JP5449140B2 - 活性化卑金属触媒 - Google Patents

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Description

本発明は、活性化卑金属触媒と、ニトロ化合物の水素化のためのその使用とに関する。
活性化金属触媒はまた、化学及び化学工学の分野において、ラネー型触媒、スポンジ触媒及び/又は骨格触媒として知られている。活性化金属触媒は、有機化合物の多数の水素化反応、脱水素化反応、異性化反応、還元的アミノ化反応、還元的アルキル化反応及び水和反応のために、ほとんどが粉末形態で使用される。これらの粉末触媒は、アルカリに可溶である更なる合金化成分によって、本明細書において触媒金属とも呼ばれる1種以上の触媒活性金属の合金から製造される。触媒金属としては、主にニッケル、コバルト、銅、鉄又はそれらの組み合わせが用いられる。アルカリに可溶である合金化成分としては、アルミニウムが一般に用いられるが、他の成分、特に亜鉛及びケイ素、或いはアルミニウムとの、若しくは、アルミニウムとのものではないこれらの混合物を用いてもよい。
一般に、これらのいわゆるラネー合金は、インゴット鋳造方法によって製造される。その方法においては、触媒金属と例えばアルミニウムとの混合物を最初に溶融し、インゴットに鋳造する。
生産規模における典型的な合金のバッチは、1個のインゴットにつき約10〜数百kgの量になる。DE2159736によれば、この方法のために最高2時間の冷却時間が得られた。これは、約0.2K/sの平均冷却速度に相当する。これに対して、急速冷却を適用する方法(例えば噴霧方法)においては、102〜106K/s以上の速度が達成される。冷却速度は、特に粒径及び冷却媒質の影響を受ける(Materials Science and Technology edited by R.W.Chan,P.Haasen,E.J.Kramer,Vol.15,Processing of Metals and Alloys,1991,VCH−Verlag Weinheim,pages57−110参照)。この種の方法は、ラネー合金粉剤を製造するために、EP0437788B1において用いられている。その方法においては、その融点を5〜500℃上回る温度の溶融合金を噴霧し、水及び/又は気体を用いて冷却する。
粉末触媒を製造するために、既知の方法によって(即ちEP0437788B1により)作製され得るラネー合金は、製造中に所望の粉末形態に製造されなかった場合、最初に微細にミリングされる。次いで、例えば苛性ソーダ溶液等のアルカリ(KOH等の他の塩基も適切である)による抽出によってアルミニウムを部分的(必要な場合、全て)除去し、合金粉末を活性化させる。様々な結果を得るために、この種の触媒は、ほとんどの塩基及び酸によって活性化され得る。アルミニウムの抽出後、残留する触媒粉末は、5〜150m2/gの高比表面積(BET)を有し、活性水素が豊富である。活性化された触媒粉末は、自然発火性であり、水又は有機溶媒の下で保存されるか、或いは、室温で固体である有機化合物(例えばジステアリルアミン)中に埋め込まれる。
米国特許第6,423,872号には、ニトロ化芳香族化合物の水素化のための5.5質量%未満のAlを含有するNi触媒の使用が記載されている。それには、市販の標準的活性化Ni触媒とニトロ化芳香族化合物の水素化のための担持Ni触媒との両方の使用について記載されているが、その場合、それらのAl含有量が5.5質量%のAl又はそれ以上ならば、この水素化の間に問題のアルミン酸ニッケルが形成される。
これらのアルミン酸ニッケルは、タコバイト及び/又はタコバイト様化合物の形態であり得、これらのアルミン酸ニッケルの内の全ては、所望のアミンから、更に処理される前に除去される必要がある。これらのアルミン酸ニッケルは、反応器及び周辺機器(例えば、この方法において使用される配管、沈降タンク、濾過機器、ポンプ、その他の機器)の中に固形物を形成する傾向があり、その固形物は、それらの壁に付着して伝熱効率を減少させ、その系内に閉塞を生じさせる可能性がある。
故に、これらのアルミン酸ニッケルの形成は、安全上の危険と生産性の低下との両方を生じさせる。これらのアルミン酸ニッケルの蓄積によって、反応を継続することが困難になり、かかる場合においては、プラントを停止させ、反応器及び周辺機器からこれらの付着物を一掃することが必要になる。
米国特許第6,423,872号はまた、苛性アルカリによる活性化後に活性化Ni触媒に残留する元素の一定のリストに限定されている非常に特定の合金ドーパントの使用と、ニトロ化芳香族化合物の連続的水素化のためのこれらの得られた触媒の使用とについて記載されている。
この特許においては、元素の周期表のIVA、VA、VIA及びVIII族の従来の合金ドーピング元素が具体的に特許請求された。また、チタン鉄やクロム等の更なる合金ドーピング元素も特許請求された。
米国特許第6,423,872号には、ニトロ化芳香族化合物の連続的水素化のための、この水素化の間の望ましくないアルミン酸ニッケルの形成をより低下させることによる、5.5質量%未満のAlを有するNi触媒の使用が記載されている。原則として、触媒中のAlがより少なければ、形成されるアルミン酸ニッケルの量もより少ない。しかしながら、これらの触媒は、更にアルミン酸ニッケルを形成し、ニトロ化芳香族化合物等のニトロ化合物の水素化のために使用される条件下でそれらに存在するAlが更に著しく浸出可能であることから、この技術はその限界を有する。
米国特許第6,423,872号においては、合金のAl含有量を変化させることによって、及び/又は、活性化方法の強度を増加させることによって、5.5質量%未満のAlレベルが維持される。合金中のAl含有量を増加させることによって、Alリッチ相及びより容易に浸出可能な相(例えばNiAl3共晶相やAl共晶相)の量が増加する。これらの相の量を増加させる別の方法は、その製造後か、その製造中のいずれかにおいて、合金に対して適切な熱処理を行うことである。これらの容易に浸出可能な相の量を増加させることはまた、これらの触媒の機械的安定性を低下させる可能性があり、それによって触媒の寿命がより短くなる。
故に、単に前駆体合金中の浸出可能な相の量を増加させることによって触媒のAl含有量を低下させることは、その限界を有する。
触媒中のAl含有量を減少させるための米国特許第6,423,872号に記載の別の方法は、活性化方法の強度を、この方法を促進させる浸出温度、圧力及び他のパラメータを増大させることによって増大させるものである。しかしながら、これによって、触媒のコストが増大するだけでなく、販売に適さず、廃棄する必要があるアルミン酸ナトリウム副生成物も生じる。その上、浸出中に注意しなければ、これらのより苛酷な条件下で新しく形成されるアルミン酸ナトリウムが触媒に再度付着し、その触媒活性表面を閉塞する可能性があり、それによって活性がより低下し、触媒寿命がより短くなる。
米国特許第6,423,872号の方法によって、ある程度浸出可能なAlのレベルが低下する一方で、触媒製造において用いられるほとんどの合金活性化が、ニトロ化芳香族化合物等のニトロ化合物の連続的水素化の条件とは異なる条件下で生じることから、ニトロ化合物の水素に伴う問題が完全に解決されるわけではない。しかるに、米国特許第6,423,872号の商業的に応用可能な方法は、触媒中において、ニトロ化芳香族化合物の水素化の間に浸出され得るかなりの量のAlを更に有する触媒を製造するものである。
故に、本発明の目的は、Alのレベルに関わらず、触媒中に残留するAlの浸出性をできる限り小さく抑えることによって、より低レベルのアルミン酸ニッケルを生成する触媒を製造することにある。
驚くべきことに、この問題は、本発明による活性化Ni触媒によって解決される。
活性化卑金属触媒によるニトロ化合物の水素化中のタコバイトの形成は、Mg、Ca、Ba、Ti、Zr、Ce、Nb、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ir、Ni、Cu、Ag、Au、Bi、Rh及びRuのリストからの1種以上の元素を前駆体合金の活性化中及び/又は活性化後の前記触媒の表面上への吸着によって触媒にドープすることによって、非常に低減することが可能であるか、若しくは除去することすら可能である。活性化後の上述の元素の内の1種以上の吸着は、活性化に続く触媒の洗浄前、洗浄中及び/又は洗浄後を含む。ドーピング元素の吸着は、ドーピング元素の既存の化合物によって、及び/又は、ドープ方法中間にin−situ形成されるドーピング元素の化合物によって生じ得る。ドーピング元素の吸着は、通常液相において生じ、ドーピング元素の化合物は、スラリー相中のドーピング元素の溶解度制御濃度によってドーピング速度を制御することができるように、液体媒質に可溶であり得るか、若しくは液相にわずかに可溶であるだけであり得る。触媒表面上へのドーピング元素の吸着速度を制御する阻害剤(例えばキレート剤)、促進剤(例えば沈殿剤)及びそれらの組み合わせを添加することも可能であった。触媒の過度の酸化及び非活性化を防止することに注意するならば、ドーピング元素を吸着するために気相を使用することも可能であった。そのような場合、蒸発、昇華、触媒表面上へのスパッタリング等の手法を介して促進元素を吸着することは、実際に可能であった。触媒のドープのための吸着方法のこの使用は、吸着方法が、触媒粒子のバルクにおいて触媒の表面上にドーピング元素を、あるとしてもごくわずかなものしか集めないという点で、活性化前の合金へのドーピング元素の添加とは明らかに異なる。これは、驚くべきことに、タコバイトの形成の阻害を促進する。前記触媒上に吸着される上述のリストの好ましいドーピング元素は、Cr、Mo、Fe、Co、Ni、Cu、Ag及びAuである。
本発明の更なる好ましい一実施態様は、活性化前に前駆体合金にTi、Ce、V、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt及びBiのリストからのドーピング元素の内の1種以上を添加した後、前記合金の活性化中及び/又は活性化後にMg、Ca、Ba、Ti、Zr、Ce、V、Nb、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au及びBiのリストからの1種以上のドーピング元素を吸着することである。好ましい本実施態様において、吸着されたドーピング元素は、その活性化に続く触媒の洗浄前、洗浄中及び/又は洗浄後に添加され得る。前記合金におけるドーピングのための好ましい元素は、Ti、Ce、Cr、V、Mo、Fe、Ru、Pd、Pt及びCoのリストからのより多くのものの内の1種であり、吸着を介した続くドーピングのための好ましい元素は、Mg、Cr、V、Mo、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Pd、Pt、Ag及びAuである。前記合金に前記ドーピング元素の内の1種以上を導入した後、前述のリストからの異なる及び/又は同じドーピング元素の内の1種以上を吸着することによって製造された触媒は、タコバイトの形成を非常に低減させ、場合によっては除去すると共に、ニトロ化合物の水素化に好都合であることが判明した。
好適な触媒のドーピングレベルは、各ドーピング元素について0.01質量%〜10質量%の範囲とすることが可能であり、Al含有量は、0.05質量%〜10質量%の範囲である。
最適には、前記触媒は、0.01〜1.9質量%のFeを含有することができる。
最適には、前記触媒は、0.01〜2.4質量%のCrを含有することができる。
最適には、前記触媒は、0.01〜1.9質量%のFeと、0.01〜2.4質量%のCrとを含有することができる。
タコバイトを形成することなくニトロ化合物を水素化するためのとりわけ有用な触媒は、Mg、Ti、Ce、V、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt及びBiのリストからの1種以上の元素と組み合わせてCuを、合金の活性化中及び/又は活性化後にその吸着を介してドープしたNi/Al触媒であることが判明した。本発明のこの部分からの好ましい触媒は、Mg、V、Cr、Mo、Fe、Ru、Co、Pd、Pt、Ag及びAuのリストからの1種以上の元素と共にCuによる吸着を介して触媒をドープすることを含む。また、本発明の別の触媒は、活性化前にTi、Ce、V、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt及びBiのリストからの1種以上の元素をNi/Al合金にドープした後、活性化方法中及び/又は活性化方法後に前記触媒上にCuを吸着することを含む。また、本発明の触媒は、活性化前にTi、Ce、V、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt及びBiのリストからの1種以上の元素をNi/Al合金にドープした後、活性化方法中及び/又は活性化方法後に前記触媒上にMg、Ti、Ce、V、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt及びBiのリストからの1種以上のドーピングと共にCuを吸着することによって作製され得る。
タコバイトを形成することなくニトロ化合物を水素化するためのとりわけ有用な触媒は、前記合金の活性化中及び/又は活性化後に、Mg、Ti、Ce、V、Cr、Cu、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt及びBiのリストからの1種以上の元素と組み合わせてMoを、その吸着を介してドープしたNi/Al触媒であることが判明した。本発明のこの部分からの好ましい触媒は、Mg、V、Cr、Cu、Fe、Ru、Co、Pd、Pt、Ag及びAuのリストからの1種以上の元素と共にMoによる吸着を介した触媒のドーピングを含む。また、本発明の別の触媒は、活性化前にTi、Ce、V、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt及びBiのリストからの1種以上の元素をNi/Al合金にドープした後、活性化方法中及び/又は活性化方法後に前記触媒上にMoを吸着することを含む。また、本発明の触媒は、活性化前にTi、Ce、V、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt及びBiのリストからの1種以上の元素をNi/Al合金にドープした後、活性化方法中及び/又は活性化方法後に触媒上にMg、Ti、Ce、V、Cr、Cu、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt及びBiのリストからの1種以上のドーピングと共にMoを吸着することによって作製され得る。
タコバイトを形成することなくニトロ化合物を水素化するためのとりわけ有用な触媒は、合金の活性化中及び/又は活性化後にMg、Ti、Ce、V、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt及びBiのリストからの1種以上の元素と組み合わせてCrを、その吸着を介してドープしたNi/Al触媒であることが判明した。本発明のこの部分からの好ましい触媒は、Mg、V、Cu、Mo、Fe、Ru、Co、Pd、Pt、Ag及びAuのリストからの1種以上の元素と共にCrの吸着を介した前記触媒のドーピングを含む。また、本発明の別の触媒は、活性化前にTi、Ce、V、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt及びBiのリストからの1種以上の元素をNi/Al合金にドープした後、活性化方法中及び/又は活性化方法後に前記触媒上にCrを吸着することを含む。また、本発明の触媒は、活性化前にTi、Ce、V、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt及びBiのリストからの1種以上の元素をNi/Al合金にドープした後、活性化方法中及び/又は活性化方法後に触媒上にMg、Ti、Ce、V、Cu、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt及びBiのリストからの1種以上のドーピングと共にCrを吸着することによって作製され得る。
粉末状活性化卑金属触媒(ラネー型触媒)は、撹拌槽型反応器によるバッチ方法又は連続方法のいずれかにおいて典型的に使用される。バッチ方法は、非常に柔軟なものであり、正しい条件下にあり、アミンへのニトロ化合物の水素化に非常に経済的である。
別の方法は、蒸気相、液滴相、エアロゾル相又は液相で反応が生じ得たループ型反応器におけるこれらの粉末触媒の使用を含む。ループ型反応器、チューブ型反応器及び撹拌槽型反応器が、この方法のために連続的に使用され得るが、残留量のニトロ化合物とその可能な中間体とを水素化するために第2の水素化反応器(又はより多く)を使用する場合、ニトロ化合物は、完全に、若しくは、場合によってはほとんど完全に直ちに水素化される速度で反応器内に供給される。連続的水素化方法の間、ニトロ化合物が反応器内の反応媒質の全量を維持するために添加されるのと同じ速度で同じ量の所望のアミンが反応系から除去される。ループ型反応器及びチューブ型反応器の場合、この反応を循環モードで行うことが可能であり、ニトロ化合物は循環反応流の一部に導入され、最終生成物混合物は別の部分から取り出される。
この反応は、1種以上の溶媒(例えばメタノールやエタノール等のアルコール類であるが、これらに限定されない)の存在下で起きる可能性があり、或いは、得られたアミンと水との生成物混合物において起きる可能性がある。反応媒質のための生成物混合物の使用の利点は、溶媒を購入する必要がなく、再度使用する前にそれを反応混合物から除去したり、或いは精製したりする必要がないということである。別の選択肢は、所望のアミンのみにおいて反応を行うことと、反応スラリーから水が直ちに留去され、所望のアミンが液体形態のままであるように、十分に高い反応温度を用いることである。これは、とりわけトルエンジアミン等のアミンにとって重要であるが、反応スラリーの液体特性を維持する溶媒の助力なしで反応媒質として使用する場合には溶融状態を維持する必要がある。
一般に、本発明の粉末触媒は、粉末触媒を利用するアミンへのニトロ化合物の水素化に適切ないかなる反応系及びいかなる反応方法においても使用することが可能である。
本発明は、既に記載の通りの前駆体合金の活性化中及び/又は活性化後に触媒の表面上への吸着によってMg、Ca、Ba、Ti、Zr、Ce、Nb、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ir、Ni、Cu、Ag、Au、Bi、Rh及びRuのリストからの1種以上の元素がドープされることを特徴とする活性化Ni触媒によるニトロ化合物の水素化のための方法を含む。前記触媒上に吸着される上述のリストの好ましいドーピング元素は、Cr、Mo、Fe、Co、Ni、Cu、Ag及びAuである。好ましい触媒のドーピングレベルは、各ドーピング元素について0.01質量%〜10質量%の範囲とすることが可能であり、Al含有量は、0.05質量%〜10質量%の範囲である。
本発明の更なる一実施態様は、活性化前に前駆体合金にTi、Ce、V、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt及びBiのリストからの1種以上の元素をドープした後、合金の活性化中及び/又は活性化後にMg、Ca、Ba、Ti、Zr、Ce、V、Nb、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au及びBiのリストからの1種以上のドーピング元素を吸着した活性化Ni触媒によるニトロ化合物の水素化のための方法である。好ましい本実施態様において、吸着されたドーピング元素は、その活性化に続く触媒の洗浄前、洗浄中及び/又は洗浄後に添加され得る。前記合金におけるドーピングのための好ましい元素は、Ti、Ce、Cr、V、Mo、Fe、Ru、Pd、Pt及びCoのリストからのより多くのものの内の1種であり、吸着を介した続くドーピングのための好ましい元素は、Mg、Cr、V、Mo、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Pd、Pt、Ag及びAuである。好ましい触媒のドーピングレベルは、各ドーピング元素について0.01質量%〜10質量%の範囲とすることが可能であり、Al含有量は、0.05質量%〜10質量%の範囲である。
本発明は、既に記載の通りの前駆体合金の活性化中及び/又は活性化後に触媒の表面上への吸着によってMg、Ca、Ba、Ti、Zr、Ce、Nb、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ir、Ni、Cu、Ag、Au、Bi、Rh及びRuのリストからの1種以上の元素がドープされることを特徴とする活性化Ni触媒によるニトロ化芳香族化合物の水素化のための方法を含む。前記触媒上に吸着される上述のリストの好ましいドーピング元素は、Cr、Mo、Fe、Co、Ni、Cu、Ag及びAuである。好ましい触媒のドーピングレベルは、各ドーピング元素について0.01質量%〜10質量%の範囲とすることが可能であり、Al含有量は、0.05質量%〜10質量%の範囲である。
本発明の更なる一実施態様は、活性化前に前駆体合金にTi、Ce、V、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt及びBiのリストからの1種以上の元素をドープした後、合金の活性化中及び/又は活性化後にMg、Ca、Ba、Ti、Zr、Ce、V、Nb、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au及びBiのリストからの1種以上のドーピング元素を吸着した活性化Ni触媒によるニトロ化芳香族化合物の水素化のための方法である。好ましい本実施態様において、吸着されたドーピング元素は、その活性化に続く触媒の洗浄前、洗浄中及び/又は洗浄後に添加され得る。前記合金におけるドーピングのための好ましい元素は、Ti、Ce、Cr、V、Mo、Fe、Ru、Pd、Pt及びCoのリストからのより多くのものの内の1種であり、吸着を介した続くドーピングのための好ましい元素は、Mg、Cr、V、Mo、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Pd、Pt、Ag及びAuである。好ましい触媒のドーピングレベルは、各ドーピング元素について0.01質量%〜10質量%の範囲とすることが可能であり、Al含有量は、0.05質量%〜10質量%の範囲である。
本発明は、既に記載の通りの前駆体合金の活性化中及び/又は活性化後に触媒の表面上への吸着によってMg、Ca、Ba、Ti、Zr、Ce、Nb、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ir、Ni、Cu、Ag、Au、Bi、Rh及びRuのリストからの1種以上の元素がドープされることを特徴とする活性化Ni触媒によるニトロ化芳香族化合物の連続的水素化のための方法を含む。前記触媒上に吸着される上述のリストの好ましいドーピング元素は、Cr、Mo、Fe、Co、Ni、Cu、Ag及びAuである。好ましい触媒のドーピングレベルは、各ドーピング元素について0.01質量%〜10質量%の範囲とすることが可能であり、Al含有量は、0.05質量%〜10質量%の範囲である。
本発明の更なる一実施態様は、活性化前に前駆体合金にTi、Ce、V、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt及びBiのリストからの1種以上の元素をドープした後、合金の活性化中及び/又は活性化後にMg、Ca、Ba、Ti、Zr、Ce、V、Nb、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au及びBiのリストからの1種以上のドーピング元素を吸着した活性化Ni触媒によるニトロ化芳香族化合物の水素化のための連続的方法である。好ましい本実施態様において、吸着されたドーピング元素は、その活性化に続く触媒の洗浄前、洗浄中及び/又は洗浄後に添加され得る。前記合金におけるドーピングのための好ましい元素は、Ti、Ce、Cr、V、Mo、Fe、Ru、Pd、Pt及びCoのリストからのより多くのものの内の1種であり、吸着を介した続くドーピングのための好ましい元素は、Mg、Cr、V、Mo、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Pd、Pt、Ag及びAuである。好ましい触媒のドーピングレベルは、各ドーピング元素について0.01質量%〜10質量%の範囲とすることが可能であり、Al含有量は、0.05質量%〜10質量%の範囲である。
産業界において行われるニトロ化合物の水素化には、多くの種類がある。トルエンジアミン(TDA)へのジニトロトルエン(DNT)の水素化は、より商業的に興味深く、且つ、技術的に困難なものの内の1つである。この水素化は、室温から210℃までの範囲の温度で、大気圧から200バールの範囲の圧力で活性化Ni触媒によって行われる。好ましい反応条件は、50〜180℃且つ3〜80バールの範囲内である。この反応は、過剰な水素中又は化学量論量の水素下で行うことが可能である。
米国特許第6,423,872号において、DNTの連続的水素化の反応条件は、0.7グラムの活性化Ni触媒による150℃で20バールの水素、及びこの水素化の間にDNTのレベルが1000ppm未満に維持されたDNTフィードである。米国特許第3,935,264号において、DNTの水素化は、活性化Ni触媒上で、28.5バール水素の圧力及び120℃で、溶媒としてメタノールによって行われた。
最近、米国特許第6,005,143号においては、16バール水素及び135〜155℃の範囲の温度でメタノールの存在下でモノリスに支持されたNi/Pd触媒上でのTDAへのDNTの水素化について、充分な結果が達成され得ることが判明した。
典型的な固定床水素化方法には、そのスラリー相対応物よりも高い水素圧力が必要であり、このことは、ここで行われる反応にも約16バールの圧力が適切であることを示している。操作のバッチモード及び漸増フィードモードの両方において、ジニトロトルエン(DNT)の水素化のために、130℃及び160psig(12バール)でラネー型Ni触媒を使用することが成功したことから、米国特許第4224249もまた、このことが当てはまることを示した。操作の漸増フィードモードは、工業規模で連続的にDNTを水素化する条件をシミュレートするために用いた。
ニトロ化合物の水素化は、蒸気相、スラリー相、液滴相、エアロゾル相及び/又は液相において生じ得る。反応は、バッチ方法として行うことができるか、若しくは連続方法として行うことができた。連続方法は、循環方法の1種を含んでよいが、これに限定されるものではない。本発明はまた、ニトロ化合物が水素化の速度と同じか若しくはそれより遅い速度で添加される連続方法を含み、その結果、ニトロ化合物の濃度は、非常に低いレベルに維持される。ニトロ化合物のフィード速度は非常に低くし得るので、ニトロ化合物のレベルは1000ppm以下である。本発明はまた、第1の水素化反応器における水素化から残留している任意のニトロ化合物及び/又は中間体を水素化するために第2の水素化反応器(又はより多く)を利用する連続方法における本発明の既に言及された触媒の使用を含む。
本発明のニトロ化合物の水素化は、純粋なニトロ化合物の存在下、高濃度の反応物、非常に低い濃度の反応物、及び/又は溶媒と同様の作用をする生成物混合物の存在下で生じる可能性がある。この水素化は、反応中に充分な方法(例えば蒸留)で水が除去される場合、実際に所望のアミンのみの存在下でも生じ得る。本発明のニトロ化合物の水素化は、溶媒の存在下で生じ得る。反応器の種類は、撹拌槽型反応器、連続槽型反応器、ループ型反応器又はチューブ型反応器とすることができたが、これらに限定されるものではない。このニトロ化合物の水素化は、大気圧〜200バールの水素で生じる可能性があり、温度は、−10℃〜210℃の範囲であり得る。
本発明は、ニトロ化芳香族化合物の水素化を包含し、これは、上述した触媒上でバッチ方法又は連続方法のいずれかとして生じ得る。本発明はまた、上記した触媒によるバッチ方法又は連続方法としてのTDAへのDNTの水素化を含む。
また、本発明は、以下の性質を有する触媒を含む。
合金の活性化中及び/又は活性化後にその吸着を介してMg、Ti、Ce、V、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt、Bi、Ag及びAuのリストからの1種以上の元素と組み合わせて活性化中及び/又は活性化後に触媒の表面上への吸着を介してCuをドープした活性化Ni/Al触媒。本発明のこの部分からの好ましい触媒は、Mg、V、Cr、Mo、Fe、Co、Pd、Pt及びAuのリストからの1種以上の元素と共にCuによる吸着を介した触媒のドーピングを含む。また、本発明の別の触媒は、活性化前にMg、Ti、Ce、V、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt及びBiのリストからの1種以上の元素をNi/Al合金にドープした後、活性化方法中及び/又は活性化方法後に触媒上にCuを吸着することを含む。また、本発明の触媒は、活性化前にMg、Ti、Ce、V、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt及びBiのリストからの1種以上の元素をNi/Al合金にドープした後、活性化方法中及び/又は活性化方法後に触媒上にMg、Ti、Ce、V、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt、Bi、Ag及びAuのリストからの1種以上のドーピングと共にCuを吸着することによって作製され得る。
合金の活性化中及び/又は活性化後にMg、Ti、Ce、V、Cr、Cu、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt、Bi、Ag及びAuのリストからの1種以上の元素と組み合わせて、その吸着を介してMoをドープした活性化Ni/Al触媒。本発明のこの部分からの好ましい触媒は、Mg、V、Cr、Cu、Fe、Pd、Pt及びAuのリストからの1種以上の元素と共にMoによる吸着を介した触媒のドーピングを含む。また、本発明の別の触媒は、活性化前にMg、Ti、Ce、V、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt及びBiのリストからの1種以上の元素をNi/Al合金にドープした後、活性化方法中及び/又は活性化方法後に触媒上にMoを吸着することを含む。また、本発明の触媒は、活性化前にMg、Ti、Ce、V、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt及びBiのリストからの1種以上の元素をNi/Al合金にドープした後、活性化方法中及び/又は活性化方法後に触媒上にMg、Ti、Ce、V、Cr、Cu、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt、Bi、Ag及びAuのリストからの1種以上のドーピングと共にMoを吸着することによって作製され得る。
合金の活性化中及び/又は活性化後にMg、Ti、Ce、V、Cu、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt、Bi、Ag及びAuのリストからの1種以上の元素と組み合わせて、その吸着を介してCrをドープした活性化Ni/Al触媒。本発明のこの部分からの好ましい触媒は、Mg、V、Cu、Mo、Fe、Co、Pd、Pt及びAuのリストからの1種以上の元素と共にCrによる吸着を介した触媒のドーピングを含む。また、本発明の別の触媒は、活性化前にMg、Ti、Ce、V、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt及びBiのリストからの1種以上の元素をNi/Al合金にドープした後、活性化方法中及び/又は活性化方法後に触媒上にCrを吸着することを含む。また、本発明の触媒は、活性化前にMg、Ti、Ce、V、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt及びBiのリストからの1種以上の元素をNi/Al合金にドープした後、活性化方法中及び/又は活性化方法後に触媒上にMg、Ti、Ce、V、Cu、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、Pt、Bi、Ag及びAuのリストからの1種以上のドーピングと共にCrを吸着することによって作製され得る。
図1は、E1、CE2、CE3、E1及びE2についてのDNTパルス水素化データを示すグラフである。 図2は、CE1、CE2、CE3、E3、E4、E5、E6及びE7についてのDNTパルス水素化データを示すグラフである。
適用例1
トルエンジアミン(TDA)へのジニトロトルエン(DNT)のパルス水素化
典型的には、工業的な設定で、連続モードを介してDNTを水素化し、ここでDNTフィード速度は、触媒が汚染されたり安全上の危険が生じたりしないように、その濃度を十分低く維持するのに十分遅いものである。これは、水素化の速度がDNTフィード速度に依存することを意味する。このパルス水素化方法の目的は、触媒の活性を測定すると共に、DNT濃度を、工業的な設定と同等となるように十分に低く維持することである。これは、DNTのわずかな過剰の時間を最低限に維持すると共に、触媒活性を測定することができるように、水素化の速度よりわずかに速い速度でDNTフィードにおけるパルスさせることによって行うことが可能であった。それはまた、米国特許第4224249号、米国特許第6423872号及び米国特許第6005143号に記載されるものと同様の反応圧力条件及び反応温度条件を用いるために決定した。
500mLのオートクレーブ内に150又は300ミリグラムの触媒と、101グラムのTDAと、59グラムの水と(反応のTDA:水の化学量論的比)を仕込むことによってパルス水素化方法を開始した。次いでオートクレーブを閉じ、窒素で3回パージし、水素で3回パージし、反応器を300rpmで撹拌して5バールの水素下で維持しながら20分間に亘って140℃の反応温度に加熱した。オートクレーブが140℃に達した際、水素圧力を15バールの水素に調整し、撹拌速度を1700rpmに上昇させた。次いで、HPLCポンプにより30秒間に亘って反応器内に4ミリリットルの溶解DNTをパルスさせることによって反応を開始させた。溶解DNTを維持するために、HPLCポンプヘッド、DNTリザーバ、DNTの輸送のために使用した全てのステンレス管を95℃に維持した。Buechi水素圧力流量制御装置(bpc9901)を使用して水素消費をモニタし、反応が水素の消費を停止した際、別のパルスのDNTを同じフィード速度で導入した。最高45回のパルスが導入されるまで、この手順を継続した。これらの水素化のデータは、第1グラフ及び第2グラフと、第3〜13データ表とに示され得る。
適用例2
アニリンへのニトロベンゼンのバッチ式水素化
25℃及び大気圧で、110mLの9.1質量%ニトロベンゼンエタノール溶液において、1.5グラムの触媒上で、ニトロベンゼンの低圧水素化を行った。これらの水素化のために、2000rpmで回転するバブリング撹拌機を備えたバッフルガラス反応器を使用した。これらの水素化の結果を、第1表に示す。
第1表:バッチ式ニトロベンゼン水素化データ
Figure 0005449140
適用例3
アルミン酸ニッケル(例えばタコバイト)を形成する触媒の能力の決定
米国特許第6,423,872号には、アルミン酸ニッケル(例えばタコバイト)を形成する触媒の能力の決定する方法が記載されている。この方法は、1ヵ月間、150℃の温度でTDAと共に触媒を置くことを含む。次いでチューブを開き、X線回折で触媒を調べた。触媒上に堆積した化合物はタコバイトであることが分かり、X線回折によって、その構造物は、工業的DNT水素化反応器及びその周辺機器の壁において観察される付着物と同じであることが示された。
ここでの検査のために同様の試験を行った。
タコバイトを形成する触媒の能力を決定するために、63質量%のTDAと37質量%の水との3.5グラムの混合液と共に0.2グラムの触媒を、150℃で3週間、シールドチューブ内に仕込んだ。3週間後、触媒を除去し、X線回折によってタコバイト残渣を分析した。次いで、タコバイトのピーク高さを、12°、24°、35°、40°及び47°の2θ位置で測定した。52°の2θ位置のニッケルのピーク高さも測定し、ニッケルのピーク高さに対する個別のタコバイトピーク高さの比を用いて相互に異なる触媒を比較した。これらの度の2θ位置についての相対比は、異なる触媒について十分に一貫性があったので、この決定のために52°の2θのニッケルのピーク高さに対する12°、24°、35°、40°及び47°の2θ位置についてのタコバイトのピーク高さの合計の比を用いることを考えることが可能であった。
これらの実験のデータを第2表に示すが、より高いタコバイト形成を伴う触媒は、Niに対するタコバイトのピーク高さの比がより高い。同じAl含有量の触媒を相互に比較することによって、本特許の実施態様が、タコバイト形成のより低いレベルにつながることを示すことができる。比較例1(CEl)のみ固い種類のタコバイトが形成され、本明細書に記載の他の実施例においては、少しでもタコバイトが形成された場合、ここでは柔らかいタコバイトのみを形成した。
第2表:使用した活性化ニッケル触媒上のタコバイト付着物のX線回折データ
Figure 0005449140
比較例1
100〜110℃の間で20質量%のNaOH水性懸濁液中でNiと、Alと、Crと、Feとを含有する合金を活性化し、それにより35μmの平均粒径値を有する8.8質量%のAlと、2.5質量%のCrと、2質量%のFeとを含有する活性化Ni触媒を得て、適用例3に記載の通りのタコバイトの形成について試験を行った。52°の2θでのニッケルのX線回折ピーク高さに対する12°、24°、35°、40°及び47°の2θでのタコバイトのX線回折ピーク高さの合計の比は、50.2であることが分かった。第2表に、12°、24°、35°、40°及び47°の2θでのニッケルに対するタコバイトのX線ピークの個別の比が示され得る。適用例2に記載の通り、この触媒を、アニリンへのニトロベンゼンのバッチ式水素化のために使用した。この触媒のニトロベンゼン水素化活性は61mL(H2)/分/グラム(触媒)であることが分かり、更なる情報は第1表に示され得る。適用例1に記載のように、150ミリグラムのこの触媒を、トルエンジアミンへのジニトロトルエンのパルス水素化のために使用した。この反応の選択性は、90%トルエンジアミンより大きく、第3表及び第1グラフにおいて、活性データポイントを以下に示す。
第3表:比較例1についてのジニトロトルエンの水素化データ
Figure 0005449140
比較例2
100〜110℃の間で20質量%のNaOH水性懸濁液中でNiと、Alと、Feとを含有する合金を活性化し、それにより28μmの平均粒径値を有する4質量%のAlと、0.2質量%のFeとを含有する活性化Ni触媒を得て、適用例3に記載の通りのタコバイトの形成について試験を行った。52°の2θでのニッケルのX線回折ピーク高さに対する12°、24°、35°、40°及び47°の2θでのタコバイトのX線回折ピーク高さの合計の比は、4.7であることが分かった。第2表に、12°、24°、35°、40°及び47°の2θでのニッケルに対するタコバイトのX線ピークの個別の比が示され得る。適用例2に記載の通り、この触媒を、アニリンへのニトロベンゼンのバッチ式水素化のために使用した。この触媒のニトロベンゼン水素化活性は49mL(H2)/分/グラム(触媒)であることが分かり、更なる情報は第1表に示され得る。適用例1に記載のように、150ミリグラムのこの触媒を、トルエンジアミンへのジニトロトルエンのパルス水素化のために使用した。この反応の選択性は、99%トルエンジアミンより大きく、第4表及び第1グラフにおいて、活性データポイントを以下に示す。
第4表:比較例2についてのジニトロトルエンの水素化データ
Figure 0005449140
比較例3
100〜110℃の間で20質量%のNaOH水性懸濁液中でNiと、Alと、Crと、Feとを含有する合金を活性化し、それにより29μmのAPS値を有する6.3質量%のAlと、1.9質量%のCrと、0.8質量%のFeとを含有する活性化Ni触媒を得て、適用例3に記載の通りのタコバイトの形成について試験を行った。52°の2θでのニッケルのX線回折ピーク高さに対する12°、24°、35°、40°及び47°の2θでのタコバイトのX線回折ピーク高さの合計の比は、20.9であることが分かった。第2表に、12°、24°、35°、40°及び47°の2θでのニッケルに対するタコバイトのX線ピークの個別の比が示され得る。適用例1に記載のように、150ミリグラムのこの触媒を、トルエンジアミンへのジニトロトルエンのパルス水素化のために使用した。この反応の選択性は、99%トルエンジアミンより大きく、第5表及び第1グラフにおいて、活性データポイントを以下に示す。
第5表:比較例3についてのジニトロトルエンの水素化データ。
Figure 0005449140
実施例1
100〜110℃の間で20質量%のNaOH水性懸濁液中でNiと、Alと、Feとを含有する合金を活性化し、それにより3.43質量%のAlと、0.2質量%のFeとを含有する活性化Ni触媒を得て、0.5質量%のCrの最終的なCr含有量にCrO3の水溶液をドープした。この触媒は、29μmのAPS値を有し、適用例3に記載の通りのタコバイトの形成について試験を行った。52°の2θでのニッケルのX線回折ピーク高さに対する12°、24°、35°、40°及び47°の2θでのタコバイトのX線回折ピーク高さの合計の比は、2.6であることが分かった。第2表に、12°、24°、35°、40°及び47°の2θでのニッケルに対するタコバイトのX線ピークの個別の比が示され得る。適用例1に記載のように、150ミリグラムのこの触媒を、トルエンジアミンへのジニトロトルエンのパルス水素化のために使用した。この反応の選択性は、99.5%トルエンジアミンより大きく、第6表及び第1グラフにおいて、活性データポイントを以下に示す。この触媒の初期活性はCE3よりも低かったが、この触媒はCE3より非活性化の速度が非常に低く、反応の間、CE3よりも活性が大きくなり、より大きな活性が維持された。反応が進行するにつれて、触媒の非活性化の速度は、ゼロに非常に近くなった。故に、この触媒は、CE3よりもかなり良好である。
第6表:実施例1についてのジニトロトルエンの水素化データ
Figure 0005449140
実施例2
100〜110℃の間で20質量%のNaOH水性懸濁液中でNiと、Alと、Feとを含有する合金を活性化し、それにより3.46質量%のAlと、0.2質量%のFeとを含有する活性化Ni触媒を得て、0.1質量%のCuの最終的なCu含有量にCuSO4の水溶液をドープした。この触媒は、29μmのAPS値を有し、適用例3に記載の通りのタコバイトの形成について試験を行った。52°の2θでのニッケルのX線回折ピーク高さに対する12°、24°、35°、40°及び47°の2θでのタコバイトのX線回折ピーク高さの合計の比は、0.0であることが分かった。第2表に、12°、24°、35°、40°及び47°の2θでのニッケルに対するタコバイトのX線ピークの個別の比が示され得る。適用例1に記載のように、150ミリグラムのこの触媒を、トルエンジアミンへのジニトロトルエンのパルス水素化のために使用した。この反応の選択性は、99.5%トルエンジアミンより大きく、第7表及び第1グラフにおいて、活性データポイントを以下に示す。この触媒の初期活性はCE3よりも低かったが、この触媒はCE3より非活性化の速度が非常に低く、反応の間、CE3よりも活性が大きくなり、より大きな活性が維持された。反応が進行するにつれて、触媒の非活性化の速度は、ゼロに非常に近くなった。故に、この触媒は、CE3よりもかなり良好である。CE3とは異なり、この触媒はタコバイトを形成せず、そしてこれは、ニトロ化合物の水素化のためのこの触媒の使用の更なる改善につながることになる。
第7表:実施例2についてのジニトロトルエンの水素化データ
Figure 0005449140
実施例3
100〜110℃の間で20質量%のNaOH水性懸濁液中でNiと、Alと、Feとを含有する合金を活性化し、それにより3.87質量%のAlと、0.22質量%のFeとを含有する活性化Ni触媒を得て、0.11質量%のMoの最終的なMo含有量にモリブデン酸アンモニウム塩の水溶液をドープした。この触媒は、17μmのAPS値を有し、適用例3に記載の通りのタコバイトの形成について試験を行った。52°の2θでのニッケルのX線回折ピーク高さに対する12°、24°、35°、40°及び47°の2θでのタコバイトのX線回折ピーク高さの合計の比は、2.5であることが分かった。第2表に、12°、24°、35°、40°及び47°の2θでのニッケルに対するタコバイトのX線ピークの個別の比が示され得る。適用例1に記載のように、300ミリグラムのこの触媒を、トルエンジアミンへのジニトロトルエンのパルス水素化のために使用した。この反応の選択性は、99.5%トルエンジアミンより大きく、第8表及び第2グラフにおいて、活性データポイントを以下に示す。
第8表:実施例3についてのジニトロトルエンの水素化データ
Figure 0005449140
実施例4
100〜110℃の間で20質量%のNaOH水性懸濁液中でNiと、Alと、Feとを含有する合金を活性化し、それにより3.81質量%のAlと、0.21質量%のFeとを含有する活性化Ni触媒を得て、0.09質量%のCuの最終的なCu含有量にCuSO4の水溶液をドープした。この触媒は、20μmのAPS値を有し、適用例3に記載の通りのタコバイトの形成について試験を行った。52°の2θでのニッケルのX線回折ピーク高さに対する12°、24°、35°、40°及び47°の2θでのタコバイトのX線回折ピーク高さの合計の比は、0.0であることが分かった。第2表に、12°、24°、35°、40°及び47°の2θでのニッケルに対するタコバイトのX線ピークの個別の比が示され得る。適用例1に記載のように、300ミリグラムのこの触媒を、トルエンジアミンへのジニトロトルエンのパルス水素化のために使用した。この反応の選択性は、99.5%トルエンジアミンより大きく、第9表及び第2グラフにおいて、活性データポイントを以下に示す。
第9表:実施例4についてのジニトロトルエンの水素化データ。
Figure 0005449140
実施例5
100〜110℃の間で20質量%のNaOH水性懸濁液中でNiと、Alと、Crと、Feとを含有する合金を活性化し、それにより4.07質量%のAlと、0.73質量%のCrと、0.28質量%のFeとを含有する活性化Ni触媒を得て、0.1質量%のMoの最終的なMo含有量にモリブデン酸アンモニウム塩の水溶液をドープした。この触媒は、23μmのAPS値を有し、適用例3に記載の通りのタコバイトの形成について試験を行った。52°の2θでのニッケルのX線回折ピーク高さに対する12°、24°、35°、40°及び47°の2θでのタコバイトのX線回折ピーク高さの合計の比は、5.0であることが分かった。第2表に、12°、24°、35°、40°及び47°の2θでのニッケルに対するタコバイトのX線ピークの個別の比が示され得る。適用例1に記載のように、300ミリグラムのこの触媒を、トルエンジアミンへのジニトロトルエンのパルス水素化のために使用した。この反応の選択性は、99.5%トルエンジアミンより大きく、第10表及び第2グラフにおいて、活性データポイントを以下に示す。
第10表:実施例5についてのジニトロトルエンの水素化データ
Figure 0005449140
実施例6
100〜110℃の間で20質量%のNaOH水性懸濁液中でNiと、Alと、Crと、Feとを含有する合金を活性化し、それにより4.1質量%のAlと、0.72質量%のCrと、0.28質量%のFeとを含有する活性化Ni触媒を得て、0.11質量%のCuの最終的なCu含有量にCuSO4の水溶液をドープした。この触媒は、23μmのAPS値を有し、適用例3に記載の通りのタコバイトの形成について試験を行った。52°の2θでのニッケルのX線回折ピーク高さに対する12°、24°、35°、40°及び47°の2θでのタコバイトのX線回折ピーク高さの合計の比は、4.2であることが分かった。第2表に、12°、24°、35°、40°及び47°の2θでのニッケルに対するタコバイトのX線ピークの個別の比が示され得る。150ミリグラムの触媒の代わりに300ミリグラムを使用したこと以外は、適用例1に記載のように、300ミリグラムのこの触媒を、トルエンジアミンへのジニトロトルエンのパルス水素化のために使用した。この反応の選択性は、99.5%トルエンジアミンより大きく、第11表及び第2グラフにおいて、活性データポイントを以下に示す。
第11表:実施例6についてのジニトロトルエンの水素化データ
Figure 0005449140
実施例7
100〜110℃の間で20質量%のNaOH水性懸濁液中でNiと、Alと、Crと、Feとを含有する合金を活性化し、それにより4.53質量%のAlと、1.51質量%のCrと、0.29質量%のFeとを含有する活性化Ni触媒を得て、0.13質量%のMoの最終的なMo含有量にモリブデン酸アンモニウム塩の水溶液をドープした。この触媒は、23μmのAPS値を有した。適用例2に記載のように、この触媒を、アニリンへのニトロベンゼンのバッチ式水素化のために使用した。この触媒のニトロベンゼン水素化活性は80mL(H2)/分/グラム(触媒)であることが分かった(第1表参照)。適用例1に記載のように、300ミリグラムのこの触媒を、トルエンジアミンへのジニトロトルエンのパルス水素化のために使用した。この反応の選択性は、99.5%トルエンジアミンより大きく、第12表及び第2グラフにおいて、活性データポイントを以下に示す。
第12表:実施例7についてのジニトロトルエンの水素化データ
Figure 0005449140
実施例8
100〜110℃の間でCr微粉末の存在下で20質量%のNaOH水性懸濁液中でNiと、Alと、Feとを含有する合金を活性化し、それにより3.92質量%のAlと、0.42質量%のCrと、0.22質量%のFeとを含有する活性化Ni触媒を得た。この触媒は、20μmのAPS値を有し、適用例3に記載の通りのタコバイトの形成について試験を行った。52°の2θでのニッケルのX線回折ピーク高さに対する12°、24°、35°、40°及び47°の2θでのタコバイトのX線回折ピーク高さの合計の比は、0.0であることが分かった。第2表に、12°、24°、35°、40°及び47°の2θでのニッケルに対するタコバイトのX線ピークの個別の比が示され得る。
上記の実施例に示された結果は、本発明が、前記目的を実施し、且つ、記載された目的及び利点並びにそれらに固有なものを達成するために良好に応用されることを明確に示す。触媒のAl含有量を増加させることによって、その活性は高まるが、一方でジニトロトルエン等のニトロ化合物の水素化の間に作製されたタコバイトの量も増加し得る。故に、従来、より高い活性とタコバイトの存在の増加、又は、より少ない触媒活性(より少ないAl含有量による)とより少ないタコバイトの間で選択する必要があった。本特許の本発明による触媒中のAlを安定化させることにより、ニトロ化合物の水素化の実施者は、高い活性とより少ないタコバイトとの両方を得ることができるようになる。適用例3においては、タコバイトを形成する触媒の能力を決定する方法について記載されており、Niの52°の2θでのピーク高さに対するタコバイトの2θでのピーク高さの合計の比は、XRDにより測定されたNi量に対してこの測定値を正規化しており、この値は、ここではタコバイト性向と呼ばれる。異なる含有量のAlを含有する触媒のタコバイト性向を比較するためには、次いでタコバイト性向をAlの質量%で割って、タコバイトを形成するためのトルエンジアミン(TDA)等のアミノ化合物で浸出可能な触媒中のAlの相対量を決定する必要がある。別の一局面は、前記触媒の活性である。前記触媒が非常に活性である場合、同じ量の所望のアミンを形成するために必要なこの触媒は、より少なくなる。故に、タコバイト性向の最も重要な局面は、触媒活性及びAlの質量%に対する形成タコバイトの相対量である。ここで測定されたジニトロトルエンの水素化の実験値が、触媒1グラム当たりの作製されたトルエンジアミンの少なくとも約350グラムとなることから、この触媒についての標準的比較として触媒1グラム当たり最高350グラムのトルエンジアミンの平均活性が得られ、これは、活性及びAl含有量に対する形成タコバイトの相対量と共に第13表に示される。そのデータから、驚くべきことに、ドーピング方法及びドーピング元素の適切な選択は、高い活性を有し、且つ、活性及びAl含有量に対するタコバイトの形成量が低い触媒につながる可能性があることが示され得る。
第13表:Al含有量及びパルスジニトロトルエン水素化活性に対するタコバイト形成の比較
Figure 0005449140
当業者によって改変がなされ得るが、かかる改変は、本開示及び特許請求の範囲により定められる通りの本発明の趣旨の範囲内に包含される。

Claims (4)

  1. 活性化前に前駆体合金にFe又はCrとFeとの組み合わせを添加し、引き続いて活性化工程中および/または活性化工程後に、触媒の表面に、Cr、Mo及びCuのリストからの1種以上のドーピング元素を吸着することによってドープされた活性化されたNi/Al触媒による、ニトロ化合物の水素化法であって、各ドーピング元素の量が0.01質量%〜10質量%の範囲であり、かつ、Al含有量が0.05質量%〜10質量%である、前記水素化法。
  2. 活性化前に前駆体合金にFe又はCrとFeとの組み合わせを添加し、引き続いて活性化工程中および/または活性化工程後に、触媒の表面に、Cr、Mo及びCuのリストからの1種以上のドーピング元素を吸着することによってドープされた活性化されたNi/Al触媒による、ニトロ芳香族化合物の水素化法であって、各ドーピング元素の量が0.01質量%〜10質量%の範囲であり、かつ、Al含有量が0.05質量%〜10質量%である、前記水素化法。
  3. 活性化前に前駆体合金にFe又はCrとFeとの組み合わせを添加し、引き続いて活性化工程中および/または活性化工程後に、触媒の表面に、Cr、Mo及びCuのリストからの1種以上のドーピング元素を吸着することによってドープされた活性化されたNi/Al触媒による、ニトロ芳香族化合物の連続的水素化法であって、各ドーピング元素の量が0.01質量%〜10質量%の範囲であり、かつ、Al含有量が0.05質量%〜10質量%である、前記水素化法。
  4. 活性化前にNi/Al合金にFe又はCrとFeとの組み合わせを添加し、引き続いて活性化工程中および/または活性化工程後に、触媒の表面に、Cr、Mo及びCuのリストからの1種以上のドーピング元素を吸着することによってドープされた活性化されたNi/Al触媒であって、各ドーピング元素の量が0.01質量%〜5質量%の範囲であり、かつ、Al含有量が0.05質量%〜10質量%である、ニトロ化合物の水素化のための活性化されたNi/Al触媒。
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