JP5453059B2 - リチウム空気電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム空気電池に関し、特に、固体電解質を用いたリチウム空気電池の正極に関する。
空気中の酸素を活物質として用いた正極を有する空気電池は、正極において、酸素の酸化還元を行うことにより電池の充放電を行うことができる。例えば、リチウム過酸化物又はリチウム酸化物を含む酸素を酸化還元する正極と、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質物を含む負極と、これら正極及び負極の間に介在された電解質層と、これらを収納する空気孔が開口されている容器と、その開口されている面と前記正極との間に配置された酸素透過膜とを具備することを特徴とする空気リチウム二次電池が提案されている(例えば、特許文献1)。ここでは、電解質層として有機溶媒を添加したものが用いられ、正極は、固体電解質、炭素質物、リチウム過酸化物、及び結着剤を含むフィルムを集電体に圧延したものが用いられ、酸素透過膜として、空気中の酸素を透過させ水の侵入を防止する撥水性の多孔質膜が用いられている。しかしながら、正極は多孔性であるので、撥水性が充分でなく酸素透過膜を通過してしまった水は、そのまま電解質に入り込み、負極を失活させるおそれがある。
そのため、酸素ポンプから大気中の酸素が供給されるようにする非水系金属空気電池が提案されている(例えば、特許文献2)。しかしながら、このような機能性部品を取り付けると電池が複雑化し、製造コストが高くなる。
一方、金属酸化物又は金属過酸化物を生成/分解して放電/充電する第1正極と第1負極と第1電解質とを備える第1セルと、金属酸化物又は金属過酸化物を生成/分解して放電/充電する第2正極と第2負極と第2電解質とを備え、第1正極及び第2正極の間に酸素透過部を有し、第1セル/第2セルを充電/放電する際に使用する酸素ガスを酸素透過部に供給可能に構成されている空気電池も開示されている(例えば、特許文献3)。しかしながら、外側に配置されるセルの正極は、結局大気に曝されるため、大気中の水による負極の失活を充分に防ぐことはできない。
また、低電圧での充電及び高電圧での放電を可能にするために、非水電解液及び金属Liよりなる負極を有するリチウム空気二次電池の正極に用いられる正極用触媒であって、酸素の吸放出能を有する少なくともCeOを含有する金属酸化物を含有するものが提案されている(例えば、特許文献4)。このような触媒により、過電圧が低下しより効率よく放充電が正極で行われるとしても、正極活物質である酸素及び正極の電解質が集電体近傍で触媒に実質的に接触しなければ触媒の能力は充分発揮されない。
特開2005−166685号公報 特開2009−230981号公報 特開2008−91248号公報 特開2008−112724号公報
すなわち、有機電解液等を含有する空気電池の正極においては、大気中の水が多孔質の正極を透過して電解液中に溶解し、負極に至り負極を失活させてしまうおそれがあるため、長期使用が困難であり、主に乾燥空気中での使用に留まっている。
そこで、電解質層に無機固体電解質を用いることにより、かかる水の透過を防止可能な空気電池を構成することができる。このようにすれば、例えば、正極に電解質となる水溶液を含有させても負極の劣化を有効に防止することができる。このとき、正極に水溶液が接触するようにすれば、液体による反応促進効果が期待され、高い電流密度を達成することができ、水溶液と相性のよい触媒を併せて用いれば、負極の劣化を防止して長期間使用可能で、より高い電流密度が期待できる。
水溶液は正極表面から流れ出るおそれもあり、水溶液を電解質的な機能を保持したまま、無機固体電解質からなる固定電解質層上に固定できればより好ましい。そこで、正極は、少なくとも酸素還元のための又は酸素還元及び酸素発生のための触媒、及び、ポリマーを含むようにすることが好ましい。
以下、具体的に本発明において提供できるものを述べる。
(1)リチウムイオンの放出能力、又は、リチウムイオンの吸蔵及び放出能力を備える負極と、少なくとも酸素還元のための又は酸素還元及び酸素発生のための触媒、及び、ポリマーを含む正極と、前記負極及び前記正極間に配置された、固体電解質層と、を備えるリチウム空気電池を提供できる。
ここで、固体電解質層の厚みは、例えば10μ〜2mmであってもよく、更に、薄くてもよい。例えば、固体電解質層を構成する固体電解質はLiN、LISICON類、ペロブスカイト構造を有する物質、NASICON型構造を有する物質、硫化物であってもよい。また、触媒は、特に限定されることなく、白金、ニッケル等の金属の小片、粒、粉体であってもよく、無機化合物の圧粉体、焼結体、粒、粉体であってもよい。特にペロブスカイト型の無機化合物を含んでよい。その他に、フタロシアニン系の触媒もある。このようなリチウム空気電池は、いわゆる一次電池であってよく、また、二次電池であってもよい。固体電解質層は、上記負極及び正極に所定の力で押圧されて狭持されてもよく、上記負極及び/又は正極と一体に形成されてもよい。固体電解質層は、好ましくは実質的に水蒸気及び/又は水を透過しなくてよい。
(2)正極中に含まれる前記ポリマーは、常圧、室温における含水率が200%以上である上記(1)に記載のリチウム空気電池を提供できる。
ここで、正極中に含まれるポリマーは吸水性であることが好ましい。例えば、好ましくは含水率が200%以上のポリマーであり、より好ましくは300%以上のものであり、更に好ましくは600%以上のものである。この含水率は、一旦取り込まれた水が簡単に放出されない限りは、大きい方が好ましい。一般にポリマーは吸水すると体積が増えるので、正極の所定の形状を維持できる程度の含水率であることが好ましい。ここで、含水率とは、物質に含まれる水分の割合を示したもので、重量基準の含水率である重量含水率を意味する。単位は無次元であり、百分率(%)を用いて表わされる。含水率は、ポリマー(例えば、樹脂)中の水分重量をポリマー自身の重量で除した値を百分率で表したものである。具体的には、水分を含んだポリマーの重量をB、ポリマーをオーブンなどの加熱乾燥装置や、低圧乾燥装置で質量変化がなくなるまで乾燥させたものの重量をAとした場合、含水率(%)は、(B−A)/A×100となる。
ここで、吸水性ポリマーとしては、架橋型高吸水性高分子化合物を用いることができる。このような高分子化合物は、分子内、又は末端にカルボキシル基を有するものであり、且つ架橋型の高分子であって、耐アルカリ性に優れるものであれば、いずれも使用できる。カルボキシル基を有する架橋型高吸水性高分子化合物としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸塩、ポリイタコン酸、ポリイタコン酸塩、ポリマレイン酸、ポリマレイン酸塩、ポリクロトン酸、ポリクロトン酸塩、無水マレイン酸共重合体(イソブチル−無水マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル−無水マレイン酸共重合体)等が好適に使用できる。また、上記ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、ポリイタコン酸塩、ポリクロトン酸塩としては、ナトリウム塩に限定されるわけではなく、カリウム塩、リチウム塩などを採用することができるが、中でもカリウム塩が好適に使用される。
(3)前記ポリマーは、ポリアクリル酸塩、を含むことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のリチウム空気電池を提供できる。
例えば、ポリアクリル酸ナトリウム(sodium polyacrylate)においては、主要な単位構造は[−CH−CH(CONa)−]であり、高い吸水性は、網目構造の中に多数の水分子を取り込み、ゲル構造を作る。このような高分子ゲルは、高分子が架橋されることで三次元的な網目構造を形成し、その内部に溶媒を吸収し膨潤したゲルであり、固体と液体の中間的な性質を併せ持つ物質となる。一般に、水素結合やイオン結合、配位結合などによって架橋された「物理ゲル」と、化学反応によって共有結合で架橋された「化学ゲル」とに分けて呼ばれることがある。この例は、化学ゲルに属する。
(4)前記ポリマーは、水溶液を含んだ状態で、25℃においてイオン伝導度が1×10−4S/cm以上であることを特徴とする上記(1)から(3)のいずれかに記載のリチウム空気電池を提供できる。
水溶液を含むポリマーにおいては、25℃で大気中においてイオン伝導度が1×10−4S/cm以上であってよく、より好ましくは5×10−4S/cm以上であってよく、更に好ましくは8×10−4S/cm以上であってよい。
(5)前記固体電解質層は、Li1+x+z(Ge1−y、Ti2−xSi3−z12(但し、0≦x≦0.8、0≦y≦1.0、0≦z≦0.6、M=Al、Gaから選ばれる1種以上)の結晶を含むことを特徴とする上記(1)から(4)のいずれかに記載のリチウム空気電池を提供できる。
(6)前記固体電解質層が、酸化物基準のmol%で、
LiO 10〜25%、
Al及び/又はGa 0.5〜15%、
TiO及び/又はGeO 25〜50%、
SiO 0〜15%、
26〜40%
の各成分を含有する上記(1)から(5)のいずれかに記載のリチウム空気電池を提供できる。
ここで、固体電解質層を構成する固体電解質はLi1+x+z(Ge1−y、Ti2−xSi3−z12(但し、0≦x≦0.8、0≦y≦1.0、0≦z≦0.6、M=Al、Gaから選ばれる1種以上)の結晶を含む材料であることが化学的な安定性に優れ、かつイオン伝導性が高い為好ましい。さらに、固体電解質は上記結晶が析出したガラスセラミックスのバルク体、又は上記結晶が析出したガラスセラミックスの粉末もしくは熱処理により上記結晶が析出するガラスの粉末をグリーンシート製法(テープキャスト製法)などにより成型し、焼結した材料であることがより好ましい。
Li1+x+z(Ge1−y、Ti2−xSi3−z12(但し、0≦x≦0.8、0≦y≦1.0、0≦z≦0.6、M=Al、Gaから選ばれる1種以上)の結晶が析出したガラスセラミックスは、酸化物基準のmol%で、
LiO 10〜25%、
Al及び/又はGa 0.5〜15%、
TiO及び/又はGeO 25〜50%、
SiO 0〜15%、
26〜40%
の各成分を含有するガラスを熱処理することにより作製することができる。
ここで、「酸化物基準のmol%」とは、ガラスの構成成分の原料として使用される酸化物、複合塩等が溶融時に全て分解され、それぞれ電荷の釣り合う分だけの酸素と結合した酸化物を生成し、その酸化物の形でガラス中に存在するという仮定を基に、当該生成された酸化物のモル比(%)によって含有される各成分を表記する方法である。また、「ガラスセラミックス」とは、ガラスを熱処理することによりガラス相中に結晶を析出させて得られる材料であり、非晶質固体と結晶からなる材料をいうことができる。
本発明のリチウム空気電池は、無機固体電解質を固体電解質層として負極及び正極間に配置したので、空気正極から侵入され得る大気中の水蒸気や水による負極の劣化を効果的に抑制可能である。従って、電極反応を促進するために、正極表面に水蒸気や水或いはポリマー等に含浸された水溶液が存在してもよい。そのため、固体電解質層の空気極側(正極側)に高分子及び水溶液からなる電解質(ゲル状電解質)を配置することにより、固体電解質層上に容易に水溶液電解質を固定することができる。また、単なる水溶液に比べ、ゲル状電解質は、水の蒸発速度が遅く、より高温の雰囲気で使用ができる。特に、触媒をゲル状電解質の空気極側に配置することが好ましい。触媒は、ゲル状電解質によって固着されてもよい。触媒は直径数nmレベルの粒子がバインダー等によって結着された粒子層や、微細なカーボン繊維からなるカーボンクロスに触媒粒子を塗布したもの等が例示される。ゲル状電解質を用いることにより、この触媒層を容易に固定することができる。
本発明の実施例に関し、正極の空気相側の表面の形態を示す模式図。 本発明の実施例に関し、正極の空気相側の形態を示す断面図。 本発明の別の実施例に関し、正極の空気相側の形態を示す断面図。 本発明のリチウム空気電池の全体構成を図解する模式図。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例について詳しく説明するが、以下の記載は、本発明の実施例を説明するためになされるもので、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。また、同一若しくは同種類の要素については、同一若しくは関連性のある符号を用い、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の1の実施例を示すリチウム空気電池のセル10の模式図である。リチウムイオンの吸蔵及び放出能力、又は、リチウムイオンの放出能力を備える負極12の上に、負極保護層13、固体電解質層16を配置し、更に、少なくとも酸素還元のための、又は、酸素還元及び発生のための触媒15、を含む正極14が積層されている。この正極14は、水溶液を含有するポリマーからなるポリマー層から構成される。このポリマー層のうち、触媒を含む部分(固体電解質層16からの距離に応じて層として分けたもの)を触媒層(又は正極触媒層)といってもよい。単位面積20あたり所定の量の触媒を固着することが好ましい。負極12は、ここではLi−Al合金箔を用いている。固体電解質層16は、ガラスセラミックスから構成され、水蒸気又は水を実質的に透過しない。詳細は、後述する。図示しない集電体により負極及び正極の電子が上記セル外に取り出される。尚、触媒を含む複合体からなるシート状のものをシート状触媒(又は正極触媒)として、ポリマー層の上に貼付け密着させてもよい。両者の界面では密着性がよく、電池反応が容易に行われる。
一般に、リチウム空気電池においては、例えば負極活物質をLi金属とし、活物質と電解質を兼ねる液体を水とした場合は次に示す電池反応が生じていると考えられる。
Li+HO=LiOH+1/2H 又は、
Li+1/2HO+1/4O=LiOH
負極側、正極側それぞれについては、
負極:Li = Li +e
正極:e+ HO = OH+ 1/2H 又は、
+ 1/2HO + 1/4O= OH
と表わすことができる。このような電池反応を活発にさせ、出力の高い電池とするためには、正極は水や酸素への電子移送を促進するために、水又は酸素を還元分解する能力を有することが好ましい。
図2は、図1に示す実施例等において、固体電解質層16の上にポリマー層(ゲル状電解質)を使用した正極14が積層されたセルの部分構成の模式断面図である。触媒15は、ポリマー層14の凹部に固着され、その表面の接触面積が大きくなっている。空気極(正極)側には、空気中の酸素があり、触媒15及び水溶液を含むポリマー層14の界面から侵入する。この酸素は、触媒15の表面であってポリマー層14との接触部において、上述する正極における反応を起こさせる。このとき、固体電解質層16からは、負極(図示せず)から伝達されるイオン(例えばリチウムイオン)が運ばれ、ポリマー層14中の水溶液中に拡散し、触媒15の表面に到達することが可能となっている。そして、図示しない集電体から正極にもたらされる電子と反応して、水酸化リチウムを生成する。ポリマー層を有することにより、水溶液ではなしえない触媒の固着という別の機能も果たし得る。
図3は、図2の場合に比べて、正極を構成するポリマー層14がより厚く、触媒15をかなり包み込む構造を図解する。ここでも図2と同様な反応が生じるが、活用可能な触媒15の表面積は広がり、且つ、球近似した触媒の半径を超えてポリマー層14に埋め込まれ、触媒がすっぽり囲まれるので、その固着効果が大きい。
図4は、図1から図3までのセル又は正極を用い、電池を構成した場合を模式的に示す。負極12、負極保護層13、電解質16、ポリマー層14、触媒を含む触媒層15の順に積層され、ポリマー層14及び触媒層15が正極を構成する、負極12及び正極の触媒層15にはそれぞれ集電体34及び36が密着されている。これらが電池を形成するケース30内に収納される。ケース30の正極側には、空気穴32が複数個(図では2個)開けられている。集電体34及び36はそれぞれリードにより電気的に負荷若しくは電源に接続され、放電若しくは充電される。尚、この電池は充電をしない放電のみの1次電池であってもよい。より具体的な実施例について以下説明する。
[実施例1]
(固体電解質に関し、ガラスセラミックスの母ガラス作成工程)
原料として、HPO、Al(PO、LiCO、SiO、及びTiOを用い、これらの原料を、酸化物換算のmol%で、Pが33.8%、Alが7.6%、LiOが14.5%、SiOが2.8%、TiOが41.3%の組成になるように秤量し、均一に混合した。混合物を白金ポット内に入れ、電気炉中1450℃で3時間に亘り、撹拌を行いながら加熱溶解を行った。得られたガラス融液を流水中に滴下することで、フレーク状のガラスを得た。
(固体電解質層用グリーンシートの作製)
このガラスをジェットミルで粉砕することで、平均粒子径1.9μmのガラス粒子を得て、このガラス粒子をエタノールによる湿式ボールミルで微粉砕し、得たスラリーを噴霧乾燥することで、平均粒子径0.3μmのガラス微粒子を得た。
水にガラス微粒子、アクリル樹脂および分散剤を添加し、ボールミルで48時間に亘り撹拌することでスラリーを調製した。このスラリーにおけるガラス微粒子の含有量は65.5質量%であり、アクリル樹脂の含有量は13.5質量%であった。かかるスラリーを、ドクターブレード法で離型処理を施したPETフィルム上に厚み45μmで成形し、80℃にて一次乾燥を、更に95℃で二次乾燥を行うことで、シート状物を得た。PETフィルムを剥離した後のシート状物8枚を重畳し、等方加圧装置(CIP)を用いて196.1MPaにて10分間に亘り加圧を行うことで、緻密なグリーンシートを作製した。
このグリーンシートを30mm角に切り出し480℃で2時間に亘り加熱し、脱脂を行った。その後、930℃まで急激に昇温し、930℃にて2時間保持して焼結させた。そして、室温まで自然冷却して無機固体電解質を作製した。この焼結させた無機固体電解質を25mm角、厚さ(t)0.3mmに切断・研磨加工して、固体電解質層として準備した。
(結晶相の同定等)
尚、作製した固体電解質の状態を確認するため、上記のグリーンシートを480℃で2時間に亘り加熱して脱脂した後、930℃まで急激に昇温し、930℃にて2時間保持して焼結させた。そして、室温まで炉内で自然冷却させた。この焼成処理物をX線回折法で調べたところ、主結晶相がLi1+x+yAlTi2−xSi3−y12(式中、0≦x≦0.4、0<y≦0.6)であるガラスセラミックスであることが確認された。また、インピーダンス測定を行って求めたイオン伝導度は1.8×10−4S・cm−1であった。
(ゲル作製)
ポリビニルアルコール10wt%を、精製水90wt%に溶解させて、ポリビニルアルコール水溶液を調整した。また、LiOH 10wt%を精製水90wt%に溶解させてLiOH水溶液を調整した。これらの水溶液を1:1重量比でさらに混合した。これらに架橋型ポリアクリル酸カリウム(シグマアルドリッチ製)を水溶液に対して0.5wt%加えて、攪拌した。この水溶液をガラスセラミックス上に塗布、60℃乾燥を数度行い固体電解質層上に水溶液ゲル電解質を形成した。この時の水溶液電解質の厚さは1.6mm(厚みt)であった。
水溶液ゲル電解質の含水率を測定する為、得られた水溶液ゲル電解質の重量測定を行い(Bg)、次に、それを減圧オーブンにより、500Pa以下、80℃で6時間乾燥させ、その乾燥重量を測定した(Ag)。その結果、含水率は、(B−A)/A×100=1944%であった。
(電池の作製)
以下の負極、負極保護層、シート状正極触媒を用意した。
負極:Li金属箔 φ11mm(直径) 0.2mm(厚みt)
負極保護層:
EC(エチレンカーボネ―ト)とDEC(ジエチルカーボネート)を体積比で1:1で混合したものに1MのLiPFを溶解させ、ポリプロピレン製の微多孔膜に含浸させたものを負極保護層とした。
更に、上記で作製した固体電解質層、シート状正極触媒、及びゲル状電解質を用いて、固体電解質電池を作成した。具体的には、負極/負極保護層/固体電解質層/水溶液ゲル電解質/シート状正極触媒の順に積層して固体電解質電池を作成した。ここで、シート状正極触媒はカーボンクロス(東レTPH−120)に白金担持カーボン(20wt%Pt担持Vulcan XC−72)を塗布したものを用いた。ゲル電解質と反対の面には有機電解液に浸したLi金属箔を配置した。シート状正極触媒及びゲル状電解質は以下のように表される。
シート状正極触媒:φ15mm、白金担持カーボン/カーボンクロス(E−Tek製、20wt%Pt担持Vulcan XC−72/東レTPH−120)
ゲル状電解質:LiOH水溶液保有ゲル電解質
このように積層したものをSUS304製セルに組み込むことによってLi/空気電池を作製した。セルにはφ0.5mmの空気孔が2箇所設けてある。
[比較例]
実施例1のゲル電解質は用いずに、固体電解質層の空気極側表面にガラスウールからなるスペーサーを配置し、そのガラスウールに囲まれたところに実施例1で調製した、10wt%のLiOHを90wt%の精製水に溶解させたLiOH水溶液を0.6cm投入して充填した。この水溶液が、実施例1のゲル電解質に相当する。それ以外は、実施例1と同様にして電池を構成した。
[電池試験]
実施例1と比較例で作製したLi/空気電池を60℃にて、0.5mA/cmの電流値で放電試験を行った。終止条件1Vとなるまでの放電時間を調べた。実施例1では80時間満放電を示し、比較例では14時間放電となった。
10 リチウム空気電池のセル 12 負極 13 負極保護層
14 ポリマー層(ゲル状電解質) 15 触媒 16 固体電解質層

Claims (6)

  1. リチウムイオンの放出能力、又は、リチウムイオンの吸蔵及び放出能力を備える負極と、
    少なくとも酸素還元のための又は酸素還元及び酸素発生のための触媒、及び、ポリマーを含む正極と、
    前記負極及び前記正極間に配置された、固体電解質層と、を備え
    前記ポリマーは、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸塩、ポリイタコン酸、ポリイタコン酸塩、ポリマレイン酸、ポリマレイン酸塩、ポリクロトン酸、ポリクロトン酸塩、又は無水マレイン酸共重合体を含む、リチウム空気電池。
  2. 正極中に含まれる前記ポリマーは、常圧、室温における含水率が200%以上である請求項1に記載のリチウム空気電池。
  3. 前記ポリマーは、ポリアクリル酸塩、を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム空気電池。
  4. 前記ポリマーは、電解質となる水溶液を含み、その状態で、
    25℃においてイオン伝導度が1×10−4S/cm以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のリチウム空気電池。
  5. 前記固体電解質層は、Li1+x+z(Ge1−y、Ti2−xSi3−z12(但し、0≦x≦0.8、0≦y≦1.0、0≦z≦0.6、M=Al、Gaから選ばれる1種以上)の結晶を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のリチウム空気電池。
  6. 前記固体電解質層が、酸化物基準のmol%で、
    LiO 10〜25%、
    Al及び/又はGa 0.5〜15%、
    TiO及び/又はGeO 25〜50%、
    SiO 0〜15%、
    26〜40%
    の各成分を含有する請求項1から5のいずれかに記載のリチウム空気電池。
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