JP2008070801A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置の組み立てに要する時間を短縮することができ、装置の大型化や、装置の重量増加を抑制しつつ、感光体の回転角速度変動による色ずれを最小にすることのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】潜像担持体たる感光体の角速度変動の位置ずれデータから算出したビーム位置補正データに基づき感光体の書込み位置を副走査線方向に変動させて感光体の角速度変動による色ずれを抑制する。これにより、感光体毎に駆動モータを設ける必要がなくなる。その結果、装置の大型化や、装置の重量増加を抑制することができる。
【選択図】図22
【解決手段】潜像担持体たる感光体の角速度変動の位置ずれデータから算出したビーム位置補正データに基づき感光体の書込み位置を副走査線方向に変動させて感光体の角速度変動による色ずれを抑制する。これにより、感光体毎に駆動モータを設ける必要がなくなる。その結果、装置の大型化や、装置の重量増加を抑制することができる。
【選択図】図22
Description
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置に関するものである。
従来、複数の潜像担持体上にそれぞれ異なる色の画像(可視像)を形成してこれらの画像を互いに重ね合わせてカラー画像を形成する、いわゆるタンデム型のカラー画像形成装置が知られている。この画像形成装置は、各潜像担持体上に画像情報に応じた光ビームを照射してこれを走査することにより潜像担持体上に潜像を形成し、この潜像を現像して画像を得る。
このようなタンデム型のカラー画像形成装置において、高画質な画像を形成するには各色トナー像間のトナー転写位置を正確に位置合わせする必要がある。各色トナー像間で位置ズレがあると、転写紙に形成される重ね合わせトナー像が、各色間で色ずれし、高品位なカラー画像を得ることができない。
このため、従来では、各潜像担持体間における副走査線方向の相対的な位置ズレ量を検知するパターン画像(レジストマーク画像)を形成した後にセンサを用いてその位置を検知し、その検知結果に応じて副走査線方向の走査位置の補正(レジスト補正)を行っている。
また、特許文献1には、各色の光ビームの潜像担持体上の書込み位置の位置合わせを行って、色ずれを抑制する画像形成装置が記載されている。
具体的には、まず、出荷前の画像形成装置において、各潜像担持体にテストチャートを作成し、これらテストチャートを転写ベルト上に順次重ね合わせてカラーのテストチャートを出力する。オペレータは、出力されたカラーテストチャートを目視して、色ずれを検定し、シリンドリカルレンズなどの偏向素子を調整して、色ずれを補正する。このような色ずれ補正が終了したら、書込光の副走査線位置を検知する副走査線位置検知センサで各色の書込光の副走査線位置を検知して、初期値として記憶装置に記憶する。そして、出荷後は、書込光の副走査線位置を検知し、検知結果に基づいて偏向素子を調整して初期値にあわせることで、色ずれを補正する。
具体的には、まず、出荷前の画像形成装置において、各潜像担持体にテストチャートを作成し、これらテストチャートを転写ベルト上に順次重ね合わせてカラーのテストチャートを出力する。オペレータは、出力されたカラーテストチャートを目視して、色ずれを検定し、シリンドリカルレンズなどの偏向素子を調整して、色ずれを補正する。このような色ずれ補正が終了したら、書込光の副走査線位置を検知する副走査線位置検知センサで各色の書込光の副走査線位置を検知して、初期値として記憶装置に記憶する。そして、出荷後は、書込光の副走査線位置を検知し、検知結果に基づいて偏向素子を調整して初期値にあわせることで、色ずれを補正する。
色ずれの発生要因としては、上記のように書込位置のずれによる色ずれの他に、個々の感光体ドラムの表面移動速度が周期的に変動を生ずることにより、各感光体上の単色画像の転写位置が相対的にズレることによっても生じる。このような感光体の周期的な表面移動速度変動は、感光体の軸に設置された駆動伝達系の伝達誤差(歯車偏心、歯累積ピッチ誤差による伝達誤差など)や、感光体を駆動伝達系から着脱可能にするために設けられたカップリングによる伝達誤差(軸傾き、軸心ずれによる)などの、感光体へ伝達される回転駆動力の回転角速度変動によって顕著に表れる。
このような感光体へ伝達される回転駆動力の回転角速度変動による色ずれを抑制するために、従来では、次のような処置がとられていた。
すなわち、複数の感光体の配設ピッチを感光体の周長の整数倍に設定し、各感光体ギヤの回転位相を互いに同期させる処置である。これにより、各転写位置での感光体の角速度が相対的に異なることが抑制され、色ズレを抑えることができる。
しかし、ギヤのフレや偏心特性、継ぎ手のガタなどは、感光体毎に異なるので、角速度変動の振幅が感光体毎に異なり、色ずれを十分抑制することが困難であった。また、複数の感光体の配設ピッチを感光体の周長の整数倍に設定するため、装置の小型化が困難になるという問題もあった。
しかし、ギヤのフレや偏心特性、継ぎ手のガタなどは、感光体毎に異なるので、角速度変動の振幅が感光体毎に異なり、色ずれを十分抑制することが困難であった。また、複数の感光体の配設ピッチを感光体の周長の整数倍に設定するため、装置の小型化が困難になるという問題もあった。
また、感光体の回転角速度変動による色ずれを最小にするため、次のような測定・調整をするものもある。すなわち、画像形成装置の組み立て工程で、各感光体の駆動軸の回転角速度を測定し、その測定結果から、基準色の感光体の回転角速度変動とその他の感光体の回転角速度変動との位相ずれや振幅差を算出する。次に、感光体ギヤのフレを測定して、その最大フレポイントにマーキングし、位相ずれを最小限に抑えるための感光体ギヤの最大フレポイントの組み付け位置を理論計算によって求める。次に、感光体ギヤの最大フレポイントが理論計算によって求めた組み付け位置にくるように感光体ギヤを組み付ける。そして、再度、各感光体の駆動軸の回転角速度を測定し、位相ずれが十分補正されていなかった場合は、一旦感光体ギヤを外して、最大フレポイントの組み付け位置を調整して再度組み付ける。このような、感光体ギヤの組み付け作業を行うことで、基準色の感光体の回転角速度変動とその他の感光体の回転角速度変動との位相ずれや振幅差を最小に抑えることができる。これにより、色ずれを最小に抑えることができる。
また、次のような測定・調整をして、感光体の回転角速度変動による色ずれを最小にするものもある。すなわち、装置の出荷時や、出荷後の所定のタイミングでそれぞれの感光体に所定のパターン像を中間転写ベルトに形成し、それぞれのパターン像を像検知手段によって検知する。その検知結果からそれぞれの感光体の角速度変動による色ずれ変動を算出する。そして、その算出結果に基づいて、それぞれの感光体の駆動速度を調整したり、駆動のタイミングを異ならせたりして、感光体の回転角速度変動による色ずれを最小にする。
しかし、感光体ギヤの組み付けで感光体の回転角速度変動による色ずれを最小にする調整を行う場合、位相ずれが十分補正されるまで、何度も感光体ギヤの組み付けを行う必要があり、装置の組み立てに時間を要してしまうという問題があった。
また、パターン像からそれぞれの感光体の角速度変動による色ずれ変動を算出し、その算出結果に基づいて各感光体の駆動速度を個別に調整して色ずれを補正するものは、感光体を個々に回転させる必要が生じる。このため、4つの駆動モータが必要となり、装置の大型化や、装置の重量が増加するなどの問題が生じる。
本発明は、上記背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、装置の組み立てに要する時間を短縮することができ、装置の大型化や、装置の重量増加を抑制しつつ、感光体の回転角速度変動による色ずれを最小にすることのできる画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の潜像担持体と、複数のレーザ光源から出射された各ビームを主走査方向に偏向する主走査線偏向手段および前記主走査線偏向手段で偏向された各ビームをそれぞれ各潜像担持体へ導く複数の光学素子を備えた光走査装置と、潜像担持体毎に設けられ、潜像担持体に互い異なる色のトナー像を作像する作像手段とを備え、各潜像担持体上に形成されたトナー像を表面移動部材によって搬送された記録材に順次転写するか、又はトナー像を表面移動部材の表面へ順次転写した後に表面移動部材上のトナー像を記録材に一括転写することにより、記録材に画像を形成する画像形成装置において、前記光走査装置は、ビームを副走査線方向に偏向する副走査線偏向手段をビーム毎に有し、各潜像担持体の回転基準位置を検知する回転基準位置検知手段と、回転基準位置検知手段が前記回転基準位置を検知したタイミングを基準とした潜像担持体の角速度変動に基づくビーム位置補正データを記憶する記憶手段と、前記回転基準位置検知手段が潜像担持体の回転基準位置を検知したタイミングで、前記記憶手段に記憶されたビーム位置補正データに基づいて、各副走査線方向偏向手段を制御して各ビームの潜像担持体への書込み位置を副走査線方向に変動させる制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、前記ビーム位置補正データは、回転基準位置検知手段が前記回転基準位置を検知したタイミングを基準にして測定された潜像担持体の角速度変動データから、感光体の所定の位置が書込位置を通過するときの速度と、転写位置を通過するときの速度とを算出し、この算出結果に基づいて算出されたものであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の画像形成装置において、表面移動部材上の検知パターン像を検知するパターン像検知手段と、記前記回転基準位置検知手段が潜像担持体の回転基準位置を検知したタイミングで、各潜像担持体の表面上への潜像形成を開始して得られる前記表面移動部材の表面移動方向に沿って所定の間隔で配列した複数の検知用パターンを前記パターン像検知手段で検知し、前記パターン検知手段が検知した検知データから各潜像担持体の角速度変動に基づくビーム位置補正データを求めることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、前記検知用パターンを、前記潜像担持体の周長よりも長い範囲にわたって形成することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかの画像形成装置において、前記ビーム位置補正データは、前記潜像担持体が等速で回転したときに前記潜像担持体上のトナー像が記録材または表面移動部材に転写される理想位置に対する位置ずれをキャンセルさせるためのビーム位置修正量であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至4いずれかの画像形成装置において、前記ビーム位置補正データは、前記潜像担持体上のトナー像を記録材また表面移動部材に転写したときの基準色に対する位置ずれをキャンセルさせるためのビーム位置修正量であることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5また6の画像形成装置において、前記ビーム位置補正データは、正弦曲線に近似したものであることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかの画像形成装置において、黒色のトナー像を担持する潜像担持体を単独で回転させる手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8いずれかの画像形成装置において、前記副走査線偏向手段を、レーザ光源と主走査線偏向手段との間に配置したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至9いずれかの画像形成装置において、ビーム毎に設けられ前記主走査線偏向手段によってそれぞれ偏向せしめられた後のビームの副走査線方向の位置を検知するビーム検知手段を設け、ビーム検知手段の検知結果に基づいて、副走査レジストずれを補正することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成装置において、前記ビーム検知手段を、前記光学素子のうち最も潜像担持体側のものと潜像担持体との間に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1乃至11いずれかの画像形成装置において前記回転基準位置検知手段は、前記潜像担持体の回転に伴って回転する被検知部材を検知することで、回転基準位置を検知するものであって、前記回転基準位置検知手段を光学センサとしたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項12の画像形成装置において、前記被検知部材を前記潜像担持体と同軸上に設けられた駆動部材に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、前記ビーム位置補正データは、回転基準位置検知手段が前記回転基準位置を検知したタイミングを基準にして測定された潜像担持体の角速度変動データから、感光体の所定の位置が書込位置を通過するときの速度と、転写位置を通過するときの速度とを算出し、この算出結果に基づいて算出されたものであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の画像形成装置において、表面移動部材上の検知パターン像を検知するパターン像検知手段と、記前記回転基準位置検知手段が潜像担持体の回転基準位置を検知したタイミングで、各潜像担持体の表面上への潜像形成を開始して得られる前記表面移動部材の表面移動方向に沿って所定の間隔で配列した複数の検知用パターンを前記パターン像検知手段で検知し、前記パターン検知手段が検知した検知データから各潜像担持体の角速度変動に基づくビーム位置補正データを求めることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、前記検知用パターンを、前記潜像担持体の周長よりも長い範囲にわたって形成することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかの画像形成装置において、前記ビーム位置補正データは、前記潜像担持体が等速で回転したときに前記潜像担持体上のトナー像が記録材または表面移動部材に転写される理想位置に対する位置ずれをキャンセルさせるためのビーム位置修正量であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至4いずれかの画像形成装置において、前記ビーム位置補正データは、前記潜像担持体上のトナー像を記録材また表面移動部材に転写したときの基準色に対する位置ずれをキャンセルさせるためのビーム位置修正量であることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5また6の画像形成装置において、前記ビーム位置補正データは、正弦曲線に近似したものであることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかの画像形成装置において、黒色のトナー像を担持する潜像担持体を単独で回転させる手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8いずれかの画像形成装置において、前記副走査線偏向手段を、レーザ光源と主走査線偏向手段との間に配置したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至9いずれかの画像形成装置において、ビーム毎に設けられ前記主走査線偏向手段によってそれぞれ偏向せしめられた後のビームの副走査線方向の位置を検知するビーム検知手段を設け、ビーム検知手段の検知結果に基づいて、副走査レジストずれを補正することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成装置において、前記ビーム検知手段を、前記光学素子のうち最も潜像担持体側のものと潜像担持体との間に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1乃至11いずれかの画像形成装置において前記回転基準位置検知手段は、前記潜像担持体の回転に伴って回転する被検知部材を検知することで、回転基準位置を検知するものであって、前記回転基準位置検知手段を光学センサとしたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項12の画像形成装置において、前記被検知部材を前記潜像担持体と同軸上に設けられた駆動部材に設けたことを特徴とするものである。
請求項1乃至13の発明によれば、潜像担持体の角速度変動の位置ずれデータから算出したビーム位置補正データに基づき潜像担持体の書込み位置を副走査線方向に変動させて潜像担持体の角速度変動による色ずれを抑制するので、潜像担持体毎に駆動モータを設ける必要がなくなる。その結果、装置の大型化や、装置の重量増加を抑制することができる。
また、基準色の潜像担持体の角速度変動とその他の潜像担持体の角速度変動との位相ずれや振幅差が最小となるまで、ギヤを何度も組み付ける必要がなくなり、装置の組み立てに要する時間を短縮することができる。
また、基準色の潜像担持体の角速度変動とその他の潜像担持体の角速度変動との位相ずれや振幅差が最小となるまで、ギヤを何度も組み付ける必要がなくなり、装置の組み立てに要する時間を短縮することができる。
以下に、本発明の一実施の形態における構成ついて説明する。
図1に、本発明を適用した、カラー画像を形成可能な画像形成装置の概略を示す。
画像形成装置1は、複写機であるが、ファクシミリ、プリンタ、複写機とプリンタとの複合機等、他の画像形成装置であっても良い。画像形成装置1が、プリンタ、ファクシミリ等として用いられる場合には、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。
図1に、本発明を適用した、カラー画像を形成可能な画像形成装置の概略を示す。
画像形成装置1は、複写機であるが、ファクシミリ、プリンタ、複写機とプリンタとの複合機等、他の画像形成装置であっても良い。画像形成装置1が、プリンタ、ファクシミリ等として用いられる場合には、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。
画像形成装置1は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体Sとして画像形成を行なうことが可能である。
画像形成装置1は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する単色画像を形成可能な複数の像担持体としての感光体ドラム(単に「感光体」と記すこともある。)1Y、1C、1M、1Kを並置したタンデム構造が用いられており、各感光体1Y〜1Kに形成された互いに異なる色の可視像が各感光体1Y〜1Kに対峙しながら移動可能な転写ベルト5によって搬送される記録媒体である転写紙Sにそれぞれ重畳転写されるようになっている。
一つの感光体ドラム1Y及びその周りに配設された構成を代表して画像形成処理に係る構成を説明する。なお、他の感光体ドラム1M〜1Kに関しても同様な構成であるので、便宜上、感光体ドラム1A及びその周りに配設した構成に付した符号に対応する符号を、感光体ドラム1M〜1K及びその周りに配設した対応する構成に付し、詳細な説明については適宜省略する。
感光体ドラム1Yの周囲には、矢印で示す回転方向に沿って画像形成処理を実行するためにコロトロンあるいはスコトロトン等の構成を用いた帯電装置3Y、レーザ光源からのレーザ光を用いる光走査装置20、現像装置2Yおよびクリーニング装置4Yがそれぞれ配置されている。本発明を適用した光走査装置20については、図2以下の図において詳細を説明する。
現像装置2Y〜2Kの配列は、図1において転写ベルト5の展張部における右側からイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックのトナーを供給できる順序となっている。帯電装置3Yには、図1に示した例では、ローラを用いているが、帯電装置3Yは、ローラを用いた接触式に限らず、放電ワイヤを用いたコロナ放電式を用いることも可能である。
画像形成装置1では、帯電装置3Y、光走査装置20、現像装置2Yおよびクリーニング装置4Y等が配置されている画像形成部の上部に原稿読取り部6が配置されており、原稿載置台6A上に載置された原稿を読取り装置7によって読取った画像情報を図示しない画像処理制御部に出力し、光走査装置20に対する書込み情報が得られるようになっている。
読取り装置7は、原稿載置台6A上に載置されている原稿を走査するための光源7Aおよび原稿からの反射光を色分解毎の色に対応して設けられているCCD7Bに結像させるための複数の反射鏡7Cと結像レンズ7Dとを備えており、色分解毎の光強度に応じた画像情報が各CCD7Bから画像処理制御部に出力される。
転写ベルト5は、複数のローラに掛け回されたポリエステルフィルムなどの誘電体で構成された厚さ100μm程度の部材であり、展張部分の一つが各感光体1Y〜1Kに対峙し、各感光体1Y〜1Kとの対峙位置内側には、転写装置8Y、8C、8M、8Kが配置されている。なお、転写ベルト5の厚さは、製造上凡そ±10μmの誤差が生じる。
転写ベルト5に対しては、レジストローラ9を介して給紙装置10の給紙カセット10A内から繰り出された転写紙Sが給送され、転写紙Sが転写ベルト5に対して転写装置8からのコロナ放電により静電吸着されて搬送される。転写装置8Y〜8Kは、正極のコロナ放電を用いて感光体ドラム1Y〜1Kに担持されている画像を転写紙Sに向けて静電吸着させる特性とされている。
各感光体1Y〜1Kからの画像転写が終了した転写紙Sが移動する位置に転写紙Sの分離装置11が、また、展張部分の今一つの部分にはベルトを挟んで対向する除電装置12が配置されている。なお、図1中、符号13は、転写ベルト5に残存しているトナーを除去するクリーニング装置を示している。
分離装置11は、記録媒体Sの上面から負極性のACコロナ放電を行うことにより転写紙Sに蓄積している電荷を中和して静電的な吸着状態を解除することにより転写ベルト5の曲率を利用した分離を可能にすると共に分離の際の剥離放電によるトナーチリの発生を防止するようになっている。また、除電装置12は、転写ベルト5の表裏両面から転写装置8Y〜8Kによる帯電特性と逆極性となる負極性のACコロナ放電を行うことにより転写ベルト5の蓄積電荷を中和して電気的初期化を行うようになっている。
各感光体1Y〜1Kでは、帯電装置3Y〜3Kによって感光体1Y〜1Kの表面が一様帯電され、原稿読取り部6における読取り装置7によって読取られた色分解色毎の画像情報に基づき光走査装置20を用いて感光体ドラム1Y〜1Kに静電潜像が形成され、該静電潜像が現像装置2Y〜2Kから供給される色分解色に対応する補色関係を有する色のトナーにより可視像処理されたうえで、転写ベルト5に担持されて搬送される転写紙Sに対して転写装置8Y〜8Kを介して静電転写される。
各感光体1Y〜1Kに担持された色分解毎の画像(単色画像)が転写された転写紙Sは、分離装置11により除電された上で転写ベルト5の曲率を利用して曲率分離された後に定着装置14に移動して未定着画像中のトナーが定着され、画像形成装置1本体外部の図示しない排紙トレイ上に排出される。
図2に示すように、光走査装置20はタンデム式の書込光学系である。
図2は光走査装置20の概略を示す図であり、走査レンズ方式を採用しているが、走査レンズ、走査ミラー方式のいずれにも対応可能である。また図2においては、図示の便宜上、2ステーションを示し、これに沿って以下説明するが、偏向手段としてのポリゴンミラー26、27を中心に左右対称に構成することで4ステーションとすることができ、これを画像形成装置1に用いている。画像形成装置1が本実施例のようにカラー画像を形成可能であるため、画像形成装置1がカラー画像を形成する場合には、光走査装置20はカラー画像を形成するために用いられるものである。
図2は光走査装置20の概略を示す図であり、走査レンズ方式を採用しているが、走査レンズ、走査ミラー方式のいずれにも対応可能である。また図2においては、図示の便宜上、2ステーションを示し、これに沿って以下説明するが、偏向手段としてのポリゴンミラー26、27を中心に左右対称に構成することで4ステーションとすることができ、これを画像形成装置1に用いている。画像形成装置1が本実施例のようにカラー画像を形成可能であるため、画像形成装置1がカラー画像を形成する場合には、光走査装置20はカラー画像を形成するために用いられるものである。
光走査装置20は、光源としてのレーザ発光素子LDを備えた2個のLDユニット21、22を有している。光走査装置20は、LDユニット21、22からそれぞれ出射されたレーザビームたるビームを、潜像担持体としての感光体ドラムたる感光体1Y、1Cのそれぞれに結像させるものであり、このための複数の光学素子からなる光学素子群51、52を、それぞれ、LDユニット21、22および感光体1Y、1Cに対応して有しており、これにより、光走査装置20は感光体1Y、1Cのそれぞれに対応して配設されている。
光学素子群51は、複数の光学素子、すなわちプリズム(副走査線偏向手段110)、折り返しミラー23、シリンダレンズ24、ポリゴンミラー26、第1の走査レンズ28、折り返しミラー31、32、第2の走査レンズ30、折り返しミラー33によって構成されている。光学素子群52は、複数の光学素子、すなわちプリズム(後述の副走査線偏向手段111)、シリンダレンズ25、ポリゴンミラー27、第1の走査レンズ29、第2の走査レンズ35、折り返しミラー36、37によって構成されている。
また、光走査装置20は、光学素子群51を構成する上述した光学素子のうち、第2の走査レンズ30を保持する保持部材61と、光学素子群52を構成する上述した光学素子のうち、第2の走査レンズ35を保持する保持部材62とを有している。保持部材61及びこの保持部材61に保持された被保持光学素子たる光学素子としての第2の走査レンズ30と、保持部材62及びこの保持部材62に保持された被保持光学素子たる光学素子としての第2の走査レンズ35とは、ほぼ同じ構成である。
LDユニット21、22は、ほぼ鉛直方向をなすビームの副走査方向Bにおいて異なる高さに配設されており、上側のLDユニット21から出射されたビームは、副走査線偏向手段110を通過してから、途中の折り返しミラー23で下側LDユニット22から出射されたビームと同一方向に曲げられ、下側のLDユニット22から出射されたビームは折り返しミラー23に入射する前に副走査線偏向手段111を通過し、折り返しミラー23を透過する。その後、LDユニット21のビーム、LDユニット22からのビームはそれぞれシリンダレンズ24、25に入射し、所定距離離れた上下2段のポリゴンミラー26、27反射面近傍に線状に集光する。
ポリゴンミラー26、27で偏向されたビームはそれぞれ、一体型あるいは2段に重ねられた第1の走査レンズ28、29でビーム整形され、その後、第2の走査レンズ30、35でfθ特性と所定のビームスポット径にビーム整形されて感光体1Y、1Cの感光体面上を走査する。第1の走査レンズ28、29以降、2個の異なる感光体1Y、1Cにビームを導くため光路が異なる。
上側のビームすなわち第1の走査レンズ28を透過したビームは、折り返しミラー31、32によって曲げられてから、長尺プラスチックレンズ上たる第2の走査レンズ30に入射し、折り返しミラー33によってB方向のうち鉛直下方向に曲げられて感光体1上をビームの走査方向である主走査方向Aに走査する。
下側のビームすなわち第1の走査レンズ29を透過したビームは、途中折り返しミラーに入射することなく、長尺プラスチックレンズ下たる第2の走査レンズ35に入射した後、2枚の折り返しミラー36、37によって光路を曲げられて、所定のドラム間ピッチの感光体1Y上をビームの主走査方向Aに走査する。図2において矢印Cは第2の走査レンズ30、35の光軸方向を示している。
図3は、4つの感光体1Y〜1Kの周囲構成を示す拡大構成図である。同図において、感光体1Y〜1Kは、それぞれ、図示しない軸受けにより、その回転中心に設けられた回転軸201Y,M,C,Kを中心にして回転可能に支持されている。回転軸201Y,M,C,Kの一端部には、感光体1Y〜1Kよりも遙かに大きな経の個別ギヤたる感光体ギヤ202Y,M,C,Kが固定されている。K用の感光体ギヤ202Kには、K用の感光体モータ190Kのモータ軸に固定されたK用原動ギヤ195が噛み合っている。K用の感光体1Kは、このかみ合いにより、K用の感光体モータ190Kの回転駆動力が伝達されて回転駆動せしめられる。一方、M用の感光体ギヤ202MとC用の感光体ギヤ202Cとの間には、カラー原動ギヤ196がこれら感光体ギヤに噛み合うように配設されている。このカラー原動ギヤ196は、カラー感光体モータ190YMCのモータ軸に固定されており、カラー感光体モータ190YMCの駆動力をM用の感光体ギヤ202Mと、C用の感光体ギヤ202Cとに伝達する。これにより、M用の感光体1Mと、C用の感光体1Cとがそれぞれ回転駆動せしめられる。また、Y用の感光体ギヤ202Yと、M用の感光体ギヤ202Mとの間には、アイドラギヤ197がこれら感光体ギヤに噛み合うように配設されている。これにより、カラー感光体モータ190YMCの駆動力が、カラー原動ギヤ196、M用の感光体ギヤ202M、アイドラギヤ197、Y用の感光体ギヤ202Yを順次介して、Y用の感光体に伝達される。
かかる構成により、K以外の3つの感光体は、1つのカラー感光体モータ190YMCによって回転駆動せしめられる。
かかる構成により、K以外の3つの感光体は、1つのカラー感光体モータ190YMCによって回転駆動せしめられる。
K用の感光体1Kは、他の感光体とは別の駆動源であるK用の感光体モータ190Kによって回転駆動される。K用の感光体だけ駆動源が別になっているのは、モノクロプリントの需要がカラープリントに比べて高いことに起因する。需要の高いモノクロプリント時においては、K用の感光体1Kだけを駆動させるようにすることで、他の感光体やモータの消耗を抑えたり、省エネルギー化を図ったりするためである。なお、モノクロプリント時には、このようにしてK用感光体1Kだけが駆動されるが、このとき、図1に示した転写ベルト5は、4つの感光体1Y,M,C,Kのうち、K用の感光体1Kだけ接触するような姿勢をとる。
また、図4に示すように、駆動部材たる感光体ギヤ202に被検知部材たる突状のフィラー205を取り付ける。図4に示す例では、全ての感光体ギヤ202Y、C、M、Kにフィラーを取り付けており、M色とK色のみ、検知手段である回転位置センサ(フォトセンサ)191K、191YMCを設けている。回転位置センサ191はこのフィラー205が読み取り範囲内に存在する場合に信号がHIGHとなり、フィラー56が読み取り範囲内に存在しない場合に信号がLOWとなる構成となっている。この信号がHIGHからLOW、または、LOWからHIGHに切り替わるところを回転基準位置として設定する。
次に、副走査線偏向手段について、実施例A〜Cに基づいて詳細に説明する。
[実施例A]
まず、実施例Aの副走査線偏向手段について説明する。
図5〜図10に、実施例Aの副走査線偏向手段の構成例を示す。
実施例Aの副走査線偏向手段は、液晶からなる液晶光学素子140と液晶光学素子140に電圧を印加する制御回路141との組合せ(図5)からなっている。液晶光学素子140は、光ビームを射出する光源22と主走査線方向偏向手段26との間、または主走査線偏向手段26と走査レンズ28との間に液晶光学素子140を配置する。例えば、図6に示すように、光走査装置20内の構成物の一部(光源たるLDユニット22、コリメータレンズ24、主走査線偏向手段たるポリゴンミラー26、液晶光学素子140、制御回路141、走査レンズ28)の配置関係を示しており、液晶光学素子140は主走査線偏向手段たるポリゴンミラー26と走査レンズ28との間に配置されている。ポリゴンミラー26により偏向走査される光ビームは液晶光学素子140により図中D方向(副走査方向)にビーム位置の変動が可能である。
まず、実施例Aの副走査線偏向手段について説明する。
図5〜図10に、実施例Aの副走査線偏向手段の構成例を示す。
実施例Aの副走査線偏向手段は、液晶からなる液晶光学素子140と液晶光学素子140に電圧を印加する制御回路141との組合せ(図5)からなっている。液晶光学素子140は、光ビームを射出する光源22と主走査線方向偏向手段26との間、または主走査線偏向手段26と走査レンズ28との間に液晶光学素子140を配置する。例えば、図6に示すように、光走査装置20内の構成物の一部(光源たるLDユニット22、コリメータレンズ24、主走査線偏向手段たるポリゴンミラー26、液晶光学素子140、制御回路141、走査レンズ28)の配置関係を示しており、液晶光学素子140は主走査線偏向手段たるポリゴンミラー26と走査レンズ28との間に配置されている。ポリゴンミラー26により偏向走査される光ビームは液晶光学素子140により図中D方向(副走査方向)にビーム位置の変動が可能である。
液晶光学素子140の例としては、図7に示すように、電極を有する基板142,143及び液晶層145からなるものが挙げられる。これにより、制御回路141から電極に所定の電位差を印加することで、液晶層145にプリズム作用を生じさせ、入射するビームを所定位置に平行移動させることで、副走査方向にビーム位置を変動させることができる。
また、液晶光学素子140のほかの例としては、図8に示すように、液晶層145と該液晶層145のビーム入射側に設けられる電極146,147からなるものが挙げられる。これにより、制御回路141から電極に所定の電位差を印加することで、凸レンズのレンズ作用を生じさせ、ビームを屈折させることで、副走査方向にビーム位置を変動させることができる。
[実施例B]
次に、実施例Bの副走査線偏向手段について説明する。
図9〜図13に、実施例Bの副走査線偏向手段の構成例を示す。
実施例Bは特開2004−4191号公報に開示されている副走査線偏向手段を利用するものである。すなわち、光ビームを透過し、主走査方向の軸と平行な軸で回転可能に設置された平行平板150を使用し、光ビームを射出する光源(LDユニット22)と主走査線偏向手段(ポリゴンミラー26)との間、または主走査線偏向手段(ポリゴンミラー26)と走査レンズ28との間に平行平板150を配置する。回転により傾いた平行平板150に光ビームを入射させることにより、副走査方向のビーム位置の変動が可能である(図9)。
次に、実施例Bの副走査線偏向手段について説明する。
図9〜図13に、実施例Bの副走査線偏向手段の構成例を示す。
実施例Bは特開2004−4191号公報に開示されている副走査線偏向手段を利用するものである。すなわち、光ビームを透過し、主走査方向の軸と平行な軸で回転可能に設置された平行平板150を使用し、光ビームを射出する光源(LDユニット22)と主走査線偏向手段(ポリゴンミラー26)との間、または主走査線偏向手段(ポリゴンミラー26)と走査レンズ28との間に平行平板150を配置する。回転により傾いた平行平板150に光ビームを入射させることにより、副走査方向のビーム位置の変動が可能である(図9)。
図10は平行平板150を含む実施例Bの副走査線偏向手段の断面状態を示し、図11は実施例Bの副走査線偏向手段の斜視を示した図である。
実施例Bの副走査線偏向手段は、偏芯カム151、ステッピングモータ等のアクチュエータ152、平行平板突き当て面153、板ばね154、回転軸159、平行平板150から構成されている。
実施例Bの副走査線偏向手段は、偏芯カム151、ステッピングモータ等のアクチュエータ152、平行平板突き当て面153、板ばね154、回転軸159、平行平板150から構成されている。
平行平板150は、平行平板150の下側2ヶ所を受け部の突起に突き当たり、上側は偏芯カム151によって固定され、反対側から板ばね154によって加圧されている。偏芯カム151にはアクチュエータ152が取り付けられ、この回転駆動により偏芯カム151が回転し、平行平板150の上側の突き当て位置を動かすことにより、矢印の方向に平行平板150が回転する。このとき、回転中心は下側の突き当て面(2ヶ所)を通過する軸となる。なお、回転中心は光軸上になくてもよい。
図12は、実施例Bの副走査線偏向手段の他の例を示すものであり、偏芯カム軸にフィラーを設けたものである。この場合は、偏芯カム軸にフィラーを取り付け、そのフィラーを動かすことによって偏芯カム151を回転させ、平行平板150を回転させる。
実施例Bの副走査線偏向手段によっても、傾いた平行平板150に入射した光ビームは、入射光ビームと平行でかつ副走査方向にずれて出射され、その軸ずれ量は平行平板150の回転角に比例して増加する関係となる。
また、この平行平板150に代えて、図13に示すように、断面形状が台形であるプリズム160を配置し、プリズム160を副走査方向(図中上下方向)の所定位置に平行移動させることにより副走査方向のビーム位置の補正を行ってもよい。なお、プリズム160周りのアクチュエータの構成は前記平行平板のアクチュエータを利用するものでよい。
[実施例C]
次に、実施例Cの副走査線偏向手段について説明する。
図14〜図17に、実施例Bの副走査線偏向手段の構成例を示す。
実施例Cは特開2003−330243号公報に開示されている副走査線偏向手段を利用するものである。すなわち、図14に示すように、レーザ発光素子LDは、LDユニット(光学素子ユニット)21として、カップリング光学系であるコリメートレンズ21aとともに保持部材21bに保持されており、レーザ発光素子LDから出射された光ビームBは、コリメートレンズ21a及びポリゴンミラー26との間に配設されているアパーチャ21cとシリンダレンズ24を通して、ポリゴンミラー26に照射される。このLDユニット21は、ポリゴンミラー26及び感光体1に光ビームBを照射させる他の光学素子を保持して光学ユニットを構成する光学ハウジング(図示略)に対して、回転可能に取り付けられているとともに、LDユニット21の回転中心軸OSと光ビームBの光軸が、主に主走査方向に所定のずれを有する状態で取り付けられており、また、ポリゴンミラー26の偏向位置でLDユニット21の回転中心軸OSとビーム光軸を略一致させる構成となっている。
次に、実施例Cの副走査線偏向手段について説明する。
図14〜図17に、実施例Bの副走査線偏向手段の構成例を示す。
実施例Cは特開2003−330243号公報に開示されている副走査線偏向手段を利用するものである。すなわち、図14に示すように、レーザ発光素子LDは、LDユニット(光学素子ユニット)21として、カップリング光学系であるコリメートレンズ21aとともに保持部材21bに保持されており、レーザ発光素子LDから出射された光ビームBは、コリメートレンズ21a及びポリゴンミラー26との間に配設されているアパーチャ21cとシリンダレンズ24を通して、ポリゴンミラー26に照射される。このLDユニット21は、ポリゴンミラー26及び感光体1に光ビームBを照射させる他の光学素子を保持して光学ユニットを構成する光学ハウジング(図示略)に対して、回転可能に取り付けられているとともに、LDユニット21の回転中心軸OSと光ビームBの光軸が、主に主走査方向に所定のずれを有する状態で取り付けられており、また、ポリゴンミラー26の偏向位置でLDユニット21の回転中心軸OSとビーム光軸を略一致させる構成となっている。
また、LDユニット21は、図15に示すように、その主走査方向側の一端部側にビーム位置調整モータ21eのリードスクリュウ21fが係合しており、ビーム位置調整モータ21eが回転すると、リードスクリュウ21fが回転して、LDユニット21が回転中心軸OSを中心として、図15に矢印で示すように回転する。
ついで、LDユニット21が回転中心軸OSを中心として回転すると、図16に示すように、レーザ発光素子LDとカップリング光学系を保持する保持部材21bからなるLDユニット21が副走査方向に変位して、レーザ照射位置が移動するようになる。
その結果、図17に示すように、レーザ発光素子LDから出射された光ビームBが、感光体1上では、回転中心を中心にして、副走査方向に移動して、ビーム照射位置が変位する。
このように、LDユニット21を回転中心軸OSを中心に回転させることで、繰り返し安定性を向上させることができ、色ずれを高精度に補正することが可能となる。
ついで、LDユニット21が回転中心軸OSを中心として回転すると、図16に示すように、レーザ発光素子LDとカップリング光学系を保持する保持部材21bからなるLDユニット21が副走査方向に変位して、レーザ照射位置が移動するようになる。
その結果、図17に示すように、レーザ発光素子LDから出射された光ビームBが、感光体1上では、回転中心を中心にして、副走査方向に移動して、ビーム照射位置が変位する。
このように、LDユニット21を回転中心軸OSを中心に回転させることで、繰り返し安定性を向上させることができ、色ずれを高精度に補正することが可能となる。
次に、各感光体の角速度変動によって生じる色ずれについて詳細に説明する。
図18は、K色とM色との色ずれについて説明する図である。なお、図18では、便宜上、K色の変動成分の中央を基準値としている。図の(a)は、K色の感光体の書込み位置での感光体の角速度変動と、M色の感光体の書込み位置での感光体の角速度変動との関係を示す図である。図の(b)は、M色のトナー像と、K色のトナー像とを重ね合わせたときの感光体が等速で回転したときの転写ベルト上の位置(理想位置)に対する位置ずれの変動(以下、位置ずれ波形という)を示す図である。図の(c)は、図(b)に示す、各色の位置ずれ波形から、それぞれ感光体の角速度変動によって生じる周期変動成分のみを抽出したものである。また、図の(d)は、図の(c)の位置ずれ波形(位置ずれ周期変動成分)から、M−K間の色ずれ周期変動成分(以下、色ずれ波形という)に変換したものである。また、図の(e)は、図の(b)の各色の色ずれ変動から、M−K間の色ずれ周期変動成分に変換したものである。
図18は、K色とM色との色ずれについて説明する図である。なお、図18では、便宜上、K色の変動成分の中央を基準値としている。図の(a)は、K色の感光体の書込み位置での感光体の角速度変動と、M色の感光体の書込み位置での感光体の角速度変動との関係を示す図である。図の(b)は、M色のトナー像と、K色のトナー像とを重ね合わせたときの感光体が等速で回転したときの転写ベルト上の位置(理想位置)に対する位置ずれの変動(以下、位置ずれ波形という)を示す図である。図の(c)は、図(b)に示す、各色の位置ずれ波形から、それぞれ感光体の角速度変動によって生じる周期変動成分のみを抽出したものである。また、図の(d)は、図の(c)の位置ずれ波形(位置ずれ周期変動成分)から、M−K間の色ずれ周期変動成分(以下、色ずれ波形という)に変換したものである。また、図の(e)は、図の(b)の各色の色ずれ変動から、M−K間の色ずれ周期変動成分に変換したものである。
図の(a)に示すような角速度変動のある感光体で形成されたM色のトナー像と、K色のトナー像とを重ね合わせたときの各色の位置ずれ変動は、図の(b)に示すようになる。なお、図の(b)は、転写媒体(転写ベルト・転写紙)に転写したときの位置ずれ変動を、正弦曲線に近似したものを示しており、実際は、転写位置での感光体の速度変動、書込み位置での感光体速度変動成分が重畳したものが現れ、複雑な波形を示す。
また、各感光体ギヤは、それぞれ異なるフレ成分を有しているので、感光体毎に位相・振幅の異なる角速度変動となる。その結果、図の(b)に示すように、M色の位置ずれ変動と、K色の位置ずれ変動とは、振幅も位相も全く異なる波形を示すのである。
そして、図の(b)に示すように、K色の位置ずれ変動とM色の位置ずれ変動とが重なっている箇所が、色ずれが生じてない箇所にあたり、K色の位置ずれ変動とM色の位置ずれ変動とが重なっていない箇所が、M色とK色との間で色ずれが生じている。
この図(b)に示した各色の位置ずれ変動から、M−K間の色ずれ周期変動成分に変換した図(e)からわかるように、M色の位置ずれ変動と、K色の位置ずれ変動とによって生じるM−K間の色ずれは、平均値成分(レジストずれ)と感光体の角速度変動によって生じる周期変動成分とからなる。
また、各感光体ギヤは、それぞれ異なるフレ成分を有しているので、感光体毎に位相・振幅の異なる角速度変動となる。その結果、図の(b)に示すように、M色の位置ずれ変動と、K色の位置ずれ変動とは、振幅も位相も全く異なる波形を示すのである。
そして、図の(b)に示すように、K色の位置ずれ変動とM色の位置ずれ変動とが重なっている箇所が、色ずれが生じてない箇所にあたり、K色の位置ずれ変動とM色の位置ずれ変動とが重なっていない箇所が、M色とK色との間で色ずれが生じている。
この図(b)に示した各色の位置ずれ変動から、M−K間の色ずれ周期変動成分に変換した図(e)からわかるように、M色の位置ずれ変動と、K色の位置ずれ変動とによって生じるM−K間の色ずれは、平均値成分(レジストずれ)と感光体の角速度変動によって生じる周期変動成分とからなる。
次に、上述した感光体の角速度変動によって生じる色ずれの補正について、実施例1および実施例2に基づき説明する。
[実施例1]
まず、実施例1の感光体の角速度変動によって生じる色ずれの補正について説明する。
図19は、実施例1の色ずれ補正を行う制御手段のブロック図である。
図19において、回転位置センサ191から信号がインターフェイスI/F340を介してCPU341に入力される。そして、CPU341は、記憶手段であるメモリ342に格納されたビーム位置補正データに基づいて、インターフェイスI/F340を介して副走査線方向偏向素子を制御する。
まず、実施例1の感光体の角速度変動によって生じる色ずれの補正について説明する。
図19は、実施例1の色ずれ補正を行う制御手段のブロック図である。
図19において、回転位置センサ191から信号がインターフェイスI/F340を介してCPU341に入力される。そして、CPU341は、記憶手段であるメモリ342に格納されたビーム位置補正データに基づいて、インターフェイスI/F340を介して副走査線方向偏向素子を制御する。
図20は、実施例1における色ずれ補正の前処理工程である特性測定の手順を説明する図である。
図21に示すように、まず、装置の組み立て工程時において、感光体ギヤ202Y、M、C、K、感光体モータ190K、190YMCなどが一体的設けられた感光体駆動ユニット210を、角速度測定装置200に組み付ける。角速度測定装置200は、感光体を回転するときと同程度のトルクを感光体モータ190K、190YMCに負荷する4つのトルクコントローラ200aと、トルクコントローラ200aの回転速度を検知するエンコーダ200bとを有している。
各感光体の回転軸が連結される各継ぎ手部206K、Y、M、C(図4参照)にトルクコントローラ200aから伸びる回転軸を連結される。次に、感光体モータ190K、190YMCを駆動させて、トルクコントローラ200aを回転させる(S1)。次に、回転位置センサ191K、191YMCが、感光体の回転基準位置を検知したタイミングで、エンコーダ200bで回転速度を測定して、少なくとも感光体1周分に相当する角速度変動データを得る。
図21に示すように、まず、装置の組み立て工程時において、感光体ギヤ202Y、M、C、K、感光体モータ190K、190YMCなどが一体的設けられた感光体駆動ユニット210を、角速度測定装置200に組み付ける。角速度測定装置200は、感光体を回転するときと同程度のトルクを感光体モータ190K、190YMCに負荷する4つのトルクコントローラ200aと、トルクコントローラ200aの回転速度を検知するエンコーダ200bとを有している。
各感光体の回転軸が連結される各継ぎ手部206K、Y、M、C(図4参照)にトルクコントローラ200aから伸びる回転軸を連結される。次に、感光体モータ190K、190YMCを駆動させて、トルクコントローラ200aを回転させる(S1)。次に、回転位置センサ191K、191YMCが、感光体の回転基準位置を検知したタイミングで、エンコーダ200bで回転速度を測定して、少なくとも感光体1周分に相当する角速度変動データを得る。
次に、得られた各色の角速度変動データから、位置ずれデータとしての各色の位置ずれ波形(転写媒体に転写したときの理想位置からの位置ずれ変動:図18(c)参照)を算出する(S2)。
書込み位置と転写位置との位置関係が分かっているので、回転速度変動データを所定の位相で補正することで、感光体の所定の位置が書込み位置を通過するときの速度と転写位置を通過するときの角速度がわかる。これにより、位置ずれデータとしての位置ずれ波形(位置ずれの周期変動成分)を算出することができる。
書込み位置と転写位置との位置関係が分かっているので、回転速度変動データを所定の位相で補正することで、感光体の所定の位置が書込み位置を通過するときの速度と転写位置を通過するときの角速度がわかる。これにより、位置ずれデータとしての位置ずれ波形(位置ずれの周期変動成分)を算出することができる。
各色の位置ずれ波形(位置ずれの周期変動成分)を算出したら、算出した位置ずれ波形を正弦曲線で近似する(S3)。次に、各色の位置ずれ波形に基づいて、各色のビーム位置補正データPk、Pc、Pm、Pyを算出する(S4)。具体的には、K、Y、M、Cの位置ずれ波形をキャンセルするような波形(位置ずれ補正波形)を算出する。これをビーム位置補正データPk、Pc、Pm、Pyとして、記憶手段たるメモリ342に記憶する(S5)。また、算出した位置ずれ補正波形を直交検波して、位相および振幅を算出し、これをビーム位置補正データPk、Pc、Pm、Pyとして、メモリ342に記憶させてもよい。このように、位置ずれ波形を正弦曲線に近似することで、位置ずれ補正波形も単純な正弦曲線となる。その結果、位置ずれ補正波形の位相および振幅をビーム位置補正データとして記憶手段に格納しておいても、色ずれ補正時にこの位相と振幅とから容易に位置ずれ補正波形を再現することができる。よって、正弦曲線で近似していない位置ずれ波形から、位置ずれ補正波形を算出し、これをメモリ342に記憶するものに比べて、メモリ342に記憶されるデータ容量を低減することができる。単純な正弦曲線の位置ずれ補正波形に基づき、前述の副走査線方向偏向手段を制御することになるので、副走査線方向偏向手段を制御仕様を単純化することができる。
もちろん、正弦曲線で近似していない位置ずれ波形から、位置ずれ補正波形を算出し、これをメモリ342に記憶してもよい。この正弦曲線で近似していない位置ずれ波形から算出された位置ずれ補正波形で色ずれ補正を行うことで、精度の高い色ずれ補正を行うことができる。
もちろん、正弦曲線で近似していない位置ずれ波形から、位置ずれ補正波形を算出し、これをメモリ342に記憶してもよい。この正弦曲線で近似していない位置ずれ波形から算出された位置ずれ補正波形で色ずれ補正を行うことで、精度の高い色ずれ補正を行うことができる。
また、位置ずれ波形そのものを、ビーム位置補正データとしてメモリ342に格納しておいてもよいし、また位置ずれ波形を正弦曲線に近似して近似した正弦曲線の振幅および位相をビーム位置補正データとしてメモリ342に記憶してもよい。位置ずれ波形をビーム位置補正データとして記憶した場合は、色ずれ補正時に、メモリ342のビーム位置補正データから、位置ずれがキャンセルされる補正量を算出して副走査線偏向手段を制御する。
次に、色ずれ補正について説明する。
図22は、プリント動作時の色ずれ補正の手順を説明する図である。
図に示すように、各色の主走査線方向の同期検出後(S9)、回転位置センサ191K、191YMCで、感光体の回転基準位置を検知したタイミングで、色ずれ補正を開始する(S10)。具体的には、ビーム位置補正データPk、Pc、Pm、Pyに基づいて、上述の実施例A〜Cに示した副走査線偏向手段を制御して、各色の副走査線方向の書込み位置を変動させる。
図22は、プリント動作時の色ずれ補正の手順を説明する図である。
図に示すように、各色の主走査線方向の同期検出後(S9)、回転位置センサ191K、191YMCで、感光体の回転基準位置を検知したタイミングで、色ずれ補正を開始する(S10)。具体的には、ビーム位置補正データPk、Pc、Pm、Pyに基づいて、上述の実施例A〜Cに示した副走査線偏向手段を制御して、各色の副走査線方向の書込み位置を変動させる。
このように、色ずれ補正動作が開始したら、画像形成動作を開始して、画像を形成する(S11)。実施例1では、各色の位置ずれをキャンセルするように各色の副走査線方向の書込み位置を変動させることで、位置ずれ変動が抑制され、色ずれが抑制された高品位な画像を得ることができる。
なお、図22に示す色ずれ補正の手順では、各色の主走査線方向同期検出後に、色ずれ補正動作を開始しているが、これに限定されるものではない。すなわち、プリント動作がスタートして、画像形成動作が開始するまでの間であれば、どのタイミングで色ずれ補正動作を開始してもよい。
次に、実施例1の変形例について説明する。
上記実施例1は、各色の転写媒体上の理想の転写位置に対する位置ずれである位置ずれ波形に基づいて色ずれ補正を行うものであったが、この実施例1の変形例は、基準色に対する位置ずれである色ずれ波形(図18(d)参照)に基づいて色ずれ補正を行うものである。
図23は、実施例1の変形例における色ずれ補正の前処理工程である特性測定のフローチャートである。
実施例1と同様に、装置の組み立て工程時において、感光体駆動ユニット210を、角速度測定装置200に組み付けて、感光体駆動ユニットを回転させる(S21)。そして、回転位置センサ191が、感光体の回転基準位置を検知したタイミングで、エンコーダ200bで回転速度を測定して、少なくとも感光体1周分に相当する回転速度変動データを得る。このとき、回転位置センサ191が、K色用と、カラー用とで2つ以上ある場合は、基準色(K色)の回転位置センサ191Kが基準回転位置を検知して、回転速度の測定を開始してから、カラー用の回転位置センサ191YMCが基準回転位置を検知して、Y、M,C色の回転速度の測定を開始するまでの時間差Aを計測する(S21’)。
上記実施例1は、各色の転写媒体上の理想の転写位置に対する位置ずれである位置ずれ波形に基づいて色ずれ補正を行うものであったが、この実施例1の変形例は、基準色に対する位置ずれである色ずれ波形(図18(d)参照)に基づいて色ずれ補正を行うものである。
図23は、実施例1の変形例における色ずれ補正の前処理工程である特性測定のフローチャートである。
実施例1と同様に、装置の組み立て工程時において、感光体駆動ユニット210を、角速度測定装置200に組み付けて、感光体駆動ユニットを回転させる(S21)。そして、回転位置センサ191が、感光体の回転基準位置を検知したタイミングで、エンコーダ200bで回転速度を測定して、少なくとも感光体1周分に相当する回転速度変動データを得る。このとき、回転位置センサ191が、K色用と、カラー用とで2つ以上ある場合は、基準色(K色)の回転位置センサ191Kが基準回転位置を検知して、回転速度の測定を開始してから、カラー用の回転位置センサ191YMCが基準回転位置を検知して、Y、M,C色の回転速度の測定を開始するまでの時間差Aを計測する(S21’)。
次に、実施例1同様、各色の位置ずれ波形を算出して(S22)、この位置ずれ波形から、位置ずれデータとして、基準色(K色)と各色(M、C、Y)との間の色ずれ周期変動(色ずれ波形)を算出する(S23)。なお、回転位置センサ191が、K色用と、カラー用とで2つ以上ある場合における色ずれ波形は、基準色(K色)とカラー色との検知タイミングの時間差がAのときの色ずれ波形となる。次に、K−M間の色ずれ波形、K−C間の色ずれ波形、K−Y間の色ずれ波形をそれぞれ正弦曲線に近似する(S24)。次に、正弦曲線に近似した色ずれ波形から、この色ずれ波形をキャンセルする波形(色ずれ補正波形)を算出して(S25)、これをビーム位置補正データSm、Sc、Syとしてメモリ342に記憶する(S26)。また、回転位置センサ191が、K色用と、カラー用とで2つある場合は、計測した基準色(K色)とカラー色との検知タイミングの時間差Aもメモリ342に記憶する(S26’)。
この変形例においても、算出した色ずれ補正波形を直交検波して、位相および振幅を算出し、これをビーム位置補正データSm、Sc、Syとして、メモリ342に記憶させてもよい。また、正弦曲線で近似していない色ずれ波形から、色ずれ補正波形を算出し、これをメモリ342に記憶してもよい。また、位置ずれ波形を正弦曲線で近似し、この正弦曲線で近似した位置ずれ波形から、色ずれ波形を算出してもよい。
この変形例においても、算出した色ずれ補正波形を直交検波して、位相および振幅を算出し、これをビーム位置補正データSm、Sc、Syとして、メモリ342に記憶させてもよい。また、正弦曲線で近似していない色ずれ波形から、色ずれ補正波形を算出し、これをメモリ342に記憶してもよい。また、位置ずれ波形を正弦曲線で近似し、この正弦曲線で近似した位置ずれ波形から、色ずれ波形を算出してもよい。
また、色ずれ波形そのものを、ビーム位置補正データとしてメモリ342に格納しておいてもよいし、色ずれ波形を正弦曲線に近似して近似した正弦曲線の振幅および位相をビーム位置補正データとしてメモリ342に記憶してもよい。色ずれ波形をビーム位置補正データとして記憶した場合は、色ずれ補正時に、メモリ342のビーム位置補正データから、色ずれがキャンセルされる補正量を算出して副走査線偏向手段を制御する。
次に、変形例の色ずれ補正について説明する。
図24は、変形例の色ずれ補正の手順を説明する図である。
図に示すように、各色の主走査線方向の同期検出後(S30)、色ずれ補正動作を開始する(S31)。具体的には、ビーム位置補正データSc、Sm、Syに基づいて、M、C、Y色の副走査線偏向手段を制御して、副走査線方向の書込み位置を変動させる。
図24は、変形例の色ずれ補正の手順を説明する図である。
図に示すように、各色の主走査線方向の同期検出後(S30)、色ずれ補正動作を開始する(S31)。具体的には、ビーム位置補正データSc、Sm、Syに基づいて、M、C、Y色の副走査線偏向手段を制御して、副走査線方向の書込み位置を変動させる。
一方、回転位置センサ191が、K色用とカラー用とで2つある場合は、色ずれ補正動作を行う前に、K色用の回転位置センサ191Kが感光体基準位置を検知してから、カラー用回転位置センサ191YMCが感光体基準位置を検知するまでの時間Dを計測する(S30a)。次に、計測した時間Dとメモリ342に記憶されている時間差Aとの差分値の絶対値が、所定値T以下か否かチェックする(S30b)。この所定値Tは、感光体が一周する所要時間の1/8〜1/4程度に設定するのが好ましい。差分値の絶対値が、所定値T以上である場合(S30bのNO)は、差分値(D−A)に基づいて、K色用またはカラー用の感光体駆動モータの速度を変更して、感光体を半回転させる(S30c)。そして、再度、時間Dを計測して(S30a)、差分値(D−A)の絶対値が、所定値T以下か否かチェックする(S30b)。一方、差分値の絶対値が、所定値T以下である場合(S30bのYES)、色ずれ補正動作を開始する(S31)。
副走査線方向の書込み位置の変動を開始したら、画像形成動作を開始する(S32)。
本実施形態においては、計測した時間Dと時間差Aとの差分値が所定値T以下ならば、M、C、Y色の副走査線偏向手段を制御して、色ずれ補正を行っているが、計測した時間Dが時間差Aとなってから、色ずれ補正を行ってもよい。計測した時間Dが時間差Aとなってから、色ずれ補正を行うことで、良好に色ずれを補正することができるメリットがある。しかし、計測した時間Dが時間差Aとなるまで、駆動モータの速度変更→時間D計測→(D=A)か否かの判定処理を何度も行うこととなり、画像形成の開始が遅くなるというデメリットが生じる。
一方、所定値Tが大きければ、画像形成の開始のタイミングを早めることができるが、この場合、色ずれ補正を行うときのK色の感光体の角速度変動とカラー用感光体(Y、M、C)の角速度変動との位相差が、特性測定時のK色の感光体の角速度変動とカラー用感光体(Y、M、C)の角速度変動との位相差と大きく異なる。その結果、ビーム位置補正データSc、Sm、Syに基づいて、色ずれ補正を実施しても、色ずれが十分補正されない。
よって、所定値Tを感光体が一周する所要時間の1/8〜1/4程度に設定することで、画像形成の開始タイミングの遅延を抑制するとともに、ビーム位置補正データSc、Sm、Syに基づいて、良好に色ずれを抑制することができる。
一方、所定値Tが大きければ、画像形成の開始のタイミングを早めることができるが、この場合、色ずれ補正を行うときのK色の感光体の角速度変動とカラー用感光体(Y、M、C)の角速度変動との位相差が、特性測定時のK色の感光体の角速度変動とカラー用感光体(Y、M、C)の角速度変動との位相差と大きく異なる。その結果、ビーム位置補正データSc、Sm、Syに基づいて、色ずれ補正を実施しても、色ずれが十分補正されない。
よって、所定値Tを感光体が一周する所要時間の1/8〜1/4程度に設定することで、画像形成の開始タイミングの遅延を抑制するとともに、ビーム位置補正データSc、Sm、Syに基づいて、良好に色ずれを抑制することができる。
[実施例2]
次に、実施例2の感光体の角速度変動によって生じる色ずれ周期変動成分の補正について説明する。
実施例2は、中間転写ベルト上に検知パターンを形成し、検知パターン間隔から各感光体の角速度変動によるビーム位置補正データを求めるものである。
また、実施例2では、検知パターンから副走査線レジストズレ(平均値成分)を補正できるようにしている。さらに、主走査レジスト、主走査倍率、スキュー量も補正するものである。
次に、実施例2の感光体の角速度変動によって生じる色ずれ周期変動成分の補正について説明する。
実施例2は、中間転写ベルト上に検知パターンを形成し、検知パターン間隔から各感光体の角速度変動によるビーム位置補正データを求めるものである。
また、実施例2では、検知パターンから副走査線レジストズレ(平均値成分)を補正できるようにしている。さらに、主走査レジスト、主走査倍率、スキュー量も補正するものである。
実施例2では、副走査線レジストズレ(平均値成分)、主走査レジスト、主走査倍率、スキュー量を補正するために、ビームの位置検出するビーム検知手段であるビームスポット位置検知手段を設けている。
図25は、ビームスポット位置検知手段300a、300bの配置の詳細を示す。
ビームスポット位置検知手段300a、300bが、光学素子群51のうち最も感光体側のものである折り返しミラー33と感光体1Yとの間に配置されている。図示しないが、ビームスポット位置検知手段300a、300bは、折り返しミラーと感光体1Mとの間、折り返しミラーと感光体1Cとの間、折り返しミラーと感光体1Kとの間にも同様に配置されている。
ビームスポット位置検知手段300a、300bが、光学素子群51のうち最も感光体側のものである折り返しミラー33と感光体1Yとの間に配置されている。図示しないが、ビームスポット位置検知手段300a、300bは、折り返しミラーと感光体1Mとの間、折り返しミラーと感光体1Cとの間、折り返しミラーと感光体1Kとの間にも同様に配置されている。
ビームスポット位置検知手段300a、300bの配置は、感光体1Y(1M、1C、1K)に照射されるビーム位置との相関をとるため、レンズや反射ミラー等の光学素子をすべて共通に作用させて、ビーム位置を測定できる位置としている。すなわち、感光体1Y(1M、1C、1K)に照射されるビームの位置をビームスポット位置検知手段300a、300bで他の光学素子を経由させることなく直接検知することができるようになっている。
図25においては、ビームスポット位置検知手段300a、300bは、各色の光ビームに対応してそれぞれ光走査装置20のハウジングに一体的に取り付けられるものであり、保持部材である連結ブラケット20a、20bとビームが透過する防塵ガラス100とで挟まれて固定されている。また、折り返しミラー33または37からのビームは防塵ガラス100を透過するが、このビームのうち、有効画像領域のビームは感光体1に照射され、有効画像領域外のビームはビームスポット位置検知手段300a、300bに入射するように、ビームスポット位置検知手段300a、300bがビームの走査線上に配置されている。なお、防塵ガラス100によるビーム位置変動はほとんどないと見なせるので、ビームスポット位置検知手段300a、300bの配置を防塵ガラス100よりも手前(折り返しミラー33側)に配置してもよい。
また、ビームスポット位置検知手段300aは書込み開始位置検知用であり、ビームスポット位置検知手段300bは書込み終端位置検知用である。詳しくは、ビームスポット位置検知手段300aは主走査同期検知手段及び/又は副走査ビーム位置検知手段となり、ビームの主走査同期及び/又は副走査検出が行われる。また、ビームスポット位置検知手段300bにより光走査装置としての主走査倍率及び/又は走査線傾きを計測することができる。
ここで、複数枚の画像を連続プリント出力するなどの場合は、光走査装置20内部ではポリゴンミラー26、27駆動用のポリゴンモータや、LDユニット21、22からの発熱により、また光走査装置20外部では、定着装置14においてトナー定着時のヒーター熱などの影響により、画像形成装置1内部の温度は急激に変化する。この場合、感光体1Y〜1K上のビームスポット位置も急激に変動し、1枚目、数枚目、数十枚目と次第に出力画像に平均値成分(レジストずれ)による色ずれが発生する。すなわち、数十枚目の画像には、図18(b)に示すように、平均値成分と周期変動成分とが重畳されたものが位置ずれ変動として現れる。
そこで、ビームスポット位置検知手段300a、300bを用い、副走査線偏向手段による補正を行う。ビームスポット位置検知手段300a、300bは、非平行フォトダイオードセンサーからなる。ビームスポット位置検知手段300a、300bは、主走査方向の書込み開始位置を決定する同期信号を検知する機能を兼ねている。
図26は、ビームスポット位置検知手段としての非平行フォトダイオードセンサによる検知原理を説明する概略図である。
図26に示すように、第1受光素子たるフォトダイオードPD1、PD1’の受光面は走査ビームに直交し、第2受光素子たるフォトダイオードPD2、PD2’の受光面はフォトダイオードPD1、PD1’の受光面に対して傾いている。この傾き角をα1とする。また、上記ヒーター熱による温度変化前(設定値)の走査ビームをL1、温度変化後の走査ビームをL2としたとき、副走査方向にΔZ(未知)ずれたとする。この場合、1対のフォトダイオード間、すなわちフォトダイオードPD1とPD2との間、或いは、フォトダイオードPD1’とPD2’との間を走査ビームL1、L2が通過する時間T1、T2の時間差(T2−T1)を求めることにより、副走査方向のずれ量ΔZを算出することができる。
図26に示すように、第1受光素子たるフォトダイオードPD1、PD1’の受光面は走査ビームに直交し、第2受光素子たるフォトダイオードPD2、PD2’の受光面はフォトダイオードPD1、PD1’の受光面に対して傾いている。この傾き角をα1とする。また、上記ヒーター熱による温度変化前(設定値)の走査ビームをL1、温度変化後の走査ビームをL2としたとき、副走査方向にΔZ(未知)ずれたとする。この場合、1対のフォトダイオード間、すなわちフォトダイオードPD1とPD2との間、或いは、フォトダイオードPD1’とPD2’との間を走査ビームL1、L2が通過する時間T1、T2の時間差(T2−T1)を求めることにより、副走査方向のずれ量ΔZを算出することができる。
副走査方向の相対的なドット位置ずれすなわち副走査方向ずれ量ΔZは、PD1とPD2との各受光面間のなす角度α1と、時間差T2−T1が既知であるので、計算により容易に求めることができる。このずれ量ΔZを、後述する走査線調整手段により補正する。
したがって、複数枚の画像を連続プリント出力するなどの場合に、感光体1Y〜1K上のビームスポット位置が温度変化などにより急激に変動する場合においても、画像データ書込み中においても感光体1Y〜1K上のビームスポット位置を補正可能である。フォトダイオードPD1’とPD1との間を走査ビームが通過するに要する時間T0の変動を検知することにより、主走査方向の倍率変動をモニターすることも可能である。
したがって、複数枚の画像を連続プリント出力するなどの場合に、感光体1Y〜1K上のビームスポット位置が温度変化などにより急激に変動する場合においても、画像データ書込み中においても感光体1Y〜1K上のビームスポット位置を補正可能である。フォトダイオードPD1’とPD1との間を走査ビームが通過するに要する時間T0の変動を検知することにより、主走査方向の倍率変動をモニターすることも可能である。
なお、図26においてはフォトダイオードを用いたビームスポット位置検知手段300a、300bを示したが、ビーム位置を検知できるものであればこれ以外の受光素子でもよく、例えばラインCCDを用いてもよい。
このように、各ビーム毎に2ヶ所の測定を行なうことで、倍率だけでなく、像担持体を基準としたときの主走査方向一端側の書込み位置を、各ビームとも(走査先端/後端に関わらず)ダイレクトに測れることになる。
以上のように、ビームスポット位置検知手段300a、300bで検知された結果をもとに、副走査線偏向手段により単色画像について補正することが可能となる。
さらに、実施例2においては、ビームスポット位置検知手段300a、300bを傾き検知手段として用い、この検知結果に基づいて後述する走査線傾き調整手段によりビームの傾きを補正する。すなわち、ビームスポット位置検知手段300a、300bそれぞれで検知された2つの副走査線位置ずれ量に基づいて、単色画像の傾きを求め、その傾き量に応じて補正するのである。
あるいは、前述のように、色ずれパターンを形成する前に、光走査装置からビームが出射する副走査方向のビーム位置をビームスポット位置検知手段300a及び300bを用い、走査先端と後端のビーム位置を測定し、上記の色ずれ検出パターンを読取りフォトセンサにより計測した傾き量を補正値として、走査先端及び後端の狙いのビーム位置を計算し、メモリに記憶し、通常のプリント動作において、この狙いのビーム位置になるように各偏向素子に図27の補正電圧を同期検知信号をトリガーにして印加してもよい。この方式とした場合には、連続印刷時の機内温度上昇や環境変動による傾き変動にも対応することができる。
図28〜図30に、走査線傾きを補正するための走査線傾き調整手段の構成例を示す。
これらは特開2004−287380号公報に開示されている傾き調整手段を利用するものである。ここでは、図28に示すように、光走査装置20に、第2の走査レンズ30を副走査方向Bに矯正してビームによる感光体1上における走査線の曲がりを補正する走査線曲がり補正手段71と、第2の走査レンズ30の全体を傾けてビームによる感光体1上における走査線の傾きを補正する走査線傾き補正手段72とを有した構成を示している。
これらは特開2004−287380号公報に開示されている傾き調整手段を利用するものである。ここでは、図28に示すように、光走査装置20に、第2の走査レンズ30を副走査方向Bに矯正してビームによる感光体1上における走査線の曲がりを補正する走査線曲がり補正手段71と、第2の走査レンズ30の全体を傾けてビームによる感光体1上における走査線の傾きを補正する走査線傾き補正手段72とを有した構成を示している。
走査線曲がり補正手段71を構成する部材の一部と走査線傾き補正手段72を構成する部材の一部とは、保持部材61に一体的に設けられている。なお、走査線曲がり補正手段71と走査線傾き補正手段72とは第2の走査レンズ35に対しても同様に別個に配設されており、これらを構成する部材の一部は保持部材61に対すると同様に保持部材62に一体的に設けられている。
保持部材61は、第2の走査レンズ30を副走査方向Bから支持する、主走査方向Aに長い支持部材63と、支持部材63との間で第2の走査レンズ30を挟持する挟持部材64とを有している。支持部材63は、保持した第2の走査レンズ30に当接し保持部材61内における第2の走査レンズ30の位置基準を形成する基準面65を有している。
支持部材63と挟持部材64とは、何れも断面をコの字型に曲げて曲げ強度向上させた板金であり、その平面を第2の走査レンズ30に突き当てている。支持部材63において第2の走査レンズ30に突き当てた平面が基準面65をなしている。第2の走査レンズ30は、その一部が基準面に凸設されたピン82により挟持されること等により、基準面65上において支持部材63に固定されている。
支持部材63と挟持部材64との、第2の走査レンズ30の長手方向すなわち方向Aにおける両端部には、支持部材63と挟持部材64との間隔保持用の、第2の走査レンズ30の厚みとほぼ同じ高さを有する角柱66が配設されており、支持部材63と角柱66、及び挟持部材64と角柱66はそれぞれ、支持部材63と挟持部材64とで第2の走査レンズ30を挟持した状態で、ネジ67で締結されている。各角柱66は支持部材63と挟持部材64とともに保持部材61を構成している。なお、図28において、ネジ67は、挟持部材64と角柱66とを締結するもののみが図に表れている。
走査線曲がり補正手段71については、説明を省略する。
走査線曲がり補正手段71については、説明を省略する。
図28に示すように、走査線傾き補正手段72は、挟持部材64と一体的に設けられ保持部材61を傾けるように駆動するための、保持部材傾斜手段、駆動手段としてのアクチュエータであるステッピングモータ90と、走査線の傾きを検知する図示しない傾き検知手段と、傾き検知手段が検知した走査線の位置ずれ量に対応する傾きに応じてステッピングモータ90により保持手段61を傾け、これにより第2の走査レンズ30の全体を傾けて走査線の傾きを補正させるための図示しない制御手段としてのCPUとを有している。
図28または図29において、符号91は、光走査装置20の図示しないハウジングと一体化された、保持部材61を支持するための不動部材としての長尺レンズホルダを示している。なお、不動部材は光走査装置20のハウジング自体であっても良い。長尺レンズホルダ91は、A方向における第2の走査レンズ30の中心に対応して、C方向に延在するように配設されたV溝92を有している。
走査線傾き補正手段72は、V溝92に載置された、C方向に長い支点部材としてのコロ93を有している。保持部材61は、コロ93を介して、長尺レンズホルダ91により、走査線の傾きを補正可能な方向に変位可能、具体的には搖動可能に支持されている。よってコロ93と保持部材61との当接部は、保持部材61を傾ける際の支点47を形成している。支点47は、A方向における第2の走査レンズ30の中心位置にあり、第2の走査レンズ30の光軸付近に位置している。
長尺レンズホルダ91がコロ93のみを介して保持部材61を支持すると保持部材61が不安定となるため、走査線傾き補正手段72は、支持部材63と長尺レンズホルダ91とに一体的に構成された弾性部材としての板ばね94と、挟持部材64と長尺レンズホルダ91とに一体的に構成された弾性部材としての板ばね95とを有しており、保持部材61を、長尺レンズホルダ91に対して走査線の傾きを補正可能な方向に搖動可能に支持させるとともに、板ばね94、板ばね95の弾性力によりコロ93に押圧して長尺レンズホルダ91に対して安定させた状態で支持させている。
板ばね94はネジ96により支持部材63と長尺レンズホルダ91とに一体化され、板ばね95はネジ97により挟持部材64と長尺レンズホルダ91とに一体化されている。図28または図29に示すように、ステッピングモータ90は、ねじ98により挟持部材64に一体化されている。
図30に示すように、ステッピングモータ90はステッピングモータシャフト99を有している。長尺レンズホルダ91の上面には突起部43が凸設され、突起部43の内側によって形成される溝部44には、先端が球形状をなすとともに断面が小判型をなすナット45が嵌合している。ステッピングモータシャフト99には雄ねじが切られ、その先端部はナット45に噛合している。ナット45は溝部44に嵌合することで固定され、ステッピングモータシャフト99の回転時にも不動である。
CPUは、傾き検知手段としてのビームスポット位置検知手段300a、300bが検知した走査線の位置ずれ量に基づいてステッピングモータ90を駆動するステップ数を算出し、ステッピングモータ90を駆動するものである。テストパターンの形成は適時行なわれ、傾き検知手段の検知信号に基づくCPUによるフィードバック制御に供されるようになっている。
走査線傾き補正手段72は以上の構成であるから、CPUがビームスポット位置検知手段300a、300bによる検知結果(図26における副走査方向の相対的なドット位置ずれ、すなわち副走査方向補正量ΔZ)に基づきステッピングモータ90を駆動してステッピングモータシャフト99を回転させると、保持部材61は板ばね94、95の付勢力に抗して不動部材91に対して変位し、保持部材61は支点47を中心にしてγ回転すことで傾く。CPUは検知手段による検知結果に基づきステッピングモータ90を駆動するフィードバック制御を行うため、走査線の位置ずれ、具体的に走査線の傾きは速やかに解消される。
図31は、実施例2の色ずれ補正を行う制御手段のブロック図である。
図31において、検出モード時に回転位置センサ191からの検知信号、色ずれ検知用センサ330からの検知信号、ビーム検知ユニット301、302から検知信号がインターフェイスI/F340を介してCPU341に入力される。CPU341は、メモリ342に格納された情報や各検知センサの検知信号に基づいて、色ずれ補正量を算出し、算出した色ずれ補正量に基づいて、インターフェイスI/F340を介してLDの発光タイミングを制御したり、副走査線方向偏向素子を制御したりする。
図31において、検出モード時に回転位置センサ191からの検知信号、色ずれ検知用センサ330からの検知信号、ビーム検知ユニット301、302から検知信号がインターフェイスI/F340を介してCPU341に入力される。CPU341は、メモリ342に格納された情報や各検知センサの検知信号に基づいて、色ずれ補正量を算出し、算出した色ずれ補正量に基づいて、インターフェイスI/F340を介してLDの発光タイミングを制御したり、副走査線方向偏向素子を制御したりする。
次に、実施例2における色ずれ補正について図32、図33に基づいて説明する。
図32に示すように、各色の主走査線方向の同期検出後(S44)、回転位置センサ191で、感光体の回転基準を検知したタイミングで、検知パターン像の形成を開始する(S45)。なお、本実施形態のように、回転位置センサが2つある場合は、基準色(K色)とカラー色との検知タイミングの時間差Aを計測しておく(S44’)。
図32に示すように、各色の主走査線方向の同期検出後(S44)、回転位置センサ191で、感光体の回転基準を検知したタイミングで、検知パターン像の形成を開始する(S45)。なお、本実施形態のように、回転位置センサが2つある場合は、基準色(K色)とカラー色との検知タイミングの時間差Aを計測しておく(S44’)。
ついで、転写ベルト5上に検知パターン画像を形成し、パターン像検知センサにより検知する(S45)。検知パターン画像は、副走査方向に沿って所定のピッチで並ぶように形成された複数のトナー像から構成されている。
検知パターン像は、色ずれ周期変動を算出するためのパターン群と、スキュー量を算出するためのパターン群と、主走査レジストおよび主走査倍率を算出するためのパターン群とからなっている。
色ずれ周期変動を算出するためのパターン群は、図34に示すように、副走査線方向に直交する直交マーク群からなり、転写ベルト5の一端に基準色(K)色の直交マーク群80Kと、転写ベルト5の他端に他の色(Y、M、C)の直交マーク群80M、80C、80Yとで構成される。この色ずれ周期変動を算出するためのパターン群の副走査線方向の長さは、感光体の周長の整数倍(2以上の整数倍)に設定されている。すなわち、色ずれ周期変動を算出するためのパターン群の他端には、感光体の周長の整数倍の長さを有するY色の直交マーク群と、感光体の周長の整数倍の長さを有するM色の直交マーク群と、感光体の周長の整数倍の長さを有するC色の直交マーク群とが形成される。
この設定にあたっては、転写ベルト上にパターン画像を形成したり検知したりする際に発生する他の周期変動も考慮する必要がある。他の周期変動としては、転写ベルト5の駆動ローラの1回転あたりにおける線速変動、それらを駆動伝達する歯車のピッチ誤差や偏心成分、更には転写ベルト5の蛇行や周方向にわたる厚み偏差分布など、様々な周波数成分が上げられる。検知パターンの検出値には、これらの周期変動成分の全てが重畳されて含まれており、その中から、感光体の1回転あたりにおける平均値成分を含んだ色ずれ波形(図18(e)参照)だけを検出する必要がある。
例えば、感光体の1回転あたりにおける速度変動成分の他に、転写ベルト5の駆動ローラの1回転あたりにおける速度変動成分が、パターン画像内における各直交マーク像についての時間ピッチ誤差に多く含まれているとする。この場合には、駆動ローラの速度変動成分も考慮してパターン画像の長さPaを設定する必要がある。感光体の直径が40[mm]、駆動ローラの直径が30[mm]であるとすると、中間転写ベルトの移動距離に換算した感光体の周長、駆動ローラの周長は、125.6[mm]、94.2[mm]となる。この両周期の公倍数をパターン画像の長さPaに設定すればよい。そして、長さPaに合わせて、各直交マーク像の配設ピッチを設定すればよい。このような設定により、駆動ローラの周期変成分の影響を受けずに高精度に色ずれ周期変動成分(色ずれ波形)を検出することが可能になる。これは、理論上、駆動ローラの周期変動成分を含む演算項がちょうど「0」となることを利用している。同様にして、中間転写ベルトの周方向の厚み偏差分布による周期変動成分が多く含まれる場合には、感光体の周長整数倍で、ベルト1周に最も近い値に長さを設定することで、中間転写ベルトの周期変動成分の影響を低減することが可能になる。また、駆動ローラを駆動するローラ駆動モータの周期変動成分のように、感光体の周期変動成分との周波数の差が10倍以上あるようなものについては、それをローパスフィルタによって除去することが可能である。
スキュー量を算出するためのパターン群81は、図35に示すように転写ベルト5の両端に形成された一対のK、M、C、Yの直交マーク81K、81M、81C、81Yで構成される。主走査レジストおよび主走査倍率を算出するためのパターン群82は、図35に示すように転写ベルトの両端に形成れた一対のK、M、C、Yの斜交マーク82K、82M、82C、82Yで構成される。
上述の検知パターン像を転写ベルト5上に形成したら、トナー像検知センサ310a(310b)で検知パターン像を検知して(S46)、基準色に対する各色の色ずれ補正値「B」および位置ずれデータとして基準色に対する色ずれ周期変動を算出する(S47、S48)。
基準色に対する各色の色ずれ補正値「B」としては、1.主走査レジストずれ、2.主走査倍率、3.副走査レジストずれ(色ずれ周期変動の平均値成分)、4.スキュー量である。
主走査レジストずれ量は、主走査レジストおよび主走査倍率を算出するためのパターン群82の検知結果から、求める。具体的には、トナー像検知センサ310a(310b)で、基準色(K色)の斜交マーク82Kを検知してから各色の斜交マークを検知するまでの時間(tm、tc、ty)を計測する。その計測時間から、各色の斜交マークとK色の斜交マークとの距離Lm、Lc、Lyを求める。そして、この距離が、理想位値からどのくらいずれているかで主走査線レジストずれ量を算出する。
主走査倍率は、一端側の斜交マーク(例えば、82M)がトナー像検知センサ310aで検知されてから、他端側斜交マーク(82M)が検知される時間差から両端の斜交マーク間のずれ量を算出し、この算出したずれ量から、スキュー量を差し引くことで、算出される。
スキュー量は、スキュー量を算出するためのパターン群81の検知結果から求める。具体的には、一端のトナー像検知センサ310aが所定の色(例えばM)の直交マーク81Mを検知してから、他端のトナー像検知センサ310bが同色の直交マーク81Mを検知するまでの時間差から算出する。
色ずれ周期変動および副走査レジストずれは、色ずれ周期変動を算出するためのパターン群80の検知結果から求める。
色ずれ周期変動は、一端に形成された基準色(K)の直交マークをトナー像検知センサ310aが検知してから、他端に形成された他の色(Y、M、Cのいずれか)の直交マークをトナー像検知センサ310bが検知するまでの時間間隔から、各色ずれ周期変動(色ずれ波形)を算出する。各色の副走査レジストずれは、上記時間間隔の平均値から求めることができる。
色ずれ周期変動は、一端に形成された基準色(K)の直交マークをトナー像検知センサ310aが検知してから、他端に形成された他の色(Y、M、Cのいずれか)の直交マークをトナー像検知センサ310bが検知するまでの時間間隔から、各色ずれ周期変動(色ずれ波形)を算出する。各色の副走査レジストずれは、上記時間間隔の平均値から求めることができる。
ついで、検知パターン像の検知結果から算出した色ずれ波形を正弦曲線で近似し(S49)、この近似した正弦曲線からビーム位置補正データTm、Tc、Tyを算出する(S50)。
次に、基準色に対する各色の色ずれ補正値「B」に基づき、主走査レジスト、主走査倍率、副走査レジスト、スキューを補正する。
次に、基準色に対する各色の色ずれ補正値「B」に基づき、主走査レジスト、主走査倍率、副走査レジスト、スキューを補正する。
主走査レジストの補正は、同期信号出力後の画像データに基づく最初のLDの発光タイミングを算出した主走査レジストずれ量に基づき調整する。
主走査倍率の補正は、画像データの各ドットに対応するラインメモリ状のデータを光走査装置へと引き渡すときのタイミング(画素同期クロックの周波数)を、検知した主走査倍率に基づき調整する。
副走査レジストの補正は、ポリゴンミラーの1走査を単位として行ってもよいし、ポリゴンミラーの1走査より細かい分解能を単位として副走査線レジストの補正を行ってもよい。副走査レジスト補正を、ポリゴンミラーの1走査を単位として補正する場合は、LDの発光のタイミングを調整することで行われる。一方、色ずれ補正を、ポリゴンミラーの1走査より細かい分解能を単位として副走査線方向の補正を行う場合は、前述の副走査線方向偏向手段を用いて補正を行う。もちろん、LDの発光のタイミングを調整して、1走査ラインの補正を行った後の余りを前述の副走査線方向偏向手段を用いて補正してもよい。
スキュー補正は、前述の走査線傾き補正手段を用いて補正する。
次に、再びLDを発光させて、ビームスポット検知手段300a、300bを用いて、ビーム位置を測定する(S51)。ビーム検知手段300a、300bで測定する測定値「C」としては、図26に示すように、走査ビームが先端ビームスポット検知手段300aのPD1からPD2を通過するまでの時間T1aと、走査ビームが後端ビームスポット検知手段300bのPD1からPD2を通過するまでの時間T1bとである。また、走査ビームが先端ビームスポット位置検知手段を通過してから、後端ビームスポット位置検知手段を通過するまでの時間T0も上記測定値「C」に含まれる。また、各色の走査ビームの主走査同期検出のタイミングも上記測定値「C」に含まれる。この測定値「C」が、色ずれが補正される基準値となり、後述するプリント動作時の色ずれ補正においては、この基準値に基づいて、主走査レジスト、主走査倍率、副走査レジスト、スキューなどの感光体の角速度変動による色ずれ以外の色ずれが実行される。また、これら測定値「C」は、ポリゴンミラーの面数(1回転)の整数倍分サンプリングを行い、その平均値とする。
そして、算出したビーム位置補正データTm、Tc、Tyと、測定した測定値「C」とをメモリ342に記憶する(S52)。また、回転位置センサ191がK用とカラー用とで2つ有する場合は、計測した時間差Aもメモリ342に記憶する(S52’)。
メモリ342に記憶するビーム位置補正データTm、Tc、Tyとしては、上述同様、色ずれ波形そのものを、ビーム位置補正データとしてメモリ342に格納しておいてもよいし、また色ずれ波形を正弦曲線に近似して近似した正弦曲線の振幅および位相をビーム位置補正データとしてメモリ342に記憶してもよい。色ずれ波形をビーム位置補正データとして記憶した場合は、色ずれ補正時に、メモリ342のビーム位置補正データから、色ずれがキャンセルされる補正量を算出して副走査線偏向手段を制御する。
次に、プリント動作時の色ずれ補正は、図33に示すように、各色の主走査線方向の同期検出後(S64)、ビームスポット位置検知手段300a,300bでポリゴンミラー26、27の面数の複数回(N回)分ビームの主走査及び副走査位置をサンプリングし、その平均値を求めて、測定値「X」を検出する。この測定値「X」には、図26に示すように、走査ビームが先端ビームスポット検知手段300aのPD1からPD2を通過するまでの時間T2aと、走査ビームが後端ビームスポット検知手段300bのPD1からPD2を通過するまでの時間T2bとを含んでいる。また、走査ビームが先端ビームスポット位置検知手段を通過してから、後端ビームスポット位置検知手段を通過するまでの時間T0’も上記測定値「X」に含まれる。また、各色の走査ビームの主走査同期検出のタイミングも上記測定値「X」に含まれる。
この測定値「X」とメモリ342に格納した基準値「C」とに基づき、色ずれ補正値を算出し(S66)、主走査レジスト補正、主走査倍率補正、副走査レジスト(色ずれ周期変動の平均値成分)補正、スキュー補正を実施する(S67)。
主走査レジスト補正値は、測定値「X」に含まれる各色の走査ビームの主走査同期検出のタイミングと、メモリ342に格納された基準値「C」に含まれる各色の走査ビームの主走査同期検出のタイミングとに基づき算出される。そして、算出結果に基づき、各色の同期信号出力後の画像データに基づく最初のLDの発光タイミングを調整する。
主走査倍率補正値は、測定値「X」に含まれる時間T0’と、メモリ342に格納された基準値「C」に含まれる時間T0とに基づき、算出される。そして、算出された補正値に基づき、画素同期クロックの周波数を調整する。
副走査レジスト補正値は、測定値「X」に含まれる時間T2a(T2b)とメモリ342に格納された基準値「C」に含まれる時間T1a(T1b)とに基づき算出される。また、時間T2aと時間T2bとの平均値、および時間T1aと時間T1bとの平均値に基づいて、副走査レジスト補正値を算出してもよい。そして、算出された補正値にもとづいて、前述の副走査線方向偏向手段を用いて補正する。
スキュー補正値は、測定値「X」に含まれる時間T2aとT2bとの差分値、およびメモリ342に格納された基準値「C」に含まれる時間T1aとT1bとの差分値に基づき算出される。そして、算出された補正値に基づいて、前述の走査線傾き補正手段を用いて補正する。
このビームスポット検知手段300a(300b)の検知結果に基づく色ずれ補正は、印刷ページ毎にこの動作を行ってもよいし、紙サイズやジョブ枚数等に応じて選択的に行なってもよい。
ビームスポット検知手段300a(300b)の検知結果に基づく色ずれ補正を実施したら、色ずれ補正動作を開始する(S68)。具体的には、ビーム位置補正データTc、Tm、Tyに基づいて、M、C、Y色の副走査線偏向手段を制御して、副走査線方向の書込み位置を変動させる。
一方、回転位置センサ191が、K色用とカラー用とで2つある場合は、色ずれ補正動作を行う前に、上述同様、差分値(D−A)の絶対値が、所定値T以下か否かチェックし、(S67b)、差分値の絶対値が、所定値T以下である場合(S67bのYES)、色ずれ補正動作を開始する(S68)。
このビーム位置補正データTc、Tm、Tyに基づく色ずれは、常時実行する。
上記実施例2においては、検知パターンから色ずれ波形を算出しているが、検知パターンから各色の位置ずれ波形を算出し、これら位置ずれ波形から各色(K、M、C、Y)のビーム位置補正データを算出するようにしてもよい。この位置ずれ波形を算出するためのパターン群としては、例えば、一端にK色の直交パターン群とM色の直交パターン群とを形成し、他端にY色の直交パターン群とC色の直交パターン群とを形成する。位置ずれ波形は、直交マークをトナー像検知センサ310aが検知してから、次の直交パターンがトナー像検知センサ310aによって検知されるまでの時間を計測することで、位置ずれ波形を得ることができる。そして、プリント動作時に検知パターンから算出した各色のビーム位置補正データに基づいて、各色のビーム照射位置を変動させる。
ところで、画像形成装置の本体側の変動要因として、温湿度環境が変わったことによる転写ベルト5の伸縮や、駆動ローラ直径の変動等が挙げられる。したがって、かかる変動が生じてもビーム位置を高精度に制御するには色ずれ検知パターンを転写ベルト5に形成して、ビーム位置補正データ「Tm、Tc、Ty」、基準値「C」を書き換える必要がある。しかし、色ずれ検知パターンを形成する色ずれを検出するモード(以下、色ずれ検出モード)は、その間、画像形成できないことにより生産性が低下し、さらにトナーの消費やトナー処理負担も伴うため、頻繁に実行することは避けねばならない。
従来のように、時間を決めて色ずれ検出モードを実行すると、その間の印刷枚数にばらつきが生じてしまい、時には無駄な動作に終わってしまう。また、プリント枚数に決めて色ずれ検出モードを実行すると、実行間隔が極端に長くなってしまうおそれもある。
そこで、本発明者は、温湿度変動が、特にプリントDUTYが高いときに顕著であることから、色ずれ検出モードはプリントDUTYに応じて実行するのが望ましいことを見出した。
図36は、色ずれ検出モードをプリントDUTYに応じて実行する状態遷移図である。
朝一番など通常の電源投入での色ずれ検出モードの実行動作をB0とし、次の検出動作をB1になり、そして検出動作B0のときに格納した基準値をC0とし、B1のときはC1とする。検出動作B0〜B1の時間や枚数の設定は随意であるが、両者を加味した「枚数÷時間」のパラメータを以って、次回の色ずれ検出モードの実行を判断する。
朝一番など通常の電源投入での色ずれ検出モードの実行動作をB0とし、次の検出動作をB1になり、そして検出動作B0のときに格納した基準値をC0とし、B1のときはC1とする。検出動作B0〜B1の時間や枚数の設定は随意であるが、両者を加味した「枚数÷時間」のパラメータを以って、次回の色ずれ検出モードの実行を判断する。
例えば、30分当たりの印刷枚数200枚を一つの目安とした場合、これを超える枚数を印刷したときをH・DUTY(High Duty)とし、これを超えなければ、L・DUTY(Low Duty)とする。すなわち、H・DUTY(High Duty)ならば、温湿度による変動の可能性が高く、L・DUTY(Low Duty)であれば、温湿度による変動の可能性が小さいと判断して設定したものである。但し、30分ちょうど後に印刷をするとは限らないので、これを超えた場合は、200枚/30分に相当するDUTYを導き出すようにしてもよい。
図36の変遷図において、朝一番など通常の電源投入での色ずれ検出モードの実行動作B0を実行後、L・DUTYが続きH・DUTYが出るまでは基準値はC0に据え置かれる。そして、H・DUTYが出ると、色ずれ検出モードが実行動作され、基準値は新しい値になるが、次がL・DUTYであると、前回の検出動作の基準値に戻される。
これを具体的に説明すると、検出動作B0後、2回連続してH・DUTYとなると、色ずれ検出モードが検出動作B1に続いてB2が実行され、狙いのビーム位置はC2である。しかし、次がL・DUTYLとなった場合、基準値はC2から前回色ずれ検出モードA1の条件C1を適用することとする。これによって、検出動作を省いて省電力化・トナー消費低減を図れる。
さらに、その次の機会に、H・DUTYと判断された場合、再度、検出動作である新B2を実行しても良いし、先に実行した検出動作である旧B2に相当する旧C2で色ずれ補正してもよい。
ここで厳密を期するならば、新B2を再度実行することであるが、本発明の狙いは省電力化・トナー消費低減であることから、前回の条件を適用する案、旧B2に相当する旧C2で色ずれ補正する案を提示する。
但し、これが繰り返されると、最適条件から乖離する可能性があるので、C0→C1→C2と、H・DUTYが続いたなら、次回はB3に進む制御も提案する。
このように、「枚数÷時間」と言ったDUTYの概念を導入することで、色ずれ検出動作の回数を適正かつ最小限に抑えることができる。特に、電源投入直後は、各種条件の急激な変動が予想されるので、電源投入後の「実行判断の閾値」を低めに設定することも可能である。
このように、「枚数÷時間」と言ったDUTYの概念を導入することで、色ずれ検出動作の回数を適正かつ最小限に抑えることができる。特に、電源投入直後は、各種条件の急激な変動が予想されるので、電源投入後の「実行判断の閾値」を低めに設定することも可能である。
以上、本実施形態の画像形成装置によれば、潜像担持体たる感光体の角速度変動から算出したビーム位置補正データに基づき書込み位置を副走査線方向に変動させて感光体の角速度変動による色ずれを抑制するので、感光体毎に駆動モータを設ける必要がなくなる。その結果、装置の大型化や、装置の重量増加を抑制することができる。また、基準色の感光体の角速度変動とその他の感光体の角速度変動との位相ずれや振幅差が多少あっても色ずれを抑制することができるので、感光体ギヤの組み付けをラフに行ってもよくなり、装置の組み立てに要する時間を短縮することができる。
また、回転基準位置検知手段たる回転位置センサ191が感光体の回転基準位置を検知したタイミングを基準として測定された感光体の角速度変動データから、感光体の所定の位置が書込位置を通過するときの速度と、転写位置を通過するときの速度とを算出し、この算出結果に基づいて算出された位置ずれデータ(位置ずれ波形)に基づき算出したものをビーム位置補正データとして、メモリ342に記憶している。
また、パターン像検知手段たるパターン像検知センサ310a(310b)を備え、パターン像検知センサで検知パターン像を検知して、その検知結果に基づき、位置ずれデータを求める。これにより、感光体ユニットが抜き差しされたとき、交換されたとき、環境変動があったときなど、所定のタイミングで、パターン像検知センサで検知パターン像を検知してその検知結果に基づき、位置ずれデータを求めることができる。これにより、感光体ユニットが抜き差しされたとき、交換されたとき、環境変動時などにおける感光体の角速度変動による位置ずれの変動を正確に捉えることができる。よって、この検知パターンの検知結果から算出したビーム位置補正データに基づいて、色ずれ補正を行うことで色ずれを経時に渡り抑制することができる。
また、検知用パターンを、感光体の周長よりも長い範囲にわたって形成することで、検知パターンの検知結果から、感光体1周以上の角速度変動による位置ずれデータを求めることができる。これにより、位置ずれデータの精度を高めることができ、色ずれを良好に抑制することができる。
また、感光体が等速で回転したときに感光体上のトナー像が記録材または表面移動部材に転写される理想位置に対する位置ずれ(位置ずれ波形)をキャンセルするためのビーム位置修正量(位置ずれ補正波形)をビーム位置補正データとしている。これにより、ビーム位置補正データに基づいて書込み位置を変動させて形成した各色のトナー像が理想位置に転写され、色ずれが抑制される。
また、基準色(K色)に対する位置ずれキャンセルさせるためのビーム位置修正量(色ずれ補正波形)をビーム位置補正データとしてもよい。これにより、ビーム位置補正データに基づいて書込み位置を変動させて形成したY,M、Cのトナー像が基準色(K)に重ねあわせることができ、色ずれが抑制される。
また、ビーム位置補正データを正弦曲線に近似することで、ビーム位置補正データとしてメモリ342に格納するデータを、振幅や位相のみとするなどして、メモリ342に格納されるデータ容量の低減を図ることができる。また、ビーム位置補正データが単純な正弦曲線となるので、ビーム位置補正データに基づき副走査線偏向手段を制御する制御仕様を単純化することができる。
また、黒色のトナー像を担持する感光体を単独で回転させる手段を備えることで、需要の高いモノクロプリント時においては、K用の感光体1Kだけを駆動させるようにすることができ、他の感光体、クリーニング装置、現像装置の消耗を抑えたり、省エネルギー化を図ったりすることができる。
また、副走査線偏向手段を、レーザ光源と主走査線偏向手段との間に配置することで、少ない偏向幅で副走査線方向に書込位置を補正することができ、副走査線偏向手段の偏向素子を小さくすることができる。また、ビーム径やビーム強度等の光学特性について像高変化を防止することができる。
また、ビーム検知手段の検知結果に基づいて、副走査レジストずれを補正することで、色ずれをより良好に抑制することができる。
また、ビーム検知手段を、光学素子のうち最も感光体側のものと感光体との間に設けることで、感光体にビームが照射されるときに通過するすべての光学素子を通過した後のビームの副走査線方向の位置を検知することができる。これにより、ビーム検知手段の検知結果に基づいて補正される副走査レジストずれを精度よく補正することができる。
また、回転基準位置検知手段たる回転位置センサを光学センサとすることで、感光体基準位置を安価な形態で検知することができる。
また、回転位置センサに検知される被検知部材を感光体の角速度変動に最も寄与の大き感光体と同軸上に設けられた感光体ギヤやプーリなどの駆動部材に設けることで、感光体の角速度変動に同期した感光体の回転周期を回転位置センサで検知することができる。
5 転写ベルト
9 レジストローラ
10 給紙装置
14 定着装置
20 光走査装置
26、27 ポリゴンミラー(主走査線偏向手段)
51、52 光学素子群
190YMC カラー感光体モータ
190K K色用感光体モータ
191 回転位置センサ
200 角速度測定装置
210 感光体駆動ユニット
300a、300b ビームスポット位置検知手段
310a、310b トナー像検知センサ
9 レジストローラ
10 給紙装置
14 定着装置
20 光走査装置
26、27 ポリゴンミラー(主走査線偏向手段)
51、52 光学素子群
190YMC カラー感光体モータ
190K K色用感光体モータ
191 回転位置センサ
200 角速度測定装置
210 感光体駆動ユニット
300a、300b ビームスポット位置検知手段
310a、310b トナー像検知センサ
Claims (13)
- 複数の潜像担持体と、
複数のレーザ光源から出射された各ビームを主走査方向に偏向する主走査線偏向手段および前記主走査線偏向手段で偏向された各ビームをそれぞれ各潜像担持体へ導く複数の光学素子を備えた光走査装置と、
潜像担持体毎に設けられ、潜像担持体に互い異なる色のトナー像を作像する作像手段とを備え、
各潜像担持体上に形成されたトナー像を表面移動部材によって搬送された記録材に順次転写するか、又はトナー像を表面移動部材の表面へ順次転写した後に表面移動部材上のトナー像を記録材に一括転写することにより、記録材に画像を形成する画像形成装置において、
前記光走査装置は、ビームを副走査線方向に偏向する副走査線偏向手段をビーム毎に有し、
各潜像担持体の回転基準位置を検知する回転基準位置検知手段と、
回転基準位置検知手段が前記回転基準位置を検知したタイミングを基準とした潜像担持体の角速度変動に基づくビーム位置補正データを記憶する記憶手段と、
前記回転基準位置検知手段が潜像担持体の回転基準位置を検知したタイミングで、前記記憶手段に記憶されたビーム位置補正データに基づいて、各副走査線方向偏向手段を制御して各ビームの潜像担持体への書込み位置を副走査線方向に変動させる制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
前記ビーム位置補正データは、回転基準位置検知手段が前記回転基準位置を検知したタイミングを基準にして測定された潜像担持体の角速度変動データから、感光体の所定の位置が書込位置を通過するときの速度と、転写位置を通過するときの速度とを算出し、この算出結果に基づいて算出されたものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
表面移動部材上の検知パターン像を検知するパターン像検知手段と、
記前記回転基準位置検知手段が潜像担持体の回転基準位置を検知したタイミングで、各潜像担持体の表面上への潜像形成を開始して得られる前記表面移動部材の表面移動方向に沿って所定の間隔で配列した複数の検知用パターンを前記パターン像検知手段で検知し、前記パターン検知手段が検知した検知データから各潜像担持体の角速度変動に基づくビーム位置補正データを求めることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3の画像形成装置において、
前記検知用パターンを、前記潜像担持体の周長よりも長い範囲にわたって形成することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4いずれかの画像形成装置において、
前記ビーム位置補正データは、前記潜像担持体が等速で回転したときに前記潜像担持体上のトナー像が記録材または表面移動部材に転写される理想位置に対する位置ずれをキャンセルさせるためのビーム位置修正量であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4いずれかの画像形成装置において、
前記ビーム位置補正データは、前記潜像担持体上のトナー像を記録材また表面移動部材に転写したときの基準色に対する位置ずれをキャンセルさせるためのビーム位置修正量であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5また6の画像形成装置において、
前記ビーム位置補正データは、正弦曲線に近似したものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至7いずれかの画像形成装置において、
黒色のトナー像を担持する潜像担持体を単独で回転させる手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至8いずれかの画像形成装置において、
前記副走査線偏向手段を、レーザ光源と主走査線偏向手段との間に配置したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至9いずれかの画像形成装置において、
ビーム毎に設けられ前記主走査線偏向手段によってそれぞれ偏向せしめられた後のビームの副走査線方向の位置を検知するビーム検知手段を設け、ビーム検知手段の検知結果に基づいて、副走査レジストずれを補正することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項10の画像形成装置において、
前記ビーム検知手段を、前記光学素子のうち最も潜像担持体側のものと潜像担持体との間に設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至11いずれかの画像形成装置において
前記回転基準位置検知手段は、前記潜像担持体の回転に伴って回転する被検知部材を検知することで、回転基準位置を検知するものであって、前記回転基準位置検知手段を光学センサとしたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項12の画像形成装置において、
前記被検知部材を前記潜像担持体と同軸上に設けられた駆動部材に設けたことを特徴とする画像形成装置。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006251495A Withdrawn JP2008070801A (ja) | 2006-09-15 | 2006-09-15 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008070801A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102009013789A1 (de) | 2008-03-19 | 2009-09-24 | Suzuki Motor Corp., Hamamatsu-Shi | Harz-Formteil, Verfahren zu deren Herstellung und Metallform zu dessen Herstellung |
JP2010149486A (ja) * | 2008-12-26 | 2010-07-08 | Seiko Epson Corp | 画像形成装置、画像形成方法 |
JP2010152278A (ja) * | 2008-12-26 | 2010-07-08 | Seiko Epson Corp | 潜像形成位置の制御方法、画像形成方法、画像形成装置 |
US8363081B2 (en) | 2010-02-19 | 2013-01-29 | Ricoh Company, Ltd. | Image forming apparatus for correcting sub-scanning misalignment of beams on a photoconductor |
-
2006
- 2006-09-15 JP JP2006251495A patent/JP2008070801A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102009013789A1 (de) | 2008-03-19 | 2009-09-24 | Suzuki Motor Corp., Hamamatsu-Shi | Harz-Formteil, Verfahren zu deren Herstellung und Metallform zu dessen Herstellung |
JP2010149486A (ja) * | 2008-12-26 | 2010-07-08 | Seiko Epson Corp | 画像形成装置、画像形成方法 |
JP2010152278A (ja) * | 2008-12-26 | 2010-07-08 | Seiko Epson Corp | 潜像形成位置の制御方法、画像形成方法、画像形成装置 |
US8363081B2 (en) | 2010-02-19 | 2013-01-29 | Ricoh Company, Ltd. | Image forming apparatus for correcting sub-scanning misalignment of beams on a photoconductor |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20091201 |