JP5453746B2 - ガラスクロスの製造方法及びガラスクロス - Google Patents

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Description

本発明は、ガラスクロスの製造方法及びガラスクロスに関するものである。
近年、電子機器等の小型化及び薄型化に伴い、従来の物よりも厚みの薄いプリント配線基板が求められている。このプリント配線基板は、ガラスクロスに樹脂を含浸、硬化させて作製される。従って、従来のものよりも薄いガラスクロスが望まれている。ガラスクロスを薄くするために、従来から開繊処理が行われている(特許文献1)。開繊処理は、ガラスクロスに例えばロールで押圧し、ガラスクロスの経糸及び緯糸を構成するフィラメントをほぐれさせる処理である。
特開2004−26997号公報
しかしながら、開繊処理でガラスクロスを薄くすることには限界があり、開繊処理のみでは十分な薄さを達成できない。また、ガラス繊維束を細くするために、ガラスフィラメントの径を小さくしたり、打ち込み本数を少なくしたりする方法が考えられる。しかしながら、このように細くされたガラス繊維束から製織されたガラスクロスでは、経糸と緯糸の交絡点がずれる目ずれが発生しやすくなるので、取り扱い性が悪くなる。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、十分な薄さを有すると共に、目ずれの発生し難いガラスクロスを製造する製造方法及びガラスクロスを提供することを目的とする。
本発明に係るガラスクロスの製造方法は、複数のガラスフィラメントからなる経糸及び緯糸を有するガラスクロスを製造する方法であって、経糸及び緯糸を製織して得られる製織済ガラスクロスを、加熱及び加圧する加熱加圧工程を有することを特徴とする。また、この加熱加圧工程では、ガラスフィラメントどうしが部分的に溶融接着されるように製織済ガラスクロスを加熱及び加圧することを特徴とする。
本発明のガラスクロスの製造方法によれば、経糸及び緯糸を製織して得られる製織済ガラスクロスを加熱及び加圧することにより、ガラスクロスの厚さ方向に重なるガラスフィラメントの数が減少すると共に、ガラスフィラメントの一部が溶融する。このため、ガラスフィラメントは、断面形状を変形させながら、隣接するガラスフィラメントに密着したり、隣接する複数のガラスフィラメントの隙間に入り込んだりする。従って、十分な薄さのガラスクロスが実現される。また、ガラスフィラメントどうしが部分的に接着されるので、目ずれの発生が防止される。
また、本発明に係るガラスクロスの製造方法では、ガラスクロスの単位面積あたりの質量が20g/m以下5g/m以上であることが好ましい。この製造方法によれば、ガラスクロスの単位面積あたりの質量が20g/m以下であるので、十分な薄さのガラスクロスが実現される。また、単位面積あたりの質量が5g/m未満のガラスクロスの製造は、難しい。
また、本発明に係るガラスクロスの製造方法では、加熱加圧工程における温度が700℃以上1200℃以下であることが好ましい。加熱加圧工程における温度が700℃未満である場合には、ガラスフィラメントの一部をより好適に軟化するのは難しい。また、この製造方法によれば、製織済ガラスクロスを1200℃以下の温度で加熱するので、ガラスクロスを構成するガラスが変質及び融解されることを防止することができる。
また、本発明に係るガラスクロスの製造方法では、加熱加圧工程における圧力が0.5Mps以上3.0Mps以下であることが好ましい。この製造方法によれば、製織済ガラスクロスを0.5Mps以上の圧力で加圧するので、より好適にガラスフィラメントの断面形状を変化させつつ、ガラスフィラメントどうしを部分的に溶融接着させることが可能となる。また、この製造方法によれば、製織済ガラスクロスを3.0Mps以下の圧力で加圧するので、ガラスクロスの変形及び破壊を防止できる。加熱加圧工程において、ガラスフィラメントどうしを部分的に溶融接着させるためには、3.0Mpsより高い圧力で加圧する必要はない。
本発明に係るガラスクロスは、複数のガラスフィラメントからなる経糸及び緯糸を有するガラスクロスであって、単位面積あたりの質量が20g/m以下5g/m以上であり、ガラスフィラメントどうしが部分的に溶融接着されていることを特徴とする。
本発明のガラスクロスによれば、ガラスフィラメントは、元の断面形状からは変形された断面形状で、隣接するガラスフィラメントに密着していたり、隣接する複数のガラスフィラメントの隙間に配置されたりしている。従って、このガラスクロスは、十分な薄さを有することができる。また、ガラスフィラメントどうしが部分的に溶融接着されているので、目ずれの発生が防止される。
本発明によれば、十分な薄さを有すると共に、目ずれの発生し難いガラスクロスを製造する製造方法及びガラスクロスを提供することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明に係るガラスクロスの製造方法の実施形態について詳細に説明する。なお、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
図1は、本実施形態に係るガラスクロスの製造方法に用いられる製織済ガラスクロスの一部を切り出して示す平面図である。また、図2は、図1のI−I線に沿う断面構造を模式的に示す図である。製織済ガラスクロス10は、経糸20と緯糸30とを製織して得られる。また、図2に示すように、経糸20は、ガラスフィラメント50が集束されたガラス繊維束15により構成されている。これらのガラスフィラメント50は、集束剤55により束ねられている。なお、図示されないが、緯糸30も経糸20と同様の構成を有している。図1及び図2に示すように、経糸20と緯糸30とは、交互に上下に交叉している。
ガラス繊維束15は、複数のガラスフィラメント50から成り、1本のガラス繊維束15に含まれるガラスフィラメント50の数は、例えば100本以下である。十分に細いガラス繊維束15を得るために、1本のガラス繊維束15に含まれるガラスフィラメント50の数は、80本以下であることが好ましい。このように、ガラス繊維束15に含まれるガラスフィラメント50の数を少なくすることにより、十分に細いガラス繊維束15を得ることができる。ガラス繊維束15を細くすることにより、作製されるガラスクロスの厚さを薄くすることが可能となる。1本のガラス繊維束15に含まれるガラスフィラメント50の数は、50本以下であることが更に好ましい。また、1本のガラス繊維束15に含まれるガラスフィラメント50の数は、10本以上であることが好ましい。10本未満のガラスフィラメント50からなるガラス繊維束15の製造は、難しい。
ガラス繊維束15におけるヤーン撚り数は、例えば0.3以下である。ヤーン撚り数は、ガラス繊維束15の1インチ当たりの撚り数である。また、より薄いガラスクロスを得るために、ヤーン撚り数は、0.1以下であることが好ましい。ヤーン撚り数を少なくすることにより、ガラスフィラメント50への拘束力を緩和できるので、加熱加圧工程において、ガラスクロスの厚さ方向に重なるガラスフィラメント50の数をより減少させやすくすることが可能となる。更には、ガラス繊維束15は、無撚りであることが好ましい。また、後に開繊処理が行われる場合には、ヤーン撚り数を少なくすることにより、開繊性を高めることができる。
ガラスフィラメント50の径は、例えば10μm以下であることが好ましい。ガラスフィラメント50の径を小さくすることにより、ガラス繊維束15の径を小さくすることができ、さらに、作製されるガラスクロスの厚さを薄くすることが可能となる。このガラスフィラメント50の径は、7μm以下であることが特に好ましい。ガラスフィラメント50の径を7μm以下とすることにより、十分に薄いガラスクロスを得ることが可能となる。また、ガラスフィラメント50の径の下限は2μm以上であることが好ましい。2μmより細いガラスフィラメントの製造は困難である。
製織済ガラスクロス10の単位面積あたりの質量は、例えば20g/m以下である。さらに薄いガラスクロスを得るために、製織済ガラスクロス10の単位面積あたりの質量は、15g/m以下であることが好ましい。また、製織済ガラスクロス10の単位面積あたりの質量は、5g/m以上であることが好ましい。単位面積あたりの質量が5g/m未満の製織済ガラスクロス10の製造は困難である。
ガラスフィラメント50を構成するガラスの組成は特に限定されないが、例えばEガラスが用いられる。
続いて、製織済ガラスクロス10に開繊処理を行う。開繊処理の方法として、高圧噴射水による開繊処理、バイブロウォッシャーの噴流水による開繊処理、水中での超音波振動による開繊処理、ローラを用いた押圧による開繊処理等を挙げることができる。この開繊処理により、経糸20及び緯糸30を構成するガラスフィラメント50がほぐされ、経糸20及び緯糸30は扁平化する。
次に、製織済ガラスクロス10に脱油処理を行う。脱油処理は、製織済ガラスクロス10を加熱炉等で熱処理し、ガラスフィラメント50を束ねてガラス繊維束15とするための集束剤を除去するための処理である。この熱処理の際の製織済ガラスクロス10の温度は、例えば350〜650℃程度とすることが好ましい。
続いて、製織済ガラスクロス10に加熱加圧処理を行う。図3は、加熱加圧処理に用いられる装置を模式的に示す図である。熱源41は、製織済ガラスクロス10を加熱するための構成である。この加熱の方式は特に限定されないが、ガスバーナー方式、電熱方式、高周波誘電加熱方式等が挙げられる。特に、短時間で製織済ガラスクロス10のガラスフィラメント50を高温にするため、高周波誘電加熱方式が好ましい。
プレスローラー42及びバックアップローラー43は、製織済ガラスクロス10に加圧するための構成である。固定されたバックアップローラー43に向かってプレスローラー42が加圧することにより、プレスローラー42とバックアップローラー43との間を通過する製織済ガラスクロス10は、加圧される。熱源41は、プレスローラー42及びバックアップローラー43の近傍に配置されているので、製織済ガラスクロス10は、加熱されながら加圧されることができる。
製織済ガラスクロス10が加圧されている時の加熱温度は、(ガラスの軟化点+150℃)以下が好ましい。更に好ましい加熱温度は、(ガラスの軟化点+(30℃〜100℃))、最も好ましくは(ガラスの軟化点+(50℃〜80℃))である。ガラスの軟化点以上の温度で加熱するので、ガラスフィラメント50の一部を軟化または溶融させることが可能となる。(ガラスの軟化点+30℃)未満の温度では、ガラスフィラメントの一部が充分に軟化または溶融せず、また、(ガラスの軟化点+150℃)より高い温度で加熱すると、ガラスクロスを構成するガラスが変質及び融解される恐れがある。軟化点が840℃のEガラスを用いた製織済ガラスクロス10では、(840℃+(50℃〜80℃))の温度が最も好ましい。また軟化点が1050℃のTガラスを用いた製織済ガラスクロス10を1200℃より高い温度で加熱すると、ガラスクロスを構成するガラスが変質及び融解される恐れがある。なお、ガラスの軟化点は、JIS R 3420 7.17ガラス繊維の軟化点の測定方法に準じて測定される。
加圧時間は、例えば1秒以上300秒以下であることが好ましい。加圧時間が1秒以上であるので、軟化または溶融したガラスフィラメント50を変形させ、ガラスフィラメント50どうしを溶融接着させることが可能となる。加圧時間が300秒より長い場合には、ガラスフィラメントが溶融してフィラメントが切断する恐れがある。この加圧時間は、3秒以上60秒以下であることが特に好ましい。加圧時間が3秒以上であるので、ガラスフィラメント50どうしをより好適に溶融接着させることが可能となる。また、加圧時間が60秒以下であるのでガラスフィラメントが溶融してフィラメントが切断する可能性が少なくなる。
加圧の際の圧力は、例えば0.5Mps以上3.0Mps以下であることが好ましい。圧力が0.5Mps以上であるので、ガラスクロスの厚さ方向に重なるガラスフィラメント50の数を減少させると共に、一部が軟化及び溶融したガラスフィラメント50の断面形状を変形させ、隣接するガラスフィラメント50に密着させたり、ガラスフィラメント50間の隙間に入り込ませたりすることができる。また、圧力が3.0Mps以下であるので、ガラスクロスの変形及び破壊を防止できる。加熱加圧工程において、ガラスフィラメントどうしを部分的に溶融接着させるためには、3.0Mpsより強い圧力で加圧する必要はない。この圧力は、1.0Mps以上2.0Mps以下であることが特に好ましい。圧力が1.0Mps以上であるので、ガラスフィラメント50間の密着がさらに促され、軟化及び溶融したガラスフィラメント50どうしが部分的に接着される。また、圧力が2.0Mps以下であるので、ガラスクロスが変形、破壊してしまう可能性がより一層減少する。
図4は、図2の部分Aを拡大して模式的に示す図である。図4を用いて、加熱加圧工程における経糸20のガラスフィラメント50の変化を説明する。
図4(a)は、加熱加圧処理前における製織済ガラスクロス10の経糸20の断面図である。経糸20は、複数のガラスフィラメント50aの束からなり、経糸20の断面において、ガラスフィラメント50aの断面が配列されている。以下、図4(b)〜(d)は、加熱加圧処理が行われた際の経糸20の断面を段階的に示している。
図4(b)では、図4(a)と比較して、ガラスクロスの厚さ方向に重なるガラスフィラメント50bの数が減少している。続く図4(c)では、図4(b)と比較して、ガラスフィラメント50cどうしが密着している。さらに、図4(d)では、ガラスフィラメント50dの断面形状が変形しており、断面が変形したガラスフィラメント50dは、複数の隣接するガラスフィラメント50dの隙間に深く入り込むと共に、隣接するガラスフィラメント50dに接着されている。このため、経糸20のガラスクロスの厚さ方向の径は小さくなる。また、緯糸30(図示せず)のガラスクロスの厚さ方向の径も小さくなる。従って、十分な薄さのガラスクロスを得ることが可能となる。さらに、隣接するガラスフィラメント50dどうしが部分的に接着されるので、目ずれの発生が防止される。
例えば、図4(d)における経糸20のガラスクロスの厚さ方向の径Tは、ガラスフィラメント50の径の1.5倍程度の大きさである。開繊処理においては、経糸20及び緯糸30のガラスクロスの厚さ方向の太さはそれぞれ、ガラスフィラメントの径の2倍及び1倍程度の大きさにすることができる。図4(d)に示されるように、加熱加圧処理により、経糸20のガラスクロスの厚さ方向の径Tは、ガラスフィラメント50の径の1.5倍程度の大きさにすることが可能であるので、この加熱加圧処理を行うことにより、ガラスクロスの厚さを、ガラスフィラメント50の径の2.5倍程度にまで薄くすることが可能である。
また、加熱加圧処理後では、加熱加圧処理前と比較して、経糸20及び緯糸30におけるガラスクロスの厚さ方向に重なるガラスフィラメント50の数が減少すると同時に、糸幅が大きくなる。このため、製織済ガラスクロス10におけるガラス繊維束15間の隙間が減少し、通気度が小さくなる。
さらに、隣接するガラスフィラメント50どうしが部分的に接着されることにより、製織済ガラスクロス10における目ずれの発生が防止されると共に、引張強度及び腰の強さも向上する。従って、製織済ガラスクロス10の取り扱い性が向上する。なお、腰の強さ
は、風合い計測器(KES-FB2:カトーテック(株)社製)による純曲げ試験方法に準拠して測定される測定値であり、試験対象の弾性に関する指標である。
なお、本実施形態では、開繊処理後に加熱加圧処理を行っているが、開繊処理を行わないこととしてもよい。前述したように、加熱加圧処理は、経糸20及び緯糸30におけるガラスクロスの厚さ方向に重なるガラスフィラメント50の数を減少させ、経糸20および緯糸30を扁平化させると共に、通気度を小さくすることができる。これにより、加熱加圧処理は、開繊処理と同様の効果を有するからである。
また、本実施形態では、加熱加圧処理前に脱油処理を行っているが、脱油処理を行わないこととしてもよい。加熱加圧処理では、製織済ガラスクロス10を加熱するので、脱油処理と同様に、ガラス繊維束15の集束剤の除去が可能である。
また、脱油処理に続いて加熱加圧処理を行う場合には、製織済ガラスクロス10を加熱するための熱源となる装置を両処理で共用することが可能である。例えば、脱油処理において、350〜650℃程度の温度に製織済ガラスクロス10を加熱し、引き続く加熱加圧処理では、加熱温度を600〜1100℃程度に上昇させることが可能である。
以下、本発明の好適な実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[製織済ガラスクロスの作製]
複数のガラスフィラメントから成るガラス繊維束を経糸及び緯糸とし、平織りの製織方法を用いて、製織済ガラスクロスを作製した。ガラスフィラメントは、Eガラスからなり、ガラスフィラメントの径は、4μmである。ガラス繊維束は、50本のガラスフィラメントからなり、無撚りである。製織の際の経糸及び緯糸の密度は共に、85本/25mmであり、製織済ガラスクロスの単位面積あたりの質量は、11.1g/mである。
[開繊処理及び加熱加圧処理]
作製した製織済ガラスクロスに、表1に示す条件で開繊処理及び加熱加圧処理を行い、実施例1〜4及び比較例1〜3のガラスクロスを作製した。
[ガラスクロスの評価]
実施例1〜4及び比較例1〜3の各々のガラスクロスについて、厚さの測定、目ずれの評価、経糸及び緯糸の糸幅の測定、通気性の測定、引張強度の測定及び腰の強さの測定を行った。
ガラスクロスの厚さは、JIS R 3420 7.10厚さ の試験方法に準拠して測定した。
目ずれの評価は、ガラスクロス表面を軽く指で擦って、目視にて、経糸及び緯糸の交絡の状態を確認した。目ずれが生じた場合は×、目ずれが生じない場合は○の評価をした。
経糸及び緯糸の糸幅は、JIS R 3420 7.6単繊維直径 の試験方法に準拠して測定した。
通気性は、JIS R 3420 7.14クロスの通気性 の試験方法に準拠して測定した。
引張強度は、JIS R3420のタイプIIIに準拠して、25mm幅の試料片を掴み間隔150mmで保持し、200mm/minの速度で試料片を引き伸ばし、試験片の破断時の最大引張荷重を測定した。
腰の強さは、風合い計測器(KES-FB2:カトーテック(株)社製)による純曲げ試験方法に準拠して測定した。
以上の試験結果を表2に示す。また、図5は、比較例3のガラスクロスの表面を軽く指で擦った後の写真の図である。図6は、実施例4のガラスクロスの表面を軽く指で擦った後の写真の図である。
実施例1のガラスクロスの厚さは、比較例1、比較例2及び比較例3の厚さより薄くなっていた。また、実施例1のガラスクロスでは、比較例1、比較例2及び比較例3に比べて、目ずれが発生し難かった。また、実施例1の経糸及び緯糸の糸幅は、比較例1、比較例2及び比較例3に比べて大きく、実施例1の通気度は比較例1、比較例2及び比較例3に比べて小さかった。さらに、実施例1の引張強度は、比較例1及び比較例2と比較して大きかった。
実施例2のガラスクロスの厚さは、実施例1の厚さより更に薄くなっていた。また、実施例2のガラスクロスでは、実施例1と同様に、目ずれが発生し難かった。また、実施例2の経糸及び緯糸の糸幅は、実施例1に比べてやや大きく、実施例2の通気度は実施例1に比べてやや小さかった。さらに、実施例2の引張強度は、実施例1と比較して大きかった。
実施例3のガラスクロスの厚さは、実施例1の厚さより更に薄くなっていた。また、実施例3のガラスクロスでは、実施例1と同様に、目ずれが発生し難かった。また、実施例3の経糸及び緯糸の糸幅は、実施例1に比べて大きく、実施例3の通気度は実施例1に比べて小さかった。さらに、実施例3の引張強度は、実施例1と比較して大きかった。
実施例4のガラスクロスの厚さは、実施例2よりやや薄く、実施例3と同程度であった。また、実施例4のガラスクロスでは、実施例2および実施例3と同様に、目ずれが発生し難かった。また、実施例4の経糸及び緯糸の糸幅は、実施例2及び実施例2に比べて大きく、実施例4の通気度は実施例2及び実施例3に比べて小さかった。さらに、実施例4の引張強度は、実施例2及び実施例3と比較して大きく、実施例4のクロスの腰の強さは、比較例3と比較して大きかった。
目ずれの評価においては、比較例3のガラスクロスでは、図5に示すように目ずれが発生したのに対して、実施例4のガラスクロスでは、図6に示すように目ずれが発生しなかった。また、この評価に際してガラスクロス表面を軽く指で擦ったときの触感は、比較例3と実施例4とでは全く異なっていた。
実施例1〜4のガラスクロスの厚さは、比較例1〜3に比べて薄くなっていた。また、実施例1〜4のガラスクロスでは、比較例1〜3に比べて、目ずれが発生し難かった。従って、加熱加圧処理により、十分に薄く、且つ目ずれが発生し難いガラスクロスを得られることが確認された。
実施形態に係る製織済ガラスクロスの一部を切り出して示す平面図である。 図1のI−I線に沿う断面構造を模式的に示す図である。 加熱加圧処理に用いられる装置を模式的に示す図である。 加熱加圧工程における経糸20のガラスフィラメント50の変化を模式的に説明する図である。 比較例3のガラスクロスの表面を軽く指で擦った後の写真の図である。 実施例4のガラスクロスの表面を軽く指で擦った後の写真の図である。
符号の説明
10…製織済ガラスクロス、20…経糸、30…緯糸、41…熱源、42…プレスローラー、43…バックアップローラー、50a、50b、50c、50d…ガラスフィラメント。

Claims (6)

  1. 複数のガラスフィラメントからなる経糸及び緯糸を有するガラスクロスを製造する方法であって、
    前記経糸及び前記緯糸を製織して得られる製織済ガラスクロスを加熱及び加圧する加熱加圧工程を有し、
    前記加熱加圧工程では、前記ガラスフィラメントどうしが部分的に溶融接着されるように前記製織済ガラスクロスを加熱及び加圧する、
    ことを特徴とするガラスクロスの製造方法。
  2. 前記ガラスクロスの単位面積あたりの質量が20g/m2以下5g/m2以上であることを特徴とする請求項1に記載のガラスクロスの製造方法。
  3. 前記加熱加圧工程における温度が700℃以上1200℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のガラスクロスの製造方法。
  4. 前記加熱加圧工程における圧力が0.5Mps以上3.0Mps以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラスクロスの製造方法。
  5. 複数のガラスフィラメントからなる経糸及び緯糸を有するガラスクロスであって、
    単位面積あたりの質量が20g/m2以下5g/m2以上であり、
    前記ガラスフィラメントどうしが、扁平に変形された断面形状で、部分的に溶融接着されていること
    を特徴とするガラスクロス。
  6. 複数のガラスフィラメントからなる経糸及び緯糸を有するガラスクロスであって、
    単位面積あたりの質量が20g/m2以下5g/m2以上であり、
    前記ガラスフィラメントどうしが部分的に溶融接着されており、
    前記経糸及び緯糸のヤーン撚り数が0.3以下であること、
    を特徴とするガラスクロス。
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