JP5460561B2 - 電動二輪車における電力供給システム - Google Patents
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Description
図1は、本発明の電力供給システムが搭載されたハイブリッド型の電動スクータの一例を示す概略側面図である。ハイブリッド型の電動スクータは、動力源としてエンジン及びモータを備え、走行状況に応じて両者を単体で駆動して走行、若しくは併用して走行するものである。
メインバッテリ6からの電力は、メインフレーム51の前方に配置されたモータ駆動部(PDU)2を介してモータ8に供給される。なお、エンジン72及びモータ駆動部(PDU)2に対する出力指令は、ハンドル59に設けられているスロットルグリップの操作に従って出力される。
サブバッテリ5からの電力は、シート64の下方に配置されたマネジメントECU(制御部)1及び各種電装品に供給される。
そして、カウンタシャフト76の近傍位置には、電動二輪車の速度である車速を検知する車速センサ(車速検知部)9が設置されている。車速センサ(車速検知部)9は、カウンタシャフト76の回転数を検出し、この回転数に係数を乗算することで後輪車輪速度を計算し、後輪車輪速度の移動平均から車速を求めるよう構成される。
パワーユニットPは、主として、駆動源としてのエンジン72及びモータ8と、エンジン72とモータ8の動力を後輪58Rに伝達する動力伝達機構700と、エンジン72と動力伝達機構700との間でエンジン72の動力を変速して動力伝達機構700に伝達する変速機構としての2段遠心クラッチ800と、を備えて構成されている。
ここで、モータドリブンギヤ559はワンウェイクラッチ447を介して外周軸446に接続されるため、モータドリブンギヤ559の回転数が外周軸446の回転数より高いときにのみ、モータ8の動力が動力伝達機構700に伝達される。このとき、ワンウェイクラッチ447が切り離されているため、モータ8の動力が外周軸446に伝達されることはない。
一方、外周軸446の回転数がモータドリブンギヤ559の回転数より高いときには、クランク軸8aの動力が動力伝達機構700に伝達されるので、モータ8はクランク軸8aに連れまわされる。このとき、バッテリのSOC(充電状態)に応じてモータ8でアシストしてもよく、回生充電してもよく、零トルク制御により負荷を軽減することもできる。
第1伝達経路は、いわゆるエンジン走行における伝達経路であり、エンジン72の動力が、クランク軸8a、2段遠心クラッチ800、外周軸446、ワンウェイクラッチ447、モータドリブンギヤ559(プライマリドライブギヤ558)、プライマリドリブンギヤ772、動力伝達機構700を介して駆動輪56Rに伝達される伝達経路である。この第1伝達経路においては、2段遠心クラッチ800と動力伝達機構700の変速部773においてそれぞれ2段階の変速を行うことができる。なお、第1伝達経路で動力を伝達しながら走行中に、モータ8を駆動することでアシスト走行を行なうことができ、また、モータ8を負荷として回生充電することもできる。
第2伝達経路は、いわゆるEV走行における伝達経路であり、モータ8の動力が、モータ出力軸661、モータドライブギヤ662、モータドリブンギヤ559(プライマリドライブギヤ558)、プライマリドリブンギヤ772、動力伝達機構700、ドライブチェーン74を介して駆動輪WRに伝達される伝達経路である。このとき、モータ8の動力は、ワンウェイクラッチ447の空転によりクランク軸8aに伝達されることはない。また、この第2伝達経路においては、動力伝達機構700の変速部773において2段階の変速を行うことができる。
マネジメントECU(制御部)1には、車速センサ9及びエンジン回転センサ10から検出された車速及びエンジン回転数の信号が入力されるようになっている。
また、電力供給ライン22は、車速センサ9及びエンジン回転センサ10に接続されることで、これらに対して電源電圧を供給している。
マネジメントECU(制御部)1によるモータ8の制御としては、モータ8が発電機として機能する場合の発電量が所定値よりも大きい場合に、その発電量を低減させるようにモータ駆動部2を駆動(回生制御)することが行われる。
すなわち、車速センサ(車速検知部)9から検出される車速が一定速度を超える場合は、車両状態管理部40が走行状態であると判断し、イグニッションホールドリレー(自己保持電力供給部)7に対して電圧供給部30からの電圧の供給が行われ、リレースイッチS2がオンの状態を維持して、電力供給ライン22からマネジメントECU(制御部)1への電力供給が継続する。
メインスイッチ(S1)がオフ状態であり、車速センサ(車速検知部)9から検出される車速が、一定時間以上継続し所定の車速以下(カウンタシャフトの回転数が低回転数以下)の状態になったと車両状態管理部40が判断した場合、電圧供給部30からの電圧の供給が停止される制御が行われることで、イグニッションホールドリレー(自己保持電力供給部)7のリレースイッチS2がオフとなり、電力供給ライン22からマネジメントECU(制御部)1への電力供給が停止する。これにより、低速度の持続により回生電力が大きすぎることがない状態を確実に検出してから、マネジメントECU(制御部)1に対する電力供給を停止させることができる。
マネジメントECU(制御部)1は、メインスイッチS1のスイッチオン信号の読取(A)、車両の車速の算出(B)、車両状態の管理(C)、イグニッションホールドリレーの制御(D)の各処理を一定時間毎に常時実施する。
車両の車速の算出(B)は、車速センサ(車速検知部)9がカウンタシャフトの回転数を検出し、この回転数に係数を乗算することで後輪車輪速度を計算し、後輪車輪速度の移動平均から車速を算出する。
マネジメントECU(制御部)1の車両状態管理部40による車両状態の管理(C)は、(1)モータの駆動を行う通常制御状態、(2)エンジンの駆動を行うフェール状態、(3)モータ駆動・エンジン駆動されないが車速があるイグニッションホールド状態、(4)車両が停止するシャットダウン状態、(5)メインスイッチ「オン」前の初期化状態、のいずれの状態であるかを管理する。
所定時間が経過している場合、メインスイッチ(イグニッションスイッチ)がオフであるかどうかを判断し(ステップ103)、オンである場合はフェールフラグの有無を判断し(ステップ104)、フェールフラグが無い場合にモータの駆動を行う通常制御が行われる(ステップ105)。
ステップ104においてフェールフラグが有りの場合は、エンジンの状態はフェール状態であると判断され、エンジンが停止するように制御される(ステップ106)。
ステップ107において車両停止フラグが無い(車速がある)場合、更にフェールフラグの有無を判断し(ステップ109)、フェールフラグが有りの場合は、エンジンの駆動を行うフェール状態となる(ステップ106)。
ステップ109においてフェールフラグが無い場合は、モータ駆動やエンジン駆動が行われていない状態であるが車速があるのでマネジメントECU(制御部)1による制御が必要であると判断し、イグニッションホールド状態となる(ステップ110)。
すなわち、マネジメントECU(制御部)1の車両状態管理部40においては、図5に示すようなイグニッションホールドリレーの制御(D)が行われる。
ステップ201において、シャットダウン状態であると判断された場合は、電圧供給部30からホールドライン23への電圧供給を遮断することで、リレースイッチS2がオフするイグニッションホールドリレー7のリレー駆動を行う(ステップ203)。
先ず、車速センサ9で検出された車速が予め設定された車両停止判定車速度以下であるかどうかを判断する(ステップ301)。車両停止判定車速度以下でない場合、車両は走行中であると判断し、車両停止判定フラグの有無の設定を確認し(ステップ302)、フラグがない場合(OFFの場合)は車両停止カウント値を「0」にする(ステップ303)。
次に、車両停止判定カウント値が規定時間以上継続しているかを判断する(ステップ305)。
車両停止判定カウント値が規定時間継続していない場合は、車両停止判定フラグ有りを維持する。ステップ305において規定時間以上になった場合には、車両は走行状態にあると判断し車両停止判定フラグを無し「0」にし(ステップ306)、車両停止カウント値を「0」にする(ステップ303)。
次に、車両停止判定カウント値が規定時間以上継続しているかを判断する(ステップ310)。
車両停止判定カウント値が規定時間継続していない場合は、車両停止判定フラグ無しを維持する。ステップ310において規定時間以上になっている場合は、車両は停止状態にあると判断し車両停止判定フラグを有り「1」にし(ステップ311)、車両停止カウント値を「0」にする(ステップ308)。
走行負荷が大きい場合は、切替ポイント(切替条件境界線)が切替車速補正量の範囲で検出される走行負荷の大きさに応じて段階的に左側に移動し、最大の走行負荷の場合に、切替ポイント(切替条件境界線)が太線の位置となり、車速がV3以上ではエンジン単独走行、車速がV1以下ではモータエンジン単独走行、車速がV1〜V3の間ではグリップ操作によるグリップ開度に応じて切り替わる。
すなわち、図9に示すように、モータ駆動による車両走行開始からの時間に対して、車速に対応したエンジン回転数を示すグラフ図において、エンジンが始動し、その後はアイドリング回転を維持するエンジンスタートポイント、ワンウェイクラッチの理想的な切替ポイント、ワンウェイクラッチが摩耗しているときの切替ポイントが示される。
ワンウェイクラッチが摩耗していない通常状態においては、図9における太線で表示されるように、例えば走行開始から一定時間経過したt0においてエンジン回転が上昇し、エンジン回転数がO/W(ワンウェイ)クラッチの基準締結Neに達した時間t1においてエンジン駆動に切り替わる。
また、各モードの選択は、ハンドルカバー61に設置されたモードスイッチ910により、ユーザが切替可能なように構成されている。モードスイッチ910は、押圧する毎に状態が変化するロータリースイッチで構成され、EVモード,ハイブリッドモード,ENGモードの各モードを選択可能としている。また、この切替は、メインバッテリ6の充電状態が常時検知されることで、SOCが少ない時など、車両状態や走行状態によっては、EVモードの選択が禁止されるようになっている。
なお、図10において、911はキルスイッチ、912はハザードランプスイッチ、913はヘッドライト光軸切替スイッチ、914はウインカスイッチ、915はホーンスイッチである。
この場合、回生電力発生時において、モータ8の発電量が所定値よりも大きい場合に、その発電量を低減させるようにモータ駆動部2を駆動する。
例えば、下り坂で回生電力を得るような場合、モータ8の発電量が所定値以下であれば、メインバッテリ6への充電を行うが、発電量が所定値よりも大きい場合には、過剰な回生電力の発生からモータ駆動部2の回路を保護するために、発電量を低減させるモータ8の駆動を行うようにモータ駆動部2をマネジメントECU(制御部)1が制御する。
また、メインスイッチ(イグニッションスイッチ)S1が切断された後、その後の一定期間に車速の検知がない場合(図4における車両停止判定フラグない場合)は、車両管理部40においてシャットダウン状態(メインスイッチS1「オフ」で車速がない状態)と判断されるので、電圧供給部30からの電圧供給が遮断され、イグニッションホールドリレー7のリレースイッチS2がオフとなる。
また、電圧供給部30からの電圧供給で動作するイグニッションホールドリレー7を設けるだけで、特別な回路を必要としないため、過剰な回生電力の発生の防止について、簡易な構成で実現することができる。
この構成により、一旦車両が停止する等して、イグニッションホールドリレー7が切断された後に、メインスイッチ(イグニッションスイッチ)S1がオフされたまま車両が下り坂を走行するような場合にも、緊急用バッテリ12による電力供給でマネジメントECU(制御部)1において再度イグニッションホールドリレー7のリレースイッチS2をオンさせることで、マネジメントECU(制御部)1への電力供給を行うことができる。
図11の電力供給システムでは、モータ駆動部2の出力側に昇圧/降圧コンバータ15を接続し、昇圧/降圧コンバータ15の出力側をイグニッションホールドリレー(自己保持電力供給部)7とマネジメントECU(制御部)1との間に接続することで、昇圧/降圧コンバータ15の出力が電圧供給ライン22を介してマネジメントECU(制御部)1に入力されるよう接続されている。
これに対して図11の構成によれば、メインスイッチ(イグニッションスイッチ)S1が切断された後に車両が一旦停止し、イグニッションホールドリレー7が切断された後に、メインスイッチ(イグニッションスイッチ)S1がオフされたまま車両が下り坂を走行するような場合においても、走行による回生電力が生じ、イグニッションホールドリレー7の作動にかかわらずモータ駆動部2を動作させるので、過剰な回生電力の発生からモータ駆動部2の回路を保護することができる。
4…FI−ECU、 5…サブバッテリ、 6…メインバッテリ、
7…イグニッションホールドリレー(自己保持電力供給部)、
8…モータ、 9…車速センサ(車速検知部)、 12…緊急用バッテリ、
15…昇圧/降圧コンバータ、
20…電力供給ライン、 21…スイッチ制御ライン、
22…電力供給ライン、 23…ホールドライン、
30…電圧供給部、 40…車両状態管理部、
S1…メインスイッチ(イグニッションスイッチ)、 S2…リレースイッチ。
Claims (5)
- バッテリ(5)と、前記バッテリ(5)に接続された電力供給ライン(20)と、モータ(8)と、前記モータ(8)の出力制御及び発電制御を行うモータ駆動部(2)と、メインスイッチ(S1)がオン状態の時に前記電力供給ライン(20)を介して電力供給されて前記モータ駆動部(2)の制御を行う制御部(1)とを備えた電動二輪車における電力供給システムにおいて、
前記電力供給ライン(20)に対して分岐し前記メインスイッチ(S1)を介して前記制御部(1)に接続されたスイッチ制御ライン(21)と、
前記メインスイッチ(S1)が一旦オン状態となった時に前記制御部(1)からの指示によりオン状態が維持されるリレースイッチ(S2)を備えて前記電力供給ライン(20)から前記制御部(1)に電力供給を行う自己保持電力供給部(7)と、を設け、
前記制御部(1)は、前記メインスイッチ(S1)がオフ状態で前記モータ(8)が発電機として機能する場合の発電量が所定値よりも大きい場合に、その発電量を低減させるように前記モータ駆動部(2)を駆動する
ことを特徴とする電動二輪車における電力供給システム。 - 前記電動二輪車の速度である車速を検知する車速検知部(9)を備え、
前記制御部(1)は、前記メインスイッチ(S1)がオフ状態で前記車速が所定の速度以下の状態になった場合に、前記リレースイッチ(S2)をオフ状態にして前記自己保持電力供給部(7)による電力供給を停止させる
ことを特徴とする請求項1に記載の電動二輪車における電力供給システム。 - 前記制御部(1)は、前記車速が一定時間以上継続して所定の速度以下の場合に、前記自己保持電力供給部(7)による電力供給を停止させる
ことを特徴とする請求項2に記載の電動二輪車における電力供給システム。 - 緊急用バッテリ(12)を備え、
前記制御部(1)は、常時微量の電力を前記緊急用バッテリ(12)から供給され前記メインスイッチ(S1)がオフ状態で車速が所定の速度よりも大きい状態であることを検知した場合に、前記自己保持電力供給部(7)からの電力供給を許可する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電動二輪車における電力供給システム。 - 前記モータ駆動部(2)に生じる回生電力を昇圧又は降圧する昇圧/降圧コンバータ(15)を備え、
前記制御部(1)は、前記メインスイッチ(S1)がオフ状態となり車両が停止した後の走行時において、前記昇圧/降圧コンバータ(15)からの電力供給が行われる
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電動二輪車における電力供給システム。
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