる状態から初めて離脱して、このステップS9が実行
されたことになる。この場合、ステップS10〜S14
が1回だけ実行され、点火時期がMBTよりはリタード
側の所定値までジャンプさせられる。なお、この所定値
は、燃焼変動大領域R3よりアドバンス側のエンジンの
安定性が良好な領域に設定される。
ceが演算される。続いて、ステップS11で、点火時
期がMBTよりリタード側の所定値までジャンプさせら
れる。これにより、点火時期は、燃焼変動大領域R3を
飛び越してアドバンスする。したがって、点火時期が燃
焼変動大領域R3にとどまるのが回避される。
率ceにかかわらず一定の点火時期(リタード量)に設
定される。このため、ジャンプ先は、充填効率ceが高
いときほど、MBTとの差が小さくなる。これにより、
エンジン1の燃焼変動大領域を避けながら、点火時期の
変化量を最小限に抑えることができる。
を維持するのに必要なエンジンの要求トルクが演算され
る。続いて、ステップS13で、エンジン1の出力トル
クが演算される。そして、ステップS14で、ISG2
5によるトルクアシスト量が演算される。かくして、こ
のトルクアシスト量が実現されるよう、ISG25の出
力が制御される。この後、ステップS1に復帰する。
処理時に、ステップS1〜S3の条件がすべて成立して
いたのではないと判定された場合、すなわちステップS
10〜S14がすでに1回実行された後は、ステップS
15、S16で、点火時期が徐々にMBTに近づけられ
る。具体的には、ステップS15で点火時期がMBTに
向けて徐々にアドバンス(進角)される。続いて、ステ
ップS16で、ISG25によるトルクアシストが0に
向けて徐々に減算される。
ャンプさせる際に、まずMBTよりリタード側のところ
にジャンプさせ、この後点火時期をMBTに徐々に接近
させるようにしているので、点火時期が急変せず、トル
クショックが発生しない。また、点火時期のアドバンス
と並行してISG25によるトルクアシストの度合いを
低下させるようにしているので、点火時期のアドバンス
によるトルクの増加が、トルクアシストの低下によるト
ルクの減少によって打ち消され、トルクショックの発生
がより有効に防止される。この後、ステップS1に復帰
する。
状態への復帰時におけるスロットル開度TVO、トルク
予測値、バイパス空気量(ISCエア量)、点火時期、
エンジントルク及びISG25によるトルクアシスト量
の経時変化の具体例を示す。図6は、アイドル状態から
非アイドル状態に変化した場合において、バイパス空気
量が安定するまで待機してから冷間リタードが停止さ
れ、点火時期がジャンプした場合の例である。これに対
して、図7は、アイドル状態から非アイドル状態に変化
した時点で直ちに冷間リタードが停止され、点火時期が
ジャンプした場合の例である。図8は、触媒温度が基準
温度(所定温度)に達して冷間リタードが停止され、点
火時期がジャンプした場合の具体例である。
とにより、冷間アイドル時には、エンジン1の安定性を
良好に保持しつつ、点火時期のリタードにより排気ガス
温度を高めることができ、ひいては排気ガス浄化触媒の
暖機を促進することができる。よって、エンジン1の安
定性を良好に保持しつつ、排気ガス浄化触媒の暖機を有
効に促進することができ、エンジン1のエミッション性
能を有効に高めることができる。
ンジンのシステム構成図である。
ンジンに対してトルクアシストを行うISG等の構成を
示す図である。
る場合における、燃焼変動等の、点火時期と充填効率と
に対する変化特性を示す図である。
ャートである。
が停止される際の制御状態を示すグラフである。
て、冷間リタードから通常運転状態に復帰する際の、各
種状態の経時変化を示す図である。
て、冷間リタードから通常運転状態に復帰する際の、も
う1つの各種状態の経時変化を示す図である。
から通常運転状態に復帰する際の、各種状態の経時変化
を示す図である。
トルク及び燃焼変動の点火時期に対する変化特性を示す
グラフである。
弁、3…吸気ポート、4…燃焼室、5…ピストン、6…
点火コイル、7…排気弁、8…排気ポート、9…クラン
ク軸、10…吸気側VVT機構、11…排気側VVT機
構、12…吸気通路、13…エアクリーナ、14…エア
フローセンサ、15…スロットル弁、16…サージタン
ク、17…インジェクタ、18…ISC通路、19…I
SCバルブ、20…排気通路、21…触媒コンバータ
(排気ガス浄化触媒)、22…スロットルセンサ、23
…クランクセンサ、24…水温センサ、25…ISG、
26…ベルト、27…36Vバッテリ、28…12Vバ
ッテリ、29…インバータ、30…DC/DCコンバー
タ。
Claims (6)
- 【請求項1】 エンジンの排気ガスを浄化する排気ガス
浄化触媒と、エンジンにトルクを付与してトルクアシス
トを行うエンジン駆動手段とを備えたパワートレインの
制御装置において、 エンジン始動後の所定期間内におけるアイドル運転時
に、エンジン駆動手段にエンジンのトルクアシストを実
行させるトルクアシスト制御手段と、 エンジン始動後の所定期間内におけるアイドル運転時
に、点火時期をリタードさせる点火時期制御手段とを備
えていて、 エンジンが非アイドル運転状態となったときに、点火時
期制御手段が、点火時期を所定量以上アドバンス側にジ
ャンプさせるようになっていることを特徴とするパワー
トレインの制御装置。 - 【請求項2】 トルクアシスト制御手段が、点火時期の
アドバンス側への上記ジャンプによるエンジンの出力ト
ルクの変化を抑制するようにトルクアシスト量を制御す
るようになっていることを特徴とする請求項1に記載の
パワートレインの制御装置。 - 【請求項3】 排気ガス浄化触媒の温度又はこれに対応
する温度を検出する温度検出手段が設けられていて、 上記温度が所定温度以下のときにおける上記点火時期リ
タード量が、上記温度が上記所定温度より高いときの上
記点火時期リタード量よりも大きい値に設定され、 トルクアシスト制御手段が、上記温度が上記所定温度以
下のときに限り、エンジンの出力トルクの変化を抑制す
る上記トルクアシスト量の制御を実行するようになって
いることを特徴とする請求項2に記載のパワートレイン
の制御装置。 - 【請求項4】 点火時期制御手段が、上記温度が上記所
定温度より高くなったときに、目標点火時期を所定値以
上アドバンス側にジャンプさせ、該目標点火時期が実現
されるように点火時期を制御するようになっていること
を特徴とする請求項3に記載のパワートレインの制御装
置。 - 【請求項5】 点火時期制御手段が、目標点火時期をア
ドバンス側にジャンプさせる際に、エンジンの最大トル
クを達成することができるMBTよりもリタード側のと
ころにジャンプさせ、この後目標点火時期をMBTに徐
々に接近させるようになっていることを特徴とする請求
項4に記載のパワートレインの制御装置。 - 【請求項6】 点火時期制御手段が、点火時期のジャン
プ先を、充填効率が高いときほどMBTとの差が小さく
なるように設定するようになっていることを特徴とする
請求項5に記載のパワートレインの制御装置。
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2002
- 2002-03-29 JP JP2002095690A patent/JP3722083B2/ja not_active Expired - Fee Related
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