JP5460015B2 - 電気自動車制御装置 - Google Patents
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Description
ところで、大量の乗客を搬送可能なバスにおいては、例えばインターロック機構を用いてアクセルペダルを踏み込むことができないようにして、乗客がバスの乗り降りを行っている際に、誤ってアクセルペダルが踏み込まれてもバスが発進することのないようにするのが一般的である。このようなインターロック機構は、例えば特許文献1によって提案されている。この特許文献1のインターロック機構では、バスの乗降用ドアが開いているときに、アクチュエータによりストッパを移動させ、アクセルペダルを固定するようにしている。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複雑な機構を新たに設けることなく、停車中に安全に乗員の乗り降りを可能とする電気自動車の制御装置を提供することにある。
従って、シフトレバーを走行位置としたまま車両を停止させて、車両の乗員の乗り降りなどのために乗降用ドアを開き、ブレーキ装置を操作せずに、何らかの理由によりアクセルペダルが踏み込まれた状態で乗降用ドアが閉じられても、制御手段が引き続き第2制御モードで電動モータを制御することにより、乗降用ドアを閉じた途端に電動モータの動力によって車両が動き出すことはない。
或いは、上記電気自動車制御装置において、上記制御手段は、上記開閉状態検出手段によって検出された上記乗降用ドアの状態が開状態から閉状態に変化したときに、上記ブレーキ装置が操作されていることを上記ブレーキ操作検出手段が検出した場合には、上記第2制御モードから上記第1制御モードに切り換えて上記電動モータを制御することを特徴とする(請求項3)。
この場合には、ブレーキ装置が操作されているので、乗降用ドアが閉じられたときにシフトレバーが走行位置にあって、例えば電気自動車がクリープ機能を有する場合や、何らかの理由によりアクセルペダルが踏み込まれている場合のように、電動モータが動力を発生するようなことがあっても、車両が直ちに動き出すことはない。そこで、制御手段は乗降用ドアが開状態から閉状態になったことをもって第2制御モードから第1制御モードに切り換えて電動モータを制御する。従って、シフトレバーが走行位置にある場合に、乗降用ドアを閉じた後、ブレーキ装置の操作をやめてアクセルペダルを踏み込めば、電動モータの動力により車両を走行させることができる。
また、本発明の電気自動車制御装置によれば、シフトレバーを走行位置としたまま車両を停止させて、車両の乗員の乗り降りなどのために乗降用ドアを開き、何らかの理由によりアクセルペダルが踏み込まれた状態で乗降用ドアが閉じられても、制御手段が引き続き第2制御モードで電動モータを制御する。従って、乗降用ドアを閉じた途端に電動モータの動力によって車両が動き出すような事態を防止することができ、より高い安全性を確保することができる。
また、請求項2の電気自動車制御装置によれば、乗降用ドアを閉じても制御手段が第2制御モードで電動モータを制御している場合には、一旦ブレーキ装置を操作することによって、制御手段による電動モータの制御を容易に第1制御モードに切り換えることができる。従って、安全に電気自動車を走行可能な状態に移行させることができる。そして、その後にブレーキ装置の操作をやめ、シフトレバーが走行位置にある状態でアクセルペダルを踏み込めば、電動モータの動力によって車両を走行させることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る電気自動車制御装置の全体構成図である。本実施形態において電気自動車1はバスであって、電気自動車1には動力源として電動モータ2が搭載されている。この電動モータ2に対し、インバータ4を介してバッテリ6の電力が調整され供給されることにより、電動モータ2が動力を発生する。電動モータ2が発生した動力は、デファレンシャル装置8を介して左右の駆動輪10に伝達され、電気自動車1が走行する。
バッテリ6から電動モータ2へ供給される電力や、発電機として作動する電動モータ2からバッテリ6へ供給される電力の調整、即ち電動モータ2の制御は、ECU(制御手段)12がインバータ4を制御することによって行われる。インバータ4の制御を行う上で必要となる情報を収集するため、ECU12には様々なセンサやスイッチなどが接続されている。図1には、本実施形態の電気自動車制御装置で用いるセンサおよびスイッチとして、シフトレンジセンサ(シフトレバー検出手段)14、ブレーキスイッチ(ブレーキ操作検出手段)16、アクセルセンサ(アクセル操作量検出手段)18及びドアスイッチ(開閉状態検出手段)20のみが示されており、他のセンサあるいはスイッチ類は省略されている。
アクセルセンサ18は、車室内に設けられて乗員によって操作されるアクセルペダル(図示せず)の操作量を検出する。
ECU12は、これらのセンサ及びスイッチからの情報に基づき、インバータ4を制御して、バッテリ6と電動モータ2との間の電力のやりとりを調整することにより、電動モータ2を制御する。電動モータ2の制御には、第1制御モードと第2制御モードの2つの制御モードがあり、ECU12は上述した各センサ及びスイッチからの情報に基づいて、第1制御モード及び第2制御モードのいずれかを選択する。
以下では、このような第1制御モード及び第2制御モードを選択するためにECU12が実行するモード選択制御について、図2に基づき詳細に説明する。図2は、ECU12が実行するモード選択制御のフローチャートである。ECU12は、車室内に設けられた始動スイッチ(図示せず)がオンされて、電動モータ2が作動可能な状態になると、所定の制御周期で図2のフローチャートに従い、モード選択制御を開始する。そしてECU12は、このモード選択制御で選択された制御モードにより、インバータ4を介して電動モータ2を制御する。
モード選択制御が開始されると、ECU12はステップS1において、ドアスイッチ20からの信号に基づき、乗降用ドアが開状態にあるか否かを判定する。そして、ドアスイッチ20がオフしており、乗降用ドアが閉状態にあると判定した場合、ECU12は処理をステップS2に進める一方、ドアスイッチ20がオンしており、乗降用ドアが開状態にあると判定した場合、ECU12は処理をステップS6に進める。
ステップS2においてECU12は、フラグFの値が0であるか否かを判定する。フラグFは、後述する第2制御モードから第1制御モードへの移行時において、第1制御モードでの制御を開始する直前にフットブレーキが操作されているか否かを示す。即ち、第2制御モードから移行する際、第1制御モードでの制御を開始する直前にフットブレーキが操作されていれば、フラグFの値が0となる。フラグFの初期値は0となっているので、ステップS2でECU12はフラグFの値が0であると判定し、処理をステップS5に進める。そしてステップS5でECU12は、上述した第1制御モードを選択し、その制御周期を終了する。
従って、運転者が電気自動車1に乗り込み、乗降用ドアを閉じてシフトレバーの選択位置をPレンジとした状態で始動スイッチをオンにすれば、第1制御モードが選択されることになる。この場合、運転者はフットブレーキまたは図示しないパーキングブレーキを操作した状態で、シフトレバーをDレンジまたはRレンジとした後、フットブレーキ及びパーキングブレーキを解除状態としてからアクセルペダルを踏み込めば、電動モータ2が発生する動力が左右の駆動輪10に伝達され、電気自動車1が走行する。また、運転者がシフトレバーをDレンジまたはRレンジとした状態でアクセルペダルを開放状態にしているときには、電動モータ2がクリープトルクを発生するので、電気自動車1を微動させることができる。
従って、乗降用ドアが開いている場合、ECU12は第2制御モードを選択し、シフトレバーの選択位置及びアクセルペダルの操作量にかかわらず、ECU12は電動モータ2が動力を発生することのないように、インバータ4を介して電動モータ2を制御する。
ステップS2においてECU12は、フラグFの値が0であるか否かを判定するが、フラグFの値は、上述したように乗降用ドアが開状態にあるときにステップS6において1とされている。従って、ここではECU12が処理をステップS2からステップS3に進める。
フラグFの値は依然として1のままであるので、ECU12は処理をステップS2からステップS3に進め、フットブレーキが操作されているか否かを再び判定する。そして、フットブレーキが操作されていなければ、ECU12は処理をステップS7に進め、引き続き第2制御モードを選択する。
従って、乗降用ドアが閉じられたときにフットブレーキが操作されていれば、制御モードは第2制御モードから第1制御モードに移行することになる。この場合には、フットブレーキが操作されているので、乗降用ドアを閉じたときにシフトレバーがDレンジ或いはRレンジになっていて電動モータ2がクリープトルクを発生しても、電気自動車1が突然動き出すようなことはない。そして、シフトレバーをDレンジ或いはRレンジとして、フットブレーキの操作を解除すれば、アクセルペダルの操作量に応じて電気自動車1を直ちに走行させることができる。
以上のようにしてECU12がモード選択制御を行うことにより、乗降用ドアが開状態にある場合には、第2制御モードが選択されるので、乗客の乗り降りなどのために乗降用ドアが開いているときにシフトレバーがDレンジやRレンジにあっても、電動モータ2のクリープトルクによって電気自動車1が動き出すといった事態を確実に防止することができる。また、シフトレバーがDレンジやRレンジとしたまま停車し、乗降用ドアが開状態にある場合に、何らかの理由によって誤ってアクセルペダルが踏み込まれても、電気自動車1が動き出すという事態を確実に防止することができる。この結果、電気自動車1における乗客の乗り降りの際に、高い安全性を確保することができる。
以上で本発明の一実施形態に係る電気自動車制御装置についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、シフトレバーをDレンジ及びRレンジのほか、Pレンジ及びNレンジに切り換え可能としたが、シフトレバーで選択可能なレンジはこれに限定されるものではない。少なくとも本実施形態におけるDレンジやRレンジのような走行位置のレンジと、ニュートラル位置となるNレンジとを選択可能であればよい。
2 電動モータ
10 駆動輪
12 ECU(制御手段)
14 シフトレンジセンサ(シフトレバー検出手段)
16 ブレーキスイッチ(ブレーキ操作検出手段)
18 アクセルセンサ(アクセル操作量検出手段)
20 ドアスイッチ(開閉状態検出手段)
Claims (4)
- 車両の駆動輪に伝達される動力を発生する電動モータと、
上記車両の乗員により操作されて少なくとも走行位置とニュートラル位置とを選択可能なシフトレバーの選択位置を検出するシフトレバー検出手段と、
上記車両の乗員により操作されるアクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、
上記シフトレバー検出手段が検出した上記シフトレバーの選択位置が上記走行位置にあるときには、上記アクセル操作量検出手段が検出したアクセルペダルの操作量に応じて上記電動モータに動力を発生させる一方、上記選択位置が上記ニュートラル位置にあるときには、上記電動モータが動力を発生しないように、第1制御モードで上記電動モータを制御する制御手段と、
上記車両に設けられた乗降用ドアの開閉状態を検出する開閉状態検出手段と、
上記車両に設けられたブレーキ装置の操作状態を検出するブレーキ操作検出手段とを備え、
上記制御手段は、上記開閉状態検出手段によって上記乗降用ドアの開状態が検出されているときには、上記シフトレバー検出手段が検出した上記シフトレバーの位置にかかわらず、上記電動モータが動力を発生しないように、上記第1制御モードと異なる第2制御モードで上記電動モータを制御し、上記開閉状態検出手段によって検出された上記乗降用ドアの状態が開状態から閉状態に変化したときに、上記ブレーキ装置が操作されていないことを上記ブレーキ操作検出手段が検出している場合には、引き続き上記第2制御モードで上記電動モータを制御することを特徴とする電気自動車制御装置。 - 上記制御手段は、上記開閉状態検出手段によって検出された上記乗降用ドアの状態が開状態から閉状態に変化した後も上記第2制御モードによる上記電動モータの制御を継続しているときに、上記ブレーキ装置が操作されたことを上記ブレーキ操作検出手段が検出した場合には、上記第2制御モードから上記第1制御モードに切り換えて上記電動モータを制御することを特徴とする請求項1に記載の電気自動車制御装置。
- 上記制御手段は、上記開閉状態検出手段によって検出された上記乗降用ドアの状態が開状態から閉状態に変化したときに、上記ブレーキ装置が操作されていることを上記ブレーキ操作検出手段が検出した場合には、上記第2制御モードから上記第1制御モードに切り換えて上記電動モータを制御することを特徴とする請求項1に記載の電気自動車制御装置。
- 上記制御手段は、上記第1制御モードで上記電動モータを制御する際、上記シフトレバー検出手段が検出した上記シフトレバーの選択位置が上記走行位置にあって上記アクセルペダルが操作されていない場合は、上記電動モータがクリープトルクを発生するように上記電動モータを制御することを特徴とする請求項1に記載の電気自動車制御装置。
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