JP6068093B2 - 貫通部の耐火構造 - Google Patents

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Description

本発明は、建築物の防火区画体に形成された貫通部と該貫通部内に挿通された配線・配管材との間に充填される熱膨張性耐火充填材を用いた貫通部の耐火構造に関する。
従来より、建築物における防火区画体に配線・配管材を貫通させる場合、この防火区画体の貫通部には耐火構造が設けられる。耐火構造は、貫通部に挿通された配線・配管材の外面と貫通部の内面との間に、熱により膨張する熱膨張性耐火充填材を充填することによって形成されている。そして、火災等が発生すると、その熱によって熱膨張性耐火充填材が膨張し、配線・配管材が焼失することで形成された空隙を熱膨張性耐火充填材が閉塞する。
特許文献1には、防火区画体としての中空壁に形成された耐火構造が開示されている。図6に示すように、防火区画壁80は、一対の壁部材81が立設されてなり、壁部材81同士の間に空間82が形成されている。各壁部材81には厚み方向に貫通する貫通孔81aが対向する位置に形成されている。そして、両貫通孔81aに可燃性長尺体83が挿通されている。貫通孔81aの内面と、可燃性長尺体83との間には熱膨張性耐火材(熱膨張性耐火充填材)84が充填されている。
特開2008−111471号公報
ところで、特許文献1に開示の熱膨張性耐火材84は、シーリング材に熱膨張性材を混合してなるものであり、ペースト状である。このため、ペースト状の熱膨張性耐火材84を、貫通孔81aの内面と、可燃性長尺体83との間に充填した際、熱膨張性耐火材84が硬化するまでの間、配線・配管材を支持しておく必要がある。つまり、配線・配管材を支持しておかないと、貫通孔81a内で配線・配管材が移動してしまい、貫通孔81aの内面と配線・配管材との間、又は配線・配管材同士の間に、熱膨張性耐火材84が耐火性能を発揮することができるほどの厚みがない状態で熱膨張性耐火材84が硬化してしまうことがあった。すると、配線・配管材の焼失によって形成された空隙の下部に十分な量の熱膨張性耐火材84が配置されていないことで、空隙の閉塞がすばやく行われない虞があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、貫通部内に熱膨張性耐火充填材を充填した際に、耐火性能を十分に発揮することができる貫通部の耐火構造を提供することにある。
上記問題点を解決する貫通部の耐火構造は、建築物の防火区画体を厚み方向に貫通して形成された貫通部に配線・配管材が挿通され、前記貫通部の内面と前記配線・配管材の外面との間に熱膨張性耐火充填材が充填されてなる貫通部の耐火構造であって、前記貫通部の内周と前記配線・配管材との間で、火災の熱によって膨張するシート状の耐火材が前記貫通部の内周に配置され、前記耐火材と前記配線・配管材との間にペースト状の熱膨張性耐火充填材が充填されてなることを要旨とする。
上記問題点を解決する貫通部の耐火構造は、建築物の防火区画体を厚み方向に貫通して形成された貫通部に複数の配線・配管材が挿通され、前記貫通部の内面と前記複数の配線・配管材の外面との間に熱膨張性耐火充填材が充填されてなる貫通部の耐火構造であって、前記貫通部の内周と前記複数の配線・配管材との間、及び前記複数の配線・配管材の間で、火災の熱によって膨張するシート状の耐火材が前記貫通部の内周及び前記複数の配線・配管材の間に配置され、前記耐火材と前記複数の配線・配管材との間、及び前記貫通部と前記複数の配線・配管材との間にペースト状の熱膨張性耐火充填材が充填されてなることを要旨とする。
上記貫通部の耐火構造について、前記耐火材は、ペースト状から弾性を有する状態に硬化する熱膨張性耐火充填材を、平板シート状に硬化させて形成されることが好ましい。
上記貫通部の耐火構造について、前記耐火材において、前記貫通部の奥行き方向に沿った長さは、前記貫通部の奥行き方向において前記耐火材が耐火性能を発揮するために必要な長さよりも少なくとも同一以上に形成されていることが好ましい。
上記貫通部の耐火構造について、前記耐火材において、前記貫通部の奥行き方向一端側に、ペースト状の熱膨張性耐火充填材を受ける受け部が一体成形されていることが好ましい。
本発明によれば、貫通部内に熱膨張性耐火充填材を充填した際に、耐火性能を十分に発揮することができる。
貫通部の耐火構造を示す断面図。 貫通部の耐火構造を示す正面図。 (a),(b)は、耐火シートを示す斜視図。 耐火シートの別例を示す斜視図。 貫通部の耐火構造の別例を示す正面図。 背景技術を示す図。
以下、貫通部の耐火構造を具体化した一実施形態を図1〜図3に従って説明する。
まず、防火区画体としての防火区画壁Wについて説明する。
図1に示すように、防火区画壁Wには、配線・配管材としての電線管Pを防火区画壁Wの厚み方向に貫通させるための四角(長方形)孔状の貫通孔Waが防火区画壁Wの厚み方向に貫通して形成されている。そして、本実施形態では、貫通孔Waそのものによって貫通部が形成されている。なお、防火区画壁Wは、コンクリート壁である。
次に、貫通孔Waに充填される熱膨張性耐火充填材31について説明する。
図1に示す熱膨張性耐火充填材31は、シーリング材に熱膨張性材を混合してなるものであり、ペースト状をなすものである。また、熱膨張性耐火充填材31は、300℃以上の熱を受けると体積が加熱前の2倍以上に膨張するものである。また、熱膨張性耐火充填材31は、ペースト状から弾性を有する状態に硬化するものである。
次に、防火区画壁Wにおける貫通部の耐火構造を形成するため、貫通孔Waの内周に配置される耐火材としての耐火シート11について説明する。
図3(a)に示す耐火シート11は、熱膨張性耐火充填材31と同一材料の熱膨張性材を、予め平板シート状に硬化して形成されたものである。
また、耐火シート11の長手方向に延びる長さN1は、防火区画壁Wの貫通孔Waにおける長さ方向への長さと略同一とされている。一方、耐火シート11の短手方向に延びる長さは、長さN2とされている。この長さN2は、貫通孔Waの奥行き方向において、耐火シート11が耐火性能を発揮することができる長さとされている。一方、耐火シート11の厚みは、長さN3とされている。この長さN3は、熱膨張性材が膨張して耐火性能を発揮するために必要な長さと略同一の長さとされている。つまり、熱膨張性材は、火災等によって発生した熱によって膨張し、電線管Pが焼失したことで形成された空隙を閉塞しなければならない。よって、耐火シート11の厚みを長さN3とすることで、電線管Pが焼失したことで形成された空隙を閉鎖するよう、耐火シート11が膨張し、耐火性能を発揮することができる。
また、耐火シート11の長手方向に延びる長さN1、耐火シート11の短手方向に延びる長さN2により、貫通孔Waの内部において電線管Pが耐火シート11によって支持されることになる。これにより、貫通孔Waの長さ方向や奥行き方向において、耐火シート11の厚みにより電線管Pが支持される。よって、電線管Pが焼失したことで形成された空隙を閉鎖するよう、電線管Pの重力方向下方から耐火シート11が膨張し、耐火性能を発揮することができる。なお、「耐火性能を発揮することができる耐火シート11の厚み」とは、電線管Pの焼失により形成された空隙をすばやく閉塞することのできる厚みを指す。一方、「耐火性能を発揮することができる耐火シート11の短手方向に延びる長さ」とは、電線管Pの焼失により形成された空隙をすばやく閉塞することができるとともに、火災の広がりに十分耐え得る長さを指す。
次に、防火区画壁Wにおける貫通部の耐火構造を形成するため、電線管Pの間に配置される耐火材としての耐火シート21について説明する。
図3(b)に示す耐火シート21は、熱膨張性耐火充填材31と同一材料の熱膨張性材を、予め平板シート状に硬化して形成されたものである。なお、耐火シート21の長手方向に延びる長さは、耐火シート11の長手方向に延びる長さN1と同一である。また、耐火シート21の短手方向に延びる長さは、耐火シート11の短手方向に延びる長さN2と同一である。一方、耐火シート21の厚みは、耐火シート11の厚みよりも長い「長さN4」とされている。
次に、貫通孔Waの耐火構造について説明する。
図1及び図2に示すように、貫通孔Waには、該貫通孔Waの左内面W1、右内面W2、及び下内面W3を覆うように耐火シート11が配置されている。さらに、貫通孔Waには該貫通孔Waの長さ方向に亘って複数本の電線管Pが、防火区画壁Wを厚み方向に貫通するように配置されているとともに、貫通孔Waの高さ方向に亘って複数本の電線管Pが複数段をなすように配置されている。そして、各段の間には、耐火シート21が介在するように配置されている。つまり、貫通孔Waの内周と電線管Pとの間に、耐火シート11が配置されるとともに、複数の電線管Pの間に、耐火シート21が配置されることになる。また、各耐火シート11は、耐火シート11と耐火シート11との間に充填空間Kaを空けて、電線管Pの周方向の全体に亘って取り囲んでいる。
充填空間Kaは、防火区画壁Wの開口部Wbによって開放されている。そして、充填空間Kaには開口部Wbから熱膨張性耐火充填材31が充填されるとともに、この熱膨張性耐火充填材31によって充填空間Kaが閉塞されている。つまり、熱膨張性耐火充填材31は、耐火シート11と電線管Pとの間、貫通孔Waと複数の電線管Pとの間に充填されていることになる。熱膨張性耐火充填材31は、貫通孔Wa全体に満たされている。
次に、耐火シート11,21及び耐火構造の作用について、耐火構造の形成方法とともに記載する。
まず、貫通孔Waの左内面W1、右内面W2、及び下内面W3を覆うように耐火シート11を配置する。次に、貫通孔Waに電線管Pを挿通する。このとき、下内面W3を覆うように配置した耐火シート11の上に複数本の電線管Pを配置し、電線管Pの配置が終了したのであれば、配置した電線管Pに被せるように、貫通孔Waの長さ方向において耐火シート21を配置する。以降、所望の本数の電線管Pの配置が終了するまで、電線管Pの配置と耐火シート21の配置とを繰り返し行う。
続いて、図示しないコーキングガンを使用して、開口部Wbから充填空間Kaに熱膨張性耐火充填材31を充填する。貫通孔Waにおいて、電線管Pの重力方向下方には、耐火シート11,21が配置されていることになる。このため、熱膨張性耐火充填材31が硬化する前に、電線管P自身の重みにより、電線管Pが重力方向下側に向けて移動したとしても、電線管Pの重力方向下方には耐火シート11,21が配置されていることにより、電線管Pが耐火シート11,21によって支持され、下内面W3まで沈み込まない。そして、時間経過とともに熱膨張性耐火充填材31が硬化する。
このように構成された防火区画壁Wの表面側で火災等が発生すると、電線管Pやその他のものの燃焼により煙が発生する。このとき、貫通孔Waは、熱膨張性耐火充填材31により閉塞されているため、貫通孔Waが煙の経路となることが防止され、防火区画壁W内へ煙が伝わる不都合がなくなる。
さらに、電線管Pが燃焼し、火災等や燃焼により発生した熱により熱膨張性耐火充填材31が加熱される。電線管Pによって押し潰された状態で熱膨張性耐火充填材31が硬化したことで、電線管Pの重力方向下方に位置する熱膨張性耐火充填材31の量が少ない場合であっても、電線管Pの重力方向下方には、耐火シート11,21が配置されていることになる。そして、耐火シート11,21は、電線管Pが焼失したことで形成された空隙を閉鎖するように膨張可能な厚みとされるとともに、熱膨張性耐火充填材31と同じ材料で形成されているため、熱膨張性耐火充填材31と同じく膨張し、空隙を閉鎖することになる。
さらに、耐火シート11,21の短手方向に延びる長さN2は、貫通孔Waの奥行き方向において、耐火シート11が耐火性能を発揮することができる長さとされている。これにより、貫通孔Waの長さ方向に配置した複数本の電線管Pの重力方向下方には必ず耐火シート11,21が配置されていることになるので、電線管Pが耐火シート11,21によって支持され、電線管Pが焼失したことで形成された空隙を閉鎖するよう、電線管Pの重力方向下方から耐火シート11,21が膨張することが可能となる。
そして、熱膨張性耐火充填材31が加熱されると、熱膨張性耐火充填材31が貫通孔Waの径方向及び軸方向に向けて膨張し、電線管Pが焼失したことで形成された空隙を密封閉鎖する。具体的には、電線管Pの外周に充填された熱膨張性耐火充填材31と、電線管Pの重力方向下方に位置する耐火シート11,21によって、電線管Pが焼失したことで形成された空隙が、速やかに密封閉鎖される。その結果、電線管Pの外周面と貫通孔Waの内周面との間が熱、煙の経路となり、防火区画壁Wの壁表面側へ熱、煙が伝わる不都合がなくなる。
また、貫通孔Waの内周に配置される耐火シート11は、該耐火シート11の側面のうち、最も平面形状の大きい一方の面全体が貫通孔Waの内面に当接しているため、貫通孔Waの内方に向けてのみ膨張する。一方、複数の電線管Pの間に配置される耐火シート21は、該耐火シート11の側面のうち最も平面形状の大きい面の一部に電線管Pが当接しているだけであるため、貫通孔Waの内方及び外方に向けて膨張する。このとき、耐火シート11の厚み(長さN3)よりも耐火シート21の厚み(長さN4)を厚くしたことで、耐火シート11よりも耐火シート21の膨張量の方が多いことになる。
加えて、耐火シート11,21は、熱膨張性耐火充填材31と同一の熱膨張性材より形成されている。これにより、耐火シート11,21と熱膨張性耐火充填材31がひと纏まりとなり易くなる。よって、電線管Pによって押し潰されたことで、電線管Pの重力方向下方に位置する熱膨張性耐火充填材31の量が少なくなったとしても、耐火シート11,21が熱膨張性耐火充填材31と同じ機能を持つことになる。これにより、熱膨張性耐火充填材31及び耐火シート11,21の膨張によって、電線管Pの外周面と貫通孔Waの内周面との間が熱、煙の経路となり、防火区画壁Wの壁表面側へ熱、煙が伝わる不都合がなくなる。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)熱膨張性耐火充填材31が硬化するまでの間に電線管Pが移動してしまったとしても、電線管Pと貫通孔Waの間に、耐火シート11が介在することになる。よって、熱膨張性耐火充填材31が硬化するまでの間に電線管Pが移動し、電線管Pと貫通孔Waの間に十分な量の熱膨張性耐火充填材31が配置されていなかったとしても、耐火シート11を介在させたことで、耐火シート11が熱膨張性耐火充填材31と同じ働きをすることになる。よって、貫通孔Wa内に熱膨張性耐火充填材31を充填した際に、熱膨張性耐火充填材31が電線管Pによって押し潰されたとしても、貫通孔Wa内部において耐火性能を十分に発揮することができる。
(2)熱膨張性耐火充填材31が硬化するまでの間に複数の電線管Pが移動してしまったとしても、各電線管Pの間に、耐火シート21が介在することになる。よって、熱膨張性耐火充填材31が硬化するまでの間に電線管Pが移動し、電線管Pの間に十分な量の熱膨張性耐火充填材31が配置されていなかったとしても、耐火シート21を介在させたことで、耐火シート21が熱膨張性耐火充填材31と同じ働きをすることになる。よって、貫通孔Wa内に熱膨張性耐火充填材31を充填した際に、熱膨張性耐火充填材31が電線管Pによって押し潰されたとしても、貫通孔Wa内部において耐火性能を十分に発揮することができる。
(3)熱膨張性耐火充填材31が硬化するまでの間に複数の電線管Pが移動してしまったとしても、電線管Pと貫通孔Waの間に耐火シート11が介在する一方で、各電線管Pの間に耐火シート21が介在することになる。よって、熱膨張性耐火充填材31が硬化するまでの間に電線管Pが移動し、電線管Pと貫通孔Waの間、及び電線管Pの間に十分な量の熱膨張性耐火充填材31が配置されていなかったとしても、耐火シート11,21を介在させたことで、耐火シート11,21が熱膨張性耐火充填材31と同じ働きをすることになる。よって、貫通孔Wa内に熱膨張性耐火充填材31を充填した際に、熱膨張性耐火充填材31が電線管Pによって押し潰されたとしても、貫通孔Wa内部において耐火性能を十分に発揮することができる。
(4)耐火シート11,21を、ペースト状から弾性を有する状態に硬化する熱膨張性耐火充填材31を平板シート状に硬化して形成したことで、電線管Pの重力方向下方に耐火シート11,21を配置するだけで、電線管Pの重力方向下方には、必ず所定の厚みを持つ耐火シート11,21が存在することになる。そして、耐火シート11,21を熱膨張性材を硬化させて形成したことで、耐火シート11,21も熱膨張性を有することになるので、耐火シート11,21の膨張によって、電線管Pの外周面と貫通孔Waの内周面との間が熱、煙の経路となり、防火区画壁Wの壁表面側へ熱、煙が伝わる不都合がなくなる。
(5)耐火シート11,21を熱膨張性耐火充填材31と同じ材料で形成したことで、火災等で発生した熱などによって耐火シート11,21と熱膨張性耐火充填材31をひと纏まりにし易くすることができる。これにより、電線管Pの重力方向下方に位置する熱膨張性耐火充填材31の量が少なくなったとしても、耐火シート11,21が熱膨張性耐火充填材31と同じ機能を持つことになる。これにより、耐火シート11,21の膨張によって、電線管Pの外周面と貫通孔Waの内周面との間が熱、煙の経路となり、防火区画壁Wの壁表面側へ熱、煙が伝わる不都合がなくなる。
(6)耐火シート11,21の短手方向に延びる長さN2を、貫通孔Waの内部において耐火シート11,21が耐火性能を発揮するために必要な長さとした。これにより、電線管Pが耐火シート11,21によって支持されることになるので、貫通孔Wa内に熱膨張性耐火充填材31を充填した際に、熱膨張性耐火充填材31が電線管Pによって押し潰されたとしても、貫通孔Wa内部において耐火性能を十分に発揮することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○耐火材は、図4に示すように、耐火シート41において、貫通孔Waの奥行き方向一端側に、熱膨張性耐火充填材31を受ける受け部41aが一体成形されているものとしても良い。この受け部41aによって、防火区画壁Wの奥方に熱膨張性耐火充填材31が垂れ落ちることを防止することができる。また、受け部41aが熱膨張性耐火充填材31を受け止めるため、熱膨張性耐火充填材31を充填するとき、熱膨張性耐火充填材31の垂れ落ちを考慮せずに充填作業を行うことができ、熱膨張性耐火充填材31の充填作業を簡単に行うことができる。また、受け部41aは、耐火シート41に対して既に立設された状態としても良いし、受け部41aと耐火シート41が同一平面上に位置するように形成し、使用時において受け部41aを耐火シート41に対して垂直をなすように起こす構成としても良い。
○実施形態における耐火シート11,21の長手方向に沿った長さは、貫通孔Waの長さ方向への長さよりも短くても良い。
○実施形態における耐火シート11,21の短手方向に沿った長さは、貫通孔Waの奥行き方向において耐火シート11,21が耐火性能を発揮することができるだけの長さが確保されているのであれば、如何なる長さであっても良い。例えば、貫通孔Waの奥行き方向への長さと同一であっても良い。
○実施形態における耐火シート11,21は、貫通孔Waの長さ方向において断続的に配置されても良い。
○実施形態における耐火シート11,21は、貫通孔Waの奥行き方向において断続的に配置されても良い。
○実施形態の耐火材は、電線管Pを点接触によって支持するものであっても良い。すなわち、電線管P同士が接触したり、電線管Pの重みで沈み込んで貫通孔Waの内周に接触することを防ぐことができるのであれば、耐火材はシート状でなくても良く、どのような形状をなしていても構わない。
○実施形態の耐火材は、難燃性の熱膨張性材より形成しても良い。該熱膨張性材は、300℃以上の熱を受けると体積が加熱前の2倍以上に膨張する膨張材(膨張黒鉛)を混入し、熱膨張性材を硬化して所定形状に成形した(成形工程を経た)ゴム(熱膨張性ゴム)に加硫工程を経てなるものである。加硫工程とは、成形工程を経たゴムに熱を加え、加硫(架橋)反応や接着反応を起こさせ、ゴム弾性を有する製品を得る工程である。そして、加硫工程を経ることで耐火シート11にゴム性及び可撓性を付与することが可能となる。
○実施形態の耐火シート11,21は、熱膨張性耐火充填材31と異なる材料で形成されていても良い。ただし、電線管P自身の重みで沈み込んだ電線管Pを支持することができるだけの弾性や剛性を備えた材質が好ましい。
○実施形態の耐火シート11,21は、可燃性材料で形成しても良い。ただし、電線管P自身の重みで沈み込んだ電線管Pを支持することができるだけの弾性や剛性を備えた材質が好ましい。
○実施形態では、耐火シート11,21を使い分けなくても良い。
○実施形態の熱膨張性耐火充填材は、貫通孔Waに充填した際に、貫通孔Waの奥方に垂れ落ちない程度の粘性を持つのであれば、ペースト状から弾性を有する状態に硬化しないものであっても良い。
○実施形態の耐火材は、少なくとも電線管Pの重力方向下方に配置されていれば良く、貫通孔Waの左内面W1や右内面W2には配置しなくても良い。
○実施形態の防火区画体は、如何なるものであっても良い。例えば、床でも良いし、複数の間柱と、それら間柱の前後に立設される壁材とからなる中空壁としても良い。なお、防火区画体を中空壁とする場合、中空壁の貫通孔に充填した熱膨張性耐火充填材31が、中空壁の奥方に垂れ落ちる可能性があるため、図4に示す耐火シート41を用いることが望ましい。
○実施形態では、貫通孔Waを四角孔状に形成したが、貫通孔Waは、図5に示すように円孔状に形成しても良い。この場合、図5に示すように、まず、円孔状の貫通孔Waの内周に沿って耐火シート11を配置する。次に、貫通孔Waに複数本の電線管Pを挿通する。そして、電線管Pの配置が終了したのであれば、配置した電線管Pに被せるように、貫通孔Waの長さ方向において新たな耐火シート21を配置する。以降、所望の本数の電線管Pの配置が終了するまで、電線管Pの配置と耐火シート21の配置とを繰り返し行うことになる。また、貫通孔Waは多角孔状であっても良いし、楕円孔状であっても良い。
○実施形態において、貫通孔Wa内に複数段に亘って電線管Pを配置させる場合、貫通孔Waの内周に耐火シート11を配置しなくても良く、電線管Pと電線管Pとの間にだけ、耐火シート21を配置させれば良い。
○実施形態において、貫通孔Wa内に電線管Pを一段しか配置させなくても良い。この場合、実施形態のように電線管Pの間に耐火シート21を介在させる必要がなくなる。つまり、貫通孔Waに配置される電線管Pの本数に合わせて、耐火シート21の配置態様を異ならせても良い。
○実施形態における充填材は、耐火性を有する発泡性材料であっても良い。また、コーキング材であっても良い。
○実施形態では、配線・配管材を電線管Pに具体化したが、配線・配管材はケーブルやその他の管材に具体化しても良い。
N1〜N4…長さ、P…配線・配管材としての電線管、W…防火区画体としての防火区画壁、Wa…貫通孔、11,21…耐火材としての耐火シート、31…熱膨張性耐火充填材、41a…受け部。

Claims (5)

  1. 建築物の防火区画体を厚み方向に貫通して形成された貫通部に配線・配管材が挿通され、前記貫通部の内面と前記配線・配管材の外面との間に熱膨張性耐火充填材が充填されてなる貫通部の耐火構造であって、
    前記貫通部の内周と前記配線・配管材との間で、火災の熱によって膨張するシート状の耐火材が前記貫通部の内周に配置され、
    前記耐火材と前記配線・配管材との間にペースト状の熱膨張性耐火充填材が充填されてなる貫通部の耐火構造。
  2. 建築物の防火区画体を厚み方向に貫通して形成された貫通部に複数の配線・配管材が挿通され、前記貫通部の内面と前記複数の配線・配管材の外面との間に熱膨張性耐火充填材が充填されてなる貫通部の耐火構造であって、
    前記貫通部の内周と前記複数の配線・配管材との間、及び前記複数の配線・配管材の間で、火災の熱によって膨張するシート状の耐火材が前記貫通部の内周及び前記複数の配線・配管材の間に配置され、
    前記耐火材と前記複数の配線・配管材との間、及び前記貫通部と前記複数の配線・配管材との間にペースト状の熱膨張性耐火充填材が充填されてなる貫通部の耐火構造。
  3. 前記耐火材は、ペースト状から弾性を有する状態に硬化する熱膨張性耐火充填材を、平板シート状に硬化させて形成される請求項1又は請求項2に記載の貫通部の耐火構造。
  4. 前記耐火材において、前記貫通部の奥行き方向に沿った長さは、前記貫通部の奥行き方向において前記耐火材が耐火性能を発揮するために必要な長さよりも少なくとも同一以上に形成されている請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の貫通部の耐火構造。
  5. 前記耐火材において、前記貫通部の奥行き方向一端側に、ペースト状の熱膨張性耐火充填材を受ける受け部が一体成形されている請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の貫通部の耐火構造。
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