JP5446869B2 - スイッチング素子、およびスイッチング素子の製造方法 - Google Patents

スイッチング素子、およびスイッチング素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、論理集積回路装置および演算回路装置などの再構成可能な半導体集積回路、ならびに半導体記憶装置に用いられるスイッチング素子およびその製造方法に関する。
再構成可能な半導体集積回路の一例として、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレー)がある。FPGAは、再構成可能なロジックセルと再構成可能な配線を備え、ユーザがロジックセルおよび配線を設計ツールにしたがってプログラムすることにより再構成することができる。ユーザの手元でユーザが欲しい機能を備えた半導体集積回路を得ることができる。FPGAは汎用部品であり、用途に応じてロジックセルの規模・周辺回路等が異なるものが数種類用意されている。
FPGAの利点が2つある。1つ目は、ユーザ向けに半導体集積回路を設計する必要がないため、集積回路の製造に必要なユーザに特化した設計開発の費用・マスク等の初期費用がほとんど不要になることである。2つ目は、新たに半導体集積回路を開発・製造する必要がないために開発期間が非常に短くできることにある。
しかし、FPGAには、ロジックセルおよび配線を構成するためのスイッチを搭載している点や、ユーザによって使用されないロジックセルの領域が存在する点などから、チップサイズが専用設計された集積回路に比べると数十倍も大きくなってしまう。そのため、初期費用を除いた1チップあたりの製造単価は非常に高く、また、チップサイズが大きいことで配線長が長くなり、動作速度が遅く、消費電力が大きくなる。そのため、ユーザが集積回路を大量に必要とする場合や、高性能な集積回路を必要とする場合には、専用設計された集積回路が適している。
ロジックセルおよび配線を再構成するためのスイッチの面積は、FPGAのチップ面積の半分以上を占めており、スイッチの面積がFPGAの性能、製造コストに大きな影響を与える。現在用いられているスイッチはSRAM(スタティックランダムアクセスメモリ)とパストランジスタを組み合わせたSRAMスイッチと呼ばれるタイプである。ロジックセルと同様の方法により製造できる利点がある。
FPGAのためのスイッチとしては、スイッチの面積が小さく、オン時の抵抗が小さい方が望ましい。上記のSRAMスイッチは、スイッチの面積は120F2(Fは集積回路の最小加工寸法)であり、オン時の抵抗は1kオーム程度である。
スイッチの一例が特開2006−339667号公報(以下では、特許文献1と称する)に開示されている。特許文献1に開示されたスイッチは、スイッチの面積として8F2、オン時の抵抗として100オーム程度を実現している。そのため、このスイッチをFPGAのスイッチとして用いることができれば、FPGAの性能の向上、製造費用の大幅な引き下げが可能となる。
さらに、特許文献1のスイッチを用いたFPGAでは、SRAMスイッチを用いたFPGAと同じチップサイズで比較すると、より多くのロジックセルを搭載することが可能となる。そのため、SRAMスイッチを用いたFPGAではロジックセル数の上限を超えてしまうためにマッピングが不可能であったアプリケーションも、特許文献1のスイッチを用いたFPGAで実行させることが可能となる。
ここで、特許文献1に開示されたスイッチの動作を簡単に説明する。このスイッチは3つの電極を備えた3端子型スイッチである。第1電極と第2電極間のイオン伝導層に電流経路を形成することで、オフ状態からオン状態へスイッチする。電極間を接続する電流経路の生成および消滅は銅イオンの析出・溶解による電気化学反応によって行われ、その電気化学反応は第3電極によって制御される。なお、イオン伝導層はイオン伝導体や固体電解質層とも称されるが、以下では、「イオン伝導層」の用語を用いる。
特許文献1に開示されたスイッチにおいて、電極間の距離が非常に重要である。第1電極と第2電極の最短距離の部分に電流経路が形成されるため、第1電極と第2電極の距離は重要である。また、電流経路の生成および消滅を第3電極が制御するため、第1電極および第2電極のそれぞれと第3電極との最短距離も重要である。
特許文献1の図2に示す構造では、第1電極および第2電極のそれぞれと第3電極との最短距離はイオン伝導層の膜厚で決まるが、第1電極と第2電極の最短距離はリソグラフィ工程により決まる。イオン伝導層の膜厚の精度は1nm以下であり、非常に精度が高い。ところが、リソグラフィ工程による距離の規定の精度は最先端の装置を用いても10nm程度である。
特許文献1の図9に示す構造では、第1電極と第2電極が異なる材料であるため、それぞれのパタン形成のためにリソグラフィ工程が電極毎に行われる。そのため、第1電極と第2電極との最短距離はリソグラフィ工程の合わせずれの影響を受けるおそれがある。電極間の最短距離が製造毎に異なると、スイッチング素子の特性が製造ロット毎にばらついてしまうことになる。
本発明の目的の一例は、製造ロット間の特性ばらつきを低減したスイッチング素子およびその製造方法を提供することである。
本発明の一側面のスイッチング素子は、イオン伝導層と、イオン伝導層に接して設けられた第1の電極および第2の電極と、イオン伝導層に接し、第1の電極と第2の電極間の電気伝導度を制御するための第3の電極とを有するスイッチング素子であって、イオン伝導層は第1のイオン伝導層および第2のイオン伝導層からなり、第3の電極の上に第2のイオン伝導層が設けられ、第2の電極は第2のイオン伝導層の上に設けられ、第2の電極の一部が第2のイオン伝導層を介して第3の電極の一部を覆い、第1のイオン伝導層は、第2のイオン伝導層の上面のうち第2の電極を除く領域と第2の電極の側面および上面を覆い、第1の電極は第1のイオン伝導層の上に設けられ、第1の電極の一部が第1のイオン伝導層を介して第2の電極の一部を覆い、第1の電極の他の一部が第1および第2のイオン伝導層を介して第3の電極の他の一部を覆っており、第1および第2の電極間の最短距離が第1のイオン伝導層の膜厚で規定され、第2および第3の電極間の最短距離が第2のイオン伝導層の膜厚で規定され、第1および第3の電極間の最短距離が第1および第2のイオン伝導層の膜厚で規定されている構成である。
一方、本発明の一側面の、スイッチング素子の製造方法は、第1および第2のイオン伝導層と、第1イオン伝導層に接して設けられた第1の電極および第2の電極と、第2イオン伝導層に接し、第1の電極と第2の電極間の電気伝導度を制御するための第3の電極とを有するスイッチング素子の製造方法であって、基体上に第3の電極を形成し、第3の電極の上に第2のイオン伝導層を形成し、第2のイオン伝導層の上に、一部が第2のイオン伝導層を介して第3の電極の一部を覆う第2の電極を形成し、第2のイオン伝導層の上面のうち第2の電極を除く領域と第2の電極の側面および上面を覆う第1のイオン伝導層を形成し、第1のイオン伝導層の上に、一部が第1のイオン伝導層を介して第2の電極の一部を覆い、他の一部が第1および第2のイオン伝導層を介して第3の電極の他の一部を覆う第1の電極を形成するものである。
図1は本実施形態のスイッチング素子の一構成例を示す断面模式図である。 図2はイオン伝導層をスパッタリング法で形成した場合を示す断面模式図である。 図3Aは実施例1のスイッチング素子の一構成例を示す電子顕微鏡写真である。 図3Bは実施例1のスイッチング素子の一構成例を示す断面模式図である。 図4は実施例1のスイッチング素子の動作原理を模式的に示す断面図である。 図5は実施例1のスイッチング素子の電気特性を示すグラフである。 図6は実施例1のスイッチング素子をオン状態からオフ状態に遷移させたときの電気特性を示すグラフである。 図7は図6に示した電圧電流特性について、スイッチング素子の動作原理を説明するための断面模式図である。 図8は実施例2におけるスイッチング素子の一構成例を示す断面模式図である。 図9Aは実施例2におけるスイッチング素子の製造方法を示す断面模式図である。 図9Bは実施例2におけるスイッチング素子の製造方法を示す断面模式図である。 図9Cは実施例2におけるスイッチング素子の製造方法を示す断面模式図である。 図9Dは実施例2におけるスイッチング素子の製造方法を示す断面模式図である。 図9Eは実施例2におけるスイッチング素子の製造方法を示す断面模式図である。 図10は実施例3におけるスイッチング素子の一構成例を示す断面模式図である。 図11は実施例4におけるスイッチング素子の一構成例を示す断面模式図である。
符号の説明
11 第1電極
12 第2電極
13 第1イオン伝導層
14 第2イオン伝導層
15 第3電極
本実施形態のスイッチング素子の構成を説明する。本実施形態のスイッチング素子は3端子型スイッチである。
図1は本実施形態のスイッチング素子の一構成例を示す断面模式図である。
図1に示すように、スイッチング素子は、第1電極11および第2電極12と、これら2つの電極に接する第1イオン伝導層13と、第2電極12および第1イオン伝導層13に接する第2イオン伝導層14と、第2イオン伝導層14に接する第3電極15とを有する。ここでは、第3電極15は、図に示さない導電性基板上に形成されている。
第1電極11は、第1イオン伝導層13および第2イオン伝導層14に金属イオンを供給可能な金属材料から構成されている。また、第2電極12は、第1イオン伝導層13および第2イオン伝導層14に金属イオンを供給しない材料で構成されている。
第3電極15の上に第2イオン伝導層14が設けられている。第2イオン伝導層14の上面には、一部に第2電極12が形成され、それ以外の領域に第1イオン伝導層13が形成されている。第1イオン伝導層13は、第2イオン伝導層14の上面のうち第2電極12で覆われた部位を除く領域と、第2電極12のパタンの側面および上面を覆っている。この構成により、第1イオン伝導層13は、第2電極12のパタンの外周部で形成された段差を覆うことになる。図1に示すように、第2電極12の形状が第1イオン伝導層13に反映されるため、第2電極12の外周部で第1イオン伝導層13に段差が生じている。
第1イオン伝導層13の上に第1電極11が設けられている。第1電極11は、第1イオン伝導層13を介して、第2電極12の外周部を覆っている。この構成により、第2電極12のパタンが転写された第1イオン伝導層13の段差を被覆するように第1電極11が形成されている。
図1に示す構成では、第2電極12は、その一部が第2イオン伝導層14を介して第3電極15の一部を覆っており、第2電極12と第3電極15の最短距離は第2イオン伝導層14の膜厚で決まる。
第1電極11は、その一部が第1イオン伝導層13を介して第2電極12の一部を覆っている。そのため、第1電極11と第2電極12の最短距離は第1イオン伝導層13の膜厚で決まる。また、第1電極11は、他の一部が第1イオン伝導層13および第2イオン伝導層14の積層膜を介して第3電極15の一部を覆っている。そのため、第1電極11と第3電極15の最短距離は、第1イオン伝導層13および第2イオン伝導層14のそれぞれの膜厚を合計した値で規定される。
このように、本実施形態では、各電極間の最短距離がイオン伝導層の膜厚で規定されているため、製造ロット間における、スイッチング素子の特性のばらつきを低減することができる。
図1を見ると、第1イオン伝導層13が第2イオン伝導層14の上から第2電極12のパタンの側壁に沿って立ち上がるところで、90度に屈折している。その形状が転写された第1電極11も基板面に平行な水平方向から垂直方向に立ち上がるところで90度に近い角度で屈折している。そのため、第1電極11は、屈折部分が第2電極12の方向に先鋭化した断面形状になっている。
第1電極11の屈折部分を第2電極12の方向により先鋭化するには、第1イオン伝導層13を形成する際に、スパッタリング法を用いるとよい。
図2はイオン伝導層をスパッタリング法で形成した場合を示す断面模式図である。スパッタリング法は、ターゲットと呼ばれる電極材料にアルゴンイオンをぶつけて電極材料の粒子をたたき出し、その粒子を基板表面に堆積させる膜形成方法である。スパッタリング法は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法と違って膜の堆積速度に異方性があり、平坦部に比べて側壁での堆積速度が遅いという性質がある。
基板表面に設けられたパタンの側壁における膜の形成過程に注目すると、側壁での形成途中の膜がその後に飛んで来る粒子にとって遮蔽物になる。そのため、側壁の下側ほど堆積速度が遅くなる。その結果、図2に示すように、第1イオン伝導層13の膜厚は、第2イオン伝導層14の上面と第2電極12の側壁との交差部分で他の領域に比べて薄くなる。第1イオン伝導層13の上に形成される第1電極11は、第1イオン伝導層13の屈折部分で、図2に示すような精鋭部16の形状が得られる。図2の断面形状において、精鋭部16は図1に示した第1電極11の屈折部分よりも角度が小さく、より精鋭化していることがわかる。
次に、本実施形態のスイッチング素子の動作を説明する。
本実施形態のスイッチング素子の動作は基本的には特許文献1に開示された3端子型スイッチング素子と同様であるため、ここでは、その動作を簡単に説明する。
はじめに、第1電極11と第2電極12の2つの電極間に電圧を印加して、スイッチをオフからオンに切り替える場合を説明する。第2電極12に対して第1電極11に正の電圧を印加すると、第1電極11の金属が金属イオンになってイオン伝導層に溶解する。そして、第1イオン伝導層13に含まれる金属イオンがイオン伝導層中に金属になって析出し、析出した金属により第1電極11と第2電極12を接続する金属架橋が形成される。金属架橋で第1電極11と第2電極12が電気的に接続することで、スイッチがオン状態になる。
ここで、金属架橋が形成される場所について図1を用いて説明する。
2つの電極のうち一方を接地して他方の電極に電圧を印加すると、2つの電極間に生じる電界強度はそれらの電極間の距離の2乗に反比例する。金属架橋は、2つの電極間で最短距離の電界強度が最も強い部位に形成される。ここで、図1に示した第1電極11の断面形状を見ると、屈折部分が他の領域と比べて第2電極12の方向に先鋭化している。第2電極12と第1電極11との間に電圧を印加すると、第1電極11の先鋭化した部分に電界が集中する。そのため、金属イオンのイオン伝導度が大きくなり、この部分に金属架橋が好適に成長する。
続いて、スイッチをオンからオフに切り替える場合を説明する。
オン状態において、第3電極15に対して、第1電極11および第2電極12に正の電圧を印加すると、金属架橋の金属が金属イオンとなって第1イオン伝導層13および第2イオン伝導層14に溶解する。溶解によって、金属架橋の一部が切断されると、スイッチがオフ状態になる。
このスイッチをオンからオフに切り替える場合において、下記のいずれかの方法を用いると切り替えが容易である。第1の方法は、第1電極11と第2電極12の間に電位差を設けて、金属架橋の切断を促進する方法である。第2電極12を第1電極11に対して高い電位にすると、第1電極11側にも金属架橋を構成する金属イオンが引き抜かれ、架橋の切断が促進される。
第2の方法は、環境温度を室温より高温にすることで、金属イオンの移動を促進し、金属架橋10の切断を促進する方法である。150℃程度とすると金属イオンの拡散速度が増大する。これら第1および第2の方法を併用することでさらに効果的である。
上記の方法でオフさせた後、再び、第2電極12に対して第1電極11に正の電圧を印加することによって、スイッチをオフからオンに遷移させたときの原理と同様にして、2つの電極間に架橋を形成することが可能となる。このとき、一旦形成された金属架橋の一部が切断された状態からオンさせるので、一度もスイッチングさせていない場合に比べると、オンへのスイッチングに要する時間および印加電圧が少なくて済む。
次に、第3電極15が、第1イオン伝導層13および第2イオン伝導層14に金属イオンを供給可能な金属材料から構成されている場合に、スイッチをオフからオンに切り替える方法について説明する。ここでは、スイッチングにより金属架橋を第1電極11と第2電極12の間に一旦形成し、その後、金属架橋の一部を切断してオフした状態からオン状態に遷移させる。
第3電極15に対して第1電極11および第2電極12に正の電圧を印加する。このとき、第3電極15の金属が金属イオンとなって第2電極12、第1電極11および金属架橋に金属となって堆積する。上述したように金属架橋を一旦形成した後にオフ状態にしたので、金属架橋の欠損部分が最小限に抑えられていた。そのため、ここでは、その欠損部分に金属が析出するだけで、第1電極11と第2電極12を結ぶ金属架橋が形成され、第1電極11および第2電極12が接続される。
なお、電気的接続の完全な切断/短絡による動作ではなくとも、第1電極と第2電極間の電気抵抗が変化する、あるいは電極間容量が変化したりするなどの電気特性の変化をセンスして、スイッチあるいは記憶作用として用いることも当然可能であり、本発明ではこれらも含めて電気伝導度の変化をスイッチング動作とする。
また、本実施形態では、金属イオンを供給する材料で第1電極11が構成されるものとしたが、第1電極11は、少なくともイオン伝導層に接触する部位がイオン伝導層に金属イオンを供給する材料を含んでいればよい。第3電極15についても同様である。また、金属イオンを供給しない材料で第2電極12が構成されるものとしたが、第2電極12は、少なくともイオン伝導層と接触する部位が金属イオンを供給しない材料であればよい。
本実施例のスイッチング素子の構成を説明する。
本実施例のスイッチング素子は、図1に示した構成において、電極の材料として、第1電極11に銅を用い、第2電極12に白金/チタンの積層膜を用い、第3電極15に白金を用いた。また、イオン伝導層の材料として、第1イオン伝導層13および第2イオン伝導層14に五酸化二タンタルを用いた。
次に、本実施例のスイッチング素子の製造方法を説明する。
導電性シリコン基板上に真空蒸着法を用いて白金/チタン(膜厚50nm/5nm)の積層構造を形成し、この積層構造を第3電極15とする。スパッタリング法を用いて、膜厚20nmの五酸化二タンタルを第3電極15の上に形成し、これを第2イオン伝導層14とする。
続いて、第2イオン伝導層14の上にLORレジスト(化薬マイクロケム株式会社製)および電子ビームレジスト(PMMA:化薬マイクロケム株式会社製)を順次スピンコートしてポストベーキングを行う。これらのレジストに対して電子ビーム露光を行い、PMMAレジストの現像およびLORレジストの現像を行って、第2電極12を形成するための開口パタンをレジストに形成する。真空蒸着法を用いて、開口パタンを有するレジストの上に白金/チタン薄膜(膜厚20nm/2nm)を形成する。その後、有機溶剤でレジストを溶解させることで、不要な金属膜を除去して、白金/チタン(膜厚20nm/2nm)が積層された構成の第2電極12を形成する。このように、レジストとともにその上に堆積した金属膜を除去する方法は、リフトオフ法と呼ばれている。
さらに、上述のレジスト塗布、露光および現像を含むリソグラフィ工程と、真空蒸着法による膜形成工程およびリフトオフ工程を行って、次のようにして、第1イオン伝導層13および第1電極11を形成する。
上面の一部に第2電極12が形成された第2イオン伝導層14の上にLORレジスト(化薬マイクロケム株式会社製)および電子ビームレジスト(PMMA:化薬マイクロケム株式会社製)を順次スピンコートしてポストベーキングを行う。これらのレジストに対して電子ビーム露光を行い、PMMAレジストの現像およびLORレジストの現像を行って、これらのレジストに開口パタンを形成する。
ここで、LORレジストを現像する際、現像時間を制御して、LORレジストの開口面積をPMMAレジストの開口面積よりも一回り大きくなるようにする。これにより、LORレジストの開口パタン周辺から内側へ所定の長さのひさしがPMMAレジストにより形成される。
このような開口パタンをレジストに形成した後、その上からスパッタリング法を用いて膜厚20nmの五酸化二タンタルを形成する。この膜形成工程では、PMMAによるひさしの下にも五酸化二タンタルが堆積する。続いて、真空蒸着法を用いて五酸化二タンタルの上に銅を形成する。その後、リフトオフ法を用いて五酸化二タンタルおよび銅の不要な部分を除去することで、五酸化二タンタルからなる第1イオン伝導層13と、銅からなる第1電極11が形成される。
上述したように、PMMAによるひさしの下にも五酸化二タンタルが堆積するため、第1イオン伝導層13のパタンは第1電極11のパタンよりも一回り大きくなり、第1イオン伝導層13が第1電極11よりも外側にはみ出した構造になる。このような構造にすることで、第1電極11と第2電極12の間の絶縁耐性が良好になる。第1電極11のパタンの側壁と第1イオン伝導層13のパタンの側壁の位置が一致してしまうと、電極間で第1イオン伝導層13の側壁を電流が伝わるリークパスが生じてしまう。第1イオン伝導層13のパタンを第1電極11よりも大きくすることで、このリークパスを防ぐことが可能となる。
上述の製造方法で作製したスイッチング素子の構造を説明する。
図3Aは本実施例のスイッチング素子の電子顕微鏡写真であり、図3Bは図3Aに示す破線部分の断面模式図である。
図3Aはスイッチング素子を斜め上方から撮った写真である。本実施例では、第2電極12のパタンは長方形である。第2電極12の一部を覆って第1イオン伝導層13が形成されている。第1イオン伝導層13のパタンは、方形であり、第2電極12の短辺と平行な辺の長さが第2電極12の短辺よりも長い。
第1イオン伝導層13の上に第1電極11が形成されている。第1電極11のパタンも方形であるが、第2電極12の短辺と平行な辺の長さが第2電極12の短辺よりも長く、第1イオン伝導層13よりも短い。これは、上述の製造方法で説明したように、第1イオン伝導層13のパタンの方が第2電極12よりも一回り大きいからである。
図3Aに示す第1電極11の上面を見ると、第1イオン伝導層13を介して第2電極12を覆う部位が他の領域よりも上方に飛び出している。これは、第2電極12のパタンによる段差が第1イオン伝導層13を介して第1電極11に転写されているからである。
次に、スイッチング素子の動作について説明する。本実施例のスイッチング素子は、ON/OFF動作する3端子型スイッチである。スイッチング素子をMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタにあてはめて考えると、第1電極11はMOSトランジスタのソース電極に相当し、第2電極12はドレイン電極に相当し、第3電極13はゲート電極に相当する。
はじめに、スイッチをオフからオンにする場合を説明する。第2電極12および第3電極15を接地し、第1電極11に正の電圧を印加すると、第1電極11の銅が銅イオンになって第1イオン伝導層13に溶解する。そして、第1イオン伝導層13に含まれる銅イオンが第1イオン伝導層中に金属になって析出し、析出した金属により第1電極11と第2電極12を接続する銅架橋が形成される。銅架橋で第1電極11と第2電極12が電気的に接続することで、スイッチがオン状態になる。
続いて、スイッチをオンからオフにする場合を説明する。第1電極11に負の電圧を印加すると、銅架橋の銅が銅イオンとなって第1イオン伝導層13および第2イオン伝導層14に溶解する。溶解によって、銅架橋の一部が切断されると、スイッチがオフ状態になる。
次に、本実施例のスイッチング素子の電気特性を説明する。
図4はスイッチング素子の動作原理を模式的に示す断面図である。ここでは、銅架橋の成長および切断をより理解しやすくするために、図2に示したスイッチング素子の場合を示す。
図5はスイッチング素子の電圧電流特性を示すグラフである。図5のグラフは、第1電極11に印加する電圧と第1電極11に流れる電流の関係を示している。横軸は第1電極11に印加する電圧V1を示し、縦軸は第1電極11に流れる電流I1を示す。電圧電流特性の測定は、測定時における環境温度が室温(約20℃)の場合と、150℃の場合の2通り行った。図5には、室温の場合の測定データを破線で示し、150℃の場合の測定データを実線で示している。
図4(a)に示すオフ状態から、第2電極12および第3電極15を接地して第1電極11に正電圧を印加する。第1電極11に印加する正電圧を大きくしていくと、第1電極11と第2電極12との間の電界強度は図4(a)に示す先鋭部16で最も大きくなるため、先鋭部16に銅が析出しやすくなる。図4(b)に示すように、銅架橋10が第2電極12に伸びて、第1電極11と第2電極12が銅架橋10で接続される。このようにして素子はオン状態になる。
オン状態になった後、第1電極11に負電圧を印加して、電圧の絶対値を大きくしていくと、銅架橋10の銅がイオン伝導層に溶解し、図4(b)に示すように、銅架橋10が切断する。このようにして素子はオフ状態になる。以下に、それぞれの状態遷移における電圧電流特性の変化の様子を説明する。
図5のグラフで環境温度が室温の場合の電圧電流特性を見ると、第1電極11に印加する正電圧を0Vから大きくしていくと、2V程度で、それまで0Aの電流が1mAに増大する。このとき、第1電極11と第2電極12が銅架橋10を介して接続された状態になる。なお、測定では、測定電流が1mAを超えないように制限している。
その後、第1電極11に印加する電圧を0Vに戻してもオン状態は維持される。さらに、第1電極11に印加する負電圧の絶対値を大きくしていくと、−0.5V付近で、電流の絶対値が小さくなり、オフ状態へ遷移していることがわかる。
一方、図5のグラフで環境温度が150℃の場合の電圧電流特性を見ると、オフ状態からオン状態に遷移するときの電圧が約1Vであり、オン状態からオフ状態に遷移するときの電圧が約−0.2Vである。
図5のグラフから、スイッチング素子の環境温度を上げることにより、スイッチが切り換わるときの電圧の絶対値が小さくなっていることがわかる。これは、温度を上げることにより、銅イオンの拡散速度が大きくなり、銅架橋の接続および切断のそれぞれの現象が促進するからである。
次に、第3電極15に電圧を印加して、スイッチング素子をオン状態からオフ状態に遷移させる場合について説明する。
図6はスイッチング素子をオン状態からオフ状態に遷移させたときの電圧電流特性を示すグラフである。横軸は第1電極11に印加する電圧V1を示し、縦軸は第1電極11に流れる電流I1を示す。
オン状態のスイッチング素子の第3電極15および第2電極12を接地し、第1電極11に負電圧を印加する。図5に示したグラフの測定時と同様に、第1電極11に印加する負電圧の絶対値を大きくしていくと、図6の破線に示すように、−0.4V付近でオフすることが確認できる。
一方、スイッチング素子をオン状態からオフ状態させる際、第3電極15を接地する替わりに−3.5Vの負電圧を印加する。第3電極15に印加する電圧をV3とする。その状態で、第1電極11に印加する負電圧を0Vから変化させると、図6の実線に示すように、−0.2V付近でオフすることがわかる。
このように、第3電極15に負電圧を印加することで、オン状態からオフ状態に遷移させるための電圧V1が−0.4Vから−0.2Vになり、その絶対値が小さくなる。また、スイッチング時に流れる電流も約0.5mA小さくなる。
図7は、図6に示した電圧電流特性について、スイッチング素子の動作原理を説明するための断面模式図である。ここでも、図2に示したスイッチング素子を用いた場合としている。
オン状態からオフ状態に遷移させる際、第1電極11だけでなく第3電極15にも負電圧を印加することで、第1電極11と第2電極12を接続する銅架橋10の銅が銅イオンとして第1電極11および第3電極13のそれぞれの方向に引き抜かれる。そのため、スイッチング時の電圧が、第1電極11のみに電圧を印加した場合(図6に破線で示す測定データ)よりも小さくなる。
本実施例は、本実施形態のスイッチング素子を半導体装置に実装した場合の一例である。ここでは、第3電極が金属イオンを供給可能な材料を含んでいる場合とする。
本実施形態のスイッチング素子を半導体装置に実装するに際して、スイッチング素子を形成可能な基体について説明する。
半導体デバイスの機能上必要な能動素子などが形成された半導体基板を基体として用いることが可能である。また、表面を絶縁膜で覆った半導体基板を基体としてもよい。この場合、半導体基板の表面に形成された能動素子を絶縁膜で覆うようにしてもよい。さらに、半導体基板上に層間絶縁膜と配線からなる多層配線構造が形成されたものを基体としてもよい。このように、本実施形態のスイッチング素子を種々の基体上に形成することが可能である。
特に、本実施形態のスイッチング素子を再構成可能回路のスイッチとして用いる場合には、半導体基板上に多層配線が形成された構造を基体として用いることが好適である。この場合、多層配線を有する基体上の最上層に本実施形態のスイッチング素子を設ける場合に限らない。多層配線を有する基体上にスイッチング素子を形成し、その上に層間絶縁膜を形成してスイッチング素子を被覆し、さらに、その層間絶縁膜の上層に配線を形成してもよい。この構造は、本実施形態のスイッチング素子を半導体デバイスの多層配線構造内に埋め込む形で形成することが可能である。
次に、本実施形態のスイッチング素子を半導体装置に実装した場合の構成について説明する。図8はスイッチング素子を半導体装置に実装した場合の一構成例を示す断面模式図である。
本実施例の半導体装置は、図に示さない半導体素子を接続するための多層配線構造(不図示)と、スイッチング素子とを有する。多層配線構造は基体上に設けられ、スイッチング素子は多層配線構造の一部と同層に、または多層配線構造の上に形成される。
図8に示すように、スイッチング素子は、図1で説明した構成と同様に、第1電極21、第2電極22、第3電極25、第1イオン伝導層23および第2イオン伝導層24を有する構成である。第1電極21および第3電極25は金属イオンを供給可能な材料を含む構成である。第1プラグ36は第1バリアメタル35を介して第1電極21と接続され、第2プラグ38は第2バリアメタル37を介して第2電極22と接続されている。以下に、図8に示す構成を詳しく説明する。
シリコン基板(不図示)の上に、図に示さない半導体素子および半導体素子を覆う絶縁膜が形成されたものを基体20とする。その基体20の上に第1ストップ絶縁膜31、第1層間絶縁層27、第2ストップ絶縁層32および第1拡散防止層26が順に形成されている。これらの膜の積層体の配線用溝に図に示さない配線および第3電極25が形成されている。
第3電極25は底面および側面が第3バリアメタル28で覆われている。第3電極25の上面は、開口部が設けられた第1拡散防止層26で覆われている。第1拡散防止層26の上に第2イオン伝導層24が設けられている。第1拡散防止層26の開口部を介して、第3電極25の上面の一部が第2イオン伝導層24と接触している。第2イオン伝導層24に金属イオンが第3電極25から余分に拡散しないように、開口部により金属イオンが拡散できる領域を規定している。図8に示すように、開口部は第3電極25の上面の面積よりも小さいことが望ましい。
第3電極25が第2イオン伝導層24と接触する部位を除いて拡散防止層またはバリアメタルで覆われている理由を説明する。
第3電極25から第2イオン伝導層24に金属イオンが溶出するという現象を利用することを考えると、第3電極25が第2イオン伝導層24と接触するのは原理上必要なことである。しかし、基体20の絶縁膜および第1層間絶縁層27のそれぞれに第3電極25が接触は好ましくない。それは、絶縁膜や第1層間絶縁層27に金属が溶出すると、溶出した金属が絶縁体の絶縁耐性を劣化させてしまうからである。そのため、図8に示すように、第3電極25は、第2イオン伝導層24と接触する部位を除いて、第3バリアメタル28と第1拡散防止層26で覆われ、基体20の最上層の絶縁膜や第1層間絶縁層27と直接に接触していない。そして、バリアメタルおよび拡散防止層は、第3電極25から溶出する金属イオンをブロックしている。
第2イオン伝導層24のパタンの形状は平板状である。第2イオン伝導層24を平板状に形成することで、リソグラフィ工程で第2電極22と第3電極25の距離をより正確に制御することが可能となり、スイッチングさせる際に印加する電圧の制御性が向上する。その一方、第2イオン伝導層24を立体的に湾曲させて形成したり、第3電極25および第2電極22の界面に凸部や凹部を形成したりすることで、第3電極25と第2電極22間の最短距離を積極的に変えてもよい。例えば、第3電極25と第2電極22との最短距離をより短くすることで、低電圧でスイッチング動作を行わせることが可能となる。
第2イオン伝導層24は、第1拡散防止膜26の開口部の全てを覆っている方が望ましい。さらに、第2イオン伝導層24は第3電極25のパタンよりも外側の第1層間絶縁層27の上方まで、そのパタンが達して形成されている方がより望ましい。このように第2イオン伝導層24のパタンをより大きくすると、第2イオン伝導層24による、図の左右方向への金属イオンの拡散を防ぐ効果が向上する。これは、半導体装置の長期信頼性を向上させる効果を同時にもたらすことになる。
第2イオン伝導層24の上に第2電極22が設けられている。第2電極22のパタンと形状について説明する。第2電極22のパタンは、基体20の垂直上方から見ると、第1拡散防止層26の開口部と一部重なっている。これにより、第2電極22のパタンの一部は第2イオン伝導層24を介して第3電極25のパタンの一部と重なっている。図8に示すように、第2電極22のパタンの縁が上記開口部における第3電極25の中央部付近にあることが望ましい。これにより、リソグラフィ工程における位置合わせずれがあっても、第2電極22のパタンの縁が上記開口部を外れることを防げる。また、図8に示すように、第2電極22のパタンの面積は、電気的な接続のためのプラグをその上面に形成するのに十分な大きさである。
第1イオン伝導層23は、図8に示すように、第2電極22が形成された部位を除く、第2イオン伝導層24の上面を覆っている。また、第2電極22の側面と、第2電極22の上面のうち電気的接続をとるための部位を除く領域を覆っている。
スパッタリング法で第1イオン伝導層23を形成した場合、第1イオン伝導層23の膜厚は、下地の形状に依存して各部で異なる。第2電極22のパタンの側面に形成される膜は第2電極22の上面に形成される膜に比べて、膜厚が小さくなる傾向がある。また、第2イオン伝導層24の上面に形成される膜のうち第2電極22のパタンの側面に近い領域では、第2電極22の上面に形成される膜に比べて、膜厚が小さくなる傾向がある。
第1イオン伝導層23の上に第1電極21が設けられている。図8に示すように、第2イオン伝導層24に対する第2電極22のパタンによる段差が第1イオン伝導層23に転写され、転写された第1イオン伝導層23の段差部分に跨がって第1電極21が形成されている。第1電極21の第1イオン伝導層23の段差部分に図2に示したような先鋭部が形成されている。
第1電極21の側面は第2拡散防止層29で覆われ、第1電極21の上面は電気的接続をとるための部位を除いて第2拡散防止層29で覆われている。第1電極21の側面と上面のうち電気的接続をとるための部位を除いて、第2拡散防止層29で覆われているのは、第3電極25と同様に、第1電極21から層間絶縁膜中に金属イオンが溶出するのを防ぐためである。
第2拡散防止層29の上には第2層間絶縁層30が設けられている。第2層間絶縁層30の上には第3ストップ絶縁層33が設けられている。第1イオン伝導層23、第2拡散防止層29、第2層間絶縁層30および第3ストップ絶縁層33を貫通して第2電極22の上面に達する開口には、側面および底面が第2バリアメタル37で覆われた第2プラグ38が設けられている。また、第2拡散防止層29、第2層間絶縁層30および第3ストップ絶縁層33を貫通して第1電極21の上面に達する開口には、側面および底面が第1バリアメタル35で覆われた第1プラグ36が設けられている。第3ストップ絶縁層33の上には、第1プラグ36および第2プラグ38の上面を覆う保護膜34が設けられている。
第1プラグ36は第1電極21の電気的接続をとるための部位であり、第2プラグ38は第2電極22の電気的接続をとるための部位である。第1プラグ36が第1バリアメタル35および保護膜34で覆われているのは、プラグを構成する金属材料が第2層間絶縁層30に拡散するのを防ぐためである。第2プラグ38が第2バリアメタル37および保護膜34で覆われているのも、第1プラグ36と同じ理由である。
なお、第1ストップ絶縁層31、第2ストップ絶縁層32、第3ストップ絶縁層33および保護膜34については、スイッチング素子の機能のためというよりも、スイッチング素子を製造する際に必要となる膜である。これらの膜の主な役目については、後述の製造方法で説明する。
次に、図8に示した半導体装置におけるスイッチング素子の主要部位について好適な材料を説明する。
第1イオン伝導層23および第2イオン伝導層24の材料としては、金属または半導体と、酸素、硫黄、セレンおよびテルル等のカルコゲン元素との化合物が好ましい。特に、元素の周期律表における銅、タングステン、タンタル、モリブデン、クロム、チタンおよびコバルトの金属のうち少なくともいずれかを含む硫化物、酸化物、ならびに任意の硫黄−酸素比を持つ酸硫化物などは好適である。
スイッチング素子の半導体デバイスへの実装を考えると、第1イオン伝導層23および第2イオン伝導層24の材料は、金属酸化物、特に酸化タンタル(Ta)あるいは酸化チタン(TiO)が好ましい。その理由は、第1に、金属酸化物は、半導体デバイスに既に用いられている材料であり、半導体デバイスのプロセスとの整合性が高いためである。第2に、スイッチング素子を再構成回路用のスイッチに用いる場合、金属酸化物をイオン伝導層として用いるとスイッチング電圧をロジック動作電圧よりも高くすることが可能だからである。スイッチング電圧をロジック動作電圧よりも高くすることで、繰り返し動作に対する耐性も高く、高信頼性を確保できる。
第1イオン伝導層23および第2イオン伝導層24のそれぞれの膜厚は5〜200nm程度の範囲内で設定することが可能であるが、特に10〜100nmの範囲とすることが好ましい。膜厚が10nm以下であると、トンネル電流やショットキー電流のためにオフ時にリーク電流が発生しやすくなる。一方、膜厚が100nm以上であると、スイッチング電圧が10V以上となって半導体デバイス等での実用が困難になる。
なお、それぞれのイオン伝導層は典型的には単層膜で形成されるが、イオン伝導特性あるいは電気特性の異なる2種以上の膜からなる積層構造とすることも可能である。積層構造をとることによりスイッチング電圧(閾値電圧)やオフ時のリーク特性を制御することが可能となる。
第1電極21および第3電極25には、第1イオン伝導層23および第2イオン伝導層24に対して金属イオンを供給可能な材料を含む構成としている。そのため、これらの電極には、銅(Cu)、銀および鉛のうち少なくともいずれかを主材料とする金属または合金を用いる。特に、半導体プロセスとの整合性を考慮すると、主材料はCuであることが望ましい。
また、これらの金属または合金は、第1電極21のうちの少なくとも第1イオン伝導層23に接する面の一部に存在していればよく、第3電極25のうちの少なくとも第2イオン伝導層24に接する面の一部に存在していればよい。したがって、第1電極21および第3電極25のそれぞれを、図8に示したような単層に限らず、イオン伝導層に接する層が金属イオンを供給可能なCuなどの材料で構成した層と別の材料の層とを積み重ねた積層構造にすることも可能である。また、イオン伝導層との接触面が、金属イオンを供給可能なCuなどの金属と、金属イオンを供給しない金属との複合面となるように構成してもよい。
第3電極25の少なくとも第2イオン伝導層24に金属イオンを供給する部分は、好適にはCuを主成分とする金属で構成される。Cuは電解メッキ法により形成されるが、その際、メッキに必要な電流を均一に供給する、あるいは、バリアメタルとの密着性を向上させるために銅のシード層を設ける。シード層にはエレクトロマイグレーション耐性の向上を目的としてアルミニウムなどの金属不純物を微量含有させる。このような手法で形成するCu膜は下面側に含有させたアルミニウムなどの金属不純物を有すること、および成膜初期膜(下面近傍)に高濃度の不純物を含有している。
このようにして、金属イオン供給機能を果たすCuを、第2イオン伝導層24に対する下部電極(第3電極25)に設けることが可能となる。また、メッキ法によるCu膜の形成では、膜の下層よりも上層の方がCuの純度が高くなる。そのため、Cu膜の上面をイオン供給源として用いることで、高純度の金属イオンを供給可能な電極を実現できる。
第2電極22としては、イオン伝導層との間で金属イオンの収受が生じにくい導電体を用いる。具体的には、白金、アルミニウム、金、チタン、タングステン、ニッケル、パラジウム、タンタル、クロム、もしくはモリブデンなどの高融点金属、または、これらの金属のうち少なくともいずれかの窒化物、または、これらの金属のうち少なくともいずれかのシリサイド、または、これらの金属のうち複数の金属を組み合わせた合金が好適である。
第2電極22については、第2電極22のうちの少なくともイオン伝導層に接する面が上記材料により構成されていればよい。したがって、第2電極22は、図8に示したような単層に限らず、イオン伝導層に接する層が金属イオンの収受を生じない材料で構成した層と別の材料の層とを積み重ねた積層構造にすることも可能である。
第2拡散防止層29および第1拡散防止層26には、スイッチング素子の動作においてイオン伝導層内に溶解/析出を生じる金属種の拡散を防止する材料を用いる。例えば、第1電極21および第3電極25としてCuを用いる場合には、窒素を含有する絶縁膜、特にシリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜、またはそれらの中に任意の量の炭素を含む材料(炭窒化シリコン)などを好適に用いることが可能である。第2拡散防止層29および第1拡散防止層26の膜厚は、用いられる材料によって拡散防止能力が異なるが、2nm程度以上あれば拡散防止の役目を果たし、5nm以上あれば十分である。
なお、上述の「窒素を含有する絶縁膜」を用いる場合、この膜は比較的誘電率が高いため、拡散防止機能が確保できる範囲で、膜厚をできるだけ薄くすることが好ましい。具体的には、膜厚の上限は200nm程度とすることが望ましい。誘電率が低い方が望ましいのは、誘電率が高いと配線間容量が大きくなり、回路動作の速度が遅くなるからである。
第2層間絶縁層30および第1層間絶縁層27としては、半導体デバイスにおいて既に用いられている材料から選ぶことが可能である。例えば、酸化シリコンの他、有機系または無機系の低誘電率絶縁材料などが好適である。
次に、本実施例の半導体装置におけるスイッチング素子の製造方法を説明する。図9A〜図9Eは本実施例の半導体装置におけるスイッチング素子の製造方法を示す断面模式図である。説明上、製造方法を大きく6つの工程に分けている。
[工程1]シリコン基板(不図示)上に形成された半導体素子を含む基体20を用意する。基体20の最上層には絶縁膜が設けられている。図9Aに示すように、第1ストップ絶縁層31、第1層間絶縁層27および第2ストップ絶縁層32を順に基体20の上に形成する。なお、第1層間絶縁層27はシリコン窒化膜であり、シリコン窒化膜をCVD法で形成している。
[工程2]フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、配線を形成するための開口部を第1ストップ絶縁層31、第1層間絶縁層27および第2ストップ絶縁層32中に形成する。このエッチングの際、第1ストップ絶縁層31が第1層間絶縁層27のエッチングのストッパーの役目を果たす。形成した開口部に第3バリアメタル28および銅シード層(不図示)をCVD法により形成する。銅シード層の厚みを20〜100nm程度とし、銅シード層に少量の不純物(例えば、アルミニウム)を含有させる。そして、電解メッキを行って銅シード層上に銅を形成する。形成する銅の厚みは800〜1200nm程度でよい。
続いて、第2ストップ絶縁層32の開口部以外に堆積された不要なバリアメタルおよび銅をCMP(ケミカル・メカニカル・ポリッシング)法により削り取り、図9Bに示すように、第3電極25を形成する。その際、第3電極25と同一層の下部配線(不図示)を形成する。このCMP法を実行する際、第2ストップ絶縁層32がCMPのストッパーの役目を果たす。
さらに、熱処理を行って不純物を下部配線および第3電極25のそれぞれの全体に拡散させる。この熱処理により下部配線のエレクトロマイグレーション耐性が向上する。ここで説明した下部配線および第3電極25の形成方法は、半導体装置の配線形成工程として広く用いられている方法である。その後、スパッタリング法またはCVD法を用いて、第1拡散防止層26として膜厚100nmの炭窒化シリコンを第2ストップ絶縁層32の上に形成する(図9B)。第1拡散防止層26により第3電極25の上面が覆われる。
フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、第1拡散防止層26に開口部を形成する。ここでは、開口部は第3電極25の上面にまで達する貫通孔である。
[工程3]第1拡散防止層26の開口部に銅をスパッタリング法またはCVD法により形成する。銅の厚みは第1拡散防止層26の膜厚100nm以上とする。続いて、開口部以外に堆積された不要な銅をCMP法により削り取って銅の上面を平坦化し、開口部に形成された銅を図9Bに示す第3電極25に合流させる。第3電極25の上面を平坦化して段差をなくすことによって、これ以降のリソグラフィ工程でフォトレジストを塗布する際に膜厚を均一に塗布できることや、膜形成の際に膜厚を均一に成膜できることなどの利点がある。
[工程4]スパッタリング法またはCVD法を用いて、第1拡散防止層26および第3電極25の上に第2イオン伝導層24として膜厚15nmの酸化タンタルを形成する(図9C)。
第2電極22を形成するための膜として、膜厚50nmの白金を第2イオン伝導層24の上に形成する。フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて白金を加工し、図9Dに示すように、第2電極22を形成する。続いて、スパッタリング法またはCVD法を用いて、第2イオン伝導層24の露出面と第2電極22の上に、第1イオン伝導層23として膜厚15nmの酸化タンタルを形成する。
[工程5]第1電極21を形成するための膜として、膜厚50nmの銅を第1イオン伝導層23の上に形成する。フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて銅を加工し、図9Dに示すように、第1電極21を形成する。その後、スパッタリング法またはCVD法を用いて、第1イオン伝導層23の露出面と第1電極21の上に、第2拡散防止層29として膜厚100nmの炭窒化シリコンを形成する(図9D)。
[工程6]CVD法を用いて、第2拡散防止層29の上に第2層間絶縁層30および第3ストップ絶縁層33を順に形成する。フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、第1電極21のプラグ形成のために、第3ストップ絶縁層33、第2層間絶縁層30および第2拡散防止層29を貫通して第1電極21の上面に達する開口部を形成する。それと同時に、第2電極22のプラグ形成のために、第3ストップ絶縁層33、第2層間絶縁層30、第2拡散防止層29および第1イオン伝導層23を貫通して第2電極22の上面に達する開口部を形成する。
形成した開口部にバリアメタル、および銅の一部となる銅シード層(不図示)をスパッタリング法またはCVD法により形成する。銅シード層の厚みは20〜100nm程度でよい。メッキ法で銅シード層上に銅を形成する。銅の厚みは800〜1200nm程度でよい。さらに、開口部以外に堆積された不要なバリアメタルおよび銅をCMP法により削り取る。このCMP法を実行する際、第3ストップ絶縁層33がCMPのストッパーの役目を果たす。このようにして、図9Eに示すように、下面および側面が第1バリアメタル35で覆われた第1プラグ36と、下面および側面が第2バリアメタル37で覆われた第2プラグ38が形成される。
さらに、必要に応じて保護膜34として、膜厚50nmの炭窒化シリコンをスパッタリング法またはCVD法により第3ストップ絶縁層33上に形成する(図9E)。第1プラグ36および第2プラグ38の上面が保護膜34で覆われる。保護膜34は、その後の熱処理で第1プラグ36および第2プラグ38から銅が拡散するのを防止する役目を果たす。
本実施例の製造方法では、各電極間の最短距離がイオン伝導層の膜厚で規定することが可能となる。また、第1イオン伝導層23の形成にスパッタリング法を用いることで、第1電極21から第2電極22の方向への精鋭部の屈折角度をより小さくすることができる。
本実施例は、本実施形態のスイッチング素子を半導体装置の搭載した場合の一構成例であるが、その他にも様々な変形を行うことが可能である。以下の実施例3および実施例4において、その変形例を説明する。
本実施例は、実施例2で説明した半導体装置において、第1プラグが第1電極を兼ねる構成にしたものである。
本実施例の半導体装置の構成を説明する。図10は本実施例の半導体装置におけるスイッチング素子の一構成例を示す断面模式図である。実施例2と同様な構成については、その詳細な説明を省略する。
図10に示すように、本実施例では、図8に示した第1電極21が設けられていない。その代わり、第1プラグ201が第1イオン伝導層23の段差部分を覆うように形成されている。第1プラグ201の側面は第1バリアメタル35で覆われているが、底面は第1イオン伝導層23と接している。第1プラグ201が第1電極の役目を兼ねている。そのため、第1プラグ201の材料は、実施例2で説明した第1電極21の材料である。
次に、本実施例の半導体装置におけるスイッチング素子の製造方法を説明する。なお、実施例1および実施例2と共通部分の詳細な説明を省略する。
本実施例では、実施例2で説明した工程のうち、[工程5]と[工程6]を下記のように変更する。[工程5]を変更したものを[工程5’]とし、[工程6]を変更したものを[工程6’]とする。
[工程5’]CVD法を用いて、第1イオン伝導層23の上に第2層間絶縁層30および第3ストップ絶縁層33を順に形成する。フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、第1プラグ201を形成するための、第2層間絶縁層30および第3ストップ絶縁層33を貫通して第1イオン伝導層23の上面に達する開口部を形成する。形成した開口部の底面と側面に、スパッタリング法またはCVD法を用いてバリアメタルを形成する。続いて、バリアメタルに対して異方性エッチングを行うことにより、開口部の底面に堆積したバリアメタルを除去して、図10に示す第1バリアメタル35を形成する。この異方性エッチングの際、第3ストップ絶縁層33の上に堆積していたバリアメタルもエッチングされる。
続いて、側面にバリアメタルが形成された開口部の内部に、スパッタリング法またはCVD法を用いて銅シード層(不図示)を形成する。銅シード層の厚みは20〜100nm程度でよい。さらに、メッキ法を用いて銅シード層上に銅を形成する。銅の厚みは800〜1200nm程度でよい。開口部以外に堆積した不要な銅をCMP法により削り取ることで、側面が第1バリアメタル35で覆われた第1プラグ201が形成される。なお、不要なバリアメタルが第3ストップ絶縁層33の上に残っていても、CMPで除去される。
[工程6’]フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、第2プラグ38を形成するための、第3ストップ絶縁層33、第2層間絶縁層30および第1イオン伝導層23を貫通して第2電極22の上面に達する開口部を形成する。形成した開口部にバリアメタル、および銅の一部となる銅シード層(不図示)をスパッタリング法またはCVD法により形成する。銅シード層の厚みは20〜100nm程度でよい。メッキ法で銅シード層上に銅を形成する。銅の厚みは800〜1200nm程度でよい。さらに、開口部以外に堆積された不要なバリアメタルおよび銅をCMP法により削り取る。このようにして、下面および側面が第2バリアメタル37で覆われた第2プラグ38が形成される。
さらに、必要に応じて保護膜34として、膜厚50nmの炭窒化シリコンをスパッタリング法またはCVD法により第3ストップ絶縁層33上に形成する。
本実施例では、構造上、第2拡散防止層29が不要になり、製法上、第2拡散防止層29および第1電極21を形成する工程が不要となる。
本実施例は、実施例2で説明した半導体装置において、第3電極が金属イオンをイオン伝導層に供給しない材料で構成されるものである。
本実施例の半導体装置の構成を説明する。図11は本実施例の半導体装置におけるスイッチング素子の一構成例を示す断面模式図である。実施例2と同様な構成については、その詳細な説明を省略する。
図11に示すように、本実施例では、図8に示した第3電極25の部分が銅配線55と第3電極203とからなる。第1ストップ絶縁層31、第1層間絶縁層27および第2ストップ絶縁層32に設けられた開口部には、第3電極203を引き出すための銅配線55が形成されている。銅配線55の側面および底面は第3バリアメタル28で覆われている。
第2ストップ絶縁層32の上に設けられた第1拡散防止層26には貫通孔が設けられ、その貫通孔に第3電極203が形成されている。第3電極203の下面が銅配線55に接触し、第3電極203の上面が第2イオン伝導層24で覆われている。第3電極203の材料は第2イオン伝導層24に金属イオンを供給しない材料で構成されている。
次に、本実施例の半導体装置におけるスイッチング素子の製造方法を説明する。なお、実施例1および実施例2と共通部分の詳細な説明を省略する。
本実施例では、実施例2で説明した工程のうち、[工程2]の第3電極25を銅配線55とし、[工程3]を下記の[工程3’]に変更する。
[工程3’]第1拡散層防止層26の開口部に第3電極203を形成するために、スパッタリング法またはCVD法を用いて白金を形成する。白金の厚みは第1拡散防止層26の膜厚100nm以上とする。続いて、開口部以外に堆積された不要な白金をCMP法により削り取って白金の上面を平坦化する。第3電極203の上面を平坦化して段差をなくすことによって、これ以降のリソグラフィ工程でフォトレジストを塗布する際に膜厚を均一に塗布できることや、膜形成の際に膜厚を均一に成膜できることなどの利点がある。
本実施例では、金属イオンの供給を第1電極21のみから行う。オフ状態からオン状態に遷移させる際には、第2電極22と第1電極21との間に電圧を印加することで、図5に示したように動作する。オン状態からオフ状態に遷移させる際には、第3電極203に負電圧を印加することで、図6に示したように流れる電流を抑えることができる。
また、第3電極203を白金などの金属のように金属イオンを供給しない材料にすれば、熱処理によって金属イオンがイオン伝導層に拡散するのを防げる。
本発明の効果の一例として、製造ロット間の特性ばらつきを低減することができる。
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2007年10月19日に出願された日本出願の特願2007−272699の内容が全て取り込まれており、この日本出願を基礎として優先権を主張するものである。

Claims (8)

  1. イオン伝導層と、該イオン伝導層に接して設けられた第1の電極および第2の電極と、前記イオン伝導層に接し、前記第1の電極と第2の電極間の電気伝導度を制御するための第3の電極とを有するスイッチング素子であって、
    前記イオン伝導層は第1のイオン伝導層および第2のイオン伝導層からなり、
    前記第3の電極の上に前記第2のイオン伝導層が設けられ、
    前記第2の電極は、前記第2のイオン伝導層の上に設けられ、該第2の電極の一部が前記第2のイオン伝導層を介して前記第3の電極の一部を覆い、
    前記第1のイオン伝導層は、前記第2のイオン伝導層の上面のうち前記第2の電極を除く領域と前記第2の電極の側面および上面を覆い、
    前記第1の電極は、前記第1のイオン伝導層の上に設けられ、該第1の電極の一部が前記第1のイオン伝導層を介して前記第2の電極の一部を覆い、該第1の電極の他の一部が前記第1および第2のイオン伝導層を介して前記第3の電極の他の一部を覆っており、
    前記第1および第2の電極間の最短距離が前記第1のイオン伝導層の膜厚で規定され、前記第2および第3の電極間の最短距離が前記第2のイオン伝導層の膜厚で規定され、前記第1および第3の電極間の最短距離が前記第1および第2のイオン伝導層の膜厚で規定されている、スイッチング素子。
  2. 前記第1の電極は、前記第1のイオン伝導層と接触する部位が金属イオンを供給する材料を含み、
    前記第2の電極は、前記第1および第2のイオン伝導層と接触する部位が前記金属イオンを供給しない材料で構成され、
    前記第3の電極は、前記第2のイオン伝導層と接触する部位が前記金属イオンを供給しない材料で構成されている、請求項1記載のスイッチング素子。
  3. 前記第1の電極は、前記第1のイオン伝導層と接触する部位が金属イオンを供給する材料を含み、
    前記第2の電極は、前記第1および第2のイオン伝導層と接触する部位が前記金属イオンを供給しない材料で構成され、
    前記第3の電極は、前記第2のイオン伝導層と接触する部位が前記金属イオンを供給する材料を含む構成である、請求項1記載のスイッチング素子。
  4. 前記金属イオンを供給する材料は、銅、銀および鉛のうち少なくともいずれかを主材料とする金属または合金であり、
    前記金属イオンを供給しない材料は、白金、アルミニウム、金、チタン、タングステン、ニッケル、パラジウム、タンタル、クロム、もしくはモリブデン、または、これらの金属のうち少なくともいずれかの窒化物、または、これらの金属のうち少なくともいずれかのシリサイド、または、これらの金属のうち複数の金属を組み合わせた合金であり、
    前記第1および第2のイオン伝導層の材料は、金属または半導体と、酸素、硫黄、セレンおよびテルルのうちいずれかのカルコゲン元素との化合物である、請求項2または記載のスイッチング素子。
  5. 前記金属イオンを供給する材料が銅であり、前記金属イオンを供給しない材料が白金であり、前記第1および第2のイオン伝導層の材料が酸化タンタルである、請求項4記載のスイッチング素子。
  6. 前記第1のイオン伝導層がスパッタリング法により堆積した膜で形成されている、請求項1からのいずれか1項記載のスイッチング素子。
  7. 第1および第2のイオン伝導層と、該第1イオン伝導層に接して設けられた第1の電極および第2の電極と、前記第2イオン伝導層に接し、前記第1の電極と第2の電極間の電気伝導度を制御するための第3の電極とを有するスイッチング素子の製造方法であって、
    基体上に前記第3の電極を形成し、
    前記第3の電極の上に前記第2のイオン伝導層を形成し、
    前記第2のイオン伝導層の上に、一部が前記第2のイオン伝導層を介して前記第3の電極の一部を覆う前記第2の電極を形成し、
    前記第2のイオン伝導層の上面のうち前記第2の電極を除く領域と前記第2の電極の側面および上面を覆う前記第1のイオン伝導層を形成し、
    前記第1のイオン伝導層の上に、一部が前記第1のイオン伝導層を介して前記第2の電極の一部を覆い、他の一部が前記第1および第2のイオン伝導層を介して前記第3の電極の他の一部を覆う前記第1の電極を形成する、スイッチング素子の製造方法。
  8. 前記第1のイオン伝導層の形成にスパッタリング法を用いる請求項7記載のスイッチング素子の製造方法。
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