JP5448921B2 - ヒューズ装置 - Google Patents

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本発明は、所定条件に達した場合に回路を遮断するために用いられるヒューズ装置に関するものである。
ヒューズ装置としては、例えば、電流ヒューズ装置および発熱抵抗体付き温度ヒューズモジュールがあり、これら電流ヒューズ装置および発熱抵抗体付き温度ヒューズモジュールは、各々、実装基板に接合されている。
特開2001−15000号公報
例えば、携帯型機器などにおいては、電流ヒューズ装置および発熱抵抗体付き温度ヒューズモジュールを含むヒューズユニットをさらに小型化させることが求められている。すなわち、近年の機器開発においては、電流ヒューズ機能および発熱抵抗体付き温度ヒューズ機能を一体的に有するとともに、小型化を図ることが求められている。
本発明の一つの態様によれば、ヒューズ装置は、セラミック構造体と、電流ヒューズ素子用パターンと、温度ヒューズ素子と、発熱抵抗体用パターンとを含んでいる。セラミック構造体は、下層と介在層と上層とを含んでいる。介在層は、下層の上に設けられているとともに、上下方向に設けられた貫通孔を有している。上層は、介在層の上に設けられている。貫通孔が、下層および上層によって塞がれている。電流ヒューズ素子用パターンは、下層の上面における貫通孔に対応する領域に設けられているとともに、焼成によって下層と一体的に形成されている。温度ヒューズ素子は、上層の上面に設けられている。発熱抵抗体用パターンは、上層の下面または内部における貫通孔に対応する領域に設けられているとともに、焼成によって上層と一体的に形成されている。
本発明の他の態様によれば、ヒューズ装置は、下部セラミック構造体と、上部セラミック構造体と、電流ヒューズ素子と、温度ヒューズ素子と、発熱抵抗体用パターンとを含んでいる。上部セラミック構造体は、下部セラミック構造体との間に中空部を挟むように、下部セラミック構造体に接合されている。電流ヒューズ素子は、中空部に設けられている。温度ヒューズ素子は、上部セラミック構造体の上面に設けられている。発熱抵抗体用パターンは、上部セラミック構造体の下面または内部に設けられているとともに、焼成によって上部セラミック構造体と一体的に形成されている。
本発明の一つの態様によれば、ヒューズ装置は、焼成によって下部セラミック構造体と一体的に形成された電流ヒューズ素子用パターンと、焼成によって上部セラミック構造体と一体的に形成された発熱抵抗体用パターンとを含んでいることにより、電流ヒューズ機能および発熱抵抗体付き温度ヒューズ機能を一体的に有するとともに、小型化を図ることができる。
本発明の他の態様によれば、ヒューズ装置は、中空部に設けられた電流ヒューズ素子と
、焼成によって上部セラミック構造体と一体的に形成された発熱抵抗体用パターンとを含んでいることにより、電流ヒューズ機能および発熱抵抗体付き温度ヒューズ機能を一体的に有するとともに、小型化を図ることができる。
本発明の第1の実施形態におけるヒューズ装置の分解斜視図を示している。 図1に示されたヒューズ装置の縦断面図を示している。 第1の実施形態のヒューズ装置における温度ヒューズ素子3の他の実装構造を示している。 第1の実施形態のヒューズ装置における発熱抵抗体用パターン4の他の例を示している。 ヒューズ装置の上面における構造および下面における構造を示している。 図5に示されたヒューズ装置の回路図を示している。 本発明の第2の実施形態におけるヒューズ装置の分解斜視図を示している。 図7に示されたヒューズ装置の縦断面図を示している。 本発明の第3の実施形態におけるヒューズ装置の縦断面図を示している。 本発明の第3の実施形態におけるヒューズ装置の分解斜視図を示している。 図10に示されたヒューズ装置の縦断面図を示している。 第3の実施形態のヒューズ装置における発熱抵抗体用パターン4の他の例を示している。 第3の実施形態のヒューズ装置におけるセラミック構造体6の他の構造例を示している。 第3の実施形態のヒューズ装置におけるセラミック構造体6の他の構造例を示している。
以下、本発明のいくつかの例示的な実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1および図2を参照して、本発明の第1の実施形態におけるヒューズ装置について説明する。ヒューズ装置は、セラミック構造体1と、電流ヒューズ素子用パターン2と、温度ヒューズ素子3と、発熱抵抗体用パターン4と、フラックス部材5とを含んでいる。図1において、フラックス部材5は、温度ヒューズ素子3の実装構造を示すことを目的として、省略されている。電流ヒューズ素子用パターン2、温度ヒューズ素子3および発熱抵抗体用パターン4は、セラミック構造体1に設けられている。フラックス部材5は、セラミック構造体1の上面に設けられている。図1において、ヒューズ装置は、仮想のxyz空間におけるxy平面に実装されている。本実施形態におけるヒューズ装置は、表面実装型の装置である。図1において、上方向とは、仮想のz軸の正方向のことをいう。
セラミック構造体1は、下層11と、下層11の上に設けられた介在層12と、介在層12の上に設けられた上層13とを含んでいるとともに、焼成によって一体的に形成されている。
介在層12は、上下方向に設けられた貫通孔121を有している。図1において、上下方向とは、仮想のz軸方向のことをいう。貫通孔121は、下層11および上層13によって塞がれている。介在層12の貫通孔121は、セラミック構造体1の中空部14に相当する。中空部14は、減圧空間であることが好ましい。
電流ヒューズ素子用パターン2は、下層11の上面における貫通孔121に対応する領
域111に設けられているとともに、焼成によって下層11と一体的に形成されている。“電流ヒューズ素子用パターン”とは、定格電流以上の電流が流れた場合に、ジュール熱によって溶断されるパターンのことをいう。電流ヒューズ素子用パターン2は、メタライズパターンである。図1において、貫通孔121に対応する領域111とは、二点鎖線によって囲まれた領域のことであり、中空部14に露出されている領域のことである。
温度ヒューズ素子3は、上層13の上面に設けられている。“温度ヒューズ素子”とは、発熱体などによって与えられる熱によって設定温度以上に達した場合に溶断する素子のことをいう。温度ヒューズ素子3の実装構造の他の例としては、図3に示されているものがある。セラミック構造体1の上層13は、凹部132を含む上面を有しており、温度ヒューズ素子3が、凹部132の内部に設けられている。図3において、フラックス部材5は、温度ヒューズ素子3の実装構造を示すことを目的に、省略されている。
再び図1および図2を参照して、発熱抵抗体用パターン4は、上層13において貫通孔121に対応する領域131に設けられているとともに、焼成によって上層13と一体的に形成されている。発熱抵抗体用パターン4は、メタライズパターンである。図1において、貫通孔121に対応する領域131とは、二点鎖線によって囲まれた領域のことであり、中空部14に露出されている領域のことである。発熱抵抗体用パターン4は、温度ヒューズ素子3の直下に設けられている。温度ヒューズ素子3および発熱抵抗体用パターン4によって、発熱抵抗体付き温度ヒューズが構成されている。
発熱抵抗体用パターン4の他の例としては、図4に示されているように、上層13の内部に埋設されているとともに、温度ヒューズ素子3の直下に位置しているものがある。発熱抵抗体用パターン4は、中空部の直上に位置しており、焼成によって上層13と一体的に形成されている。
図5の上段に示されているように、ヒューズ装置は、セラミック構造体1の上面に設けられた端子31および32を有している。端子31および32は、焼成によって上層13と一体的に形成されている。図5において、フラックス部材5は、温度ヒューズ素子3を示すことを目的に、透視した状態で示されている。
図5の下段に示されているように、ヒューズ装置は、セラミック構造体1の下面に設けられた端子21、22、41および42を有している。端子21、22、41および42は、焼成によって下層11と一体的に形成されている。
図6に示されているように、端子31および32は、温度ヒューズ素子3に電気的に接続されている。端子21および22は、電流ヒューズ素子用パターン2に電気的に接続されており、端子41および42は、発熱抵抗体用パターン4に電気的に接続されている。温度ヒューズ素子3および発熱抵抗体用パターン4によって、発熱抵抗体付き温度ヒューズ8が構成されている。
本実施形態のヒューズ装置において、電流ヒューズ素子用パターン2と発熱抵抗体用パターン4とがセラミック構造体1と一体的に形成されていることにより、本実施形態におけるヒューズ装置は、電流ヒューズ機能と発熱抵抗体付き温度ヒューズ機能とを一体的に有することができるとともに、小型化を図ることができる。
本実施形態のヒューズ装置において、電流ヒューズ素子用パターン2が、セラミック構造体1の下層11の上面における貫通孔121に対応する領域111に設けられていることにより、電流ヒューズ素子用パターン2がセラミック構造体1の中空部14に設けられることになり、本実施形態におけるヒューズ装置は、電流ヒューズ素子用パターン2にお
いて発生されるジュール熱の損失に関して低減されている。従って、本実施形態におけるヒューズ装置は、過電流状態における特性に関して向上されている。
(第2の実施形態)
図7および図8を参照して、本発明の第2の実施形態におけるヒューズ装置について説明する。本実施形態におけるヒューズ装置において、第1の実施形態におけるヒューズ装置と異なる構成は、セラミック構造体1の下層11の構造である。その他の構成は、第1の実施形態におけるヒューズ装置と同様である。図7において、フラックス部材5は、温度ヒューズ素子3の実装構造を示すことを目的として、省略されている。
セラミック構造体1の下層11は、伝熱抑制手段を有している。本実施形態において、伝熱抑制手段は、下層11の内部に設けられているとともに電流ヒューズ素子用パターン2の直下に位置している空洞部112である。空洞部112は、減圧状態であることが好ましい。
本実施形態のヒューズ装置において、セラミック構造体1の下層11は、伝熱抑制手段を有していることにより、本実施形態におけるヒューズ装置は、電流ヒューズ素子用パターン2において発生されるジュール熱の損失に関して低減されている。従って、本実施形態におけるヒューズ装置は、過電流状態における特性に関して向上されている。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態におけるヒューズ装置について説明する。本実施形態のヒューズ装置において、第1および第2の実施形態におけるヒューズ装置と異なる構成について、例示的に、図2に示された第1の実施形態におけるヒューズ装置と対比するように図9を参照して説明する。本実施形態におけるセラミック構造体1は、予め焼成によって形成された下層11、介在層12および上層13が、接合部材91および92によって接合されている。電流ヒューズ素子用パターン2は、焼成によって下層11と一体的に形成されている。発熱抵抗体用パターン4は、焼成によって上層13と一体的に形成されている。
本実施形態におけるヒューズ装置は、予め形成された下層11が接合部材91によって介在層12に接合されていることにより、製造工程中において、電流ヒューズ素子用パターンのトリミングが可能である。従って、本実施形態におけるヒューズ装置は、過電流状態における特性に関して向上されている。
(第4の実施形態)
図10および図11を参照して、本発明の第4の実施形態におけるヒューズ装置について説明する。ヒューズ装置は、セラミック構造体6と、電流ヒューズ素子7と、温度ヒューズ素子3と、発熱抵抗体用パターン4と、フラックス部材5とを含んでいる。図10において、フラックス部材5は、温度ヒューズ素子3の実装構造を示すことを目的として、省略されている。図10において、ヒューズ装置は、仮想のxyz空間におけるxy平面に実装されている。本実施形態におけるヒューズ装置は、表面実装型の装置である。図10において、上方向とは、仮想のz軸の正方向のことをいう。
セラミック構造体6は、下部セラミック構造体61と、下部セラミック構造体61との間に中空部64を挟むように、下部セラミック構造体61に接合された上部セラミック構造体62とを含んでいる。下部セラミック構造体61は、第1の凹部611を含む上面を有している。上部セラミック構造体62は、第2の凹部621を含む下面を有している。第2の凹部621は、第1の凹部611に対応するように設けられている。第1の凹部611と第2の凹部621とによって、セラミック構造体6の中空部64が構成されている。
電流ヒューズ素子7は、下部セラミック構造体61と上部セラミック構造体62とに挟まれているとともに、セラミック構造体6の中空部64に設けられている。電流ヒューズ素子7は、セラミック構造体6の中空部64に架橋されていることが好ましい。
温度ヒューズ素子3は、上部セラミック構造体62の上面に設けられている。温度ヒューズ素子3は、上部セラミック構造体62の上面に設けられた凹部に配置されていてもよい。
発熱抵抗体用パターン4は、上部セラミック構造体62の第2の凹部621の上面に設けられているとともに、焼成によって上部セラミック構造体62と一体的に形成されている。発熱抵抗体用パターン4は、メタライズパターンである。
発熱抵抗体用パターン4の他の例としては、図12に示されているように、上層13の内部に埋設されているとともに、温度ヒューズ素子3の直下に位置しているものがある。発熱抵抗体用パターン4は、中空部の直上に位置しており、焼成によって上層13と一体的に形成されている。
本実施形態のヒューズ装置において、発熱抵抗体用パターン4が上部セラミック構造体62と一体的に形成されているとともに、電流ヒューズ素子7が、下部セラミック構造体61と上部セラミック構造体62とに挟まれた中空部64に設けられていることにより、本実施形態におけるヒューズ装置は、電流ヒューズ機能と発熱抵抗体付き温度ヒューズ機能とを一体的に有することができるとともに、小型化を図ることができる。
本実施形態のヒューズ装置において、電流ヒューズ素子7がセラミック構造体6の中空部64に設けられていることにより、本実施形態におけるヒューズ装置は、電流ヒューズ素子7において発生されるジュール熱の損失に関して低減されている。従って、本実施形態におけるヒューズ装置は、過電流状態における特性に関して向上されている。
図13を参照して、本実施形態におけるセラミック構造体6の他の構造例について説明する。下部セラミック構造体61は、凹部612を含む上面を有しており、凹部612は、二段構造となっている。電流ヒューズ素子7は、凹部612において架橋されていることが好ましい。
図14を参照して、本実施形態におけるセラミック構造体6の他の構造例について説明する。上部セラミック構造体62は、凹部622を含む下面を有しており、凹部622は、二段構造となっている。電流ヒューズ素子7は、凹部622において架橋されていることが好ましい。
1 セラミック構造体
2 電流ヒューズ素子用パターン
3 温度ヒューズ素子
4 発熱抵抗体用パターン
5 フラックス部材

Claims (5)

  1. 下層、介在層および上層を含んでおり、前記介在層が、前記下層の上に設けられているとともに、上下方向に設けられた貫通孔を有しており、前記上層が、前記介在層の上に設けられており、前記貫通孔が、前記下層および前記上層によって塞がれているセラミック構造体と、
    前記下層の上面における前記貫通孔に対応する領域に設けられているとともに、焼成によって前記下層と一体的に形成された電流ヒューズ素子用パターンと、
    前記上層の上面に設けられた温度ヒューズ素子と、
    前記上層の下面または前記上層の内部における前記貫通孔に対応する領域に設けられているとともに、焼成によって前記上層と一体的に形成された発熱抵抗体用パターンと、
    を備えたヒューズ装置。
  2. 前記下層、介在層および上層が、焼成によって一体的に形成されていることを特徴とするヒューズ装置。
  3. 前記セラミック構造体が、前記下層の内部に設けられているとともに前記電流ヒューズ素子用パターンの直下に位置している伝熱抑制手段を有していることを特徴とする請求項1記載のヒューズ装置。
  4. 下部セラミック構造体と、
    前記下部セラミック構造体との間に中空部を挟むように、前記下部セラミック構造体に接合された上部セラミック構造体と、
    前記中空部に設けられた電流ヒューズ素子と、
    前記上部セラミック構造体の上面に設けられた温度ヒューズ素子と、
    前記上部セラミック構造体の下面に設けられているとともに、焼成によって前記上部セラミック構造体と一体的に形成された発熱抵抗体用パターンと、
    を備えたヒューズ装置。
  5. 前記下部セラミック構造体が、前記電流ヒューズ素子の直下に位置している伝熱抑制手段を有していることを特徴とする請求項4記載のヒューズ装置。
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