JP5460910B1 - 防火構造、防火構造体の施工方法、および保持部材の仕切り部からの脱落防止方法 - Google Patents

防火構造、防火構造体の施工方法、および保持部材の仕切り部からの脱落防止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 施工性に優れ、配管類の種類や仕切りの構造によらず、同一の構造及び構造体で施工品質を保つことが可能な防火構造等を提供する。
【解決手段】 貫通孔25の一方の側に露出するケーブル5aおよび配管5bの外周およびケーブル5aおよび配管5bの間には、熱膨張材13が配置される。熱膨張材13は、例えばパテ状であり、熱により体積が膨張する部材である。熱膨張材13の外周には膨張部材13と接触するように、緩衝部材23が設けられる。緩衝部材23は、保持部材7によって保持される。保持部材7は、一対の半割部材9a、9bによって形成される。半割部材9a、9bを組み合わせることで、略筒状の形態の保持部材7となる。保持部材7は、略筒形状の側面を構成する側壁部17と、側壁部17の一方の縁部側に形成され、中心方向に向けて折り曲げられた折曲げ部19を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、防火壁や床等の建築物の防火区画部を貫通する配管またはケーブルに対して用いられる防火構造等に関するものである。
構造物、特に一定規模以上の建築物を構成する壁又は床等の仕切り部の一部には、この仕切り部の一方で火災が発生した場合に他方へ延焼することを防ぐ「防火区画」を形成することが法により定められている。配管や電線・ケーブルなど(以下、配管類とする)がこの防火区画に貫通孔を設けて挿通される場合、万一の火災の際の火炎が配管類を伝って防火区画の他方へ延焼するのを防ぐために、この貫通孔に防火処理を施す必要があると法で定められている。
このような防火処理の方法には様々な方法が提案されている。例えば、防火区画を貫通する配管類や、貫通孔からの延焼を防ぐために、貫通孔の内面と配管類との間の空間を防火材で埋める方法がある。また、貫通孔の入口外部で配管類の周囲に防火材を盛り付けて貫通孔を閉塞する方法がある。また、これらを組み合わせた方法がある。
この際、配管類が可燃性であり、火災時に配管類が溶融又は焼失して大きな空間ができる場合には、熱膨張性の防火材(以下、「熱膨張材」とする)が用いられる。熱膨張材を用いることで、配管類が溶融又は焼失してできた空間を熱膨張材の膨張により閉塞することができる。このため、延焼を防ぐことができる。
貫通孔内部の空間を防火材で埋める構造としては、プラスチックフィルム製の袋にペースト状の熱膨張材を充填したパック状の防火材を貫通孔と配管類の空間に詰める方法がある。この場合、パック状の防火材が貫通孔から脱落するのを防止するために、例えば、金属製の支え金具(ワイヤー状)が用いられ、支え金具と金属製の押さえ金具によって、パック状の防火材を保持する構造が提案されている(特許文献1)。
このような貫通孔の内部を防火材で埋める構造において、使用する防火材が熱膨張材の場合、熱膨張材が周囲に形成された不規則な形状の空間を埋めるように膨張する。この際、熱膨張材を貫通孔から離脱させずに貫通孔内部に拘束することで、熱膨張材の密度低下を抑制することができる。このように、仕切り部の厚さ分の閉塞された空間に長い防火帯を形成させることで、良好な防火性能を得ることができる。このため、大口径の樹脂製配管等が溶融・焼失し、貫通孔内部の空間が大きい場合であっても、その空間を比較的容易に閉塞することができる。
また、貫通孔の入口外部で配管類の周囲に防火材を盛り付ける構造としては、例えば、パテ状の熱膨張材を貫通孔入口外部の配管類の周囲に盛り付ける方法がある。この場合、熱膨張材が脱落するのを防止するために、金属製の保持部材を防火区画の仕切り部に固定し、熱膨張材を保持する。
また、さらに貫通孔内部に、壁厚さよりも長い耐熱性の貫通スリーブを、保持部材が設置された面とは反対方向に寄せた状態で設けておき、貫通スリーブと配管類の間の空間をパテ状の熱膨張材で埋める構造が提案されている(特許文献2)。
保持部材は、貫通孔の入口外部に盛り付けられた熱膨張材が、火災の熱により周囲に不規則に膨らんで開口から脱落することを抑制する。また、保持部材によって、保持部材を取り付けた壁面とは反対の方向に熱膨張材が膨張するように誘導する。さらに、貫通スリーブを用いることによって、開口から離脱するはずの熱膨張材が貫通スリーブと配管類の間の閉塞された空間に拘束されて、長い防火帯を形成することができる。このため、良好な防火性能を得ることができる。
特開2003−298745号公報 特開2011−74969号公報
しかし、特許文献1の方法は、仕切り部の厚さが薄い場合には、長い防火帯を形成できないので防火性能を確保できない場合がある。また、貫通孔の内面に配管類が接している場合や貫通孔に挿通する配管の径が大きい場合には、パック状の防火材を貫通孔内に詰めるのに十分な空間を得ることができない。このため、施工が難しくかつ手間になり、施工性が著しく低下する。
一方、特許文献2では、壁厚さが42mmと薄い場合を想定しており、貫通孔のみでは長い防火帯を形成できないため、貫通スリーブが用いられている。すなわち、貫通スリーブによって、より長い防火帯を形成し、十分な閉塞空間を作って防火性能を確保している。また、貫通孔外部に熱膨張材を盛り付けることにより、貫通孔内部に埋める熱膨張材の使用量を低減させることができる。このため、貫通孔の内面に配管類が接している場合や貫通孔に挿通する配管の径が大きい場合等に、施工性が著しく低下するのを軽減することができる。
しかし、特許文献2の方法も、貫通孔内部に熱膨張材を詰める必要があるため、特許文献1と同様に施工性は低下する。また、貫通スリーブを設置するため施工時間が長く、製品価格も高くなる。また、貫通スリーブや貫通孔内部の熱膨張材は、貫通孔外部に盛り付けられた熱膨張材と保持部材により隠される。このため、壁の施工側とは反対側からでないと、貫通スリーブや貫通孔内部の施工状態を確認することができない。したがって、貫通孔内部への熱膨張材の施工ミス等のために施工品質が保たれず、火災の際には所定の防火性能を発揮できない恐れがある。
なお、特許文献2の方法に対して、例えば、壁厚さが100mm以上の厚い場合には、貫通スリーブを用いることなく閉塞された空間内に長い防火帯を形成することができる。このため、特許文献2のように貫通孔内に熱膨張材を入れない方法がある。
しかし、この方法でも、熱膨張材の膨張倍率が低い場合には防火性能上有効な長い防火帯を形成することができない。一方、熱膨張材の膨張倍率が高い場合には、金属製の保持部材には熱膨張材の膨張力が直接に加わる。熱膨張材は、外部からの熱を受けて周囲に形成された空間を埋めるように不規則に膨張するため、保持部材が仕切り部から脱落する方向にも熱膨張材が膨らむ。
図12(a)は、従来の防火構造100を示す断面図である。防火構造100は、主に、部屋等を区画する区画部である仕切り部103と、仕切り部103に形成された貫通孔123と、貫通孔123に設置された複数のケーブル105a、配管105bと、貫通孔123の外部に露出するケーブル105a、配管105bの外周部に設けられる熱膨張材113と、熱膨張材113を保持する保持部材107等から構成される。
仕切り部103の一方の外面には、ねじ等によって保持部材107が固定される。保持部材107は、略筒状の形状であり、前面(保持部材107の筒状部の仕切り部103との固定部とは反対側の位置)が、中心方向に向かって折り曲げられる。熱膨張材113は、この折曲げ部と仕切り部103との間に配置される。熱膨張材113は、火災等による熱によって体積が膨張する部材である。
図12(b)に示すように、火災等が発生すると、熱膨張材113が膨張する。なお、以下の図において、ケーブル105aおよび配管105bの燃焼・溶融については図示及び詳細な説明を省略する。熱膨張材113は、その膨張に伴い、一部が保持部材107の開口部側から膨出し、一部が貫通孔123の内部側に流れ込む。また、この際、保持部材107の内面には、熱膨張材113からの膨張力が付与される(図中矢印X)。
熱膨張材113がさらに膨張すると、図13に示すように、保持部材107が熱膨張材113からの力に対抗しきれずに変形する(図中矢印Y方向)。特に、保持部材107の円周方向に対して、熱膨張材113の設置量を完全に均一にすることは困難である。このため、保持部材107の円周方向に対して、熱膨張材113の設置量に差が生じる。この結果、保持部材107の周方向に対して不均一に熱膨張材113の膨張力が加わる。この大きな力が付与される部位が、保持部材107を仕切り部103に固定している部分に重なった場合には、保持部材107が仕切り部103から外れる恐れがある。
また、特に、仕切り部103が石こうボードや軽量気泡コンクリートなど、ねじ等での機械的固定による固定力に難がある場合には、保持部材107が脱落する恐れが大きい。このように、熱膨張材113の膨張倍率と保持部材107の固定力をバランスさせる必要があり、施工状態によっても防火性能が左右される。このため、防火性能が極めて不安定である。さらに、延焼挙動の異なる多種多様な配管類に対して、同一の構造等では、防火性能を十分に確保することができず、挿通する配管等が限られるという問題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、施工性に優れ、配管類の種類や仕切りの構造によらず、同一の構造及び構造体で施工品質を保つことが可能な防火構造等を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、構造物の仕切り部に設けられる防火構造であって、前記仕切り部に設けられた貫通孔と、前記貫通孔に挿通される配管またはケーブルと、前記貫通孔の外部に露出する前記配管またはケーブルの周囲に設けられる熱膨張材と、前記熱膨張材の周囲に設けられる緩衝部材と、前記緩衝部材および前記熱膨張材を保持する金属製の保持部材と、を具備し、前記保持部材は前記仕切り部に固定され、前記保持部材は、前記緩衝部材を周囲から覆う側壁部と、前記側壁部から内側に向かって張り出すように形成されるフランジ状の折曲げ部と、を有することを特徴とする防火構造である。ここで、保持部材は、略半円筒状の形状をしていることが望ましい。緩衝部材の設置は、保持部材を固定部に固定する前に、保持部材に緩衝部材を配置する方が望ましい。
前記保持部材の前記側壁部からの前記折曲げ部の張り出し長さは、前記側壁部の内部に配置される前記緩衝部材の厚みよりも長く、正面視において、前記熱膨張材の外周部の一部が前記折曲げ部の背面に隠れるように、前記熱膨張材の外周に前記緩衝部材が前記熱膨張材に接触して配置されることが望ましい。
前記保持部材の前記仕切り部への固定部側には、前記貫通孔の中心に向かって折り曲げられた舌片部が設けられ、
前記側壁部の外周部には、前記貫通孔の径方向の外側に向かって突出し、前記仕切り部に対して前記保持部材を固定するための固定部が設けられ、
前記舌片部および前記固定部は、それぞれ、前記貫通孔の中心に対して対称な位置に複数個所形成されることが望ましい。
前記保持部材の前記仕切り部への固定部側には、前記貫通孔の中心に向かって折り曲げられ、さらに前記折曲げ部の方向に折り返された緩衝部材保持部が設けられ、前記緩衝部材が前記緩衝部材保持部と、前記側壁部と、前記折曲げ部とによって保持されることが望ましい。
前記保持部材の前記折曲げ部によって形成される開口部の大きさが、前記貫通孔の大きさ以上であることが望ましい。
前記舌片部の先端が、前記貫通孔の外縁から中心方向に突出することが望ましい。このように、舌片部を設けることで、保持部材内部に熱膨張材を配置する際の熱膨張材の位置を、舌片部との関係で確認できることから、熱膨張材の保持部材内部への挿入がし易く、後述するように、適量の熱膨張部材を挿入することができる。また前記舌片部は、貫通孔に挿通された配管類の振動や移動(当該配管に関わる設備の運転時等に発生するもの)にひきずられて、保持部材内部に配置された熱膨張材が動くのを抑止することができる。
前記緩衝部材は、グラスウール、ロックウール、セラミックウール、炭素繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、二酸化ケイ素繊維、シリカ繊維、スラグ繊維、ケイ酸カルシウム繊維、チタン酸カリウム繊維、および、シリカ、カルシア及びマグネシアを原料とした繊維からなる群から選ばれる1種又は2種以上を含む無機繊維からなることが望ましい。
前記無機繊維は、被覆部材で被覆され、前記被覆部材は、有機繊維、ガラスメッシュ、ガラスペーパー、ガラスクロス、ガラスクロスで補強したアルミ箔、ポリエチレンにアルミ蒸着したフィルムに樹脂コートしたもの、アルミ箔と紙を積層したアルミ積層紙、ガラス繊維強化アルミ積層紙及びポリエチレン、および、塩化ビニル又はフッ素樹脂の有機材料のフィルムからなる群から選ばれる1種又は2種以上を含むことが望ましい。
前記熱膨張材の熱膨張倍率は、例えば、1.5倍から7倍の範囲に設定する。望ましくは周囲温度180℃のときに1.5〜6.0倍であり、350℃のときに3.0〜7.0倍であればよい。
前記緩衝部材は、熱伝導率0.48W/m・K(1000℃)以下で、厚さが6mm以上であり、断熱層として機能させてもよい。
第1の発明によれば、膨張材と保持部材との間に緩衝部材が設けられるため、熱膨張材の膨張力が、直接保持部材に付与されることを防止することができる。このため、保持部材への膨張力の付与が緩和され、保持部材の変形や仕切り部からの脱落を抑制することができる。この結果、火災等の発生時においても、保持部材によって確実に熱膨張材等の保持を維持することができる。
また、熱膨張材が脱落することがないため、熱膨張材を貫通孔の内部に配置する必要がない。また、仕切り部の厚みが薄くても、貫通孔に貫通スリーブを配置する必要もない。したがって、構造が簡易であり施工作業性にも優れる。
また、折曲げ部の背面に熱膨張材の外周部の一部が隠れるように配置することで、折曲げ部によって熱膨張材を前方から保持することができる。このため、熱膨張材が折曲げ部によって形成される開口部から脱落することを防止することができる。また、熱膨張材の膨張方向を仕切り部側に誘導することができるため、確実に貫通孔を塞ぎ、耐火性能を発揮させることができる。
また、舌片部を設けることで、保持部材内部に熱膨張材を配置する際、熱膨張材の挿入量が分かりやすく、過剰に熱膨張材を挿入することを防止することができる。
この際、舌片部の先端を貫通孔の外縁から中心方向に突出させることで、仕切り部に保持部材を固定した状態で、保持部材内部に熱膨張材を配置する際、熱膨張材が貫通孔の内部に入り込むことを抑制することができる。
また、緩衝部材保持部を設けることで、保持部材の内部に確実に緩衝部材を保持することができる。このため、保持部材にあらかじめ緩衝部材を配置することが可能となり、取扱い中に緩衝部材が脱落することがない。
また、折曲げ部によって形成される開口部の大きさが貫通孔の大きさ以上であるため、保持部材内部への熱膨張材の挿入作業が容易である。
また、緩衝部材の材質を適切に選択することで、耐火性やクッション性を確実に得ることができる。ここで、緩衝部材の厚みは、熱膨張材の膨張力を考慮して、適宜決定すればよい。緩衝部材の保持部材への配置は、保持部材を仕切り部に固定する前に行う方が望ましい。このようにすれば、防火構造体の施工時の作業負荷を低減することができる。
また、無機繊維を被覆部材で覆うことで、取扱い時に無機繊維の小片が散乱し、脱落することを防止することができる。合わせて無機繊維の小片が散乱することで、作業者の手などにそれが触れてチクチクする不快感を防止することができる。このため、取扱い性に優れる。
また、本発明では、保持部材への膨張力の付与を緩和することができるため、従来から使用されている熱膨張材よりも膨張倍率の大きな熱膨張材を使用することができる。このため、熱膨張材の使用量を少なくすることができる。
また、緩衝部材の熱伝導率を所定以下とし、厚みを適宜設定(所定以上に)することで、緩衝部材を断熱層として機能させることができる。このようにすることで、火災等の熱が内部の熱膨張材に直接伝達されることを抑制することができる。このため、熱膨張材が急激に膨張することを抑制し、保持部材に対して急激に大きな力が付与されることを抑制することができる。この結果、保持部材の変形や脱落を防止し、熱膨張材によって確実に貫通孔を塞ぐことが可能となる。
第2の発明は、構造物の仕切り部に設けられる防火構造の施工方法であって、構造物の仕切り部の貫通孔に設けられた配管またはケーブルの前記貫通孔の外部に露出する部分の周囲に熱膨張材を設ける工程aと、前記熱膨張材の周囲に緩衝部材を配置するとともに、前記緩衝部材の外周に半割の金属製の保持部材とを配置する工程bと、前記保持部材を前記仕切り部に固定する工程cと、を具備し、前記保持部材は、前記緩衝部材を周囲から覆う側壁部と、前記側壁部から内側に向かって張り出すように形成されるフランジ状の折曲げ部と、を有することを特徴とする防火構造の施工方法である。
前記工程bは、前記熱膨張材の周囲に、あらかじめ内部に前記緩衝部材が前記折曲げ部により保持されるように配置された前記保持部材を、前記熱膨張材の外周に被せてもよい。
前記工程bは、前記熱膨張材の周囲に前記緩衝部材を配置した後、前記緩衝部材および前記熱膨張材を覆うように、前記保持部材を被せてもよい。
また、第2の発明は、構造物の仕切り部に設けられる防火構造の施工方法であって、緩衝部材を周囲から覆う側壁部と、前記側壁部から内側に向かって張り出すように形成されるフランジ状の折曲げ部とを有する保持部材を用い、
あらかじめ内部に前記緩衝部材が前記折曲げ部により保持されるように配置された前記保持部材を、前記構造物の仕切り部に設けられた貫通孔に挿通された配管またはケーブルの前記貫通孔の外部に露出する部分の外周に、被せる工程dと、前記保持部材を前記仕切り部に固定する工程eと、前記緩衝部材と前記仕切り部の外部に露出する前記配管またはケーブルの間に熱膨張材を設ける工程fと、を具備することを特徴とする防火構造の施工方法である。
第2の発明によれば、熱膨張材の外周部に保持部材と緩衝部材を配置することで、熱膨張材による膨張力が保持部材に直接付与することを防止可能な防火構造を得ることができる。
この際、保持部材の内部にあらかじめ緩衝部材を配置し、この保持部材を熱膨張材の外周部に固定することで、設置作業が容易である。
また、熱膨張材の外周に緩衝部材を配置した後、保持部材を配置すれば、緩衝部材を視認可能であるため、緩衝部材の設置忘れなどを防止することができる。
また、保持部材を仕切り部に固定した後、熱膨張材を保持部材の内部に配置すれば、熱膨張材の挿入量が分かりやすい。
第3の発明は、構造物の仕切り部に設けられる防火構造体における熱膨張材を保持する保持部材の仕切り壁からの脱落防止方法であって、構造物の仕切り部に設けられた貫通孔に配管またはケーブルが挿通され、前記貫通孔の外部に露出する前記配管またはケーブルの周囲に設けられる熱膨張材と、前記熱膨張材を保持する保持部材との間であって、前記保持部材の内部に緩衝部材を配置するとともに、前記保持部材を前記仕切り部に固定し、前記保持部材が、前記緩衝部材を周囲から覆う側壁部と、前記側壁部から内側に向かって張り出すように形成されるフランジ状の折曲げ部と、を有することを特徴とする保持部材の仕切り部からの脱落防止方法である。
第3の発明によれば、熱膨張材の外周部に保持部材と緩衝部材を配置することで、熱膨張材による膨張力が保持部材に直接付与することを防止し、保持部材が仕切り部から脱落することを防止することができる。
本発明によれば、施工性に優れ、配管類の種類や仕切りの構造によらず、同一の構造及び構造体で施工品質を保つことが可能な防火構造等を提供することができる。
防火構造1を示す斜視図。 防火構造1を示す正面図。 図2のA−A線断面図。 図2のB−B線断面図。 保持部材7の分解斜視図。 保持部材7の組立斜視図。 貫通孔25にケーブル5a、配管5bを挿通した状態を示す図。 ケーブル5a、配管5bの外周に、熱膨張材13、半割部材9a、9bを設置する工程を示す図。 ケーブル5a、配管5bの外周に、熱膨張材13および緩衝部材23を配置し、さらに半割部材9a、9bを設置する工程を示す図。 ケーブル5a、配管5bの外周に、半割部材9a、9bを設置し、さらに熱膨張材13を内部に挿入する工程を示す図。 防火構造1の機能を示す図。 (a)は、従来の防火構造100の断面図、(b)は従来の防火構造100において熱膨張材113が膨張を開始した状態を示す図。 従来の防火構造100において、熱膨張材113がさらに膨張した状態を示す図。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明にかかる防火構造1を示す斜視図であり、図2は正面図である。また、図3は図2のA−A線断面図、図4は、図2のB−B線断面図である。防火構造1は、主に、仕切り部3、貫通孔25、ケーブル5a、配管5b、熱膨張材13、緩衝部材23、保持部材7等から構成される。
(仕切り部)
仕切り部3は、部屋等を区画する区画部である。なお、以下の例では、防火構造1として仕切り部3について示すが、鉛直方向に区画する床(天井)等に設けられてもよい。また、図示を簡略化するが、例えば、仕切り部3の構造としては、鉄筋コンクリート造(RC)、軽量気泡コンクリート造(ALC)、木製又は鋼製の間柱をはさみこむように両側に石膏ボードを貼付して形成される間仕切壁(中空壁)、枠体の片側に石こうボードを貼付して形成する間仕切壁(薄壁)が挙げられ、厚さが42mm以上であることが望ましい。なお、本発明では、壁厚さよりも長い貫通スリーブは不要である。
(ケーブルおよび配管)
仕切り部3には、貫通孔25が形成される。なお、貫通孔25の形状は図示した例に限られない。貫通孔25内には、複数のケーブル5a、配管5bが挿通される。なお、以下の図において、ケーブル5a、配管5bが1本ずつ挿通される例について示すが、ケーブル5a、配管5bの本数、配置は図示した例には限られない。また、ケーブル5aまたは配管5bのみであってもよい。
なお、ケーブル5aとしては、例えば、電線、光ファイバケーブル、船舶用ケーブルである。また、配管5bとしては、例えば電線管、給水管、給湯管、水道管、配水管、排水管、空調冷媒管、空調排水管、冷凍排水管、産業用配管等が挙げられる。なお、ケーブル5aまたは配管5bの断面構造については、詳細な説明を省略する。例えば、配管5bは、可燃性の保温材を備えた金属製の管、塩化ビニル製の管及び可燃性の保温材を備えた塩化ビニル製の管などからなる。
(熱膨張材)
貫通孔25の一方の側(図3、図4の左側で)に露出するケーブル5aおよび配管5bの外周およびケーブル5aおよび配管5bの間には、熱膨張材13が配置される。熱膨張材13は、例えばパテ状であり、熱により体積が膨張する部材である。
熱膨張材13の膨張倍率は、1.5〜7.0倍程度であればよい。より具体的には、例えば、周囲温度180℃のときに1.5〜6.0倍であり、同350℃のときに3.0〜7.0倍であればよい。なお、さらに望ましくは、熱膨張材13の膨張倍率は、180℃のときに2.0〜5.5倍であり同350℃のときに4.0〜7.0倍であり、さらに、180℃のときに2.0〜5.0倍であり同350℃のときに5.0〜7.0倍であればなおよい。なお、ここで、熱膨張材の膨張倍率は、所定内径の熱膨張材を所定高さ(例えば10mm)として、金属製の筒内に配置し、所定温度に保持し、所定の周囲温度に熱膨張材を30分保持し、30分後の体積を元の体積で除算する方法によって測定及び算出されるものである。
より具体的には、金属製の筒内に所定体積の熱膨張材をセットし、同一サンプルを、180℃、350℃の各温度に各30分保持して、各々の条件下での加熱後の試料高さ変化(h)を測定する。以上により膨張倍率を算出することができる。
(緩衝部材)
熱膨張材13の外周には熱膨張材13と接触するように、緩衝部材23が設けられる。緩衝部材23の材質としては、グラスウール、ロックウール、セラミックウール、炭素繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、二酸化ケイ素繊維、シリカ繊維、スラグ繊維、ケイ酸カルシウム繊維、チタン酸カリウム繊維又はシリカ、カルシア及びマグネシア等を原料とした繊維等の無機繊維が考えられる。断熱性と取扱い性等を考慮すると、二酸化ケイ素、カルシア及びマグネシア等またはアルミナ、シリカアルミナ、シリカを原料とした繊維が望ましい。なお、二酸化ケイ素、カルシア及びマグネシア等を原料とした繊維としては、新日本サーマルセラミックス社製「スーパーウール ブランケット(superwool Plus,superwool HT)」(商品名)等、アルミナ、シリカアルミナ、シリカ等を原料とした繊維としては、株式会社ITM製「ファイバーエクセル ブランケット(Fibrexcel)」(商品名)等が挙げられる。
これら無機繊維は、微細な繊維の隙間に空気層を含んでいるため、優れた断熱性能とともに柔軟性を持つことで所定の効果を得ることができる。また、軽量であるため、施工現場への防火処理構造体の運搬の負担が軽減できる。なお、緩衝部材23の形状は、防火処理構造を満たすものであれば、板状、シート状、フェルト状、ブランケット状、帯状及び筒状等でも良い。これらの形状に成形加工する場合に、潤滑剤、無機バインダー及び有機バインダー等を含んでも良い。
緩衝部材23としては、上述した無機繊維をそのまま用いても良いが、作業時における無機繊維の散乱や作業者の取扱い性を考慮すると、被覆部材によって被覆してもよい。被覆部材としては、有機繊維(ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、レーヨン、ナイロン、アクリル、アクリル系、ビニロン、ポリ乳酸、ポリオレフィン、ポリウレタン、セルロース、アセテート、トリアセテート及びこれらの複合体等)、ガラスメッシュ、ガラスペーパー、ガラスクロス、ガラスクロスで補強したアルミ箔、ポリエチレンにアルミ蒸着したフィルムに樹脂コートしたもの、アルミ箔と紙を積層したアルミ積層紙、ガラス繊維強化アルミ積層紙及びポリエチレン、塩化ビニル又はフッ素樹脂等の有機材料のフィルム等が適用可能である。これらを無機繊維の外面に張り付けるか、もしくはこれらを筒状や袋状などの形状にして無機繊維を覆えばよい。
緩衝部材23は、熱伝導率0.48W/m・K(1000℃)以下であることが望ましい。また、緩衝部材23の厚さは6mm以上であることが望ましい。このようにすることで、緩衝部材23を断熱層として機能させることができる。例えば、火災が発生した際に、熱が直接熱膨張材13に伝わることを抑制することができる。このようにすることで、熱膨張材13の急激な膨張を抑制することができ、これにより保持部材7が破損することを防止することができる。
(保持部材)
緩衝部材23は、保持部材7によって保持される。図5は、保持部材7の分解斜視図、図6は組立斜視図である。保持部材7は、一対の半割部材9a、9bによって形成される。半割部材9a、9bを組み合わせることで、略筒状の形態の保持部材7となる。半割部材9a、9bは、互いの係合爪29と係合部31とを係合することで組み合わせることができる。さらに、係合部には、予め所定のクリアランスを設けることが望ましい。このように、所定のクリアランスを設けることで、熱膨張材の膨張時の膨張力を緩和できる。また、係合部材の係合方法は、係合爪によらない係合方法であっても問題なく、公知の係合方法を適宜用いることができる。
保持部材7は、略筒形状の側面を構成する側壁部17と、側壁部17の一方の縁部側に形成され、中心方向に向けて折り曲げられた折曲げ部19を有する。折曲げ部19は、側壁部17に対して略垂直になめらかな曲線状に折り曲げられ、中心方向に向けてフランジ状に張り出すように形成される。
折曲げ部19は、例えば、断面形状が仕切り部3から離れるほど小さくなる湾曲形状とすることができる。このようにすることで、後述する熱膨張材13から受ける膨張力をより効率よく緩和させることができる。このため、保持部材7が容易に脱落することがない。
保持部材7は、火災の熱に耐え、かつ、熱膨張材の膨張力に耐えうる融点が1000℃以上の材質であることが望ましい。保持部材7の材質としては、例えば、鉄、鋼、ステンレス、銅等が考えられるが、比較的軽くて安価で調達できる鋼を用いるのが望ましい。また、保持部材7の厚さは、0.8mm以上であることが望ましい。特に、製造上の加工性、コスト及びハンドリング、製品輸送と施工作業者への負担を考慮すると、保持部材7の厚さは、0.8mm〜1.0mmであることが望ましい。
保持部材7の外周面には、外方に向けて突出する固定部11が設けられる。固定部11は、側壁部17の、折曲げ部19とは反対側の縁部に形成される。固定部11は貫通孔を有し、ねじなどの固定部材を用いて仕切り部3に対して保持部材7を固定する部位である。図2に示すように、固定部11は、保持部材7の外周部に貫通孔25の中心に対して対称な位置に複数個所形成される。このようにすることで、保持部材7をバランスよく仕切り部3に固定することができる。
なお、保持部材7を仕切り部3へ固定する方法としては、現場での施工性を勘案して、タッピングビスなどのビス類による固定方法が取るのが通常の方法である。この際、例えば、軽量気泡コンクリート、薄壁及び中空壁に使用される石膏ボードには、ビスの固定力は低い。また、火災の熱によって軽量気泡コンクリート及び石膏ボード自身の強度が落ちるため、さらに固定力が低下する。このため、表面が軽量気泡コンクリートや石膏ボードで形成された仕切り部3に対しては、コンクリートと比較すると、タッピングビス等の脱落が生じやすい。しかし、本発明では、熱膨張材13の膨張力を緩衝部材23の変形と半割部材同士の係合部に設けたクリアランス、さらには、保持部材7の折曲げ部19の先端近傍が変形することで、保持部材7を外周方向に広げようとする方向の力と保持部材7を貫通孔の軸方向に引っ張る力の両方向の力を緩和し、保持部材7の脱落を抑制することができるため、軽量気泡コンクリートや石膏ボードで形成された仕切り部3に対して、特に有効である。
保持部材7の内面側には、複数の緩衝部材保持部27が形成される。緩衝部材保持部27は、緩衝部材23を保持する部位である。図3に示すように、緩衝部材保持部27は、側壁部17の縁部(折曲げ部19とは反対側の縁部)において、径方向の中心に向かって折り曲げられ、さらにその先端が折曲げ部19側に向かって折り曲げられる。すなわち、緩衝部材保持部27の断面形状は、略L字状となる。緩衝部材23は、緩衝部材保持部27で保持された状態で、側壁部17および折曲げ部19によって保持される。なお、緩衝部材保持部27の配置や個数は特に限定されないが、貫通孔25の中心に対して対称な位置に複数個所形成されることが望ましい。
保持部材7の内面側には、径方向の中心に向かって突出する舌片部21が設けられる。図4に示すように、舌片部21は、側壁部17から貫通孔25にはみ出すように形成される。すなわち、舌片部21の先端を結んで形成される仮想円の径は、貫通孔25の径よりも小さい。舌片部21は、熱膨張材13を後方から保持し、熱膨張材13の施工時等において、熱膨張材13が貫通孔25側に入り込むことを抑制する。
また、図2に示すように、舌片部21は、貫通孔25の中心に対して対称な位置に複数個所形成される。このようにすることで、熱膨張材13をバランスよく保持することができる。なお、舌片部21がケーブル5a、配管5b等と干渉する場合には、舌片部21を折り曲げることで干渉を回避することができる。
なお、図3、図4に示すように、保持部材7の側壁部17からの折曲げ部19の張り出し長さは、側壁部17の内部に配置される緩衝部材23の厚みよりも長い。また、熱膨張材13は緩衝部材23と接触するように配置される。このため、正面視において、熱膨張材13の外周部の一部が折曲げ部19の背面に隠れる。このようにすることで、熱膨張材13の一部を、保持部材7の前面側から折曲げ部19によって保持することができる。
また、保持部材7の折曲げ部19によって形成される開口部15の径は、貫通孔25の径以上である。このようにすることで、開口部15から内部への熱膨張材13の挿入作業性が良い。
ここで、開口部15の径を貫通孔25の径以上とする理由は、開口部15の径が貫通孔25の径より小さいと、折曲げ部がケーブル及び配管等に喰い込んでしまうことが多々発生するのに対して、開口部15の径が貫通孔25の径以上であると、挿通するケーブル及び配管等を傷付けてしまうことを低減できる。
(施工方法)
次に、防火構造1の施工方法について説明する。まず、図7に示すように、あらかじめ仕切り部3に形成された貫通孔25にケーブル5a、配管5bを挿通する。貫通孔25の大きさおよび形状は、挿通するケーブル5a、配管5bのサイズ、本数等に応じて適宜設定される。
次に、図8に示すように、仕切り部3の一方の側において、仕切り部3から露出するケーブル5a、配管5bの外周およびケーブル5a、配管5bの間に熱膨張材13を配置する。熱膨張材13の配置量は、防火構造の仕様に応じて決定されるが、保持部材7(半割部材9a、9b)が配置可能な量とする。
次に、熱膨張材13の外周に、あらかじめ緩衝部材23が内面に配置された半割部材9a、9bを被せるように配置する(図中矢印C)。半割部材9a、9bを組み合わせて略環状の保持部材7を形成した後、保持部材7を仕切り部3に固定する。以上により、防火構造1を形成することができる。
なお、防火構造1は、他の方法で施工することもできる。例えば、図9に示すように、ケーブル5a、配管5bの外周およびケーブル5a、配管5bの間に配置された熱膨張材13の外周を覆うように緩衝部材23を配置してもよい(図中矢印D)。この場合、緩衝部材23を配置した後、緩衝部材23の外周に、半割部材9a、9bを被せるように配置する(図中矢印E)。半割部材9a、9bを組み合わせて略環状の保持部材7を形成した後、保持部材7を仕切り部3に固定する。以上により、防火構造1を形成することができる。なお、この方法の場合には、保持部材7(半割部材9a、9b)の内面には、緩衝部材保持部27を設ける必要はない。
また、防火構造1は、さらに他の方法で施工することもできる。例えば、図10に示すように、ケーブル5a、配管5bが配置された状態で、あらかじめ緩衝部材23が内面に配置された半割部材9a、9bを組み合わせて仕切り部3に固定する。その後、保持部材7の内部に熱膨張材13を配置する(図中矢印F)。以上により、防火構造1を形成することができる。
(防火構造の機能)
次に、防火構造1の機能について説明する。図11は、火災時における防火構造1の機能を示す概念図である。火災が発生すると、熱膨張材13は膨張を開始する。なお、ケーブル5a、配管5bの溶融・燃焼については図示を省略する。この際、保持部材7の側壁部17側からの熱は、緩衝部材23によって断熱されるため、急激に熱膨張材13に熱が伝わることが防止される。
熱膨張材13は、徐々に膨張し、一部は開口部15から前方に膨張し(図中矢印I)、他の一部が貫通孔25内に膨張する(図中矢印J)。この際、熱膨張材13の外周部の一部が、折曲げ部19の後方に配置されているため、開口部15からの外部への膨張が抑制される。また、熱膨張材13の膨張速度が適切にコントロールされるため、熱膨張材13を効率よく貫通孔25内部へ誘導することができる。
また、熱膨張材13の膨張によって、保持部材7の内面側に膨張力が付与される。しかし、熱膨張材13の径方向の膨張(図中矢印G方向)は、緩衝部材23によって緩和される。このため、緩衝部材23がクッションとなり、熱膨張材13の膨張力が保持部材7の内面に直接付与されることがないため、保持部材7の変形や仕切り部3からの脱落を防止することができる。
なお、熱膨張材13の膨張力は、折曲げ部19の内面側にも付与される(図中矢印H)。しかし、従来の構造(図12(b))と比較して、膨張力が付与される折曲げ部19の面積が小さい。このため、折曲げ部の先端近傍がH方向に多少押し広げられることがあったとしても、折曲げ部19の全体的な変形を確実に抑制することができる。
また、保持部材7の内面側には、部分的に舌片部21が設けられる(図4参照)。このため、舌片部21が形成される部位においては、熱膨張材13は、舌片部21と折曲げ部19とで挟み込まれる。したがって、熱膨張材13の膨張力を熱膨張材13と折曲げ部19の両者で受けることになる。これにより、保持部材7を固定するためのビス等に対して、力がかかりにくくなる。また、舌片部21を形成することにより、舌片部21が形成された部分の断面が略コの字型になることによる保持部材7の断面形状(幾何学的形状)による保持部材7の剛性向上効果により、構造部材としての変形に対する抵抗力を増加するとともに、加工硬化により素材の強度を増すことで、保持部材7の変形を抑制することができる。
以上説明したように、本発明にかかる防火構造1によれば、緩衝部材23がクッション層として機能するため、熱膨張材13の膨張力を吸収して、保持部材7にかかる力を緩和する効果がある。このように、緩衝部材23により熱膨張材13の過膨張を抑制することで、保持部材7の変形や仕切り部3からの脱落を防止することができる。このため、熱膨張材13の脱落を防止することができる。
また、貫通孔25内などの空間を閉塞する熱膨張材13が密になり、より優れた遮熱性能が得られる。これによって、薄壁のように厚さが薄い仕切り部3に対しても貫通スリーブを設けなくても、優れた防火性能を得ることができる。
また、多くの場合は、ケーブル5a、配管5bが貫通孔25に事前に挿通された状態で施工するものである。したがって、この状態で保持部材7を取り付けるためには、保持部材7の一部に不連続な部分を設け、かつ、この不連続な部分を接合する必要がある。このため、この接合部では、保持部材7の強度が弱くなりがちである。
これに対し、熱膨張材13が膨張すると、強度の弱い接合部に熱膨張材13が逃げようとして、熱膨張材13の膨張力が接合部に集中する恐れがある。しかし、緩衝部材23がその力を吸収し、保持部材7全体に熱膨張材13の膨張力を分散させることができるので、熱膨張材13の膨張力に対する保持部材7の強度を向上させることができる。
また、緩衝部材23を、熱伝導率0.48W/m・K(1000℃)以下で厚さ6mm以上とすることで、緩衝部材23が断熱層となる。このため、緩衝部材23の内部に設置された熱膨張材13は、貫通孔25の内部にあるかのような状態となる。
このように、保持部材7の開口部15からの熱影響又はケーブル5a、配管5bからの熱伝導による熱影響以外からの熱影響を低減することで、熱膨張材13の急激な膨張を抑制することができる。また、火災時において、熱膨張材13は継続的に熱膨張し、ケーブル5a、配管5bが溶融又は焼失してできた空間を閉塞する機能を助長することができる。また、熱膨張材13を介してのケーブル5a、配管5bへの熱伝導を低減できるので、ケーブル5a、配管5bの溶融・焼失を遅延させることが可能である。
例えば、緩衝部材23が無い場合、火災時の高温の熱によって熱膨張材13が早い時間で膨張を終えてしまう。この場合、塩化ビニル製等に代表とされる酸素指数の高い可燃性の配管類は、熱膨張材13が膨張を終えた後に延焼するため、当該配管類が溶融又は焼失した部分を熱膨張材13で閉塞することができなくなり、所定の防火性能を得ることができない。
また、緩衝部材23が設けられない場合には、熱膨張材13と保持部材7とが接する。このため、パテ状の熱膨張材13を施工時した際に、熱膨張材13の外周部の凸凹によって保持部材7の取り付けができなくなる恐れがある。この場合には熱膨張材13を再度施工する必要がある。しかし、保持部材7の内面形状に合わせて熱膨張材13を施工することは、極めて困難である。
また、緩衝部材23が設けられない場合において、前述したように、熱膨張材に凸凹が保持部材7の内面の形に合わないと、施工作業者が無理に保持部材7を取り付けて施工を終えてしまう懸念がある。この場合、保持部材7の接合品質などが悪くなる。このため、得られた防火構造に対して、所定の強度及び防火性能を得ることができない恐れがある。さらには、保持部材7の接合部がきれいに接合されず、保持部材7が仕切り部3に対して面で接していない等、施工外観も良くない。
また、このような場合、仕切り部3への固定方法としてビスを用いた場合、ビスを仕切り部3に対して垂直に留めることができない恐れがある。その結果、貫通孔25の縁部が破損するなど、保持部材7の固定強度の低下を招く恐れがある。
しかし、本発明では、緩衝部材23を設けることで、熱膨張材13の外周面の凸凹を吸収できる。このため、再施工をせずに確実に防火構造1の施工を行うことができる。
また、熱膨張材13の外周部の一部が、正面視において、折曲げ部19に隠れるように配置することで、貫通孔25の外部に設置した熱膨張材13を貫通孔25の内部に向かって熱膨張させるように誘導することができる。したがって、効率的に貫通孔25の内部を熱膨張材13で密に閉塞することができる。
このように、熱膨張材13が熱膨張した際に、脱落して無駄になる熱膨張材13が減るため、良好な防火性能を得るとともに、熱膨張材13の使用量を低減することができる。このため、コストを低減することができる。また、熱膨張材13の使用量を低減することで、熱膨張材13の施工時間を短縮することができる。このため、工期を短縮することができる。
また、熱膨張材13を貫通孔25内部に配置する必要がないことから、貫通孔25内部への熱膨張材13の充填量を確認する必要がない。また、貫通孔25内部への熱膨張材13の施工不足や施工忘れにより防火性能が得られないことがない。
また、熱膨張材13の膨張倍率を適切に設定することで、その膨張力が保持部材7へ与える影響力を少なくして防火処理構造を維持することができる。したがって、火災の初期から長時間の間、時間と共にケーブル5a、配管5bが溶融又は焼失してできた空間を、熱膨張材13が継続的に膨張して閉塞する。このため、例えば、塩化ビニル製等に代表とされる酸素指数の高い可燃性の配管5b等で延焼が遅い配管類の溶融又は焼失した部分をも閉塞することが可能で、長時間の防火性能を得ることができる。
また、舌片部21によって、熱膨張材13を後方から保持することができるため、開口部15から熱膨張材13を保持部材7内部に配置する際にも、熱膨張材13が貫通孔25内部に過剰に押し出されることを抑制することができる。特に、舌片部21の先端が貫通孔25の中心方向にはみ出すように形成することで、この効果を得ることができる。このため、熱膨張材13の使用量を把握しやすく、過剰に熱膨張材13を使用することを防止することができる。
本発明の防火構造に対して、その防火性能を評価した。なお、防火性能は、建物の防火区画の貫通孔に防火措置を行う構造及び構造体に適用されるISO 834に準拠した標準加熱曲線を温度条件とした防火性能試験により評価した。具体的には、60分以上の間、防火区画の非加熱側へ10秒を超えて継続する火炎の噴出が無いこと、非加熱面に10秒を超えて継続する発炎が無いこと、火炎が通る亀裂等の損傷及び隙間を生じないこと、と定められている。
(実施例1)
構造物の壁を見立てた仕切りに厚さ100mmのALCを用い、直径160mmの貫通孔を設けた。配管類には、空調冷媒管・電線管及びケーブル・空調排水管として、表1のものを貫通孔に挿通した。
Figure 0005460910
熱膨張材としては、膨張倍率が周囲温度180℃のときに4.9倍、同350℃のときに5.3倍のものを用いた。熱膨張材を貫通孔の外部の配管類の周囲に、緩衝部材に接触する厚さで配置した。また仕切り部の厚さ方向で49mmの熱膨張材を張り付けた。
緩衝部材の材質はシリカ、カルシア及びマグネシア等を原料とした繊維からなるブランケット状とした。また、緩衝部材の熱伝導率は0.25W/m・K、厚さは6mm、仕切りの厚さ方向の長さは49mmとし、ポリプロピレン製の不織布で包んだものを用いた。
保持部材の材質は鋼製で、厚さは0.8mmとした。保持部材の形状は仕切り部に垂直な面の断面形状が仕切り部から離れるほど小さくなる湾曲形状とした。保持部材の断面形状の最大直径は200mmの円形であり、保持部材の仕切り部の厚さ方向の長さが50mmのものを用いた。
緩衝部材は保持部材の内面に接着した。熱膨張材の周方向を覆うように保持部材を取り付け、仕切り部に保持部材を固定した。
仕切り部で区切られた空間の一方側にISO 834に準拠した標準加熱曲線の温度条件を加えた防火性能試験を行なった。その結果、60分の防火性能を得ることができた。また、保持部材は仕切り部から若干の浮きが見られたものの脱落には至らず、熱膨張材は配管類が溶融又は焼失した空間を60分の間継続的に閉塞した。
(実施例2)
実施例1に対して、緩衝部材を厚さが13mmのものに変更し、これに応じた量の熱膨張材を張り付け、実施例1と同様の防火性能試験を行なった。その結果、60分の防火性能を得ることができた。保持部材は仕切り部から脱落せず、熱膨張材は配管類が溶融又は焼失した空間を60分の間継続的に閉塞した。
(実施例3)
実施例2に対し、緩衝部材の熱伝導率を0.48W/m・Kに変更し、同様の防火性能試験を行なった。その結果、60分の防火性能を得ることができた。保持部材は仕切り部から若干の浮きが見られたものの脱落には至らず、熱膨張材は配管類が溶融又は焼失した空間を60分の間継続的に閉塞した。しかし、貫通孔を閉塞した熱膨張材の密度はやや低かった。
(実施例4)
実施例1に対し、緩衝部材を、熱伝導率を0.23W/m・Kのシート状のものに変更し、同様の防火性能試験を行なった。その結果、60分の防火性能を得ることができた。保持部材は仕切り部から脱落せず、熱膨張材は配管類が溶融又は焼失した空間を60分の間継続的に閉塞した。
(実施例5)
実施例2に対し、熱膨張材を、膨張倍率が周囲温度180℃のときに2.4倍、同350℃のときに5.4倍のものに変更し、同様の防火性能試験を行なった。その結果、60分の防火性能を得ることができた。保持部材は仕切り部から脱落せず、熱膨張材は配管類が溶融又は焼失した空間を60分の間継続的に閉塞した。
(実施例6)
実施例2に対し、配管類には、空調冷媒管・空調排水管・電線管及びケーブルとして、表2のものを貫通孔に挿通したものに変更し、同様の防火性能試験を行なった。
Figure 0005460910
その結果、60分の防火性能を得ることができた。保持部材は仕切り部から脱落せず、熱膨張材は配管類が溶融又は焼失した空間を60分の間継続的に閉塞した。
(実施例7)
実施例6に対し、熱膨張材を、膨張倍率が周囲温度180℃のときに2.4倍、同350℃のときに5.4倍のものに変更し、同様の防火性能試験を行なった。その結果、60分の防火性能を得ることができた。保持部材は仕切り部から脱落せず、熱膨張材は配管類が溶融又は焼失した空間を60分の間継続的に閉塞した。
(実施例8)
実施例2、実施例5、実施例6、実施例7に対し、仕切り部の総厚さが100mm、仕切り部の厚さ方向の厚さが50mmの鋼製下地の間柱の両側に厚さ12.5mmの普通石膏ボードを重ね張りした構造のものに変更し、同様の防火性能試験を行なった。その結果、60分の防火性能を得ることができた。保持部材は仕切り部から脱落せず、熱膨張材は配管類が溶融又は焼失した空間を60分の間継続的に閉塞した。
(実施例9)
実施例2、実施例5、実施例6、実施例7に対し、仕切り部の総厚さが42mm、仕切り部の厚さ方向の厚さが45mmの鋼製下地の間柱の片側に厚さ21mmの強化石膏ボードを重ね張りした構造のものに変更し、同様の防火性能試験を行なった。その結果、60分の防火性能を得ることができた。保持部材は仕切り部から脱落せず、熱膨張材は配管類が溶融又は焼失した空間を60分の間継続的に閉塞した。
(実施例10)
実施例2、実施例5、実施例6、実施例7に対し、仕切り部が、構造物の床を見立てたものに変更し、床上側に保持部材を設置した状態で同様の防火性能試験を行なった。その結果、60分の防火性能を得ることができた。保持部材は仕切り部から脱落せず、熱膨張材は配管類が溶融又は焼失した空間を60分の間継続的に閉塞した。
(比較例1)
実施例1に対し、緩衝部材を使用せず、配管類と保持部材との間に熱膨張材のみを設け、同様の防火性能試験を行なった。その結果、60分の防火性能を得ることができなかった。保持部材が仕切り部から脱落し、熱膨張材は配管類が溶融又は焼失した空間を継続的に閉塞することができなかった。
(比較例2)
実施例1に対し、熱膨張材を、膨張倍率が周囲温度180℃のときに2.2倍、同350℃のときに8.4倍のものに変更し、同様の防火性能試験を行なった。その結果、60分の防火性能を得ることができなかった。保持部材が仕切り部から脱落しないが、熱膨張材は配管類が溶融又は焼失した空間を継続的に閉塞することができなかった。
(比較例3)
実施例1に対し、保持部材の厚さを0.5mmのものに変更し、同様の防火性能試験を行なった。その結果、60分の防火性能を得ることができなかった。保持部材が変形して仕切り部から脱落し、熱膨張材は配管類が溶融又は焼失した空間を継続的に閉塞することができなかった。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………防火構造体
3………仕切り部
5a………ケーブル
5b………配管
7………保持部材
9a、9b………半割部材
11………固定部
13………熱膨張材
15………開口部
17………側壁部
19………折曲げ部
21………舌片部
23………緩衝部材
25………貫通孔
27………緩衝部材保持部
29………係合爪
31………係合部
100………防火構造体
103………仕切り部
105a………ケーブル
105b………配管
107………保持部材
113………熱膨張材
123………貫通孔

Claims (15)

  1. 構造物の仕切り部に設けられる防火構造であって、
    前記仕切り部に設けられた貫通孔と、
    前記貫通孔に挿通される配管またはケーブルと、
    前記貫通孔の外部に露出する前記配管またはケーブルの周囲に設けられる熱膨張材と、
    前記熱膨張材の周囲に設けられる緩衝部材と、
    前記緩衝部材および前記熱膨張材を保持する金属製の保持部材と、
    を具備し、
    前記保持部材は前記仕切り部に固定され、
    前記保持部材は、前記緩衝部材を周囲から覆う側壁部と、前記側壁部から内側に向かって張り出すように形成されるフランジ状の折曲げ部と、を有することを特徴とする防火構造。
  2. 前記保持部材の前記側壁部からの前記折曲げ部の張り出し長さは、前記側壁部の内部に配置される前記緩衝部材の厚みよりも長く、正面視において、前記熱膨張材の外周部の一部が前記折曲げ部の背面に隠れるように、前記熱膨張材の外周に前記緩衝部材が前記熱膨張材に接触して配置されることを特徴とする請求項1に記載の防火構造。
  3. 前記保持部材の前記仕切り部への固定部側には、前記貫通孔の中心に向かって折り曲げられた舌片部が設けられ、
    前記側壁部の外周部には、前記貫通孔の径方向の外側に向かって突出し、前記仕切り部に対して前記保持部材を固定するための固定部が設けられ、
    前記舌片部および前記固定部は、それぞれ、前記貫通孔の中心に対して対称な位置に複数個所形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の防火構造。
  4. 前記保持部材の前記仕切り部への固定部側には、前記貫通孔の中心に向かって折り曲げられ、さらに前記折曲げ部の方向に折り返された緩衝部材保持部が設けられ、前記緩衝部材が前記緩衝部材保持部と、前記側壁部と、前記折曲げ部とによって保持されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の防火構造。
  5. 前記保持部材の前記折曲げ部によって形成される開口部の大きさが、前記貫通孔の大きさ以上であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の防火構造。
  6. 前記舌片部の先端が、前記貫通孔の外縁から中心方向に突出することを特徴とする請求項3記載の防火構造。
  7. 前記緩衝部材は、グラスウール、ロックウール、セラミックウール、炭素繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、二酸化ケイ素繊維、シリカ繊維、スラグ繊維、ケイ酸カルシウム繊維、チタン酸カリウム繊維、および、シリカ、カルシア及びマグネシアを原料とした繊維からなる群から選ばれる1種又は2種以上を含む無機繊維からなることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の防火構造。
  8. 前記無機繊維は、被覆部材で被覆され、
    前記被覆部材は、有機繊維、ガラスメッシュ、ガラスペーパー、ガラスクロス、ガラスクロスで補強したアルミ箔、ポリエチレンにアルミ蒸着したフィルムに樹脂コートしたもの、アルミ箔と紙を積層したアルミ積層紙、ガラス繊維強化アルミ積層紙及びポリエチレン、および、塩化ビニル又はフッ素樹脂の有機材料のフィルムからなる群から選ばれる1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項7記載の防火構造。
  9. 前記熱膨張材の熱膨張倍率は、1.5倍から7倍の範囲であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の防火構造。
  10. 前記緩衝部材は、熱伝導率0.48W/m・K(1000℃)以下で、厚さが6mm以上であり、断熱層として機能することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の防火構造。
  11. 構造物の仕切り部に設けられる防火構造の施工方法であって、
    構造物の仕切り部の貫通孔に設けられた配管またはケーブルの、前記貫通孔から外部に露出する部分の周囲に熱膨張材を設ける工程aと、
    前記熱膨張材の周囲に緩衝部材を配置するとともに、前記緩衝部材の外周に半割の金属製の保持部材とを配置する工程bと、
    前記保持部材を前記仕切り部に固定する工程cと、
    を具備し、
    前記保持部材は、前記緩衝部材を周囲から覆う側壁部と、前記側壁部から内側に向かって張り出すように形成されるフランジ状の折曲げ部と、を有することを特徴とする防火構造の施工方法。
  12. 前記工程bは、前記熱膨張材の周囲に、あらかじめ内部に前記緩衝部材が前記折曲げ部により保持されるように配置された前記保持部材を、前記熱膨張材の外周に被せることを特徴とする請求項11記載の防火構造の施工方法。
  13. 前記工程bは、前記熱膨張材の周囲に前記緩衝部材を配置した後、前記緩衝部材および前記熱膨張材を覆うように、前記保持部材を被せることを特徴とする請求項11記載の防火構造の施工方法。
  14. 構造物の仕切り部に設けられる防火構造の施工方法であって、
    緩衝部材を周囲から覆う側壁部と、前記側壁部から内側に向かって張り出すように形成されるフランジ状の折曲げ部とを有する保持部材を用い、
    前記構造物の仕切り部に設けられた貫通孔に挿通された配管またはケーブルの、前記貫通孔から外部に露出する部分の外周に、あらかじめ内部に前記緩衝部材が前記折曲げ部により保持されるように配置された前記保持部材を被せる工程dと、
    前記保持部材を前記仕切り部に固定する工程eと、
    前記緩衝部材と前記仕切り部の外部に露出する前記配管またはケーブルの間に熱膨張材を設ける工程fと、
    を具備することを特徴とする防火構造の施工方法。
  15. 構造物の仕切り部に設けられる防火構造体における熱膨張材を保持する保持部材の仕切り壁からの脱落防止方法であって、
    構造物の仕切り部に設けられた貫通孔に配管またはケーブルが挿通され、
    前記貫通孔の外部に露出する前記配管またはケーブルの周囲に設けられる熱膨張材と、前記熱膨張材を保持する保持部材との間であって、前記保持部材の内部に緩衝部材を配置するとともに、前記保持部材を前記仕切り部に固定し、
    前記保持部材が、前記緩衝部材を周囲から覆う側壁部と、前記側壁部から内側に向かって張り出すように形成されるフランジ状の折曲げ部と、を有することを特徴とする保持部材の仕切り部からの脱落防止方法。
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