JP5446452B2 - 電力供給装置、被電力供給装置、電力供給装置システム、位置決め制御方法 - Google Patents
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Description
このような非接触充電は、例えば充電台に1次コイルを備え、電子機器側に2次コイルを備える。充電時には、充電台のしかるべき定位置に電子機器を置くようにして、1次コイルを駆動する。これにより、1次コイルと2次コイルとの間で誘導起電力が発生する。電子機器側では、この誘導起電力を利用して2次電池への充電を行う。
また、特許文献2のようにして、例えば凹部などの物理的な形状によって嵌合させるものが広く知られている。
特許文献3には、可動部に対して、負荷と共に移動可能に充電式電池を設けて、可動部がホームポジションに位置しているときに、充電用電源部によって充電式電池に対して非接触充電が行われるようにした構成が記載されている。
また、特許文献4には、クレードルの載置部の1次側伝送コイルに相当する位置に、1次側伝送コイルの中心に対応する許容範囲マークを含む鏡面部を設け、被充電機器である携帯電話機の2次側伝送コイル中心に相当する位置に中心位置マークを設けるようにした構成が記載されている。この構成では、例えばユーザは、携帯電話機の中心位置マークを載置部側の許容範囲マークに映しながら、中心位置を合わせるようにして載置部に載置する。これにより、携帯電話機を載置部上の正確な位置に容易に載置できるようにしている。
しかし、現実には、交流駆動では、磁極部に吸引力は発生しない。従って、特許文献1の構成は、現実的に実現することは非常に困難であると考えられる。
つまり、電子機器に対して電力を供給する電力供給装置であって、可動可能に配置されたコイルと、前記コイルを直流電流又は交流電流で駆動させる駆動制御手段とを有し、 前記駆動制御手段は、前記コイルを直流駆動させることにより、前記コイルに、前記コイルと前記電子機器が備える受電手段との間に発生する引力に応じた可動をさせるとともに、前記コイルを交流駆動させることにより、前記コイルに、前記電子機器が備える受電手段に対する誘導電力を発生させることとした。
さらに位置制御手段を有し、前記駆動制御手段は、前記コイルを直流駆動させて稼働させた後、前記位置制御手段による前記電子機器に対する位置の制御に応じて、前記交流駆動を開始させることとした。
前記駆動制御手段は、前記コイルを一定長時間直流駆動させることとした。
電力供給装置から電力の供給を受ける被電力供給装置であって、可動可能に配置されたコイルと、前記コイルを直流電流で駆動させる駆動制御手段とを有し、前記駆動制御手段は、前記コイルを直流駆動させることにより、前記コイルに、前記コイルと前記電力供給装置が備える給電手段との間に発生する引力に応じた可動をさせるとともに、前記給電手段が交流駆動したときには、前記コイルは、前記電力供給装置が備える給電手段から発生した誘導電力を受電することとした。
電力供給装置と、該電力供給装置から電力供給を受ける被電力供給装置とから成り、前記電力供給装置は、可動可能に配置された1次コイルと、前記1次コイルを直流電流又は交流電流で駆動させる駆動制御手段とを有し、前記駆動制御手段は、前記1次コイルを直流駆動させることにより、前記1次コイルに、前記1次コイルと前記被電力供給装置が備える2次コイルとの間に発生する引力に応じた可動をさせるとともに、前記1次コイルを交流駆動させることにより、前記1次コイルに、前記2次コイルに対する誘導電力を発生させ、前記被電力供給装置は、該被電力供給装置内で固定して設けられる前記2次コイルと、前記被電力供給装置において、前記1次コイルと前記2次コイルとの位置関係が適正範囲内の状態のときに、前記電力供給装置に前記被電力供給装置が置かれたことに応じては、直流駆動される前記1次コイルとの間で引力が発生するようにして、前記2次コイルが直流駆動されるように制御する2次コイル駆動制御手段とを有し、前記2次コイル駆動制御手段は、前記2次コイル駆動制御手段による直流駆動が開始された後において、前記2次コイルについて、交流駆動される前記1次コイルからの前記誘導電力を受電可能な状態となるように制御することとした。
可動可能に配置されたコイルと、前記コイルを直流電流又は交流電流で駆動させる駆動制御手段とを有する電力供給装置と電子機器との位置決め制御方法であって、駆動制御手段は、前記コイルを直流駆動させることにより、前記コイルに、前記コイルと電子機器が備える受電手段との間に発生する引力に応じた可動をさせるステップと前記コイルを交流駆動させることにより、前記コイルに、前記電子機器が備える受電手段に対する誘導電力を発生させるステップとを実行することとした。
<1.本実施形態の非接触充電装置システムの基本構成>
<2.第1実施形態>
[2−1.1次コイル可動機構の構造]
[2−2.システム構成]
[2−3.アルゴリズム]
<3.第2実施形態>
[3−1.1次コイル可動機構の構造]
[3−2.システム構成]
[3−3.アルゴリズム]
<4.第3実施形態>
[4−1.システム構成]
[4−2.アルゴリズム(第1例)]
[4−3.アルゴリズム(第2例)]
図1は、本実施形態としての非接触充電装置システムの基本的な構造を示している。
この図に示されるように、本実施形態の非接触充電装置システムは、充電台(充電器:電力供給装置)1と、2次電池で動作する電子機器(被電力供給装置)である被充電機器2とから成る。
なお、ここで図示している被充電機器2は、デジタルカメラとなっているが、これに限定されるべきものではない。
被充電機器2は、内蔵の2次電池の電力により動作するもので、充電台1から供給される充電電力を受けて、内蔵の2次電池に対して充電を行うことができる。
なお、この場合には、基板21に対して2次コイル22を取り付けたうえで、この基板21を上下逆向きにして、被充電機器2の底面内壁部に対して、ビス40により固定するようにしている。
例えば従来においては、この1次コイル12は、筐体1a内部にて固定的に取り付けられるものとなる。
これに対して、本実施形態においては、1次コイル12は、同じく充電台1の筐体1a内部に備えるとされる1次コイル可動機構17を備える。これにより、1次コイル12は、矢印Aにより示すようにして、平面方向において移動できるようになっている。なお、図においては、矢印Aは、紙面の横方向に沿った一方向により示しているが、これは、本図が正面図であることによる都合上であって、実際の平面に沿った動きとしては、例えば360°方向において自由である。もちろん、或る特定方向において動きが規制されるような構造とすることも考えられなくはない。また、1次コイル可動機構17は、1次コイル12が稼働状態にある際には、2次コイルと1次コイルとの間で適正に電力伝送が行われるだけの一定以内の距離Lが得られるようにされている。
但し、発光部15は、基板11に固定して取り付けられた状態で、1次コイル可動機構17により1次コイル12とともに可動する。このために、筐体1aの光透過部としては、発光部15についての平面方向における可動範囲をカバーするサイズ形状により形成されることが好ましい。また、充電機器1側の光透過部としても、光の波長(色)が予め設定されている場合には、設定された色の光を選択的に透過できるフィルタ機能を与えるとよい。
ここで、被充電機器2は、充電台1に載置されており、また、充電台1の1次コイル12と被充電機器2の2次コイル22については、上記の許容範囲内の距離Lが得られているとともに、平面方向における位置のズレについても、充電に必要充分な電力が伝送できるだけの許容範囲が得られているものとする。
これに対して、本実施形態においては、充電台1に被充電機器2が配置されたことに応じては、1次コイル12と2次コイル22とについて、上記した平面方向における位置ズレが許容範囲内となるようにするための制御が行われる。つまり、1次コイル12を2次コイル22に対して位置決めする制御が行われる。
また、これとともに、被充電機器2においても、2次コイル22の直流駆動を開始する。
このとき、1次コイル12と2次コイル22に流す電流は、互いに引力を生じるような磁界が発生するようにして、その極性を設定する。
このようにして1次コイル12と2次コイル22を共に直流で駆動して、1次コイル12と2次コイル22との間に引力を生じさせることで、1次コイル可動機構17により移動可能な状態にある1次コイル12は、2次コイル12の位置に引き寄せられることになる。そして、より詳細な位置決め制御のアルゴリズムについては後述するが、最終的には、上記平面方向の位置ズレについて許容範囲内に収まる状態となるようにする。
そして、平面方向の位置ズレが許容範囲内に収まったことが判定されたのであれば、上記の充電動作に切り換える。つまり、1次コイル12を交流駆動に切り換え、2次コイル22については1次コイル12から伝送される電力を受電可能な状態に切り換える。
そのうえで、本実施形態の場合には、充電台1の内部にて1次コイルが動くようにして位置決めが自動で為される。これにより、ユーザが充電台1に被充電機器2を置く際には、例えば特許文献4などの場合よりも正確さは要求されずに済む。つまり、或る程度適当に被充電機器2を充電台1に置いたとしても適正に充電が行われる充電装置システムが得られるものであり、ユーザにとっては扱いやすいものとなる。また、充電台1のほうに被充電機器2を置くためのガイドなどを設ける場合にも、デザイン的な自由度が高くなる。
[2−1.1次コイル可動機構の構造]
次に、第1実施形態について説明する。
図2は、第1実施形態としての充電台1及び被充電機器2を示す。第1実施形態は、1次コイル可動機構17として次に説明する具体的な構造を有している。
球状体層部17aは、例えば所定の直径サイズを有する多数の球状体30を、平面方向に置くようにして形成される。
そして、この球状体層部17aの上に対して、1次コイル12を取り付けた基板11を載せ置くようにする。このとき、1次コイル12と、被充電機器2内の2次コイル22との間では、必要充分な磁気結合が得られるだけの距離Lが確保されている状態となっている。
また、このためには、基板11の球状体層部17aと接触する側についても、例えば滑らかな平面として形成しておくことが必要になる。
図3は、第1実施形態としての充電台1及び被充電機器2の各システム構成例を示している。
充電台1においては、1次コイル12とともに、1次側制御部13、電源制御部14、発光部15、1次側受信部16、インジケータ18が示されている。
1次側制御部13は、例えばCPUと、RAM,ROM(若しくはフラッシュメモリ)などの記憶装置とを備えて成り、充電台1における制御を主体的に実行する。
電源制御部14は、1次側制御部13の指示に応じて、1次コイル12の駆動を制御する。
発光部15は、物理的には、図2に示したようにして、例えば筐体2aの底面部に最も近い位置において、基板21に取り付けられた状態で固定的に設けられている。発光部15は、1次側制御部13によって、発光駆動されるようになっている。
なお、発光部15の実際としては、LED((Light Emitting Diode))、フォトトランジスタ、レーザ素子などを挙げることができる。
発光部15からの光は、以降の説明から理解されるように、1次コイル12と2次コイル22との位置関係が適正範囲内であるか否かの判定のために利用されるべき出力(問い合わせ出力)である。ここで、問い合わせ出力として、その媒介に光を採用することとしているのは、例えば、光であれば1次コイル11と2次コイル22が駆動されることにより発生する磁束の影響を受けて誤検知されることが無いからである。
1次側制御部13は、通知すべき動作状態に応じて、適宜、インジケータ18としての発光素子の色を選択して駆動する。ユーザは、このようにして表示されるインジケータ18を見ることで、充電装置システムの動作状態を知ることができる。
なお、この場合の充電台1は、商用交流電源ACを入力して動作するようにされている。
2次側制御部31は、CPU及びRAM、ROM(若しくはフラッシュメモリなど)などの記憶装置から成るマイクロコンピュータと、電源制御回路などを備えて構成されるもので、被充電機器における充電動作に関する制御を実行可能とされている。
センサ部23は、例えば2次側制御部31により通電されて動作することができる。また、センサ部23にて光を検知して出力される検出信号は、2次側制御部31が取り込むようにされている。
なお、1次側受信部16から2次側通知部33の信号の伝達・送信は、例えば、パルス、FM変調波、光などによるものを考えることができる。これらの媒介も、例えばコイルに発生する磁束の影響を受けにくい、若しくは受けない。これらの媒介のうちで光以外のものは、例えば発光部15とセンサ部23との間での媒介としても利用できる。
また、充電台1において発光部15と1次側受信部16との機能を備えた1つの通信部を構成するとともに、被充電機器2においてセンサ部23と2次側通信部の機能を備えた1つの通信部を構成し、これらの通信部による相互通信が行われるようにして構成することも考えられる。
図4のフローチャートは、第1実施形態として、充電の開始に先立って、充電台1と被充電機器2とが実行する、充電位置(1次コイル12の位置)についての位置決め制御のための処理手順例を示している。なお、この図に示す処理は、充電台1における1次側制御部13としてのCPU、また、被充電機器2における2次側制御部31としてのCPUが、それぞれ、プログラムに従って実行する処理であるとしてみることができる。このようなプログラムのデータは、例えば記録媒体に記憶させて保存しておくことができる。また、ネットワーク上のサーバなどにおいて保存しておくことも可能である。
これに対してステップS101により被充電機器2の置かれたとして肯定の判別結果が得られた場合には、ステップS102以降の手順に進む。
なお、充電台1において被充電機器2を置くべき部位についての形状、デザインなどは、被充電機器2の形状デザインであるとか、汎用性を与えるべき範囲などに応じて適宜変わり得るものであり、その自由度も高い。よって、ここでの具体例についての提示は省略する。
また、上記のステップS102によるDC駆動の開始とともに、ステップS103により、1次側制御部13は、インジケータ18における所定色のパターンと、発光パターン(例えば点灯、点滅など)による発光素子の駆動を行って、現在、1次コイル位置(充電位置)についての位置決め動作中であることの通知表示が行われるようにする。
また、上記ステップS105とともに、1次側制御部13は、ステップS107により、発光部15を発光させるための駆動を実行する。このステップS107による発光駆動は、例えば発光部15の発光を開始させてから一定時間(例えば最大で2〜3秒程度)が経過した時点で発行を停止させる制御となる。
なお、発光部15の発光のさせ方として、他には、はじめにステップS107にいたって発光を開始させ、以降、後述のステップS107にて肯定の判別結果が得られて位置決めが成功したとされるときまでは発光を継続させるようにしてもよい。ただし、この場合には、発光部15を発光させている時間が長くなる分、消費電力が増加することになる。とくに、発光部15としては指向角が鋭いほうが有利であるが、指向角を高くするほど、発光部15としてのLEDなどについては高輝度とすることが必要になる。高輝度となるほど消費電力量も多くなる。また、発光部15からの光は、充電台1側の光透過部と、被充電機器2側の光透過部2bとの、2つの光透過部を通過する必要がある。この2回の光透過部の通過による光強度の減衰を考慮しても、高輝度が要求される。
本実施形態は、このようなことも配慮して、ステップS107による発光部15の発光時間について、相応の短時間としている。このようにして短時間の発光駆動としても、次に説明するようにして、被充電機器2側での光検知は、発光部15の発光期間を含むようにしてこれより長く設定されるので、位置決めが成功しさえすれば適正に受光検知が可能である。
これに対して、被充電機器2が充電台1に置かれたとして肯定の判別結果が得られた場合には、ステップS202以降の手順に進む。
ステップS202において2次側制御部31は、2次コイルのDC駆動を開始させる。
一方の被充電機器2において2次側制御部31は、ステップS202による2次コイル22のDC駆動を開始させた後において、ステップS203により、センサ部23にて光が検知されるのを待機している。
これに応じて本実施形態では、1次コイル12と2次コイル22との間での平面方向におけるずれが4mm以内でなければ、発光部15からの光は、被充電機器2の光透過部2bから入射してセンサ部23において有効に検出されない構造を与えることとしている。
このような構造は、例えば発光部15から出射される光の指向角、光透過部2bのサイズ形状、センサ部23における受光指向角などを調整することで得られる。
ステップS204により、2次側制御部31は、2次側通知部33を制御して、被充電機器2側にて発光部15からの光を受光したことを通知する信号を伝達させる。
ステップS107にて否定の判別結果が得られる場合とは、次のような場合となる。つまり、ステップS102〜S104と、ステップS202とにより、待機時間Twの時間長にわたって1次コイル12と2次コイル22とを電磁石化して、1次コイル12を2次コイル22に引き付けるようにして移動可能な状態とさせた。しかし、結果的には、1次コイル12と2次コイル22とのずれを許容範囲内に収めることができなかった場合である。
これにより、1次コイル12は、再び待機時間Twの期間にわたってDC駆動される。このとき、被充電機器2側においては、ステップS202により開始されて以降、2次コイル22をDC駆動する状態が継続されている。
これにより、1次コイル12は、再び、待機時間Twの期間にわたって、2次コイル22との間に引力を生じ、2次コイル22に引き付けられるようにして動くことが可能な状態となる。この後、さらにステップS105,S107により1次コイル12のDC駆動を停止させて発光部15を発光駆動する。これにより、さらに1次コイル12が2次コイル22に近づくようにして、1次コイル12の位置を動かすことができる。
このようにして本実施形態では、1次コイル12と2次コイル12とを、一定時間(Tw)にわたってともにDC駆動して電磁石化して引き付け合わせるという動作を繰り返すことで、1次コイル12と2次コイル22との平面方向におけるずれを許容範囲内に収まる状態にしていく。
ステップS108において1次側制御部13は、位置決め制御が成功したことを示す通知が行われるようにインジケータ18を制御する。また、これとともに、ステップS110により、これまで実行していた発光部15の発光駆動を停止させる。
また、1次側制御部13は、ステップS109により、1次コイル12について、充電動作に対応した電流量と周波数によるAC駆動を開始させる。つまり、1次コイル12に対して規定の周波数と電流量による交流電流を流す。
このとき充電台1のほうでは、1次コイル12について充電のためのAC駆動が開始されている状態にあるので、ステップS205により2次コイル22をAC駆動状態とすることで、誘導起電力が得られることになる。そこで、2次側制御部31は、ステップS206として、2次コイル22からこの誘導起電力を入力し、充電電流を生成して2次電池32に供給する動作を開始する。つまり、2次電池32への充電を開始させる。
しかし、何らかの原因で、上記充電位置の修正動作を何回繰り返しても、1次コイル12と2次コイル22との平面方向におけるずれを許容範囲内に収めることができない場合もあると考えられる。
このような場合、或る段階にて、ステップS110からステップS102に戻る手順の繰り返し回数が規定回数に至ることとなって、ステップS110にて肯定の判別結果が得られることになる。この場合には、ステップS111の手順を実行する。
[3−1.1次コイル可動機構の構造]
図5は、第2実施形態としての非接触充電装置システムを構成する充電台1及び被充電機器2を示している。なお、この図において、図1,図2などと同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
このようにして1次コイル12と電磁石17bとの間に斥力を発生させることにより、1次コイル12が取り付けられた基板11自体が電磁石17bの面上においてほぼ浮いている状態が得られる。このようにして1次コイル12が取り付けられた基板11が浮くことにより、基板11の下側面が、電磁石17b側と対向する面部との摩擦はほとんどなくなる。従って、基板11に取り付けられた1次コイル12は、平面方向において移動可能な状態が得られる。
なお、電磁石17bは、例えば、1次コイル12の平面方向における可動範囲にわたって、上記斥力によって、1次コイル12が取り付けられた基板11を浮かせることが可能な程度のサイズ形状を有するようにして形成されることが好ましい。
この状態とすることで、1次コイル12は、2次コイル12に近づくようにして移動することになる。つまり、2次コイル12に対する位置合わせが行われる。
また、上記したことを考慮すれば、この場合にも電磁石17bと基板11について互いに対向する各面は、できるだけ凹凸やざらつきの無い、滑らかな面として形成されることが好ましい。
図6は、第2実施形態に対応する充電台1及び被充電機器2の各システム構成例を示している。
なお、この図において、図3と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
また、被充電機器2については、図3と同様になる。
図7のフローチャートは、第2実施形態としての位置決め制御のために充電台1と被充電機器2が実行する処理手順例を示している。なお、この図においても、図4と同じ処理内容となるステップ(手順)については、図4と同じステップ番号を付して説明は適宜省略する。
なお、充電台1側にて実行される、上記ステップS101−1、S105−1以外のステップは、図4と同様になる。
また、被充電機器2の処理も、ここでは図4と同様となる。
また、図4,図7には示していないが、この第2実施形態及び先の第1実施形態においては、被充電機器2側において、充電に関しての表示が実行されるように構成してよい。被充電機器2側における表示として考えられるものとしては、先ず、ステップS206により充電が開始されることに応じて、以降、充電中であることを示す表示を実行させることが考えられる。さらに、2次電池32の充電量を監視して、満充電の状態になったことを示す表示を実行させてもよい。このような表示は、例えば、LEDなどの点灯により表示することとしてもよいし、液晶表示部などにより、例えば充電量が段階的に示されるようにした表示を行うようにすることも考えられる。
さらに、この第2実施形態及び先の第1実施形態においては、ステップS103による位置決め中通知表示、ステップS108による位置決め成功通知表示、ステップS111による位置決めエラー通知表示は、被充電機器2側にて実行させることも可能である。
被充電機器2は、位置決め中通知については、ステップS202により2次コイルのDC駆動を実行しているときに応じて表示させればよい。また、位置決め成功通知は、ステップS203により光が検知されたことに応じて表示させればよい。位置決めエラー通知は、例えばステップS202により2次コイル22のDC駆動を開始させてから、例えば位置決めエラーが生じたと判定できるだけの所定時間を経過してもステップS203にて光が検知されないことに応じて表示させればよい。
また、上記した各通知は、例えば文字であるとかアイコンなどによる表示としてもよい。さらに、これらの通知は、表示に代えて、音により出力させるようにしてもよい。
[4−1.システム構成]
図8は、第3実施形態としての充電台1及び被充電機器2の各システム構成例を示している。
なお、この図において、図3、図6と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
また、この図に示す第3実施形態のシステム構成は、1次コイル可動機構17に関しては、例えば第1実施形態として示した球状体層部17aを有する構造が対応する。
但し、第3実施形態としての構成は、第2実施形態に示した電磁石17bを備える1次コイル可動機構17の構造にも対応できるものであり、その場合には、充電台1において、1次側制御部13により電磁石17bを駆動するようにして構成すればよい。
これに対して第3実施形態は、被充電機器2において発光部35を備え、充電台1においてセンサ部19を備える。
なお、この場合の構造的な図示は省略するが、例えば、図1におけるセンサ部23に代えて基板21に取り付けるようにして発光部35を設け、発光部15に代えて基板11に取り付けるようにしてセンサ部19を設けることとすればよい。
第3実施形態は、このようにして通信手段を省略できることで、例えば充電台1と被充電機器2の内部構成について、より簡略なものとすることができ、それだけ設計自由度も高くなり、さらにコストダウンも期待できる。
上記システム構成による第3実施形態の充電台1と被充電機器2とが実行するアルゴリズムの第1例について説明する。
先ず、充電台1側(1次側制御部31)の処理として、ステップS301〜S305までの処理は、図4の場合と同様となる。
そのうえで、ステップS306においては、1次コイル12のAC駆動を開始させることとしている。先に、図4の説明に際して、本実施形態としては、位置決めの成功が判定されるよりも前の段階において1次コイル12のAC駆動を開始させる構成も取り得ると述べた。図9においては、この構成をステップS306として明確に示したものである。
このステップS403の処理は、ステップS401にて肯定の判別結果が得られたことに応じて、ステップS402とともに、直ちに実行される処理としてみることができる。同様にして、充電台1におけるステップS304も、ステップS301にて肯定の判別結果が得られたことに応じて、ステップS302,S303とともに、直ちに実行される処理としてみることができる。つまり、充電台1側でのステップS304により待機時間Twの待機を開始してから終了するまでのタイミングと、被充電機器2側でのステップS403により待機時間Twの待機を開始してから終了するまでのタイミングは、ほぼ同時となる。
一方、充電台1の1次側制御部13は、ステップS304による待機時間Twの待機を経過すると、ステップS305、S306により1次コイル12をDC駆動からAC駆動に切り換えたうえで、ステップS307に進む。1次側制御部13は、ステップS307、S308により、所定時間長による待機時間Tw2の間に、センサ部19にて光が検知されるのを待機する。ステップS307の処理は、ステップS304による待機時間Twの経過後、ステップS305、S306の処理を経たうえで、直ちに実行されるものと見ることができる。従って、被充電機器2側にてステップS404に応じて発光部35の発光開始と、ステップS307による光検知の判別が開始されるタイミングもほぼ同時となる。
より正確には、ステップS302〜S305までの処理の実行時間長は予め設定することが可能であり、従って既知の値として得ることができる。そこで、ステップS403の待機時間Twとして、上記のステップS302〜S305までの処理の実行時間長と、ステップS402の処理時間とを考慮して設定する(この場合、ステップS304の待機時間Twと同じ時間長である必要はない)ことで、ステップS307とステップS404とのタイミングを一致させることができる。この点については、先に述べたステップS304により待機時間Twの待機を開始してから終了するまでのタイミングと、被充電機器2側でのステップS403により待機時間Twの待機を開始してから終了するまでのタイミングとがほぼ同時に設定できることとも関連する。
なお、ステップS308における待機時間Tw2は、例えば被充電機器2側の処理として、ステップS404にて発光部35の発光駆動を開始してから、ステップS407にて待機時間Tw1を経過したとするまでの時間長に対応させて設定する。
ステップS307において肯定の判別結果が得られる場合とは、1次コイル12と2次コイルとの平面方向におけるずれに許容範囲内に収まっている状態であることになる。そこで、ステップS309において1次側制御部13は、位置決めが成功したことの通知が行われるようにインジケータ18を駆動する。
次のステップS310は、先のステップS306において、既に、充電に対応する規定量の電流と周波数を流している状態であれば、省略されてよい。例えばステップS306によるAC駆動がなんらかの制限により、充電に対応する規定量の電流若しくは周波数を設定できない場合、このステップS310によって、充電に対応する規定量の電流及び周波数を設定することになる。
ステップS311は、図4のステップS110同様に、ステップS302〜S308による1次コイル12の可動化の処理と、これに続く光検知の判別の処理の繰り返し回数が規定回数に達したか否かについて判別する。1次側制御部13は、このステップS311にて否定の判別結果が得られている限りはステップS302に進む。
これに対して、ステップS311において規定回数に至ったとして肯定の判別結果が得られた場合は、ステップS312に進む。ステップS312においては、これまでの1次コイル12のAC駆動を停止させる。ステップS313においては、図4のステップS111と同様に、位置決めエラー通知のためのインジケータ18の駆動を実行し、ステップS302に戻る。ステップS312によるAC駆動の停止は、次のループにおけるステップS302による1次コイル12のDC駆動に応じた準備処理であるが、例えば、ステップS311は省略して、ステップS302において、これまでのAC駆動からDC駆動に切り換えるようにしてもよい。
ここでの充電スタンバイ状態とは、下記のようなモード状態をいう。
つまり、先ず、2次コイル22については、2次コイル22と1次コイル12とが誘導結合しさえすれば、2次コイル22にて受電できるように、即ち、誘導起電力が発生できるように通電された状態とする。そのうえで、2次コイル22にて誘導起電力が発生した場合には、この誘導起電力により2次側制御部31が2次電池32に対して充電電流を供給して充電する動作モードが設定される状態である。なお、上記の通電状態は、例えば、この通電状態は、図4のステップS205における2次コイル22のAC駆動に相当する。
従って、例えばステップS406,S407の処理により受電待機していても、充電に対応して得られるべき規定量の誘導起電力は得られることが無く、結果、ステップS406にて否定の判別結果が得られ、ステップS407で肯定の判別結果が得られる。この場合、2次側制御部31は、ステップS408にて充電スタンバイ状態を解除した上で、ステップS402に戻る。
このとき、充電台1側においては、ステップS307、S308の処理結果として、待機時間Tw2を経過してもセンサ部19にて光を検知できないために、ステップS311に進み、規定回数に満たないうちは、ステップS302に戻る。
このステップS302に戻るタイミングとしては、被充電機器2側において、ステップS408からステップS402に戻るタイミングとほぼ一致する。つまり、充電台1と被充電機器2とがそれぞれ実行する図9のループ処理としては、前述した待機期間Tw,Tw1,Tw2の設定を含み、各ステップの処理時間は既知であり、また、各ステップの処理時間も設定できる。従って、充電台1と被充電機器2とがそれぞれ実行する図9のループ処理の開始タイミングについては一致させることができる。
図10のフローチャートは、第3実施形態の充電台1と被充電機器2とが実行するアルゴリズムの第2例としての処理手順例を示している。第1例のアルゴリズムでは、センサ部19にて発光部35からの光を検知したことについて、充電台1から被充電機器2に対して通知することはせずにいた。これに対して、第2例としては、1次コイル12と2次コイル22との磁気結合を利用して、光を検知したことの通知を行うようにする。
なお、パルス受電モードとは、2次コイル12を通電状態としておいて、後述するように充電台1側にてステップS508により1次コイル12にパルスを印加したことに応じては、2次コイル22にてパルスが誘起されるようにするとともに、2次側制御部31においては、この2次コイルに誘起されたパルスが検出できるモード設定とすることを指す。
また、この場合には、非接触充電を例に挙げているが、充電に限定されることなく、無線で電力供給を行うようにされた装置システム、また、電力供給を受ける電子機器に対して、本願発明は適用されるべきものである。
このような充電施設(電力供給装置)を利用するのにあたり、自動車(被電力供給装置)を充電場所として最も電力伝送が効率的に行われるような位置に正確に停止させることは非常に難しい。そこで、本願発明の構成を適用すれば、自動車を正確な位置に停止させなくとも、最適な電力伝送が行われる状態を得ることができる。また、このことは、自動車を停車させる際において、運転者がさほど位置合わせに慎重になる必要もなくなるので、使いやすくもなる。
Claims (11)
- 電子機器に対して電力を供給する電力供給装置であって、
可動可能に配置されたコイルと、
前記コイルを直流電流又は交流電流で駆動させる駆動制御手段とを有し、
前記駆動制御手段は、前記コイルを直流駆動させることにより、前記コイルに、前記コイルと前記電子機器が備える受電手段との間に発生する引力に応じた可動をさせるとともに、前記コイルを交流駆動させることにより、前記コイルに、前記電子機器が備える受電手段に対する誘導電力を発生させる
電力供給装置。 - さらに位置制御手段を有し、
前記駆動制御手段は、前記コイルを直流駆動させて稼働させた後、前記位置制御手段による前記電子機器に対する位置の制御に応じて、前記交流駆動を開始させる
請求項1に記載の電力供給装置。 - 前記駆動制御手段は、前記コイルを一定長時間直流駆動させる
請求項1に記載の電力供給装置。 - 電力供給装置から電力の供給を受ける被電力供給装置であって、
可動可能に配置されたコイルと、
前記コイルを直流電流で駆動させる駆動制御手段とを有し、
前記駆動制御手段は、前記コイルを直流駆動させることにより、前記コイルに、前記コイルと前記電力供給装置が備える給電手段との間に発生する引力に応じた可動をさせるとともに、前記給電手段が交流駆動したときには、前記コイルは、前記電力供給装置が備える給電手段から発生した誘導電力を受電する
被電力供給装置。 - 前記駆動制御手段は、前記コイルを一定長時間直流駆動させる
請求項4に記載の被電力供給装置。 - 電力供給装置と、該電力供給装置から電力供給を受ける被電力供給装置とから成り、
前記電力供給装置は、
可動可能に配置された1次コイルと、
前記1次コイルを直流電流又は交流電流で駆動させる駆動制御手段とを有し、
前記駆動制御手段は、前記1次コイルを直流駆動させることにより、前記1次コイルに、前記1次コイルと前記被電力供給装置が備える2次コイルとの間に発生する引力に応じた可動をさせるとともに、前記1次コイルを交流駆動させることにより、前記1次コイルに、前記2次コイルに対する誘導電力を発生させ、
前記被電力供給装置は、
該被電力供給装置内で固定して設けられる前記2次コイルと、
前記被電力供給装置において、前記1次コイルと前記2次コイルとの位置関係が適正範囲内の状態のときに、前記電力供給装置に前記被電力供給装置が置かれたことに応じては、直流駆動される前記1次コイルとの間で引力が発生するようにして、前記2次コイルが直流駆動されるように制御する2次コイル駆動制御手段とを有し、
前記2次コイル駆動制御手段は、前記2次コイル駆動制御手段による直流駆動が開始された後において、前記2次コイルについて、交流駆動される前記1次コイルからの前記誘導電力を受電可能な状態となるように制御する、
電力供給装置システム。 - 前記電力供給装置はさらに位置制御手段を有し、
前記駆動制御手段は、前記1次コイルを直流駆動させて稼働させた後、前記位置制御手段による前記被電力供給装置に対する位置の制御に応じて、前記交流駆動を開始させる
請求項6に記載の電力供給装置システム。 - 前記駆動制御手段は、前記1次コイルを一定長時間直流駆動させる
請求項6に記載の電力供給装置システム。 - 可動可能に配置されたコイルと、前記コイルを直流電流又は交流電流で駆動させる駆動制御手段とを有する電力供給装置と電子機器との位置決め制御方法であって、
前記駆動制御手段は、
前記コイルを直流駆動させることにより、前記コイルに、前記コイルと電子機器が備える受電手段との間に発生する引力に応じた可動をさせるステップと
前記コイルを交流駆動させることにより、前記コイルに、前記電子機器が備える受電手段に対する誘導電力を発生させるステップと
を実行する電力供給装置の位置決め制御方法。 - 電力供給装置はさらに位置制御手段を有し、
前記駆動制御手段は、
前記コイルを直流駆動させて稼働させた後、前記位置制御手段による前記電子機器に対する位置の制御に応じて、前記交流駆動を開始させるステップと
を実行する請求項9に記載の電力供給装置の位置決め制御方法。 - 前記駆動制御手段は、前記コイルを一定長時間直流駆動させるステップと
を実行する請求項9に記載の電力供給装置の位置決め制御方法。
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