JP4196397B2 - 車両用駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用駆動装置に関し、例えばエンジンと電動モータとを共に使用する所謂ハイブリッド方式の車両用駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、代表的な車両である自動車の分野においては、車輪の駆動源として、エンジンと電動モータとを共に使用する所謂ハイブリッド方式の車両が提案されている。
【0003】
また、近年においては、このようなハイブリッド駆動の一例として、前輪をエンジンによって駆動すると共に、後輪は電動モータによって駆動することにより、所謂四輪駆動を実現するシステムが特開平9−284911号に提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ハイブリッド方式の車両は、エネルギ効率を可能な限り良くするという環境保護の観点を主眼として設計されるため、ドライバの運転操作に対する応答性はあまり高くないのが一般的であり、特に、ドライバがアクセルペダルを全開に操作した場合には、一般に、ドライバが本来望んでいる加速動作と、実際の加速動作との間にかなりの差異が生じるため、ドライバにストレスを与えることになる。また、例えば高速道路等において、前方の障害物を急加速しながら回避しようとする場合には、前記の如くドライバが所望する加速動作を実現できないことは安全運転の観点からは好ましくないことも予想される。
【0005】
そこで本発明は、緊急加速時の迅速な加速とフェールセーフ性とを両立させた車両用駆動装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係る車両用駆動装置は、以下の構成を特徴とする。
【0007】
即ち、前輪及び後輪にそれぞれ駆動源を備える車両用駆動装置であって、運転席の近傍に設けられた手動操作スイッチと、前記手動操作スイッチの操作を検出したときに限って、前記駆動源の少なくとも一方の出力制限を解除する制御手段と、を備え、前記手動操作スイッチは複数設けられており、前記制御手段は、前記複数の手動操作スイッチの全ての操作が検出されたときに限って、出力制限を解除することを特徴とする。
【0008】
好適な実施形態において、前記複数の手動操作スイッチは、ステアリングホイール上の、ドライバが該ステアリングホイールを両手で把持したままの状態で操作可能な位置に、離間して設けると良い。
【0009】
また、前輪及び後輪にそれぞれ駆動源を備える車両用駆動装置であって、運転席の近傍に設けられた手動操作スイッチと、前記手動操作スイッチの操作を検出したときに限って、前記駆動源の少なくとも一方の出力制限を解除する制御手段と、を備え、前記手動操作スイッチには、ドライバの誤操作を防止する保護手段(例えばドライバが開閉可能な保護カバー)が設けられていることを特徴とする。
好適な実施形態において、前記手動操作スイッチは、変速用シフトレバーの上部に設けられると良い。
【0011】
また、前輪及び後輪にそれぞれ駆動源を備える車両用駆動装置であって、運転席の近傍に設けられた手動操作スイッチと、前記手動操作スイッチの操作を検出したときに限って、前記駆動源の少なくとも一方の出力制限を解除する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記手動操作スイッチの操作を検出したときであっても、ブレーキ操作が検出されたとき、前記車両の旋回状態が検出されたとき、或いは所定車速以下の低速走行が検出されたとき等の所定の条件が成立するときには、出力制限を継続することを特徴とする。
好適な実施形態において、前記車両は、前記駆動源として、前輪を駆動するエンジンと、後輪を駆動する電動モータとを備え、前記制御手段は、前記手動操作スイッチの操作に応じて、前記電動モータの出力制限を解除すると良い。
【0012】
【発明の効果】
上記の本発明によれば、緊急加速時の迅速な加速とフェールセーフ性とを両立させた車両用駆動装置の提供が実現する。
【0013】
即ち、請求項1、3、4の発明によれば、手動操作スイッチの操作が行われたときには出力制限が解除されて緊急加速が行われるので、迅速な加速とフェールセーフ性とを両立することができる。また、ドライバが手動操作スイッチに誤って触ってしまったことによって緊急加速が不用意に行われる危険性を低減することができる。
【0015】
また、請求項2、請求項5の発明によれば、ドライバが手を置いている機会が多い場所に手動操作スイッチが設けられているので、車両用駆動装置へのドライバの迅速な意思伝達を実現することができる。
【0017】
また、請求項6の発明によれば、手動操作スイッチの操作が行われたときには出力制限が解除されて緊急加速が行われるので、迅速な加速とフェールセーフ性とを両立することができる。更に、例えばブレーキ操作、前記車両の旋回状態、或いは、所定車速以下の低速走行が検出されたとき(請求項9)等の所定の条件が成立するときには、手動操作スイッチが操作された場合であっても出力制限の解除がキャンセルされるので、安全性を担保することができる。
また、請求項8の発明によれば、エンジンと比較して出力の立ち上がり特性に優れる電動モータに対して出力制限の解除制御を行うので、加速動作を迅速に開始することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両用駆動装置を、代表的な車両である自動車に適用した実施形態として、図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、本実施形態における車両用駆動装置の駆動系を示す図であり、前輪がエンジンによって駆動され、後輪が電動モータによって駆動されるハイブリッド方式の駆動方式を採用している。
【0020】
同図において、エンジン5は、ジェネレータ6によって始動され、コントローラ1の制御に従って、変速機7を介して前輪を駆動する。電動モータ(以下、モータと称する)3は、インバータ2を介したコントローラ1の制御に従って、大容量のバッテリ(例えばリチウムイオン・バッテリ)4に蓄積されてる電気エネルギによって後輪を駆動すると共に、所定の走行条件下においてジェネレータとして機能することにより、バッテリ4を充電する。
【0021】
ここで、当該車両用駆動装置の駆動系の配置について図15乃至図17を参照して説明する。
【0022】
図15乃至図17は、本実施形態における車両用駆動装置の後部の駆動系の配置を示す斜視図(図15)、平面図(図16)、並びに側面図(図17)である。
【0023】
本実施形態に係る車両用駆動装置には、図15乃至図17に示すように、不図示の前輪車軸と後輪車軸33との中間位置付近であって、フロントシート41の座面下方にバッテリ4が搭載され、その後方且つ後輪車軸33の前方位置であって、リアシート42の座面下方には、燃料タンク31が搭載されている。また、後輪34を回転させる後輪車軸33の前方位置であって、燃料タンク31の後方位置には、デファレンシャルギア32を介してモータ3が搭載されている。そして、後輪車軸33の後方位置には、コントローラ1とインバータ2とが搭載されている。
【0024】
本実施形態では、駆動系に図15乃至図17に示すような配置を採用することによって、車両全体の重量に対して大きな割合を占めるところの、バッテリ4、モータ3、並びに燃料が多い場合の燃料タンク31を、後輪車軸33の前方位置に配置し、車両旋回時のヨーモーメントの発生を軽減することにより、運転操作性の向上を図っており、特に、バッテリ4をフロントシート41の座面下方の前後輪車軸の略中間位置に配置しているので、運転操作性の大きな向上が実現している。
【0025】
次に、本実施形態におけるハイブリッド方式の車両用駆動装置による基本的な動作パターンについて、図2乃至図9を参照して説明する。
【0026】
図2は、本実施形態における車両用駆動装置の停車時の動作を説明する図であり、車両の停車中は、静粛性及びエミッション低減の観点から、コントローラ1の制御に従ってエンジン5が停止する(アイドリング停止)。但し、バッテリ4の充電やエアコンの運転が必要な場合には、アイドリングが継続される。
【0027】
図3は、本実施形態における車両用駆動装置の発進及び低速走行時の動作を説明する図であり、車両の発進及び低速走行時には、静粛性及びエミッション低減の観点から、インバータ2を介したコントローラ1の制御に従って、バッテリ4に蓄積されてる電気エネルギによってモータ3が後輪を駆動する。このとき、エンジン5は停止状態のままであるが、バッテリ4の充電やエアコンの運転が必要な場合には、アイドリングが開始(または継続)される。
【0028】
図4は、本実施形態における車両用駆動装置のエンジン始動時の動作を説明する図であり、エンジン5の始動時には、モータ3が後輪の駆動を継続すると共に、コントローラ1は、バッテリ4に蓄積されてる電気エネルギをジェネレータ6にも供給することによってエンジン5を始動する。このとき、本実施形態では、エンジン5による前輪の駆動は行わない。
【0029】
図5は、本実施形態における車両用駆動装置のエンジンによる走行時の動作を説明する図であり、エンジン5による走行は、上記の如くエンジン5が始動し、変速機7のクラッチ締結動作に応じて開始される。このとき、コントローラ1は、モータ3への電力の供給を中止する。クラッチの締結時には、エンジン5の駆動力(回転状態)とモータ3の駆動力(回転状態)とを同期させることにより、クラッチの締結によって生じるショックを軽減すると良い。
【0030】
図6は、本実施形態における車両用駆動装置の走行時の発電動作を説明する図であり、エンジン5による走行中に発電を行ってバッテリ4を充電する場合には、インバータ2を介したモータ3の負荷状態の調整、並びに変速機7の変速動作によってエンジン5の回転を高効率な領域に遷移させることにより、モータ3によって発電を行い、発生した電力はバッテリ4に充電する。
【0031】
図7は、本実施形態における車両用駆動装置の急加速時の動作を説明する図であり、エンジン5の駆動力によって走行しているときに、ドライバによって急加速が要求されたときには、バッテリ4を充電しているときには充電を中止すると共に、エンジン出力を全て駆動力として使用する。このとき、要求されている加速状態を実現できない場合、コントローラ1は、バッテリ4によってモータ3を駆動することにより、更なる急加速を行う。
【0032】
図8は、本実施形態における車両用駆動装置の減速時の電力回生動作を説明する図であり、エンジン5による走行中に減速を行う場合には、締結状態のクラッチを切り離すことによって前輪の駆動を中止すると共に、インバータ2を介したモータ3の負荷状態を調整することによって開始される減速動作により、モータ3に発生した電力(回生電力)をバッテリ4に充電する。
【0033】
図9は、本実施形態における車両用駆動装置の急減速時の動作を説明する図であり、エンジン5の駆動力によって走行しているとき、或いは図8の如く回生動作によって減速しているときに、ドライバによって急減速が要求されたときには、不図示の制動機構による機械的な制動を行うと共に、クラッチを締結することによってエンジンブレーキをかける。このとき、コントローラ1は、ジェネレータ6とモータ3とを共に発電機として使用することにより、減速動作に伴って発生する電力(回生電力)をバッテリ4に充電する。
【0034】
次に、上述した構成を備える車両用駆動装置において、緊急加速時の迅速な加速とフェールセーフ性とを両立させる構成について説明する。
【0035】
図10は、本実施形態に係る車両用駆動装置における緊急加速を実現する制御系を示すブロック図であり、コントローラ1は、上述した基本的な走行動作を実現すると共に、同図に示す制御系による入出力信号により、緊急時の迅速な加速を実現する。
【0036】
即ち、コントローラ1には、緊急加速ボタン(スイッチ)11A及び11B、車速センサ12、横加速度センサ13、ステアリング角センサ14、バッテリ充電状態検知器15、並びにブレーキスイッチ16からの入力信号または操作状態が入力される。コントローラ1は、不図示のマイクロ・コンピュータを備えており、上記のセンサ等から取得した情報に基づいて、予め用意された制御プログラムを実行し、モータ・ジェネレータ制御器17、エンジン制御器18、並びにミッション制御器19を制御することにより、ドライバの要求に応じて緊急加速を行う。
【0037】
尚、上記の制御系において、緊急加速ボタン11A及び11B及び当該緊急加速を実現するコントローラ1の制御処理以外の各構成は、一般的なものを採用すれば良く、本実施形態における詳細な説明は省略する。
【0038】
図11は、第1の実施形態において緊急加速を開始するための手動操作スイッチを示す図であり、緊急加速ボタン11A及び11Bの配置を例示する図である。
【0039】
本実施形態において、緊急加速ボタン11A及び11Bは、ステアリングホイール43上(円周内)の、ドライバが該ステアリングホイールを両手で把持したままの状態で操作可能な位置に離間して設けられている。本実施形態において、緊急加速ボタン11A及び11Bは、図11に示す如くドライバが手を置いている機会が多い場所に設けられているので、車両用駆動装置へのドライバの迅速な意思伝達を実現することができる。
【0040】
コントローラ1は、フェールセーフの観点から、これら2つのボタンがドライバによって同時に両方操作(押下)されたときに、後述する所定の条件が成立している場合に限って、モータ・ジェネレータ制御器17にモータ3の出力制限を解除するように指示することにより、車両の緊急加速が開始される。ここで、緊急加速を行うに際して、モータ3の出力制限を解除するのは、電動モータはエンジンと比較して一般に出力の立ち上がり特性に優れるからである。
【0041】
次に、当該2つのボタンが操作されたときの加速動作について説明する。
【0042】
図13は、緊急加速ボタン11A及び11Bの操作時の急加速動作と、通常加速時の加速動作との違いを説明する図であり、横軸は経過時間、縦軸は駆動力を示す。
【0043】
同図において、エンジン5の駆動力による通常加速時の特性曲線は、INPUTで示すタイミングにおいてドライバがある危険な状態を視覚等によって認識してから、ドライバがアクセルペダルの全開操作をするまでに要する反応時間(反応時間1)が経過した後、エンジン5の出力(駆動力)が徐々に増加していくことを示している。
【0044】
これに対して、緊急加速ボタン11A及び11Bの操作に応じた緊急加速時の特性曲線は、INPUTで示すタイミングにおいてドライバがある危険な状態を視覚等によって認識してから、ドライバが当該両方のボタンを操作するまでに要する反応時間(反応時間2)が経過した時点で、モータ3が出力可能な駆動力が一気に立ち上がり、その後の駆動力の増加の度合は、エンジン5の駆動力が併用されるので、上記のエンジン単独の場合の出力の増加傾向と略同様となる。
【0045】
即ち、本実施形態において、緊急加速ボタン11A及び11Bは、上述したように、ドライバが手を置いている機会が多い場所に設けられている(図11参照)。従って、ドライバが緊急加速を所望する際、ドライバは、人間の一般的な行動特性により、アクセルペダルの全開操作をするまでに要する反応時間1より短い反応時間2が経過した時点で緊急加速ボタン11A及び11Bの操作を行うことができ、危険な状態を視覚等によって認識してから短時間で車両(コントローラ1)に対して緊急加速を指示することができる。
【0046】
更に、当該両方のボタンが操作されたときは、モータ3が一気にフル駆動されるので、緊急時の急加速動作を迅速に開始することができる。
【0047】
図12は、本実施形態における緊急加速の制御処理のフローチャートであり、コントローラ1のマイクロ・コンピュータ(不図示)が行う処理手順を示す。
【0048】
同図において、ステップS1,ステップS2:緊急加速ボタン11A及び11Bの操作が両方共に行われているかを判断し(ステップS1)、何れか一方の操作だけのときには、ドライバの誤操作が想定されるので緊急加速が不用意に実行されることを防止すべくステップS1にリターンし、両方共に操作されているときには、ブレーキスイッチ16の操作状態に基づいてブレーキペダルが踏まれているかを判断する(ステップS2)。この判断においてブレーキペダルが踏まれている場合には、緊急加速を実行するのは危険なのでステップS1にリターンする。
【0049】
更に、ステップS1及びステップS2におけるリターンに際しては、前回までの制御周期において緊急加速を行っている場合には、その加速状態をキャンセルする。
【0050】
ステップS3,ステップS4:ステップS1及びステップS2の判断で、当該両方のボタンが何れも操作されており、且つブレーキがかけられていないときには、車速センサ12の検出信号に基づいて自車速が所定速度V1(例えば数Km/h)以上であるかを判断し、自車速が速度V1より遅い場合には、駐車場や徐行路等を走行していることが想定され、緊急加速を実行するのは危険なので、その旨を音声や表示等によってドライバに警告すると共にステップS1にリターンし、自車速が速度V1以上の場合は、バッテリ充電状態検知器15の検出信号に基づいてバッテリ4の充電状態を判断し、充電状態が過放電状態であるときには、モータ3への安定した電力供給が行えないことが予想されることと、バッテリ4の保護のため、緊急加速を実行すべきではないので、その旨を音声や表示等によってドライバに警告すると共にステップS1にリターンする。
【0051】
更に、ステップS3及びステップS4におけるリターンに際しては、前回までの制御周期において緊急加速を行っている場合には、その加速状態をキャンセルする。
【0052】
ステップS5:ステップS3及びステップS4の判断で、自車速が所定速度V1以上であってバッテリ4が過放電状態ではないときには、モータ3及びエンジン5の出力制限を解除することによって急加速を行う。このとき、モータ3のフル駆動は直ちに開始されるが、エンジン5の立ち上がりは遅れを伴うので、本実施形態に係る車両用駆動装置は、図13を参照して上述した緊急加速時の加速特性となる。
【0053】
ステップS6,ステップS7:車速センサ12、横加速度センサ13、並びにステアリング角センサ14の検出信号に基づいて、一般的な手法により、トラクションの状態(ステップS6)と、車両の安定性(ステップS7)とがそれぞれ所定の条件を満足するかを判断し、何れの判断でも条件を満足する場合には、緊急加速を継続しても問題無いと判断できるので、ステップS1にリターンする。ステップS6の判断において、トラクションが所定の条件を満たさない場合には、そのまま緊急加速を継続すると、濡れた路面等によって車両がホイールスピンを起こす可能性があるので、ステップS8に進む。また、トラクションが所定の条件を満たす場合であっても、車両の安定性が所定の条件を満たさない場合には、そのまま緊急加速を継続すると、車両の横滑りによるスピンやドリフトアウトが発生する可能性があるので、ステップS8に進む。
【0054】
ステップS8:トラクションまたは走行安定性に問題があることを音声や表示等によってドライバに警告すると共に、一般的な手法によるDSC(Dynamic Stability Control)やトラクションコントロールを作動させ、ステップS1にリターンする。
【0055】
このように、上述した本実施形態によれば、緊急加速時の迅速な加速とフェールセーフ性とを両立させることができる。
【0056】
尚、上述した各実施形態では、車両の安全走行の観点から、緊急加速ボタン11A及び11Bの操作が危険回避のために行われることを想定して説明したが、走行環境が整備されたサーキット等であれば、競技用の自動車に採用することにより、良好な運動性能を享受することができる。
【0057】
[第2の実施形態]
次に、上述した第1の実施形態に係る車両用駆動装置を基本とする第2の実施形態を説明する。以下の説明においては、第1の実施形態と同様な構成については重複する説明を省略し、本実施形態における特徴的な部分を中心に説明する。図14は、第2の実施形態において緊急加速を開始するための手動操作スイッチを示す図であり、本実施形態において、当該手動操作スイッチである緊急加速ボタン11Cは、変速用シフトレバー20の上部において、ドライバの誤操作によって緊急加速が不用意に開始されることを防止すべく、図11(a)に示すように、ドライバが開閉可能な保護力バー21に覆われた状態で設けられている。従って、ドライバは、緊急加速を所望する場合には、図11(b)に示す如く保護力バー21を開き、その状態において緊急加速ボタン11Cを操作(押下)する。本実施形態においても、ドライバが手を置いている機会が多い場所に手動操作スイッチ(緊急加速ボタン11C)が設けられているので、車両用駆動装置へのドライバの迅速な意思伝達を実現することができる。
【0058】
また、本実施形態に係る車両用駆動装置における緊急加速を実現する制御系は、上述した第1の実施形態では緊急加速ボタン11A及び11Bの2つのスイッチであったのに対して、本実施形態では緊急加速ボタン11Cだけである点だけが異なり、コントローラ1が行う緊急加速の制御処理は、上述した制御処理(図12)のステップS1において、緊急加速ボタン11Cが操作されたか否かを判断する点だけが異なる。従って、本実施形態によっても、第1の実施形態と同様な作用・効果を享受することができ、緊急加速時の迅速な加速とフェールセーフ性とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における車両用駆動装置の駆動系を示す図である。
【図2】本実施形態における車両用駆動装置の停車時の動作を説明する図である。
【図3】本実施形態における車両用駆動装置の発進及び低速走行時の動作を説明する図である。
【図4】本実施形態における車両用駆動装置のエンジン始動時の動作を説明する図である。
【図5】本実施形態における車両用駆動装置のエンジンによる走行時の動作を説明する図である。
【図6】本実施形態における車両用駆動装置の走行時の発電動作を説明する図である。
【図7】本実施形態における車両用駆動装置の急加速時の動作を説明する図である。
【図8】本実施形態における車両用駆動装置の減速時の電力回生動作を説明する図である。
【図9】本実施形態における車両用駆動装置の急減速時の動作を説明する図である。
【図10】本実施形態に係る車両用駆動装置における緊急加速を実現する制御系を示すブロック図である。
【図11】第1の実施形態において緊急加速を開始するための手動操作スイッチを示す図である。
【図12】本実施形態における緊急加速の制御処理のフローチャートである。
【図13】緊急加速ボタン11A及び11Bの操作時の急加速動作と、通常加速時の加速動作との違いを説明する図である。
【図14】第2の実施形態において緊急加速を開始するための手動操作スイッチを示す図である。
【図15】本実施形態における車両用駆動装置の後部の駆動系の配置を示す斜視図である。
【図16】本実施形態における車両用駆動装置の後部の駆動系の配置を示す平面図である。
【図17】本実施形態における車両用駆動装置の後部の駆動系の配置を示す側面図である。
【符号の説明】
1:コントローラ,
2:インバータ,
3:モータ,
4:バッテリ,
5:エンジン,
6:ジェネレータ,
7:変速機,
11A,11B,11C:緊急加速ボタン,
20:シフトレバー,
21:保護カバー,
31:燃料タンク,
32:デファレンシャルギヤ,
33:後輪車軸,
34:後輪,
41:フロントシート,
42:リアシート,
43:ステアリングホイール,
Claims (9)
- 前輪及び後輪にそれぞれ駆動源を備える車両用駆動装置であって、
運転席の近傍に設けられた手動操作スイッチと、
前記手動操作スイッチの操作を検出したときに限って、前記駆動源の少なくとも一方の出力制限を解除する制御手段と、
を備え、
前記手動操作スイッチは複数設けられており、
前記制御手段は、前記複数の手動操作スイッチの全ての操作が検出されたときに限って、出力制限を解除することを特徴とする車両用駆動装置。 - 前記複数の手動操作スイッチは、ステアリングホイール上の、ドライバが該ステアリングホイールを両手で把持したままの状態で操作可能な位置に、離間して設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の車両用駆動装置。 - 前輪及び後輪にそれぞれ駆動源を備える車両用駆動装置であって、
運転席の近傍に設けられた手動操作スイッチと、
前記手動操作スイッチの操作を検出したときに限って、前記駆動源の少なくとも一方の出力制限を解除する制御手段と、
を備え、
前記手動操作スイッチには、ドライバの誤操作を防止する保護手段が設けられていることを特徴とする車両用駆動装置。 - 前記保護手段は、ドライバが開閉可能な保護力バーであることを特徴とする請求項3記載の車両用駆動装置。
- 前記手動操作スイッチは、変速用シフトレバーの上部に設けられていることを特徴とする請求項3または請求項4記載の車両用駆動装置。
- 前輪及び後輪にそれぞれ駆動源を備える車両用駆動装置であって、
運転席の近傍に設けられた手動操作スイッチと、
前記手動操作スイッチの操作を検出したときに限って、前記駆動源の少なくとも一方の出力制限を解除する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記手動操作スイッチの操作を検出したときであっても、所定の条件が成立するときには、出力制限を継続することを特徴とする車両用駆動装置。 - 前記車両は、前記駆動源として、前輪を駆動するエンジンと、後輪を駆動する電動モータとを備えることを特徴とする請求項6記載の車両用駆動装置。
- 前記制御手段は、前記手動操作スイッチの操作に応じて、前記電動モータの出力制限を解除することを特徴とする請求項7記載の車両用駆動装置。
- 前記所定の条件は、ブレーキ操作、前記車両の旋回状態、或いは、所定車速以下の低速走行の何れかが検出されたときであることを特徴とする請求項6記載の車両用駆動装置。
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