以下、本発明の一実施形態を図1〜図33に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電チャージャ(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、4つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、転写ベルト2040、定着ローラ2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、位置ずれ検出器2245及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向に沿った方向をY軸方向、4つの感光体ドラムの配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転するものとする。
感光体ドラム2030a、帯電チャージャ2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030b、帯電チャージャ2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030c、帯電チャージャ2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030d、帯電チャージャ2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各帯電チャージャは、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、上位装置からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて、各色毎に変調された光束を、対応する帯電された感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。なお、この光走査装置2010の構成については後述する。
ところで、各感光体ドラムにおける画像情報が書き込まれる主走査方向の走査領域は「有効走査領域」あるいは「画像形成領域」と呼ばれている。
トナーカートリッジ2034aにはブラックトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033aに供給される。トナーカートリッジ2034bにはシアントナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033bに供給される。トナーカートリッジ2034cにはマゼンタトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033cに供給される。トナーカートリッジ2034dにはイエロートナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033dに供給される。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(以下、便宜上「トナー画像」という)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚づつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着ローラ2050に送られる。
定着ローラ2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。ここで定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次スタックされる。
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電チャージャに対向する位置に戻る。
位置ずれ検出器2245は、転写ベルト2040の−X側に配置され、各感光体ドラム上での光スポットの位置情報が含まれる信号を出力する。
この位置ずれ検出器2245は、一例として図2に示されるように、3つの位置検出センサ(2245a、2245b、2245c)を有している。
各位置検出センサは、−Y方向に向かって、位置検出センサ2245a、位置検出センサ2245b、位置検出センサ2245cの順に一列に配置されている。
位置検出センサ2245aは、転写ベルト2040の+Y側端部近傍(検出位置0とする)を照明するLED2242aとその反射光を受光するフォトセンサ2241aを有している。位置検出センサ2245bは、転写ベルト2040のY軸方向に関する中央部(検出位置1とする)を照明するLED2242bとその反射光を受光するフォトセンサ2241bを有している。位置検出センサ2245cは、転写ベルト2040の−Y側端部近傍(検出位置2とする)を照明するLED2242cとその反射光を受光するフォトセンサ2241cを有している。各フォトセンサは、それぞれ受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。
すなわち、一例として図3に示されるように、有効走査領域における各端部近傍に対応する位置に位置検出センサ2245a及び位置検出センサ2245cが配置され、有効走査領域における中央部近傍に対応する位置に位置検出センサ2245bが配置されている。そして、有効走査領域における、位置検出センサ2245aに対応する位置をY1、位置検出センサ2245bに対応する位置をY2、位置検出センサ2245cに対応する位置をY3とする。
そして、位置ずれ検出器2245を用いた位置ずれ検出処理が行われる際には、転写ベルト2040における検出位置0、検出位置1、及び検出位置2に、それぞれ位置検出用のトナーパッチTPが形成される。
トナーパッチTPは、一例として図4に示されるように、転写ベルト2040の進行方向に隣接している第1ライン群と第2ライン群とを有している。第1及び第2ライン群は、いずれも4本のラインパターン(pk、pc、pm、py)から構成されている。ラインパターンpkは、Kステーションで形成されたラインパターンであり、ラインパターンpcは、Cステーションで形成されたラインパターンである。また、ラインパターンpmは、Mステーションで形成されたラインパターンであり、ラインパターンpyは、Yステーションで形成されたラインパターンである。
第1ライン群では、各ラインパターンは、Y軸方向に対して時計方向に45度傾斜している。一方、第2ライン群では、各ラインパターンは、Y軸方向に対して反時計方向に45度傾斜している。
ここでは、転写ベルト2040の回転に伴って、第1ライン群のラインパターンpy、ラインパターンpm、ラインパターンpc、ラインパターンpk、第2ライン群のラインパターンpk、ラインパターンpc、ラインパターンpm、ラインパターンpyの順に、位置検出センサのLEDによって照明されるように配置されている(図5参照)。
位置ずれ検出処理において、位置検出センサから出力される信号が、一例として図6に示されている。tyは、第1ライン群のラインパターンpyを検知してから第2ライン群のラインパターンpyを検知するまでの時間である。tmは、第1ライン群のラインパターンpmを検知してから第2ライン群のラインパターンpmを検知するまでの時間である。tcは、第1ライン群のラインパターンpcを検知してから第2ライン群のラインパターンpcを検知するまでの時間である。tkは、第1ライン群のラインパターンpkを検知してから第2ライン群のラインパターンpkを検知するまでの時間である。
また、tkcは、第2ライン群のラインパターンpkを検知してから第2ライン群のラインパターンpcを検知するまでの時間である。tkmは、第2ライン群のラインパターンpkを検知してから第2ライン群のラインパターンpmを検知するまでの時間である。tkyは、第2ライン群のラインパターンpkを検知してから第2ライン群のラインパターンpyを検知するまでの時間である。
次に、前記光走査装置2010の構成について説明する。
光走査装置2010は、一例として図7〜図10に示されるように、2つの光源ユニット(2200a、2200b)、2つの開口板(2201a、2201b)、2つの光束分割プリズム(2202a、2202b)、ポリゴンミラー2104、4つの液晶偏向素子(2203a、2203b、2203c、2203d)、4つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、4つのfθレンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、8つの折り返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d、2108a、2108b、2108c、2108d)、4つのトロイダルレンズ(2107a、2107b、2107c、2107d)、4つの光検知センサ(2205a、2205b、2205c、2205d)、4つの光検知用ミラー(2207a、2207b、2207c、2207d)、4つのステッピングモータ2315(図7〜図11では図示省略、図21参照)及び走査制御装置2222(図7〜図11では図示省略、図28参照)などを備えている。そして、これらは、光学ハウジング2300の中の所定位置に組み付けられている。
光源ユニット2200aと光源ユニット2200bは、X軸方向に関して離れた位置に配置されている。
以下では、便宜上、光源ユニット2200aから射出された光束がポリゴンミラー2104に向かう方向を「w1方向」、光源ユニット2200aにおける主走査対応方向を「m1方向」とする。また、光源ユニット2200bから射出された光束がポリゴンミラー2104に向かう方向を「w2方向」、光源ユニット2200bにおける主走査対応方向を「m2方向」とする。なお、光源ユニット2200a及び光源ユニット2200bにおける副走査対応方向は、いずれもZ軸方向と同じ方向である。
各光源ユニットは、光源、カップリングレンズ、及び開口板をそれぞれ有している。
各光源は、一例として図11に示されるように、2次元的に配列された40個の発光部(v1〜v40)が1つの基板上に形成された2次元アレイ100を有している。40個の発光部は、すべての発光部を副走査対応方向に伸びる仮想線上に正射影したときに等間隔となるように配置されている。なお、本明細書では、「発光部間隔」とは2つの発光部の中心間距離をいう。
また、各発光部は、発振波長が780nm帯の垂直共振器型の面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)である。すなわち、2次元アレイ100は、いわゆる面発光レーザアレイである。
各カップリングレンズは、対応する光源から射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
各開口板は、開口部を有し、対応するカップリングレンズを介した光束を整形する。開口板の開口部を通過した光束が、各光源ユニットの出力光である。
各光束分割プリズムは、入射光束の半分を透過させ、残りを反射するハーフミラー面と、該ハーフミラー面で反射された光束の光路上にハーフミラー面に平行に配置されたミラー面とを有している。すなわち、各光束分割プリズムは、入射光束を互いに平行な2つの光束に分割する。ここでは、光源ユニット2200aからの光束が光束分割プリズム2202aに入射し、光源ユニット2200bからの光束が光束分割プリズム2202bに入射する。
各液晶偏向素子は、印加電圧に応じて、入射光をZ軸方向に関して偏向することができる。各液晶偏向素子は、2枚の透明なガラス板の間に液晶が封入された構成であり、一例として図12(A)に示されるように、一方のガラス板の表面の上下に電極が形成されている。この電極間に電位差が与えられると、一例として図12(B)に示されるように、Z軸方向に関して電位の傾斜が発生し、それに応じて液晶の配向が変化し、その結果、Z軸方向に関して屈折率の傾斜が発生する。これにより、プリズムと同様に光の射出軸をZ軸方向に関してわずかに傾けることができる。なお、液晶としては誘電異方性を有するネマティック液晶等が用いられる。
ここでは、液晶偏向素子2203aは、光束分割プリズム2202aからの2つの光束のうち−Z側の光束の光路上に配置され、液晶偏向素子2203bは、光束分割プリズム2202aからの2つの光束のうち+Z側の光束の光路上に配置されている。また、液晶偏向素子2203cは、光束分割プリズム2202bからの2つの光束のうち+Z側の光束の光路上に配置され、液晶偏向素子2203dは、光束分割プリズム2202bからの2つの光束のうち−Z側の光束の光路上に配置されている。
各シリンドリカルレンズは、Z軸方向に強いパワーを有し、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍に主走査対応方向に長い線像を形成する。
ここでは、シリンドリカルレンズ2204aは、液晶偏向素子2203aを介した光束の光路上に配置され、シリンドリカルレンズ2204bは、液晶偏向素子2203bを介した光束の光路上に配置されている。シリンドリカルレンズ2204cは、液晶偏向素子2203cを介した光束の光路上に配置され、シリンドリカルレンズ2204dは、液晶偏向素子2203dを介した光束の光路上に配置されている。
ポリゴンミラー2104は、2段構造の4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。そして、1段目(下段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204aからの光束及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束がそれぞれ偏向され、2段目(上段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204bからの光束及びシリンドリカルレンズ2204cからの光束がそれぞれ偏向されるように配置されている。なお、1段目の4面鏡及び2段目の4面鏡は、互いに位相が45°ずれて回転し、書き込み走査は1段目と2段目とで交互に行われる。また、1段目の4面鏡と2段目の4面鏡との間には、溝が設けられており、風損を低減した形状となっている。各4面鏡の厚さは約2mmである。
ここでは、シリンドリカルレンズ2204a及びシリンドリカルレンズ2204bからの光束はポリゴンミラー2104の−X側に偏向され、シリンドリカルレンズ2204c及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束はポリゴンミラー2104の+X側に偏向される。
各fθレンズはそれぞれ、ポリゴンミラー2104の回転に伴って、対応する感光体ドラム面上で光スポットが主走査方向に等速で移動するようなパワーを有する非円弧面形状を有している。
fθレンズ2105a及びfθレンズ2105bは、ポリゴンミラー2104の−X側に配置され、fθレンズ2105c及びfθレンズ2105dは、ポリゴンミラー2104の+X側に配置されている。
そして、fθレンズ2105aとfθレンズ2105bはZ軸方向に積層され、fθレンズ2105aは1段目の4面鏡に対向し、fθレンズ2105bは2段目の4面鏡に対向している。なお、fθレンズ2105aとfθレンズ2105bは、一体成形されても良い。
また、fθレンズ2105cとfθレンズ2105dはZ軸方向に積層され、fθレンズ2105cは2段目の4面鏡に対向し、fθレンズ2105dは1段目の4面鏡に対向している。なお、fθレンズ2105cとfθレンズ2105dは、一体成形されても良い。
そこで、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、fθレンズ2105a、折返しミラー2106a、トロイダルレンズ2107a、及び折返しミラー2108aを介して、感光体ドラム2030aに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030aの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030a上を走査する。このときの光スポットの移動方向は、+Y方向である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、fθレンズ2105b、折り返しミラー2106b、トロイダルレンズ2107b、及び折返しミラー2108bを介して、感光体ドラム2030bに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030bの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030b上を走査する。このときの光スポットの移動方向は、+Y方向である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204cからの光束は、fθレンズ2105c、折り返しミラー2106c、トロイダルレンズ2107c、及び折返しミラー2108cを介して、感光体ドラム2030cに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030cの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030c上を走査する。このときの光スポットの移動方向は、−Y方向である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、fθレンズ2105d、折り返しミラー2106d、トロイダルレンズ2107d、及び折り返しミラー2108dを介して、感光体ドラム2030dに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030dの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030d上を走査する。このときの光スポットの移動方向は、−Y方向である。
このように、感光体ドラム2030a及び感光体ドラム2030bでの走査方向の向きと、感光体ドラム2030c及び感光体ドラム2030dでの走査方向の向きは、互いに反対である。そこで、一方(例えば、感光体ドラム2030a及び感光体ドラム2030b)の書き込み開始位置と他方(例えば、感光体ドラム2030c及び感光体ドラム2030d)の書き込み終了位置とがY軸方向に関して一致するように画像情報が書き込まれていく。
なお、各折り返しミラーは、ポリゴンミラー2104から各感光体ドラムに至る各光路長が互いに一致するとともに、各感光体ドラムにおける光束の入射位置及び入射角がいずれも互いに等しくなるように、それぞれ配置されている。
また、各ステーションでは、シリンドリカルレンズとトロイダルレンズとにより、対応する感光体ドラム表面とポリゴンミラー2104での偏向点とを副走査方向に共役関係とする面倒れ補正光学系が構成されている。
ポリゴンミラー2104と各感光体ドラムとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、fθレンズ2105aとトロイダルレンズ2107aと折り返しミラー(2106a、2108a)とからKステーションの走査光学系が構成されている。また、fθレンズ2105bとトロイダルレンズ2107bと折り返しミラー(2106b、2108b)とからCステーションの走査光学系が構成されている。そして、fθレンズ2105cとトロイダルレンズ2107cと折り返しミラー(2106c、2108c)とからMステーションの走査光学系が構成されている。さらに、fθレンズ2105dとトロイダルレンズ2107dと折り返しミラー(2106d、2108d)とからYステーションの走査光学系が構成されている。
各fθレンズ及び各トロイダルレンズは、いずれも樹脂製である。そして、それらの各面(入射側の面、射出側の面)は次の(1)式及び次の(2)式で表現される非球面である。ここで、XはX軸方向の座標、YはY軸方向の座標を示す。また、入射面の中央をY=0とする。Cm0はY=0における主走査対応方向の曲率を示し、曲率半径Rmの逆数である。a00,a01,a02,・・・は主走査対応方向の非球面係数である。また、Cs(Y)はYに関する副走査対応方向の曲率、Rs0は副走査対応方向の光軸上の曲率半径、b00,b01,b02,・・・は副走査対応方向の非球面係数である。なお、光軸は、Y=0で副走査対応方向における中央の点を通る軸をいう。
各fθレンズの各面(入射側の面(第1面)、射出側の面(第2面))におけるRm、Rs0及び各非球面係数の値の一例が図13に示されている。
各トロイダルレンズの各面(入射側の面(第3面)、射出側の面(第4面))におけるRm、Rs0及び各非球面係数の値の一例が図14に示されている。各トロイダルレンズは、副走査対応方向に強いパワーを有している。
各トロイダルレンズの形状が、図15(A)及び図15(A)のA−A断面図である図15(B)に示されている。なお、便宜上、各トロイダルレンズにおける光束の入射方向を「R方向」、主走査対応方向を「M方向」、R方向及びM方向のいずれにも直交する方向を「S方向」とする。また、各トロイダルレンズを区別する必要がないときは、総称して「トロイダルレンズ2107」という。
トロイダルレンズ2107には、−S側の面にリブ部306aが形成され、+S側の面にリブ部306bが形成されている。そして、リブ部306aには、+R方向に突出した3つの突起部(307a1、307a2、307a3)が形成されている。突起部307a2はM方向に関して中央に位置し、突起部307a1は突起部307a2の−M側に位置し、突起部307a2は突起部307a2の+M側に位置している。
リブ部306bには、+R方向に突出した3つの突起部(307b1、307b2、307b3)が形成されている。突起部307b2はM方向に関して中央に位置し、突起部307b1は突起部307b2の−M側に位置し、突起部307b2は突起部307b2の+M側に位置している。
そして、突起部307a1は起部307b1の−S側に位置し、突起部307a2は起部307b2の−S側に位置し、突起部307a3は起部307b3の−S側に位置している。
トロイダルレンズ2107は、その形状を安定的に保ち、傾き調整の際に局部的に力が加えられてもトロイダルレンズ2107を変形させることがないように、すなわち、レンズ組み付け時の形状が維持されるように、板金部材に保持されている。
トロイダルレンズ2107が保持される板金部材301が、図16に示されている。この板金部材301は、板金加工で成形された板部材であり、M方向に平行な方向を長手方向とする底板301aと、該底板301aを挟んで対向する2枚の側板(301b、301c)とを有している。
+R側の側板である側板301bには、トロイダルレンズ2107の突起部307a1が係合される切欠部3111、突起部307a2が係合される切欠部3112、突起部307a3が係合される切欠部3113が形成されている。
底板301aには、+M側の端部近傍及び−M側の端部近傍に、それぞれ開口部313を伴う立曲げ部310が形成されている。これらの立曲げ部310の上(+S側)にトロイダルレンズ2107が載置される。
また、底板301aには、側板301bの各切欠部に対応して3つのねじ穴312が形成されている。各ねじ穴312は、トロイダルレンズ2107が載置されたときに、R方向に関して、トロイダルレンズ2107のほぼ中央の位置に対応した各位置に形成されている。
さらに、底板301aの−M側端部には突起部318が形成され、+M側端部には切欠部321が形成されている。
また、側板301bには、底板301aの各開口部313に対応して2つのスリット314が形成されている。
トロイダルレンズ2107は、3つの第1板ばね302(図17参照)と2つの第2板ばね303(図17参照)によって、板金部材301に保持される。
第1板ばね302は、トロイダルレンズ2107のリブ部306aと板金部材301を挟むのに用いられる。ここでは、第1板ばね302は、図18に示されるように、底板部3021と、+R側の側板部3022と、−R側の側板部3023と、該側板部3023の上端から+R方向に延びる上板部3024とからなっている。また、側板部3022には、開口部が形成されている。さらに、底板部3021には、調節ねじ308(図17参照)が貫通する円形の開口部3025が形成されている。
そして、図19及び図19のA−A断面図である図20に示されるように、側板部3022の開口部にリブ部306aの突起部が係合され、上板部3024によって−R側のリブ部306aに−S方向の押圧が作用される。なお、図19では、わかりやすくするため、各側板の図示を省略している。
第2板ばね303は、クリップ状の板ばねであり、図19に示されるように、トロイダルレンズ2107の+S側の端面に−S方向の押圧を作用させ、板金部材301の底板301aの−S側の面に+S方向の押圧を作用させることによって、トロイダルレンズ2107と板金部材301を挟むようになっている。なお、第2板ばね303の−S側の板部は、外側から開口部313を通過して、スリット304に挿入される。
また、板金部材301の各ねじ穴312には、第1板ばね302の開口部3025を介して調節ねじ308が螺合される。この調節ねじ308の+S側の先端は、トロイダルレンズ2107の−S側の端面に当接されている。そこで、調節ねじ308をねじ込むことによってトロイダルレンズ2107に+S方向の押圧を作用させることができる。
この場合、トロイダルレンズ2107に作用する調節ねじ308による押圧力と、第1板ばね302による押圧力は、互いに逆方向に作用するため、トロイダルレンズ2107に作用する力の微調整が可能となる。
例えば、板金部材301の底板301aからの調節ねじ308の突出し量を、立曲げ部310の高さよりも小さくすると、トロイダルレンズ2107をその母線が下側に凸となるように反らすことができる。逆に、調節ねじ308の突出し量を、立曲げ部310の高さよりも大きくすると、トロイダルレンズ2107をその母線が上側に凸となるように反らすことができる。従って、調節ねじ308の突出し量を調整することによって、トロイダルレンズ2107の焦線がS方向に湾曲され、走査線の曲がりを補正することができる。各調節ねじ308によるトロイダルレンズ2107の調整における調整軸の方向は、トロイダルレンズ2107の光軸方向に平行である。
4個のステッピングモータ2315は、一例として図21に示されるように、いずれもトロイダルレンズ2107の−Y側に設けられている。そこで、トロイダルレンズ2107が装着された板金部材301は、一例として図22(A)に示されるように、板金部材301が−S側となる姿勢、あるいは、一例として図22(B)に示されるように、板金部材301が+S側となる姿勢で、光学ハウジング2300に保持される。
ところで、光学ハウジング2300は、トロイダルレンズ2107が装着された板金部材301を保持するための不図示の保持部を+Y側と−Y側に有している。そして、+Y側の保持部には、板金部材301の突起部318が嵌合される位置決めガイドが設けられている。また、+Y側及び−Y側の保持部には、一例として図22(A)及び図22(B)に示されるように、板金部材301の長手方向の両端にそれぞれ−S方向の弾性力を印加するための2つの板ばね326が取り付けられている。そこで、トロイダルレンズ2107が装着された板金部材301は、突起部318を上記位置決めガイドに嵌合して位置決めが行われ、上記板ばね326によって−S方向に付勢され、保持される。
板金部材301における底板301aの切欠部321には、図23(A)に示されるように、可動筒316(図17参照)の凹部が嵌合されている。そこで、板金部材301は、可動筒316と板ばね326とによって、−Y側端部近傍が支持されることとなる。この可動筒316には、図23(A)のA−A断面図である図23(B)に示されるように、中心部にS方向のねじ穴が形成されている。
ステッピングモータ315は、シャフトの先端に送りねじが形成されている。そして、この送りねじが可動筒316のねじ穴に螺合されている。そこで、ステッピングモータ315が回転すると、可動筒316はS方向(トロイダルレンズ2107の高さ方向)に変位する。
このように、トロイダルレンズ2107が装着された板金部材301は、光学ハウジング2300に保持された状態では、−Y側の端部近傍が固定され、+Y側の端部近傍が伸縮自在に支持されていることとなる。
また、ステッピングモータ315を回転(正逆を含む回転)させたときに、それに追従して、トロイダルレンズ2107が回動するように、トロイダルレンズ2107の光軸方向に平行な方向を長手方向とする円柱状の支柱322が設けられている。この支柱322は、トロイダルレンズ2107あるいは板金部材301に固定されており、光学ハウジング2300に設けられた支柱支持部320に載置される。そして、支柱322は板ばね(不図示)によって−S方向に付勢されて、支柱支持部320に保持されている。
この場合には、トロイダルレンズ2107は、ステッピングモータ315の回転に追従して、光軸と直交する面内で、支柱322と支柱支持部320の当接点を支点として回動することができる。このトロイダルレンズ2107の回動に伴って、副走査対応方向に関するトロイダルレンズ2107の母線が傾き、その結果、対応する感光体ドラムにおける走査線が傾くこととなる。なお、支柱322を設けることなく、板金部材301もしくはトロイダルレンズ2107を、直接、光学ハウジング2300に設けられた支持部に載置し、板ばね等で保持する構成としても良い。
光検知センサ2205aには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Kステーションの走査光学系を介した光束のうち、感光体ドラム2030aにおける有効走査領域への走査開始前の光束の一部が、検知用光束として光検知用ミラー2207aを介して入射する。
光検知センサ2205bには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Cステーションの走査光学系を介した光束のうち、感光体ドラム2030bにおける有効走査領域への走査開始前の光束の一部が、検知用光束として光検知用ミラー2207bを介して入射する。
光検知センサ2205cには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Mステーションの走査光学系を介した光束のうち、感光体ドラム2030cにおける有効走査領域への走査開始前の光束の一部が、検知用光束として光検知用ミラー2207cを介して入射する。
光検知センサ2205dには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Yステーションの走査光学系を介した光束のうち、感光体ドラム2030dにおける有効走査領域への走査開始前の光束の一部が、検知用光束として光検知用ミラー2207dを介して入射する。
各光検知センサは、その受光面が対応する感光体ドラムの表面と光学的にほぼ等価な位置に配置されている。これにより、受光面で受光される検知用光束のビーム径を小さくすることができ、その結果、検知精度を向上させることができる。
また、各光検知センサは、その受光面が光学的に像面(設計上の像面)に略平行となるように配置しても良い。この場合には、検知用光束は感光体ドラムの延長上を移動することと等価になり、検知用光束に対する走査光学系のリニアリティ(走査等速性)を確保しておけば、光検知センサを通過する検知用光束の移動速度を、感光体ドラムの有効走査領域での走査速度と同じにすることができ、その結果、検知精度を向上させることができる。
さらに、各光検知センサの受光面の法線方向は、検知用光束の入射方向に対して主走査対応方向に向かって傾斜(例えば、3〜5度)していても良い。この場合には、光検知センサの受光面での反射光が光源ユニットに戻り、光量制御に影響を与えることを回避することができる。また、光検知センサ内のリードフレームとカバーガラスとの間での多重反射によるゴースト光が受光面に入るのを防止でき、その結果、検知精度の低下を抑制することができる。
ここでは、光検知センサ2205a及び光検知センサ2205bは、光学ハウジング2300内の−Y側端部近傍に配置され、光検知センサ2205c及び光検知センサ2205dは、光学ハウジング2300内の+Y側端部近傍に配置されている(図24参照)。そして、光検知センサ2205aは、光検知センサ2205dとポリゴンミラー2104とを結ぶ仮想線の延長上に配置され、光検知センサ2205bは、光検知センサ2205cとポリゴンミラー2104とを結ぶ仮想線の延長上に配置されている。また、ポリゴンミラー2104と光検知センサ2205aの距離は、ポリゴンミラー2104と光検知センサ2205dの距離と略等しく、ポリゴンミラー2104と光検知センサ2205bの距離は、ポリゴンミラー2104と光検知センサ2205cの距離と略等しい。
各光検知センサにおける検知用光束の入射位置は、ポリゴンミラー2104の回転に伴って、主走査対応方向に移動する。
各光検知センサは、一例として図25に示されるように、2つの受光部(第1受光部181、第2受光部182)を有する受光素子、該受光素子からの受光量に応じた信号(光電変換信号)を増幅するアンプ(AMP)183、該アンプ183の出力信号レベルと予め設定されている基準レベルVsとを比較し、その比較結果を出力する比較器(CMP)184を有している。この比較器184の出力信号は走査制御装置2222に供給される。
受光素子の各受光部は、副走査対応方向の位置によって主走査対応方向の互いの間隔が異なっている。
第1受光部181は、一例として長方形状の受光部であり、長手方向が副走査対応方向と一致するように配置されている。すなわち、検知用光束が通過する2辺が副走査対応方向に平行である。
第2受光部182は、一例として平行四辺形状の受光部であり、主走査対応方向に関して第1受光部181に隣接して配置されている。そして、第2受光部182の長手方向は、受光面内において第1受光部181の長手方向に対して角度θ(0<θ<90°)だけ傾斜している。すなわち、検知用光束が通過する2辺が主走査対応方向に対して傾斜している。
アンプ183では、入力信号の反転及び増幅が行われる。従って、受光素子の受光量が多いほど、アンプ183の出力信号レベルは低くなる。
前記基準レベルVsは、検知用光束が受光素子で受光されたときのアンプ183の出力信号レベル(最低値)よりも若干高いレベルに設定されている。そこで、各受光部のいずれかが検知用光束を受光したときに、比較器184での判断結果が変化し、それに応じて比較器184の出力信号が変化する。
各光検知センサは、対応する感光体ドラムの表面における光束の入射位置が設計上の位置のときに、検知用光束が各受光部のほぼ中央を通過するように調整されている(図26(A)参照)。そして、このときに、検知用光束が第1受光部181で検知されてから第2受光部182で検知されるまでの時間は、基準時間Tsとして予め得られている(図26(B)参照)。なお、便宜上、このときの光検知センサにおける検知用光束の入射位置の移動経路、すなわち設計上の移動経路を「経路A」という。
ところで、上記各光学素子を光学ハウジング2300内に取り付ける際の取り付け位置の誤差や、光学ハウジング2300の変形等により、感光体ドラムに向かう光束の光路が設計上の光路に対して副走査対応方向(ここでは、Z軸方向と同じ)にずれることがある。この場合には、検知用光束も、感光体ドラムに向かう光束と同様に、設計上の光路に対して副走査対応方向にずれることとなる。そして、一例として図26(C)に示されるように、光検知センサにおける検知用光束の入射位置の移動経路も、経路Aに対して副走査対応方向にずれる。なお、便宜上、このときの移動経路を経路Bという。
そして、このときの移動経路のずれ量Δh(図26(C)参照)は、次の(3)式から求めることができる。ここで、ΔTは、比較器184の出力信号における立下りから次の立下りまでの時間Tと前記基準時間Tsとの差であり(図26(D)参照)、Vは検知用光束の移動速度(走査速度)である。このずれ量Δhは、感光体ドラムに向かう光束の光路の設計上の光路に対する副走査対応方向(ここでは、Z軸方向と同じ)のずれ量と相関関係がある(図27参照)。なお、図27における係数kは、装置固有の値であり、予め求めることができる。
Δh=(V/tanθ)×ΔT ……(3)
また、第1受光部181が検知用光束を受光したときの、比較器184の出力信号における立下りタイミングは、副走査対応方向における検知用光束の入射位置の影響を受けない(図26(B)及び図26(D)参照)。そこで、第1受光部181が検知用光束を受光したときの、比較器184の出力信号における立下りタイミングから書込開始のタイミングを求めることができる。
走査制御装置2222は、一例として図28に示されるように、CPU210、フラッシュメモリ211、RAM212、液晶素子駆動回路213、IF(インターフェース)214、画素クロック生成回路215、画像処理回路216、書込制御回路219、光源駆動回路221、モータ駆動回路222、LED駆動回路223などを有している。なお、図28における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
画素クロック生成回路215は、画素クロック信号を生成する。なお、画素クロック信号は、1/8クロックの分解能で位相変調が可能である。
画像処理回路216は、CPU210によって色毎にラスター展開された画像データに所定の中間調処理などを行った後、各光源の発光部毎のドットデータを作成する。
書込制御回路219は、各光検知センサの出力信号に基づいて、第1受光部181が同期検知用の光束を受光したときの、比較器184の出力信号における立下りを監視する。そして、該立下りを検出すると、書込開始のタイミングを求める。そして、書込開始のタイミングに合わせて、各発光部のドットデータを画素クロック生成回路215からの画素クロック信号に重畳させるとともに、発光部毎にそれぞれ独立した変調データを生成する。
光源駆動回路221は、書込制御回路219からの各変調データに応じて、各光源ユニットに各発光部の駆動信号を出力する。
モータ駆動回路222は、CPU210の指示に基づいて、各ステッピングモータの駆動信号を出力する。
LED駆動回路223は、位置ずれ検出器2245を用いた位置ずれ検出処理が行われるときに、CPU210から指示され、位置ずれ検出器2245の各LEDの駆動信号を出力する。
液晶素子駆動回路213は、CPU210で決定された印加電圧を各液晶偏向素子に印加する。
IF(インターフェース)214は、プリンタ制御装置2090との双方向の通信を制御する通信インターフェースである。上位装置からの画像データは、IF(インターフェース)214を介して供給される。
フラッシュメモリ211には、CPU210にて解読可能なコードで記述された各種プログラム、及びプログラムの実行に必要な各種データが格納されている。
RAM212は、作業用のメモリである。
CPU210は、フラッシュメモリ211に格納されているプログラムに従って動作し、光走査装置2010の全体を制御する。
ところで、ポリゴンミラー2104の発熱や外部からの熱によって、光学ハウジング2300内の温度が変化すると、その温度変化により板金部材301及びトロイダルレンズ2107はいずれも伸縮する。しかしながら、板金部材301は金属製であり、トロイダルレンズ2107は樹脂製であるため、線膨張係数の差によりそれらの伸縮量に差が生じる。
そして、トロイダルレンズ2107が装着された板金部材301では、ステッピングモータ315と板金部材301の嵌合部、及び中央の支点(支柱322と支柱支持部320の当接点)が固定点として働くため、Y軸方向に関して非対称の応力が発生する。具体的には、ステッピングモータ315と嵌合されていない+Y側端部近傍は、板ばね326の弾性力のみで支えられているので、固定点とは言えず、伸縮量の差によって生じる応力が集中し、副走査対応方向(S方向)に大きく変位することとなる(図29及び図30参照)。なお、図30は、このときのトロイダルレンズ2107の変形状態を簡易的に示した図である。
図30における符号(1)は、温度が変化する前の状態を示している。図29に示されるように、トロイダルレンズ2107が板金部材301の−S側に配置されている場合は、トロイダルレンズ2107のほうが伸縮量は大きいので、温度上昇時は符号(2)のように変形し、温度降下時は符合(3)のように変形する。なお、トロイダルレンズ2107が板金部材301の+S側に配置されている場合(図22(A)参照)は、変形(反る)方向は逆になる。その結果、感光体ドラム上でも光スポットの位置はレンズの反りに応じて変化し、走査線の傾きと曲がりを生じる。
トロイダルレンズ2107が板金部材301の−S側に配置されている場合に、周囲の温度が25℃のとき、50℃のとき、及び10℃のときの、感光体ドラム上での光スポット位置をそれぞれ測定した結果が図31に示されている。ここでは、図31では、像高が−側端部に対応する位置にステッピングモータ315が配置され、像高が+側端部に対応する位置は板ばね326の弾性力のみで支えられている。50℃のとき及び10℃のときは、25℃のときに対して、互いに逆方向に変位している。
なお、像高の−側端部に対応する板金部材301の端部はステッピングモータ315と締結されているため固定端として機能するが、トロイダルレンズ2107は板金部材301の上に載置されているため、像高の−側端部に対応するトロイダルレンズ2107は完全には固定されていない。そこで、ステッピングモータ315が配置されている像高の−側端部でも光スポット位置は変位している。但し、板ばね326の弾性力のみで支持されている像高が+側端部に対応する位置に比べると、光スポット位置の変位は小さい。このように、像高の+側と−側とで光スポット位置の変位量が異なることにより、感光体ドラム上において走査線に傾きが生じる。
ところで、光学ハウジング2300の内部では、ポリゴンミラー2104及びその駆動用IC(不図示)で発生した熱が、ポリゴンミラー2104を中心に同心円状に周囲に伝播し、光学ハウジング2300の内部に不均一な温度分布を生じる。すなわち、ポリゴンミラー2104の近傍が最も温度が高く、ポリゴンミラー2104から離れるにつれて温度は低くなる。このような不均一な温度分布により光学ハウジング2300は膨張するが、四隅が固定されているため、自由な膨張は阻害され、+Z方向に変形する。つまり、光学ハウジング2300は、ポリゴンミラー2104が配置されている部位を頂点とし、+Z方向に向かって凸形状の変形を生じる。
光学ハウジング2300が変形すると、その内部に配置されている各光学素子(偏向器前光学系、ポリゴンミラー2104、走査光学系)の姿勢が変化し、その結果、感光体ドラム上における走査線の曲がりや傾き、副走査方向の位置ずれが生じる。
なお、温度分布はポリゴンミラー2104を中心とする同心円状になるため、光学ハウジング2300の変形も対称的になり、ポリゴンミラー2104の−X側に位置する走査光学系に対する影響と、ポリゴンミラー2104の+X側に位置する走査光学系に対する影響とはほぼ同じである。
各ステーションの走査光学系がポリゴンミラー2104の発熱の影響を受けたときの各感光体ドラムにおける走査線が一例として図32に示されている。なお、図32における一点鎖線は、光学ハウジング2300が変形する前の走査線を示し、実線は光学ハウジング2300が変形した後の走査線を示している。ポリゴンミラー2104の−X側に位置する感光体ドラムにおける走査線の変形(曲がり)と、ポリゴンミラー2104の+X側に位置する感光体ドラムにおける走査線の変形(曲がり)は、ポリゴンミラー2104の中心を通りY軸に平行な直線を軸とする線対称となる。よって、KステーションとYステーションでは、−Y側端部での光スポット位置の変化量の絶対値は互いに同じであり、+Y側端部での光スポット位置の変化量の絶対値も互いに同じである。また、CステーションとMステーションでは、−Y側端部での光スポット位置の変化量の絶対値は互いに同じであり、+Y側端部での光スポット位置の変化量の絶対値も互いに同じである。
そこで、Kステーション及びYステーションでの−Y側端部での光スポット位置の変化量は、光検知センサ2205aで検出でき、Kステーション及びYステーションでの+Y側端部での光スポット位置の変化量は、光検知センサ2205dで検出できる。
同様に、Cステーション及びMステーションでの−Y側端部での光スポット位置の変化量は、光検知センサ2205bで検出でき、Cステーション及びMステーションでの+Y側端部での光スポット位置の変化量は、光検知センサ2205cで検出できる。
ここで、光検知センサ2205aの出力信号と光検知センサ2205dの出力信号に基づいて、Kステーションでの走査線の傾き量、Yステーションでの走査線の傾き量、及び副走査方向に関する全体シフト量(以下では、「副走査レジストずれ量」ともいう)の導出方法について図33を用いて説明する。なお、光学ハウジング2300が変形する前の走査線はY軸に平行であるものとする。ここでの処理は、CPU210によって、所定のタイミング毎に行われる。
(1)光検知センサ2205dの出力信号から光スポット位置の変化量ΔZ1を求める。
(2)光検知センサ2205aの出力信号から光スポット位置の変化量ΔZ2を求める。
(3)次の(4)式から走査線の傾きΔLを求める。ここで、kは係数であり、予め得られてフラッシュメモリ211に格納されている。
ΔL=k×(ΔZ1−ΔZ2) ……(4)
(4)ΔLから、走査線の傾きを調整するためのトロイダルレンズ2107a及びトロイダルレンズ2107dの回動量を求める。なお、ΔLとトロイダルレンズの回動量との関係は予め得られてフラッシュメモリ211に格納されている。
(5)トロイダルレンズ2107a及びトロイダルレンズ2107dの回動量に応じたステッピングモータ315の駆動量を求め、モータ駆動回路222に出力する。
(6)次の(5)式から副走査レジストずれ量ΔZ4を求める。ここで、mは係数であり、予め得られてフラッシュメモリ211に格納されている。
ΔZ4=m×(ΔZ1+ΔZ2)/2 ……(5)
(7)ΔZ4がほぼ0となるように、対応する液晶偏向素子の印加電圧を決定する。なお、ΔZ4と印加電圧との関係は予め求められ、フラッシュメモリ211に格納されている。
ところで、ΔZ4が感光体ドラムにおける走査線の間隔の1/2以上の場合は、ΔZ4が小さくなる方向に画像データをシフトする。なお、光源が1つの発光部のみを有する場合には、ポリゴンミラー2104の偏向反射面1面分ずらすことにより副走査レジストずれ量を低減することができる。
同様に、CPU210は、所定のタイミング毎に、光検知センサ2205bの出力信号と光検知センサ2205cの出力信号に基づいて、Cステーション及びMステーションでの走査線の傾き量、及び副走査レジストずれ量を求め、それらを調整する。
また、CPU210は、例えば、装置の立ち上げ時やジョブ間等のタイミングで、位置ずれ検出器2245を用いた位置ずれ検出処理を行い、Kステーションを基準としたときの、Cステーション、Mステーション、Yステーションでの副走査レジストずれ量、走査線の傾きずれ量を求める(例えば、特開2008−276010号公報、特開2005−238584号公報参照)。なお、1ジョブのプリント枚数が多い場合には、その間の温度変化によるずれを抑えるために、途中で割り込みをかけて位置ずれ検出処理が行われることもある。
CPU210によって行われる位置ずれ検出処理について簡単に説明する。
(A)LED駆動回路223を介して位置ずれ検出器2245の各LEDを点灯させる。
(B)位置ずれ検出器2245の各フォトセンサの出力信号に基づいて、有効走査領域における位置Y1、Y2、Y3毎に、ty、tm、tc、tk、tkc、tkm、tkyを求める。
(C)所定の演算を行い、Kステーションを基準としたときの他のステーション(Yステーション、Mステーション、Cステーション)における副走査レジストずれ量及び走査線の傾きずれ量を求める。
(D)得られた副走査レジストずれ量及び走査線の傾きずれ量をフラッシュメモリ211に格納する。
(E)LED駆動回路223を介して位置ずれ検出器2245の各LEDを点灯させる。
続いて、CPU210は、走査線の傾きについて、位置ずれ検出処理で得られた値と光検知センサから求めた値(ΔL)との差が許容範囲内にない場合には、それらの値がほぼ一致するような補正係数Snを求める。この場合には、上記(4)式に代えて、次の(6)式が用いられることとなる。
ΔL=Sn×k×(ΔZ1−ΔZ2) ……(6)
また、CPU210は、副走査レジストずれ量に関して、位置ずれ検出処理で得られた値と光検知センサから求めた値(ΔZ4)との差が許容範囲内にない場合には、それらの値がほぼ一致するような補正係数Tnを求める。この場合には、上記(5)式に代えて、次の(7)式が用いられることとなる。
ΔZ4=Tn×m×(ΔZ1+ΔZ2)/2 ……(7)
上記補正係数Sn及び補正係数Tnは、フラッシュメモリ211に格納される。
また、CPU210は、位置ずれ検出処理の直後に、位置ずれ検出処理での検出結果に基づいて、ステッピングモータ315の駆動制御、及び液晶偏向素子への印加電圧の決定を行っても良い。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光走査装置2010では、光源ユニット2200aの光源によって第1の光源が構成され、光源ユニット2200bの光源によって第2の光源が構成されている。
そして、感光体ドラム2030aの表面によって第1の被走査面が構成され、感光体ドラム2030dの表面によって第2の被走査面が構成されている。このとき、Kステーションの走査光学系によって第1の走査光学系が構成され、Yステーションの走査光学系によって第2の走査光学系が構成され、光検知センサ2205aによって第1の光検知センサが構成され、光検知センサ2205dによって第2の光検知センサが構成されている。
また、感光体ドラム2030bの表面によって第1の被走査面が構成され、感光体ドラム2030cの表面によって第2の被走査面が構成されている。このとき、Cステーションの走査光学系によって第1の走査光学系が構成され、Mステーションの走査光学系によって第2の走査光学系が構成されている。さらに、光検知センサ2205bによって第1の光検知センサが構成され、光検知センサ2205cによって第2の光検知センサが構成されている。
また、ステッピングモータ2315によって変位機構が構成され、走査制御装置2222によって制御装置が構成されている。
また、CPU210によるプログラムに従う処理の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全てをハードウェアによって構成することとしても良い。
また、本実施形態に係るカラープリンタ2000では、トナーパッチTPによって検出用パターンが構成され、位置検出センサによってパターン検出センサが構成されている。
以上説明したように、本実施形態に係る光走査装置2010によると、2つの光源ユニット(2200a、2200b)、光源ユニット2200aからの光束を−X側に偏向し、光源ユニット2200bからの光束を+X側に偏向するポリゴンミラー2104、4つの走査光学系、4つの光検知センサ(2205a、2205b、2205c、2205d)、及び走査制御装置2222などを備えている。
Kステーションの走査光学系は、ポリゴンミラー2104で偏向された光源ユニット2200aからの光束を感光体ドラム2030aの表面上に集光するトロイダルレンズ2107aを含み、Yステーションの走査光学系は、ポリゴンミラー2104で偏向された光源ユニット2200bからの光束を感光体ドラム2030dの表面上に集光するトロイダルレンズ2107dを含んでいる。
Cステーションの走査光学系は、ポリゴンミラー2104で偏向された光源ユニット2200aからの光束を感光体ドラム2030bの表面上に集光するトロイダルレンズ2107bを含み、Mステーションの走査光学系は、ポリゴンミラー2104で偏向された光源ユニット2200bからの光束を感光体ドラム2030cの表面上に集光するトロイダルレンズ2107cを含んでいる。
各トロイダルレンズは、いずれも−Y側の端部近傍が固定され、+Y側の端部近傍が副走査対応方向に変位可能に支持されている。
各光検知センサは、対応するステーションの走査光学系を介し、感光体ドラムにおける有効走査領域への走査開始前の光束の一部が入射し、該光束の副走査方向に関する位置ずれ情報が含まれる信号を出力する。
走査制御装置2222は、光検知センサ2205aの出力信号と光検知センサ2205dの出力信号とに基づいて、感光体ドラム2030a及び感光体ドラム2030dにおける各走査線の傾きと副走査レジストずれ量を求め、光検知センサ2205bの出力信号と光検知センサ2205cの出力信号とに基づいて、感光体ドラム2030b及び感光体ドラム2030cにおける各走査線の傾きと副走査レジストずれ量を求める。
そして、走査制御装置2222は、求めた走査線の傾きに応じて、対応するステッピングモータ2315の駆動量を決定し、モータ駆動回路222を介してステッピングモータ2315を制御する。また、走査制御装置2222は、求めた副走査レジストずれ量に応じて、対応する液晶偏向素子への印加電圧を決定し、液晶素子駆動回路213を介して液晶偏向素子を制御する。
この場合には、ポリゴンミラー2104の発熱によって光学ハウジング2300が変形しても、全ての感光体ドラムに対して高精度の光走査を安定して行うことができる。
また、従来は、走査開始端と走査終了端の2箇所にそれぞれ光検知センサを設けて、走査線の傾きを求めていた(例えば、特開2006−184526号公報、特許第4107578号公報、特開2004−287380号公報参照)が、本実施形態では、ステーション毎に1つの光検知センサを設ければよいため、部品点数を減らすことができ、コスト低減を図ることが可能である。そして、光検知センサの検知結果を保存しておくためのメモリの容量を従来よりも少なくすることができる。
また、2つの光検知センサの出力信号に基づいて、2つのステーションでの走査線の傾きを求めることができるため、処理時間を従来よりも短縮することができる。
また、位置ずれ検出処理の結果に基づいて、補正係数Sn及び補正係数Tnを求めているため、走査線の傾き及び副走査レジストずれの補正精度を向上させることができる。
また、各光源ユニットが、2次元アレイ100を有しているため、同時に複数の走査を行うことが可能である。
また、本実施形態に係るカラープリンタ2000によると、光走査装置2010を備えているため、高コスト化を招くことなく、高品質の画像を安定して形成することが可能である。
さらに、光走査装置2010が2次元アレイ100を有する光源ユニットを備えているため、高速で画像を形成することが可能である。また、形成される画像の高密度化を図ることが可能である。
また、ネットワークを介して、カラープリンタ2000と、電子演算装置(コンピュータ等)、画像情報通信システム(ファクシミリ等)等とを接続することにより、1台の画像形成装置で複数の機器からの出力を処理することができる情報処理システムを形成することができる。また、ネットワーク上に複数の画像形成装置を接続すれば、各出力要求から各画像形成装置の状態(ジョブの混み具合、電源が入っているかどうか、故障しているかどうか等)を知ることができ、一番状態の良い(使用者の希望に一番適した)画像形成装置を選択し、画像形成を行うことができる。
なお、上記実施形態では、位置ずれ検出器2245が3個の位置検出センサを有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。少なくとも、有効走査領域における書き込み開始端近傍に対応する位置と書き込み終了端近傍に対応する位置とにそれぞれ位置検出センサが配置されていれば良い。
また、上記実施形態では、各光検知センサが感光体ドラムにおける有効走査領域への走査開始前の光束の一部が入射する位置に配置される場合について説明したが、これに限らず、各光検知センサが感光体ドラムにおける有効走査領域への走査終了後の光束の一部が入射する位置に配置されても良い。
また、上記実施形態では、前記第1受光部181が長方形状の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、検知用光束が通過する2辺が副走査対応方向に平行な形状であれば良い。
また、上記実施形態では、前記第2受光部182が、平行四辺形状の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、検知用の光束が通過する2辺が主走査対応方向に対して傾斜している形状であれば良い。
また、上記実施形態では、各光源ユニットが40個の発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、4個の感光体ドラムを有する場合について説明したが、これに限らず、例えば、それぞれポリゴンミラー2104の一側と他側に配置されている2個の感光体ドラムを有していても良い。
また、上記実施形態では、位置ずれ検出処理の結果に基づいて、補正係数Sn及び補正係数Tnを求める場合について説明したが、これに限らず、位置ずれ検出処理の結果に基づいて、係数k及び係数mを補正(修正)しても良い。
なお、上記実施形態において、有効走査領域への書き込みの終了を検知するためのセンサ(便宜上、「終了検知センサ」と略述する)が更に設けられても良い。この場合に、前記画素クロック生成回路215は、光検知センサの出力信号と終了検知センサの出力信号とから、光検知センサと終了検知センサとの間を光束が走査するのに要した時間を求め、その時間に予め設定されている数のパルスが収まるように画素クロック信号の基準周波数を再設定しても良い。これにより、各ステーションによって形成される画像の転写ベルト2040上での全幅倍率を安定させることができる。
また、上記実施形態において、前記液晶偏向素子に代えて、Z軸方向に平行な軸回りに回動可能な非平行平板やガルバノミラーを用いても良い。
また、上記実施形態において、画像データをシフトするのに代えて、駆動対象の発光部を副走査対応方向に関して隣接する他の発光部にシフトしても良い。
また、上記実施形態では、画像形成装置としてカラープリンタ2000の場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、光走査装置2010を備えた画像形成装置であれば、結果として、高品質の画像を安定して形成することが可能である。例えば、レーザ光によって発色する媒体(例えば、用紙)に直接、レーザ光を照射する画像形成装置であっても良い。
また、上記実施形態では、光走査装置2010がプリンタに用いられる場合について説明したが、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機にも好適である。