JP5581077B2 - 屋根上取付具およびその取付構造 - Google Patents

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Description

本発明は、波形屋根の頂部より突出したボルト体に挟着させて屋根上に取り付けるようにした屋根上取付具およびその取付構造に関する。
一般に、折板屋根(角波形屋根)、丸波形屋根等の波形屋根の上面に、例えばテレビアンテナや空調機器、太陽電池パネル、遮熱シート等の各種機器・部材類等の屋根上取付物を配設することが実施されており、従来には、このような屋根上取付物を屋根上に取り付けるための種々の屋根上取付具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特に、波形屋根の頂部で隣接する屋根材を重ねた重合部をボルト体とナットの螺着によって固定した構造のものでは、その頂部で、屋根の下方より屋根を貫通して屋根上に突出させた、屋根材連結のためのボルト体を対向する挟着片で挟み込んで固定する挟着具によって構成された屋根上取付具も提案されている。
この挟着具は、両脚片を備えて断面略門形に形成した本体部と、その両脚片の下端から対向するように延びた両挟着片とを備えており、両脚片を横方向に貫く緊締用ボルト、ナットで緊締して、ボルト体に両挟着片を挟着させて取り付ける構造となっている。このような取付構造によれば、両挟着片の先端部がボルト体のネジ溝に食い込んで固定できるため、挟着具が外れる可能性は低い。
特許第3368374号
しかしながら、ボルト体への挟着によって装着させる方式の屋根上取付具の場合、次のような問題があった。
図6は、挟着によって装着するようにした従来の屋根上取付具の波形屋根への取付例の2例を示す概略説明図であり、図6(a)は波形屋根Yの側端縁の山部Y1の頂部Y1aにおけるハゼ式接合構造により形成されたハゼ部Dの脚部D1への挟着例であり、図6(b)は重ね式接合構造におけるボルト体Bの軸部B1への挟着例である。いずれも、各屋根上取付具の上方に遮熱シート110を固定して取り付けた例であり、2例とも、同種、同構造の屋根上取付具(挟着具100)を使用している。なお、図6(a)、(b)に示した屋根上取付具の取付例は、頂部Y1aに対する取付態様(向き)が異なるものである。なお、Y2は波形屋根Yの谷部である。
図例のように遮熱シート110を複数の挟着具100に固定して張り渡した場合、例えば遮熱シート110上に積雪した場合に雪Sの重みによって遮熱シート110の両側に配された屋根上取付具100が中央に引っ張られて、ハゼ部Dやボルト体Bに挟着した挟着片101が傾斜しながらずり上がるおそれがある。また、遮熱シート110が雨水等により湿気を帯び、その後乾燥した場合には遮熱シート110が収縮することがあり、その場合にも同様の現象が生じるおそれがある。
この場合、ハゼ部Dへ装着した挟着具100は、多少のずれや傾きが生じるおそれはあるもののハゼ部Dの上部が横方向に突出しているため、挟着具100がハゼ部Dから抜け出るおそれはほとんどないが(図6(a)参照)、ボルト体Bへ装着したものでは、強力な引っ張り力によって挟着具100が徐々に傾いていき、挟着片101の先端がボルト体Bの軸部B1をずり上がりながら外れてしまうおそれがある(図6(b)参照)。
また、ボルト体Bへの挟着により装着させる屋根上取付具の場合、ボルト止めのためのナットを頂部Y1aの上面に配する必要があるから、挟着具100を取り付けた際には脚片や挟着片101が頂部Y1aから浮いた状態となり、挟着具100が回転したりぐらついたりするおそれもあった。
したがって、このようなボルト体Bへの挟着によって装着させる方式の屋根上取付具では、外力による挟着具の傾き、ずり上がり等のずれや、回転、ぐらつき等の弛みが発生しにくい構造のものが必要とされていた。
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、挟着具のずれや弛みが発生するおそれがなく安定した状態を維持でき、なおかつ複数の屋根上取付具の上に取り付けた屋根上取付物の負荷によって挟着具が傾いたり抜けたりするおそれのない屋根上取付具および屋根上取付具の取付構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る屋根上取付具は、両脚片を備えて断面略門形に形成した本体部と、該両脚片のそれぞれの下端から対向するように折曲延設された両挟着片とをすくなくとも備えてなり、緊締用ボルトと緊締用ナットとの螺合により上記両脚片を緊締して、上記両挟着片を相互に近接させて、波形屋根の頂部より突出したボルト体に挟着させる構造とした挟着具を備えた屋根上取付具において、上記両脚片を緊締する上記緊締用ボルトと上記緊締用ナットとの螺合により、上記挟着具の両脚片の少なくとも一方の脚片の外側で上記挟着具に連結される連結片と、上記頂部に接着される接着片とを有して、側面視L字形に形成された補強用板体をさらに備え、該補強用板体を上記波形屋根の頂部の上に配設して、上記ボルト体に挟着させた上記挟着具を支持する構造としたことを特徴とする。
請求項2に係る屋根上取付具は両脚片を備えて断面略門形に形成した本体部と、該両脚片のそれぞれの下端から対向するように折曲延設された両挟着片とをすくなくとも備えてなり、緊締用ボルトと緊締用ナットとの螺合により上記両脚片を緊締して、上記両挟着片を相互に近接させて、波形屋根の頂部より突出したボルト体に挟着させる構造とした挟着具を備えた屋根上取付具において、上記両脚片を緊締する上記緊締用ボルトと上記緊締用ナットとの螺合により、上記挟着具の両脚片の少なくとも一方の脚片の外側で上記挟着具に連結される連結片と、上記頂部に接着される接着片とを有して、箱形に形成された補強用板体をさらに備え、該補強用板体を上記波形屋根の頂部の上に配設して、上記ボルト体に挟着させた上記挟着具を支持する構造としたことを特徴とする
(削除)
請求項に係る屋根上取付具では、請求項1または2において、上記補強用板体は上記頂部に対する嵌合片をさらに備えている。
請求項に係る屋根上取付具の取付構造は、請求項1〜3のいずれか1項に記載された屋根上取付具の挟着具を複数個、波形屋根の頂部に並設し、それらの屋根上取付具の上に屋根上取付物を固定できるようにした屋根上取付具の取付構造であって、上記屋根上取付具のうち両端に位置する2つの屋根上取付具の挟着具のそれぞれは、両脚片が頂部の長手方向に沿って並んで配され、それらの挟着具のそれぞれに対応する補強用板体がともに、外側の脚片に固定されていることを特徴とする。
本発明によれば、次のような効果がある。
すなわち、請求項1に係る屋根上取付具によれば、補強用板体の接着片を頂部の上に接着させて挟着具を支持する構造であるため、外力による挟着具の傾き、ずり上がり等のずれや、回転、ぐらつき等の弛みの発生を防止でき、挟着具の安定した状態を維持できる。
また、補強用板体は側面視L字形に形成されているため、製造が容易で、なおかつ堅固に挟着具を波形屋根に取り付けることができる。
(削除)
請求項2に係る屋根上取付具によれば、補強用板体の接着片を頂部の上に接着させて挟着具を支持する構造であるため、外力による挟着具の傾き、ずり上がり等のずれや、回転、ぐらつき等の弛みの発生を防止でき、挟着具の安定した状態を維持できる。
また、補強用板体は箱形に形成されているため、補強用板体自体をより頑丈に形成でき、挟着具の支持力を高めることができる。
請求項に係る屋根上取付具によれば、補強用板体が頂部に対する嵌合片をさらに備えているので、補強用板体およびそれに連結される挟着具の回転を確実に防止できる。
さらに請求項に係る屋根上取付具の取付構造によれば、屋根上取付物を取り付けるために頂部に並んで配設された複数の屋根上取付具のうち、両端に位置する2つの屋根上取付具の挟着具のそれぞれに対応する補強用板体がともに外側の脚片に固定されているので、屋根上取付物に引っ張られたときに外側からそれに抗する力が作用して挟着具が傾いたり抜けたりすることを確実に防止することができる。
本発明に係る屋根上取付具の第1の実施形態を示す説明図であり、(a)は波形屋根への取付状態を示した正面図、(b)は同側面図である。 図1に示した屋根上取付具の説明図であり、(a)は全体の分解斜視図、(b)は、(a)のX部分の拡大平面図である。 (a)、(b)は、同屋根上取付具の施工方法を示す正面図である。 本発明に係る屋根上取付具の取付構造を示す説明図である。 本発明に係る屋根上取付具の他の実施形態の説明図であり、(a)は第2の実施形態で使用される補強用板体を示す斜視図、(b)はその補強用板体の展開図、(c)は第3の実施形態で使用される補強用板体の斜視図である。 (a)、(b)は従来の屋根上取付具の設置態様を示す正面図と側面図である
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。なお以下には、本発明の屋根上取付具の取付対象である波形屋根として、角波形屋根、つまり折板屋根を例示しているが、丸波形屋根(略半円形の山部と谷部とが交互に連続する屋根)にも適用できる。また、屋根の素材としては、金属や合成樹脂、セメント系等のものが適用できる。
図1は本発明に係る屋根上取付具の第1の実施形態を示す説明図であり、図1(a)は折板屋根への取付状態を示した正面図、図1(b)は同側面図である。また、図2(a)は図1に示した屋根上取付具の分解斜視図、図2(b)は図2(a)のX部分の拡大平面図である。図3(a)、(b)は同屋根上取付具の施工方法を示す正面図である。
本実施形態に使用される折板屋根40は、山部41と谷部42とが交互に連続する屋根であって、複数の折板屋根材を側端縁の山部41の頂部41aで重合し、その重合部40aでボルト体21とナット22の螺着によって連結した重ね式構造となっている。また、ボルト孔からの水の浸入を防止するために、ナット22と頂部41aとの間に防水パッキン(不図示)が取り付けられ、さらに、ナット22と防水パッキンとの間に防水パッキンを覆う山座23が設けられている。
また、折板屋根40の裏側には、正面視で折板屋根40と略同形状をなす、ボルト止めのための支持金具43が取り付けられている。なお、屋根上取付具10を取り付けるためのボルト体21の取付位置は隣接する折板屋根材の接合部に限らず、他の頂部に支持金具43を用いてボルト体21を取り付けてもよい。
一方、屋根上取付具10は、金属板または硬質樹脂板よりなり、折板屋根40の頂部41aより上方に突出した重合部連結用の上記ボルト体21に挟着して取り付け、固定される挟着具10Aを有している。
具体的には、挟着具10Aは、上板11aと、その両端から下方に延びる両脚片11b、11bとを備えた断面略門形の本体部11と、両脚片11b、11bのそれぞれの下端から対向するように折曲延設された両挟着片12、12とをすくなくとも備えてなり、両脚片11b、11bを緊締して、両挟着片12、12を相互に近接させて、上記ボルト体21の軸部21aに、ボルト体21に螺着されたナット22の上方位置で挟着させる構造となっている。この両脚片11b、11bの緊締は、対向する両脚片11b、11bに開設された軸孔11ba、11ba(図2参照)に貫通された緊締用ボルト13と、緊締用ナット14との螺合によってなされる。
なお本実施形態では、脚片11bより延設された挟着片12が、折曲基部12aから先端部12bに向けて傾斜起立した形状となっているが、これには限定されない。
また、挟着片12の先端部12bの辺縁の略中央には、折板屋根40の頂部41aより突出したボルト体21の外周面に嵌合可能な凹所12cが形成されており、さらに凹所12cの中央には上方に傾斜起立された切り起こし片12dが形成されている。なお、この切り起こし片12dはボルト体21の軸部21aに対して鋭角的に嵌合させるものであるが、挟着片12の傾斜の程度によっては、切り起こし片12dを形成しなくてもよい。さらに、挟着片12には、挟着片12の強度を上げるためのリブ12eが形成されている。
また、この屋根上取付具10は、両脚片11b、11bを緊締する緊締用ボルト13と補強用板体取付ナット17との螺合により、両脚片11b、11bの少なくとも一方の脚片11b(緊締用ナット14を取り付けるほうの脚片11b)の外側に固定される側面視L字形の補強用板体16をさらに備えている。
この補強用板体16は、図2に示すように側面視L字形をしており、連結片16bと、その下端より直交して延び、下面に接着剤層18を有した接着片16cとからなり、連結片16bには上方に開口した切り欠き状の長穴16aが形成されており、この長穴16aに挿通される緊締用ボルト13と補強用板体取付ナット17との螺合により一方の脚片11bに固定される構造となっている。また、その脚片11bと連結片16bとの間には、挟着具10Aを緊締するための緊締用ナット14が配されている。
このように補強用板体16は、この緊締用ボルト13と補強用板体取付ナット17とで固定され、さらに緊締用ナット14の緊締用ボルト13への螺合によって挟着具10Aの緊締状態が保持されているため、挟着具10Aとの緩みが抑えられる。
なお、補強用板体16は金属板または硬質樹脂板からなり、強度保持のため一枚の平板体をL字形に折り曲げ形成したものが望ましいが、二枚の平板体を溶接、溶着もしくは接着したものでもよい。
このような補強用板体16によれば、接着片16cの下面に形成した接着剤層18で補強用板体16が折板屋根40の頂部41aに固定されるので、補強用板体16から挟着具10Aへの方向へ、あるいはその逆方向の外力が加わった際、補強用板体16はそれに抗うための十分な支えとなり得、よって挟着具10Aが傾いたり、ずり上がったりすることを抑えて、挟着具10Aを安定した状態に維持させることができる。なお図5で後述するように、この補強用板体16の構成は複数の屋根上取付具10にシート等を張り渡す場合に有効である。また本実施形態では、補強用板体16は連結片16bと接着片16cとが一体形成されたものであるため、特に強固に挟着具10Aを支持できる。
また、緊締用ボルト13と緊締用ナット14との螺合により折板屋根40の頂部41aより突出したボルト体21に両挟着片12、12を挟着させた状態で、補強用板体取付ナット17で補強用板体16を緊締用ボルト13に固定する構造であるため、きわめて容易な作業でかつ短時間のうちに屋根上取付具10を取り付けることができる。
本実施形態による屋根上取付具10の取付方法に関しては、まず両脚片11b、11bの軸孔11ba、11baに緊締用ボルト13の軸部13aを貫通させたうえで、緊締用ボルト13の先端側において緊締用ナット14により両脚片11b、11bを軽く締めて仮止め状態にし、その挟着具10Aを、頂部41aより突出したボルト体21の上方から、両脚片11b、11bの隙間15を通じてボルト体21を嵌挿する(図3(a)参照)。
つぎに、仮止め状態にしていた緊締用ボルト13および緊締用ナット14を締め付けると、この締め付け力によって両脚片11b、11bが近接して、両脚片11b、11b下端の両挟着片12、12も互いに近接し、この両挟着片12、12の両凹所12c、12cが、ボルト体21の軸部21aを挟持し、切り起こし片12dがボルト体21のネジ溝に食い込んで、挟着具10Aが折板屋根40に固定される。(図3(b)参照)。
そしてさらに、緊締用ナット14から突出した緊締用ボルト13が補強用板体16の長穴16aを挿通するようにして位置合わせをしてから補強用板体16を頂部41aの上に載置し、接着片16cを接着剤層18でもって頂部41aに接着固定する。そして、長穴16aから突出した緊締用ボルト13に対して補強用板体取付ナット17を螺着させることで補強用板体16は挟着具10Aに対して連結固定される(図3(b)参照)。
こうして取り付けた屋根上取付具10によれば、屋根上取付具10の本体部11の上に、安定した状態で、各種機器や部材類を取り付けることができる。
また、補強用板体16を挟着具10Aに連結固定した構造であるため本実施形態のように挟着具10Aが頂部41a面に接触せずに設置される場合でも、挟着具10Aが回転したりぐらついたりすることを防止することができる。特に、接着片16cが頂部41aに接着される構成であるため、いずれの方向からの外力に対しても高い抵抗力を発揮でき、挟着具10Aを堅固で安定した状態に維持することができる。
また、補強用板体16は、連結片16bを折板屋根40の上面に立設させて挟着具10Aを支持する構成であるため、屋根上取付具10の下にスペーサを設けて安定させる必要がない。その結果、挟着具10Aの下にスペーサを設ける場合のように、屋根上取付具10の位置が高くならず、ボルト体21の余裕代を大きくとることができる。
なお、補強用板体取付ナット17による補強用板体16の取り付けに際しては、折曲基部12aと連結片16bとが密着し、緩みがなくなるとさらに固定強度が高まるので、緊締用ナット14、連結片16b、補強用板体取付ナット17のそれぞれの間に位置調整や緩み止めのために、スプリングワッシャや座金等を介在させることがさらに好ましい。
ついで、図4を参照しながら、屋根上取付具10の折板屋根40への取付構造、および屋根上取付物の固定構造について説明する。
図4の例では屋根上取付物として遮熱シート30を示している。この遮熱シート30は、複数の頂部41aのそれぞれに配設した複数の屋根上取付具10に張り渡して固定されるようになっている。
具体的には、複数の屋根上取付具10を折板屋根40の頂部41aに並設し、さらに他の頂部41aにも同様に複数の屋根上取付具10を並設する。各頂部41aに配した複数の屋根上取付具10のうちの両端の2つの屋根上取付具10の挟着具10Aのそれぞれは、両脚片11b、11bが頂部41aの長手方向に沿って並ぶように配されている。なお、中間の挟着具10Aは図例のように、両端の挟着具10Aと同様の向きに配してもよいし、他の向きに配してもよい。
そして、両端の挟着具10Aのそれぞれに対して、補強用板体16が外側の脚片11bに固定される。つまり、本実施形態のように遮熱シート30を張り渡す場合には、補強用板体16は、遮熱シート30によって引っ張られる方向とは逆方向に面した外側の脚片11bに取り付けられる。
なお、中間の挟着具10Aについても、取付強度をより高めるという観点から、図例のように、補強用板体16を両脚片11b、11bの一方または両方に取り付けることが望ましい。また、図4では複数の屋根上取付具10の上に取り付ける屋根上取付物の例として遮熱シート30を示したが、テレビアンテナや空調機器、太陽電池パネルを取り付ける場合にも、上記の屋根上取付具の取付構造を適用することができる。
このように、頂部41aに並んで配設された複数の屋根上取付具10のうち、両端に位置する2つの屋根上取付具10の挟着具10Aのそれぞれに対応する補強用板体16がともに外側の脚片11bに固定されているので、遮熱シート30に引っ張られたときに、挟着具10Aの外側から、引っ張り力に抗する引っ張り力が作用して挟着具10Aが傾いたり抜けたりすることを確実に防止することができる。
なお図4では、補強用板体16を、両端に位置する挟着具10Aの外側の脚片11bに連結した例を示したが、内側の脚片11bに連結した場合でも、挟着具10Aに対して支持力を発揮できることはいうまでもない。
つぎに、本発明の他の実施形態について説明する。図5(a)は第2の実施形態で使用される補強用板体を示す斜視図、図5(b)はその補強用板体の展開図である。図5(c)は第3の実施形態で使用される補強用板体の斜視図である。
図5(a)、(b)に示した補強用板体16は箱形に形成され、一枚の板体を切断等の加工をして箱体に形成したものである。つまり補強用板体16は、1片の連結片16bと、2片に分離された接着片16c、16cと、2片の壁片16d、16dとよりなり、それぞれの接着片16c、16cの下面には接着剤層18、18が形成されている。なお、この箱形の補強用板体16は金属板または硬質樹脂板からなる一体の板状体を切り欠き、折り曲げ加工したものであるが、複数枚の平板体を溶接、溶着もしくは接着して形成したものでもよい。
このような箱形の補強用板体16によれば、補強用板体16が箱形に形成されているため、補強用板体16自体をより頑丈に形成でき、挟着具10Aの支持力を高めることができる。
また、図5(c)に示した補強用板体16は、連結片16b、接着片16cにくわえて、接着片16cの両端より下方に延びる嵌合片16e、16eをさらに備えている。この両嵌合片16e、16eは折板屋根40の頂部41aと嵌合でき、回転が規制されるようになっており、補強用板体16に連結された挟着具10Aの回転を確実に防止できる。
なお、図5に示した2種の補強用板体16と挟着具10Aとの施工方法や取付構造については第1の実施形態のものと同様であるので、図示および説明は省略する。
また、以上の実施形態で示した屋根上取付具10は図6に示したようなハゼ部に対しても装着が可能であり、その場合にも補強用板体16が挟着具10Aの安定維持に寄与することはいうまでもない。
10 屋根上取付具
10A 挟着具
11 本体部
11a 上板
11b 脚片
12 挟着片
12c 凹所
12d 切り起こし片
13 緊締用ボルト
14 緊締用ナット
16 補強用板体
16a 長穴
16b 連結片
16c 接着片
16d 壁片
16e 嵌合片
17 補強用板体取付ナット
18 接着剤層
21 ボルト体
30 遮熱シート
40 折板屋根(波形屋根)
41 山部
41a 頂部

Claims (4)

  1. 両脚片を備えて断面略門形に形成した本体部と、該両脚片のそれぞれの下端から対向するように折曲延設された両挟着片とをすくなくとも備えてなり、緊締用ボルトと緊締用ナットとの螺合により上記両脚片を緊締して、上記両挟着片を相互に近接させて、波形屋根の頂部より突出したボルト体に挟着させる構造とした挟着具を備えた屋根上取付具において、
    上記両脚片を緊締する上記緊締用ボルトと上記緊締用ナットとの螺合により、上記挟着具の両脚片の少なくとも一方の脚片の外側で上記挟着具に連結される連結片と、上記頂部に接着される接着片とを有して、側面視L字形に形成された補強用板体をさらに備え、該補強用板体を上記波形屋根の頂部の上に配設して、上記ボルト体に挟着させた上記挟着具を支持する構造としたことを特徴とする屋根上取付具。
  2. 両脚片を備えて断面略門形に形成した本体部と、該両脚片のそれぞれの下端から対向するように折曲延設された両挟着片とをすくなくとも備えてなり、緊締用ボルトと緊締用ナットとの螺合により上記両脚片を緊締して、上記両挟着片を相互に近接させて、波形屋根の頂部より突出したボルト体に挟着させる構造とした挟着具を備えた屋根上取付具において、
    上記両脚片を緊締する上記緊締用ボルトと上記緊締用ナットとの螺合により、上記挟着具の両脚片の少なくとも一方の脚片の外側で上記挟着具に連結される連結片と、上記頂部に接着される接着片とを有して、箱形に形成された補強用板体をさらに備え、該補強用板体を上記波形屋根の頂部の上に配設して、上記ボルト体に挟着させた上記挟着具を支持する構造としたことを特徴とする屋根上取付具。
  3. 請求項1または2において、
    上記補強用板体は、上記頂部に対する嵌合片をさらに備えている屋根上取付具。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載された屋根上取付具の挟着具を複数個、波形屋根の頂部に並設し、それらの屋根上取付具の上に屋根上取付物を固定できるようにした屋根上取付具の取付構造であって、
    上記屋根上取付具のうち両端に位置する2つの屋根上取付具の挟着具のそれぞれは、両脚片が頂部の長手方向に沿って並んで配され、それらの挟着具のそれぞれに対応する補強用板体がともに、外側の脚片に固定されていることを特徴とする、屋根上取付具の取付構造。
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