JP6952017B2 - 防火部材、防火部材の製造方法及び防火構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、配管やケーブルなどの区画部への貫通部に対して防火性能を確保するための防火部材等に関するものである。
建造物等において、区画部で区画された各部屋に配管やケーブル(以下、単に長尺体と称する場合がある)が敷設される場合がある。この場合、例えば一方の部屋で火災が発生すると、長尺体を伝って、火災が建造物全体に広がり、甚大な被害をもたらすおそれがある。
このような区画部を貫通する長尺体の防火構造としては、例えば、熱膨張性部材をカバー体で覆った耐火処理材を、配線・配管材の貫通部に複数配置して、貫通部を閉鎖する方法がある(例えば、特許文献1)。
また、略筒状の本体部の内面に熱膨張部材を設け、熱膨張部材を覆うように弾性体を設けた耐火部材がある(例えば、特許文献2)。
特開2015−19853号公報 特開2016−112345号公報
しかし、特許文献1の方法では、使用する部材も多く、施工時間が長くなるという問題がある。また、作業者の技量によって施工ミスも生じやすい。例えば、貫通孔からの耐火処理材のはみ出しがなく、貫通孔に隙間なく耐火処理材を配置することは困難である。
また、特許文献2の方法は、極めて短時間で施工することが可能であり、作業者の特殊な技量も不要であるが、長尺部材と貫通孔との隙間が大きい場合などにおいて、熱膨張部材の性能上、膨張した熱膨張部材が脱落しやすくなり、例えば大口径の貫通孔への適用が困難な場合がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、作業性に優れ、大口径の貫通孔へも容易に適用することが可能な防火部材等を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、無機繊維系の耐火材と、前記耐火材に混入される熱膨張部材と、を具備し、前記熱膨張部材は、前記耐火材の内部に分散して配置され、前記耐火材の外面に、長方形の平板状の一枚の部材からなる弾性部材が配置され、前記長方形の平板状の弾性部材の少なくとも一方の短辺において、前記耐火材がはみ出していることを特徴とする防火部材である。
第1の発明によれば、熱膨張部材が内部に分散して配置された耐火材を用いるため、熱膨張部材が外面に露出しているものと比較して、取扱いが容易であり、運搬時や施工時に、熱膨張部材が損傷することを抑制することができる。また、熱膨張部材の混入量や混入形態を変えることで、容易に膨張倍率を設定することができ、大口径の貫通孔に対しても適用が可能である。
また、耐火材の外面に板状の弾性部材を配置することで、防火部材を丸めて貫通孔に挿入した際に、弾性部材の復元力によって防火部材を貫通孔の内面に押し付けた状態とすることができる。このため、貫通孔に対して、防火部材を容易に保持することができる。
また、弾性部材の少なくとも一方の辺において、耐火材がはみ出すようにすることで、例えば、弾性部材の端部同士を突き合せて円形にし、貫通孔に配置した際、耐火材同士の間に隙間が形成されることを抑制することができる。
また、弾性部材の少なくとも一方の辺が折曲げられていれば、弾性部材の剛性が高くなり、潰れ等の変形を抑制することができる。
第2の発明は、無機繊維系の耐火材と、前記耐火材に混入される熱膨張部材と、を具備し、前記熱膨張部材は、少なくとも有機溶媒と、熱膨張性黒鉛と、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムと、無機繊維とが混ぜられた混合材で構成され、前記耐火材の内部に分散して配置され、前記耐火材の外面に、長方形の平板状の一枚の部材からなる弾性部材が配置され、前記長方形の平板状の弾性部材の少なくとも一方の短辺において、前記耐火材がはみ出していることを特徴とする防火部材である。
第2の発明によれば、混合材に水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムを混合することで、難燃性を高めることができる。さらに、混合材に耐火材を構成する無機繊維を混ぜることで、局所的な大きな膨張を抑制し、膨張部分の崩壊を抑制することができる。
第3の発明は、防火部材を用いた防火構造体であって、前記防火部材は、無機繊維系の耐火材と、前記耐火材に混入される熱膨張部材と、前記耐火材の外面に設けられた長方形の平板状の一枚の部材からなる弾性部材と、を具備し、前記熱膨張部材は、前記耐火材の内部に分散して配置され、前記長方形の平板状の弾性部材の少なくとも一方の短辺において、前記耐火材がはみ出しており、区画部に形成された貫通孔に長尺体が挿通されており、前記貫通孔の内周長と、前記防火部材が丸められたときに前記貫通孔の周方向に対応する前記弾性部材の辺の長さがほぼ一致しており、前記長尺体の外周に、前記弾性部材の両端部同士を突き合わせて、前記防火部材が丸められて配置され、前記耐火材の両端部が互いにラップして、両端部の間に隙間が形成されることがなく、前記弾性部材の復元力で、前記防火部材が前記貫通孔の内面側に押し付けられるとともに、前記長尺体の外面に前記耐火材が押し付けられることを特徴とする防火構造体である。
第4の発明は、防火部材を用いた防火構造体であって、前記防火部材は、無機繊維系の耐火材と、前記耐火材に混入される熱膨張部材と、前記耐火材の外面に設けられた長方形の平板状の一枚の部材からなる弾性部材と、を具備し、前記熱膨張部材は、少なくとも有機溶媒と、熱膨張性黒鉛と、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムと、無機繊維とが混ぜられた混合材で構成され、前記耐火材の内部に分散して配置され、前記長方形の平板状の弾性部材の少なくとも一方の短辺において、前記耐火材がはみ出しており、区画部に形成された貫通孔に長尺体が挿通されており、前記貫通孔の内周長と、前記防火部材が丸められたときに前記貫通孔の周方向に対応する前記弾性部材の辺の長さがほぼ一致しており、前記長尺体の外周に、前記弾性部材の両端部同士を突き合わせて、前記防火部材が丸められて配置され、前記耐火材の両端部が互いにラップして、両端部の間に隙間が形成されることがなく、前記弾性部材の復元力で、前記防火部材が前記貫通孔の内面側に押し付けられるとともに、前記長尺体の外面に前記耐火材が押し付けられることを特徴とする防火構造体である。
第3、第4の発明によれば、板部材がスリーブとしても機能するため、確実に貫通孔に防火部材を配置した状態で保持することができる。
本発明によれば、作業性に優れ、大口径の貫通孔へも容易に適用することが可能な防火部材等を提供することができる。
防火部材1を示す斜視図。 防火部材1を示す断面図であり、図1のA−A線断面図。 防火構造体を施工する工程を示す図。 防火構造体20を示す図で、(a)は貫通孔13の軸方向に平行な断面図、(b)は貫通孔13の軸方向に垂直な断面図。 防火構造体20aを示す図。 防火部材1bを示す図。 防火部材1cを示す図。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明にかかる防火部材1を示す斜視図であり、図2は、図1のA−A線断面図である。防火部材1は、主に、耐火材3、弾性部材7等から構成される。
耐火材3は、弾力性のある圧縮変形可能な部材である。耐火材3としては、例えば、無機繊維系のガラスウールやロックウール等の繊維状部材であって、体積の多くを空気が占めており、収縮性を有する不燃材や難燃材等を適用可能である。
図2に示すように、耐火材3には、熱膨張部材5が混入している。図示した例では、熱膨張部材5の小片が耐火材3の内部に分散して配置される。熱膨張部材5は、火災時等の熱によって膨張する部材である。熱膨張部材5は、例えば熱膨張性黒鉛であり、耐火材3の内部に保持されるように、粒径が300μm以上であることが望ましい。また、熱膨張性黒鉛としては、鱗片状であることが望ましい。なお、混入する熱膨張部材5の膨張倍率は、60分燃焼試験後に5倍以上であることが望ましい。
なお、熱膨張部材5が混入した耐火材3は、不織布等で覆ってもよい。この場合、火災時に即座に焼失する可燃性の不織布等であることが望ましい。
耐火材3の一方の外面には、弾性部材7が配置される。弾性部材7は、板状の部材であり、例えば金属製である。弾性部材7としては、例えば、0.2mm〜0.3mm程度のばね鋼を適用することができる。弾性部材7の長手方向の長さは、耐火材3の長さよりも短い。したがって、弾性部材7の長手方向の少なくとも一方の辺において、耐火材3がはみ出す。
次に、防火部材1を用いた防火構造体の施工方法について説明する。図3は、防火構造体の施工工程を示す図である。まず、区画部11に貫通孔13を形成し、形成された貫通孔13に長尺体15を挿通する。
なお、図示した例では、区画部11は壁であり、この場合には、RC造の壁や木造中空壁、石膏ボードによる中空壁等いずれでもよい。また、壁に代えて、床や天井であってもよく、RC造の床や、ALCの床など区画部の態様は限定されない。また、長尺体15は、一本でなくてもよく、複数本であってもよい。また、複数の長尺体15が、互いに異なる径であってもよい。
次に、長尺体15の外周であって、区画部11に形成された貫通孔13の内部に、防火部材1を配置する。この際、防火部材1を、弾性部材7が外面側となるように丸めて、貫通孔13内に配置する。
図4(a)は、防火部材1を用いた防火構造体20を示す貫通孔の軸方向に平行な断面図であり、図4(b)は貫通孔の軸方向に垂直な断面図である。防火部材1を丸めると、最外周の弾性部材7の復元力によって、防火部材1は、外周方向に広がる方向に元の形態に戻ろうとする。このため、防火部材1を貫通孔13の内部に配置した際には、防火部材1(弾性部材7)が貫通孔13の内面側に押し付けられる。このため、設置後の防火部材1の位置ずれや脱落が抑制される。なお、弾性部材7が無くても、耐火材3等によって反発力が十分にあれば、弾性部材7は、必ずしも必要ではない。
また、防火部材1の総厚みは、貫通孔13の内面と長尺体15の間のクリアランスと略同一かやや厚い。このため、防火部材1の耐火材3を長尺体15の外周面に押し付けて密着させることができる。
ここで、貫通孔13の内周長と弾性部材7の長手方向(貫通孔13の周方向に対応)の長さはほぼ一致する。このため、防火部材1を貫通孔13に設置した際に、弾性部材7の両端部同士を突き合せて配置することができる。この際、耐火材3は、弾性部材7よりも長いため、耐火材3の両端部が互いにラップして、両端部の間に隙間が形成されることがない。なお、耐火材3の周方向に隙間が形成されなければ、弾性部材7の端部同士もラップさせてもよく、又は多少の隙間が形成されてもよい。
また、図示したように、弾性部材7の幅(貫通孔13の軸方向に対応)に対して、耐火材3の幅は狭くてもよい。耐火材3の幅は、必要な防火性能によって設定される。
なお、弾性部材7の幅を区画部11の厚みに対応させることで、弾性部材7をスリーブとして機能させることができる。例えば、区画部11が中空壁である場合にも、弾性部材7を丸めて筒状にすることで、スリーブとして使用することができる。なお、この場合には、弾性部材7の周方向の端部同士に隙間が形成されず、筒形状を維持するために、弾性部材7の周方向の両端部に、両者を係合する係合爪等を設けてもよい。
以上により、区画部11に形成された貫通孔13に長尺体15が挿通され、防火部材1が貫通孔13の内面側と長尺体15の外面に押し付けられた防火構造体20を得ることができる。
以上説明したように、本実施の形態にかかる防火部材1によれば、熱膨張部材5が、耐火材3の内部に混入しているため、従来のように、熱膨張部材5が内面の全面に露出している場合と比較して、貫通孔13に防火部材1を設置する際に、内面の熱膨張部材5と長尺体15との接触がなく、容易に取り付けることができる。また、貫通孔13へ防火部材1を設置した際には、弾性部材7の復元力によって、防火部材1が貫通孔13に保持される。このため、防火部材1の位置ずれや脱落を抑制することができる。
また、防火部材1を貫通孔13へ設置するのみで、長尺体15との隙間を埋めるため、シーリング施工も不要であり、見た目にも優れ、耐火性能も確保することができる。また、火災等の際には耐火材3の全体を膨張させるため、確実に耐火材3の膨張によって長尺体15の燃焼に伴う隙間をうめることができる。このため、大口径の貫通孔にも適用が容易である。
次に、第2の実施形態について説明する。図5は、第2の実施形態にかかる防火部材1aを用いた例を示す図である。なお、以下の説明において、第1の実施の形態と同一の機能を奏する構成については図1〜図4と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
防火部材1aは、防火部材1とほぼ同様の構成であるが、弾性部材7の形態が異なる。防火部材1aでは、弾性部材7の少なくとも一方の辺に折曲げ部17が形成される。折曲げ部17は、弾性部材7の幅方向(貫通孔13の軸方向に対応)の端部が、全体を丸めた際に外側に突出するように折り曲げられて形成される。
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、折曲げ部17がフランジとして機能するため、防火部材1aを貫通孔13に挿通した際の位置決めと脱落防止の効果を得ることができる。
また、折曲げ部17によって、丸めた際の防火部材1aの剛性を高めることができるため、防火部材1aの変形や潰れなどを抑制し、より確実に、防火部材1aを貫通孔13の内面に押し付けた状態を得ることができる。
次に、第3の実施形態について説明する。図6(a)は、第3の実施形態にかかる防火部材1bの部分分解図、図6(b)は、防火部材1bを示す図である。防火部材1bは、防火部材1とほぼ同様の構成であるが、耐火材3の内部に混合材5aが層状に配置される点で異なる。
なお、耐火材3に対して、熱膨張部材5を単体で層状に配置すると、耐火材3から熱膨張部材5が脱落しやすい。このため、熱膨張部材5を含む混合材5aを用いることが望ましい。すなわち、本実施形態では、防火部材1bの内部に配置される熱膨張部材5が、混合材5aの形態であることが望ましい。
混合材5aとしては、例えば、熱膨張性黒鉛とブチルゴムとをヘキサンやエタノール等の有機溶媒に溶解して、やや粘性の高い黒鉛分散液としてもよい。また、さらに難燃性を高めるため、熱膨張性黒鉛が1に対して、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムを約2の割合で配合してもよい。
一方、耐火材3がロックウールなどの無機繊維である場合、有機溶媒はロックウールに対して浸透しやすい。ロックウールに溶媒が浸透すると、これにより耐火材3が潰れてしまい、弾力性が失われる。一方、水は、ロックウールに対して弾いてしまい、ほとんど浸透しない。このため、水に熱膨張性黒鉛を分散させても、耐火材3の内部には浸透せず、一体化することが困難である。
したがって、水の溶解度パラメータ(sp値=23.4)よりも小さく、ヘキサンの溶解度パラメータ(sp値=7.3)やエタノールの溶解度パラメータ(sp値=12.7)よりも大きな溶媒を用いることで、混合材が適度にロックウールに浸透し、潰れも抑制可能となると考えられる。これに対し、発明者らは、水と有機溶媒の混合溶液によってロックウールに対する浸透度と潰れを確認したところ、比較的良好な浸透状態を得ることができた。
より詳細には、耐火材3の内部に配置される熱膨張部材を、熱膨張性黒鉛と、水系エマルジョン接着剤と、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムとが混ぜられた混合材5aで構成することが望ましい。水系エマルジョン接着剤は、例えば酢酸ビニル系の木工用ボンドが適用可能である。この場合、例えば、水系エマルジョン接着剤を2.5質量部、水酸化アルミニウムを2.0質量部、熱膨張性黒鉛を1.0質量部、水を6.0質量部として混合すればよい。なお、配合比は、粘度や膨張倍率等に応じて適宜設定すればよい。なお、上述の溶解度パラメータの調整のため、さらに、水やアルコール等を適量混ぜてもよい。
このような混合材5aを用いることで、塗布時に耐火材3に混合材5aが適度に浸透して一体化するとともに、浸透しすぎることによる耐火材3の潰れを抑制することができる。また、適度な粘性により、塗布しやすく、耐火材3同士の接着も容易である。また、水分が蒸発すれば、比較的均一な熱膨張部材層を形成することができる。
次に、混合材5aを用いた防火部材1bの製造方法の一例を説明する。まず、水系エマルジョンと、熱膨張性黒鉛と、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムとを所定の比率で混合して混合材5aを作成する。次に、混合材5aを、厚さ方向で裂いた無機系の耐火材3の上面に塗布し、耐火材3同士で挟み込むように配置して乾燥させる。以上により、層状に混合材5aが配置された防火部材1bを得ることができる。なお、混合材5aは、複数層に形成されることが望ましい。
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、混合材5a(熱膨張部材)を層状に配置することで、防火部材1bの製造が容易である。
また、混合材5aに水系エマルジョン接着剤を用いることで、耐火材3に対して混合材5aを適度に浸透させつつ、潰れを抑制し、容易に混合材5aを塗布することができる。また、ペースト状の混合材5aを塗布する際に、鱗片状の熱膨張性黒鉛が、塗布面に平行に平らになるように配置することができる。このため、膨張時に、膨張方向が耐火材3の厚み方向にとなり、効率よく、耐火材3を膨張させることができる。
また、防火部材1bを丸めて長尺体15の外周に配置する際に、内面側に熱膨張部材が露出しないため、長尺体15と熱膨張部材が接触することがなく、設置が容易である。また、熱膨張部材が露出しないため、作業時に熱膨張部材が損傷することを抑制することができる。
次に、第4の実施形態について説明する。図7(a)は、第4の実施形態にかかる防火部材1cの部分分解図、図7(b)は、防火部材1cを示す図である。防火部材1cは、防火部材1bとほぼ同様の構成であるが、耐火材3の内部に混合材5bが層状に配置される点で異なる。
混合材5bを用いた防火部材1cの製造方法の一例を説明する。まず、ヘキサンやエタノールなどの有機溶媒と、熱膨張性黒鉛と、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムと、無機繊維とを、所定の比率で混合する。次に、細かくちぎった耐火材3の無機繊維を適度に追加して良くかき混ぜて、無機繊維に黒鉛分散液を浸透させた混合材5bを作成する。なお、混合材5bは、有機溶媒の浸透によって潰れてもよい。次に、混合材5bを、厚さ方向で裂いた耐火材3の上面に配置して挟み込み、乾燥させる。以上により、層状に混合材5bが配置された防火部材1cを得ることができる。
なお、図では、混合材5bを1層のみ配置する例を示すが、複数層に配置してもよい。混合材5bを1層のみとする場合には、耐火材3の厚さ方向において、弾性部材7とは逆側の面に近い位置に、混合材5bを配置することが望ましい。
以上説明したように、第4の実施の形態によれば、第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、混合材5b(熱膨張部材)を配置するのが容易である。
また、黒鉛分散液を無機繊維に含浸させて配置することで、耐火材3への浸透による潰れを抑制しつつ、高い膨張倍率を得ることができる。また、実際に加熱試験を行うと、無機繊維を用いない場合と比較して、膨張速度が速く、膨張後の形状保持性も高い。
なお、混合材5bにおいても、前述した水系エマルジョン接着剤を用いてもよい。例えば、混合材5aに対して、無機繊維を混合させて混合材5bとしてもよい。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、前述した各実施形態における各構成は、互いに組み合わせることができることは言うまでもない。
1、1a、1b、1c………防火部材
3………耐火材
5………熱膨張部材
5a、5b………混合材
7………弾性部材
11………区画部
13………貫通孔
15………長尺体
17………折曲げ部
20、20a………防火構造体

Claims (4)

  1. 無機繊維系の耐火材と、
    前記耐火材に混入される熱膨張部材と、
    を具備し、
    前記熱膨張部材は、前記耐火材の内部に分散して配置され、
    前記耐火材の外面に、長方形の平板状の一枚の部材からなる弾性部材が配置され、
    前記長方形の平板状の弾性部材の少なくとも一方の短辺において、前記耐火材がはみ出していることを特徴とする防火部材。
  2. 無機繊維系の耐火材と、
    前記耐火材に混入される熱膨張部材と、
    を具備し、
    前記熱膨張部材は、少なくとも有機溶媒と、熱膨張性黒鉛と、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムと、無機繊維とが混ぜられた混合材で構成され、前記耐火材の内部に分散して配置され、
    前記耐火材の外面に、長方形の平板状の一枚の部材からなる弾性部材が配置され、
    前記長方形の平板状の弾性部材の少なくとも一方の短辺において、前記耐火材がはみ出していることを特徴とする防火部材。
  3. 防火部材を用いた防火構造体であって、
    前記防火部材は、無機繊維系の耐火材と、前記耐火材に混入される熱膨張部材と、前記耐火材の外面に設けられた長方形の平板状の一枚の部材からなる弾性部材と、を具備し、前記熱膨張部材は、前記耐火材の内部に分散して配置され、前記長方形の平板状の弾性部材の少なくとも一方の短辺において、前記耐火材がはみ出しており、
    区画部に形成された貫通孔に長尺体が挿通されており、
    前記貫通孔の内周長と、前記防火部材が丸められたときに前記貫通孔の周方向に対応する前記弾性部材の辺の長さがほぼ一致しており、
    前記長尺体の外周に、前記弾性部材の両端部同士を突き合わせて、前記防火部材が丸められて配置され、
    前記耐火材の両端部が互いにラップして、両端部の間に隙間が形成されることがなく、
    前記弾性部材の復元力で、前記防火部材が前記貫通孔の内面側に押し付けられるとともに、前記長尺体の外面に前記耐火材が押し付けられることを特徴とする防火構造体。
  4. 防火部材を用いた防火構造体であって、
    前記防火部材は、無機繊維系の耐火材と、前記耐火材に混入される熱膨張部材と、前記耐火材の外面に設けられた長方形の平板状の一枚の部材からなる弾性部材と、を具備し、前記熱膨張部材は、少なくとも有機溶媒と、熱膨張性黒鉛と、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムと、無機繊維とが混ぜられた混合材で構成され、前記耐火材の内部に分散して配置され、前記長方形の平板状の弾性部材の少なくとも一方の短辺において、前記耐火材がはみ出しており、
    区画部に形成された貫通孔に長尺体が挿通されており、
    前記貫通孔の内周長と、前記防火部材が丸められたときに前記貫通孔の周方向に対応する前記弾性部材の辺の長さがほぼ一致しており、
    前記長尺体の外周に、前記弾性部材の両端部同士を突き合わせて、前記防火部材が丸められて配置され、
    前記耐火材の両端部が互いにラップして、両端部の間に隙間が形成されることがなく、
    前記弾性部材の復元力で、前記防火部材が前記貫通孔の内面側に押し付けられるとともに、前記長尺体の外面に前記耐火材が押し付けられることを特徴とする防火構造体。
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