JP5446147B2 - 包装用箱 - Google Patents
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Description
図1は、「複合画像で構成される下絵」の作成原理を示している。ここでは、複合画像は、2つの画素から構成される。まず、画素1、2をそれぞれ等間隔“α”で間引いて、「残像」と「欠け」が繰り返す中間画素を作成する。次に、中間画像1の「欠け」部分に、中間画像2の「残像」部分が一致するようにして、両者を組み合わせて複合画像を作成する。
このフィルムゲージを複合画像上に重ね合わせて、両者を相対的にスライドさせると、図2に示したように、中間画素1の「残像」がフィルムゲージ上の各帯状領域間の透明領域にきたときに星形模様が視認される(A)。
一方、中間画素2の「残像」がフィルムゲージ上の各帯状領域間の透明領域にきたときに丸形模様が視認される(B)。
以上に説明した画素が2つの場合は、(i)画素を間引く際の「残像」と「欠け」の幅寸法を等しくし(“α”)、かつ、(ii)フィルムゲージ上の「帯状領域の幅」および「各帯状領域間の間隔」を共にこの“α”と等しくしている。
「欠け」の幅寸法“β”が「残像」の幅寸法“γ”の2倍であるため、中間画素1の「欠け」部分に他の2つの中間画素2、3の「残像」を収めることができ、したがって、3つの画素からなる複合画像を作成することができる。
ストライプ状のフィルムゲージの場合には、視覚的効果を得るために「下絵」と「フィルムゲージ」を相対移動させる方向は、ストライプに直交する1方向に限られる。これに対して、格子状のフィルムゲージの場合には、タテ、ヨコ、ナナメのいずれの方向に相対移動させた場合であっても、視覚的効果を得ることができる。
また、「フィルムゲージ」と「下絵」を重ね合わせて相対スライドさせることで動画を生じさせる場合、相対スライドする「フィルムゲージ」および「下絵」は、適度に密着していることが好ましい。両者の隙間が大きいと、視覚的効果として得られる動画もボヤケたものとなってしまう。
したがって、本発明の第2の目的は、包装用箱に設けた「フィルムゲージ」と「下絵」の適度な密着性を実現することである。
上記収容本体は、トレー状の底部と蓋部から構成されている。
上記トレー状の底部は、スライド移動方向に直交する第1辺及び第2辺と、スライド移動方向に平行する第3辺及び第4辺とを外郭とする矩形状の底面と、当該第1辺及び第2辺からそれぞれ立設する第1側壁、第2側壁と、当該第3辺及び第4辺からそれぞれ立設する第3側壁、第4側壁とを備えている。
上記蓋部は、上記第1側壁の上縁に対してヒンジ式に連接されてなる上部壁面と、上部壁面の自由端側に、折罫を介して回動可能に連接された取出フラップとを備えている。
上部壁面のスライド移動方向に平行する2つの側辺からそれぞれ第5側壁、第6側壁が設けられるとともに、上部取出フラップのスライド移動方向に平行する2つの側辺からそれぞれ第7側壁、第8側壁が設けられている。
上記トレー状の底部に上記蓋部を被せた状態において、上記トレー状の底部を構成する第3側壁の内面に対して上記第5側壁及び第7側壁の外面が対向状態に位置し、且つ上記トレー状の底部を構成する第4側壁の内面に対して上記第6側壁及び第8側壁の外面が対向状態で位置する。
上記下絵が収容本体の上部壁面に表示され、これと対向する外装体の壁面に開口部を備えると共に、当該開口部を覆うフィルムゲージが壁面の内側に保持されていて、当該フィルムゲージは外装体とは別体である。そして、収容本体と外装体が相対スライドしたときに、上記内容物と関連した動画が生じる。
収容本体の取出口は、外装体に覆われることで閉止される。収容本体を外装体に対してスライド移動させて、取出フラップを露出させた状態で、取出フラップをトレー状の底部から引き上げることにより、取出口を露出させると、内容物を取り出すことができる。
外装体の開口した一端には、内方に折り返されてなる離脱防止フラップが連設されるとともに、収容本体には当該離脱防止フラップと係合して不用意な離脱を防止する別の離脱防止フラップが設けられている。
また、フィルムゲージは、ストライプ状および格子状のいずれであってもよく、対応する下絵(複合画像)と相対スライドすることで動画を生じさせる。
図5は、本発明の第1実施形態に係る包装用箱の分解斜視図である。この包装用箱は、内容物を収容する収容本体10と、これを内側にスライド可能に保持する外装体60とで構成されている。
収容本体10は、代表的には1枚のブランクから組み立てることができ、全体が六面体形状の箱体である。収容本体10の壁面11には、内容物を振り出すための取出口20が形成されるとともに、下絵26が表示されている。
離脱防止フラップ65は、収容本体10が外装体60の内側にスライド可能に保持されたときに、収容本体10側の離脱防止フラップ15と係合して、両者が不用意に離脱するのを防止する。
収容される商品あるいは製造メーカと関連付けた動画を採用することで、宣伝効果あるいは販売促進効果を高めることができる。
このような構成を採用すると、内容物の取出し動作と連動して、動画が生じるので、喫食に際して視覚的な変化を提供することができる。このようにして、消費者の遊び心を満足させることで、購買意欲が高まり、販売促進効果が期待できる。
また、内容物の取出動作とは無関係に単に両者を相対スライドさせて動画を楽しむことも、勿論可能である。
本発明においては、ストライプ状のフィルムゲージ70に限らず、格子状のフィルムゲージ70’を採用することも可能である(図5中の円内)。勿論、その場合には、下絵26は、これに対応して動画を生じさせるものが採用される。
ストライプ状のフィルムゲージ70の場合、一方向の相対スライドによって動画が生じるが、格子状のフィルムゲージ70’の場合、タテ、ヨコ、ナナメのいずれの方向に相対スライドした場合でも動画が生じる。これは、箱の組み立て精度が高くなく、相対スライド方向が予定の一方向から逸れた場合でも動画に変化が生じるという点で有効である。
下絵26とフィルムゲージ70を重ねて相対スライドさせることで動画を生じさせる場合、両者の隙間が大きいと、動画がボヤケて見えることがある。動画をクリアにするためには、下絵26とフィルムゲージ70を、適度に圧接させることが好ましい。
本発明では、相対スライドする2つの要素として、収容本体10とその周囲に巻き付くように係合する外装体60を採用し、収容本体10の壁面11に下絵26を表示し、これと対向する外装体60の壁面61にフィルムゲージ70を設けている。その結果、壁面11上の下絵26に対して、外装体60側のフィルムゲージ70が適度に密着し、相対スライドにより得られる動画がクリアなものとなる。
図8は、第2実施形態に係る包装用箱を示している。第1実施形態と比べて、収容本体30の構造が異なる。
上部壁面31の自由端側には、折罫31aを介して回動可能に連接された取出フラップ33が設けられている。また、取出フラップ33の端縁には、消費者が内容物を取り出す際に指を掛けるための切欠34が形成されている。
逆に、取出フラップ33を下げて、収容本体30を外装体60内に戻すと、取出フラップ33が外装体60に覆われた封止状態となる。
本発明は、図示した具体的な形態に限定されるものではない。収容本体とそれを覆う外装体との相対スライドを利用するものである限り、収容本体や外装体の具体的構成は任意に変更することができる。
また、図示した例では、内容物の取出口20、40は、外装体60のスライドと関連して外装体60で封止されたり、外部に露出したりする構成を採用しているが、別途の開閉機構を設けて、収容本体と外装体の相対スライド位置とは無関係に適宜内容物を取り出せる構成としてもよい。
11 壁面
15 離脱防止フラップ
20 取出口
26 下絵(複合画像)
30 収容本体
31 壁面
32 トレー状底部
33 取出フラップ
34 切欠
40 取出口
60 外装体
61 壁面
65 離脱防止フラップ
70 フィルムゲージ
Claims (1)
- 複合画像で構成される下絵(26)に対して、対応するフィルムゲージ(70)を相対的にスライド移動させることで、動画を生じさせる装飾要素を備える包装用箱であって、
当該包装用箱は、内容物を収容する収容本体(30)と、当該収容本体を相対スライド可能に内側に保持する両端が開口した筒状の外装体(60)とを備え、
上記収容本体(30)は、トレー状の底部(32)と蓋部から構成されており、
上記トレー状の底部(32)は、スライド移動方向に直交する第1辺及び第2辺と、スライド移動方向に平行する第3辺及び第4辺とを外郭とする矩形状の底面と、当該第1辺及び第2辺からそれぞれ立設する第1側壁、第2側壁と、当該第3辺及び第4辺からそれぞれ立設する第3側壁、第4側壁とを備えており、
上記蓋部は、上記第1側壁の上縁に対してヒンジ式に連接されてなる上部壁面(31)と、上部壁面(31)の自由端側に、折罫(31a)を介して回動可能に連接された取出フラップ(33)とを備えており、
上部壁面(31)のスライド移動方向に平行する2つの側辺からそれぞれ第5側壁、第6側壁が設けられるとともに、上部取出フラップ(33)のスライド移動方向に平行する2つの側辺からそれぞれ第7側壁、第8側壁が設けられており、
上記トレー状の底部(32)に上記蓋部を被せた状態において、上記トレー状の底部(32)を構成する第3側壁の内面に対して上記第5側壁及び第7側壁の外面が対向状態に位置し、且つ上記トレー状の底部(32)を構成する第4側壁の内面に対して上記第6側壁及び第8側壁の外面が対向状態で位置し、
上記下絵(26)が収容本体の上部壁面(31)に表示され、これと対向する外装体の壁面(61)に開口部を備えると共に、当該開口部を覆うフィルムゲージ(70)が壁面(61)の内側に保持されていて、当該フィルムゲージ(70)は外装体(60)とは別体であって、
収容本体(30)と外装体(60)が相対スライドしたときに、上記内容物と関連した動画が生じるものであり、
収容本体(30)の取出口(40)は、外装体(60)に覆われることで閉止され、
収容本体(30)を外装体(60)に対してスライド移動させて、取出フラップ(33)を露出させた状態で、取出フラップ(33)をトレー状の底部(32)から引き上げることにより、取出口(40)を露出させると、内容物を取り出すことができ、
外装体(60)の開口した一端には、内方に折り返されてなる離脱防止フラップ(65)が連設されるとともに、収容本体(30)には当該離脱防止フラップ(65)と係合して不用意な離脱を防止する別の離脱防止フラップ(15)が設けられていることを特徴とする、包装用箱。
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