JP5451020B2 - 外用関節痛治療剤 - Google Patents

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Description

発明の属する技術分野
本発明は、外用関節痛治療剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、べた付きがなく、鎮痛効果および温熱効果(持続性)に優れた外用関節痛治療剤に関する。
従来の技術
関節は、骨と骨との連結部位であり、膝、肘、肩、腰などを含む体中のいたるところに存在する。関節を隔てた骨同士は関節軟骨を介在して接し、筋肉や靭帯によって構成されている。
関節は動作時に屈曲伸展を繰り返すので、そこにかかる負担は非常に大きなものである。故に、関節軟骨の磨り減り、筋肉の脆弱化、血行障害などを生じることとなり、種々痛みを感じるようになる。広義に関節痛とよばれる症状である。
本症状の改善を目的としては、磨り減った軟骨の補充が有効とされているが、まずは炎症や痛みを改善することが最優先とされている。炎症や痛みは動作時のバランスを欠く結果となり、更なる患部の拡大、症状の悪化を招くからである。このような症状に対し、鎮痛剤の外用による対処が行なわれてきているが、効果が一過性であり歩行・外出時に不安を感じるとか、あるいは剤型によっては可動域を制限されるので不快かつ日常的に対処できないなどの問題があった。
特開平11−199522号公報(特許文献1)において、温感成分と清涼化成分を非ステロイド系抗炎症剤に配合して温感を持続的に感じることができると記載されているが、精製水が多量に配合されており精製水により熱を奪われるので、塗布直後の温感刺激はなかった。さらに、関節痛のような持続的な痛みを伴う疾患に関して、持続的な鎮痛効果を示すには不十分であった。
また、特開2008−179564号公報(特許文献2)において、温感成分を含有する消炎鎮痛貼付剤は適度な温感を有すると記載されているが、貼付剤は関節部位の可動域を制限するので、日常的な対処が困難であった。そのため、関節部位の可動域を制限することがなく、関節痛の持続的な鎮痛効果を得ることができる製剤、特に、保形性の低いゲル剤が求められていた。しかし、ゲル剤においては、べた付きが生じるなど、使用感が問題となることがあった。
特開平11−199522号公報 特開2008−179564号公報
本発明は、べた付きなどがなく、鎮痛効果および温熱効果(持続性)に優れた外用関節痛治療剤、特に、炎症の除去、血行の促進効果を併せ持ち、患部の新陳代謝を改善し、組織修復効果も期待できる関節痛治療に優れた外用関節痛治療剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来技術の問題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、非ステロイド系抗炎症剤にノナン酸類、清涼化成分、粉末類、粘稠化剤、多価アルコールを配合して外用剤とすることによって、優れた外用関節痛治療剤となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の外用関節痛治療剤を提供する。
(1)非ステロイド系抗炎症剤にノナン酸類、清涼化成分、粉末類、粘稠化剤、多価アルコールを配合し、粉末類を多価アルコール1重量部に対し0.3〜1.2重量部配合することを特徴とする外用関節痛治療剤。
(2)治療剤100重量%中、清涼化成分6〜11重量%であり、かつ清涼化成分1重量部に対し、ノナン酸類が0.001〜0.02重量部であることを特徴とする前記(1)に記載の外用関節痛治療剤。
(3)揮発性低級アルコールを含まないことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の外用関節痛治療剤。
(4)ゲル剤であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の外用関節痛治療剤。
(5)塗布用製剤である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の外用関節痛治療剤。
[発明の実施の形態]
本発明の外用関節痛治療剤に含まれる非ステロイド系抗炎症剤としては、皮膚外用剤に配合し得るものであればその種類が特に制限されるものではなく、例えばアズレン、アセトアミノフェン、アセメタシン、アルクロフェナク、アルミノプロフェン、アンピロキシカム、アンフェナク、イソキシカム、イソキセバク、イブフェナク、イブプロフェン、インドシン、インドプロフェン、インドメタシン、エトドラク、エモルファゾン、オキサプロジン、オキサブロフェン、オキシカム、オキセビナク、オルセノン、オルトフェナミン酸、カルプロフェン、クリダナク、クリプロフェン、ケトチフェン、ケトプロフェン、ケトロラク、アスピリン,サリチル酸メチル,サリチル酸グリコール、ザルトプロフェン、ジクロフェナク、シクロプロフェン、ジドメタシン、ジフルニサル、硝酸イソソルビド、スドキシカム、スプロフェン、スリンダク、ゾメビラク、チアプロフェン、チオキサプロフェン、チオビナク、テニラック、テノキシカム、トラマドール、トルメチン、トルフェナム酸、ナプロキセン、ニフルミン酸、ビルプロフェン、ピロキシカム、フェニドン、フェノプロフェン、フェルビナク、フェンクロフェナク、フェンチアザク、フェンブフェン、ブクロキシ酸、ブフェキサマク、プラノプロフェン、フルプロフェン、フルフェナミン酸、フルフェニサル、フルルビプロフェン、フルルビプロフェンアキセチル、フロクタフェニン、プロチジン酸、フロフェナク、ベノキサプロフェン、ベノリレート、ベンダザク、ミロプロフェン、メクロフェナミン酸、メピリゾール、メフェナム酸、リシブフェン、ロキソプロフェン及びこれらの塩等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を併用することができる。本発明の場合、抗炎症作用、安全性等を考慮すると、これらの中でもフルルビプロフェン、フェルビナク、ブフェキサマク、スプロフェン、イブプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、ピロキシカム、インドメタシン、ザルトプロフェン、メフェナム酸等が好適であり、特にフェルビナクを含有する場合に効果的である。
外用関節痛治療剤における非ステロイド系抗炎症剤の配合量は、特に制限されるものではなく、剤型、使用目的等に応じて適宜選定することができるが、外用関節痛治療剤100重量%中、0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。
本発明では、非ステロイド系抗炎症剤を含有する外用関節痛治療剤に、ノナン酸類、清涼化成分、粉末類、粘稠化剤および多価アルコールを配合する。
ノナン酸類は下記の構造を有する血行促進作用を有する化合物である。
Figure 0005451020
(式中、nは7〜10であり、mは15〜20である)
ノナン酸類としては、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルカプサイシン、ホモカプサイシン、オクタン酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド等が挙げられる。ノナン酸類としては、カプサイシンおよびノナン酸バニリルアミドが好ましい。
本発明においてノナン酸類は、外用関節痛治療剤100重量%中、0.001重量%以上が好ましく、0.008〜0.2重量%がより好ましく、0.012〜0.2重量%がさらに好ましい。
清涼化成分は清涼感を付与する成分であり、リモネン、テルピノレン、メンタン、テルピネンなどのp−メンタン及びそれから誘導される単環式モノテルペン系炭化水素化合物等のテルペン系炭化水素化合物、l−メントール、イソプレゴール、3,l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、1−(2−ヒドロキジフェニル)−4−(3−ニトロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロキシピリミジン−2−オン、エチルメンタンカルボキサミド、p−メンタン−3,8−ジオール、3,8−ジヒドロキシ−p−メンタン−3−9−ジオール、トリアルキル置換シクロヘキサンカルボキシアマイド等メントール類縁化合物等が挙げられる。これらは1種のみを使用でき、または2種以上を組み合わせて使用することもできる。ノナン酸類と併用することで、特に効果的な温熱効果を奏することから、好ましい清涼化成分はl−メントールである。
本発明において清涼化剤は、外用関節痛治療剤100重量%中、1〜15重量%が好ましく、6〜11重量%がより好ましい。さらに、本発明の外用関節痛治療剤においては、清涼化成分1重量部に対し、ノナン酸類が0.001〜0.02重量部であることが好ましく、0.002〜0.018重量部であることがより好ましく、0.002〜0.016重量部であることがさらに好ましい。このような範囲とすることで、患部に適度な冷感を与えつつ、ノナン酸の温熱効果を持続させることができ、効果的に痛みを緩和させることができる。
多価アルコールは溶剤、溶解補助剤として知られている成分であり、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、キシリトールなどが好ましく、特にプロピレングリコール及びポリプロピレングリコールが好ましい。多価アルコールの配合量は、外用関節痛治療剤100重量%中、40〜75重量%、好ましくは50〜70重量%である。
粉末類は一般にいう粉体であり、常温で固形のものである。無機粉体としては、タルク、カオリン、ベントナイト及びケイ酸アルミニウムマグネシウム等の層状珪酸塩鉱物、酸化チタン、酸化亜鉛等があげられる。有機粉体としては、ナイロン、シリカ、ポリメタクリル酸メチル等の球状粉体、ポリエチレンビーズ、セルロース粉末、トウモロコシデンプン、高吸水性高分子(ポリアクリル酸デンプンなど)等が挙げられる。トウモロコシデンプン、合成ケイ酸アルミニウム、軽質無水ケイ酸などが特に好ましい。本発明では、鎮痛効果、温熱効果の持続性、及びべた付き感の改良などの点からは、粉末類と多価アルコールとの比率が重要であり、粉末類は多価アルコール1重量部に対し、0.3〜1.2重量部が好ましく、また、0.3〜0.8重量部配合することがより好ましい。
粘稠化剤としては、水系粘稠化剤として、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン・ビニルアセテート共重合体、カルボキシビニル共重合体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロース塩、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、ペクチン、ポリエチレンオキサイド、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、カルボキシメチルスターチ等の1種又は2種以上の水溶性高分子物質を用いることができ、特にヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系高分子が好ましい。粘稠化剤の配合量は、外用関節痛治療剤100重量%中、0.3〜30重量%、好ましくは0.75〜20.75重量%である。
また、本発明の外用関節痛治療剤には、温熱効果の持続性の点から、エタノール、メタノール、プロパノールなどの揮発性低級アルコールを含まないことが好ましく、さらには水を含まないことが好ましい。
さらに、本発明の外用関節痛治療剤は、pHが3〜7であることが好ましく、4〜6.5であることがより好ましい。例えば、非ステロイド系抗炎症剤として、フェルビナクなどのアリール酢酸系消炎鎮痛性化合物を使用する場合、従来、製剤のpHが酸性領域であると時間の経過とともに析出物が見られ好ましくなかったが、本発明の外用関節痛治療剤であればそのような析出物が見られず安定であった。
本発明の外用関節痛治療剤には、その他の任意成分として剤型に応じた適宜な成分を添加し、各製剤の通常の方法で調製することができる。本発明の外用関節痛治療剤は関節に適用することから、関節部位の可動域を制限せず、かつ関節痛の持続的な鎮痛効果を得ることができる製剤であるゲル剤、クリーム剤、軟膏剤などの塗布用製剤とすることが好ましく、特に保形性の低いゲル剤とすることが好ましい。
本発明の外用関節痛治療剤は、粘稠化剤としてヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系高分子を添加することにより好ましいゲル剤となるが、この他にもグリセリンモノオレエート等のゲル化剤を添加することができ、ゲル剤を調製する場合、常法によって製造し得、例えばゲル化剤以外の上記各成分を上記溶剤に順次添加、溶解した後、ゲル化剤を添加してゲル化させることによって調製することができる。
軟膏剤の場合、基剤として、グリコール類、界面活性剤、水溶性高分子化合物などを配合することができ、具体的には、例えばラノリン、硬化油、レシチン、プラスチベース、流動パラフィン、ミツロウ、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、シリコン油等、グリコール類として、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等、水溶性高分子化合物として、例えばカルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸等を配合することができる。
軟膏剤として調製する場合、常法によって製造し得、例えば上記各成分を上記溶剤に順次添加し、適宜時間混練することによって調製することができる。
本発明の外用関節痛治療剤は、非ステロイド系抗炎症剤にノナン酸類、清涼化成分、粉末類、粘稠化剤、多価アルコールに加えて、他の薬効成分や各種添加剤(保湿剤、色素、香料、界面活剤、pH調整剤、酸化防止剤等)を含有しても良い。これらの成分は、本発明の効果を妨げない範囲で配合される。
他の薬効成分としては、例えば、塩酸プロカイン、リドカインなどの局所麻酔剤、ペニシリン類、セファロスポリン類、アミノグリコシド類、マクロライド類などの抗生物質、グリセオフルビン、アンホテリシンBなどの抗真菌剤、ヒドロコルチゾン、ブレドニゾロンなどのステロイド系消炎剤、クロルフェニラミン、オキサトミドなどの抗アレルギー・抗ヒスタミン剤、クロニジン、カプトプリルなどの抗高血圧剤、ニトログリセリン、硝酸イソソルビットなどの冠血管拡張剤、ニフェジピン、ニカルジピンなどのカルシウム拮抗剤、ピンドロール、プロプラノールなどのβブロッカー、デオフィリン、ハイドロサイアザイドなどの降圧利尿剤、塩酸ドパミン、ジキタリスなどの強心剤、バルプロ酸ナトリウム、フェニトインなどの抗てんかん剤、スコポラミンなどの抗めまい剤、ハロペリドールなどの抗精神病剤、塩酸フルラゼパム、フェノバルビタールなどの睡眠調整剤、5−フルオロウラシル、マイトマイシンC、ブレオマイシンなどの抗悪性腫瘍剤、エストラジオール、インスリンなどのホルモン剤、ビタミンEなどのビタミン類等を挙げることができる。
他の添加剤としては、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウムなどの保湿剤、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート)、グリセリン脂肪酸エステル(例えば、グリセリルモノステアレート、イソオクタン酸グリセリン、グリセリルモノミリステアレート)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(例えば、ジグリセリルモノオレエート、テトラグリセリルモノステアレート)、プロピレングリコール脂肪酸エステル(例えば、プロピレングリコールモノステアレート)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(例えば、ポリオキシエチレン(5)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油)などの界面活性剤、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、クエン酸、塩酸などのpH調整剤等を挙げることができる。
本発明によれば、非ステロイド系抗炎症剤にノナン酸類、清涼化成分、粉末類、粘稠化剤、多価アルコールを配合し、粉末類を多価アルコール1重量部に対し、0.3〜1.2重量部配合することにより、鎮痛効果及び温熱効果に優れ、かつべた付きのない使用感のよい外用関節痛治療剤とすることができる。
以下において、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
外用関節痛治療剤の調製
下記の表1〜5に示す割合で以下の方法により製剤(実施例1〜39及び比較例1〜8)を調製した。
(1)多価アルコールおよび無水エタノールにノナン酸類とl−メントールを溶解させる。
(2)溶解させたものにヒドロキシプロピルセルロースを加え、1時間撹拌する。
(3)粉末類を分散させて撹拌する。
なお、各表中の各成分の数値は重量部であり、フェルビナクは和光純薬工業株式会社、ノナン酸バニリルアミド及びl−メントールは長岡実業株式会社、カプサイシンはアルプス薬品工業、プロピレングリコールは株式会社ADEKA、1、3−ブチレングリコールは協和発酵ケミカル株式会社、ポリエチレングリコール200及びポリエチレングリコール400は三洋化成工業株式会社、ポリプロピレングリコール400は純正化学株式会社、無水エタノールはコニシ株式会社、合成ケイ酸アルミニウム(重質)は協和化学工業株式会社、トウモロコシデンプンは日澱化学株式会社、軽質無水ケイ酸は富士シリシア化学株式会社、ヒドロキシプロピルセルロースは信越化学工業株式会社からそれぞれ購入したものを使用した。
評価者
膝関節に痛みをもつ対象者10名に各例の製剤を適用して、鎮痛効果、温熱効果及びべた付きを評価した。
鎮痛効果の評価
塗布後2時間までの鎮痛効果について、5段階で評価(最高5点、最低1点)し、30点以上を「○」、30点未満を「×」として評価した。
温熱効果の評価
VAS(Visual Analogue Scale)による主観評価(最高16、最低0)し、試験終了時(塗布してから2時間後)100以上を◎、試験終了時80〜100未満を「○」、試験終了時80未満を「×」として評価した。
べた付きの評価
塗布時のべた付きについて、5段階で評価(最高5点、最低1点)し、30点以上を「○」、30点未満を「×」として評価した。
Figure 0005451020
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表1〜3に示されるように、フェルビナク、ノナン酸類、清涼化成分、粉末類、粘稠化剤、多価アルコールのいずれかの成分を欠く比較例1〜5、ならびに、これらの成分すべてを含むが、粉/多価アルコールが0.3よりも小さい(比較例7)、および1.2よりも大きい(比較例8)では、鎮痛効果、温熱持続性、べた付きのいずれかの評価が劣るものであった。なお、比較例6は粘稠化剤が含まれていないので、粉体が沈降してしまい、製剤できなかった。
一方、上記6成分を全て含み、粉/多価アルコールの比が0.3〜1.2の範囲内である実施例1〜7では、鎮痛効果、温熱持続性、べた付きのいずれの評価においても好適なものであった。とくに粉/多価アルコールを0.3〜0.8の範囲内とすることで、優れた温熱持続性を示した。
また、実施例8〜18に示すように、外用関節痛治療剤100重量%中、l−メントールを6重量%または11重量部%含有し、かつ、l−メントール1重量部に対してノナン酸バニリルアミドを0.002〜0.018重量部の範囲内とすると、優れた温熱持続性を示した。
さらに、表4および5に示されるように、実施例19〜39の外用関節痛治療剤を製したところ、鎮痛効果、温熱持続性およびべた付きについて、実施例1〜18と同様に優れた効果が認められた。
さらに、実施例36に比べて、実施例27は低級アルコールを含まないのでより温熱効果が優れていた。
加えて、実施例35のフェルビナクをインドメタシンに代えた外用関節痛治療剤を製したところ、同様に鎮痛効果、温熱持続性およびべた付きのいずれの評価においても好適なものであったが、実施例35の方がその効果については優れていた。
以下に処方例を示す。
処方例1〜16:ゲル剤
表6および7に記載の処方例に従い、常法通り調製してゲル剤を調製した。
処方例17:軟膏剤
表7に記載の処方例に従い、常法通り調製して軟膏剤を調製した。
Figure 0005451020
Figure 0005451020

Claims (5)

  1. 非ステロイド系抗炎症剤にノナン酸類、清涼化成分、粉末類、粘稠化剤、多価アルコールを配合し、粉末類を多価アルコール1重量部に対し、0.3〜1.2重量部配合することを特徴とする外用関節痛治療剤であって、治療剤100重量%中、清涼化成分6〜11重量%であり、かつ清涼化成分1重量部に対し、ノナン酸類が0.001〜0.02重量部であり、清涼化成分がl−メントールであることを特徴とする、前記外用関節痛治療剤。
  2. 清涼化成分1重量部に対し、ノナン酸類が0.002〜0.018重量部であることを特徴とする請求項1に記載の外用関節痛治療剤。
  3. 揮発性低級アルコールを含まないことを特徴とする請求項1又は2に記載の外用関節痛治療剤。
  4. ゲル剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の外用関節痛治療剤。
  5. 塗布用製剤である請求項1〜4のいずれかに記載の外用関節痛治療剤。
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