JP6799524B2 - 耐火部材及び防火区画壁構造 - Google Patents

耐火部材及び防火区画壁構造 Download PDF

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本発明は、壁材の壁孔に配置される耐火部材及び該耐火部材が設置された防火区画壁構造に関する。
従来、建築物の防火区画用の壁材に配線・配管材を貫通して配設する際、該壁材に壁孔を穿設し、その壁孔内に配線・配管材を配設する。このような防火区画壁構造では、壁孔内に防火措置を施すことが求められている。すなわち、防火区画用の壁材を挟んだ一方の壁表側の空間で火災等が発生したとき、壁孔を介して他方側の空間に一方側で発生した火炎、煙、有毒ガス等が流入することを阻止すべく、該壁孔が閉塞されなければならない。そして、火災時に壁孔と配線・配管材との間を密封する特許文献1のような防火構造が提案されている。
特許文献1は、防火区画用の壁材の壁孔に配置される熱膨張性耐火具(11)を開示している。熱膨張性耐火具(11)は、壁孔としての貫通部(34)内に挿入されるとともに、筒状をなし配線・配管材(33)が挿通可能な挿通孔(20)を有する熱膨張性ゴム製の耐火具本体(12)と、該耐火具本体(12)の径方向に沿って延びる薄板状のフランジ(13)と、を備える。この耐火具本体(12)において、該耐火具本体(12)の径方向の厚みには、火災等で発生した熱により膨張する熱膨張部(12b)の厚みが確保されるとともに、該熱膨張部(12b)の外周面側において火災等の発生時に耐火具本体(12)の外形形状を維持する外形維持部(12a)の厚みが確保されている。該熱膨張性耐火具(11)が配置された壁材の壁表側で火災が発生した場合、配線・配管材(33)が加熱され、熱が配線・配管材(33)の外面と耐火具本体(12)の内周面との間の隙間を伝播する。この伝播した熱により、耐火具本体(12)は内周面側から加熱され、耐火具本体(12)の熱膨張部(12b)が加熱される。そして、加熱された熱膨張部(12b)は貫通部(34)の径方向内側に向けて膨張し、配線・配管材(33)と耐火具本体(12)内周面との間の隙間が埋められ、貫通部(34)が封鎖される。
このような防火構造では、熱膨張性耐火具(11)が壁孔に設置され、配線・配管材(33)が挿通孔(20)内に配設された状態で、配線・配管材(33)外周と耐火具本体(12)との間などに細かな隙間が生じる。この隙間は、壁表空間と壁裏空間(又は壁孔内部)とを連通させ、耐火部材(11)の密閉性能を大幅に低下させる虞がある。そこで、当該隙間を閉塞するために、特許文献1の防火構造では、熱膨張性耐家具(11)の端面において、熱膨張性耐家具(11)と配線・配管材(33)との間に難燃性のパテよりなる粘土状のシール材(39)が充填されている。
特開2008−241027号公報
特許文献1の熱膨張性耐火具のような従来の耐火部材では、一般的に、配線・配管材と耐火部材本体との間の隙間を閉塞するように粘土状のパテが充填される。しかしながら、このような従来の耐火部材では、パテが耐火部材端面(例えば、舌片(16a))上に無造作に盛られているだけであるため、パテがその充填箇所から(鉛直方向下方に)垂れ落ちて、又は、所望の充填箇所からずれて耐火性能を低下させる虞があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、所望の充填領域からの粘土状のパテの垂れ落ち又はずれを防止する耐火部材及び該耐火部材を備えた防火区画壁構造を提供することにある。
請求項1に記載の耐火部材は、自身で形状を維持可能な熱膨張性耐火材料で一体成形された耐火部材であって、
壁材の壁孔内に配置される中空の筒状部、及び、該筒状部の内部で配線・配管材を挿通可能な挿通部を有する耐火部材本体と、
前記耐火部材本体の軸方向壁表側一端に形成され、前記配線・配管材を通過可能に前記挿通部を壁表側から閉鎖する、複数の舌片からなる閉鎖部と、
前記複数の舌片間の隙間を埋めるように前記閉鎖部の壁表側外面にパテ部材が充填される底部を有する充填領域と、
前記充填領域を縁取る外周縁の少なくとも一部に前記耐火部材本体とともに熱膨張性耐火材料によって一体成形され、前記充填領域よりも壁表に突出し、所望の耐火性能を発揮するために必要なパテ部材の充填高さ以上で前記耐火部材本体の軸方向壁表側一端から壁表側に隆起するように、壁面よりも壁表側で前記充填領域に充填された前記パテ部材を支持するパテ支持部と、を備え、
該耐火部材を前記壁孔に設置したときに、前記パテ支持部が前記充填領域の少なくとも下側で、前記充填領域に充填されたパテ部材を下支えすることを特徴とする。
請求項2に記載の耐火部材は、請求項1に記載の耐火部材において、該耐火部材を前記壁孔に設置したときに、前記パテ支持部が前記充填領域の外周縁の少なくとも下側で延在して、前記パテ支持部が前記充填領域に充填されたパテ部材を下支えすることを特徴とする。
請求項3に記載の耐火部材は、請求項1又は2に記載の耐火部材において、前記パテ支持部は、前記耐火部材本体が前記壁孔内に配置されたときに前記壁材の表面よりも壁表側に突出するように構成されていることを特徴とする。
請求項4に記載の耐火部材は、請求項3に記載の耐火部材において、前記壁孔の周縁の壁面に当接可能であるように該耐火部材本体の筒状部から外方に張り出したフランジ部をさらに備え、前記パテ支持部は、前記フランジ部よりも壁表側に突出していることを特徴とする。
請求項5に記載の耐火部材は、請求項1から4のいずれかに記載の耐火部材において、前記パテ支持部の前記充填領域からの突出高さは、前記充填領域に形成される隙間を封止するのに必要な前記パテ部材の充填高さと略同一であることを特徴とする。
請求項6に記載の耐火部材は、請求項1から5のいずれかに記載の耐火部材において前記閉部は、前記耐火部材本体の壁表側の一端に形成されていることを特徴とする。
請求項に記載の耐火部材は、請求項1からのいずれかに記載の耐火部材において、前記パテ支持部が前記充填領域の全周を包囲することを特徴とする。
請求項に記載の防火区画壁構造は、配線・配管材を壁孔に貫通させて配設可能な防火区画壁構造であって、防火区画用の壁材の壁孔に請求項1からのいずれか一項に記載の耐火部材が配置され、耐火部材の挿通部に配線・配管材が挿通され、耐火部材の充填領域上に所定量のパテ部材が充填されたことを特徴とする。
本発明の一実施形態の耐火部材によれば、充填領域外周縁から壁表側に突出するパテ支持部によって、該充填領域に充填されたパテ部材を支持することにより、該パテ部材が充填領域から垂れ落ちる虞や所望の充填位置からずれる虞を大幅に軽減することができる。すなわち、本発明では、パテ支持部がパテ部材を所定の充填領域内により確実に留めることにより、耐火性能を維持することが可能である。
本発明のさらなる実施形態に記載の耐火部材によれば、上記発明の効果に加えて、少なくともパテ支持部を充填領域の外周縁の下側に設け、耐火部材を壁孔に設置したときにパテ支持部が充填領域に充填されたパテ部材を下支えすることにより、パテ部材が垂れ落ちることを効果的に防止することができる。
本発明のさらなる実施形態に記載の耐火部材によれば、上記発明の効果に加えて、パテ支持部の突出高さがパテ部材の必要な充填高さと略同一であることにより、所定の耐火性能を確保するために必要な量(高さ)のパテ部材を充填領域に充填したとしても、該パテ部材がパテ支持部から筒部軸方向にはみ出すことを防止することができる。さらに、パテ支持部の突出高さに合わせてパテ部材を充填することにより、パテ部材を過剰に充填することを防止することができる。すなわち、本発明は、必要な耐火性能の確保、及び、パテ部材の垂れ落ち防止を両立するものである。
本発明のさらなる実施形態に記載の耐火部材によれば、上記発明の効果に加えて、配線・配管材が通過する閉鎖部に充填領域の底部を定めたことにより、配線・配管材と閉鎖部との間に生じる隙間をパテ部材で効果的に閉塞することができる。
本発明のさらなる実施形態に記載の耐火部材によれば、上記発明の効果に加えて、耐火部材本体の挿通部に連通するスリット部を介して配線・配管材を径方向から挿通部に挿入することができる。これにより、予め壁孔に配設された配線・配管材に対して事後的に耐火部材を取り付けることができる。さらに、スリット部の一部が充填領域上に延びていることにより、パテ部材を充填領域に充填した際、スリット部をパテ部材で覆い、スリット部による耐火性能の低下を効果的に抑えることができる。
本発明のさらなる実施形態に記載の耐火部材によれば、上記発明の効果に加えて、パテ支持部の一部が充填領域上でスリット部に交差することにより、スリット部を垂直方向に沿って下側(6時の方向)に配置した場合、スリット部を覆うパテ部材が垂れ落ちることを防止することができる。あるいは、スリット部を水平方向(3時又は9時の方向)に沿って配置した場合でも、スリット部を閉塞するパテ部材が側方にはみ出すことを防止することができる。
本発明のさらなる実施形態に記載の耐火部材によれば、上記発明の効果に加えて、パテ支持部の一部が充填領域内のスリット部に沿って延びていることにより、スリット部を水平方向(3時又は9時の方向)に沿って配置した場合、スリット部を覆うパテ部材が垂れ落ちることを防止することができる。あるいは、スリット部を垂直方向に沿って下側(6時の方向)に配置した場合であっても、スリット部を閉塞するパテ部材が側方にはみ出すことを防止することができる。
本発明のさらなる実施形態に記載の耐火部材によれば、上記発明の効果に加えて、耐火部材本体の壁表側端面全体にパテ部材を充填せずとも、フランジ部の少なくとも一部に定められた充填領域の底部にパテ部材を充填することにより、フランジ部上のスリット部を効果的に閉塞することができる。
本発明のさらなる実施形態に記載の耐火部材によれば、上記発明の効果に加えて、パテ支持部が充填領域全周を包囲することにより、パテ部材を充填領域からはみ出さないように簡単に充填可能であるとともに、パテ部材をパテ支持部に囲われた充填領域内により安定的に留めることが可能である。
本発明の一実施形態の防火区画壁構造によれば、上記耐火部材の効果を防火区画壁構造として発揮することができる。すなわち、本発明では、パテ支持部がパテ部材を所定の充填領域内に留めることにより、より確実に耐火性能を維持することが可能である。
本発明の一実施形態(実施例1)の耐火部材の(a)正面からの斜視図、及び、(b)背面からの斜視図。 図1の耐火部材の(a)正面図、(b)背面図及び(c)側面図。 図2の耐火部材の(a)A−A断面図及び(b)B−B断面図。 本発明の一実施形態(実施例1)の防火区画壁構造の斜視図。 図4の防火区画壁構造の(a)正面図及び(b)C−C断面図。 図5の防火区画壁構造において、火災により壁孔が閉塞された形態の一例を示す模式図。 図4の防火区画壁構造を構築する方法の一工程を示し、耐火部材を配線・配管材に対して配置する工程を示す模式図。 図4の防火区画壁構造を構築する方法の一工程を示し、耐火部材を壁孔に配置しパテ部材を充填する工程を示す模式図。 本発明の別実施形態(実施例2)の耐火部材の(a)正面からの斜視図、及び、(b)背面からの斜視図。 本発明の別実施形態(実施例2)の防火区画壁構造の(a)正面図及び(b)D−D断面図。 本発明の別実施形態(実施例3)の耐火部材の(a)正面からの斜視図、及び、(b)背面からの斜視図。 本発明の別実施形態(実施例3)の防火区画壁構造の(a)正面図及び(b)E−E断面図。 本発明の別実施形態(実施例4)の耐火部材の斜視図。 本発明の別実施形態(実施例4)の防火区画壁構造の(a)正面図及び(b)F−F断面図。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。また、本発明における上下左右の方向は、相対的な位置を示す概念にすぎず、これらを入れ替えて適用可能であることは言うまでもない。
(実施例1)
図1乃至図3を参照して本発明の一実施形態の耐火部材110を説明する。図1(a)、(b)は、本実施形態の耐火部材110の一端側及び他端側からの斜視図である。図2(a)〜(c)は、該耐火部材110の正面図、背面図、側面図である。図3(a)、(b)は、該耐火部材110のA−A断面図及びB−B断面図である。
本実施形態の耐火部材110は、自身で形状を維持可能な熱膨張製材料で一体成形されたものである。より具体的には、熱膨張性材料は熱膨張性ゴムであり、この熱膨張性ゴムは高熱(例えば300℃以上)に曝されると体積が加熱前の2倍以上に膨張する膨張材(膨張黒鉛)を混入し、所定形状に成形した(成形工程を経た)ゴムに加硫工程を経てなるものである。なお、加硫工程とは、成形工程を経たゴムに熱を加え、加硫(架橋)反応や接着反応を起こさせ、ゴム弾性を有する製品を得る工程である。そして、耐火部材110は、熱膨張性ゴム自身により円筒状(形状)を維持している。
図1及び図2に示すとおり、耐火部材110は、一端から他端に延びる耐火部材本体111と、該耐火部材本体111の壁表側(一端側)でパテ部材120が充填される底部を有する充填領域117と、該充填領域117(底部)の外周縁117aに沿って耐火部材本体111の壁表側端面よりも壁表に突出するパテ支持部118と、を備える。なお、本実施形態の「壁表側」とは、少なくとも筒状部112の軸方向中央より一端(壁表)寄りの位置を意味する。そして、耐火部材本体111は、壁材Wの壁孔H内に配置される中空円筒状に形成された筒状部112と、該筒状部112の一端側から外方に一体的に張り出した板状のフランジ部114とからなる。
該筒状部112は、図2(c)に示すように、その軸方向に沿って一様な径で一端から他端に向けて直線状に延びている。この中空筒状の筒状部112の内周面112a内方の中空空間に、配線・配管材Pを内挿可能な挿通部113が定められている。他方、筒状部112の外形(輪郭)は、外周面112bによって定められている。すなわち、筒状部111の内周面112a及び外周面112bの間の肉厚部分(熱膨張性材料)が壁孔Hの内壁と配線・配管材Pの外面との間に配置される。なお、外周面112bの外径は、壁孔Hの直径と略同一(わずかに小さい)に形成され、且つ、当該外周面112bの形状(円形)と壁孔Hの形状(円形)とが略同一になっている。
また、該耐火部材本体111の筒状部112は、その径方向に沿って内周面112aと外周面112bとの間に所定厚の円筒壁を有している。この耐火部材本体111は、火災等で発生した熱によって加熱され、筒状部112の内径方向へ膨張して挿通部113を閉塞する(すなわち、内周面112aの内側空間を埋める)だけの厚みを有していることが好ましい。また、耐火部材本体111の筒状部112は、内周面112a側から加熱されて膨張したときに、筒状部112の外周面112b側の形状を維持する厚みを外周面側に確保していることが好ましい。換言すると、筒状部112の厚みは、内周面112a側が加熱されたときに、その熱が筒状部112の内周面112aから外周面112b側に影響を及ぼさないような厚みに設定されていることが好ましい。本実施形態では、筒状部112の円筒壁の厚みは、内周面112aの内径に対する熱膨張性ゴムの膨張率の比の値よりも厚くなるように設定されている。また、筒状部112の円筒壁の厚みは、その周方向に沿って一定である。なお、本実施形態では、筒状部112の円筒壁の厚みは約20mmである。上記好ましい形態によって、(先行技術文献1に示されているとおり)ケーブル芯線の加熱で内周面112a側から耐火部材本体111が加熱された場合に、挿通部113の内側への最適な熱膨張が可能である。しかしながら、本発明はこのような内周面112aからの加熱のみを想定したものではないので、本発明の耐火部材の形状寸法は本実施形態に限定されることはない。
そして、フランジ部114は、筒状部112の一端の外周縁から径方向に延びるように該耐火部材本体111の周方向全体で薄肉状(本実施形態では約2mm厚)に形成されている。図2(a)、(b)に示すように、フランジ部114の輪郭を定める外縁は円形状であり、その直径は壁孔Hの直径よりも大きい。すなわち、フランジ部114の裏面が壁孔Hの周縁の壁面に当接可能である。
さらに、耐火部材本体111一端面(フランジ部114)の略中心には、軸方向一端側で挿通部113を閉鎖する閉鎖部115が形成されている。他方、耐火部材本体111の他端面が開放されている。図3(a)、(b)に示すように、閉鎖部115は、フランジ部114と同様に薄肉状に形成され、耐火部材本体111(又は挿通部113)の一端を閉鎖している。この閉鎖部115は、その中心を通る複数の切り込みで複数に分割されている。つまり、該閉鎖部115には、筒状部112一端で内周面112aから径方向内方(中心側)に延びる複数の舌片115aが形成されている。各舌片115aは、その基端を支点として軸方向に沿って(図3(a)、(b)の仮想線のように)弾性変形可能である。舌片115aを弾性変形させることにより、該閉鎖部115は、耐火部材本体111端面を開放するように配線・配管材Pを通過可能に変形する。そして、該閉鎖部115では、配線・配管材Pを挿し込んだ後に舌片115aが弾性復帰することにより、各舌片115aが配線・配管材Pの外面に密着して、再度端面を閉鎖する。
また、耐火部材本体111には、筒状部112の軸方向全体に亘って延びるとともに、軸方向に対して直交する方向(径方向)へ延びるスリット部116が形成されている。そして、スリット部116は、耐火部材本体111の内周面112a、外周面112b及びフランジ部114外周縁を連通するように繋いでいる。耐火部材本体111を弾性変形させることにより、このスリット部116を開口させて挿通部113を開放可能である。つまり、スリット部116を介して、配線・配管材Pをその径方向から挿通部113に挿入可能である。なお、このスリット部116は、舌片115a形成するための複数の切り込みのうちの1つであり、舌片115aの形成に利用されている。
さらに、該耐火部材110において、耐火部材本体111の壁表側の一端面でパテ部材120が充填される領域を充填領域117と定めた。この充填領域117の底部は、パテ部材120が載置される面であり、本実施形態の形状に限定されず、必要に応じて任意に設定される。すなわち、「充填領域」は、例えば、耐火部材の細かい隙間を封止し、又は、耐火部材の薄肉部分を耐火性能の面で補強する等を目的としてパテ部材で充填される領域である。
そして、該パテ部材120は、耐火部材110の一端面における細かな隙間を密封するように充填領域117に充填される。より詳細には、充填領域117の外表面である底部上にパテ部材120が直接的に載置される。該パテ部材120は、粘土状の熱膨張性耐熱シール材であり、この熱膨張性ゴムは高熱(例えば300℃以上)に曝されると体積が加熱前の2倍以上に膨張する膨張材(膨張黒鉛)等を未加流ゴムに混合したものである。しかしながら、本発明のパテ部材は、これに限定されず、少なくとも耐熱性であり、且つ、細かい隙間を密閉可能であれば足り、非熱膨張性であってもよい。
図2(a)、(c)に示すとおり、充填領域117は、鍵穴形状の外周縁(輪郭)117aによって縁取られている。そして、該充填領域117は、筒状部112端面の薄肉部分(閉鎖部115)上に延在する円形充填領域117bと、該円形充填領域117bに連設されるとともにフランジ部114のスリット部116上に延在する矩形充填領域117cとで組み合わさってなる。
この円形充填領域117bに充填されるパテ部材120は、配線・配管材P外周と耐火部材本体111との間に生じた隙間を埋め、閉鎖部115の片115a間の隙間を埋め、尚且つ、耐火部材110薄肉部分(閉鎖部115)を耐火性能の面で補強するものである。換言すると、該パテ部材120は、主に、耐火部材110による細かい隙間を埋めること及び/又は耐火性能を補うことを目的として配置され、パテ部材120自体で径方向内方に熱膨張して配線・配管材Pを押し潰すことを目的として配置されるものではない。つまり、本実施形態のパテ部材120は、図12で後述するような、挿通部313内で配線・配管材Pを押し潰すことを目的として充填されたパテ部材321とは明確に区別されて解釈され得る。
そして、本実施形態は、充填領域117の底部の一部分(円形充填領域117b)を閉鎖部115の壁表側外面に定めたものである。本実施形態において、正面視における充填領域117(円形充填領域117b)の径又は面積が、挿通部113の径又は面積とほぼ同じであるか、あるいは、挿通部113の径又は面積よりも大きいことが好ましい。なぜなら、挿通部113の壁表側の薄肉部分のような耐火性能が低い箇所全体をパテ部材120で覆って効果的に補強できるからである。
他方、矩形充填領域117cに充填されるパテ部材120は、スリット部116によって生じた(閉鎖部115外方の)筒状部112円筒壁及びフランジ部114上の隙間を埋めるものである。すなわち、本実施形態は、充填領域117の底部の一部分(矩形充填領域117c)をフランジ部114の壁表側外面の一部に定めたものである。
そして、充填領域117に充填されたパテ部材120を支持するためのパテ支持部118が、充填領域117の(径方向)外側で外周縁117aに沿って突出形成されている。図2(a)に示すとおり、該パテ支持部118は、外周縁117a全体に亘ってほぼ一様な幅で延びており、充填領域117を包囲している。より詳細には、枠状のパテ支持部118が、円形充填領域117bと矩形充填領域117cとの間の境界を除いて、円形充填領域117b及び矩形充填領域117cの周囲を包囲している。該パテ支持部118の一部は、矩形充填領域117cを縁取るように、フランジ部114周縁でスリット部116に対して交差する方向に延設されているとともに、該スリット部116を挟み込むように平行に延設されている。
さらに、図3(a)、(b)に示すとおり、パテ支持部118は、充填領域117の外周縁117a底部から耐火部材本体111の壁表側端面よりも壁表側に所定の高さhで突出している。このパテ支持部118の突出高さhは、パテ支持部118の基端(充填領域117の外周縁117a)からその端面までの距離である。該突出高さhはパテ部材120の必要な充填高さ以上であることが好ましい。このパテ部材120の必要な充填高さは、必要な耐火性能や耐火部材の寸法等の種々の条件によって規定される。例えば、本実施形態の耐火部材110では、規定上3mm以上の粘土によるパテ充填が必要である。このような場合、パテ部材120がパテ支持部118よりも軸方向に突出することを防止すべく、パテ支持部118の突出高さhが3mm以上であることが好ましい。
続いて、図4及び図5を参照して、本発明の一実施形態の防火区画壁構造10を詳細に説明する。図4は、本実施形態の耐火部材110を防火区画用の壁材Wの壁孔Hに設置した防火区画壁構造10の斜視図である。図5(a)、(b)は、該防火区画壁構造10の正面図及びそのC−C断面図である。
本実施形態の防火区画用の壁材Wは、垂直に立設した中空の耐火壁である。この壁材Wは、石膏ボードからなり、立設された複数本の間柱(図示せず)に固定されて構築されたものである。これら2枚の壁材Wが間柱を挟んで前後に構築されることにより、壁材Wの間に中空空間(壁裏空間)が形成されている。当該中空の耐火壁を貫通すべく、各壁材Wには、所定の太さの配線・配管材Pが貫通可能な径を有する壁孔Hがホルソー等によって穿設されている。この壁孔Hは正円形状を有し、その内径は耐火部材110の筒状部112の外径と略同一(わずかに大きく)に形成されている。そして、2つの壁孔Hによって一方の壁材Wの壁表空間と他方の壁材Wの壁表空間とが連通されている。すなわち、防火区画壁構造10は、両壁孔H及び中空空間を介して配線・配管材Pを貫通可能としている。なお、本発明の壁材は防火区画用の天井や床等の構造体をも含む概念であり、本実施形態の形態に限定されない。また、本実施形態の配線・配管材Pは、建築物内に配設される配線(制御用ケーブル、同軸ケーブル、光ケーブル等)及び配管材(合成樹脂製可撓電線管、鋼製電線管等)等の金属製の芯線P’を含むケーブルであるが、本発明の配線・配管材は種々の長尺材を意味する幅広い概念であり、これに限定されない。すなわち、本発明の配線・配管材は、金属製の芯線を有さないものであってもよい。
本実施形態の防火区画壁構造10は、配線・配管材Pを壁孔Hに貫通させて配設可能であって、防火区画用の壁材Wの壁孔Hに耐火部材110が配置され、該耐火部材110の挿通部113に配線・配管材Pが挿通され、該耐火部材110の充填領域117上に所定量のパテ部材120が充填されたことを特徴とする。換言すると、耐火部材110及びパテ部材120は、防火区画用の壁材Wに配線・配管材P用の貫通部を形成するための貫通部形成装置として協働的に機能している。
より詳細には、防火区画壁構造10では、図5(b)に示すとおり、各耐火部材110の中空円筒状の筒状部112が壁材Wの壁孔H内に挿入されている。そして、2つの耐火部材110が一対の壁材Wの壁孔Hにそれぞれ設置されており、2枚の壁材Wを通して配線・配管材Pを貫通可能とすべく連通した貫通部を各壁材Wに形成している。上述したように、耐火部材本体111の筒状部112外径と壁孔Hの内径とがほぼ等しいため、筒状部112の外周面112bと壁孔Hの内周面とがほぼ密接している。また、耐火部材110の一端が壁表側に配置され、他端が壁裏側を向いている。そして、フランジ部114裏面が壁孔H周縁の壁面に当接している。一対の耐火部材110の壁裏側の他端面は、壁裏空間で互いに近接した位置に対向配置されている。
そして、1本の配線・配管材Pが2つの壁材Wを貫通するように両壁孔Hの略中心に貫通配置されている。この配線・配管材Pは、耐火部材110の耐火部材本体111の挿通部113を軸方向に貫通している。そして、閉鎖部115の各舌片115aが挿通部113内で他端側に折れ曲がり、その弾性復帰力により各舌片115aが配線・配管材Pの外面に密着している。すなわち、耐火部材110内の挿通部113が壁表に露出しないように、配線・配管材Pの外面と本体部110の内周面112bとの間が閉部115で閉鎖されている。
さらに、図5(a)、(b)に示すとおり、熱膨張性のパテ部材120が、耐火部材110の一端面に規定された充填領域117上に充填されている。該パテ部材120は、充填領域117内で、該閉鎖部115と配線・配管材Pとの隙間、閉鎖部115の舌片115a同士の隙間、及び、スリット部116全体を密閉している。
図5(a)に示すように、正面視において、パテ部材120は、円形充填領域117b及び矩形充填領域117cの両方に隙間なく充填され、充填領域117の外周縁117aからはみ出ることなく、パテ支持部118によって全体的に包囲されている。そして、図5(b)に示すように、パテ部材120は、パテ支持部118の突出高さhを越えないように、壁表側にほぼ平坦な外表面を有する。すなわち、パテ支持部118の突出高さhに合わせて、パテ部材120が充填用治具(例えば、ヘラ)によって平坦にならされている。そして、パテ支持部118が充填領域117の外周縁117aの下側で延在している。すなわち、該パテ支持部118は、充填領域117上のパテ部材120を鉛直方向下側から下支えし、重力によってパテ部材120が落下する虞を軽減する。また、パテ支持部118が外周縁117a全体に亘って延在していることにより、パテ部材120が充填領域117の外にはみ出さないように充填されている。なお、本防火区画壁構造10では、スリット部116先端が9時の方向を向くように配置されているが、パテ支持部118が充填領域117全体を包囲しているので、スリット部116の向きが変更されても、同様の垂れ落ち防止効果及びはみ出し防止効果を安定的に発揮することができる。
また、本実施形態の防火区画壁構造10では、防火機能をより確実にするために、このパテ部材120は、充填高さが約3mmとなるように盛られている。本実施形態では、パテ部材120の突出高さhを最低限の隆起量と同じく約3mm(つまり、必要な充填高さ以上)としたことで、所望の耐火性能を発揮しつつ、パテ部材120がパテ支持部118を越えて軸方向(壁表側)に突出することを抑えている。
なお、本実施形態では、挿通部113内が中空の状態で閉鎖部115及びスリット部116に亘る充填領域117にパテ部材120が充填されたが、本発明はこの形態に限定されない。例えば、図示しないが、閉鎖部115の内側の挿通部113内に別途パテ部材を充填した設置構造に対して、耐火部材110の細かい隙間を埋める仕上げを目的として、耐火部材110の壁表側端面に定められた充填領域117に事後的にパテ部材120を充填してもよい。このようにして構築された防火区画壁構造では、より多量のパテ部材が用いられるとともに細かい隙間がパテ部材120によってさらに閉鎖されるため、より高い防火性能が発揮される。
図6は、火災が生じたときに壁孔Hが閉鎖された防火区画壁構造10’の模式図である。この防火区画壁構造10’は、一方側(図6の左側)の空間のみに火災が生じ、一方側の耐火部材110が該火災空間から加熱された場合を想定したものである。図6に示すとおり、耐火部材110及びパテ部材120が熱膨張することにより、一方側で発生した火炎、煙、有毒ガスが壁孔Hを介して他方側(図6の右側)の空間に流入することが阻止されている。
より詳細には、図6に示すとおり、防火区画壁構造10’では、火災空間側で配線・配管材Pの被覆材の一部が燃えて金属製の芯線P’が部分的に露出している。そして、一方側の耐火部材110において、耐火部材本体111の内周面112aが径方向内側に膨張し、部分的に露出した芯線P’の外面を密着状態で包囲している。換言すると、配線・配管材Pの外面と耐火部材110の内周面112aとの間の当初空隙が部分的に熱膨張性材料によって埋められて密封閉鎖されている。さらに、フランジ部114、パテ支持部118及びパテ部材120が加熱されて壁表側に熱膨張している。パテ部材120の膨張とともにパテ支持部118が軸(壁表)方向に膨張しているので、熱膨張したパテ部材120が落下することなくパテ支持部118に支持されている。そして、他方側の耐火部材110において、耐火部材本体111の他端が加熱されて熱膨張している。しかし、他方側の壁表まで熱が十分に伝達されていないため、他方側の耐火部材110の一端面(フランジ部114、パテ支持部118)は熱変形せずに原形を留めている。
なお、ここで説明した防火区画壁構造10、10’は一実施例にすぎず、本発明の防火区画壁構造はこれに限定されない。例えば、壁材は中空の耐火壁でなく、中空空間(又は壁裏空間)を含まない1枚のコンクリート壁であってもよい。また、耐火部材の膨張の形態は、火災の環境等により常に変化するものである。よって、ここで説明した防火区画壁構造10’は、膨張形態の一例を説明するものにすぎず、本発明を限定するものではない。
続いて、図7及び図8を参照して、本実施形態の耐火部材110及びパテ部材120を壁材Wに設置して防火区画壁構造10を構築する方法を説明する。なお、図7及び図8は、説明の便宜上、1枚の壁材Wに対して1つの耐火部材110を設置することを示したものである。
まず、壁材Wに所定の大きさの壁孔Hをホルソー等によって穿設する。次に、配線・配管材Pを壁孔H内に貫通配置する。次いで、図7に示すように、耐火部材110を弾性変形させてスリット部116を開放し、この開放したスリット部116を介して挿通部113に対して配線・配管材Pを挿入する。そして、耐火部材110を弾性復帰させることにより、スリット部116が閉じて配線・配管材Pを挿通部113内に保持することができる。
次いで、図8に示すとおり、耐火部材110を配線・配管材Pに沿ってスライドさせて、耐火部材本体111の筒状部112を壁孔Hに配置すると共にフランジ部114を壁面に当接させる。この状態でパテ部材120を耐火部材110の充填領域117に充填する。このパテ部材120は、当初形態において略直方体の粘土状物質であり、手などで力を加えることにより、所望の形状に変形可能である。つまり、パテ部材120を耐火部材本体111端面に押し付けて変形させるように載置して、パテ支持部118で包囲された所望の充填領域117上にパテ部材120を充填する。
そして、パテ支持部118から壁表側に盛り上がった(又は壁表に突出した)部分をヘラ等の治具で平坦にならす。このとき、パテ支持部118が充填領域117全体を包囲しているので、充填領域117全域に亘って、パテ支持部118の(突出方向の)端面に沿ってヘラを走らせることにより、盛り上がったパテ部材120の不要部分を簡単にそぎ落とすことができる。また、パテ支持部118の突出高さhが、パテ部材120の必要な充填高さよりも高いので、ヘラで表面をならすだけで、規定上必要な充填高さのパテ部材120を充填領域117に簡単に充填することができる。こうして、耐火部材110がパテ部材120で密閉された状態で壁材Wに設置される。そして、他方の壁材Wに対しても同様の作業を実施すれば、図5の防火区画壁構造10が構築される。
なお、ここで説明した方法は、一例にすぎず、当業者であれば、各工程の順序を入れ替え、又は、状況に応じて不要な工程を省略することも可能である。例えば、耐火部材110を先に壁孔Hに設置して、その一端又は他端の開口を介して、配線・配管材Pを壁表又は壁裏をその長尺方向から挿通部113内に挿し込むことも可能である。
以下、本発明に係る一実施形態の耐火部材110(又は防火区画壁構造10)の作用効果について説明する。
本実施形態の耐火部材110(又は防火区画壁構造10)では、充填領域117の外周縁117aから壁表側に突出するパテ支持部118によって、充填領域117に充填されたパテ部材120を支持する。特に、パテ支持部118が充填領域117の外周縁117a下側に設けられたことにより、耐火部材110を壁孔Hに設置したときにパテ支持部118が充填領域117に充填されたパテ部材120を鉛直方向下側から下支えする。さらに、パテ支持部118の突出高さhがパテ部材120の必要な充填高さと略同一であることにより、所望の耐火性能を確保するために必要な量(高さ)のパテ部材120を充填領域117に充填したとしても、該パテ部材120がパテ支持部118から壁表側にはみ出すことがない。さらに、パテ支持部118の突出高さhに合わせてパテ部材120を充填することにより、パテ部材120を過剰に充填することを防止することができる。すなわち、本実施形態によれば、パテ支持部118がパテ部材120を包囲するとともに該パテ支持部118よりも壁表に突出することを抑えるため、パテ部材120が充填領域117から側方にはみ出したり、ずれたり、垂れ落ちたりする虞を大幅に軽減することができる。したがって、本実施形態の耐火部材110及び防火区画壁構造10では、パテ支持部118がパテ部材120を所定の充填領域117内により確実に留めることにより、所望の耐火性能を維持することが可能である。さらに、パテ部材120の垂れ落ちやずれを防ぐことにより、結果として、耐火部材110(壁孔H)周囲の壁材W外観や床面を汚れないように保つことが可能である。
また、本実施形態の耐火部材110では、円形充填領域117b及び矩形充填領域117cに亘って、スリット部116が略中央位置(閉鎖部115)からフランジ部114外縁まで延びている。そして、パテ支持部118は、フランジ部114周縁でスリット部116に対して交差する方向に延設されているとともに、スリット部116を挟み込むように該スリット部116に平行に延設されている。すなわち、本実施形態によれば、パテ部材120を充填領域117に充填した際、スリット部116全体をパテ部材120で覆って密閉し、スリット部116形成に伴う耐火性能の低下を抑えることができる。さらに、矩形充填領域117c上でスリット部116を覆うパテ部材120が側方にはみ出したり、垂れ落ちたりすることを効果的に防止することができる。
(実施例2)
次に、図9及び図10を参照して、本発明の別実施形態の耐火部材210及び防火区画壁構造20を説明する。図9(a)、(b)は、実施例2の耐火部材210の一端側及び他端側からの斜視図である。図10(a)、(b)は、該防火区画壁構造10の正面図及びそのD−D断面図である。
図9に示すとおり、耐火部材210は、実施例1の耐火部材110と同様に、耐火部材本体211と、該耐火部材本体211の壁表側でパテ部材220が充填される充填領域217と、該充填領域217(耐火部材本体111の壁表側端面)よりも一端側に突出するパテ支持部218と、を備える。そして、該耐火部材本体211は、筒状部212、挿通部213、フランジ部214、閉鎖部215及びスリット部216を有する。そして、本実施例では、実施例1の耐火部材110と異なり、充填領域217は、筒状部212の一端面から奥まった位置に形成された閉鎖部215上の円形領域として定められている。換言すると、充填領域217の底部が筒状部212の軸方向において中央よりも壁表側に位置する。この充填領域217の外周縁217aに、パテ支持部218が正面視円環形状に形成されている。すなわち、パテ支持部218が、耐火部材本体211端面から壁裏(他端)側に後退した充填領域217から耐火部材本体211の壁表側端面よりも壁表側に所定の高さh(図10(b)参照)で突出している。なお、本実施例では、フランジ部214で延びるスリット部216上にパテ部材220を充填してもよいが、この箇所は、本発明の「充填領域」として定められていない。
防火区画壁構造20では、図10(a)、(b)に示すとおり、熱膨張性のパテ部材220が、耐火部材210の壁表側に規定された充填領域217上に充填され、閉鎖部215の薄肉部分を補強している。そして、パテ部材220は、充填領域217内で、該閉鎖部215と配線・配管材Pとの隙間及び閉鎖部215の舌片215a同士の隙間(スリット部216の一部)を密閉している。図10(a)に示すように、正面視において、パテ部材220は、円形の充填領域217に隙間なく充填され、充填領域217の外周縁217aからはみ出ることなく、パテ支持部218によって全体的に包囲されている。そして、図10(b)に示すように、パテ部材220は、パテ支持部218の突出高さhを越えないように、壁表側にほぼ平坦な外表面を有する。そして、パテ支持部218が充填領域217の外周縁217aの下側で延在している。すなわち、該パテ支持部218が充填領域217上のパテ部材220を鉛直方向下側から下支えしている。したがって、本防火区画壁構造20では、防火区画壁構造10と同様に、パテ支持部218がパテ部材220を支持していることにより、重力によりパテ部材220が垂れ落ちる虞を大幅に軽減している。なお、本実施例では、実施例1と比べて、充填領域217が奥まった位置にあるため、突出高さhを相対的に大きくすることができ、より多くのパテ部材220を充填することが可能である。
(実施例3)
次いで、図11及び図12を参照して、本発明の別実施形態の耐火部材310及び防火区画壁構造30を説明する。図11(a)、(b)は、実施例3の耐火部材310の一端側及び他端側からの斜視図である。図12(a)、(b)は、該防火区画壁構造30の正面図及びそのE−E断面図である。
図11に示すとおり、耐火部材310は、実施例1の耐火部材110と同様に、耐火部材本体311と、該耐火部材本体311の壁表側でパテ部材320が充填される充填領域317と、該充填領域317(耐火部材本体311端面)よりも壁表に突出するパテ支持部318と、を備える。そして、該耐火部材本体311は、筒状部312、挿通部313、フランジ部314、閉鎖部315及びスリット部316を有する。本実施例では、実施例1の耐火部材110と異なり、充填領域317は、筒状部312の円筒壁端面からフランジ部314周縁までスリット部316に沿って延びる矩形領域として定められている。この矩形状の充填領域317の外周縁317aの一部で、パテ支持部318が正面視において上方で開放した矩形枠状に突出形成されている。つまり、充填領域317が耐火部材本体311端面でスリット部316に沿ってフランジ部314上に形成されている。また、耐火部材本体311の一端面が開放されており、他端面が閉鎖部315で閉鎖されている。本実施例では、パテ部材320が閉鎖部315上に盛られて挿通部313内に充填されるが、この閉鎖部315上の領域は、その外周縁にパテ支持部318が形成されておらず、本発明の「充填領域」として定められていない。
防火区画壁構造30では、図12(a)、(b)に示すとおり、熱膨張性のパテ部材320が耐火部材310の壁表側端面でフランジ部314上に規定された矩形状充填領域317上に充填されているとともに、熱膨張性の第2のパテ部材321が、耐火部材310本体の挿通部313内の充填空間(本発明の充填領域として定めていない)に充填されている。本実施形態の防火区画壁構造30では、事前に第2のパテ部材321が挿通部313内に充填された設置構造に対して、細かい隙間(スリット部316)を埋めるための仕上げとして、充填領域317にパテ部材320が充填された。つまり、充填領域317上のパテ部材320と挿通部313内の第2のパテ部材321とは明確に区別される概念である。しかしながら、パテ部材320及び第2のパテ部材321を同時又は一体的に形成してもよいことは言うまでもない。
そして、パテ部材320は、充填領域317内でスリット部316を密閉している。図12(a)に示すように、正面視において、パテ部材320は、矩形状充填領域317に隙間なく充填され、その矩形状の外周縁317aからはみ出ることなく、パテ支持部318によって全体的に包囲されている。そして、図12(b)に示すように、充填領域317上のパテ部材320は、充填空間における第2のパテ部材321表面に対して前方に隆起しているとともに、パテ支持部318の突出高さhを越えないように平坦にならされている。
そして、パテ支持部318が矩形状充填領域317の外周縁317aの下側で延在ししている。すなわち、スリット部316先端が6時の方向を向いており、スリット部316に交差するパテ支持部318がパテ部材320を鉛直方向下側から下支えしている。他方、スリット部316先端を3時又は9時の方向に向けた場合であっても、スリット部316に平行に延びるパテ支持部318がパテ部材320を鉛直方向下側から下支えする。つまり、本実施例では、パテ支持部318の開放部分が下方を向かない限りにおいて、パテ支持部318がパテ部材320を鉛直方向下側から下支えするように機能する。したがって、本防火区画壁構造30では、パテ支持部318が少なくとも充填領域317の下側に配置されてパテ部材320を支持することにより、重力によりパテ部材320が垂れ落ちる虞を大幅に軽減している。さらに、スリット部316をパテ部材320で覆って密閉しているため、スリット部316形成に伴う耐火性能の低下が抑えられている。
(実施例4)
続いて、図13及び図14を参照して、本発明の別実施形態の耐火部材410及び防火区画壁構造40を説明する。図13は、実施例4の耐火部材410の斜視図である。図14(a)、(b)は、該防火区画壁構造40の正面図及びそのF−F断面図である。図14の防火区画壁構造40では、実施例1と異なり、壁材W’は中空耐火壁でなく、厚いコンクリート壁である。すなわち、防火区画壁構造40には、壁裏空間が存在せずに、1枚の壁材W’の両壁面が壁表空間に接し、該壁材W’を1つの壁孔H’が貫通している。
ている。
図13に示すとおり、耐火部材410は、耐火部材本体411と、該耐火部材本体411の両壁表側(両端)でパテ部材420が充填される一対の充填領域417と、該充填領域417(耐火部材本体411両端面)よりも軸方向にそれぞれ突出する一対のパテ支持部418と、を備える。そして、該耐火部材本体411は、筒状部412、挿通部413及び閉鎖部415を有する。すなわち、実施例1の耐火部材110と異なり、耐火部材本体411には、フランジ部及びスリット部が設けられていないとともに、その両端面に充填領域及びパテ支持部が設けられている。そして、本実施例では、充填領域417は、閉鎖部415上に延在する円形領域として定められている。この充填領域417の外周縁417aの一部(下方)で、パテ支持部418が正面視において上方で開放した円弧形状として形成されている。
防火区画壁構造40では、図14(a)、(b)に示すとおり、熱膨張性のパテ部材420が、耐火部材410の両端面に規定された一対の円形状充填領域417上にそれぞれ充填されている。そして、パテ部材420は、各充填領域417内で、閉鎖部415と配線・配管材Pとの隙間及び閉鎖部415の舌片415a同士の隙間を密閉している。図14(a)に示すように、正面視において、パテ部材420は、円形の充填領域417に隙間なく充填され、充填領域417の外周縁417aからはみ出ることなく、パテ支持部418によって部分的に包囲されている。そして、図14(b)に示すように、パテ部材420は、パテ支持部418の突出高さhを越えないように、壁表側にほぼ平坦な平面を有する。そして、円弧状のパテ支持部418が充填領域417の外周縁417aの下側で延在し、該パテ支持部418が充填領域417上のパテ部材420を鉛直方向下側から下支えしている。すなわち、本防火区画壁構造40では、防火区画壁構造10と同様に、パテ支持部418がパテ部材420を支持していることにより、重力によりパテ部材420が垂れ落ちる虞を大幅に軽減している。
(変形例)
本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施例1〜4に限定されない。例えば、上記実施形態では、壁孔及び耐火部材本体端面の外周形状が全て正円形であるが、これらは長円や多角形等の他の形状であってもよく、互いに異なっていてもよい。そして、上記実施形態(実施例1〜3)の防火区画壁構造では、中空の耐火壁の両壁材Wに貫通部形成装置が設置されたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明の防火区画壁構造は、中空の耐火壁の一方の壁材Wのみに貫通部形成装置を設置した構造も含んでいる。このような形態でも、火災時に一方の壁材Wの壁孔Hが閉塞されることで、中空壁を挟んだ両空間を隔絶することができるので、同様の効果を発揮できる。
さらに、本発明は、変形例として、以下の形態を取り得る。
・パテ部材で充填領域が完全に被覆されずに、充填領域の一部のみにパテ部材が充填されてもよい。
・パテ支持部が断続的に突出した複数の(例えば、櫛歯状)突出片で形成されてもよい。あるいは、パテ支持部が断片的に途切れるように形成されてもよい。
・フランジ部を省略してもよい。
・パテ部材の充填高さをパテ支持部の突出高さより大きくしても、又は、小さくしてもよい。
本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。
10 防火区画壁構造
110 耐火部材
111 耐火部材本体
112 筒状部
112a 内周面
112b 外周面
113 挿通部
114 フランジ部
115 閉鎖部
115a 舌片
116 スリット部
117 充填領域(又は充填領域の底部)
117a 外周縁
117b 円形充填領域
117c 矩形充填領域
118 パテ支持部
120 パテ部材
P 配線・配管材
W 壁材
H 壁孔

Claims (8)

  1. 自身で形状を維持可能な熱膨張性耐火材料で一体成形された耐火部材であって、
    壁材の壁孔内に配置される中空の筒状部、及び、該筒状部の内部で配線・配管材を挿通可能な挿通部を有する耐火部材本体と、
    前記耐火部材本体の軸方向壁表側一端に形成され、前記配線・配管材を通過可能に前記挿通部を壁表側から閉鎖する、複数の舌片からなる閉鎖部と、
    前記複数の舌片間の隙間を埋めるように前記閉鎖部の壁表側外面にパテ部材が充填される底部を有する充填領域と、
    前記充填領域を縁取る外周縁の少なくとも一部に前記耐火部材本体とともに熱膨張性耐火材料によって一体成形され、前記充填領域よりも壁表に突出し、所望の耐火性能を発揮するために必要なパテ部材の充填高さ以上で前記耐火部材本体の軸方向壁表側一端から壁表側に隆起するように、壁面よりも壁表側で前記充填領域に充填された前記パテ部材を支持するパテ支持部と、を備え
    該耐火部材を前記壁孔に設置したときに、前記パテ支持部が前記充填領域の少なくとも下側で、前記充填領域に充填されたパテ部材を下支えすることを特徴とする耐火部材。
  2. 該耐火部材を前記壁孔に設置したときに、前記パテ支持部が前記充填領域の外周縁の少なくとも下側で延在して、前記パテ支持部が前記充填領域に充填されたパテ部材を下支えすることを特徴とする請求項1に記載の耐火部材。
  3. 前記パテ支持部は、前記耐火部材本体が前記壁孔内に配置されたときに前記壁材の表面よりも壁表側に突出するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐火部材。
  4. 前記壁孔の周縁の壁面に当接可能であるように該耐火部材本体の筒状部から外方に張り出したフランジ部をさらに備え、前記パテ支持部は、前記フランジ部よりも壁表側に突出していることを特徴とする請求項3に記載の耐火部材。
  5. 前記パテ支持部の前記充填領域からの突出高さは、前記充填領域に形成される隙間を封止するのに必要な前記パテ部材の充填高さと略同一であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の耐火部材。
  6. 前記閉部は、前記耐火部材本体の壁表側の一端に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の耐火部材。
  7. 前記パテ支持部が前記充填領域の全周を包囲することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の耐火部材。
  8. 配線・配管材を壁孔に貫通させて配設可能な防火区画壁構造であって、
    防火区画用の壁材の壁孔に請求項1から7のいずれか一項に記載の耐火部材が配置され、前記耐火部材の挿通部に前記配線・配管材が挿通され、前記耐火部材の充填領域上に所定量のパテ部材が充填されたことを特徴とする防火区画壁構造。
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