JP5446829B2 - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池モジュールに関するものである。
近年、環境問題や省エネルギー化対策のひとつとして、太陽電池の普及が期待されている。今後も普及率を高めていくためには、更なるコスト削減が必須である。コスト削減に向けては、太陽電池そのものの製造費削減、運搬費削減、施工費削減、の主に3つの削減手段が考えられる。これらの中でも、今後メガソーラーと呼ばれる大型の太陽電池発電所の建設計画が世界各国で進められている中で、運搬費と施工費を削減できることは、非常に有効なコスト削減の一手段になり得る。
運搬費および施工費を効率的に削減するためには、太陽電池モジュール本体と補強材とで構成される太陽電池モジュールの厚さを低減することが有効である。太陽電池モジュールを従来よりも薄くすれば、運搬車量へ積み込める数量を多くすることができるため、運搬車両数を削減することができ、ハンドリングし易くなるため、運搬車両への積み降ろし時や、現場で組み立て設置時の施工性も高めることができるからである。
従来の太陽電池モジュールは、主に2種の方法で構成される。
ひとつの方法は、特許文献1および特許文献2に示されるような太陽電池モジュール本体の周囲にフレームを設置するフレーム補強方式である。
もうひとつの方法は、フレーム補強方式において問題となる太陽電池モジュールの厚さの増大を防ぐことを狙った、特許文献3に示されるようなフレーム補強を施さないフレームレス方式である。
特開2008−205519号公報 特開2009−267130号公報 特開2007−266041号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載されたようなフレーム補強方式では、太陽電池モジュールに風荷重あるいは雪荷重が作用した場合の面外変形および曲げ応力を十分小さくするために、背の高いフレームが必要になり、その結果として太陽電池モジュールの厚さが増大することになる。特許文献1および特許文献2においては、図14に示すように、太陽電池モジュール本体Pの厚さTが3mm〜5mmであるのに対し、フレームFの背Hは40mm〜60mmと読み取ることができる。また実際に、900mm×1350mmの矩形の平面寸法を有する太陽電池モジュール本体が、板厚4mmの強化ガラス(ヤング率=50〜80GPa)で構成されている場合では、200kg/m2の風荷重が太陽電池モジュール本体に垂直に作用した際の、太陽電池モジュールの面外変形および曲げ応力を十分小さい値に押さえ込もうとすると、太陽電池モジュール本体の周囲に配置される補強フレームの必要曲げ剛性は30000〜50000kN・cm2程度と算出される。この必要曲げ剛性をアルミ製あるいはスチール製の補強フレームで実現するためには、補強フレームの必要背は40mm〜50mm程度と算出される。
また、特許文献3に記載されたようなフレームレス方式では、太陽電池モジュール本体のみで、風荷重や雪荷重に抵抗しなければならないため、太陽電池モジュールの平面寸法を大きくすることができない。たとえば、前述の板厚4mmの強化ガラス(ヤング率=50〜80GPa)に、200kg/m2の風荷重が作用する場合では、太陽電池モジュール本体の面外変形および曲げ応力を十分小さい値にとどめるための、太陽電池モジュールの短辺の最大寸法は600mm程度と小さくなり、一定の発電出力を得るために必要になる太陽電池モジュールの数量や、設置現場での接合点数が増大することとなり、施工性は低下することになる。
本発明の目的は、十分な剛性および強度を確保したうえで、補強材と太陽電池モジュール本体とで構成される太陽電池モジュールの厚さを低減し、運搬性および施工製を高めた太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明の太陽電池モジュールは、受光面と裏面を有する太陽電池モジュール本体の裏面全部または一部が、凹凸を有する裏面補強板により覆われるように補強され、剛性および強度が高められたことを特徴とする。
この際、前記凹凸を有する裏面補強板は金属製である。
さらに、前記凹凸を有する裏面補強板は、折板あるいは波板である。
また、前記太陽電池モジュール本体と、前記凹凸を有する裏面補強板とは、両者の接触面において、前記接触面全部または一部に接着剤または樹脂が施されることにより固着され一体とされる。
さらに、前記太陽電池モジュール本体と、前記凹凸を有する裏面補強板との間に形成される間隙部に、樹脂が充填される。
また、本発明の太陽電池モジュールでは、前記太陽電池モジュールは矩形であり、その短辺あるいは長辺の対向する2辺に、周辺補強フレームが施され、前記周辺補強フレームは、中間補強フレームで連結される。
さらに、前記中間補強フレームは、少なくとも1つのウェブおよびフランジを有しかつ前記裏面補強板の一部と同じ断面形状を有する形鋼である。
以上のような本発明によれば、太陽電池モジュール本体と金属製補強材とで構成される太陽電池モジュールの剛性および強度を確保すると同時に、太陽電池モジュールの厚さを低減させ、運搬性および施工性を高めることができる。
本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールを示す図である。 前記太陽電池モジュールの構成を示す分解斜視図である。 前記太陽電池モジュールの裏面補強板の断面構成を示す図である。 前記裏面補強板の他の断面構成を示す図である。 前記太陽電池モジュールの周辺補強フレームの断面形状を示す図である。 前記太陽電池モジュールの中間補強フレームの断面形状を示す図である。 前記中間補強フレームの他の断面形状を示す図である。 本発明の第一の実施例を示す図である。 本発明の第二の実施例を示す図である。 本発明の第三の実施例を示す図である。 本発明の第四の実施例を示す図である。 本発明の第五の実施例を示す図である。 本発明の第六の実施例を示す図である。 従来技術の一例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
ここで、図1は、太陽電池モジュール1の基本的な構成を示す図であって、図1(A)は、太陽電池モジュール1の構成を分かりやすくために、太陽電池モジュール本体2を除いて、立体的に示した模式図であり、図1(B)は、図1(A)に示すX−X矢視線位置における断面構成を、太陽電池モジュール本体2と合わせて示した図である。また、図2は、太陽電池モジュール1の基本的な構成を示す分解斜視図であって、太陽電池モジュール1を構成する太陽電池モジュール本体2、裏面補強板3、長辺補強フレーム4、短辺補強フレーム5を別々に分解して、立体的に示した模式図である。
(太陽電池モジュール本体と凹凸を有する裏面補強板との接合)
本発明における太陽電池モジュール1は、太陽電池モジュール本体2と、凹凸を有する裏面補強板3とで構成されることが基本となる。太陽電池モジュール本体2と、凹凸を有する裏面補強板3との固着方法としては、ボルト、ねじ、リベット、かしめ、圧着、勘合、接着などを利用することができる。接着による場合には、太陽電池モジュール本体2と、凹凸を有する裏面補強板3との接触面全部に接着剤6を塗布して固着してもよく、また接触面に部分的に接着剤6を塗布して固着してもよい。これらの方法で太陽電池モジュール本体2の裏面に、凹凸を有する裏面補強板3を固着して構成することにより、風荷重や雪荷重による太陽電池モジュール本体2の面外への曲げ変形を低減することができる。
(凹凸を有する裏面補強板の断面形状)
凹凸を有する裏面補強板3の形状は、折板や波板をはじめとする図3、図4に示すような断面形状にすることができる。図3(A)〜(C)に示すような連続的な断面形状としても良く、また図3(E)、(F)に示すような不連続な断面形状でも良く、更に図4(G)、(H)に示すような平板部を有するものでも良い。
また、凹凸を有する裏面補強板3の端部を図4(I)、(J)に示すように折り曲げ加工しても良い。図4(I)のように端部を折り曲げることで、太陽電池モジュール1の面外面外剛性を高めることができる。また図4(J)のように端部を折り曲げ、太陽電池モジュール本体2の端部を包み覆うように加工することで、太陽電池モジュール本体2の端部を保護することができる。
また、凹凸を有する裏面補強板3は、図3(D)に示すような複数の板により構成されるものでも良い。
また、太陽電池モジュール本体2裏面と、凹凸を有する裏面補強板3の凹部とで形成される間隙部に樹脂を充填することができる。樹脂を充填することにより、太陽電池モジュール本体2と裏面補強板3との合成構造効果が高くなるため、太陽電池モジュール1の剛性および強度を向上させることができる。
また、凹凸を有する裏面補強板3は、太陽電池モジュール本体2の裏面全部を覆う必要はなく、図4(K)〜(O)に示すような、比較的幅の狭い裏面補強板3により、太陽電池モジュール本体2の裏面を部分的に覆うものでも良い。
(周辺補強フレーム)
凹凸を有する裏面補強板3を固着させた方形の太陽電池モジュール本体2の周辺部において、周辺補強フレーム4,5を配置する。周辺補強フレーム4,5の断面形状は図5に示すようなC形鋼、S形鋼、H形鋼等とすることができ、太陽電池モジュール1の四辺ともに配置しても良く、また短辺を構成する対向する2辺のみに、あるいは長辺を構成する対向する2辺のみに配置しても良い。また、周辺補強フレームは4,5、太陽電池モジュール本体2および凹凸を有する裏面補強板3とを合わせて挟み込み固着されるものとし、固着の方法としては、ボルト、ねじ、リベット、かしめ、圧着、勘合、接着等を利用することができる。
(中間補強フレーム)
前記の対向する2辺に配置される周辺補強フレーム4,5を、中間補強フレーム9により連結して、更に剛性および強度を高めることができる。中間補強フレーム9は、少なくとも1つのウェブおよびフランジを有しかつ裏面補強板3の一部と同じ断面形状を有する形鋼であればよく、図5に示すような周辺補強フレーム4,5と同じフレーム(ただし裏面補強板3の一部と同じ断面形状を有するもの)を使用しても良いし、図6、図7に示すような断面形状を有するもの(ただし裏面補強板3の一部と同じ断面形状を有するもの)を使用しても良い。また、中間補強フレーム9は、周辺補強フレーム4,5に固着されるものとし、固着の方法としては、ボルト、ねじ、リベット、かしめ、圧着、勘合、接着等を利用することができる。
以下に、さらに図8〜図13を参照しながら、本発明に好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の参考例1〜5はそれ自体では本発明に該当しないが、後述する本発明の実施例1の要素として利用されるものである。
参考例1)
太陽電池モジュール本体2の裏面に、凹凸を有する裏面補強板3として折板を設置し固着して構成される太陽電池モジュール1を、図8を利用して説明する。凹凸を有する裏側補強板3の断面形状は、図8(B)に示すとおりであり、折板の山高さ30mm、上フランジ幅30mm、下フランジ幅30mmであり、平面寸法は長辺方向長さは1350mm、短辺方向幅は900mmであり、板厚は1.0mmであり、材質は鋼材である。太陽電池モジュール本体2の裏面と接する部分にはエポキシ接着剤6を塗布し両者を固着している。
参考例2)
太陽電池モジュール本体2と、凹凸を有する裏面補強板3との間に形成される間隙部に樹脂8を充填した太陽電池モジュール1を、図9を利用して説明する。凹凸を有する裏面補強板3の断面形状は、図9(B)に示すとおりであり、折板の山高さ25mm、上フランジ幅30mm、下フランジ幅30mmであり、平面寸法は長辺方向長さは1350mm、短辺方向幅は900mmであり、板厚は0.9mmであり、材質は鋼材である。太陽電池モジュール本体2の裏面と、折板の凹部とで囲まれる間隙部に、発泡ウレタン樹脂8を充填することにより、実施例1で示した太陽電池モジュール1よりも、太陽電池モジュール本体2と折板との合成構造効果を高めることができる。そのため、太陽電池モジュール1の面外曲げ剛性を高めることができ、実施例1よりも折板の山高を低く、また折板の板厚を薄くすることができる。
参考例3)
凹凸を有する裏面補強板3を離散的に配置した太陽電池モジュール1を、図10を利用して説明する。太陽電池モジュール本体2の裏面に固着される裏面補強板3の断面形状は、図10(B)に示すとおりであり、折板の山高さ35mm、上フランジ幅35mm、下フランジ幅30mmであり、1枚の裏面補強板3の平面寸法は190mm×900mmであり、板厚は3.0mmであり、材質はアルミ材である。また実施例3における裏面補強板3の構成は図10(B)に示すとおりであり、4枚の折板をほぼ等間隔に配置しており、太陽電池モジュール本体2との間に形成される間隙部には、ウレタン樹脂8を充填し固着されている。太陽電池モジュール本体2の面外への曲げ剛性が期待できる場合には、実施例3のように凹凸を有する裏面補強板3を離散的に配置することが効果的である。
参考例4)
凹凸を有する裏面補強板3により補強された太陽電池モジュール本体2の周囲に、更に周辺補強フレーム4,5を配置した太陽電池モジュール1を、図11を利用して説明する。凹凸を有する裏面補強板3の断面形状は、図11(B)に示すとおりであり、折板の山高さ20mm、上フランジ幅30mm、下フランジ幅30mmであり、平面寸法は1350mm×900mmであり、板厚は0.6mmであり、材質は鋼材である。また太陽電池モジュール本体2の周囲四辺において、ウェブ高さ30mm、フランジ幅15mmのC形鋼からなる周辺補強フレーム4,5が、太陽電池モジュール本体2とその裏面に設置された裏面補強板3とを挟み込むように固着され一体化されている。
参考例5)
凹凸を有する裏面補強板3を、太陽電池モジュール本体2の裏面を部分的に覆うように設置して固着し、太陽電池モジュール1の対向する2辺にC形断面を有する周辺補強フレーム4を配置した太陽電池モジュール1を、図12を利用して説明する。凹凸を有する裏面補強板3の断面形状は、図12(B)に示すとおりであり、2枚に分割されており、折板の山高さ20mm、上フランジ幅30mm、下フランジ幅30mmであり、1枚の裏面補強板3の平面寸法は400mm×900mmであり、板厚は0.6mmであり、材質は鋼材である。また太陽電池モジュール本体2の対向する2辺である長辺において、ウェブ高さ30mm、フランジ幅15mmのC形鋼からなる周辺補強フレーム4が、太陽電池モジュール本体2とその裏面に設置された裏面補強板3とを挟み込むように固着され一体化されている。更に、太陽電池モジュール本体2の対向する2辺である短辺において、凹凸を有する裏面補強板3は、太陽電池モジュール本体2を部分的に包み覆うように加工されている。
(実施例
凹凸を有する裏面補強板3を、太陽電池モジュール本体2の裏面を部分的に覆うように設置して固着し、太陽電池モジュール1の対向する2辺にC形断面を有する周辺補強フレーム4を配置するとともに、周辺補強フレーム4間に中間補強フレーム9を配置した太陽電池モジュール1を、図13を利用して説明する。
なお、本実施例において、太陽電池モジュール本体2、裏面補強板3および発泡ウレタン樹脂8の充填ついては前述した参考例1〜3で説明した通りであり、周辺補強フレーム4については前述した参考例4,5で説明した通りである。
本実施例において、凹凸を有する裏面補強板3の断面形状は、図13(B)に示すとおりであり、2枚に分割されており、折板の山高さ20mm、上フランジ幅30mm、下フランジ幅30mmであり、1枚の裏面補強板3の平面寸法は400mm×900mmであり、板厚は0.6mmであり、材質は鋼材である。また太陽電池モジュール本体2の対向する2辺である長辺において、ウェブ高さ30mm、フランジ幅15mmのC形鋼からなる周辺補強フレーム4が、太陽電池モジュール本体2とその裏面に設置された裏面補強板3とを挟み込むように固着され一体化されている。さらに、中間補強フレーム9の断面形状は、山高さ20mm、上フランジ幅15mm、下フランジ幅30mmの1つの山からなる折板であり、板厚は0.6mm、材質は鋼材である。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含むことができる。
また、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
1 太陽電池モジュール
2 太陽電池モジュール本体
3 裏面補強板
4 長辺補強フレーム(周辺補強フレーム)
5 短辺補強フレーム(周辺補強フレーム)
6 接着剤
7 太陽電池モジュール本体を除いて示した太陽電モジュールの補強構造
8 樹脂
中間補強フレーム

Claims (1)

  1. 受光面と裏面を有する太陽電池モジュール本体の裏面全部または一部が、凹凸を有する裏面補強板により覆われるように補強され、剛性および強度が高められ、
    前記凹凸を有する裏面補強板は金属製であり、
    前記凹凸を有する裏面補強板は、折板あるいは波板であり、
    前記太陽電池モジュール本体と、前記凹凸を有する裏面補強板とは、両者の接触面において、前記接触面全部または一部に接着剤または樹脂が施されることにより固着され一体とされ、
    前記太陽電池モジュール本体と、前記凹凸を有する裏面補強板との間に形成される間隙部に、樹脂が充填され、
    前記太陽電池モジュールは矩形であり、その短辺あるいは長辺の対向する2辺に周辺補強フレームが施され、前記周辺補強フレームは、中間補強フレームで連結され、
    前記中間補強フレームは、少なくとも1つのウェブおよびフランジを有しかつ前記裏面補強板の一部と同じ断面形状を有する形鋼であることを特徴とする太陽電池モジュール。
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