JP5454073B2 - 半導体モジュールとその制御方法 - Google Patents

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本発明は、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)素子領域とダイオード素子領域とが同一半導体基板に形成された、複数個の半導体装置の制御方法と、この半導体装置を複数個備えた半導体モジュールに関する。
特許文献1に、IGBT素子領域と還流用のダイオード素子領域とが同一半導体基板に形成された半導体装置を複数個備えた半導体モジュールが開示されている。複数個の半導体装置のいずれにおいても、半導体基板には、裏面層、N層、P層が順に積層されており、P層の表面の一部にN層が設けられている。半導体基板の表面側から、P層を貫通し、N層に達するトレンチゲート電極が設けられている。トレンチゲート電極は、絶縁膜を介してN層と接している。裏面層としては、P層もしくはN層が形成されている。裏面層がP層となっている領域がIGBT素子領域となり、裏面層がN層となっている領域がダイオード素子領域となる。複数個の半導体装置のうち、第1のIGBT素子領域をオン状態に切り換える場合には、第1の半導体装置のトレンチゲート電極に第1極性の電圧(例えば正電圧)を印加する。第1のIGBT素子領域をオフ状態に切り替え、第2の半導体装置のダイオード素子領域に還流電流が流れる場合には、第2の半導体装置のトレンチゲート電極に第2極性の電圧(例えば負電圧)を印加する。これによって、P層からN層に注入される正孔が増大し、還流電流が流れるダイオード素子領域の定常損失を減少させることができる。
特開2009−65105号公報
特許文献1に記載された技術は、還流電流が流れるダイオード素子領域の定常損失を減少させることができるが、ダイオードの逆回復電流を効果的に抑制する技術ではない。ダイオードの逆回復時に発生する逆回復電流を抑制するためには、通常、ダイオード素子領域のドリフト層にキャリア減衰領域が形成される。しかしながら、ダイオード素子領域のドリフト層にキャリア減衰領域を形成すると、ダイオード素子領域に還流電流が流れるときの定常損失を増大させてしまう。ダイオード素子領域にキャリア減衰領域を形成するだけでは、ダイオードの逆回復電流は抑制できるものの、ダイオードの定常損失が増大してしまうという問題がある。
本発明は、上述した実情に鑑みて創作されたものであり、ダイオードの定常損失を増大させることなく、ダイオードの逆回復電流を抑制することができる技術を提供する。
本発明は、同一半導体基板に、IGBT素子領域とダイオード素子領域が形成されている半導体装置を複数備えている半導体モジュールの駆動方法に関する。この半導体装置のIGBT素子領域は、コレクタ領域と、ドリフト領域と、ボディ領域と、エミッタ領域とが積層されており、エミッタ領域とドリフト領域とを分離するボディ領域を貫通して伸びるトレンチゲート電極とを含んでいる。ダイオード素子領域は、カソード領域と、ドリフト領域と、ボディ領域と、アノード領域とが積層されており、アノード領域とドリフト領域とを分離するボディ領域を貫通して伸びるトレンチゲート電極とを含んでいる。トレンチゲート電極の下方周辺のドリフト領域には、キャリアを減衰させるキャリア減衰領域が形成されている。この駆動方法では、複数の半導体装置のうちのいずれかの半導体装置のIGBT素子領域をターンオフし、その他の半導体装置のダイオード素子領域に還流電流が流れる、IGBTターンオフ時には、ターンオフするIGBT素子領域を含む半導体装置のトレンチゲート電極に印加する第1極性の電圧をオン状態からオフ状態に切り換え、還流電流が流れるダイオード素子領域を含む半導体装置のトレンチゲート電極に印加する第2極性の電圧をオフ状態からオン状態に切り換え、キャリア減衰領域を空乏化する。
上記の駆動方法によって駆動される半導体モジュールの半導体装置は、ダイオード素子領域のドリフト領域にキャリアを減衰させるキャリア減衰領域が形成されている。いずれかの半導体装置のIGBT素子領域がターンオフする時には、還流電流が流れるダイオード素子領域が含まれる半導体装置のトレンチゲート電極に、第2極性の電圧が印加される。これによって、還流電流が流れるダイオード素子領域のキャリア減衰領域の少なくとも一部が空乏化される。キャリア減衰領域が空乏化されている場合には、キャリアを減衰させる効果が発揮されない。このため、ダイオード素子領域に還流電流が流れる際に、キャリア減衰領域がキャリアを減衰させる機能を発揮することが抑制される。第2極性の電圧(負電圧)が印加された結果、ダイオードの順方向電圧が高くなり過ぎることがなく、定常損失を低く抑えることができる。
この後、ダイオード素子領域のトレンチゲート電極に印加する電圧をオフ状態に切り換え、複数の半導体装置のうちのいずれかのIGBT素子領域をターンオンする場合には、ダイオード素子領域におけるドリフト領域内のキャリア減衰領域が空乏化されていない状態になる。このため、ドリフト領域内に存在するキャリアが、このキャリア減衰領域によって減衰されるため、ダイオード素子領域の逆回復電流が抑制される。この駆動方法では、ドリフト領域にキャリア減衰領域を形成しているため、ドリフト領域内の少数キャリアを短時間で消滅させることができる。このため、ダイオード素子領域の定常損失を増加させることなく、ダイオード素子領域の逆回復電流を抑制することができる。
複数の半導体装置のうちのいずれかの半導体装置のIGBT素子領域のターンオフ時には、還流電流が流れるダイオード素子領域を含む半導体装置のトレンチゲート電極に第2極性の電圧を印加し、キャリア減衰領域全体を空乏化することが好ましい。ダイオード素子領域に還流電流が流れる場合に、キャリア減衰領域が全て空乏化されていると、キャリア減衰領域によってキャリアが減衰されない。このため、ダイオードの順方向電圧が高くなることを確実に抑制することができ、ダイオードの定常損失を効果的に低減することができる。
本発明は、同一半導体基板に、IGBT素子領域とダイオード素子領域が形成されている複数の半導体装置と、複数の半導体装置を制御する制御手段とを備えている半導体モジュールとしても実現することができる。この半導体装置のIGBT素子領域は、コレクタ領域と、ドリフト領域と、ボディ領域と、エミッタ領域とが積層されており、エミッタ領域とドリフト領域とを分離するボディ領域を貫通して伸びるトレンチゲート電極とを含んでいる。ダイオード素子領域は、カソード領域と、ドリフト領域と、ボディ領域と、アノード領域とが積層されており、アノード領域とドリフト領域とを分離するボディ領域を貫通して伸びるトレンチゲート電極とを含んでいる。トレンチゲート電極の下方周辺のドリフト領域には、キャリアを減衰させるキャリア減衰領域が形成されている。制御手段は、複数の半導体装置のうちのいずれかの半導体装置のIGBT素子領域をターンオフし、その他の半導体装置のダイオード素子領域に還流電流が流れる、IGBTターンオフ時には、ターンオフするIGBT素子領域を含む半導体装置のトレンチゲート電極に印加する第1極性の電圧をオン状態からオフ状態に切り換え、還流電流が流れるダイオード素子領域を含む半導体装置のトレンチゲート電極に印加する第2極性の電圧をオフ状態からオン状態に切り換える。キャリア減衰領域は、制御手段が前記第2極性の電圧を印加することによって空乏化する領域に形成されている。
キャリア減衰領域は、IGBTターンオフ時に、制御手段が第2極性の電圧を印加することによって空乏化する領域内にのみ形成されていることが好ましい。
本発明によれば、IGBT素子領域と還流用のダイオード素子領域とが同一半導体基板に形成された半導体装置を複数個備えた半導体モジュールにおいて、ダイオード素子領域のリカバリ特性を向上させながら、ダイオード素子領域の定常損失を低減することができる。
実施例に係る半導体モジュールに用いられる半導体装置の断面を示す図。 実施例に係る半導体モジュールを示す回路図。 実施例に係る半導体モジュールの駆動方法を説明する回路図。 実施例に係る半導体モジュールの駆動方法を説明する回路図。 実施例に係る半導体モジュールの駆動方法を説明する、半導体装置の断面を示す模式図。 実施例に係る半導体モジュールの駆動方法を説明する、半導体装置の断面を示す模式図。 実施例に係る半導体モジュールの駆動方法を説明する、半導体装置の断面を示す模式図。 実施例に係る半導体モジュールの駆動方法を説明する図。
以下、本発明の実施例1について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施例に係る半導体モジュールに用いられる半導体装置1の断面を模式的に示す図である。半導体装置1は、半導体基板11と、半導体基板11の裏面に接する裏面電極121と、半導体基板11の表面に接する表面電極123とを備えている。
半導体基板11の裏面には、p型のコレクタ領域101と、n型のカソード領域102が形成されている。コレクタ領域101およびカソード領域102に対して、半導体基板11の表面側には、n型のドリフト領域103、p型のボディ領域104が積層されている。ボディ領域104の表面には、n型のエミッタ領域105およびp型のボディコンタクト領域106が形成されている。半導体基板11の表面からボディ領域104を貫通し、ドリフト領域103に到達するトレンチ107が形成されている。トレンチ107の内部には、ゲート絶縁膜108によって被覆されたトレンチゲート電極109が設けられている。エミッタ領域105は、ゲート絶縁膜108に接している。
コレクタ領域101およびカソード領域102は、裏面電極121と接しており、コレクタ・カソード端子(以下、CK端子という)に接続されている。トレンチゲート電極109は、ゲート端子(以下、G端子という)に接続されている。エミッタ領域105およびボディコンタクト領域106は、表面電極123と接しており、エミッタ・アノード端子(以下、EA端子という)に接続されている。
半導体装置1においては、トレンチ107の下方周辺のドリフト領域103に、キャリア減衰領域131が形成されている。本実施例では、キャリア減衰領域131には、結晶欠陥が形成されている。結晶欠陥領域であるキャリア減衰領域131は、半導体装置1の製造工程において、容易に形成することができる。例えば、トレンチ107を形成した後に、トレンチ107の底部から不純物イオン(H、He、C、O、F、Ne、Si、Cl、Ar、Ge、Br、Kr等)を照射することによって形成することが可能である。不純物イオンを照射する条件を変更することによって、結晶欠陥の濃度や、結晶欠陥を形成する領域の大きさや位置を調整することが可能である。
図1に示すように、半導体装置1では、コレクタ領域101の上方に位置する領域が、IGBT素子領域5であり、カソード領域102の上方に位置する領域が、ダイオード素子領域7である。ドリフト領域103、ボディ領域104のうち、IGBT素子領域5内に属する領域が、それぞれIGBT素子領域のドリフト領域、ボディ領域であり、ダイオード素子領域7内に属する領域が、それぞれダイオード素子領域のドリフト領域、ボディ領域である。トレンチゲート電極109のうち、IGBT素子領域5内に属するものがIGBT素子領域のトレンチゲート電極であり、ダイオード素子領域7内に属するものがダイオード素子領域のトレンチゲート電極である。ダイオード素子領域7内に属するボディコンタクト領域106は、ダイオード素子領域のアノード領域である。
図2は、本実施例に係る半導体モジュール3を示す回路図である。図2に示すように、半導体モジュール3は、IGBT31とダイオード33とを備えた半導体装置1Aと、IGBT32とダイオード34とを備えた半導体装置1Bと、半導体装置1Aおよび1Bを制御する制御手段20とを備えている。半導体モジュール3は、モータ負荷に接続されている。尚、半導体装置1Aおよび1Bは、図1に示す半導体装置1と同じ構造の半導体装置である。
制御手段20は、半導体装置1Aの駆動回路21および負電圧発生回路23と、半導体装置1Bの駆動回路22および負電圧発生回路24と、駆動回路21、22を制御するCPU25と、電源26,27とを備えている。
駆動回路21は、半導体装置1Aのゲート端子であるGQ1端子およびGD1端子と接続する共通端子211と、共通端子211と接続可能な端子212、213、214とを備えている。端子212は電源26の正極に接続されており、端子213は負電圧発生回路23に接続されており、端子214は電源26の負極に接続されている。共通端子211と端子212とを接続すると、GQ1端子およびGD1端子に第1極性の電圧としての正電圧を印加することができる。共通端子211と端子213とを接続すると、GQ1端子およびGD1端子に第2極性(すなわち、第1極性と反対の極性)の電圧としての負電圧を印加することができる。共通端子211と端子214とを接続すると、GQ1端子およびGD1端子に印加する電圧をオフ状態とすることができる。なお、第1極性の電圧(正電圧)は、半導体装置1AのIGBT素子領域5がオンする電圧(閾値電圧)以上の範囲で、適宜決定することができる。また、第2極性の電圧(負電圧)は、後述するように、ドリフト領域103に形成される空乏層が所望の大きさとなるように、キャリア減衰領域131の結晶欠陥濃度やその位置等に応じて適宜決定することができる。このため、第2極性の電圧(負電圧)の絶対値が、第1極性の電圧(正電圧)の絶対値と等しくなるように設定してもよい。
駆動回路22は、半導体装置1Bのゲート端子であるGQ2端子およびGD2端子と接続する共通端子221と、共通端子221と接続可能な端子222、223、224とを備えている。端子222は電源27の正極に接続されており、端子223は負電圧発生回路24に接続されており、端子224は電源27の負極(グランド電位)に接続されている。共通端子221と端子222とを接続すると、GQ2端子およびGD2端子に正電圧(第1極性の電圧)を印加することができる。共通端子221と端子223とを接続すると、GQ2端子およびGD2端子に負電圧(第2極性の電圧)を印加することができる。共通端子221と端子224とを接続すると、GQ2端子およびGD2端子に印加する電圧をオフ状態とすることができる。なお、半導体装置1Bのトレンチゲート電極109に印加する正電圧(第1極性の電圧)と負電圧(第2極性の電圧)は、半導体装置1Aのトレンチゲート電極に印加する電圧と同一とすることができる。
図示しないが、GQ1端子およびGD1端子に正電圧を印加する回路と、GQ2端子およびGD2端子に正電圧を印加する回路には、抵抗が備えられている。これによって、CPU25からの制御信号が同時に送信されても、これらの端子に正電圧を印加する場合には、他の制御を行う場合よりも遅く実行されるようになっている。
CPU25は、駆動回路21および駆動回路22を制御することによって、GQ1端子およびGD1端子に印加する電圧と、GQ2端子およびGD2端子に印加する電圧とを制御する。これによって、半導体モジュール3のオン/オフを制御する。
本実施例では、半導体装置1Aおよび1Bでは、キャリア減衰領域131は、ゲート(トレンチ107)からの距離がW以下となる範囲内に形成されている。本実施例では、半導体装置1Aおよび1Bのトレンチゲート電極109に前記負電圧(負電圧発生回路23,24によって印加される負電圧)を印加したときに、空乏層が形成される領域内にキャリア減衰領域131を形成する。すなわち、トレンチゲート電極109に前記負電圧を印加したときに、トレンチ107近傍に形成される空乏層の幅をWとして用いることができる。すなわち、本実施例では、トレンチ107から、キャリア減衰領域131の端部までの距離が、下記の式(1)によって算出される距離W以内となるように、キャリア減衰領域131が形成される。
Vg≧q・Na・W/(4ε) ……(1)
ここで、Vg:トレンチゲート電極109に印加される負電圧(ゲート電圧)、q:ドリフト領域の単位体積当たりの電荷量、Na:ドリフト領域の不純物濃度、ε:半導体の誘電率、である。
次に、半導体モジュール3の駆動方法について、図3〜図8を用いて説明する。
図3および図4は、図2の回路図の一部であって、半導体装置1Aおよび1Bを示している。図5は、半導体装置1Bの断面を模式的に示す図であって、図6および図7は、半導体装置1Aの断面を模式的に示す図である。図8は、制御手段20が行う半導体モジュール3の制御の一例を示す図であって、横軸は時間tであり、縦軸は、図の上から順に、GQ1端子に印加される電圧VGE(Q1)、GQ2端子に印加される電圧VGE(Q2)、半導体装置1BのIGBT32に流れる電流IQ2、半導体装置1Aのダイオード33に流れる電流ID1、ダイオード33の順方向電圧VD1を示している。
(IGBTターンオン時)
図8に示すように、時間tにおいて、制御手段20は、GQ1端子およびGD1端子をオフ状態とし、GQ2端子およびGD2端子に正電圧を印加する制御を行う。これによって、IGBT32に電流iが流れる。
具体的に説明すると、制御手段20がGQ2端子およびGD2端子に正電圧を印加する制御を行うと、半導体装置1Bでは、図5に示すように、ゲート絶縁膜108近傍のボディ領域104にn型のチャネルが形成され、このチャネルを介してエミッタ領域105からドリフト領域103へ多数キャリア(本実施例では電子)が供給される。ドリフト領域103に多数キャリアが供給されることによって、コレクタ領域101からドリフト領域103へ少数キャリア(本実施例では正孔)が供給される。これによって、図3に示すように、IGBT32に電流iが流れる。図5に示すように、キャリア減衰領域131は、トレンチ107の下方に形成されている。このため、多数キャリアがチャネルを介してドリフト領域103に供給される際に、キャリア減衰領域131によって多数キャリアが減衰させられ難く、IGBT32に流れる電流iへの影響は殆ど無い。
(IGBTターンオフ時、ダイオード還流時)
次に、時間t〜tにおいて、制御手段20は、GQ1端子およびGD1端子に負電圧を印加し、GQ2端子およびGD2端子をオフ状態とする制御を行う。これによって、ダイオード33に還流電流としての電流iが流れる。
具体的に説明すると、制御手段20が、GQ2端子およびGD2端子をオン状態からオフ状態に切り換えることによって、図4に示すように、ダイオード33に還流電流としての電流iが流れる。この際に、GQ1端子およびGD1端子に負電圧が印加されることによって、見かけ上、ボディ領域104の多数キャリア(正孔)が高濃度の状態になり、図6に示すように、半導体装置1Aでは、ボディ領域104からドリフト領域103へ多量の正孔(少数キャリア)が移動する。これによって、ダイオード33に還流電流(電流i)が流れる際の順方向電圧が低下する。
また、GQ1端子およびGD1端子に負電圧が印加されると、図6に示すように、半導体装置1Aでは、トレンチ107の近傍に空乏層141が形成される。既に説明したように、半導体装置1Aおよび1Bでは、キャリア減衰領域131は、トレンチ107からの距離がWとなる領域内に形成されており、距離Wは、半導体装置1Aおよび1Bに負電圧を印加したときに、トレンチ近傍に形成される空乏層の幅である。従って、GQ1端子およびGD1端子に負電圧が印加されると、キャリア減衰領域131は、空乏層141の内部に存在する状態となる。
空乏層141内に少数キャリア(正孔)が侵入すると、侵入した少数キャリアは空乏層141内の内部電解によって速やかに空乏層141の外部に排出される。キャリア減衰領域131は、空乏層141の内部に存在しているため、少数キャリアがキャリア減衰領域131によって減衰されることが抑制される。すなわち、図6に示すように、少数キャリア(正孔)は空乏層141の外側を移動し、空乏層141の内部のキャリア減衰領域131によって減衰されることがないから、ダイオード33に還流電流が流れる際の定常損失を低い状態に維持することができる。
(IGBTターンオン時、ダイオード逆回復時)
時間tにおいては、GQ1端子およびGD1端子には負電圧が印加されており、GQ2端子およびGD2端子はオフ状態なっている。次に、時間tにおいて、制御手段20は、GQ1端子およびGD1端子に印加した負電圧を解除してオフ状態とし、GQ2端子およびGD2端子に正電圧を印加してオン状態とする制御を行う。これによって、IGBT32に電流iが流れる。
具体的に説明すると、制御手段20が、GQ2端子およびGD2端子に正電圧を印加することによって、図3に示すように、半導体装置1BのIGBT32に電流iが流れる。また、半導体装置1Aのダイオード33が遮断動作に入って、ダイオード33に流れていた電流が急速に減少する。この際、ドリフト領域103に蓄積された多数キャリア(電子)はアノード領域102側に、少数キャリア(正孔)はボディ領域104側に排出され、ダイオード33に逆回復電流が流れる。
半導体装置1Aでは、時間tにおいてGQ1端子およびGD1端子に印加された負電圧が解除される。このため、図7に示すように、半導体装置1Aでは、空乏層141が後退してキャリア減衰領域131が空乏層141の外部に現れる。これによって、キャリア減衰領域131が機能できる状態となって、半導体装置1Aのダイオード33の遮断動作時にドリフト領域103に蓄積されているキャリアが、キャリア減衰領域131によって消滅する。その結果、ダイオード33に流れる逆回復電流が抑制され、リカバリ特性を向上させることが可能となる。
本実施例に係る半導体モジュール3では、正電圧を印加する回路には抵抗が備えられているため、制御手段20が、時間tにおいて、GQ1端子およびGD1端子に印加した負電圧を解除する制御信号と、GQ2端子およびGD2端子に正電圧を印加する制御信号とを同時に送信した場合であっても、実際の制御においては、図8に示すように、半導体装置1AのGQ1端子およびGD1端子に印加された負電圧が解除された後に、半導体装置1BのGQ2端子およびGD2端子に正電圧が印加される。GQ2端子およびGD2端子に正電圧を印加するに先立って、半導体装置1Aのドリフト領域103に蓄積されているキャリアが速やかに減衰されるため、ダイオード33に流れる逆回復電流をより確実に抑制することができる。
特許文献1に記載されているような従来技術においては、第1の半導体装置のIGBT素子領域がオフ状態であり、かつ第2の半導体装置のダイオード素子領域に還流電流が流れている状態から、再び第1の半導体装置のIGBT素子領域をオン状態に切り換える、ダイオードの逆回復時において、逆回復電流を抑制するために、切り換えのタイミングに先立って第2の半導体装置に第2極性の電圧を印加するのを中断し、十分な時間が経過した後に切り換えを行っていた。この切り換え時の十分な時間を確保するためには、制御手段が制御信号を送信するタイミング自体を制御する必要があったため、制御が複雑になり、半導体装置の特性ばらつきに応じて適切な制御を行うことは困難であった。
本実施例のように、キャリア減衰領域を有する複数個の半導体装置を備えた半導体装置では、キャリア減衰領域によって速やかにドリフト領域に蓄積したキャリアを減衰させることができるため、上記の「切り換え時の十分な時間」が従来よりも少なくなる。「切り換え時の十分な時間」が小さく、本実施例のように、半導体モジュールを制御する回路に抵抗を設置することによって得られる時間差で十分である。すなわち、本実施例によれば、制御手段が制御信号を送信するタイミング自体を制御する必要がなく、制御が複雑化しない。また、半導体装置の特性ばらつきに応じて適切な制御を行うことも可能である。
上記のとおり、本実施例に係る駆動方法によって駆動される半導体モジュールは、ドリフト領域にキャリアを減衰させる、キャリア減衰領域が形成されている半導体装置を複数個備えている。IGBTターンオフ時に、還流電流が流れるダイオード素子領域が含まれる半導体装置のトレンチゲート電極に、第2極性の電圧が印加するように駆動すると、キャリア減衰領域の全体が空乏化される。キャリア減衰領域が空乏化されている場合には、キャリアを減衰させる効果が発揮されないため、ダイオード素子領域に還流電流が流れる際には、キャリア減衰領域がキャリアを減衰する機能を抑制することができる。その結果、ダイオードの順方向電圧が高くなり過ぎることがない。
さらに、この後、ダイオード素子領域をオフ状態に切り換え、複数の半導体装置のうちのいずれかのIGBT素子領域をターンオンする場合には、キャリア減衰領域が空乏化されていない状態になる。ドリフト領域内に存在するキャリアが、このキャリア減衰領域によって減衰されるため、ダイオード素子領域の逆回復電流が抑制される。
尚、本実施例のように、複数の半導体装置のうちのいずれかの半導体装置のIGBT素子領域のターンオフ時に還流電流が流れるその他の半導体装置のトレンチゲート電極に第2極性の電圧を印加する際にキャリア減衰領域全体が空乏化されることが好ましいが、これに限定されず、キャリア減衰領域の一部が空乏化されるものであってもよい。
また、上記の実施例では、同一の半導体装置を2個備えた半導体モジュールを例示して説明したが、これに限定されない。半導体モジュールは3個以上の半導体装置を備えていてもよく、半導体モジュールに備えられた複数個の半導体装置は、同一の構造である必要はない。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1、1A、1B 半導体装置
3 半導体モジュール
5 IGBT素子領域
7 ダイオード素子領域
11 半導体基板
20 制御手段
21、22 駆動回路
23、24 負電圧発生回路
25 CPU
26、27 電源
31、32 IGBT
33、34 ダイオード
101 コレクタ領域
102 カソード領域
102 アノード領域
103 ドリフト領域
104 ボディ領域
105 エミッタ領域
106 ボディコンタクト領域
107 トレンチ
108 ゲート絶縁膜
109 トレンチゲート電極
121 裏面電極
123 表面電極
131 キャリア減衰領域
141 空乏層
211、221 共通端子
212〜214、222〜224 端子

Claims (4)

  1. 同一半導体基板に、IGBT素子領域とダイオード素子領域が形成されており、
    IGBT素子領域は、コレクタ領域と、ドリフト領域と、ボディ領域と、エミッタ領域とが積層されており、エミッタ領域とドリフト領域とを分離するボディ領域を貫通して伸びるトレンチゲート電極とを含んでおり、
    ダイオード素子領域は、カソード領域と、ドリフト領域と、ボディ領域と、アノード領域とが積層されており、アノード領域とドリフト領域とを分離するボディ領域を貫通して伸びるトレンチゲート電極とを含んでおり、
    トレンチゲート電極の下方周辺のドリフト領域にはキャリアを減衰させるキャリア減衰領域が形成されている半導体装置を複数備えている半導体モジュールの駆動方法であって、
    複数の半導体装置のうちのいずれかの半導体装置のIGBT素子領域をターンオフし、その他の半導体装置のダイオード素子領域に還流電流が流れる、IGBTターンオフ時には、
    ターンオフするIGBT素子領域を含む半導体装置のトレンチゲート電極に印加する第1極性の電圧をオン状態からオフ状態に切り換え、
    還流電流が流れるダイオード素子領域を含む半導体装置のトレンチゲート電極に印加する第2極性の電圧をオフ状態からオン状態に切り換え、キャリア減衰領域を空乏化することを特徴とする半導体モジュールの駆動方法。
  2. 前記IGBTターンオフ時には、還流電流が流れるダイオード素子領域を含む半導体装置のトレンチ電極に第2極性の電圧を印加し、キャリア減衰領域全体を空乏化することを特徴とする請求項1の半導体モジュールの駆動方法。
  3. 同一半導体基板に、IGBT素子領域とダイオード素子領域が形成されており、
    IGBT素子領域は、コレクタ領域と、ドリフト領域と、ボディ領域と、エミッタ領域とが積層されており、エミッタ領域とドリフト領域とを分離するボディ領域を貫通して伸びるトレンチゲート電極とを含んでおり、
    ダイオード素子領域は、カソード領域と、ドリフト領域と、ボディ領域と、アノード領域とが積層されており、アノード領域とドリフト領域とを分離するボディ領域を貫通して伸びるトレンチゲート電極とを含んでおり、
    トレンチゲート電極の下方周辺のドリフト領域にはキャリアを減衰させるキャリア減衰領域が形成されている複数の半導体装置と、
    複数の半導体装置を制御する制御手段とを備えている半導体モジュールであって、
    制御手段は、複数の半導体装置のうちのいずれかの半導体装置のIGBT素子領域をターンオフし、その他の半導体装置のダイオード素子領域に還流電流が流れる、IGBTターンオフ時には、
    ターンオフするIGBT素子領域を含む半導体装置のトレンチゲート電極に印加する第1極性の電圧をオン状態からオフ状態に切り換え、
    還流電流が流れるダイオード素子領域を含む半導体装置のトレンチゲート電極に印加する第2極性の電圧をオフ状態からオン状態に切り換え、
    キャリア減衰領域、制御手段が前記第2極性の電圧を印加することによって空乏化する領域に形成されていることを特徴とする半導体モジュール。
  4. キャリア減衰領域は、前記IGBTターンオフ時に、制御手段が前記第2極性の電圧を印加することによって空乏化する領域内にのみ形成されていることを特徴とする請求項3の半導体モジュール。
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