JP5441804B2 - 太陽電池装置 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池装置、特に、陸屋根型の太陽電池装置に関する。
従来、陸屋根型の太陽電池装置は、強風等に耐え得る堅牢性を確保するための技術が提案されている。例えば、特許文献1の技術では、L字型フレーム材からなり、積雪荷重や地震荷重等に耐える充分な強度を有する架台上に太陽電池パネルを固定し、基礎となる複数のブロックは風荷重に対するカウンターウェイトを備える構成を採用する。特許文献2の技術では、S字鋼等からなる架台に、外周枠に予め固定されたアングル材を介して太陽電池パネルを固定する構成を採用する。
特開平11−177114号公報 特開2005−98058号公報
太陽電池パネルは、架台を構成する主材の取り付け孔と、太陽電池パネルの枠体底部の取り付け孔とにボルトを通し、ナット等で強固に(リジット(rigid)に)固定される。陸屋根用の太陽電池装置が設置される屋外は季節や昼夜によって気温が変化するため、太陽電池パネルや架台は、熱による膨張および収縮を繰り返す。このとき、各固定点には、各部材の熱膨張係数の差に起因する熱応力が働くことになる。この熱応力が繰り返し働くことによって、ボルトおよびナット等による固定部分の緩みや、構造の変形および破損等、不具合の発生が問題となる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、太陽電池パネルや架台等の要素における応力を緩和させ、固定部分の緩みや構造の変形および破損を低減可能とする太陽電池装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、枠体に固定された太陽電池パネルと、前記枠体が取り付けられた主材を備え、前記太陽電池パネルを支持する架台と、を有し、前記主材に前記枠体が取り付けられる取り付け箇所は、1つの前記太陽電池パネルについて少なくとも4つあって、1つの前記太陽電池パネルに対する前記取り付け箇所の少なくとも1つはリジットな固定とされ、前記取り付け箇所のうちリジットな固定とする箇所以外の箇所はルーズフィットな取り付けとされることを特徴とする。
本発明によれば、太陽電池パネルや架台等の要素における応力を緩和させ、長期において、固定部分の緩みや構造の変形および破損を低減できるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池装置のうち、太陽電池パネルおよび枠体の上面図である。 図2は、図1に示す太陽電池パネルおよび枠体を、太陽電池パネルがなす矩形形状の短辺側から見た側面図である。 図3は、太陽電池装置を構成する架台の側面図である。 図4は、架台の上面図である。 図5は、架台に太陽電池パネルおよび枠体が取り付けられた太陽電池装置の側面図である。 図6は、図5に示す構成のAA断面図である。 図7は、押さえ板が設けられた取り付け箇所の横断面図である。 図8は、図7に示す押さえ板の下面図である。 図9は、押さえ板が設けられた取り付け箇所の変形例を示す横断面図である。 図10は、図9に示す押さえ板の下面図である。
以下に、本発明にかかる太陽電池装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池装置のうち、太陽電池パネルおよび枠体の上面図である。図2は、図1に示す太陽電池パネルおよび枠体を、太陽電池パネルがなす矩形形状の短辺側から見た側面図である。太陽電池パネル1は、枠体を構成する長辺枠2および短辺枠3と一体に固定されている。長辺枠2は、太陽電池パネル1の矩形形状の長辺に沿って設けられている。短辺枠3は、太陽電池パネル1の矩形形状の短辺に沿って設けられている。長辺枠2の両端部は、それぞれ短辺枠3に固定されている。
図3は、太陽電池装置を構成する架台の側面図である。図4は、架台の上面図である。架台は、太陽電池パネル1を支持する。架台は、主材4、前柱材5、後柱材6、ベース材7、連結板8、斜め材9および基礎10を備える。主材4は、架台のうち太陽光の入射側に位置し、太陽電池パネル1の枠体が取り付けられる。
前柱材5は、一方の端部が主材4の側面に当接して固定されている。前柱材5のうち主材4に固定された部分より下側の部分は、ベース材7に固定されている。前柱材5に相対する位置の後柱材6は、一方の端部が主材4の側面に当接して固定されている。後柱材6のうち主材4側とは反対の端部は、ベース材7に固定されている。主材4を傾斜させるべく、後柱材6は、前柱材5より長く構成されている。
斜め材9は、後柱材6に対して斜めに設けられている。斜め材9は、一方の端部が主材4の側面に当接して固定されている。斜め材9のうち主材4側とは反対の端部は、連結板8に固定されている。連結板8は、後柱材6と斜め材9とを連結して三角部を構成し、架台の前後方向における強度を補強している。
ベース材7の底部は、アンカーボルト等によって基礎10に固定されている。基礎10は、陸屋根の平面部GLに固定されている。主材4は、陸屋根の平面部GLに対して傾けられて配置されている。
図5は、架台に太陽電池パネルおよび枠体が取り付けられた太陽電池装置の側面図である。図6は、図5に示す構成のAA断面図である。各太陽電池パネル1は、2本の主材4に取り付けられている。1つの太陽電池パネル1について、主材4に枠体が取り付けられる取り付け箇所は4つとされている。1つの太陽電池パネル1についての4つの取り付け箇所は、いずれも長辺枠2と主材4とが交差する位置であって、互いに点在させて配置されている。
押さえ板11は、1つの太陽電池パネル1に対して、4つの取り付け箇所を角とする矩形のうち対角をなす2箇所に設けられている。4つの取り付け箇所のうち、押さえ板11が設けられた以外の2箇所は、固定用ボルトナット12等によって、長辺枠2の底部と主材4とが固定されている。
4つの取り付け箇所のうち、押さえ板11が設けられた以外の箇所であって矩形の対角をなす2箇所は、リジットな固定とする箇所とされている。また、4つの取り付け箇所のうち、押さえ板11が設けられた2箇所は、ルーズフィットな取り付けの箇所とされている。ルーズフィットな取り付けとは、取り付け箇所を構成する各部同士が、屋外の温度変化に起因する熱応力を緩和可能な程度の自由度で相対移動し得る取り付け状態をいうものとする。また、リジットな固定とは、取り付け箇所を構成する各部同士が、屋外の温度変化に起因する熱応力では相対移動し得ない程度の強固な固定状態をいうものとする。
図7は、押さえ板が設けられた取り付け箇所の横断面図である。図8は、図7に示す押さえ板の下面図である。固定用ボルト12aは、押さえ板11および主材4を貫通させて取り付けられている。ワッシャーやスプリングナットを挟み込んで固定用ナット12bに固定用ボルト12aが締め込まれ、主材4に押さえ板11が固定されている。
押さえ板11は、ダブルクランチ形状をなしている。押さえ板11を主材4に固定したときに、押さえ板11の押さえ部11aは、主材4との間に、長辺枠2の底部2aを挟みこむための隙間を構成する。長辺枠2の底部2aは、押さえ部11aによって主材4に押さえ付けられている。押さえ板11が設けられた取り付け箇所では、底部2aは、主材4に完全には固定されておらず、押さえ部11aにより押さえ付けられるのみのルーズフィットな取り付けとされている。
押さえ板11のうち固定用ボルト12aを貫通させる貫通孔11dは、押さえ部11a以外の部分に設けられている。押さえ板11は、押さえ部11a以外の部分において、固定用ボルト12aおよび固定用ナット12bを用いて主材4に固定されている。当接部11bは、押さえ板11のうち主材4に固定された部分の近傍において主材4側に突出させて形成されている。
当接部11bは、主材4の長手方向に垂直な方向である幅方向(図7の紙面に垂直な方向)において主材4を跨ぐように、押さえ板11の両端に形成されている。当接部11bは、主材4の上面において主材4を挟み込み、いずれも主材4に当接している。当接部11bは、固定用ボルト12aおよび固定用ナット12bにより主材4に押さえ板11を固定する際における、押さえ板11の回り止めの機能を有している。
図9は、押さえ板が設けられた取り付け箇所の変形例を示す横断面図である。図10は、図9に示す押さえ板の下面図である。突起部11cは、押さえ部11aのうち底部2aを押え付ける側の面に形成され、円柱形状をなしている。底部2aおよび主材4には、突起部11cが挿入される孔部が形成されている。
底部2aおよび主材4の孔部は、挿入された突起部11cの周囲に隙間を構成するように、突起部11cの断面より大きく形成されている。これにより、枠体の伸縮に対して裕度を確保することが可能となる。なお、押さえ板11は、当接部11bおよび突起部11cの双方を有しても良く、いずれも設けないこととしても良い。
日中、太陽電池パネル1は、太陽光が入射することにより発電すると同時に、太陽光の熱等によって温度が上昇する。太陽電池パネル1と同様にして、枠体も温度が上昇する。夜間は、太陽電池パネル1および枠体は、放熱によって温度が下がる。温度は、昼夜の他にも、季節や天候によっても変化する。
従来、陸屋根型の太陽電池装置は、主材4に太陽電池パネル1の枠体を4点以上リジットに取り付け固定されるものが一般的とされる。枠体は、耐候性や耐食性に優れるアルミニウム合金が多く採用されている。太陽電池パネル1は、強化ガラスに複数の太陽電池セルが連結され、樹脂材(EVA)および裏面シート(樹脂系シート)によりラミネートされている。架台の多くは、概ねL型、コ型の鋼材で構成されている。
このように、太陽電池装置は、各種の材料からなる部材を組み合わせて構成されている。太陽電池パネル1や架台は、それぞれの熱膨張係数に応じて、熱膨張および収縮を繰り返す。熱膨張係数の差による寸法差が生じると、各固定点には熱応力が働くこととなる。この熱応力が繰り返し働くことによって、ボルトおよびナット等による固定部分の緩みや、構造の変形および破損等、不具合の発生が問題となる。
本実施の形態では、1つの太陽電池パネル1における4つの取り付け箇所のうち、対角に位置する2箇所をリジットな取り付けとし、それ以外の2箇所をルーズフィットな取り付けとする。太陽電池パネル1の横方向および縦方向における寸法変化に対しては、ルーズフィットな取り付けを構成する各部同士の相対的な往復移動によって、熱応力を大幅に低減させる。
1つの太陽電池パネル1における4つの取り付け箇所のうちリジットな取り付け箇所は1つとし、ルーズフィットな取り付け箇所を3つとしても良い。この場合も、太陽電池パネル1の横方向および縦方向における寸法変化に対して、ルーズフィットな取り付けを構成する各部同士の相対移動によって、熱応力を大幅に低減させることができる。これにより、太陽電池パネル1や架台等の要素における応力を緩和させ、長期において、固定部分の緩みや構造の変形および破損を低減させることが可能となる。
本実施の形態は、1つの太陽電池パネル1について5つ以上の取り付け箇所がある構成に応用しても良い。1つの太陽電池パネル1について少なくとも4つある取り付け箇所のうち、少なくとも1つはリジットな固定とし、それ以外の箇所はルーズフィットな取り付けとすることで、熱応力を低減させる効果を得ることができる。
リジットな取り付け箇所は固定用ボルトナット12による固定とし、ルーズフィットな取り付け箇所は押さえ部11aによって底部2aを主材4に押え付ける構成とすることで、枠体は縦方向および横方向で自由に伸縮が可能となり、更なる熱応力の低減が可能となる。
押さえ部11aに形成された突起部11cと、突起部11cが挿入された周囲に隙間を構成する孔部を設けることで、架台に対する太陽電池パネル1の位置決めが容易になるとともに、孔部内にて突起部11cを移動可能とすることで、熱応力を逃がす構成を実現できる。
押さえ板11の固定部分の近傍において当接部11bを主材4に当接させることで、押さえ板11を主材4に固定する際における押さえ板11の回り止めが可能となる。
以上のように、本発明にかかる太陽電池装置は、陸屋根型の太陽電池装置として有用である。
1 太陽電池パネル
2 長辺枠
2a 底部
3 短辺枠
4 主材
5 前柱材
6 後柱材
7 ベース材
8 連結板
9 斜め材
10 基礎
11 押さえ板
11a 押さえ部
11b 当接部
11c 突起部
11d 貫通孔
12 固定用ボルトナット
12a 固定用ボルト
12b 固定用ナット

Claims (5)

  1. 枠体に固定された太陽電池パネルと、
    前記枠体が取り付けられた主材を備え、前記太陽電池パネルを支持する架台と、を有し、
    前記主材に前記枠体が取り付けられる取り付け箇所は、1つの前記太陽電池パネルについて少なくとも4つあって、1つの前記太陽電池パネルに対する前記取り付け箇所の少なくとも1つはリジットな固定とされ、前記取り付け箇所のうちリジットな固定とする箇所以外の箇所はルーズフィットな取り付けとされることを特徴とする太陽電池装置。
  2. 1つの前記太陽電池パネルについて点在させた4つの前記取り付け箇所があって、4つの前記取り付け箇所を角とする矩形のうち対角をなす2箇所が、前記リジットな固定とする箇所であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池装置。
  3. 前記取り付け箇所のうち前記リジットな固定とする箇所以外の箇所に設けられた押さえ板を有し、
    前記押さえ板は、前記主材との間に前記枠体の底部を挟みこむ隙間を構成する押さえ部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池装置。
  4. 前記押さえ部のうち、前記枠体の底部を押え付ける側の面に形成された突起部と、
    前記枠体の底部に形成され、前記突起部が挿入される孔部と、を有し、
    前記孔部は、挿入された前記突起部の周囲に隙間を構成することを特徴とする請求項3に記載の太陽電池装置。
  5. 前記押さえ板は、前記枠体の底部を押え付ける部分以外の部分において前記主材に固定され、
    前記押さえ板のうち前記主材に固定された部分の近傍において前記主材側に突出させて形成され、前記主材に当接された当接部を有することを特徴とする請求項3または4に記載の太陽電池装置。
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