JP5456578B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
この発明は、直流電源から供給される直流電圧を入力とし出力側のコンデンサの両端に全波電圧として出力する昇降圧コンバータと、前記全波電圧を得るための出力電圧指令値に基づき前記昇降圧コンバータを制御するコンバータ制御部と、を有する電力変換装置に関し、前記昇降圧コンバータにより得られた前記全波電圧を系統連係インバータにより所望の交流電圧に変換して電力系統に連係する電力変換装置に適用して好適な電力変換装置に関する。
太陽電池又は燃料電池等は直流電圧を生成するが、電力の伝送やモータの駆動のためには交流電圧が好適であり、直流電圧を交流電圧に変換する電力変換装置が用いられている。また、太陽電池や燃料電池等の直流電源から供給される直流電力を系統に連係して交流電力に変換する回路として、系統連係インバータが知られている。
この出願の発明者は、特許文献1に、図7に示す電力変換装置200を提案している。この電力変換装置200は、直流電源202で発生する、例えば、直流電圧250Vdcを、第1の電力変換装置としてのチョッパ型の昇降圧コンバータ204により、例えば、330Vpeakの全波電圧Vmに変換し、この全波電圧Vmを第2の電力変換装置としてのチョッパ型のインバータ206及びLPF208を通じて交流電圧200Vrmsに変換して負荷220の電力系統に連係するように構成されている。
コンバータ制御部210は、インバータ制御部218に入力される200Vrmsの正弦波指令値Vsの絶対値を採った出力電圧指令値に所定定数を乗じた出力電圧指令値Vcom(波形は全波電圧波形)と、電圧センサ212により検出した直流電圧Vinとから基本的な降圧デューティと昇圧デューティを算出し、さらに、出力側のコンデンサ214に表れる全波電圧Vmを電圧センサ216により検出して比例積分(PI)制御の補正デューティを算出してそれぞれ前記降圧デューティと前記昇圧デューティに加算して補正し、補正後の降圧デューティ及び昇圧デューティと三角波の搬送波信号(キャリア信号)と、を比較して昇降圧コンバータ204の駆動信号を算出するように構成されている。
一方、インバータ制御部218は、前記の200Vrmsの正弦波指令値Vsと、前記の全波電圧Vmとから基準信号Vref=1/2(Vs/Vm+1)を生成し、生成した基準信号Vrefと三角波の搬送波信号(キャリア信号)とを比較してインバータ206の駆動信号を算出するように構成されている。
特許文献1に係る電力変換装置200によれば、昇降圧コンバータ204の出力側のコンデンサ214の両端に表れる全波電圧Vmの比例積分制御による補正デューティを考慮したことで、負荷220の軽重に拘わらず波形歪の小さい全波電圧Vmを出力することができることが確認されている。
しかしながら、電力変換装置200の使用時間が長期間にわたってくると、全波電圧Vmの波形歪が大きくなってくるという不都合が表れることが分かった。
この発明は、このような知見、課題を考慮してなされたものであり、使用時間が長期間にわたっても、昇降圧コンバータの出力に表れる全波電圧の波形歪を小さく維持することを可能とする電力変換装置を提供することを目的とする。
また、この発明は、電力変換装置の周囲温度が変動しても、昇降圧コンバータの出力に表れる全波電圧の波形歪を小さく維持することを可能とする電力変換装置を提供することを目的とする。
この発明に係る電力変換装置は、直流電源から供給される直流電圧を入力とし、出力側のコンデンサの両端に全波電圧を出力する昇降圧コンバータと、前記全波電圧を規定するための出力電圧指令値を生成するとともに、前記コンデンサに流れる電流を規定するためのコンデンサ電流指令値を生成する指令値生成部と、前記コンデンサの容量低下量を算出する容量低下量算出部と、前記コンデンサの容量低下量に応じて前記出力電圧指令値を補正する補正値を算出する補正値算出部と、前記補正値により補正された出力電圧補正指令値に基づく降圧デューティ及び昇圧デューティに対してそれぞれ、前記コンデンサに流れるコンデンサ電流と前記コンデンサ電流指令値との偏差に応じた補正デューティを反映させて前記昇降圧コンバータを制御するコンバータ制御部と、を備えることを特徴とする。
この出願の発明者は、使用時間が長期間にわたってくると、全波電圧の波形歪が大きくなる原因が、昇降圧コンバータの出力側のコンデンサの容量(静電容量)の低下、いわゆる容量抜けによるものであることを見いだした。
そこで、前記コンデンサの容量低下量を算出する容量低下量算出部を設けるとともに、前記容量低下量算出部で算出した前記コンデンサの容量低下量に応じた前記出力電圧指令値の補正値を算出する補正値算出部を設け、コンバータ制御部が、前記補正値により補正された出力電圧補正指令値に基づく降圧デューティ及び昇圧デューティに対してそれぞれ、前記コンデンサに流れるコンデンサ電流と前記コンデンサ電流指令値との偏差に応じた補正デューティを反映させて前記昇降圧コンバータを制御することで、コンデンサの容量が低下しても、コンデンサの両端に所望の波形歪の小さい全波電圧波形、換言すれば、次段のインバータに必要な実効値換算に近似した全波電圧波形を得ることができる。
なお、前記指令値生成部は、前記コンデンサに流れる電流を規定するためのコンデンサ電流指令値を生成する際、前記全波電圧を規定するための出力電圧指令値を微分して生成することで、コンデンサ電流指令値を簡易に生成することができる。
また、前記コンデンサに流れるコンデンサ電流を得る際、前記コンデンサに直列に接続した電流センサの出力から直接的に得るようにしてもよく、又は前記コンデンサの両端電圧を測定する電圧センサの出力を微分した出力に基づき間接的に得るようにしてもよい。
この発明に係る電力変換装置は、昇降圧コンバータの出力側コンデンサの容量値が低下しても、昇降圧コンバータの出力に表れる全波電圧の波形歪の小さい電力変換装置を提供することができる。
また、この発明に係る電力変換装置は、昇降圧コンバータの出力側コンデンサの容量値が温度により変化しても、昇降圧コンバータの出力に表れる全波電圧の波形歪の小さい電力変換装置を提供することができる。
以下、この発明に係る電力変換装置について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、電力変換装置(電力変換システム)10全体の回路構成を示している。
図1に示すように、この実施形態に係る電力変換装置10は、基本的には、[第1実施例]に係る第1電力変換装置101と、第2電力変換装置102と、前記第1及び第2電力変換装置101、102の一部を構成する制御部20とから構成される。
第1電力変換装置101は、直流電源12から供給される直流電圧Vin、例えば公称値250Vdc(=Vin)を昇降圧して、出力側のコンデンサ28の両端に、例えば330Vpeakの全波電圧Vmを出力する昇降圧コンバータ14を備える。この場合、昇降圧コンバータ14は、前記の330Vpeakの全波電圧Vm中、直流電圧Vinに対応する250Vpeak分までは降圧し、この250Vpeakに上乗せされる70Vpeak分は昇圧するように昇降圧制御する。
第2電力変換装置102は、前記の全波電圧Vmを交流電圧Vxに変換するインバータ16と、交流電圧Vxを安定化させて例えば交流電圧200Vrmsの出力電圧Voを負荷220に出力する安定化回路18と、を備える。
制御部20は、昇降圧コンバータ14及びインバータ16を制御する。
この実施形態において、制御部20は、ECU(Electronic Control Unit)により構成される。ECUは、マイクロコンピュータを含む計算機であり、CPU(中央処理装置)、メモリであるROM(EEPROMも含む。)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、その他、A/D変換器、D/A変換器等の入出力装置、計時手段としてのタイマ等を有しており、CPUがROMに記録されているプログラムを読み出し実行することで各種機能実現部、たとえば制御部、算出部(演算部)、及び処理部等として機能する。
図2は、図1中の昇降圧コンバータ14を転載して描くとともに、図1に示した電力変換装置10の制御部20中、コンバータ制御部42と指令値生成部26の詳細な回路構成を示している。なお、図2において、図1に示したインバータ16と安定化回路18とからなる第2電力変換装置102及び負荷220は、負荷Rと省略して描いている。
図1において、直流電源12は、例えば太陽電池又は燃料電池等であり、出力する直流電圧Vinは変動し得るが、電力変換装置10の作用により、出力電圧Voは安定した交流にされる。
図1及び図2において、昇降圧コンバータ14は、MOSFET又はIGBT等のスイッチング素子80a、80b、80c、80dと、これらスイッチング素子80a、80b、80c、80dにそれぞれ並列に逆方向に接続されるダイオード23と、リアクトル82とから構成されている。
直流電源12のプラス側にハイサイド側のスイッチング素子80aのコレクタ及びダイオード23のカソードが接続され、直流電源12のマイナス側にローサイド側のスイッチング素子80bのエミッタ及びダイオード23のアノードが接続される。
また、全波電圧Vmのプラス側にハイサイド側のスイッチング素子80cのコレクタ及びダイオード23のカソードが接続される。全波電圧Vmのマイナス側にローサイド側のスイッチング素子80dのエミッタ及びダイオード23のアノードが接続される。
入力相アーム側のスイッチング素子80aのエミッタとスイッチング素子80bのコレクタとの接続点と、出力相アーム側のスイッチング素子80cのエミッタとスイッチング素子80dのコレクタとの接続点との間に、昇降圧の際にエネルギを蓄積乃至放出する上記のリアクトル82が接続される構成とされている。
コンデンサ28の両端電圧である全波電圧Vmは、電圧センサ29により取り込まれ、インバータ制御部44中、デューティ演算部62に供給される。
コンデンサ28に流れるコンデンサ電流icは、電流センサ30により取り込まれコンバータ制御部42中の減算器104の減数入力端子及び容量低下量算出部32に供給される。コンデンサ電流icは、コンデンサ28の静電容量をCとするとき、次の(1)式に示すように表されるので、電圧センサ29により得られる全波電圧Vmを微分器で微分することでも得られる。(1)式は、全波電圧Vmで解いて(2)式に変更できることに留意する。
ic(t)=C×{dVm(t)/dt} …(1)
Vm(t)=(1/C)×∫ic(t)dt …(2)
ic(t)=C×{dVm(t)/dt} …(1)
Vm(t)=(1/C)×∫ic(t)dt …(2)
図1に示すように、インバータ16は、それぞれに並列に逆方向のダイオード23が接続されたMOSFETやIGBT等のスイッチング素子22a、22b、22c、22dによりブリッジ回路として形成されている。
ハイサイド側のスイッチング素子22a、22cのコレクタはプラス側ライン34aに接続され、ローサイド側のスイッチング素子22b、22dのエミッタはマイナス側ライン34bに接続されている。スイッチング素子22aのエミッタとスイッチング素子22bのコレクタとの接続点は第1出力ライン36aに分岐しており、スイッチング素子22cのエミッタとスイッチング素子22dのコレクタとの接続点は第2出力ライン36bに分岐している。
インバータ16は、基本的には、インバータ16に入力された全波電圧Vmを降圧して出力を発生させる。降圧動作は入力電圧である全波電圧Vmに対してインバータ出力電圧Vxを、Vx=Vm×2×(Q−0.5)、の関係で出力させる。ここで、括弧内は、引数のQが0.5以上のときには正、0.5未満のときには負となる。Qは後述する基礎信号である。
安定化回路18は、ローパスフィルタの構成とされ、第1出力ライン36aと第2出力ライン36bに直列に挿入されたインダクタ38(同相トランス)と、該インダクタ38の下流側に設けられたコンデンサ40とを有する。安定化回路18で安定化された出力電圧Voは、負荷220に供給される。
制御部20は、昇降圧コンバータ14のチョッパ制御を行うコンバータ制御部42と、インバータ16の制御を行うインバータ制御部44とを有する。コンバータ制御部42とインバータ制御部44は同期しながら昇降圧コンバータ14及びインバータ16の制御を行う。
第1実施例に係る第1電力変換装置101は、図2に示すように、直流電源12から供給される直流電圧Vinを入力とし出力側のコンデンサ28の両端に全波電圧Vmを出力する昇降圧コンバータ14と、全波電圧Vmを規定するための出力電圧指令値Vmcomを生成するとともにコンデンサ28に流れる電流icを規定するためのコンデンサ電流指令値iccomを生成する指令値生成部26と、コンデンサ28の時間単位での容量低下量ΔCnを算出する容量低下量算出部32と、出力電圧指令値Vmcomに加算するためのコンデンサ28の時間単位での容量低下量ΔCnに応じた時間単位の補正値(指令電圧増加量)ΔVnを求める補正値算出部34と、コンバータ制御部42と、を備える。
時間単位での容量低下量ΔCnを求める場合、容量低下量算出部32は、補正値算出部34から出力される時間単位の補正値(指令電圧増加量)ΔVnをゼロ値とし、かつ比例器112及び比例器114から出力される補正デューティをゼロ値としたときに、コンデンサ28に流れるコンデンサ電流icとコンデンサ電流指令値iccomとの差に基づき算出することができる。
具体的には、次の(3)式に示すように、時間単位の容量低下量ΔCnを算出する。なお、(4)式は、平均的な容量低下量ΔCを示す。
ΔCn=Cini{(iccom(n)−ic(n))/iccom(n)}
…(3)
ΔC=ΣΔCn/T …(4)
Cini:初期値メモリ122に記憶されているコンデンサ28の静電容量の初期値
iccom(n):コンデンサ瞬時電流指令値
ic(n):コンデンサ瞬時電流実測値
ΔCn:時間単位での容量低下量(時間単位での容量差分)
ΣΔCn:1周期分の容量差分の総和
T:全波電圧1周期分の時間[s](図3参照)
ΔCn=Cini{(iccom(n)−ic(n))/iccom(n)}
…(3)
ΔC=ΣΔCn/T …(4)
Cini:初期値メモリ122に記憶されているコンデンサ28の静電容量の初期値
iccom(n):コンデンサ瞬時電流指令値
ic(n):コンデンサ瞬時電流実測値
ΔCn:時間単位での容量低下量(時間単位での容量差分)
ΣΔCn:1周期分の容量差分の総和
T:全波電圧1周期分の時間[s](図3参照)
補正値算出部34は、次の(5)式に基づき、コンデンサ28の容量低下量ΔCの時間単位での容量低下量ΔCnに応じて出力電圧指令値Vmcomを補正する補正値(時間単位での指令電圧増加量)ΔVnを算出する。
ΔVn=[{1/(Cini−ΔCn)}−1/Cini]×
∫iccom(n)・dt …(5)
ΔVn=[{1/(Cini−ΔCn)}−1/Cini]×
∫iccom(n)・dt …(5)
指令値生成部26は、サイン波生成部46と、絶対値回路48と、加算器106と、増幅器50と、初期値メモリ122と、乗算器124と、微分器110と、バッファ56と、を有する。
以下、図3の波形図も参照しながら説明する。
サイン波生成部46は、負荷220に出力電圧Vo(図1、図3参照)として得る予定の交流波形と同じ周波数、且つ同じピーク値(波高値)を有するサイン波形(正弦波指令値)Vs(図2、図3参照)をリアルタイムで生成する。
絶対値回路48は、サイン波生成部46から供給されるサイン波形Vsの絶対値を求め全波整流波形を得、出力電圧指令値Vmcom(図1〜図3参照)を生成する。
加算器106は、全波整流波形としての出力電圧指令値Vmcomに、コンデンサ28の時間的な容量低下量ΔCnに応じた補正値(指令電圧増加量)ΔVnをリアルタイムに加算して、出力電圧補正指令値Vcom(図1〜図3参照)(Vcom=Vmcom+ΔVn)を出力する。
なお、出力電圧補正指令値Vcomは、[第2実施例]に係る図4、図5及び(6)式に示すように、指令値生成部26Aにおいて乗算器107により出力電圧指令値Vmcomに補正値(定数値)A(A≧1)を乗算することで求めることもできる。補正値Aは、容量低下量算出部32Aから出力される上記(4)式の平均的な容量低下量ΔCと初期値Ciniを用いて次の(6)式の右辺に示すように補正値算出部34Aで算出することができる。
Vcom=A×Vmcom=Vmcom×Cini/(Cini−ΔC)
…(6)
Vcom=A×Vmcom=Vmcom×Cini/(Cini−ΔC)
…(6)
なお、平均的な容量低下量ΔCを算出する容量低下量算出部32Aは、[第3実施例]に係る図6に示すように、コンデンサ28に対する通電時間を蓄積計時するタイマ33と、コンデンサ28の容量初期値Ciniからの経時的な容量低下量ΔCの特性(通電時間に対する容量値の減衰特性)37を予め記憶するメモリ35とを含んで構成するようにしてもよい。この[第3実施例]の場合には、容量低下量算出部32Bに対し、コンデンサ瞬時電流指令値iccom(n)や、コンデンサ瞬時電流実測値ic(n)を入力することが不要であり、タイマ33により蓄積計時される通電時間によりメモリ35に記憶されている容量低下量ΔCの特性37を参照して容量低下量ΔCを求めることができる。特性37は近似式(数式)で持つようにしてもよい。
図1、図2、及び図4において、増幅器50は、出力電圧補正指令値Vcomを増幅する。この増幅率は小さく、例えば1.1倍程度に設定されている。この増幅器50による増幅は、所望の出力電圧Voを得るために多少の余裕を設定するために行われる。
初期値メモリ122は、上述したように、コンデンサ28の静電容量の初期値である容量初期値Ciniを記憶している。
微分器110は、出力電圧指令値Vmcomを微分する。この微分値に、コンデンサ28の容量初期値Ciniを乗算器124で掛けることで、コンデンサ28に流れるコンデンサ電流icを規定するためのコンデンサ電流指令値iccom[iccom=Cini×{dVmcom/dt}]を生成し(図1〜図4参照)、コンバータ制御部42、補正値算出部34、34A及び容量低下量算出部32、32Aに供給する。
バッファ56は、サイン波生成部46から供給されるサイン波形Vsのバッファとして機能し、該サイン波形Vsを、インバータ制御部44を構成するデューティ演算部62に供給する。
一方、コンバータ制御部42は、降圧デューティ演算部86と、昇圧デューティ演算部88と、減算器104と、比例器112、114と、加算器92、94と、比較器96、98と、出力反転器130、132と、搬送波生成部52と、を備える。
図2及び図4に示すように、降圧デューティ演算部86は、出力電圧補正指令値Vcomを電圧センサ84により検出される直流電圧Vinで除算して降圧デューティ(Vcom/Vin)を求める。
昇圧デューティ演算部88は、直流電圧Vinを出力電圧補正指令値Vcomで除算した商を値1から減算して昇圧デューティ(1−Vin/Vcom)を求める。
減算器104は、コンデンサ電流指令値iccomから電流センサ30により検出される実際のコンデンサ電流icを減算して偏差Δic(Δic=iccom−ic)を算出する。
比例器112、114は、偏差Δicに対して比例定数kをかけ、補正デューティk・Δicとして、加算器92、94に供給する。なお、比例器112、114に代替して比例積分器としてもよい。
加算器92は、降圧デューティ(Vcom/Vin)に補正デューティk・Δicを加算して、比較器96の比較入力端子(+入力端子)に供給する。
加算器94は、昇圧デューティ(1−Vin/Vcom)に補正デューティk・Δicを加算して、比較器98の比較入力端子(+入力端子)に供給する。
搬送波生成部52は、昇降圧コンバータ14をチョッパ駆動する基礎となる高周波、例えば、20[kHz]の三角波を生成する。搬送波生成部52が生成する三角波は、最低値が0となりプラス側に振幅する波形となっている。
比較器96は、基準入力端子(−入力端子)に、搬送波生成部52から供給される三角波が入力されており、加算器92から供給される信号と比較し、両波形の大小に応じてオン信号又はオフ信号を出力する。この出力信号は、スイッチング素子80aのゲートに直接供給されるとともに、スイッチング素子80bのゲートに出力反転器130を介して供給される。
比較器98は、基準入力端子(−入力端子)に搬送波生成部52から供給される三角波が入力されており、加算器94から供給される信号と比較し、両波形の大小に応じてオン信号又はオフ信号を出力する。この出力信号は、スイッチング素子80dのゲートに直接供給されるとともに、スイッチング素子80cのゲートに出力反転器132を介して供給される。
昇降圧コンバータ14の昇圧時には、スイッチング素子80aはオン状態とされ、スイッチング素子80bはオフ状態とされ、さらにスイッチング素子80cがオフ状態とされ、スイッチング素子80dがオンオフ制御されることで、直流電圧Vinが昇圧される。すなわち、オンオフ制御されるスイッチング素子80dのオン時に、スイッチング素子80aを通じて直流電源12からリアクトル82にエネルギが蓄積され、スイッチング素子80dのオフ時に、リアクトル82に蓄積されたエネルギがダイオード23を通じて(スイッチング素子80cがMOSFETであれば、このMOSFETを通じて)コンデンサ28及び負荷Rに供給されることで、昇圧される。
また、昇降圧コンバータ14の降圧時には、スイッチング素子80bがオフ状態、スイッチング素子80cがオン状態、さらに、スイッチング素子80dがオフ状態とされ、スイッチング素子80aがオンオフ制御されることで直流電圧Vinが降圧される。すなわち、オンオフ制御されるスイッチング素子80aがオン時に直流電圧Vinがリアクトル82とコンデンサ28(及び負荷R)のローパスフィルタにより降圧されるとともにリアクトル82にエネルギが蓄積され、さらに、スイッチング素子80aのオフ時にはダイオード23が導通してリアクトル82からダイオード23を通じてコンデンサ28及び負荷Rに電流が供給されることで、直流電圧Vinが降圧される。
第2電力変換装置102の動作は、特許文献1で開示されているので、簡単に説明すると、インバータ制御部44は、搬送波生成部60と、デューティ演算部62と、比較器64と、出力反転器68及び70を有する。
搬送波生成部60は、インバータ16をPWM制御するための基準となる高周波の三角波を生成する部分である。搬送波生成部60が生成する三角波は、図1に示すように、中央値が0でプラス側とマイナス側に変化する波形となっている。搬送波生成部60は搬送波生成部52から得られる三角波をプラス側とマイナス側が等しいピーク値となるようにシフトして用いてもよい。
デューティ演算部62は、指令値生成部26のバッファ56から供給されるサイン波形Vsを電圧センサ29から得られる全波電圧Vmで除算することによりインバータ動作指令を決定し、インバータ16を制御する基礎信号(インバータ動作指令)Q(図1及び図3参照)を生成する。
具体的には、デューティ演算部62は、基礎信号Qを、Q=1/2×(Vs/Vm+1)として求めている。除算した結果に+1を加算をして、1/2倍しているのはレベル調整である。
比較器64は、デューティ演算部62から供給される基礎信号Qと搬送波生成部60から供給される三角波とを比較し、両波形の大小に応じてオン信号又はオフ信号を出力し、スイッチング素子22a及び22dのゲートに供給する。出力反転器68及び70は比較器64の出力を反転してスイッチング素子22b及び22cのゲートに供給する。
すなわち、昇降圧コンバータ14の出力する全波整流波形の全波電圧Vmが0となるタイミングを基準とし、1つおきの周期では、第1スイッチング素子対のスイッチング素子22a及び22dを高い値の一定デューティでオンさせ、第2スイッチング素子対のスイッチング素子22b及び22cを小さい値の一定のデューティでオンにする。他の1つおきの周期では、第1スイッチング素子対のスイッチング素子22a及び22dを小さい値の一定のデューティでオンにし、第2スイッチング素子対のスイッチング素子22b及び22cを高い値の一定のデューティでオンにする。これにより、所望のピーク値である出力電圧Vo(図3参照)が得られる。
以上説明したように上述した実施形態によれば、第1電力変換装置101は、直流電源12から供給される直流電圧Vinを入力とし、出力側のコンデンサ28の両端に全波電圧Vmを出力する昇降圧コンバータ14と、全波電圧Vmを規定するための出力電圧指令値Vmcomを生成するとともに、コンデンサ28に流れるコンデンサ電流icを規定するためのコンデンサ電流指令値iccomを生成する指令値生成部26と、コンデンサ28の容量低下量ΔC、ΔCnを算出する容量低下量算出部32、32A、及び32Bと、コンデンサ28の容量低下量ΔCn、ΔCに応じて出力電圧指令値Vmcomを補正する補正値ΔVn、Aを算出する補正値算出部34、34Aと、補正値ΔVn、Aにより補正された出力電圧補正指令値Vcomに基づく降圧デューティ(Vcom/Vin)及び昇圧デューティ(1−Vin/Vcom)に対してそれぞれ、コンデンサ28に流れるコンデンサ電流icとコンデンサ電流指令値iccomとの偏差Δic(Δic=iccom−ic)に応じた補正デューティk・Δicを反映させて昇降圧コンバータ14を制御することで、コンデンサ28の容量が低下しても、コンデンサ28の両端に所望の波形歪の小さい全波電圧波形Vm、換言すれば、次段のインバータに必要な実効値換算に近似した全波電圧波形Vmを得ることができる。
ここで、指令値生成部26、26Aは、コンデンサ28に流れる電流を規定するためのコンデンサ電流指令値iccomを生成する際、前記全波電圧を規定するための出力電圧指令値Vmcomを微分することで生成することができる。
また、コンデンサ28に流れるコンデンサ電流を得る際、コンデンサ28に直列に接続した電流センサ30の出力から直接的に得るようにしてもよく、コンデンサ28の両端電圧を測定する電圧センサ29の出力を微分した出力に基づき得るようにしてもよい。
さらに、容量低下量算出部32は、時間単位での容量低下量ΔCnを、容量初期値Cini×{(コンデンサ瞬時電流指令値iccom(n)−コンデンサ瞬時電流実測値ic(n))/コンデンサ瞬時電流指令値iccom(n)}として算出し、補正値算出部34は、出力電圧指令値Vmcomに加算するための補正値ΔVnを、[{1/(容量初期値Cini−時間単位での容量低下量ΔCn)}−1/容量初期値Cini]×∫(コンデンサ瞬時電流指令値iccom(n))dtとして算出することができる。
さらにまた、容量低下量算出部32Aは、時間単位での容量低下量ΔCnを、容量初期値Cini×{(コンデンサ瞬時電流指令値iccom(n)−コンデンサ瞬時電流実測値ic(n))/コンデンサ瞬時電流指令値iccom(n)}として算出した後、容量低下量ΔCをΣ(時間単位での容量低下量ΔCn)/前記全波電圧1周期の時間T、により算出し、補正値算出部34Aは、出力電圧指令値Vmcomに乗算するための補正値Aを、容量初期値Cini/(容量初期値Cini−容量低下量ΔC)として算出することができる。
なお、容量低下量ΔCは、コンデンサ28が、本実施形態で使用している電解コンデンサであれば、(周囲)温度が低温になると概ね低下するが、図1、図2、図4の第1電力変換装置101を有する電力変換装置10によれば、コンデンサ電流icをリアルタイムに検出しているので、温度センサによりコンデンサ28の温度を測定し、容量初期値Ciniの温度特性をメモリに保持しておくことで、周囲温度の変化による容量低下量ΔCをも考慮した補正値としての指令電圧増加量ΔVnあるいは補正値Aを算出することができる。
なお、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…電力変換装置 12…直流電源
14…昇降圧コンバータ 16…インバータ
18…安定化回路 20…制御部
22a〜22d、80a〜80d…スイッチング素子
26、26A…指令値生成部 28…出力側コンデンサ
30…電流センサ 32、32A、32B…容量低下量算出部
34、34A…補正値算出部 42…コンバータ制御部
44…インバータ制御部 62…デューティ演算部
14…昇降圧コンバータ 16…インバータ
18…安定化回路 20…制御部
22a〜22d、80a〜80d…スイッチング素子
26、26A…指令値生成部 28…出力側コンデンサ
30…電流センサ 32、32A、32B…容量低下量算出部
34、34A…補正値算出部 42…コンバータ制御部
44…インバータ制御部 62…デューティ演算部
Claims (5)
- 直流電源から供給される直流電圧を入力とし、出力側のコンデンサの両端に全波電圧を出力する昇降圧コンバータと、
前記全波電圧を規定するための出力電圧指令値を生成するとともに、前記コンデンサに流れる電流を規定するためのコンデンサ電流指令値を生成する指令値生成部と、
前記コンデンサの容量低下量を算出する容量低下量算出部と、
前記コンデンサの容量低下量に応じて前記出力電圧指令値を補正する補正値を算出する補正値算出部と、
前記補正値により補正された出力電圧補正指令値に基づく降圧デューティ及び昇圧デューティに対してそれぞれ、前記コンデンサに流れるコンデンサ電流と前記コンデンサ電流指令値との偏差に応じた補正デューティを反映させて前記昇降圧コンバータを制御するコンバータ制御部と、
を備えることを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1記載の電力変換装置において、
前記指令値生成部は、
前記コンデンサに流れる電流を規定するためのコンデンサ電流指令値を生成する際、前記全波電圧を規定するための出力電圧指令値を微分することで生成する
ことを特徴する電力変換装置。 - 請求項1又は2記載の電力変換装置において、
前記コンデンサに流れるコンデンサ電流を得る際、前記コンデンサに直列に接続した電流センサの出力から直接的に、又は前記コンデンサの両端電圧を測定する電圧センサの出力を微分した出力に基づき
得ることを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力変換装置において、
前記容量低下量算出部は、
時間単位での容量低下量を、容量初期値×{(コンデンサ瞬時電流指令値−コンデンサ瞬時電流実測値)/コンデンサ瞬時電流指令値}として算出し、
前記補正値算出部は、
前記出力電圧指令値に加算するための補正値を、[{1/(容量初期値−時間単位での容量低下量)}−1/容量初期値]×∫(コンデンサ瞬時電流指令値)dtとして算出する
ことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力変換装置において、
前記容量低下量算出部は、
時間単位での容量低下量を、容量初期値×{(コンデンサ瞬時電流指令値−コンデンサ瞬時電流実測値)/コンデンサ瞬時電流指令値}として算出した後、容量低下量をΣ(時間単位での容量低下量)/前記全波電圧1周期の時間、により算出し、
前記補正値算出部は、
前記出力電圧指令値に乗算するための補正値を、容量初期値/(容量初期値−容量低下量)として算出する
ことを特徴とする電力変換装置。
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