JP2014128688A - 貫通孔防火措置構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】火災前後での防火性能の低下率を効果的に低減し得る貫通孔防火措置材及び貫通孔防火措置構造を提供する。
【解決手段】区画体Yに形成された貫通孔Hの内周面とこれに挿通された挿通体Pの外面との間の隙間に装填される、若しくは、その隙間に対応する区画体Yの外面側に配設される貫通孔防火措置材Tであって、可撓性と不燃性とを有する不燃材層1と、可撓性と耐火性と熱膨張性とを有する耐火熱膨張材層2とを備える複層構造に構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、壁・床・天井などの区画体に形成された貫通孔や区画体に貫通固定された金属製スリーブをもって形成される貫通孔など、区画体に形成された貫通孔の内周面とこれに挿通される配管やケーブル等の挿通体の外面との間の隙間を通じての火炎や熱の漏洩を抑止するための貫通孔防火措置材及び貫通孔防火措置構造に関する。
この種の貫通孔防火措置材としては、ロックウール(不燃材の一例)に未焼成バーミキュライト粉末(熱膨張性材の一例)を混在させた熱膨張性部材の多数枚が、PE素材等からなる袋体に積層状態で収容されたものが知られている(下記特許文献1参照)。
つまり、当該貫通孔防火措置材は、貫通孔の内周面と挿通体の外面との間の隙間などに装填された状態で火災が発生したとき、袋体に内装された全ての熱膨張性材が火災時の熱で膨張することによって、挿通体の燃焼(或いは、溶融)に伴い発生した新たな空間(すなわち、熱膨張性部材が装填されていなかった空間)を閉塞する。
特開2007−32631号公報
ところが、熱膨張性材は熱膨張時の低密度化によって非常に脆くなる性質があるため、基本的に熱膨張性材のみから構成されている上記従来の貫通孔防火措置材では、火災時の熱膨張性材の低密度化に伴い防火性能が著しく低下し、そのことで、火災後に防火性能が極端に悪くなる問題があった。
本発明は、上述の実情に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、火災前後での防火性能の低下率を効果的に低減し得る貫通孔防火措置材及び貫通孔防火措置構造を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は貫通孔防火措置部材に係り、その特徴は、
区画体に形成された貫通孔の内周面とこれに挿通された挿通体の外面との間の隙間に装填される、若しくは、その隙間に対応する区画体の外面側に配設される貫通孔防火措置材であって、
可撓性と不燃性とを有する不燃材層と、可撓性と耐火性と熱膨張性とを有する耐火熱膨張材層とを備える複層構造に構成されている点にある。
つまり、不燃材層については、火災後でも熱膨張による低密度化が生じないことから、上記構成によれば、不燃材層と耐火熱膨張材層とが貫通孔の径方向で積層する状態に装填又は配設することによって、その不燃材層の存在分だけ、火災時の耐火熱膨張層の低密度化に伴う防火措置部位全体としての低密度化体積を小さくすることができ、これにより、火災前後での防火性能の低下率を効果的に低減することができる。
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成の実施に好適な構成を特定するものであり、その特徴は、
前記耐火熱膨張材層が、非不燃性の素材から構成されている点にある。
つまり、耐火熱膨張材層が非不燃性の素材から構成されている場合には、耐火熱膨張材層が不燃性の素材から構成されている場合に比べて熱膨張率を高くすることができることが知られている。
そのため、上記構成によれば、耐火熱膨張材層が不燃性の素材から構成されている場合に比べて熱膨張率を高くできるから、その分、全体に占める耐火熱膨張材層の体積比を小さくすることができて、全体に占める不燃材層の体積比を大きくすることができる。
したがって、火災時の耐火熱膨張層の低密度化に伴う防火措置部位全体としての低密度化体積を一層小さくすることができ、これにより、火災前後での防火性能の低下率を一層効果的に低減することができる。
本発明の第3特徴構成は貫通孔防火措置構造に係り、その特徴は、
区画体に形成された貫通孔の内周面とこれに挿通された挿通体の外面との間の隙間又はその隙間に対応する区画体の外面側に、可撓性と不燃性とを有する不燃材と、可撓性と耐火性と熱膨張性とを有する耐火熱膨張材とが貫通孔の径方向に積層されている点にある。
つまり、不燃材層については、火災後でも熱膨張による低密度化が生じないことから、上記構成によれば、不燃材層の存在分だけ、火災時の耐火熱膨張層の低密度化に伴う防火措置部位全体としての低密度化体積を小さくすることができ、これにより、火災前後での防火性能の低下率を効果的に低減することができる。
本発明の第4特徴構成は、第3特徴構成の実施に好適な構成であり、その特徴は、
前記不燃材と前記耐火熱膨張材とが、耐火熱膨張材を挿通体の外面に対面させる状態で積層されている点にある。
上記構成によれば、火災時において挿通体の燃焼(或いは、溶融)に伴い発生した新たな空間を、挿通体の外面に対面する耐火熱膨張材の熱膨張部分で直接的に閉塞することができるから、例えば、挿通体の外面に対面する別部材を介して耐火熱膨張部材の膨張圧力で間接的に閉塞する場合に比べ、閉塞精度及び閉塞速度を効果的に高めることができる。
本発明の第5特徴構成は、第3又は第4特徴構成の実施に好適な構成であり、その特徴は、
前記耐火熱膨張材が、貫通孔の径方向において複数の耐火熱膨張材層を分散形成する状態で積層されている点にある。
上記構成によれば、火災時の耐火熱膨張材の低密度化に伴う低密度化部分を貫通孔の径方向で分散させることができるから、低密度化部分が偏って一体的に構成される場合に比べ、低密度化部分の一部が脱落する不具合の発生確率を効果的に低くすることができる。
第1実施形態における貫通孔防火措置構造の側面断面図 第1実施形態における貫通孔防火措置材の説明図 第1実施形態における貫通孔防火措置工法を示す説明図 第2実施形態における貫通孔防火措置構造の側面断面図 環状保持枠の分解図 第2実施形態における貫通孔防火措置工法を示す説明図 その他の実施形態における貫通孔防火措置材の説明図
〔第1実施形態〕
図1は、床スラブY(区画体の一例)に形成された貫通孔Hの内周面とこれに挿通された束状の配管P(挿通体の一例)の外面との間の隙間Sに可撓性の貫通孔防火措置材Tを装填した貫通孔防火措置構造を示す。
貫通孔防火措置材Tは、可撓性と不燃性とを有する不燃材層1と、可撓性と耐火性と熱膨張性とを有する耐火熱膨張材層2とを積層した二層構造(不燃材層1と耐火熱膨張材層2を備える複層構造の一例)に構成されている。
そして、この貫通孔防火措置構造では、貫通孔防火措置材Tが耐火熱膨張材層2の側が内側となる姿勢において金属製の受け部材4により受け止め支持された状態で隙間Sに装填されている。
当該貫通孔防火措置材Tは、図2に示すように、不燃材層1を構成する帯状の不燃材1aと、耐火熱膨張材層2を構成する帯状の耐火熱膨張材2aとを厚み方向に積層した状態で長尺の細長い袋体3(拘束手段の一例)に収容して構成されている。貫通孔防火措置材Tの長さ寸法は、配管Pの全周を一層巻きし得る長さ以上、本例では、約2層巻きし得る長さ寸法で構成されている。
耐火熱膨張材2aは、合成樹脂やゴム等の可撓性と耐火性を有するベース材(非不燃性の素材の一例)に未焼成バーミキュライト粉末(熱膨張性基材の一例)を混成して構成されている。熱膨張性基材としては、膨張黒鉛やアルカリ金属ケイ酸塩などであってもよい。一方、不燃材1aは、可撓性と不燃性を有するフェルト状のロックウール(不燃性の素材の一例)から構成されている。
袋体3は、PE等の透光性のシート材から構成されている。つまり、当該貫通孔防火措置材Tは、袋体3を構成するシート材を長円筒状に成形したのち、その長円筒状体に不燃材1aと耐火熱膨張材2aとを積層状態で一端側から挿入し、その後、長円筒状体の両端部3a、3bを熱融着することによって構成される。
受け部材4は、図1、図3に示すように、貫通孔H内に挿入配置されるリング状の受け部4aと、貫通孔Hの周縁部に係合する状態でリング状受け部4aを貫通孔H内で支持するLの字状の複数の(本例では4本)の支持脚4bとから構成されている。
当該リング状受け部4aの周方向の一箇所には、周方向の他箇所側を開閉操作するためのヒンジ部4dが構成されている。また、支持脚4bの屈折端部の各々には、ビスやネジ等の固定手段K(図示しない)で受け部材4を床スラブYに固定するための取付孔4eが貫通形成されている。
上記の貫通孔防火措置構造を構成するには、図3(a)〜(b)に示すように、受け部材4のリング状受け部4aを開いた状態で配管Pに近接させ、配管Pをリング状受け部4aの内側に位置させる。
次に、図3(b)〜(c)に示すように、リング状受け部4aを閉じた状態で受け部材4を配管Pに沿って貫通孔Hの内部に挿入し、各支持脚4bの屈折端部と貫通孔Hの周縁部との係合により受け部材4を位置決めしたのち、各支持脚4bの屈折端部に形成された取付孔4eに挿通させる状態でビスやネジ等の固定手段Kを床スラブYに固定することによって、受け部材4を床スラブYに固定する。
その後、図3(c)に示すように、不燃材層1と耐火熱膨張材層2との積層方向が貫通孔Hの径方向に沿う姿勢で貫通孔防火措置材Tを配管Pの外周面に巻き付ける。
そして、図3(c)〜(d)に示すように、配管Pの外周面に巻き付けた状態の貫通孔防火措置材Tを配管Pに沿って貫通孔Hの側に移動させて、貫通孔防火措置材Tを隙間Sに装填し、図1に示す如き貫通孔防火措置構造が完成する。
なお、貫通孔防火措置材Tを隙間Sに装填した状態で、貫通孔防火措置材Tと配管Pの外面との間などに小さな隙間が残存している場合には、適宜、別途用意した小袋状の補助防火措置材tを小隙間に装填すればよい。
すなわち、当該貫通孔防火措置構造では、不燃材層1と耐火熱膨張材層2とが貫通孔Hの径方向で積層されているから、その不燃材層1の存在分だけ、火災時の耐火熱膨張材層2の低密度化に伴う防火措置部位全体での低密度化体積を小さくすることができる。
〔第2実施形態〕
図4は、本発明に係る貫通孔防火措置具の別実施形態を示し、この実施形態では、床スラブY(区画体の一例)に形成された貫通孔Hの内周面とこれに挿通された束状の配管P(挿通体の一例)の外面との間の隙間Sに対応する床スラブYの外面側に可撓性の貫通孔防火措置材Tを配設した貫通孔防火措置構造を示す。
この貫通孔防火措置構造では、貫通孔防火措置材Tが耐火熱膨張材層2の側が内側となる姿勢において金属製の環状保持枠9により拘束保持された状態で隙間Sの外面側に配設されている。なお、本例では、貫通孔防火措置材Tの長さ寸法は、配管Pの全周を3層巻きし得る長さ寸法で構成されている。
環状保持枠9は、床スラブYに対する取付部10を有し、且つ、床スラブYに対する外面側で貫通孔Hから突出する部分に外装可能に構成されている。
当該環状保持枠9は、図4、図5に示すように、配管Pの周方向で複数に分割された複数(本例では二つ)の同形状の分割枠体11、11を略ハの字状の開き姿勢と環状の閉じ姿勢とに姿勢変更自在に連結して構成されている。
具体的には、環状保持枠9は、一方の分割枠体11の一端部5と他方の分割枠体11の他端部6とが配管Pの周方向から係止自在な状態で、一方の分割枠体11の他端部6と他方の分割枠体11の一端部5とを配管Pの軸芯と平行な軸芯周りで回動自在に連結して構成されている。
分割枠体11の各々には、上端側ほど外径が減少する湾曲形状の側面断面形状を有する正面視略半リング形状の周壁部11Aと、その周壁部11Aの上端部から内向きに突出された正面視略半リング形状の天井壁部11Bとが備えられている。
分割枠体11の各々の一端部5における周壁部11Aの下端には、中央部に挿通孔5aが形成された被係止片5Aが連結方向(つまり、配管Pの周方向)に突出されている。一方、分割枠体11の各々の他端部6における周壁部11Aの下端には、挿通孔5aに嵌合可能(係止可能の一例)な下向き突出形状の縁部を有する筒状挿通孔6aが中央部に形成された係止片6Aが連結方向に突出されている。
つまり、分割枠体11は、一方の分割枠体11の一端部5と他方の分割枠体11の他端部6とを夫々対向させた姿勢において、一方の分割枠体11の一端部5における被係止片5Aの挿通孔5aに対し他方の分割枠体11の他端部6における係止片6Aの筒状挿通孔6aを嵌合(係合の一例)させ、且つ、他方の分割枠体11の一端部5における被係止片5Aの挿通孔5aに対し一方の分割枠体11の他端部6における係止片6Aの筒状挿通孔6aを嵌合(係合の一例)させることによって、分割枠体11、11どうしを合体させる状態で環状保持枠9を形成するように構成されている。
そして、上述の如く、分割枠体11、11どうしを合体させた状態において、嵌合状態にある係止片6Aの筒状挿通孔6aと被係止片5Aの挿通孔5aとの連通により形成される複数(本例では2つ)の連通孔10aをもって、環状保持枠9を床スラブYに対しコンクリートネジ等の固定手段Kで取り付け可能な取付部10が構成されている。
また、分割枠体11の他端部6における天井壁部11Bには、係止凸部6bを有する補助係止片6Bが連結方向に突出されているとともに、一端部5における天井壁部11Bの下面には、係止凸部6bに対する被係止凹部5bを有する補助係止受け部5Bが構成されている。
すなわち、分割枠体11、11を合体させた状態で補助係止受け部5Bと補助係止片6Bも係止状態になることによって、被係止片5Aと係止片6Aによる分割枠体11、11どうしの係止状態が解除されるのを抑止するように構成されている。
そして、環状保持枠9の連通孔10aに対する連通状態で回動自在に止着可能なハトメ7を一方の連通孔10aに打つことにより、その連結孔10a部分を可動支点とする状態で分割枠体11、11が回動自在に連結一体化されている。なお、8は、固定手段Kを取付部10に臨ませやすくするために分割枠体11の周壁部11Aの両端部5、6に形成された凹設部である。
上記の貫通孔閉塞構造を構成するには、図6に示すように、不燃材層1と耐火熱膨張材層2との積層方向が貫通孔Hの径方向に沿う姿勢で貫通孔防火措置材Tを隙間Sに対応する床スラブYの外面側で配管Pの外周面に巻き付ける。
次に、環状保持枠9をハの字状の開き姿勢で床スラブYの外面に配置したのち、床スラブYの外面側に位置する貫通孔防火措置材Tの巻き付け体を囲うように環状保持枠9をハの字状の開き姿勢から閉じ姿勢に姿勢変更操作する。その後、一対の固定手段K、Kを閉じ姿勢の環状保持枠9の連通孔10a、10aに挿通する状態で床スラブYの外面に螺入して、貫通孔防火措置構造が完成する。
なお、その他の構成は、第1実施形態で説明した内容と同様であるから、同様の構成箇所には同一の番号を付記して、その説明は省略する。
〔その他の実施形態〕
(1)前述の各実施形態では、耐火熱膨張材層2の側が配管Pの側(つまり、内側)になる姿勢で貫通孔防火措置材Tを配管Pに巻き付ける場合を例に示したが、不燃材層1の側が内側になる姿勢で貫通孔防火措置材Tを配管Pに巻き付けてもよい。
(2)前述の各実施形態で示した貫通孔防火措置構造では、不燃材層1と耐火熱膨張材層2を備える貫通孔防火措置材Tを隙間Sに備え付ける構造を例に示したが、例えば、不燃材層1を備える貫通孔防火措置材と耐火熱膨張材層2を備える貫通孔防火措置材とを別々に隙間Sに備え付ける構造であってもよい。
(3)前述の第1実施形態では、隙間Sに貫通孔防火措置材Tが装填されている構造として、貫通孔防火措置材Tが金属製の受け部材4により受け止め支持された状態で隙間Sに装填されている構造を例に示したが、例えば、貫通孔防火措置材Tが脱落し難い圧縮状態で隙間Sに装填されている構造などであってもよい。
(4)前述の第2実施形態では、隙間Sに対応する区画体の外面側に貫通孔防火措置材Tが配設されている構造として、貫通孔防火措置材Tが金属製の環状保持枠9により拘束保持された状態で隙間Sに対応する区画体の外面側に配設されている構造を例に示したが、例えば、区画体から両端部が突出する状態で区画体に貫通固定された金属製スリーブの端部に貫通孔防火措置材Tが挿設されている構造などであってもよい。
(5)前述の各実施形態では、拘束手段として、不燃材1aと耐火熱膨張材2aとを収容する袋体3を例に示したが、不燃材1aと耐火熱膨張材2aを接着する接着剤や粘着テープ、或いは、不燃材1aと耐火熱膨張材2aを拘束保持する紐、ゴムなどであってもよい。
(6)前述の各実施形態では、貫通孔防火措置材Tの長さが挿通体の全周を一層巻きし得る長さよりも大なる長さ寸法で構成されている場合を例に示したが、それよりも小なる長さ寸法や大なる長さ寸法、或いは、丁度一層巻きし得る長さ寸法などで構成されていてもよい。
(7)前述の各実施形態の改良として、貫通孔防火措置材Tが、袋体3の長手方向の適宜箇所を熱融着し、その熱融着箇所(被切断箇所の一例)で切断分離可能に構成されていてもよい。例えば、図7(a)に示すように、袋体3の長手方向の等間隔に被切断箇所3dが形成されていたり、或いは、図7(b)に示すように、配管径や配管数などに対応した適所に被切断箇所3dが形成されていたりしてもよい。また、これらの場合、不燃材層1と耐火熱膨張材層2の積層順序を長手方向で順次に入れ替えるようにしてもよい。
(8)前述の各実施形態では、貫通孔防火措置材Tが、不燃材層1と耐火熱膨張材層2とを積層した二層構造に構成されている場合を例に示したが、不燃材層1の一層又は複数層と耐火熱膨張材層2の一層又は複数層とを備える二層以上の複層構造、或いは、不燃材層1や耐火熱膨張材層2とは別の組成の層を含む複層構造などであってもよい。
(9)前述の各実施形態では、区画体が床スラブYである場合を例に示したが、側壁や天井壁などであってもよい。
(10)前述の各実施形態では、挿通体が複数本を束にした束状の配管Pである場合を例に示したが、1本の配管や1本のケーブル又は束状のケーブル、或いは、1本又は束状のパイプなどであってもよい。
(11)不燃材1aは、前述の各実施形態で示したロックウールに限らず、炭酸カルシウム等を主成分とする防火用のパテ剤等であってもよい。
Y 区画体(床スラブ)
H 貫通孔
P 挿通体(配管)
S 隙間
T 貫通孔防火措置材
1 不燃材層
2 耐火熱膨張材層
1a 不燃材
2a 耐火熱膨張材
本発明は、壁・床・天井などの区画体に形成された貫通孔や区画体に貫通固定された金属製スリーブをもって形成される貫通孔など、区画体に形成された貫通孔の内周面とこれに挿通される配管やケーブル等の挿通体の外面との間の隙間を通じての火炎や熱の漏洩を抑止するための貫通孔防火措置構造に関する。
この種の貫通孔防火措置材としては、ロックウール(不燃材の一例)に未焼成バーミキュライト粉末(熱膨張性材の一例)を混在させた熱膨張性部材の多数枚が、PE素材等からなる袋体に積層状態で収容されたものが知られている(下記特許文献1参照)。
つまり、当該貫通孔防火措置材は、貫通孔の内周面と挿通体の外面との間の隙間などに装填された状態で火災が発生したとき、袋体に内装された全ての熱膨張性材が火災時の熱で膨張することによって、挿通体の燃焼(或いは、溶融)に伴い発生した新たな空間(すなわち、熱膨張性部材が装填されていなかった空間)を閉塞する。
特開2007−32631号公報
ところが、熱膨張性材は熱膨張時の低密度化によって非常に脆くなる性質があるため、基本的に熱膨張性材のみから構成されている上記従来の貫通孔防火措置材では、火災時の熱膨張性材の低密度化に伴い防火性能が著しく低下し、そのことで、火災後に防火性能が極端に悪くなる問題があった。
本発明は、上述の実情に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、火災前後での防火性能の低下率を効果的に低減し得る貫通孔防火措置構造を提供する点にある。
本発明は貫通孔防火措置構造に係り、その特徴構成は、
区画体に形成された貫通孔の内周面とこれに挿通された挿通体の外面との間の隙間に対応する区画体の外面側に、可撓性と不燃性とを有する不燃材と、可撓性と耐火性と熱膨張性とを有する耐火熱膨張材を別々に備える貫通孔防火措置材、前記不燃材層と前記耐火熱膨張材層とが前記貫通孔の径方向に積層された状態で、且つ、前記区画体の外面に取り付けられる環状保持枠により保持された状態で、前記挿通体の外周に配置されている点にある。
つまり、環状保持枠によって保持される貫通孔防火措置材に別々に備えられる不燃材層及び耐火熱膨張材層のうち、不燃材層については、火災後でも熱膨張による低密度化が生じない。このことから、上記構成によれば、不燃材層の存在分だけ、火災時の耐火熱膨張層の低密度化に伴う防火措置部位全体としての低密度化体積を小さくすることができる。これにより、火災前後での防火性能の低下率を効果的に低減することができる。
本発明において、前記不燃材層が、前記環状保持枠の内周面に対面する状態で配置されていることが好ましい。
本発明において、前記耐火熱膨張材層が、前記挿通体の外面に対面する状態で配置されていることが好ましい。
本発明において、前記環状保持枠が、前記貫通孔防火措置材の外面側を覆う周壁部と、前記周壁部の上端部から内向きに突出形成されて前記貫通孔防火措置材の上面側の一部を覆う天井壁部と、を有することが好ましい。
本発明において、前記環状保持枠が、前記周壁部の下端部に突出形成された被係止部により、前記区画体の外面に取り付けられていることが好ましい。
本発明において、前記環状保持枠が、前記挿通体の周方向に分割形成された、互いに係脱可能な複数の分割枠体で構成されていることが好ましい。
第1実施形態における貫通孔防火措置構造の側面断面図 第1実施形態における貫通孔防火措置材の説明図 第1実施形態における貫通孔防火措置工法を示す説明図 第2実施形態における貫通孔防火措置構造の側面断面図 環状保持枠の分解図 第2実施形態における貫通孔防火措置工法を示す説明図 その他の実施形態における貫通孔防火措置材の説明図
〔第1実施形態〕
図1は、床スラブY(区画体の一例)に形成された貫通孔Hの内周面とこれに挿通された束状の配管P(挿通体の一例)の外面との間の隙間Sに可撓性の貫通孔防火措置材Tを装填した貫通孔防火措置構造を示す。
貫通孔防火措置材Tは、可撓性と不燃性とを有する不燃材層1と、可撓性と耐火性と熱膨張性とを有する耐火熱膨張材層2とを積層した二層構造(不燃材層1と耐火熱膨張材層2を備える複層構造の一例)に構成されている。
そして、この貫通孔防火措置構造では、貫通孔防火措置材Tが耐火熱膨張材層2の側が内側となる姿勢において金属製の受け部材4により受け止め支持された状態で隙間Sに装填されている。
当該貫通孔防火措置材Tは、図2に示すように、不燃材層1を構成する帯状の不燃材1aと、耐火熱膨張材層2を構成する帯状の耐火熱膨張材2aとを厚み方向に積層した状態で長尺の細長い袋体3(拘束手段の一例)に収容して構成されている。貫通孔防火措置材Tの長さ寸法は、配管Pの全周を一層巻きし得る長さ以上、本例では、約2層巻きし得る長さ寸法で構成されている。
耐火熱膨張材2aは、合成樹脂やゴム等の可撓性と耐火性を有するベース材(非不燃性の素材の一例)に未焼成バーミキュライト粉末(熱膨張性基材の一例)を混成して構成されている。熱膨張性基材としては、膨張黒鉛やアルカリ金属ケイ酸塩などであってもよい。一方、不燃材1aは、可撓性と不燃性を有するフェルト状のロックウール(不燃性の素材の一例)から構成されている。
袋体3は、PE等の透光性のシート材から構成されている。つまり、当該貫通孔防火措置材Tは、袋体3を構成するシート材を長円筒状に成形したのち、その長円筒状体に不燃材1aと耐火熱膨張材2aとを積層状態で一端側から挿入し、その後、長円筒状体の両端部3a、3bを熱融着することによって構成される。
受け部材4は、図1、図3に示すように、貫通孔H内に挿入配置されるリング状の受け部4aと、貫通孔Hの周縁部に係合する状態でリング状受け部4aを貫通孔H内で支持するLの字状の複数の(本例では4本)の支持脚4bとから構成されている。
当該リング状受け部4aの周方向の一箇所には、周方向の他箇所側を開閉操作するためのヒンジ部4dが構成されている。また、支持脚4bの屈折端部の各々には、ビスやネジ等の固定手段K(図示しない)で受け部材4を床スラブYに固定するための取付孔4eが貫通形成されている。
上記の貫通孔防火措置構造を構成するには、図3(a)〜(b)に示すように、受け部材4のリング状受け部4aを開いた状態で配管Pに近接させ、配管Pをリング状受け部4aの内側に位置させる。
次に、図3(b)〜(c)に示すように、リング状受け部4aを閉じた状態で受け部材4を配管Pに沿って貫通孔Hの内部に挿入し、各支持脚4bの屈折端部と貫通孔Hの周縁部との係合により受け部材4を位置決めしたのち、各支持脚4bの屈折端部に形成された取付孔4eに挿通させる状態でビスやネジ等の固定手段Kを床スラブYに固定することによって、受け部材4を床スラブYに固定する。
その後、図3(c)に示すように、不燃材層1と耐火熱膨張材層2との積層方向が貫通孔Hの径方向に沿う姿勢で貫通孔防火措置材Tを配管Pの外周面に巻き付ける。
そして、図3(c)〜(d)に示すように、配管Pの外周面に巻き付けた状態の貫通孔防火措置材Tを配管Pに沿って貫通孔Hの側に移動させて、貫通孔防火措置材Tを隙間Sに装填し、図1に示す如き貫通孔防火措置構造が完成する。
なお、貫通孔防火措置材Tを隙間Sに装填した状態で、貫通孔防火措置材Tと配管Pの外面との間などに小さな隙間が残存している場合には、適宜、別途用意した小袋状の補助防火措置材tを小隙間に装填すればよい。
すなわち、当該貫通孔防火措置構造では、不燃材層1と耐火熱膨張材層2とが貫通孔Hの径方向で積層されているから、その不燃材層1の存在分だけ、火災時の耐火熱膨張材層2の低密度化に伴う防火措置部位全体での低密度化体積を小さくすることができる。これにより、火災前後での防火性能の低下率を効果的に低減することができる。
また、耐火熱膨張材2aが合成樹脂やゴム等の非不燃性の素材からなるベース材を含んで構成されているので、これが不燃性の素材から構成されている場合に比べて熱膨張率を高くすることができる。これにより、その分、貫通孔防火措置材Tの全体に占める耐火熱膨張材層2の体積比を小さくすることができ、全体に占める不燃材層1の体積比を大きくすることができる。したがって、火災時の耐火熱膨張材層2の低密度化に伴う防火措置部位全体としての低密度化体積を一層小さくすることができ、火災前後での防火性能の低下率を一層効果的に低減することができる。
また、不燃材層1と耐火熱膨張材層2とが、耐火熱膨張材層2を配管Pの外面に対面させる状態で積層されているので、火災時において配管Pの燃焼(或いは、溶融)に伴い発生する新たな空間を、配管Pの外面に対面する耐火熱膨張材層2の熱膨張部分で直接的に閉塞することができる。よって、例えば、配管Pの外面に対面する別部材を介して耐火熱膨張材層2の膨張圧力で間接的に閉塞する場合に比べて閉塞精度及び閉塞速度を効果的に高めることができる。
また、貫通孔Hの径方向において複数の耐火熱膨張材層2が分散した状態で積層されているので、火災時の耐火熱膨張材層2の低密度化に伴う低密度化部分を貫通孔Hの径方向で分散させることができる。よって、低密度化部分の一部が脱落する不具合の発生確率を効果的に低くすることができる。
〔第2実施形態〕
図4は、本発明に係る貫通孔防火措置具の別実施形態を示し、この実施形態では、床スラブY(区画体の一例)に形成された貫通孔Hの内周面とこれに挿通された束状の配管P(挿通体の一例)の外面との間の隙間Sに対応する床スラブYの外面側に可撓性の貫通孔防火措置材Tを配設した貫通孔防火措置構造を示す。
この貫通孔防火措置構造では、貫通孔防火措置材Tが耐火熱膨張材層2の側が内側となる姿勢において金属製の環状保持枠9により拘束保持された状態で隙間Sの外面側に配設されている。なお、本例では、貫通孔防火措置材Tの長さ寸法は、配管Pの全周を3層巻きし得る長さ寸法で構成されている。
環状保持枠9は、床スラブYに対する取付部10を有し、且つ、床スラブYに対する外面側で貫通孔Hから突出する部分に外装可能に構成されている。
当該環状保持枠9は、図4、図5に示すように、配管Pの周方向で複数に分割された複数(本例では二つ)の同形状の分割枠体11、11を略ハの字状の開き姿勢と環状の閉じ姿勢とに姿勢変更自在に連結して構成されている。
具体的には、環状保持枠9は、一方の分割枠体11の一端部5と他方の分割枠体11の他端部6とが配管Pの周方向から係止自在な状態で、一方の分割枠体11の他端部6と他方の分割枠体11の一端部5とを配管Pの軸芯と平行な軸芯周りで回動自在に連結して構成されている。
分割枠体11の各々には、上端側ほど外径が減少する湾曲形状の側面断面形状を有する正面視略半リング形状の周壁部11Aと、その周壁部11Aの上端部から内向きに突出された正面視略半リング形状の天井壁部11Bとが備えられている。
分割枠体11の各々の一端部5における周壁部11Aの下端には、中央部に挿通孔5aが形成された被係止片5Aが連結方向(つまり、配管Pの周方向)に突出されている。一方、分割枠体11の各々の他端部6における周壁部11Aの下端には、挿通孔5aに嵌合可能(係止可能の一例)な下向き突出形状の縁部を有する筒状挿通孔6aが中央部に形成された係止片6Aが連結方向に突出されている。
つまり、分割枠体11は、一方の分割枠体11の一端部5と他方の分割枠体11の他端部6とを夫々対向させた姿勢において、一方の分割枠体11の一端部5における被係止片5Aの挿通孔5aに対し他方の分割枠体11の他端部6における係止片6Aの筒状挿通孔6aを嵌合(係合の一例)させ、且つ、他方の分割枠体11の一端部5における被係止片5Aの挿通孔5aに対し一方の分割枠体11の他端部6における係止片6Aの筒状挿通孔6aを嵌合(係合の一例)させることによって、分割枠体11、11どうしを合体させる状態で環状保持枠9を形成するように構成されている。
そして、上述の如く、分割枠体11、11どうしを合体させた状態において、嵌合状態にある係止片6Aの筒状挿通孔6aと被係止片5Aの挿通孔5aとの連通により形成される複数(本例では2つ)の連通孔10aをもって、環状保持枠9を床スラブYに対しコンクリートネジ等の固定手段Kで取り付け可能な取付部10が構成されている。
また、分割枠体11の他端部6における天井壁部11Bには、係止凸部6bを有する補助係止片6Bが連結方向に突出されているとともに、一端部5における天井壁部11Bの下面には、係止凸部6bに対する被係止凹部5bを有する補助係止受け部5Bが構成されている。
すなわち、分割枠体11、11を合体させた状態で補助係止受け部5Bと補助係止片6Bも係止状態になることによって、被係止片5Aと係止片6Aによる分割枠体11、11どうしの係止状態が解除されるのを抑止するように構成されている。
そして、環状保持枠9の連通孔10aに対する連通状態で回動自在に止着可能なハトメ7を一方の連通孔10aに打つことにより、その連結孔10a部分を可動支点とする状態で分割枠体11、11が回動自在に連結一体化されている。なお、8は、固定手段Kを取付部10に臨ませやすくするために分割枠体11の周壁部11Aの両端部5、6に形成された凹設部である。
上記の貫通孔閉塞構造を構成するには、図6に示すように、不燃材層1と耐火熱膨張材層2との積層方向が貫通孔Hの径方向に沿う姿勢で貫通孔防火措置材Tを隙間Sに対応する床スラブYの外面側で配管Pの外周面に巻き付ける。
次に、環状保持枠9をハの字状の開き姿勢で床スラブYの外面に配置したのち、床スラブYの外面側に位置する貫通孔防火措置材Tの巻き付け体を囲うように環状保持枠9をハの字状の開き姿勢から閉じ姿勢に姿勢変更操作する。その後、一対の固定手段K、Kを閉じ姿勢の環状保持枠9の連通孔10a、10aに挿通する状態で床スラブYの外面に螺入して、貫通孔防火措置構造が完成する。
なお、その他の構成は、第1実施形態で説明した内容と同様であるから、同様の構成箇所には同一の番号を付記して、その説明は省略する。
〔その他の実施形態〕
(1)前述の各実施形態では、耐火熱膨張材層2の側が配管Pの側(つまり、内側)になる姿勢で貫通孔防火措置材Tを配管Pに巻き付ける場合を例に示したが、不燃材層1の側が内側になる姿勢で貫通孔防火措置材Tを配管Pに巻き付けてもよい。
(2)前述の各実施形態で示した貫通孔防火措置構造では、不燃材層1と耐火熱膨張材層2を備える貫通孔防火措置材Tを隙間Sに備え付ける構造を例に示したが、例えば、不燃材層1を備える貫通孔防火措置材と耐火熱膨張材層2を備える貫通孔防火措置材とを別々に隙間Sに備え付ける構造であってもよい。
(3)前述の第1実施形態では、隙間Sに貫通孔防火措置材Tが装填されている構造として、貫通孔防火措置材Tが金属製の受け部材4により受け止め支持された状態で隙間Sに装填されている構造を例に示したが、例えば、貫通孔防火措置材Tが脱落し難い圧縮状態で隙間Sに装填されている構造などであってもよい。
(4)前述の第2実施形態では、隙間Sに対応する区画体の外面側に貫通孔防火措置材Tが配設されている構造として、貫通孔防火措置材Tが金属製の環状保持枠9により拘束保持された状態で隙間Sに対応する区画体の外面側に配設されている構造を例に示したが、例えば、区画体から両端部が突出する状態で区画体に貫通固定された金属製スリーブの端部に貫通孔防火措置材Tが挿設されている構造などであってもよい。
(5)前述の各実施形態では、拘束手段として、不燃材1aと耐火熱膨張材2aとを収容する袋体3を例に示したが、不燃材1aと耐火熱膨張材2aを接着する接着剤や粘着テープ、或いは、不燃材1aと耐火熱膨張材2aを拘束保持する紐、ゴムなどであってもよい。
(6)前述の各実施形態では、貫通孔防火措置材Tの長さが挿通体の全周を一層巻きし得る長さよりも大なる長さ寸法で構成されている場合を例に示したが、それよりも小なる長さ寸法や大なる長さ寸法、或いは、丁度一層巻きし得る長さ寸法などで構成されていてもよい。
(7)前述の各実施形態の改良として、貫通孔防火措置材Tが、袋体3の長手方向の適宜箇所を熱融着し、その熱融着箇所(被切断箇所の一例)で切断分離可能に構成されていてもよい。例えば、図7(a)に示すように、袋体3の長手方向の等間隔に被切断箇所3dが形成されていたり、或いは、図7(b)に示すように、配管径や配管数などに対応した適所に被切断箇所3dが形成されていたりしてもよい。また、これらの場合、不燃材層1と耐火熱膨張材層2の積層順序を長手方向で順次に入れ替えるようにしてもよい。
(8)前述の各実施形態では、貫通孔防火措置材Tが、不燃材層1と耐火熱膨張材層2とを積層した二層構造に構成されている場合を例に示したが、不燃材層1の一層又は複数層と耐火熱膨張材層2の一層又は複数層とを備える二層以上の複層構造、或いは、不燃材層1や耐火熱膨張材層2とは別の組成の層を含む複層構造などであってもよい。
(9)前述の各実施形態では、区画体が床スラブYである場合を例に示したが、側壁や天井壁などであってもよい。
(10)前述の各実施形態では、挿通体が複数本を束にした束状の配管Pである場合を例に示したが、1本の配管や1本のケーブル又は束状のケーブル、或いは、1本又は束状のパイプなどであってもよい。
(11)不燃材1aは、前述の各実施形態で示したロックウールに限らず、炭酸カルシウム等を主成分とする防火用のパテ剤等であってもよい。
Y 区画体(床スラブ)
H 貫通孔
P 挿通体(配管)
S 隙間
T 貫通孔防火措置材
1 不燃材層
2 耐火熱膨張材層
1a 不燃材
2a 耐火熱膨張材
本発明は貫通孔防火措置構造に係り、その特徴構成は、
区画体に形成された貫通孔の内周面とこれに挿通された挿通体の外面との間の隙間に対応する区画体の外面側に、可撓性と不燃性とを有する不燃材層と、可撓性と耐火性と熱膨張性とを有する耐火熱膨張材層とを別々に備える貫通孔防火措置材が、前記不燃材層と前記耐火熱膨張材層とが前記貫通孔の径方向に積層された状態で、且つ、前記区画体の外面に取り付けられる環状保持枠により保持された状態で、前記挿通体の外周に配置され、前記環状保持枠が、当該環状保持枠に設けられる被係止部の挿通孔に挿通されるネジによって前記区画体の外面にねじ込まれて固定されている点にある。
本発明において、前記不燃材層が、前記環状保持枠の内周面に対面する状態で配置されるとともに、前記耐火熱膨張材層の少なくとも一部が、前記貫通孔の開口縁よりも径方向外側において、前記区画体の外面に対面する状態で配置されていることが好ましい。
本発明において、前記被係止部が、前記周壁部の下端部に突出形成されていることが好ましい。
本発明において、前記環状保持枠が、前記挿通体の周方向に分割形成された、互いに係脱可能な複数の分割枠体で構成されていることが好ましい。
本発明において、前記不燃材層が、無機繊維を含むことが好ましい。
本発明において、少なくとも前記耐火熱膨張材層が前記挿通体の外周に配置された状態で、前記環状保持枠によって前記貫通孔防火措置材を包囲し、その後、前記ネジを用いて前記環状保持枠を前記区画体の外面に固定してなることが好ましい。

Claims (5)

  1. 区画体に形成された貫通孔の内周面とこれに挿通された挿通体の外面との間の隙間に装填される、若しくは、その隙間に対応する区画体の外面側に配設される貫通孔防火措置材であって、
    可撓性と不燃性とを有する不燃材層と、可撓性と耐火性と熱膨張性とを有する耐火熱膨張材層とを備える複層構造に構成されている貫通孔防火措置材。
  2. 前記耐火熱膨張材層が、非不燃性の素材から構成されている請求項1記載の貫通孔防火措置材。
  3. 区画体に形成された貫通孔の内周面とこれに挿通された挿通体の外面との間の隙間又はその隙間に対応する区画体の外面側に、可撓性と不燃性とを有する不燃材と、可撓性と耐火性と熱膨張性とを有する耐火熱膨張材とが貫通孔の径方向に積層されている貫通孔防火措置構造。
  4. 前記不燃材と前記耐火熱膨張材とが、耐火熱膨張材が挿通体の外面に対面する状態で積層されている請求項3記載の貫通孔防火措置構造。
  5. 前記耐火熱膨張材が、貫通孔の径方向において複数の耐火熱膨張材層を分散形成する状態で積層されている請求項3又は4記載の貫通孔防火措置構造。
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