JP5491885B2 - 耐火処理具及び耐火処理構造 - Google Patents
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Description
請求項4に記載の発明は、防火区画体に対し構築物が直交するように設けられるとともに、前記防火区画体において前記構築物に近い防火区画体の際に貫通孔が形成され、該貫通孔から前記防火区画体の表側へ配線・配管材を引き出すために前記貫通孔に設けられる耐火処理構造であって、前記防火区画体には耐火処理具が固定されるとともに、該耐火処理具が備える不燃材製の基板により前記貫通孔全体が閉鎖され、前記基板に形成された挿通孔からは前記配線・配管材が前記防火区画体の表側へ引き出され、前記基板の前記防火区画体側となる一面に前記貫通孔の全体を閉鎖するように熱膨張性耐火材が設けられ、前記基板の一端縁、基板の一部を除去することにより形成された端縁、又は基板を折り曲げ形成した折り曲げ部のいずれかにより構成される挟持部を前記構築物に沿わせるとともに、前記挟持部を越える位置まで前記熱膨張性耐火材が延びてなる延出部を前記防火区画体から前記構築物に跨るように配設し、該延出部が前記挟持部により前記構築物との間に挟まれていることを要旨とする。
図1に示すように、防火区画体としての壁Wは、図示しない複数の形鋼材を挟むように一対の壁材Waを立設することによって形成された中空壁である。形鋼材の側面には配線ボックスBが固設されるとともに、この配線ボックスBは一対の壁材Waの間に配設されている。配線ボックスBの上面には接続具Sを介して3本の電線管Dの一端が接続されるとともに、各電線管D内にはケーブル(図示せず)が挿通されている。なお、3本の電線管Dは、配線ボックスB上面の中央に接続された電線管Dが残りの2本の電線管Dより太くなっている。
まず、図4に示すように、貫通孔Wbから3本の電線管Dが引き出された状態において、貫通孔Wbの上下両長辺の延長線に沿って直線状に延びる第1罫書線21aと、貫通孔Wbの両短辺の延長線に沿って直線状に延びる第2罫書線21bを壁材Waに記入する。次に、剥離紙18を第1及び第2熱膨張性耐火シート15,19から剥離し、耐火処理具11を第1基板形成部材13及び第1熱膨張性耐火シート15と、第2基板形成部材14及び第2熱膨張性耐火シート19とに分割する。また、閉鎖板16aを基板12から除去するとともに、その閉鎖板16a裏面に貼着された第1及び第2熱膨張性耐火シート15,19の一部を基板12から除去する。
(1)耐火処理具11の基板12は、直線状に延びる挟持部13fを備えるとともに、この挟持部13fを越える位置まで延びる延出部15aを備えている。この延出部15aは第1熱膨張性耐火シート15の一部によって形成されている。そして、貫通孔Wbが壁Wの際、すなわち天井Tの直近に形成されている場合でも、挟持部13fを貫通孔Wbの上端縁に合致させた状態では、延出部15aを挟持部13fと天井Tとの間で挟持し、延出部15aを天井Tの下面に圧着させることができる。したがって、天井Tの下面が凹凸状をなしていても、その凹凸を延出部15aが吸収して、挟持部13fと天井T下面との間に隙間が形成されることを防止することができるとともに、空気の流通路が形成されることを防止することができる。
○ 図9に示すように、挿通孔16の孔径より電線管Dの外径が小さかったり、電線管Dが波付管であったりして、挿通孔16と電線管Dとの間に隙間Kが形成される場合には、その隙間Kを塞ぐべく、基板12の表面(他面)側に耐火性を有する隙間閉塞部材30を、電線管Dを取り囲むように設けてもよい。隙間閉塞部材30は、粘性があり、自身で形状を維持可能な性質を有し、さらに、接着性があるものが好ましく、熱発泡性があるとより好ましい。このように構成した場合、火災等が壁Wの表側で発生した場合、隙間閉塞部材30が隙間Kを閉鎖しているため、隙間Kが火炎、煙等の通路になることが防止される。そして、基板12の表側に隙間閉塞部材30が設けられ、裏側に第1及び第2熱膨張性耐火シート15,19が設けられることにより、隙間閉塞部材30は隙間Kを塞ぐ機能を担い、第1及び第2熱膨張性耐火シート15,19は貫通孔Wbを塞ぐ機能を担う。よって、基板12の表側と裏側で別の材料を用いることができる。なお、隙間閉塞部材30は、粘性が低くてもよく、アルミ箔等の金属シートで隙間Kを閉鎖し、落下しないように設ければよい。
○ 挿通孔16の閉鎖板16aを削除するとともに、挿通孔16を第1及び第2熱膨張性耐火シート15,19によって閉鎖してもよく、この場合、挿通孔16に対向する位置にある第1及び第2熱膨張性耐火シート15,19が閉鎖部材となる。
○ 壁Wに形成される貫通孔Wbの大きさに合わせて基板12の大きさ、第1位置合わせ線13b,14b及び第2位置合わせ線14cの位置を変更してもよい。また、第1位置合わせ線13b,14b及び第2位置合わせ線14cと貫通孔Wbとは合致しなくてもよい。
○ 三つの挿通孔16は、一つ又は二つが閉鎖板16aにより閉鎖されていてもよい。
○ 基板12は、貫通孔Wbの形状に合わせて任意に変更してもよい。
(イ)前記基板は第1基板形成部材と第2基板形成部材を一体化して形成されるとともに、前記第2基板形成部材の一端縁により前記挟持部が形成される請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の耐火処理具。
Claims (5)
- 配線・配管材を防火区画体の表側へ引き出すために前記防火区画体に形成された貫通孔に耐火処理を施すために用いられる耐火処理具であって、
前記貫通孔の全体を閉鎖する大きさに形成されるとともに、前記配線・配管材を挿通させる挿通孔が形成された不燃材製の基板を備え、該基板の前記防火区画体側となる一面の前記挿通孔を取り囲む位置に熱膨張性耐火材を備え、
前記基板に、該基板の一端縁、基板の一部を除去することにより形成された端縁、又は基板を折り曲げ形成した折り曲げ部のいずれかにより構成される挟持部を備えるとともに、
前記挟持部を越える位置まで前記熱膨張性耐火材が延びてなる延出部を備え、
前記挟持部と、前記防火区画体に直交する構築物との間で前記延出部を挟持可能にした耐火処理具。 - 前記熱膨張性耐火材は、シート状に成形されるとともに粘着性を有し、前記基板の一面に貼着されるとともに、前記シート状の熱膨張性耐火材の一部により前記延出部が形成されている請求項1に記載の耐火処理具。
- 前記熱膨張性耐火材は、前記基板の一面の全面に亘って設けられている請求項1又は請求項2に記載の耐火処理具。
- 防火区画体に対し構築物が直交するように設けられるとともに、前記防火区画体において前記構築物に近い防火区画体の際に貫通孔が形成され、該貫通孔から前記防火区画体の表側へ配線・配管材を引き出すために前記貫通孔に設けられる耐火処理構造であって、
前記防火区画体には耐火処理具が固定されるとともに、該耐火処理具が備える不燃材製の基板により前記貫通孔全体が閉鎖され、
前記基板に形成された挿通孔からは前記配線・配管材が前記防火区画体の表側へ引き出され、
前記基板の前記防火区画体側となる一面に前記貫通孔の全体を閉鎖するように熱膨張性耐火材が設けられ、
前記基板の一端縁、基板の一部を除去することにより形成された端縁、又は基板を折り曲げ形成した折り曲げ部のいずれかにより構成される挟持部を前記構築物に沿わせるとともに、前記挟持部を越える位置まで前記熱膨張性耐火材が延びてなる延出部を前記防火区画体から前記構築物に跨るように配設し、該延出部が前記挟持部により前記構築物との間に挟まれていることを特徴とする耐火処理構造。 - 前記挿通孔と前記配線・配管材との間の隙間を塞ぐべく、前記基板の他面側には耐火性を有する隙間閉塞部材が前記配線・配管材を取り囲むように設けられている請求項4に記載の耐火処理構造。
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