JP5460194B2 - スライドダンパ装置 - Google Patents
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Description
より詳細には、スライドダンパ装置は、略同一の同じ大きさで並列に配置された2つの開口の間においてスライドダンパをスライドし、これによって2つの開口の開口割合を変化させることで流路の開口調節をおこなっている。
このため、ガイド溝と連結部との間に生じる摩擦抵抗が大きくなり、スライドダンパの滑らかな移動が阻害される場合がある。
特に、特許文献4のように、スライドダンパの側端部の全域に亘って連結部が設けられている場合には、非常に摩擦抵抗が大きくなり、スライドダンパの移動自体が困難である。
第1の発明は、スライドダンパをスライドさせることにより、車両用空気調和装置のケース内部に設けられた流路の開口調節を行うスライドダンパ装置であって、上記ケースの内壁に設けられるガイドと、上記スライドダンパの側端部に設けられると共に上記ガイドに対して摺動可能に嵌合し、上記スライドダンパを上記ガイドに対して連結する連結部と、互いに摺動関係にある上記連結部の上記ガイドに対する摺動面と上記ガイドの上記連結部に対する摺動面とのいずれかに設けられる突起部とを備えるという構成を採用する。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記突起部が上記ガイドの上記摺動面に設けられているという構成を採用する。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記突起部が、常に上記連結部の上記摺動面が複数の上記突起部と接触する間隔で複数配列されているという構成を採用する。
第4の発明は、上記第1〜第3いずれかの発明において、上記ガイドあるいは上記連結部が有する対向面が互いに上記摺動面とされ、当該摺動面の両方に上記突起部が設けられる場合に、これらの突起部が上記スライドダンパのスライド方向にずれて配置されているという構成を採用する。
第5の発明は、上記第1〜第4いずれかの発明において、上記スライドダンパのスライド方向において突起部の表面形状が円弧形状を有するという構成を採用する。
第6の発明は、上記第1〜第5いずれかの発明において、上記ガイドが板状のガイドレールであり、上記連結部が上記ガイドレールに嵌合する凹形状を有するという構成を採用する。
したがって、本発明によれば、互いに摺動関係にある摺動面同士の間に生じる摩擦抵抗を低減し、スライドダンパの滑らかな移動を実現することが可能となる。
図1は、本実施形態のスライドダンパ装置S1の概略構成を示した斜視図である。なお、図1においては、視認性の向上のため、スライドダンパ装置S1の前後の構成については、図示を省略している。
本実施形態のスライドダンパ装置S1は、冷気と暖気との混合割合を調節するためのエアミックスダンパ装置や、外気導入と内気循環とを切り替える内外気切替ダンパ装置として用いられるものであり、図1に示すように、車両用空気調和装置のケースCの内部に設置され、ケース内部に設けられた流路の開口調節を行う。
そして、図1に示すように、本実施形態のスライドダンパ装置S1は、ガイドレール1(ガイド)と、スライドダンパ2と、連結部3と、スライド機構4と、駆動装置5とを備えている。
また、ガイドレール1は、スライドダンパ2を挟むように、スライドダンパ2の両側方に設けられている。各ガイドレール1は、スライドダンパ2の移動範囲に応じて延在方向に各々湾曲されている。ただし、2つのガイドレール1は、常に平行状態が保たれるように、延在方向に同様に湾曲している。
この図に示すように、ガイドレール1の両方の表面1aには、ガイドレール1の延在方向に配列される複数の突起部10が設けられている。ここで、ガイドレール1の表面1aは、連結部3との摺動面とされている。つまり、本実施形態のスライドダンパ装置S1によれば、ガイドレール1の連結部3に対する摺動面に突起部10が設けられている。
なお、ガイドレール1の表面1aにはグリスが塗布されており、連結部3が滑らかに移動できるように構成されている。
そして、図2に示すように、本実施形態のスライドダンパ装置S1においては、ガイドレール1の一方側の摺動面に設けられる突起部10と、ガイドレール1の他方側の摺動面に設けられる突起部10とが、スライドダンパ2のスライド方向(ガイドレール1の延在方向)において、ずれて配置されている。見方を変えれば、突起部10は、スライドダンパ2のスライド方向において、ガイドレール1の対向する表裏面(摺動面)に対して交互に配置されている。
このスライドダンパ2は、スライドダンパ2の下流側に並列して設けられる複数の流路開口の間をスライド可能に構成されており、スライド位置に応じて各流路開口の開口度を調節することによって、流路の開口調節を行う。
図3は、図1のA−A線断面を模式的に示した図である。この図に示すように、連結部3は、スライドダンパ2の側端部2aに設けられており、ガイドレール1に嵌合可能な凹形状を有している。より詳細には、連結部3は、ガイドレール1が嵌合可能な溝部3aを有することによって凹形状に設定されている。
また、溝部3aのスライド方向の両端は開口端とされており、これによって連結部3は、ガイドレール1に対してガイドレール1の延在方向に摺動可能とされている。この結果、ガイドレール1を挟む連結部3の溝部3aの内壁面3bは、各々がガイドレール1と摺動する摺動面とされている。
なお、本実施形態のスライドダンパ装置S1において連結部3は、図1に示すように、ガイドレール1側のスライドダンパ2の側端部2aの全域に亘って設けられている。
したがって、本発明によれば、互いに摺動関係にある摺動面同士の間に生じる摩擦抵抗を低減し、スライドダンパ2の滑らかな移動を実現することが可能となる。
これに対して、本実施形態のスライドダンパ装置S1が備える突起部10は、ガイドレール1の表面1aに対して突出するものであるため、連結部3の摺動によって移動するグリスを保持することができる。つまり、本実施形態のスライドダンパ装置S1が備える突起部10は、グリス溜まりとして機能する。この結果、本実施形態のスライドダンパ装置S1は、連結部3の摺動領域にグリスを長く留め、長時間に亘ってスライドダンパ2の滑らかな移動を実現することが可能なものとなっている。
このため、突起部10を連結部3の内壁面3bに設ける場合と比較して、より多数の突起部10を配置することができる。
したがって、上述のグリス溜まりを多数設けることが可能となり、より長時間に亘ってスライドダンパ2の滑らかな移動を実現することが可能となる。
このため、スライドダンパ2のスライド方向に連結部3を常に安定して支持することが可能となり、スライドダンパ2の移動を滑らかにすることができる。
このため、突起部10が連結部3から強く押圧された場合に、当該突起部10が設置されているガイドレール1の部位を反対から押圧する突起部10が存在しないため、当該部位の変形を許容し、結果として突起部10をガイドレール1の厚さ方向に変位させることが可能となる。したがって、ガイドレール1、連結部3及び突起部10が寸法誤差を含み突起部10が連結部3から強く押圧される状況が生じた場合であっても、スライドダンパ2の滑らかな移動を確保することができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
この図に示すように、本実施形態のスライドダンパ装置は、上記第1実施形態のガイドレール1の替わりにケースCの内壁に設けられたガイド溝30(ガイド)を備えている。
また、本実施形態のスライドダンパ装置においては、連結部3が上記ガイド溝30に嵌合可能な突出した形状を有している。なお、連結部3は、スライドダンパ2の側端部2aにおいてスライド方向の全域に亘って設けられていても良いし、スライド方向の先端部のみにピン状に設けられていても良い。
そして、本実施形態のスライドダンパ装置においては、突起部10がガイド溝30の内壁面30a(摺動面)に複数設けられている。
したがって、本発明においても、互いに摺動関係にある摺動面同士の間に生じる摩擦抵抗を低減し、スライドダンパ2の滑らかな移動を実現することが可能となる。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、連結部3側に突起部を設けても良い。
例えば、スライドダンパ2の下流側に位置する摺動部のみに対して突起部を設けても良い。スライドダンパ2は空気の流れによって下流側に押圧されるため、突起部は上流側の摺動部に設けるよりも下流側の摺動部に設けた方が、より効率的にスライドダンパ2の滑らかな移動を実現することができる。したがって、スライドダンパ2の下流側に位置する摺動部のみに対して突起部を設けた場合であっても充分にスライドダンパ2の移動を滑らかにでき、上流側の摺動部に突起部を設けない分、低コストのスライドダンパ装置とすることができる。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、平板状のスライドダンパを用いる構成を採用することも可能である。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、図5に示すように、ガイド溝30がケースCの内壁面をケースCの外部に突出させて設ける構成を採用することもできる。
Claims (3)
- スライドダンパをスライドさせることにより、車両用空気調和装置のケース内部に設けられた流路の開口調節を行うスライドダンパ装置であって、
前記ケースの内壁に設けられる板状のガイドレールと、
前記スライドダンパの側端部に設けられると共に前記ガイドレールに対して摺動可能に嵌合する凹形状を有し、前記スライドダンパを前記ガイドレールに対して連結する連結部と、
互いに摺動関係にある前記連結部の前記ガイドレールに対する摺動面と前記ガイドレールの前記連結部に対する摺動面とのうち、前記ガイドレールの前記連結部に対する前記摺動面に設けられる突起部と
を備え、
前記ガイドレールの表裏面の両方が、前記突起部が設けられる摺動面とされ、
前記ガイドレールの表面側に設けられる前記突起部と前記ガイドレールの裏面側に設けられる前記突起部とが前記スライドダンパのスライド方向にずれて配置されている
ことを特徴とするスライドダンパ装置。 - 前記突起部は、常に前記連結部の前記摺動面が複数の前記突起部と接触する間隔で複数配列されていることを特徴とする請求項1記載のスライドダンパ装置。
- 前記スライドダンパのスライド方向において突起部の表面形状が円弧形状を有することを特徴とする請求項1または2記載のスライドダンパ装置。
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