JP6418819B2 - 防火措置構造及び防火措置ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、建築物の区画体に形成された貫通孔とその貫通孔に挿通される長尺体との間の隙間に対応する区画体の外面側に設けられる防火措置構造及び防火措置ユニットに関する。
一般に、建築物の内部空間は壁・床・天井等の区画体によって複数の室空間に区画されている。ある室空間において火災が発生した場合、その火災が他の室空間へと拡大するのを防止するため、防火性の区画体が用いられる場合がある。この場合において、区画体に形成された貫通孔に配管やケーブル等の長尺体が挿通される場合には、その貫通孔と長尺体との間の隙間を火炎が通って延焼する可能性があるため、この貫通孔に防火措置を施す必要がある。貫通孔の防火措置方法としては、当該貫通孔と長尺体との間の隙間自体に防火措置材を装填する方法や、貫通孔と長尺体との間の隙間に対応する区画体の外面側に環状保持枠を用いて防火措置材を配設する方法が知られている。なお、防火措置材としては、加熱により体積が膨張する熱膨張材を含むものを用いることが一般的である。
上記の2つの方法のうち、環状保持枠を用いて防火措置材を区画体の外面側に配設する方法は、区画体の厚さや隙間の大きさ、施工場所等によらずに施工性及び防火性能を適切に確保しやすいことから、汎用性の高い方法として注目されている。このような外部配設法による防火措置構造の一例が、特開2009−243105号公報(特許文献1)の図4及び図6等に開示されている。この特許文献1の防火措置構造では、熱膨張材と不燃材とを含む防火措置材が、長尺体に巻回された状態で環状保持枠によって保持されている。防火措置材が熱膨張材に加えて不燃材をさらに含むことで、防火措置部位全体としての低密度化を抑制することができ、火災前後で防火性能が低下するのを抑制することが可能となっている。
しかし、特許文献1の防火措置構造では、環状保持枠に対面するように配置される不燃材として、ロックウール等の無機繊維が用いられている。無機繊維は柔軟性・クッション性を有しているため、外力が作用したときにある程度押し潰されてしまう。このため、火災時にも貫通孔と長尺体との間の隙間を十分に塞ぐためには、熱膨張材としてある程度熱膨張倍率の高いものを使用する必要があり、この点で改善の余地が残されていた。
特開2009−243105号公報
そこで、貫通孔に挿通される長尺体における区画体の外面側に露出する部分の周囲に配置される熱膨張材として高性能な熱膨張材を用いることなく、必要な防火性能を容易に確保することができる防火措置構造の実現が望まれる。また、そのような防火措置構造を簡易かつ適切に実現できる防火措置ユニットの実現が望まれる。
本発明に係る防火措置構造は、
建築物の区画体に形成された貫通孔と前記貫通孔に挿通される長尺体との間の隙間に対応する前記区画体の外面側に設けられる防火措置構造であって、
前記長尺体における前記区画体の外面側に露出する部分の周囲に、加熱により体積が増加する熱膨張材が配置され、
前記熱膨張材の周囲に、加熱により硬化する熱硬化材が配置され、
少なくとも前記熱硬化材の周囲を覆う状態に配置される環状保持枠が、前記区画体の外面に固定されている。
この構成によれば、貫通孔に挿通される長尺体における区画体の外面側に露出する部分において、長尺体の周囲に、径方向内側から熱膨張材、熱硬化材、及び環状保持枠が記載の順に配置され、環状保持枠が区画体の外面に固定される。火災時には火炎の熱によって周囲温度が高温となり、これにより、環状保持枠の内側に配置される熱硬化材が加熱されて硬化する。このため、同じく火炎の熱によって加熱されて熱膨張材が膨張しても、その膨張しようとする力によって熱硬化材(硬化済の熱硬化材)が径方向に押し潰されることはほとんどない。加熱時の熱膨張材の膨張方向が長尺体の長手方向に制限されるため、火災時にも貫通孔と長尺体との間の隙間を十分に塞ぐために必要となる熱膨張材の熱膨張倍率を小さく抑えることができる。
従って、熱膨張倍率の高い高性能な熱膨張材を用いることなく、必要な防火性能を容易に確保することが可能な防火措置構造を実現することができる。
以下、本発明に係る防火措置構造の好適な態様について説明する。但し、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定される訳ではない。
1つの態様として、前記環状保持枠は、前記熱硬化材の周囲を覆う周壁部と、前記周壁部における前記区画体とは反対側の端部から径方向内向きに突出形成されて前記熱硬化材及び前記熱膨張材の少なくとも一方の外面側を少なくとも部分的に覆う端壁部と、前記端壁部から前記区画体側に向かって延びる保持片と、を有し、前記熱硬化材が、前記周壁部と前記保持片とで少なくとも径方向に支持された状態で、前記環状保持枠によって保持されていると好適である。
この構成によれば、周壁部と端壁部とを有する環状保持枠に保持片をさらに設け、周壁部と保持片とで径方向に熱硬化材を支持することで、環状保持枠の内部に熱硬化材を確実性高く保持することができる。このため、熱硬化材を予め環状保持枠に保持した状態で、そのユニットを長尺体及び熱膨張材の周囲に配設することができるので、施工性を向上させることができる。また、保持片は端壁部から延びるように形成されるので、例えば環状保持枠が、金属板を打ち抜く等して一体的に加工形成される場合に、歩留まりを向上させることができ、低コスト化を図ることができる。
1つの態様として、前記環状保持枠は、前記熱硬化材の周囲を覆う周壁部と、前記周壁部における前記区画体側の基端部に周方向に所定間隔で形成された複数の固定部と、を有し、前記周壁部における前記区画体側の基端部の、前記固定部とは異なる周方向位置にスリット孔が形成され、屈曲板状に形成された補助固定片を用い、前記補助固定片の屈曲端部を前記スリット孔から前記熱硬化材側に挿入させた状態で、前記固定部及び前記補助固定片のそれぞれの挿通孔に挿通される締結部材によって前記環状保持枠が前記区画体の外面に固定されていると好適である。
この構成によれば、環状保持枠に設けられる固定部だけでなく、周壁部のスリット孔に屈曲端部が挿入されて環状保持枠に係止される屈曲板状の補助固定片をも用いて、熱膨張材及び熱硬化材を覆う環状保持枠を区画体の外面に強固に固定することができる。施工時には熱硬化材は未硬化の状態にあるので、周壁部のスリット孔から熱硬化材側に向けて補助固定片の屈曲端部を適切に挿入することができる。また、火災の発生時には熱硬化材が硬化し、環状保持枠の周壁部と硬化した熱硬化材との間に補助固定片の屈曲端部がしっかりと挟持されるので、区画体の外面に対する環状保持枠の固定状態を適切に維持させやすい。よって、火災の有無によらずに環状保持枠を区画体の外面に強固に固定することができ、防火性能を高く維持することができる。
本発明に係る防火措置ユニットは、
建築物の区画体に形成された貫通孔と前記貫通孔に挿通される長尺体との間の隙間に対応する前記区画体の外面側に設けられる防火措置ユニットであって、
前記長尺体を取り巻く熱膨張材の周囲に所定間隔を隔てて同心状に配置される周壁部と、前記周壁部における前記区画体とは反対側の端部から径方向内向きに突出形成された端壁部と、前記端壁部から前記区画体側に向かって延びる保持片と、を有するとともに、前記区画体の外面に固定される環状保持枠と、
前記周壁部と前記保持片とで少なくとも径方向に支持された状態で前記環状保持枠に保持された、加熱により硬化する熱硬化材と、
を備える。
この構成によれば、周壁部と端壁部とを有する環状保持枠に保持片をさらに設け、周壁部と保持片とで径方向に熱硬化材を支持することで、環状保持枠の内部に熱硬化材を確実性高く保持することができる。そして、予め熱硬化材を環状保持枠に保持した状態の防火措置ユニットを、長尺体を取り巻く熱膨張材の周囲に配設することで、防火措置構造の施工時の施工性を向上させることができる。また、保持片は端壁部から延びるように形成されるので、例えば環状保持枠が金属板を打ち抜く等して一体的に加工形成される場合に、歩留まりを向上させることができ、低コスト化を図ることができる。
施工後は、貫通孔に挿通される長尺体における区画体の外面側に露出する部分において、長尺体の周囲に、径方向内側から熱膨張材、熱硬化材、及び環状保持枠が記載の順に配置され、環状保持枠が区画体の外面に固定される。火災時には火炎の熱によって周囲温度が高温となり、これにより、環状保持枠の内側に配置される熱硬化材が加熱されて硬化する。このため、同じく火炎の熱によって加熱されて熱膨張材が膨張しても、その膨張しようとする力によって熱硬化材(硬化済の熱硬化材)が径方向に押し潰されることはほとんどない。加熱時の熱膨張材の膨張方向が長尺体の長手方向に制限されるため、火災時にも貫通孔と長尺体との間の隙間を十分に塞ぐために必要となる熱膨張材の熱膨張倍率を小さく抑えることができる。
従って、熱膨張倍率の高い高性能な熱膨張材を用いることなく必要な防火性能を容易に確保可能な防火措置構造を、簡易かつ適切に実現できる防火措置ユニットを実現することができる。
実施形態に係る防火措置構造の斜視図 防火措置構造の断面図 環状保持枠の斜視図 防火措置ユニットの背面側からの斜視図 防火措置構造の施工方法の一局面を示す図 防火措置構造の施工方法の一局面を示す図 防火措置構造の施工方法の一局面を示す図 防火措置構造の火災時の状態を示す断面図 環状保持枠の作成方法の別態様を示す斜視図
本発明に係る防火措置構造及び防火措置ユニットの実施形態について、図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態に係る防火措置ユニット1は、建築物の区画体3に形成された貫通孔3Hとその貫通孔3Hに挿通される長尺体4との間の隙間Gに対応する区画体3の外面3a側に設けられる貫通孔防火措置用のユニットである。また、本実施形態に係る防火措置構造は、そのような防火措置ユニット1を用いて実現される貫通孔防火措置構造である。
本実施形態に係る防火措置構造は、以下の点によって特徴付けられる。すなわち、長尺体4における区画体3の外面3a側に露出する部分の周囲に熱膨張材6が配置され、その熱膨張材6の周囲に熱硬化材7が配置され、少なくとも熱硬化材7の周囲を覆う状態に配置される環状保持枠20が区画体3の外面3aに固定されている。これにより、高性能な熱膨張材6を用いることなく、区画体3の貫通孔3Hと長尺体4との間の隙間Gに必要な防火性能を容易に確保することが可能となっている。以下、本実施形態に係る防火措置構造及び防火措置ユニット1について、詳細に説明する。
なお、以下の説明では、同軸状に配置される長尺体4及び環状保持枠20の各方向に関して、長尺体4の長手方向を「軸方向」と定義し、長尺体4の長手方向に直交する方向を「径方向」と定義し、長尺体4の周囲を周回する方向を「周方向」と定義する。環状保持枠20の各部の説明における方向についての言及は、環状保持枠20が区画体3に固定された状態での方向を意図しているものとする。また、以下の説明で参照する図面においては、図示の容易化や理解の容易化等の観点から、縮尺や上下左右の寸法比率等が実際の製品とは異なる場合がある。
防火措置構造が適用される区画体3は、建築物内の空間を複数の室空間に区画する防火性の構造体である。区画体3は、例えば複数の室空間を鉛直方向に区画する床(又は天井)であっても良いし(図2を参照)、複数の室空間を水平方向に区画する壁部であっても良い(図示せず)。また、区画体3としては、例えば鉄筋コンクリート造(RC)、軽量気泡コンクリート造(ALC)、及び中空壁(石膏ボード等を含む)等を例示することができる。もちろん、これら以外の構造を有するものを区画体3として用いても良い。
図1及び図2に示すように、区画体3には、当該区画体3をその厚み方向(図示の例では鉛直方向)に貫通する貫通孔3Hが形成されている。本実施形態では、円形状の貫通孔3Hが形成されている。但し、そのような構成に限定されることなく、貫通孔3Hの具体的形状は、例えば楕円状、レーストラック状、及び多角形状等の各種形状であって良い。また、貫通孔3Hには、筒状(貫通孔3Hの形状に対応する、本例では円筒状)のスリーブ部材(図示せず)が配置されていても良い。
区画体3の貫通孔3Hには、長尺体4が挿通されている。長尺体4は、例えば線状体、管状体、及び帯状体等の、一方向に延びる長尺状の構造を有するものである。このような長尺体4としては、例えば空調装置用の冷媒配管を例示することができる。本実施形態では、長尺体4は、冷媒循環用の配管部材4Aと、その配管部材4Aの周囲を被覆する被覆材4Bとを含む。配管部材4Aは例えば金属製の管状部材であり、被覆材4Bは配管部材4Aに外装された例えば合成樹脂製の断熱材である。このように、「長尺体4」は、配管用の本体部として機能する管状部材そのものだけなく、そのような管状部材と所定の機能層とが組み合わされた複合体をも含む概念である。なお、長尺体4は、空調装置用の冷媒配管に限定されず、例えば給排水用の配管や電気ケーブル等であっても良い。
図1及び図2に示すように、長尺体4における区画体3の外面3a側に露出する部分の周囲には、当該長尺体4に接する状態で熱膨張材6が配置されている。熱膨張材6は、熱膨張性(加熱により体積が増加する性質)を有する部材であり、例えばパテ状部材(熱膨張性パテ材)を用いることができる。また、本実施形態では、熱膨張材6は、熱膨張性に加えて可撓性(撓むことが可能な性質)と耐火性(火熱に耐えやすい性質、溶融温度が高く燃えにくい性質)とをさらに有している。熱膨張材6は、可撓性及び耐火性を有する樹脂成分と、この樹脂成分中に混練された熱膨張性充填材とを含む。このような熱膨張材6としては、各種公知のものを用いることができる。
熱膨張材6を構成する上記組成物は、被覆部材(第一被覆部材)で被覆されていても良い。被覆部材は、例えば袋状や筒状に形成される。このような被覆部材は、例えば樹脂フィルム、金属薄膜、有機繊維、又は無機繊維等で構成される。なお、本実施形態では、被覆部材が設けられる場合には、上記組成物と被覆部材とを含んで「熱膨張材6」が構成されるものとする。
図2に示すように、熱膨張材6の周囲には、当該熱膨張材6に接する状態で熱硬化材7が配置されている。熱硬化材7は、熱硬化性(加熱により硬化する性質)を有する部材であり、例えばパテ状部材(熱硬化性パテ材)を用いることができる。また、本実施形態では、熱硬化材7は、熱硬化性に加えて耐火性と未硬化時には可撓性を有している。例えば熱硬化材7は、可撓性及び熱硬化性かつ耐火性を有する樹脂成分と、この樹脂成分中に混練された無機充填材とを含む。熱硬化材7を構成する熱硬化性の樹脂成分としては、各種の熱硬化性樹脂を用いることができる。熱硬化材7を構成する無機充填材としては、各種の無機フィラーを用いることができる。
熱硬化材7を構成する上記組成物は、被覆部材(第二被覆部材)で被覆されていても良い。被覆部材は、例えば袋状や筒状に形成される。このような被覆部材は、例えば樹脂フィルム、金属薄膜、有機繊維、又は無機繊維等で構成される。なお、本実施形態では、被覆部材が設けられる場合には、上記組成物と被覆部材とを含んで「熱硬化材7」が構成されるものとする。
熱硬化材7の熱硬化速度は、熱膨張材6の熱膨張速度よりも早いことが好ましい。言い換えれば、火災発生時において、熱硬化材7が十分に熱硬化するのに要する時間は、熱膨張材6が十分に熱膨張するのに要する時間よりも短いことが好ましい。このようにすれば、火災発生時に周囲温度が例えば100〜250℃まで上昇した際には、熱膨張材6が熱膨張するよりも前に熱硬化材7が熱硬化する。熱膨張材6及び熱硬化材7の、それぞれにおける具体的な組成比(配合比)は、熱硬化速度と熱膨張速度との関係が上記の関係を満足するように決定されると良い。
図2に示すように、熱硬化材7の周囲には、少なくとも熱硬化材7を覆う状態に環状保持枠20が配置されている。また、環状保持枠20は、区画体3の外面3aに固定されている。本実施形態に係る防火措置構造では、貫通孔3Hに挿通される長尺体4における区画体3の外面3a側に露出する部分において、長尺体4、熱膨張材6、熱硬化材7、及び環状保持枠20が径方向に記載の順に配置され、環状保持枠20が区画体3の外面3aに固定されている。環状保持枠20は、鉄、ステンレス、鋼、銅等からなる金属材を用いて構成されている。
図3に示すように、環状保持枠20は、周方向に略均等に分割形成された複数(本例では2つ)の同形状の分割枠体21を含む。これら複数の分割枠体21を組み合わせることで、環状保持枠20が形成される。本実施形態では、環状保持枠20を構成する一対の分割枠体21は、それぞれにおける一端どうしがヒンジ連結されている。環状保持枠20は、ヒンジ部を基点として、各分割枠体21の他端部どうしが互いに離間した開き姿勢と、各分割枠体21の他端部どうしが重なって環状となる閉じ姿勢とに、姿勢変更自在に構成されている。
環状保持枠20(分割枠体21のそれぞれ)は、周壁部22と、固定部23と、端壁部24とを有する。これらは、一体的に構成されている。周壁部22は、熱硬化材7の周囲を覆う壁部であり、略半円筒状に形成されている。また、周壁部22は、図2に示すように、縦断面形状において、区画体3の外面3aから離れるに従って次第に縮径する湾曲形状の外周面を有するように形成されている。端壁部24は、周壁部22における区画体3とは反対側の端部から径方向内向きに突出形成された壁部であり、略半円環状に形成されている。本実施形態では、端壁部24は、熱膨張材6における径方向外側の部分の外面側(区画体3の外面3aとは反対側)を覆うように設けられている。
固定部23は、周壁部22における区画体3側の基端部に設けられた、区画体3に対して環状保持枠20を固定するための部位である。図3に示すように、固定部23は、それぞれの分割枠体21の周壁部22の両端部において、周方向に突出形成されている。本実施形態では、周壁部22は、その両端部に当該周壁部22の他の部位に比べて径方向に凹むように形成された凹設部22aを有しており、この凹設部22aにおける区画体3側の基端部に設けられた有孔板状部により固定部23が構成されている。互いに隣り合う分割枠体21のそれぞれの固定部23の挿通孔23aが重なる状態でそれに挿通されるビス等の締結部材36により、環状保持枠20が区画体3に固定されている(図1を参照)。
なお、環状保持枠20の全体について見ると、複数(本例では2つ)の固定部23は、所定間隔で周方向に略均等に設けられている(図4を参照)。固定部23のうちの1つにおける挿通孔23aにはハトメ等の連結部材が一対の分割枠体21に亘って設けられ、当該部分は上述したヒンジ部として機能する(図3を参照)。
本実施形態では、環状保持枠20(分割枠体21のそれぞれ)は、保持片26をさらに有する。保持片26は、端壁部24から区画体3側に向かって延びる板片である。本実施形態では、複数(本例では3つ)の保持片26が、分割枠体21のそれぞれに設けられている。図4に示すように、それぞれの分割枠体21における周壁部22の周方向の両端部付近(固定部23を避けた位置)に保持片26が1つずつ設けられるとともに、周壁部22の周方向の中央部に保持片26が1つ設けられている。但し、このような構成に限定されることなく、保持片26の個数や形成位置は、要求される保持性能等に応じて適宜設定されて良い。
本実施形態では、保持片26は、複数個所(本例では2箇所)で屈曲形成されている。図2に示すように、保持片26は、第一辺部26aと、第一辺部26aに対して屈曲された第二辺部26bと、第二辺部26bに対して第一辺部26aとは反対向きに屈曲された第三辺部26cとを有する。保持片26は、第一辺部26aにて、端壁部24の内側面(区画体3の外面3a側の面)に固定されている。第二辺部26bは、第一辺部26aの径方向外側端部から軸方向に沿って区画体3側に延びるように設けられている。本実施形態では、第二辺部26bが「軸方向延在部」に相当する。第三辺部26cは、第二辺部26bにおける区画体3側の端部から径方向外側に延びるように設けられている。本実施形態では、第三辺部26cが「径方向延在部」に相当する。第三辺部26cの径方向外側の端部は、開放端となっており、環状保持枠20の他の部位(特に、周壁部22)に対して非固定状態に保たれている。
環状保持枠20の内部空間(区画体3と環状保持枠20との間に区画される空間)は、保持片26の第二辺部26bにより、同心状に配置される2つの領域に概ね分けられる。これら2つの領域のうち、径方向内側の領域(第一領域)は熱膨張材6が配置される熱膨張材配置領域となり、径方向外側の領域(第二領域)は熱硬化材7が配置される熱硬化材配置領域となる。
本実施形態では、図4等に示すように、熱硬化材7は環状保持枠20によって保持されている。また、熱硬化材7は、熱硬化材配置領域において、周壁部22と保持片26とで少なくとも径方向に支持された状態で環状保持枠20によって保持されている。図2に示すように、本実施形態では、熱硬化材7は、周壁部22と保持片26の第二辺部26bとで径方向に支持された状態で、環状保持枠20によって保持されている。また、熱硬化材7は、周壁部22と保持片26の第三辺部26cとで軸方向にも支持された状態で、環状保持枠20によって保持されている。なお、熱硬化材7を環状保持枠20に保持するには、周壁部22と保持片26との間の隙間に、第三辺部26cの開放端側から軸方向に沿って熱硬化材7を挿入させれば良い。熱硬化材7の挿入後(保持後)は、第三辺部26cは熱硬化材7の抜け止めとしても機能する。そして、熱硬化材7を保持した状態の環状保持枠20(防火措置ユニット1)が、長尺体4を取り巻く熱膨張材6の周囲に配置されている。
本実施形態では、図3に示すように、周壁部22における区画体3側の基端部の、固定部23とは異なる周方向位置にスリット孔28が形成されている。スリット孔28は、周壁部22における区画体3側の基端部であって、区画体3の外面3aから僅かに離間した位置に形成されている(図2を参照)。また、スリット孔28は、周壁部22における周方向中央部に形成されている。なお、環状保持枠20の全体について見ると、複数(本例では固定部23と同数の2つ)のスリット孔28は、所定間隔で周方向に略均等に設けられている。本実施形態では、固定部23とスリット孔28とが、周方向に交互に現れるように、所定間隔で周方向に略均等に設けられている。本実施形態では、スリット孔28は、その長手方向が周方向に沿う長孔として形成されている。このスリット孔28は、環状保持枠20とは別体として設けられる補助固定片30を、部分的に環状保持枠20の内部空間に挿入させるための開口である。
補助固定片30は、鉄、ステンレス、鋼、銅等からなる金属材を用いて構成されている。補助固定片30は、帯板状部材を用いて、側面視で(周方向に見て)略L字状を呈する屈曲板状に形成されている(図7を参照)。すなわち、補助固定片30は、平板状の第一板状部31と、この第一板状部31に交差(本例では略直交)する平板状の第二板状部32とを有する。第一板状部31の中央部には、挿通孔31aが形成されている。また、第一板状部31の両端部の対辺における所定位置(挿通孔31aよりも第二板状部32側の位置)には、切欠31bがそれぞれ形成されている。第二板状部32は、第一板状部31よりも小さい。第二板状部32は、補助固定片30の本体部としての第一板状部31の端部を屈曲させた部位と考えることができる。本実施形態では、第二板状部32が本発明における「屈曲端部」に相当する。
補助固定片30の第二板状部32は、スリット孔28を通って環状保持枠20の内部空間に挿入される。なお、環状保持枠20には熱硬化材7が保持された状態にあるが、施工時には熱硬化材7は未硬化の状態にあるので、スリット孔28を介した補助固定片30の挿入が妨げられることはない。挿入後は、第二板状部32が周壁部22と熱硬化材7とで径方向に挟まれ、かつ、第一板状部31が周壁部22から径方向外側に向かって突出するように、補助固定片30の姿勢調節が行われる。
その状態で、挿通孔31aに挿通されるビス等の締結部材36が区画体3の外面3aにねじ込まれると、補助固定片30の第二板状部32と係合した状態にある環状保持枠20も、間接的に区画体3の外面3aに固定される。このようにして、本実施形態では、固定部23及び補助固定片30のそれぞれの挿通孔23a,31aに挿通される締結部材36により、環状保持枠20が区画体3の外面3aに固定されている。つまり、環状保持枠20に当初より設けられた固定部23だけでなく、周壁部22のスリット孔28に第二板状部32が挿入されて環状保持枠20に係止された屈曲板状の補助固定片30をも用いて、環状保持枠20が固定されている。これにより、熱膨張材6及び熱硬化材7を覆う環状保持枠20が、区画体3の外面3aに強固に固定されている。
以下、本実施形態に係る防火措置構造の施工方法について、順を追って説明する。まず、図5に示すように、区画体3に貫通孔3Hを形成し、その貫通孔3Hに長尺体4を挿通させる。貫通孔3Hと長尺体4との間には、径方向の隙間Gが存在している。
次に、図6に示すように、隙間Gに対応する区画体3の外面3a側にて、長尺体4における区画体3から露出する部分の周囲に熱膨張材6を配置する。熱膨張材6は、長尺体4の外周を取り巻くように配置されるとともに、隣接する長尺体4どうしの間の隙間にも配置される。その後、環状保持枠20と、この環状保持枠20の周壁部22と保持片26とで支持された状態の熱硬化材7とを備える防火措置ユニット1を、熱膨張材6の周囲に配置する。その際、区画体3の外面3a上で熱膨張材6を囲うように、環状保持枠20を開き姿勢から閉じ姿勢に姿勢変更操作する。
次に、図7に示すように、閉じ姿勢の環状保持枠20の固定部23に形成された挿通孔23aに締結部材36を挿通させ、この締結部材36を区画体3にねじ込む。また、環状保持枠20の周壁部22に形成されたスリット孔28に、補助固定片30の第二板状部32を外側から挿入させるとともに、補助固定片30の第一板状部31に形成された挿通孔31aに締結部材36を挿通させ、この締結部材36を区画体3にねじ込む。このようにして、周方向の複数箇所(本例では固定部23の2箇所と補助固定片30の2箇所とを合わせた計4箇所)にて、環状保持枠20を区画体3の外面3aに固定する。以上で、本実施形態に係る防火措置構造の施工が完了する。
ところで、建築物において火災が発生すると、火炎の熱によって周囲温度が上昇し、熱硬化材7は硬化を開始する。また、長尺体4を構成する被覆材4Bが溶融・燃焼する(図8では図示を省略している)。この被覆材4Bの溶融・燃焼により、貫通孔3Hと長尺体4との間の隙間Gがさらに拡大することになるが、その隙間容積増加分を補填するように、熱膨張材6が膨張を開始する。
このとき、本実施形態では、熱膨張材6の熱膨張に先立ち又はそれと並行して熱硬化材7が熱硬化する。このため、図8に示すように、熱膨張材6が膨張しようとする力によって硬化済の熱硬化材7が径方向に押し潰されることはほとんどなく、熱膨張材6の膨張方向が軸方向(長尺体4の長手方向)に制限される。その結果、熱膨張する熱膨張材6を効率良く貫通孔3Hの内部へと誘導することができるため、火災時に貫通孔3Hと長尺体4との間の隙間Gを十分に塞ぐために必要となる熱膨張材6の熱膨張倍率を小さく抑えることができる。
また、本実施形態では、環状保持枠20の端壁部24が、熱膨張材6の径方向外側の一部の外面側を覆うように設けられている。このため、軸方向(長尺体4の長手方向)に沿う熱膨張材6の膨張が端壁部24によって部分的に遮られ、この点からも、熱膨張する熱膨張材6を効率良く貫通孔3Hの内部へと誘導することができる。
また、本実施形態では、熱硬化材7は保持片26によって環状保持枠20に保持されており、その硬化後においては、周壁部22と硬化済の熱硬化材7と保持片26が一体となって、肉厚で高剛性の外周壁(以下、「一体外周壁」と称する)として機能する。このため、熱膨張材6が膨張して、その膨張力が一体外周壁の内面(主に熱硬化材7の内面)に作用したとしても、一体外周壁(ここでは特に、環状保持枠20)が変形することを抑制することができる。一体外周壁が火災発生時にもある程度の定形性を有することで、大きな応力が固定部23や補助固定片30に作用することが抑制される。また、硬化した熱硬化材7と周壁部22との間で第二板状部32がしっかりと挟持されるので、補助固定片30の姿勢が安定化する。よって、補助固定片30を利用した固定力が十分に発揮される。その結果、火災発生時にも、熱膨張材6及び熱硬化材7を覆う環状保持枠20の区画体3への固定状態を適切に維持することができる。
また、本実施形態では、熱膨張倍率の小さい熱膨張材6を用いることができるので、その熱膨張材6に関して、火災時の熱膨張に伴う低密度化を抑制することができる。さらに本実施形態では、熱膨張材6とともに用いられて熱膨張方向のガイドや一体外周壁への剛性付与等の機能を担う熱硬化材7は、硬化前後で実質的に体積が変化しないので、防火措置部位全体としての低密度化を抑制することもできる。これらの効果が相俟って、防火措置部位全体としての低密度化を効果的に抑制することができる。従って、本実施形態に係る防火措置構造によれば、熱膨張倍率の高い高性能な熱膨張材6を用いることなく、火災前後での防火性能の低下を効果的に抑制することができる。
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明に係る防火措置構造及び防火措置ユニットの、その他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の実施形態では、長尺体4を取り巻く熱膨張材6の周囲に、熱硬化材7を保持した状態の環状保持枠20(すなわち、防火措置ユニット1)が配置される構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、保持片26を有さない環状保持枠20を用い、熱硬化材7と環状保持枠20とがユニット化されることなく、長尺体4の周囲に熱膨張材6、熱硬化材7、及び環状保持枠20が記載の順に配置されるだけの構成であっても良い。この場合において、熱膨張材6と熱硬化材7とが、まとめて1つの被覆部材で被覆され、熱膨張材6が長尺体4側に位置するとともに熱硬化材7が環状保持枠20側に位置するように配置されても良い。
(2)上記の実施形態では、熱硬化性樹脂と無機フィラーとを含む熱硬化材7を用いる例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。加熱されたときに硬化するものであれば、その他の組成を有するものを熱硬化材7として用いることができる。
(3)上記の実施形態では、一体的に構成される周壁部22及び端壁部24に対して保持片26が別部材として構成され、これらが互いに接合される構成を主に想定して説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば環状保持枠20の作成途中段階を示す図9から理解できるように、環状保持枠20を構成する各部が全て一体的に構成されても良い。なお、図9においては、完成後の環状保持枠20の各部に対応する箇所を、各部の前駆部として、上記の実施形態で用いた各部の符号にアポストロフィ(’)を付して示している。図9のように金属板を打ち抜いて環状保持枠20を一体的に加工形成する場合には、本来的には廃棄されることになる中央板部部分を利用して保持片前駆部26’を形成できるので、歩留まりを向上させることができ、低コスト化を図ることができる。この場合、保持片前駆部26’を2箇所で折り曲げることで最終的に保持片26を形成することができる。この場合のように、保持片26が第一辺部26aを有さない構成も可能であり、また、端壁部24が熱硬化材7の外面側を覆うように構成されても良い。
(4)上記の実施形態では、屈曲形成された保持片26が第一辺部26aと第二辺部26bと第三辺部26cとを有する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば保持片26が第三辺部26cを有することなく第一辺部26a及び第二辺部26bだけで構成されても良い。また、環状保持枠20の全体が一体的に構成される場合において、保持片26が第二辺部26bだけで構成されても良い。このような場合には、熱硬化材7の確実な抜け止めまでは期待できないものの、少なくとも周壁部22と保持片26とで径方向に支持された状態で、熱硬化材7を環状保持枠20に保持することができる。
(5)上記の実施形態では、固定部23が周壁部22から周方向に突出形成された構成について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。区画体3に対して環状保持枠20を固定できるのであれば、固定部23の形成態様は任意に決定することができる。例えば固定部23が周壁部22から径方向に突出形成されていても良い。この場合、例えば上記の実施形態で説明した補助固定片30に類似する形状を有する、側面視で略L字状を呈するように屈曲形成された有孔板状の固定片を用い、それを周壁部22の外周面に接合して固定部23としても良い。
(6)上記の実施形態では、2箇所の固定部23と2箇所の補助固定片30にて環状保持枠20を区画体3に固定する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば補助固定片30が3箇所、4箇所、・・・に設けられても良く、或いは、補助固定片30が全く設けられなくても良い。また、固定部23の構造次第では、固定部23も3箇所、4箇所、・・・に設けられても良い。なお、固定部23や補助固定片30の個数は、環状保持枠20が一対の分割枠体21を含んで構成される点を考慮すれば、対称性の観点からは偶数個であることが好ましい。
(7)上記の実施形態では、環状保持枠20を構成する一対の分割枠体21がヒンジ連結された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば一対の分割枠体21が、それぞれの周壁部22の両端部において係脱自在に構成され、両分割枠体21が互いに離間した分離姿勢と、両分割枠体21の両端部どうしが係合した閉じ姿勢とに、姿勢変更自在に構成されていても良い。また、環状保持枠20が3つ以上の分割枠体21を含んで構成されても良い。
(8)上記の実施形態において説明した施工手順はあくまで一例であって、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば熱硬化材7を保持した状態の環状保持枠20(すなわち、防火措置ユニット1)を長尺体4の周囲に所定間隔を隔てて同心状に配置して区画体3に固定し、その後、長尺体4と熱硬化材7との間に、長尺体4の外周を取り巻くように熱膨張材6を配置しても良い。また、例えば保持片26を有さない環状保持枠20を用いる場合には、長尺体4の周囲に熱膨張材6を配置した後、熱膨張材6の周囲に熱硬化材7を配置し、その後、熱硬化材7の周囲に環状保持枠20を配置してその環状保持枠20を区画体3に固定しても良い。
(9)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。従って、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、例えば防火区画に適用される防火措置構造及び防火措置ユニットに利用することができる。
1 防火措置ユニット
3 区画体
3a 外面
3H 貫通孔
4 長尺体
6 熱膨張材
7 熱硬化材
20 環状保持枠
21 分割枠体
22 周壁部
23 固定部
23a 挿通孔
24 端壁部
26 保持片
28 スリット孔
30 補助固定片
31 第一板状部
31a 挿通孔
32 第二板状部(屈曲端部)
36 締結部材
G 隙間

Claims (8)

  1. 建築物の区画体に形成された貫通孔と前記貫通孔に挿通される長尺体との間の隙間に対応する前記区画体の外面側に設けられる防火措置構造であって、
    前記長尺体における前記区画体の外面側に露出する部分の周囲に、加熱により体積が増加する熱膨張材が配置され、
    前記熱膨張材の周囲に、加熱により硬化する熱硬化材が配置され、
    少なくとも前記熱硬化材の周囲を覆う状態に配置される環状保持枠が、前記区画体の外面に固定されており、
    前記環状保持枠は、前記熱硬化材の周囲を覆う周壁部と、前記周壁部における前記区画体とは反対側の端部から径方向内向きに突出形成されて前記熱硬化材及び前記熱膨張材の少なくとも一方の外面側を少なくとも部分的に覆う端壁部と、前記端壁部から前記区画体側に向かって延びる保持片と、を有し、
    前記熱硬化材が、前記周壁部と前記保持片とで少なくとも径方向に支持された状態で、前記環状保持枠によって保持されている防火措置構造。
  2. 前記環状保持枠は、前記周壁部における前記区画体側の基端部に周方向に所定間隔で形成された複数の固定部をさらに有し、
    前記周壁部における前記区画体側の基端部の、前記固定部とは異なる周方向位置にスリット孔が形成され、
    屈曲板状に形成された補助固定片を用い、前記補助固定片の屈曲端部を前記スリット孔から前記熱硬化材側に挿入させた状態で、前記固定部及び前記補助固定片のそれぞれの挿通孔に挿通される締結部材によって前記環状保持枠が前記区画体の外面に固定されている請求項に記載の防火措置構造。
  3. 建築物の区画体に形成された貫通孔と前記貫通孔に挿通される長尺体との間の隙間に対応する前記区画体の外面側に設けられる防火措置構造であって、
    前記長尺体における前記区画体の外面側に露出する部分の周囲に、加熱により体積が増加する熱膨張材が配置され、
    前記熱膨張材の周囲に、加熱により硬化する熱硬化材が配置され、
    少なくとも前記熱硬化材の周囲を覆う状態に配置される環状保持枠が、前記区画体の外面に固定されており、
    前記環状保持枠は、前記熱硬化材の周囲を覆う周壁部と、前記周壁部における前記区画体側の基端部に周方向に所定間隔で形成された複数の固定部と、を有し、
    前記周壁部における前記区画体側の基端部の、前記固定部とは異なる周方向位置にスリット孔が形成され、
    屈曲板状に形成された補助固定片を用い、前記補助固定片の屈曲端部を前記スリット孔から前記熱硬化材側に挿入させた状態で、前記固定部及び前記補助固定片のそれぞれの挿通孔に挿通される締結部材によって前記環状保持枠が前記区画体の外面に固定されている防火措置構造。
  4. 前記熱硬化材の熱硬化速度が、前記熱膨張材の熱膨張速度よりも早い請求項1から3のいずれか一項に記載の防火措置構造。
  5. 建築物の区画体に形成された貫通孔と前記貫通孔に挿通される長尺体との間の隙間に対応する前記区画体の外面側に設けられる防火措置ユニットであって、
    前記長尺体を取り巻く熱膨張材の周囲に所定間隔を隔てて同心状に配置される周壁部と、前記周壁部における前記区画体とは反対側の端部から径方向内向きに突出形成された端壁部と、前記端壁部から前記区画体側に向かって延びる保持片と、を有するとともに、前記区画体の外面に固定される環状保持枠と、
    前記周壁部と前記保持片とで少なくとも径方向に支持された状態で前記環状保持枠に保持された、加熱により硬化する熱硬化材と、を備える防火措置ユニット。
  6. 前記保持片は、前記端壁部から軸方向に沿って延びる軸方向延在部と、前記軸方向延在部の前記区画体側の端部から径方向外側に延びる径方向延在部と、を含み、
    前記熱硬化材が、前記周壁部と前記軸方向延在部とで径方向に支持されるとともに前記径方向延在部で軸方向にも支持された状態で、前記環状保持枠に保持されている請求項5に記載の防火措置ユニット。
  7. 前記周壁部、前記端壁部、及び前記保持片を有する前記環状保持枠が、1枚の金属板からの打ち抜き加工によって一体的に形成されている請求項5又は6に記載の防火措置ユニット。
  8. 前記環状保持枠は、前記周壁部における前記区画体側の基端部に周方向に所定間隔で形成された複数の固定部を有し、
    前記周壁部における前記区画体側の基端部の、前記固定部とは異なる周方向位置にスリット孔が形成されており、
    屈曲板状に形成されているとともに、その屈曲端部が前記スリット孔から前記熱硬化材側に挿入される補助固定片をさらに備える請求項5から7のいずれか一項に記載の防火措置ユニット。
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