JP6046551B2 - 配管の防火構造 - Google Patents

配管の防火構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6046551B2
JP6046551B2 JP2013095063A JP2013095063A JP6046551B2 JP 6046551 B2 JP6046551 B2 JP 6046551B2 JP 2013095063 A JP2013095063 A JP 2013095063A JP 2013095063 A JP2013095063 A JP 2013095063A JP 6046551 B2 JP6046551 B2 JP 6046551B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
thermal expansion
expansion member
fireproof
fire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013095063A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014214854A (ja
Inventor
関口 尊文
尊文 関口
信治 山本
信治 山本
Original Assignee
昭和電工建材株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 昭和電工建材株式会社 filed Critical 昭和電工建材株式会社
Priority to JP2013095063A priority Critical patent/JP6046551B2/ja
Publication of JP2014214854A publication Critical patent/JP2014214854A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6046551B2 publication Critical patent/JP6046551B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L5/00Devices for use where pipes, cables or protective tubing pass through walls or partitions
    • F16L5/02Sealing
    • F16L5/04Sealing to form a firebreak device

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Thermal Insulation (AREA)

Description

この発明は、集合住宅等の建築物において排水用や換気用として用いられる配管の防火構造および防火装置に関し、さらにそのうような配管において出火時に管路を閉塞するための出火時の管路閉塞方法に関する。
集合住宅やオフィスビル等の多人数が生活する建築物において、火災時の出火に際して延焼を起こしてはならない防火区画として、床壁や天井壁の上下仕切(コンクリートスラブ)等が挙げられる。
一方、排水用配管や換気用配管は、防火区画を貫通して配置されるため、その貫通部を貫通する配管には、防火区画を越えて隣接する区域に火炎や煙が伝わらないように防火構造が採用されている。
例えば下記特許文献1に示す配管の防火構造は、防火区画としてのコンクリートスラブの貫通部に、硬質合成樹脂製の配管が貫通した状態に配置されるとともに、その配管の貫通部近傍における外周面に布製スリーブを介して熱膨張部材が装着されている。そして万が一、火災が発生したような場合、火災の熱によって熱膨張部材が膨張して、その熱膨張部材によって布製スリーブと共に配管が縮径方向に押し潰されて、管路が閉塞される。これにより、火災や煙が防火区画を越えて隣接区間に伝達するのが防止されるようになっている。
この配管の防火構造においては、膨張した熱膨張部材によって構成される管路閉塞壁内に布製スリーブの繊維が混入しているため、その繊維が熱膨張部材の補強部材として機能する。従って熱膨張部材による管路閉塞壁が容易に崩壊してしまうのを防止でき、良好な防火性能を得ることができる。
特表平10−509631号公報
しかしながら、上記特許文献1に示す従来の配管の防火構造では、火災発生時における火炎の状況等によって、布製スリーブの繊維が、膨張した熱膨張部材(管路閉塞壁)の全域に十分に行き渡らず、管路閉塞壁に、補強部材としての繊維が欠落する部分が生じてしまう場合がある。そうすると、その繊維欠落部が容易に崩壊してしまい、十分な防火性能を確実に得ることができないという課題があった。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、出火時に十分な防火性能を確実に得ることができる配管の防火構造およびその関連技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
[1]熱融解性の配管と、その配管の外周に配置された断熱性の熱膨張部材とを備え、出火時の熱によって膨張した前記熱膨張部材によって、前記配管が押し潰されて管路が閉塞されるようにした配管の防火構造において、
前記熱膨張部材の内周面と配管の外周面との間に、内巻シートが配置されるとともに、
前記内巻シートは、融点が前記熱膨張部材の熱膨張開始温度以上の繊維を主原料とする不織布によって構成されていることを特徴とする配管の防火構造。
[2]前記内巻シートの主原料は、ポリエステル繊維、ポリアミド系繊維、グラスウール、ロックウールの中から選択された1種以上の繊維である前項1に記載の配管の防火構造。
[3]前記内巻シートは、面質量が10g/m〜500g/mに調整されている前項1または2に記載の配管の防火構造。
[4]前記内巻シートにおける主原料の融点が200℃以上である前項1〜3のいずれか1項に記載の配管の防火構造。
[5]前記内巻シートは、厚さが1mm〜20mmに調整されている前項1〜4のいずれか1項に記載の配管の防火構造。
[6]前記配管を構成する合成樹脂製の内管と、その内管の一部を除いて前記内管の外周に設けられ、かつ耐火層を含む被覆管とを備えた耐火二層管が設けられ、
前記耐火二層管における前記内管の一部に、前記内巻シートおよび前記熱膨張部材が配置されている前項1〜5のいずれか1項に記載の配管の防火構造。
[7]熱融解性の芯管と、その芯管の端部を除いて前記芯管の外周に設けられた耐火層とを備えた接続継手が設けられ、
前記接続継手における芯管の端部が、前記配管の端部に外嵌されて固定されるとともに、前記接続継手における芯管の端部外周に、前記内巻シートおよび前記熱膨張部材が配置されている前項1〜6のいずれか1項に記載の配管の防火構造。
[8]熱融解性の配管に設置される配管の防火装置であって、
配管の外周に配置され、かつ出火時の熱によって膨張して配管を押し潰して管路を閉塞する断熱性の熱膨張部材と、
前記熱膨張部材および配管間に配置されるように前記熱膨張部材の内周面に取り付けられる内巻シートとを備え、
前記内巻シートは、融点が前記熱膨張部材の熱膨張開始温度以上の繊維を主原料とする不織布によって構成されていることを特徴とする配管の防火装置。
[9]前記内巻シートは、熱融着によって前記熱膨張部材の内周面に固定されている前項8に記載の配管の防火装置。
[10]熱融解性の配管の外周に配置した断熱性の熱膨張部材を、出火時の熱によって膨張させて配管を押し潰して管路を閉塞するようにした出火時の管路閉塞方法であって、
前記熱膨張部材の内周面と配管の外周面との間に、融点が前記熱膨張部材の熱膨張開始温度以上の繊維を主原料とする不織布によって構成された内巻シートを配置しておき、
出火時において、膨張する熱膨張部材が前記内巻シートの不織布を浸透するように繊維間の隙間に入り込みつつ、熱膨張部材と繊維とが一体となって膨張するようにしたことを特徴とする出火時の管路閉塞方法。
発明[1]の配管の防火構造によれば、熱膨張部材の内周面に、厚み方向に繊維が結合された不織布製の内巻シートが配置されているため、出火時において膨張する熱膨張部材が内巻シートの不織布を浸透するように繊維間の隙間に入り込みつつ、熱膨張部材と繊維とが一体となって膨張していくことによって、配管が押し潰されて管路が閉塞される。内巻シートの繊維は、補強部材として機能するため、膨張後の熱膨張部材が容易に脱落してしまう等の不具合を確実に防止でき、良好な防火性能を得ることができる。さらに内巻シートの繊維の融点が熱膨張部材の熱膨張開始温度以上であるため、熱膨張部材の膨張開始直前まで内巻シートの形状が確実に維持されている。このため、熱膨張部材の膨張に伴って内巻シートの繊維がバランス良く拡散していき、繊維が熱膨張部材内の全域に分布する。従って膨張後の熱膨張部材の強度を十分に確保できて、防火性能を一層向上させることができる。
発明[2]〜[5]の配管の防火構造によれば、防火性能をより一層確実に向上させることができる。
発明[6]の配管の防火構造によれば、耐火二層管に確実に採用できて、上記と同様の効果を得ることができる。
発明[7]の配管の防火構造によれば、接続継手との接続部において、延焼を遮断することができる。
発明[8]の配管の防火装置によれば、上記と同様に、出火時に配管の管路を確実に閉塞できて、優れた防火性能を得ることができる。
発明[9]の配管の防火装置によれば、内巻シートを熱膨張部材に確実に固定することができる。
発明[10]の出火時の管路閉塞方法によれば、上記と同様に、出火時に配管の管路を確実に閉塞できて、優れた防火性能を確実に得ることができる。
図1はこの発明の実施形態である耐火二層管の防火構造が適用された配管接続構造を示す断面図である。 図2は実施形態の配管接続構造に適用された防火装置を示す斜視図である。 図3はこの発明の第1変形例である耐火二層管の防火装置を示す斜視図である。 図4は第1変形例の防火装置を示す断面図である。 図5はこの発明の第2変形例である耐火二層管の防火装置が適用された配管接続構造を示す断面図である。 図6はこの発明の第3変形例である耐火二層管の防火装置が適用された配管接続構造における針金周辺部を拡大して示す断面図である。
図1はこの発明の実施形態である耐火二層管の防火構造が適用された配管接続構造を示す断面図である。同図に示すように、この配管接続構造においては、防火区画としてのコンクリートスラブの配管用貫通孔周辺に配置される集合管継手7と、その集合管継手7に接続される耐火二層管1と、耐火二層管1における集合管継手7の近傍に設けられる防火装置5とを基本的な構成要素として備えている。
耐火二層管1は、内管2と、内管2の外周面に積層された被覆管3とを備えている。被覆管3は、内周側に配置される吸音層31と、外周側に配置される耐火層32との2つの層を備えている。後に詳述するが、耐火層32は、耐火性材料が含浸した耐火層用多孔質シート42によって構成されるとともに、吸音層31は、耐火性材料が含浸していない(耐火性材料が非含浸の)吸音層用多孔質シート41によって構成されている。
内管2は、合成樹脂製管によって構成されている。合成樹脂製管としては、硬質ポリ塩化ビニル管(PVC管)、ポリエチレンテレフタレート管(PET管)、ポリプロピレン管(PP管)等の熱可塑性樹脂製管を好適なものとして例示することができる。なお、本発明においては、内管2の寸法や、管形状が限定されるものではなく、例えば直管形状、曲がり管形状、分岐管形状のもの等も支障なく使用することができる。
本実施形態においては、内管2である合成樹脂製管が、熱融解性の配管を構成するものであり、火災時等の過熱によって融解するものである。なお本発明においては、熱により軟化する場合も、熱融解に含まれる。
被覆管3の外周側に配置される耐火層用多孔質シート42は、耐火性材料を含浸させた際にその耐火性材料を保持する基材となり、耐火性材料を養生させた後は耐火層32の補強材として機能するものであるから、十分な耐火性材料を含浸させるために、多数の気孔が立体的(三次元的)に存在して所要の厚みを有していることが求められる。具体的には、繊維を結合または絡ませて形成した不織布(フェルトを含む)、連続気泡フォームを推奨できる。なお本発明において、多孔質シート42としては、所要の厚みを有し耐火性材料を保持できるものであれば織物や編み物も使用することができる。
本発明において不織布とは、繊維シート、ウェブ又はバットで、繊維方向が一方向又はランダムに配向しており、交絡、及び/又は溶着、及び/又は接着によって繊維間が結合されたものを言う。
この不織布は、繊維がランダムに配向しているため、耐火性材料をムラなく均一に含浸させることができ、引っ張りや曲げに対する強度が三次元的に均等であるため、耐衝撃性に優れ、割れにくい耐火層32を形成することができる。不織布の材料となる繊維の材質は、有機系、無機系のいずれであっても良い。有機系繊維としては、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート系(PET系ポリエステル)、ポリアミド系(6−ナイロン、6,6ナイロン等)、アクリル系、ポリビニルアルコール系(ビニロン等)、ポリオレフィン系、木綿、羊毛等を例示できる。無機系繊維としては、ガラス繊維、ロックウール、セラミック繊維を例示することができる。これらのうち、耐火性向上の観点からは無機系繊維が好ましいが、価格、取り扱いの容易性の観点からはポリエステルやポリプロピレン等の合成繊維製の不織布を用いることが好ましい。耐火層32の耐火性能は不織布に含浸させた耐火性材料によって十分に得られるので、合成繊維製不織布を用いても何ら不都合はない。
不織布はそのままの状態で使用することもできるが、圧縮した不織布、ニードルパンチした不織布を用いるが好ましい。不織布は、圧縮したり、ニードルパンチすることによって保形性が高まるので、耐火性材料含浸後の保形性も高まり、ひいては耐火二層管1の真円度を高めることができる。
連続気泡フォームとしては、発泡ウレタンフォーム等を例示でき、不織布と同様に気泡内に耐火性材料を含浸させることによって高強度の耐火層32を形成することができる。
上記の耐火層用多孔質シート42のなかでも、補強効果が最も優れているのは不織布である。
一方、被覆管3における内側の吸音層31を構成する吸音層用多孔質シート41としては、その素材が、耐火層32を構成する上記耐火層用多孔質シート42と同種のものを、好適に用いることができる。
本実施形態において、被覆管3の厚さ(耐火層32の厚さと吸音層31の厚さとの合計)は、求められる耐火性能に応じて調整される。通常、この厚さの合計は、3〜30mmが好ましい。
本実施形態において、耐火層32は、耐火層用多孔質シート42に耐火性材料を含浸させることによって形成するものである。
耐火性材料の含浸方法として、例えば吹き付けによる方法を好適例として挙げることができる。すなわち内管2に多孔質シート41,42を巻き付けた管状複合部材4に、外側から耐火性材料を吹き付けて、耐火層用多孔質シート42に耐火性材料を含浸させる方法を好適に採用することができる。
具体的には、管状複合部材を、軸心回りに回転駆動する一方、耐火性材料噴射装置の噴射ノズルからモルタル等の耐火性材料を管状複合部材の外周面に吹き付けつつ、噴射ノズルを管状複合部材の軸方向に沿って移動させる。これにより、管状複合部材の外周面全域に均等に耐火性材料が吹き付けられて、その耐火性材料が耐火層用多孔質シート42に含浸して、耐火層32が形成される。
本実施形態においては、耐火性材料の含浸方法は特に限定されず、上記の吹き付けによる方法以外にも、塗布、注入、浸漬等の方法を用いることができる。
耐火性材料としては、モルタル、特に、硬化後の強度や密度、耐火性等の観点からセメント系モルタルを採用するのが好ましい。セメント系モルタルに用いられるセメントとしては、例えば普通、早強、中庸熱および超早強の各種ポルトランドセメント、またはこれらのポルトランドセメントにフライアッシュや高炉スラグを混合した高炉セメントを例示することができる。またこれらに適宜骨材や各種添加剤を混合することもできる。これらの固体材料に水を混合し、湿式材料として、耐火層用多孔質シート42に含浸させる。湿式状態の耐火性材料の粘度は固体材料と水との混合比によって調整し、多孔質シート41,42の材質、面密度、厚さ、浸透速度、硬化時間等に応じて適宜設定する。なお、一般的には強度向上を目的としてセメントに繊維を混合した繊維モルタルが使用されるが、本発明の耐火層32は、耐火層用多孔質シート42が補強材として機能するため、繊維を混合する必要はない。繊維モルタルは耐火層用多孔質シート42への浸透を妨げることがあるので、むしろ繊維を混合しないことが好ましい。
耐火層32は、耐火性材料中に耐火層用多孔質シート42を構成する繊維や樹脂を均一に含んでおり、繊維や樹脂が補強材として機能する。このため、耐火層32は強度が高く、耐衝撃性に優れ、割れにくいという特性を有している。
耐火層32の厚みは、被覆管3の厚み(吸音層31および耐火層32の総厚み)、使用目的、施工場所等に応じて、適宜設定すれば良い。耐火層32は、厚いほど耐火性が向上するが、重量の問題もあり、少なくとも3mm以上、好ましくは5mm〜10mm程度に設定するのが良い。耐火層32を厚くし過ぎると、耐火二層管1全体の重量が増加してしまい、輸送や施工が困難になるおそれがある。
なお本実施形態においては、耐火層32の型崩れを防止するためや、耐火性材料の脱落を防止するため等に、管状複合部材の外周に、伸縮性のある筒状メッシュシート等を被せておくようにしても良い。
また本実施形態において、吸音層31は、耐火性材料が含浸していない吸音層用多孔質シート41によって構成されるものである。この吸音層31は、良好な吸音性を確保するため、厚みを少なくとも1mm以上、好ましくは3mm〜15mm程度に設定するのが良い。
本実施形態においては、耐火層用多孔質シート42の密度を、吸音層用多孔質シート41の密度よりも低く設定するのが好ましい。すなわち、耐火層用多孔質シート42は、耐火性材料を含浸させて耐火層32を形成するものであるため、耐火性材料を含浸させたい耐火層用多孔質シート42を、密度の低い不織布等の低密度層によって構成し、耐火性材料を含浸させたくない吸音層用多孔質シート41を、密度の高い不織布等の高密度層によって構成する。低密度層は高密度層に比べて耐火性材料が含浸し易いため、低密度の耐火層用多孔質シート42のみに、耐火性材料を確実に含浸させることができる。このように低密度層および高密度層の多孔質シート41,42を用いることによって、耐火性材料の含浸度合を正確に制御することができ、所望の部分に的確に耐火層32および吸音層31を形成することができる。
また本実施形態においては、後に詳述するように、吸音層用多孔質シート41と、耐火層用多孔質シート42とを、物理的に繋がっている1枚の多孔質シートによって構成するようにしても良い。
以上の構成の本実施形態の耐火二層管1は、例えばマンション等の集合住宅における排水管として使用する。この場合、内部を流れる水によって発生する音(水流音)は、吸音層31で吸音されるとともに、吸音層31を透過した水流音は、耐火層32で遮音反射される。従って水流音が管外に漏れることはない。さらに吸音層31の外周面に設けられた耐火層32によって所定の耐火性能を確実に得ることができる。
なお、耐火二層管1における上端部は、つまり後述の集合管継手7との接続端部25は、被覆管3が存在せず内管2が露出した状態となっている。本実施形態においては、耐火二層管1の接続端部25によって、耐火二層管1の一部が構成されている。
上記耐火二層管1が接続される集合管継手7は、コンクリートスラブの貫通孔内に取り付けられている。この集合管継手7は、下端部に上記耐火二層管1が接続される管接続部71が設けられるとともに、図示しない上側部には、複数の管接続部が設けられ、各管接続部にそれぞれ上記と同様な耐火二層管等の配管を接続できるようになっている。
管接続部71は、下向きに開放されており、内径寸法が耐火二層管1における内管2の外径寸法に対応して形成されており、この管接続部71の内部に、内管2の接続端部25を挿入できるようになっている。また、管接続部71の開口端部(下端)外周には、外方に突出するようにフランジ部72が一体に形成されている。
この集合管継手7に耐火二層管1を接続するには、耐火二層管1における内管2の接続端部25の外側に金属製の押し輪75を嵌め込む一方、集合管継手7における管接続部71の開口縁部内周にリング状のゴムパッキン76を配置しておく。そして、耐火二層管1における接続端部25の先端を集合管継手7の管接続部71に挿入して、ゴムパッキン76を耐火二層管1の接続端部25の外周面と、集合管継手7における管接続部71の開口縁部内周面との間に配置する。その状態で、ボルトおよびナットからなる締結手段77によって、押し輪75をフランジ部72側に圧締し、ゴムパッキン76を管接続部71の開口縁部内周と内管2の外周面との間に圧入する。これにより、耐火二層管1が集合管継手7に接続固定される。
こうして集合管継手7に連結固定された耐火二層管1においては、内管2の露出された部分である接続端部25が、集合管継手7の下方に配置されている。
なお本実施形態においては、押し輪75は、集合管継手7を構成する部材の一つとして取り扱っている。
図2は本実施形態の配管接続構造に採用された防火装置5を示す斜視図である。図1および図2に示すように耐火二層管1の接続端部25に設置けられる防火装置5は、熱膨張部材50と、その熱膨張部材50の内側に配置され、かつ筒状に成形された内巻シート51と、熱膨張部材50および内巻シート51を保持する保持枠6とを備えている。
保持枠6は、円環状の金属製枠本体61と、枠本体61を集合管継手7に支持するためのフック65とを備えている。なお本実施形態においては、保持枠6によって保持部材が構成されている。
枠本体61は、その内側の上下両端の全周に内方に向けて突出するリブ62,62が形成されている。さらに上下のリブ62,62間には周方向に連続し、かつ内側に向けて開放する周溝状の熱膨張部材収容凹部63が形成されている。
そしてこの凹部63内に、円筒状に成形された熱膨張部材50が収容されて保持されている。
本実施形態において、熱膨張部材50は、火災時の熱によって加熱されると、発泡して3〜50倍に膨張し、かつ膨張した状態で耐火性を保有するものである。
本実施形態において、このような熱膨張部材50としては、エポキシ樹脂やポリエチレン樹脂等の合成樹脂に熱膨張性カーボン(熱膨張性黒鉛)が含有された合成樹脂系のものや、EPDM等の合成ゴムに熱膨張性カーボン(熱膨張性黒鉛)が含有された合成ゴム系のものを好適に用いることができる。
これらの熱膨張部材50のうち、エポキシ樹脂系の熱膨張部材50の熱膨張開始温度は180℃〜200℃近傍であり、ポリエチレン樹脂系や合成ゴム系の熱膨張部材50の熱膨張開始温度は180℃〜200℃近傍である。
なお言うまでもなく、本発明においては、熱膨張部材50には必要に応じて充填材等の添加剤を適宜配合するようにしても良い。
熱膨張部材50の内周面に設けられる内巻シート51は、不織布によって構成する必要がある。内巻シート51用の不織布とは、上記被覆管3の多孔質シート41,42として用いることが可能な不織布と同様であるため、重複説明は省略する。
本実施形態において、内巻シート51を構成する不織布の主原料は、融点が熱膨張部材50の膨張開始温度以上の繊維である。従ってこの内巻シート51は、熱膨張部材50の熱膨張開始温度未満では溶融せずに形状が保持されるようになっている。
本発明において、内巻シート51の主原料として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維(ポリアミド系繊維)等の合成樹脂からなる繊維や、グラスウール、ロックウール等の無機系材料からなる繊維等の融点が200℃以上の繊維を好適に用いることができる。
中でも本実施形態では、内巻シート51として用いられる不織布を、ポリエステル繊維製のフェルトによって構成している。
なお、本発明においては、1種類の繊維だけで内巻シート51の主原料を構成しても良いし、2種以上の繊維を総括したものを内巻シート51の主原料として構成するようにしても良い。
本実施形態において、内巻シート51の厚さは1mm〜20mm、好ましくは3mm〜10mmに調整するのが好ましい。さらに内巻シート51の面質量(面積当たりの質量)は10g/m〜500g/m、好ましくは50g/m〜400g/mに調整するのが好ましい。すなわちこれらの値が上記の所定範囲に含まれる内巻シート51においては、後述する内巻シート51による機能、例えば遮音性能、断熱性能、膨張後の熱膨張部材50における補強性能等を、より確実に得ることができる。
この内巻シート51が、既述したように熱膨張部材50の内周面に取り付けられる。内巻シート51の熱膨張部材50への固定手段としては、熱融着処理を好適に用いることができる。例えば熱膨張部材50の内周面に沿って配置した内巻シート51を部分的に溶融固化することによって熱膨張部材50に固定する。
なお言うまでもなく、本発明においては、内巻シート51の熱膨張部材50への固定手段が限定されるものではない。
フック65は、枠本体61の外周面に周方向に間隔をおいて複数、本実施形態では3つ設けられている。各フック65は、その下端が枠本体61の外周面にそれぞれ固定されて、斜め上方に突出するように、つまり外側に開きつつ上方に延びるように配置されている。さらに各フック65の上端には、その上端が内側に折り曲げられることによって爪66が形成されている。各フック65は、弾力性を備えており、下端を支点にして、上部側が外側に開くように弾性変形可能に構成されている。
この防火装置5を、上記の配管接続構造に取り付けるに際しては、耐火二層管1を集合管継手7に接続する前に予め、耐火二層管1の接続側端部の外周に防火装置5を嵌め込んでおく。この場合、フック65が突出している側を上側、つまり集合管継手7との接続側として配置する。その状態で既述したように、耐火二層管1を集合管継手7に接続する。
その後、防火装置5の各フック65を弾性力に抗して外側に押し開きつつ、爪66を集合管継手7のフランジ部72および押し輪75間に対応する位置まで、防火装置5を持ち上げて、各フック65の押し開きを解除し、各フック65の弾性復元力によって、各爪66を集合管継手7のフランジ部72および押し輪75間に挿入して引っ掛ける。これにより、防火装置5を、その熱膨張部材50を耐火二層管1における被覆管3が除去された接続端部25の外周面に配置した状態に配管接続構造に組み付ける。
なお上記の説明では、耐火二層管1を集合管継手7に連結する前に予め、防火装置5を耐火二層管1に外嵌しておくようにしているが、本発明においては、耐火二層管1や防火装置5の組付手順は限定されるものではない。例えば耐火二層管1を集合管継手7に連結した後、防火装置5を組み付けるようにしても良い。すなわち上端部(一端部)が集合管継手7に連結された耐火二層管1の下端部(他端部)から、防火装置5を外嵌して耐火二層管1の上端部までスライド移動させてから、その防火装置5を耐火二層管1の上端部に上記と同様に組み付けるようにしても良い。
こうして防火装置5が耐火二層管1に組み付けられた状態では、耐火二層管1における被覆管3が存在しない内管2の接続端部25の外周に、内巻シート51を介して熱膨張部材50が配置されている。
以上のように、本実施形態の配管接続構造によれば、熱膨張部材50の内周面にポリエステル繊維製のフェルトからなる内巻シート51が配置された防火装置5が、耐火二層管1における内管2の外周に取り付けられている。この構造においては、火災の発生により熱膨張部材50が内側に向けて膨張する際には、熱膨張部材50が内巻シート51の不織布を浸透するように繊維間の隙間に入り込みつつ、熱膨張部材50と繊維とが一体となって膨張していくことによって、内管2が押し潰されて管路が閉塞される。このように内巻シート51の繊維が内部に拡散した熱膨張部材50によって管路が閉塞されるため、内巻シート51の繊維が膨張後の熱膨張部材50の補強部材として機能し、膨張後の熱膨張部材50による管路閉塞壁が容易に脱落してしまう等の不具合を確実に防止でき、良好な防火性能を確実に得ることができる。
さらに本実施形態においては、内巻シート51として、その主原料である不織布繊維(フェルト繊維)の融点が熱膨張部材50の熱膨張開始温度以上のものを採用しているため、熱膨張部材50が膨張を開始する前に、内巻シート51が熱溶融することがなく、熱膨張部材50による熱膨張が開始される直前まで内巻シート51の形状が確実に維持される。このため、熱膨張部材50の熱膨張に伴って内巻シート51の繊維がスムーズに拡散・膨張していき、膨張後の熱膨張部材50の内部全域に、内巻シート51の繊維が均等に分布することとなる。つまり、熱膨張部材50による管路閉塞壁内に、補強部材としての繊維が欠落している部分が存在しない。このため、熱膨張部材50による管路閉塞壁は十分な強度を得ることができ、長時間、管路を確実に閉塞した状態に保持され、防火性能を一層向上させることができる。
その上さらに、本実施形態において、内巻シート51はポリエステル繊維製のフェルトによって構成されているため、断熱性を備えている。このため以下に詳述するように、出火時に熱膨張部材50をその全周わたって瞬間的に膨張させることができ、管路を全周から均等に瞬時に閉塞することができる。
すなわち仮に、熱膨張部材50の内側に断熱性部材が配置されていない場合、出火時に熱が熱膨張部材50の周方向の一部から内側(内管2)に瞬間的に伝わってしまい、熱膨張部材50の周方向の一部が熱量不足となって十分に膨張しないことがある。そうすると、管路の周方向の一部を閉塞できない場合があり、良好な防火性能を得ることができないおそれがある。
これに対し、本実施形態においては、内巻シート51が断熱性を備えているため、内巻シート51の外側の熱が、部分的に内側に伝わって熱膨張部材50が部分的に熱量不足となってしまうのを防止することができる。このため、出火時には内巻シート51の外周面全域において瞬間的に温度が上昇し、熱膨張部材50が周方向の全域で急速に膨張するため、管路を全周から均等に瞬時に閉塞することができる。従って出火直後に所望の管路閉塞壁を形成でき、延焼による被害を最小限で食い止めることができ、より一層良好な防火性能を得ることができる。
また本実施形態において、熱膨張部材50は、保持枠6の枠本体61によって外側から拘束されているため、外側に膨張することなく、確実に内側に膨張して管路を確実に閉塞でき、防火性を一層向上させることができる。
また本実施形態の防火装置5において、内巻シート51を構成するポリエステル繊維製のフェルトは、吸音性能も備えている。このため、耐火二層管1の内部を流れる水等によって発生する水流音は、内巻シート51で吸音され、水流音が外部に漏れるような不具合を有効に防止することができる。
さらに本実施形態において内巻シート51を構成するポリエステル繊維のフェルトは、厚さ方向に弾力性を有しているため、内管2を水が流れた際に騒音が発生するのを、より確実に防止することができる。すなわち内管2内を水が流れた際に発生する水流音(騒音)は、主として内管2の周壁が振動しその振動が外部に伝達することが原因となっている。そこで、本実施形態において、内巻シート51はその弾力性によって、内管2の振動を確実に抑制できるため、騒音が発生するのを確実に防止することができる。
特に配管の防火構造5における熱膨張部材50として、合成樹脂系のものを使用している場合には、熱膨張部材50が硬質となるため、熱膨張部材50の内側に内巻シート51等の弾力性(制振性)のある部材が存在しない場合には、水流による内管2の振動が熱膨張部材50に不用意に伝達されてしまい、騒音が発生し易くなってしまう。
これに対し、本実施形態の配管の防火構造においては、既述したように水流による内管2の振動を内巻シート51によって吸収できるため、たとえ熱膨張部材50が硬質の合成樹脂系のものであっても、内管2の振動が熱膨張部材50に伝達するのを防止でき、騒音の発生を確実に防止することができる。
また本実施形態の防火装置5は、そのフック65を集合管継手7に引っ掛けるだけで簡単に取り付けることができ、ひいては配管接続構造全体の組付作業を簡単に行うことができる。
なお、上記実施形態においては、内巻シート61としてフェルト製のものを使用しているが、フェルト以外の不織布を用いる場合であっても、上記と同様に、同様の作用効果を得るこができる。
また上記実施形態においては、防火装置5の保持枠6として、上下にリブ62,62が形成されたものを用いているが、それだけに限られず、本発明においては、上下のリブ62,62のうち少なくとも一方のリブが形成されない保持枠6を採用するようにしても良い。
例えば図3および図4に示すように、下側にのみリブ62が形成されて上側にリブが形成されない保持枠6を有する防火装置5を採用するようにしても良い。この変形例の防火装置5においては、例えば上記実施形態のように、防火装置5の上端に対向して、集合管継手7のフランジ部72が配置されているような場合には、熱膨張部材50が膨張する際に、フランジ部72によって拘束されることにより、上方への膨張が抑制されて、膨張部材50を確実に内側に膨張させることができる。なおフランジ部72によって熱膨張部材50の膨張を確実に抑制できるようにするには、熱膨張部材50の上端面とフランジ部72との隙間を10mm以下に設定しておくのが良い。
また逆に、防火装置5の下側に熱膨張部材50の下方への膨張を抑制するような適当な部材が存在するような場合には、防火装置5の保持枠6として、下側にリブを有しないものを採用することもできる。
換言すれば、フランジ部72等の熱膨張部材50を拘束する部材が存在しないような場合には、リブ62,62が形成された保持枠6を採用するのが良い。
また上記実施形態においては、防火装置5のフック65を集合管継手7のフランジ部72と押し輪75との間に差し込むようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、防火装置5のフック65を、集合管継手7のフランジ部の上面に引っ掛けるように構成しても良い。
さらに上記実施形態においては、防火装置5をフック掛けにより配管に取り付けるようにしているが、本発明において、防火装置5の配管への取付手段は特に限定されるものではない。例えば防火装置5を集合管継手7または耐火二層管1に針金等の線材によって巻き付けるようにして取り付けても良い。
すなわち図5はこの発明の第2変形例である配管接続構造を示す断面図である。同図に示すように、この配管接続構造においては、防火装置5の取付手段として針金67が用いられるとともに、集合管継手7としてフランジ部が形成されないものが採用されている。
詳細に説明すると、防火装置5は、上記第1変形例(図3および図4参照)と同様に上側にリブのない保持枠6と、熱膨張部材50と、内巻シート61とを備えている。なお、この第2変形例では、保持枠6にフック65は設けられていない。
一方、耐火二層管1の接続端部25には、接続継手8の下端が連結固定されている。この接続継手8は、芯管81と、芯管81の外側に設けられた耐火層82とを備えている。芯管81は、熱融解性の素材例えば、耐火二層管1の内管2と同様な素材、具体的には硬質ポリ塩化ビニル管(PVC管)、ポリエチレンテレフタレート管(PET管)、ポリプロピレン管(PP管)等の硬質合成樹脂によって構成されている。
耐火層82は、芯管81の外周面における下端部を除く領域に積層状に形成されている。この耐火層82は、耐火二層管1の耐火層32と同様な素材、例えばモルタル等の耐火性材料によって構成されており、型注入成形によって形成されている。なおこの変形例では、耐火層82の型注入成形において、耐火性材料を注入する空間部に予め、防火装置5を吊持するための針金87の中間部が配置された状態で、耐火性材料を注入するようにしている。これにより、耐火層82の内部に針金67の中間部が埋設され、さらに耐火層82の上端部から針金87の上部が引き出されるとともに、耐火層82の下端部から針金87の下部が引き出された状態に配置される。
この接続継手8における芯管81の上端部に集合管継手7の下端部が連結固定されるとともに、下端部に耐火二層管1の上端部、つまり被覆管3が形成されていない接続端部25が連結固定されている。
また上記防火装置5は、接続継手8の外周面における下端部、つまり耐火層82が形成されていない芯管81の外周面に配置されている。さらに防火装置5は、熱膨張部材50および内巻シート51の上端面が接続継手8の耐火層82の下端面に隙間なく接触した状態に配置されている。
そして防火装置6の保持枠6における枠本体61の外周面に、上記接続継手8における各針金67の下端が、タッピングビス68によってそれぞれねじ止め固定されている。
なおこの変形例においては、接続継手8の芯管81における耐火層82が形成されていない部分(下端部)によって、芯管81の端部が構成されている。
一方、集合管継手7における接続継手8の近傍には、バンド部材9が取り付けられている。このバンド部材9は、集合管継手7の外周面に沿って配置される合成ゴム製の吸音部材91と、その吸音部材91を集合管継手7に圧接固定するための金属製の締付バンド92とを備えている。
締付バンド92の下端縁には、上記針金67にそれぞれ対応して、針金取付孔93が形成されている。そして各針金67の上端部が、対応する各針金取付孔93にそれぞれ挿通されて、ねじり合わされることによって、各針金取付孔93に取り付けられている。これにより、防火装置5が針金67を介して集合管継手7に吊持(支持)されている。
この第2変形例の配管接続構造において、出火により熱膨張部材50が膨張すると、上記実施形態と同様に、熱膨張部材50と内巻シート51の繊維とが一体となって内側に膨張していき、芯管81および内管2が押し潰されて、管路が閉塞される。
従ってこの第2変形例の配管接続構造においても、上記と同様に同様の効果を得ることができる。
このように本発明の防火装置5は、フランジのない集合管継手7を採用した配管接続構造においても、確実に採用することができる。
また上記第2変形例においては、針金67を接続継手8の耐火層82内に埋設するようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、針金67を接続継手8の耐火層82の外側に配置するようにしても良い。
すなわち図6に示すように、下端がタッピングビス68によって防火装置5の保持枠6に固定された針金67を、接続継手8の耐火層82の外側に配置し、その針金67の上端を、集合管継手7に巻回されたバンド部材9の針金取付孔93にそれぞれ取り付けられる。この構造においては、針金67のたるみ等を防止するために、針金67の中間部に引張コイルバネ85が設けられている。
このように防火装置5を針金67で吊持する場合、針金67を外側に露出した状態に配置するようにしても良い。
また上記実施形態においては、本発明の防火構造を、吸音層31および耐火層32を有する耐火二層管1に採用する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明は、耐火層のみを有する耐火二層管や、吸音層および耐火層等の被覆管が設けられない配管(内管のみの構造)に適用することができる。
また上記実施形態においては、吸音層用多孔質シート41と、耐火層用多孔質シート42とを物理的に繋がっていない別部材によって構成しているが、それだけに限られず、本発明においては、吸音層用多孔質シート41と、耐火層用多孔質シート42とを物理的に繋がっている同一の多孔質シート(一枚の多孔質シート)によって構成することもできる。すなわち、内管2の外周に、厚みのある多孔質シートを巻回し、その多孔質シートの外周側半分の領域にのみ耐火性材料を含浸させる。そして、厚みのある多孔質シートのうち耐火性材料が含浸した外周部分を耐火層として構成するとともに、耐火性材料が含浸していない内周部分を吸音層として構成することもできる。
また上記実施形態においては、耐火二層管を、3本以上の耐火二層管等の配管が接続される集合管継手に連結する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明は、2本の配管を繋ぎ合わせるだけの直線状やエルボー型の管継手にも適用することができる。
また上記実施形態においては、防火装置5を耐火二層管1における管継手の近傍に配置する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、防火装置を耐火二層管における管継手から離間した位置に配置するようにしても良い。
さらに上記実施形態においては、防火装置5を耐火二層管1の端部(上端部)に設置するようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、防火装置5を耐火二層管1の中間部に設けるようにしても良い。例えば耐火二層管1の一部の被覆管3を除去し、その被覆管3の設けられていない部分(内管2の一部)に防火装置5を設置するようにすれば良い。
この発明の配管の防火構造は、排水管や換気管の防火用として、集合住宅等の建造物に適用することができる。
1:耐火二層管
2:内管(配管)
25:接続端部(端部)
3:被覆管
32:耐火層
5:防火装置
50:熱膨張部材
51:内巻シート
8:接続継手
81:芯管
82:耐火層

Claims (11)

  1. 熱融解性の配管と、その配管の外周に配置された断熱性の熱膨張部材とを備え、出火時の熱によって膨張した前記熱膨張部材によって、前記配管が押し潰されて管路が閉塞されるようにした配管の防火構造において、
    前記熱膨張部材の内周面と配管の外周面との間に、内巻シートが配置されるとともに、
    前記内巻シートは、融点が前記熱膨張部材の熱膨張開始温度以上の繊維を主原料とし、かつ膨張する熱膨張部材が繊維間の隙間に入り込むように繊維間が結合された不織布によって構成されていることを特徴とする配管の防火構造。
  2. 前記内巻シートは厚さ方向に弾力性を有し、
    前記熱膨張部材は合成樹脂系の硬質材である請求項1に記載の配管の防火構造。
  3. 前記内巻シートの主原料は、ポリエステル繊維、ポリアミド系繊維、グラスウール、ロックウールの中から選択された1種以上の繊維である請求項1または2に記載の配管の防火構造。
  4. 前記内巻シートは、面質量が10g/m〜500g/mに調整されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の配管の防火構造。
  5. 前記内巻シートにおける主原料の融点が200℃以上である請求項1〜のいずれか1項に記載の配管の防火構造。
  6. 前記内巻シートは、厚さが1mm〜20mmに調整されている請求項1〜のいずれか1項に記載の配管の防火構造。
  7. 前記配管を構成する合成樹脂製の内管と、その内管の一部を除いて前記内管の外周に設けられ、かつ耐火層を含む被覆管とを備えた耐火二層管が設けられ、
    前記耐火二層管における前記内管の一部に、前記内巻シートおよび前記熱膨張部材が配置されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の配管の防火構造。
  8. 熱融解性の芯管と、その芯管の端部を除いて前記芯管の外周に設けられた耐火層とを備えた接続継手が設けられ、
    前記接続継手における芯管の端部が、前記配管の端部に外嵌されて固定されるとともに、
    前記接続継手における芯管の端部外周に、前記内巻シートおよび前記熱膨張部材が配置されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の配管の防火構造。
  9. 熱融解性の配管に設置される配管の防火装置であって、
    配管の外周に配置され、かつ出火時の熱によって膨張して配管を押し潰して管路を閉塞する断熱性の熱膨張部材と、
    前記熱膨張部材および配管間に配置されるように前記熱膨張部材の内周面に取り付けられる内巻シートとを備え、
    前記内巻シートは、融点が前記熱膨張部材の熱膨張開始温度以上の繊維を主原料とし、かつ膨張する熱膨張部材が繊維間の隙間に入り込むように繊維間が結合された不織布によって構成されていることを特徴とする配管の防火装置。
  10. 前記内巻シートは、熱融着によって前記熱膨張部材の内周面に固定されている請求項に記載の配管の防火装置。
  11. 熱融解性の配管の外周に配置した断熱性の熱膨張部材を、出火時の熱によって膨張させて配管を押し潰して管路を閉塞するようにした出火時の管路閉塞方法であって、
    前記熱膨張部材の内周面と配管の外周面との間に、融点が前記熱膨張部材の熱膨張開始温度以上の繊維を主原料とし、かつ繊維間が結合された不織布によって構成された内巻シートを配置しておき、
    出火時において、膨張する熱膨張部材が前記内巻シートの不織布を浸透するように繊維間の隙間に入り込みつつ、熱膨張部材と繊維とが一体となって膨張するようにしたことを特徴とする出火時の管路閉塞方法。
JP2013095063A 2013-04-30 2013-04-30 配管の防火構造 Active JP6046551B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013095063A JP6046551B2 (ja) 2013-04-30 2013-04-30 配管の防火構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013095063A JP6046551B2 (ja) 2013-04-30 2013-04-30 配管の防火構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014214854A JP2014214854A (ja) 2014-11-17
JP6046551B2 true JP6046551B2 (ja) 2016-12-14

Family

ID=51940815

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013095063A Active JP6046551B2 (ja) 2013-04-30 2013-04-30 配管の防火構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6046551B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101665997B1 (ko) * 2015-06-19 2016-10-13 성균관대학교산학협력단 전자총 전원공급장치
KR101665994B1 (ko) * 2015-06-19 2016-10-24 성균관대학교산학협력단 전자총 전원공급장치

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7312047B2 (ja) * 2019-07-29 2023-07-20 積水化学工業株式会社 区画貫通処理構造及び区画貫通処理構造の施工方法
JP7345324B2 (ja) * 2019-09-05 2023-09-15 株式会社クボタケミックス 排水配管部材および防火区画構造
CN111520545A (zh) * 2020-06-10 2020-08-11 蒋佳伦 一种新型pe燃气管材组件
CN114962797B (zh) * 2022-04-06 2023-12-19 攀枝花攀钢集团设计研究院有限公司 用于高温酸性水淬池池壁的防渗抗振输水装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB9515858D0 (en) * 1995-08-02 1995-10-04 Hoffman William H Apparatus for protecting intumescent material in support means for pipes and cables passing through walls,floors or ceilings
JP3749605B2 (ja) * 1997-11-10 2006-03-01 積水化学工業株式会社 耐火断熱シート
DE10039720A1 (de) * 2000-08-14 2002-02-28 Hilti Ag Brandschutzmanschette
DE10119132A1 (de) * 2001-04-19 2002-10-24 Hilti Ag Brandschutzmanschette
JP5426860B2 (ja) * 2008-10-03 2014-02-26 シーシーアイ株式会社 閉塞部材及び該閉塞部材を用いた排水配管構造
JP5451064B2 (ja) * 2008-12-09 2014-03-26 フネンアクロス株式会社 熱膨張閉塞促進型耐火二層管継手及び熱膨張剤収容装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101665997B1 (ko) * 2015-06-19 2016-10-13 성균관대학교산학협력단 전자총 전원공급장치
KR101665994B1 (ko) * 2015-06-19 2016-10-24 성균관대학교산학협력단 전자총 전원공급장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014214854A (ja) 2014-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6046551B2 (ja) 配管の防火構造
JP5460910B1 (ja) 防火構造、防火構造体の施工方法、および保持部材の仕切り部からの脱落防止方法
JP5744416B2 (ja) 排水システム
JPH09152065A (ja) 防火区画貫通部の継手および、防火構造,防火用装具
JP4777704B2 (ja) 防音管体及びその防音管体の配設方法
JP2023160921A (ja) 排水配管継手
JP4278368B2 (ja) 防火区画貫通部用継手
JP4907499B2 (ja) 防火区画貫通部用継手
JP2023169220A (ja) 排水配管部材
JP2004060398A (ja) 排水用配管の防音構造
JP6063802B2 (ja) 耐火二層管の防火構造および防火装置
JP6916241B2 (ja) 管継手構造
JP6031350B2 (ja) 耐火二層管
JP2001153269A (ja) 排水用配管の防音構造
JP2017026024A (ja) 耐火被覆管継手
JP2014025521A (ja) 耐火二層管およびその製造方法
JP2020037795A (ja) 配管構造、集合継手の端部処理部材、及び集合継手の端部処理方法
JP5969251B2 (ja) 耐火二層管およびその製造方法
JP6122195B1 (ja) 遮音カバーおよびそれを備えた延焼防止機構
JP5653704B2 (ja) 排水管キャップ及びそれを用いた排水システム
JP7477998B2 (ja) 配管構造及びカバー
JP2022083408A (ja) 排水配管部材およびその排水配管部材の施工方法、ならびに、その排水配管部材を用いた防火区画構造
JP5756669B2 (ja) 耐火二層管の製造方法
JP2015223475A (ja) 防火区画貫通構造
JP5656665B2 (ja) トンネル消火配管構造、トンネル消火配管の分岐構造、トンネル消火配管の断熱構造、およびトンネル消火配管の強度低下防止方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150903

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151006

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160412

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160603

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161025

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161117

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6046551

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02