JP5445432B2 - 弾球遊技機面板用複合シート - Google Patents
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Description
本発明は、弾球遊技機の面板に使用される複合シートに関するものである。
弾球遊技機の面板に使用される複合シートとして、アクリル系樹脂及びアクリル系ゴム粒子を含有するアクリル系樹脂板の両面に、アクリル酸エステル共重合体からなる粘着材層を介して、該粘着材層と基材層とからなる保護フィルムを貼合した複合シートが知られている(特許文献1)。
弾球遊技機の面板に使用される複合シートは、一般に、保護フィルムをつけたまま毎葉にてNC加工(多軸穴あけ)及びルーター加工(トリミング)等の機械加工が行われるが、上記従来の複合シートでは、その保護フィルムの粘着力の点で必ずしも十分なものではなく、機械加工時に保護フィルムの浮き、剥離等が起こることにより、アクリル系樹脂板の欠け、バリ等が発生し、切削加工性において満足のいくものではないという問題があった。また、上記従来の複合シートを面板として使用した場合、アクリル系樹脂板から保護フィルムを剥離した際に、静電気の発生、帯電が起こり、ゴミ付着等の問題を生じやすく、更には、近年の弾球遊技機において一般的に搭載されている液晶表示装置、LED照明装置等の電子機器の誤作動を招くおそれがあった。
そこで、本発明の目的は、保護フィルムの粘着力が高く良好な切削加工性を有し、更にはアクリル系樹脂板から保護フィルムを剥離した際の帯電防止性に優れる弾球遊技機面板用複合シートを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
(1)アクリル系樹脂及びアクリル系ゴム粒子を含有するアクリル系樹脂板と、その板の表面に設けられている保護フィルムとを備える弾球遊技機面板用複合シートであって、下記(I)〜(V)を満たすことを特徴とする弾球遊技機面板用複合シート。
(I)アクリル系樹脂板におけるアクリル系ゴム粒子の含有量が、アクリル系樹脂及びアクリル系ゴム粒子の合計100重量部に対して、15〜70重量部であること
(II)アクリル系樹脂板における一方の面の表面抵抗率(A)が108〜1013Ω/□であり、その面に保護フィルムが設けられていること
(III)保護フィルムが基材層と粘着材層との積層体であり、該保護フィルムが該粘着材層を介して前記アクリル系樹脂板に貼合されていること
(IV)保護フィルムにおける粘着材層がスチレン系ブロック共重合体を含有すること
(V)保護フィルムの厚みが0.04〜0.25mmであること
(2)前記アクリル系樹脂が、メタクリル酸エステルの含有割合が50重量%以上である単官能単量体を重合することにより得られる前記(1)に記載の弾球遊技機面板用複合シート。
(3)前記アクリル系ゴム粒子が多層構造を有する前記(1)または(2)に記載の弾球遊技機面板用複合シート。
(4)前記基材層がポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂から構成される前記(1)〜(3)のいずれかに記載の弾球遊技機面板用複合シート。
(5)前記保護フィルムを前記アクリル系樹脂板から試験速度300mm/minで180度剥離させた際の剥離強度が15〜100g/25mmである前記(1)〜(4)のいずれかに記載の弾球遊技機面板用複合シート。
(6)前記アクリル系樹脂板の表面抵抗率(A)が108〜1013Ω/□である面が、帯電防止剤を含有する溶液を塗布した後、乾燥することで形成される前記(1)〜(5)のいずれかに記載の弾球遊技機面板用複合シート。
(7)前記アクリル系樹脂板の厚みが3〜12mmである前記(1)〜(6)のいずれかに記載の弾球遊技機面板用複合シート。
(1)アクリル系樹脂及びアクリル系ゴム粒子を含有するアクリル系樹脂板と、その板の表面に設けられている保護フィルムとを備える弾球遊技機面板用複合シートであって、下記(I)〜(V)を満たすことを特徴とする弾球遊技機面板用複合シート。
(I)アクリル系樹脂板におけるアクリル系ゴム粒子の含有量が、アクリル系樹脂及びアクリル系ゴム粒子の合計100重量部に対して、15〜70重量部であること
(II)アクリル系樹脂板における一方の面の表面抵抗率(A)が108〜1013Ω/□であり、その面に保護フィルムが設けられていること
(III)保護フィルムが基材層と粘着材層との積層体であり、該保護フィルムが該粘着材層を介して前記アクリル系樹脂板に貼合されていること
(IV)保護フィルムにおける粘着材層がスチレン系ブロック共重合体を含有すること
(V)保護フィルムの厚みが0.04〜0.25mmであること
(2)前記アクリル系樹脂が、メタクリル酸エステルの含有割合が50重量%以上である単官能単量体を重合することにより得られる前記(1)に記載の弾球遊技機面板用複合シート。
(3)前記アクリル系ゴム粒子が多層構造を有する前記(1)または(2)に記載の弾球遊技機面板用複合シート。
(4)前記基材層がポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂から構成される前記(1)〜(3)のいずれかに記載の弾球遊技機面板用複合シート。
(5)前記保護フィルムを前記アクリル系樹脂板から試験速度300mm/minで180度剥離させた際の剥離強度が15〜100g/25mmである前記(1)〜(4)のいずれかに記載の弾球遊技機面板用複合シート。
(6)前記アクリル系樹脂板の表面抵抗率(A)が108〜1013Ω/□である面が、帯電防止剤を含有する溶液を塗布した後、乾燥することで形成される前記(1)〜(5)のいずれかに記載の弾球遊技機面板用複合シート。
(7)前記アクリル系樹脂板の厚みが3〜12mmである前記(1)〜(6)のいずれかに記載の弾球遊技機面板用複合シート。
本発明によれば、保護フィルムの粘着力が高く良好な切削加工性を有し、保護フィルムを剥離した際の帯電防止性に優れ、加えて、機械加工によるキズ付が防止され、かつ釘を打った際に釘周辺部の白化やクラックの発生が無く良好な釘打ち性を有する弾球遊技機面板用複合シートを提供することができる。
本発明の弾球遊技機面板用複合シートは、アクリル系樹脂及びアクリル系ゴム粒子を含有するアクリル系樹脂板と、その板の表面に設けられている保護フィルムとを備えるものである。
アクリル系樹脂としては、メタクリル酸エステルを主体とする重合体が好ましく、具体的には、メタクリル酸エステルの含有割合が50重量%以上である単官能単量体を重合することにより得られる重合体が好ましい。メタクリル酸エステルの含有割合が50重量%以上である単官能単量体とは、メタクリル酸エステル単独、またはメタクリル酸エステルとこれに共重合可能な単官能不飽和単量体との混合物のことを示し、メタクリル酸エステルの含有割合が50重量%以上のものであり、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上のものである。メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸のアルキルエステルが好ましく用いられ、そのアルキル基は、炭素数1〜4程度が好ましい。また、メタクリル酸エステルに共重合可能な単官能不飽和単量体としては、アクリル酸エステルや、芳香族ビニル化合物、ビニルシアン化合物等が用いられる。
前記アクリル系樹脂は、熱可塑性重合体であることが好ましく、そのガラス転移温度は40℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。熱可塑性重合体のガラス転移温度が40℃未満の場合、得られる樹脂板の耐熱性が低くなるため好ましくない。ガラス転移温度は、前記メタクリル酸エステルに共重合可能な単官能不飽和単量体の種類と量を変化させることにより、適宜設定できる。
前記アクリル系樹脂としては、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキル50〜100重量%と、アクリル酸エステル0〜50重量%と、これらと共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種0〜50重量%とからなる単量体の重合によって得られる重合体であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキル50〜99.9重量%と、アクリル酸エステル0.1〜50重量%と、これらと共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種0〜50重量%とからなる単量体の重合によって得られる重合体であることがより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキル50〜99重量%と、アクリル酸エステル1〜50重量%と、これらと共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種0〜50重量%とからなる単量体の重合によって得られる重合体であることがさらに好ましい。前記アクリル系樹脂としては、この範囲に入る単量体の重合によって得られる重合体を単独で用いてもよいし、2種以上の重合体の混合物を用いてもよい。なお、本明細書において、単に「単量体」というときは、ある単量体1種からなる場合のみならず、複数の単量体が混合された状態も包含するものとする。
前記炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸イソブチル等が挙げられるが、特にメタクリル酸メチルが好ましい。なお、前記炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。前記アクリル酸エステルとしては、アクリル酸アルキルが好ましく用いられ、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸イソブチル等が挙げられる。なお、前記アクリル酸エステルは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。また、前記共重合可能な他のビニル単量体としては、特に限定されないが、例えば、芳香族ビニル化合物やビニルシアン化合物等が挙げられる。なお、前記共重合可能な他のビニル単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記アクリル系樹脂を得るための単量体の重合方法は特に限定されないが、通常の懸濁重合、乳化重合、塊状重合、溶液重合等の方法で行うことができる。また、好適なガラス転移温度とするためや、アクリル系樹脂板への成形に好適な粘度とするために、重合時に連鎖移動剤を使用することが好ましい。連鎖移動剤の量は、単量体の種類及び組成により、適宜設定すればよい。
アクリル系ゴム粒子としては、例えば、アクリル酸アルキルと、共重合性の架橋性単量体とを、必要に応じてこれらと共重合可能な他のビニル単量体と共に、共重合させて得られる弾性共重合体を含有するものであればよい。このような弾性共重合体からなる単層のアクリル系ゴム粒子のほか、このような弾性共重合体を一つの層とする多層構造を有するアクリル系ゴム粒子も使用できるが、多層構造を有するものが好ましい。多層構造を有するアクリル系ゴム粒子は、該粒子の中心部から外表面方向に、後述の弾性共重合体層及び硬質重合体層をこの順に含むものであるのが好ましい。
弾性共重合体層は、アクリル酸アルキル50〜99.9重量%と、共重合性の架橋性単量体0.1〜10重量%と、これらと共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種0〜49.9重量%とからなる単量体(a)を重合して得られる共重合体層であり、硬質重合体層は、メタクリル酸エステル50〜100重量%と、アクリル酸エステル0〜50重量%と、これらと共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種0〜50重量%とからなる単量体(b)を重合して得られる重合体層である。多層構造を有するアクリル系ゴム粒子において、該粒子の中心部から外表面方向に、弾性共重合体層及び硬質重合体層をこの順に含むものとするには、例えば、単量体(a)を重合して弾性共重合体層を形成させ、この弾性共重合体層の存在下に、単量体(b)をグラフト共重合させることにより得られる2層の重合体を含有するものとすればよい。
前記弾性共重合体層において、単量体(a)に用いられるアクリル酸アルキルとしては、例えば、アルキル基の炭素数が1〜8のものが挙げられる。なかでも、アクリル酸n−ブチルやアクリル酸2−エチルヘキシルのような、アルキル基の炭素数が4〜8のものが好ましい。なお、前記アクリル酸アルキルは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記弾性共重合体層において、単量体(a)に用いられる共重合性の架橋性単量体としては、1分子内に重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有するものであればよく、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレートのようなグリコール類の不飽和カルボン酸ジエステル、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、ケイ皮酸アリルのような不飽和カルボン酸のアルケニルエステル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートのような多塩基酸のポリアルケニルエステル、トリメチロールプロパントリアクリレートのような多価アルコールの不飽和カルボン酸エステル、ジビニルベンゼン等を挙げることができる。なかでも、不飽和カルボン酸のアルケニルエステルや多塩基酸のポリアルケニルエステルが好ましい。これらの架橋性単量体は、それぞれ単独で、または必要により2種以上組み合わせて使用することができる。
前記弾性共重合体層において、単量体(a)に所望に応じて用いられ、アクリル酸アルキル及び共重合性の架橋性単量体と共重合可能な他のビニル単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸シクロヘキシルのようなメタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。なお、前記ビニル単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記硬質重合体層において、単量体(b)に用いられるメタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルのようなメタクリル酸アルキルや、メタクリル酸シクロヘキシルのようなメタクリル酸シクロアルキル等が挙げられ、なかでも、メタクリル酸アルキルが好ましい。単量体(b)に所望に応じて用いられるアクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられ、また単量体(b)に所望に応じて用いられる、前記の共重合可能な他のビニル単量体としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。
単量体(b)は、弾性共重合体層100重量部に対し、好ましくは10〜400重量部、より好ましくは20〜200重量部使用し、一段以上の反応で重合させることができる。単量体(b)の使用量を前記範囲にすると、弾性共重合体層の凝集が生じにくく、透明性が良好となる。一方、単量体(b)の使用量が前記範囲の上限を超えると、アクリル樹脂板を得る際の成形加工性の点で好ましくない。
前記アクリル系ゴム粒子は、例えば、前記単量体(a)を乳化重合法等により、一段以上の反応で重合させて弾性共重合体層を形成させ、この弾性共重合体層の存在下、前記単量体(b)を乳化重合法等により、一段以上の反応で重合させて調製することができる。このような複数段階の重合により、単量体(b)は弾性共重合体層にグラフト共重合され、グラフト鎖を有する架橋弾性共重合体として前記アクリル系ゴム粒子が調製される。すなわち、このアクリル系ゴム粒子は、アクリル酸アルキルをゴムの主成分として含む、多層構造を有するグラフト共重合体となる。なお、前記単量体(a)の重合を二段以上で行う場合や、前記単量体(b)の重合を二段以上で行う場合には、いずれも、各段の単量体組成ではなく、全体としての単量体組成が上記範囲内にあればよい。
また、前記アクリル系ゴム粒子において、前記弾性共重合体層の更に中心側(内側)には、メタクリル酸エステルを主体とする硬質重合体層を設けることができる。この場合には、例えば、最内層を構成する硬質重合体層を得るための単量体をまず重合させ、得られる重合体の存在下で、上記の単量体(a)を重合させ、更に得られる2層構造の重合体の存在下で、上記の単量体(b)を重合させればよい。ここで、最内層となる硬質重合体層は、メタクリル酸エステル70〜100重量%と、それと共重合可能な他のビニル単量体0〜30重量%とからなる単量体を重合させたものが好ましい。この際、他のビニル単量体の一つとして、共重合性の架橋性単量体を用い、硬質重合体層を架橋重合体層とするのも有効である。最内層となる硬質重合体層を得るためのメタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸アルキル、特にメタクリル酸メチルが有効である。このような最内層となる硬質重合体層の外側に弾性共重合体層を備え、該弾性重合体層の外側に硬質重合体層を備える3層構造のアクリル系ゴム粒子は、例えば、特公昭55−27576号公報(米国特許第3,793,402号明細書)に開示されている。特に、同公報の実施例3に記載のものは、好ましい組成の一つである。
前記アクリル系ゴム粒子において、各層を構成する単量体の量、重合開始剤の種類や量、重合時間、重合時の攪拌効率といった重合条件の調整により、平均粒子径の異なるものが得られる。前記アクリル系ゴム粒子の平均粒子径は、好ましくは0.15〜0.40μm、より好ましくは0.20〜0.30μmである。前記平均粒子径が0.40μmよりも大きいと、得られるアクリル系樹脂板の透明性が悪化するおそれがあり、また0.15μm未満であると、得られるアクリル系樹脂板の耐衝撃性が小さく、釘打ちの際にクラックが発生するおそれがある。前記平均粒子径は、例えば、前記アクリル系樹脂と前記アクリル系ゴム粒子との混合物をフィルム化し、得られたフィルムを適当な大きさに切り出し、切片を四酸化ルテニウム水溶液に浸漬して該アクリル系ゴム粒子中の弾性共重合体の層を染色した後、透過型電子顕微鏡で写真撮影を行い、この写真から無作為に100個のアクリル系ゴム粒子を選択し、その各々の粒子について粒子外層部の染色された弾性共重合体層から粒子径を求めた後、その数平均値を算出することにより測定することができる。
前記アクリル系樹脂と前記アクリル系ゴム粒子とを混合し、成形することにより、該アクリル系樹脂及び該アクリル系ゴム粒子を含有するアクリル系樹脂板が得られる。アクリル系樹脂とアクリル系ゴム粒子との混合には、例えば、混練機、単軸押出機や二軸押出機で溶融混練する方法等の従来公知の方法を採用することができる。成形法としては、Tダイ法やインフレーション法のような溶融押出法、溶融流延法、カレンダー法等が挙げられ、なかでも、溶融押出法が好ましく、溶融押出法のなかでもTダイ法が好ましい。溶融押出法に使用される押出機としては特に限定されないが、操作性や設備コストの観点から、一軸押出機が好ましい。溶融押出法において、上記混合後の混合物を溶融押出して得られる板状物の冷却方法としては、アクリル系樹脂板の表面平滑性及び表面光沢性を向上させる観点からは、板状物の両面を冷却ロール表面または冷却ベルト表面に接触させるロール冷却法またはベルト冷却法が好ましい。この際に用いるロールまたはベルトは、いずれも金属製であるのが好ましく、その表面が鏡面となっているものが好ましい。なお、成形時の諸条件(例えば、成形材料の溶融温度、成形材料の押出温度、押出圧力など)については、適宜設定すればよく、特に限定されない。
該アクリル系樹脂板に含まれる前記アクリル系樹脂の含有割合は、前記アクリル系樹脂及び前記アクリル系ゴム粒子の合計100重量部に対して、通常30〜85重量部であり、好ましくは30〜65重量部であり、更に好ましくは35〜55重量部である。該アクリル系樹脂板に含まれる前記アクリル系ゴム粒子の含有割合は、前記アクリル系樹脂及び前記アクリル系ゴム粒子の合計100重量部に対して、通常15〜70重量部であり、好ましくは35〜70重量部であり、更に好ましくは45〜65重量部である。前記アクリル系ゴム粒子の含有割合が15重量部より少ない場合は、得られる弾球遊技機面板用複合シートにおける釘打ち時のクラックの発生を十分に抑制できない点で好ましくなく、70重量部より多いと、得られるアクリル系樹脂板の耐熱性の低下、表面硬度の低下、及び透明性の低下を招く点で好ましくない。
前記アクリル系樹脂板は、必要に応じて、通常の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、有機系染料、顔料、無機系色素、酸化防止剤等を含有してもよい。中でも、紫外線吸収剤は、耐候性を向上させるうえで好ましく用いられる。添加剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。なお、アクリル系樹脂板に添加剤を含有させるには、前記ゴム粒子や前記アクリル系樹脂の調製における重合の際に添加してもよいし、前記ゴム粒子と前記アクリル系樹脂との混合時や、その後の成形時に添加してもよい。
前記アクリル系樹脂板の厚みは、3〜12mmが好ましく、より好ましくは5〜10mmであり、さらに好ましくは7〜10mmである。3mmより薄いと、釘の打ち込みが十分に行えず、保持力が低下すると共に、遊技機基盤としての自立性(つまり垂直に起立させた状態での撓みによる形状変化性能)も低下する。12mmより厚いと、遊技機自体の重さが増し、釘打ちの保持力としても不必要な厚みとなる。該厚みは、例えば、溶融押出法により成形する場合には、押出成形時の押出量とライン速度により調整することができる。
前記アクリル系樹脂板の一方の面は、帯電防止能を有し、その表面抵抗率(A)は108〜1013Ω/□である。表面抵抗率(A)が108〜1013Ω/□である面は、前記アクリル系樹脂板の片面であってもよく、両面であってもよいが、両面であるのが好ましい。表面抵抗率(A)が108Ω/□より小さい場合は、その表面抵抗率(A)を得るためのコストが高くなり、コストに見合う効果が得られない点で好ましくない。また、表面抵抗率(A)が1013Ω/□を超えると、切削等の加工を施した後に得られる弾球遊技機面板において、ゴミ等が付着しやすくなる点や、電子機器に対する静電気による誤作動防止効果が得られないことがある点で好ましくない。
前記アクリル系樹脂板の一方の面の表面抵抗率(A)を108〜1013Ω/□とする方法としては、帯電防止剤を前記アクリル系樹脂に溶融混錬してもよいし、前記アクリル系樹脂や前記アクリル系ゴム粒子の調製における重合の際に帯電防止剤を添加してもよいし、前記アクリル系樹脂と前記アクリル系ゴム粒子との混合時やその後の成形時に帯電防止剤を添加してもよいし、前記成形により得られるシートの表面に帯電防止剤を公知の方法で塗布してもよい。なかでも、前記成形により得られるシートの表面に帯電防止剤を塗布する方法が好ましい。なお、帯電防止剤を塗布する場合には、帯電防止剤を含有する溶液が用いられ、該溶液は、液体状の帯電防止剤そのものでもよいし、溶媒に帯電防止剤を溶解させた溶液でもよいが、溶媒に帯電防止剤を溶解させた溶液を使用するのが好ましい。帯電防止剤を塗布する方法としては、例えば、前記シートの表面にブラシで帯電防止剤を含有する溶液を塗布する方法、帯電防止剤を含有する溶液中に前記シートを浸漬する方法、噴霧ノズル等の噴霧装置を使用して帯電防止剤を含有する溶液を前記シートの表面に噴霧する方法、帯電防止剤を含有する溶液をロール表面へ供給し、前記シートの表面にロール表面を接触させて塗り広げる方法等が挙げられる。前記シートに帯電防止剤を塗布した後は、乾燥するのが好ましい。乾燥する方法としては、自然乾燥、熱風乾燥、ヒーターによる乾燥等が挙げられる。
前記帯電防止剤としては、必要な表面抵抗率が発現する組成であれば、特に限定されるものではないが、例えば、導電性無機粒子(例えば、アンチモンがドープされた酸化錫、リンがドープされた酸化錫、酸化アンチモン、アンチモン酸亜鉛、酸化チタン、錫がドープされた酸化インジウム(ITO:酸化インジウム錫))、アルカリ金属、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、カチオン系アクリル酸エステル誘導体、カチオン系ビニルエーテル誘導体等が挙げられる。特に、これらの中でも、第4級アンモニウム塩が好ましく用いられ、その例としては、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アルカノイルアミノアルキル−N,N,N−トリアルキルアンモニウムアルキルサルフェート等が挙げられ、なかでも、アルキルトリメチルアンモニウムクロライドが好ましい。アルキルトリメチルアンモニウムクロライドとしては、例えば、炭素数8〜18のアルキル基を有するアルキルトリメチルアンモニウムクロライドが挙げられ、なかでも、トリメチルラウリルアンモニウムクロライド、トリメチルステアリルアンモニウムクロライドが好ましく、トリメチルラウリルアンモニウムクロライドがより好ましい。N−アルカノイルアミノアルキル−N,N,N−トリアルキルアンモニウムアルキルサルフェートとしては、例えば、N−ステアロイルアミノプロピル−N,N−ジメチル−N−エチルアンモニウムエチルサルフェートが挙げられる。なお、前記帯電防止剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
こうして得られたアクリル系樹脂板の表面には、保護フィルムが設けられてなる。該保護フィルムは、該アクリル系樹脂板における表面抵抗率(A)が108〜1013Ω/□である面に設けられ、該アクリル系樹脂板の両面の表面抵抗率(A)が108〜1013Ω/□である場合には、該保護フィルムは、片面に設けられてもよいし、両面に設けられてもよいが、両面に設けられるのが好ましい。
本発明における保護フィルムは基材層及び粘着材層がそれぞれ少なくとも1層積層されてなる構成であり、一方の表層が粘着層であれば、その他の層構成または積層数は特に限定されないが、通常2〜7層程度である。前記保護フィルムの層構成としては、例えば、基材層/粘着材層、基材層/接着層/基材層/粘着材層、基材層/粘着材層/基材層/粘着材層等が挙げられる。前記基材層は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、もしくはポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂との混合物から構成されるのが好ましい。ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂との混合物におけるポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂の含有比率は使用用途に応じて適宜調整される。前記粘着材層は、スチレン系ブロック共重合体を含有するものであり、例えば、スチレン系ブロック共重合体を主成分とする合成ゴムから構成されるのが好ましい。
前記保護フィルムにおいて、前記基材層と前記粘着材層とを積層させる方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、共押出成形法、ラミネ−ト成形法等が挙げられ、中でも、作業が容易で製造効率が高く、接着剤等の他の材料を使う必要がなく、加えて、製品設計の種類の多さの面から、共押出成形法が好ましい。共押出成形法としては、例えば、Tダイ成形法またはインフレ−ション成形法等の公知の方法により、基材層および粘着材層を溶融状態で押出し、積層した後、冷却ロ−ル等の冷却手段により冷却する方法が挙げられる。またラミネ−ト成形法としては、例えば、基材層を予め押出成形法により作製しておき、その上に、例えば、粘着材層を溶融状態で押出し、積層した後、冷却ロ−ルなどの冷却手段により冷却する方法が挙げられる。また、前記保護フィルムは、少なくとも1軸方向に延伸されていてもよい。前記保護フィルムの厚みは、通常0.04〜0.25mmであり、好ましくは0.05〜0.20mmである。厚みが薄すぎると、十分なキズ付防止の効果が得られないことがあり、厚みが厚すぎると、コストが高くなり、コストに見合うキズ付防止の効果が得られない点や、重量が重くなり作業性が低下する点で好ましくない。該厚みは、例えば、共押出成形法により積層を行う場合、共押出成形時の押出量とライン速度により調整することができる。
前記アクリル系樹脂板の表面に前記保護フィルムを設ける際には、該アクリル系樹脂板における表面抵抗率(A)が108〜1013Ω/□である面に前記粘着材層を介して保護フィルムが貼合される。該粘着材層を構成する粘着材を選定するにあたっては、大きく2つのパラメータに注視する必要があり、1つは、該保護フィルムを、該アクリル系樹脂板から剥離させる際の剥離強度であり、もう1つは、該保護フィルムを、該アクリル系樹脂板から剥離させた後の、該アクリル系樹脂板における該保護フィルムが剥離された面の表面抵抗率(B)である。前者の剥離強度の観点では、保護フィルムを貼合したまま機械加工を行った際に浮きや剥離が防止でき、更に前記アクリル系樹脂板と保護フィルムの間への切削屑の侵入が防止できる程度の剥離強度が必要であるが、前記アクリル系樹脂板における表面抵抗率(A)が108〜1013Ω/□である面は、表面抵抗率が1013Ω/□を超える場合と比較して、粘着材との密着性が低下する傾向にあるので、粘着力の高い保護フィルムが求められる。この時の粘着力とは前記保護フィルムと前記アクリル系樹脂板との剥離強度として数値化され、前記保護フィルムを前記アクリル系樹脂板から試験速度300mm/minで180度剥離させた際の剥離強度が15〜100g/25mmであることが好ましい。この範囲であれば、前記アクリル系樹脂板における表面抵抗率(A)が108〜1013Ω/□であっても、得られる複合シートの機械加工を実施した場合において、前記保護フィルムの浮きや剥離の発生を抑え、前記アクリル系樹脂板の欠け、バリ等も抑制でき、良好な切削加工性が得られる。また、前記保護フィルムと前記アクリル系樹脂板との間に切削屑の侵入が起こらず、良好なキズ付防止性が得られる。該剥離強度が15g/25mmより低いと、浮き、剥離、切削屑の侵入が防止できず、100g/25mmより大きいと、機械加工における効果は得られるものの、保護フィルムを剥がす際に、剥がれにくく、場合によっては剥離時に保護フィルム自体が破れたり、剥がれなくなることがある。前記剥離強度は、例えば、前記粘着材層をスチレン系ブロック共重合体を主成分とする合成ゴムで構成することにより、上記の範囲とすることができる。前記剥離強度は、例えば、JIS K 6854−2に記載の試験法に準拠して測定することができる。
更に、後者の重要なパラメータである、前記保護フィルムを前記アクリル系樹脂板から剥離させた後の、前記アクリル系樹脂板における該保護フィルムが剥離された面の表面抵抗率(B)は、前記アクリル系樹脂板から前記保護フィルムを剥離した後において、帯電防止性を有し、ゴミの付着を防ぎ、更には得られる複合シートを弾球遊技機面板に使用した際に電子機器への誤作動を招くおそれを低減させることができる点で、前記表面抵抗率(A)に対して大きく増加しないようにする必要があり、具体的には、前記表面抵抗率(A)に対して通常10倍以下であり、8倍以下がより好ましく、2倍以下がさらに好ましい。前記表面抵抗率(B)は、例えば、前記粘着材層をスチレン系ブロック共重合体を主成分とする合成ゴムで構成することにより、上記の範囲とすることができる。前記表面抵抗率(A)及び前記表面抵抗率(B)は、例えば、JIS K 6911に記載の方法に準拠して測定することができる。
かくして本発明の弾球遊技機面板用複合シートを製造することができる。本発明の弾球遊技機面板用複合シートは、保護フィルムの粘着力が高く良好な切削加工性を有し、保護フィルムを剥離した際の帯電防止性に優れ、加えて、機械加工によるキズ付が防止され、かつ釘を打った際に釘周辺部の白化やクラックの発生が無く良好な釘打ち性を有するので、弾球遊技機面板の材料に好適に使用される。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。尚、得られたアクリル系樹脂板及び複合シートの各種物性の測定及び評価は下記の方法で行った。
<表面抵抗率>
表面抵抗率計(日置電機(株)製のSME−8311及び東亜ディーケーケー(株)製のULTRA MEGOHMMETER SM−8220)を用いて、23℃、50%RHに調整された条件で、JIS K 6911に記載の方法に準拠して、得られたアクリル系樹脂板の表面抵抗率(A)及び得られた複合シートから保護フィルムを剥離した直後のアクリル系樹脂板における保護フィルムが剥離された面の表面抵抗率(B)を測定した。
表面抵抗率計(日置電機(株)製のSME−8311及び東亜ディーケーケー(株)製のULTRA MEGOHMMETER SM−8220)を用いて、23℃、50%RHに調整された条件で、JIS K 6911に記載の方法に準拠して、得られたアクリル系樹脂板の表面抵抗率(A)及び得られた複合シートから保護フィルムを剥離した直後のアクリル系樹脂板における保護フィルムが剥離された面の表面抵抗率(B)を測定した。
<剥離強度>
得られた複合シートを25mm幅に切り出し、複合シートにおける保護フィルムの端部のみを剥離させたのち、引っ張り試験機(インストロン社製)に複合シートと保護フィルム端部をそれぞれ配置し、300mm/minの速度にて180度剥離させる際の平均荷重を求め、剥離強度とした。
得られた複合シートを25mm幅に切り出し、複合シートにおける保護フィルムの端部のみを剥離させたのち、引っ張り試験機(インストロン社製)に複合シートと保護フィルム端部をそれぞれ配置し、300mm/minの速度にて180度剥離させる際の平均荷重を求め、剥離強度とした。
<切削加工性>
得られた複合シートを、NC加工機及びルーター加工機を使用して、切削加工した。切削加工性の評価は、目視で行い、アクリル系樹脂板の欠け、バリの発生なく、保護フィルムにも浮き、剥離等の問題がなく切削加工できた場合、またはアクリル系樹脂板の欠け、バリの発生が僅かにあるが、保護フィルムには浮き、剥離等の問題なく切削加工できた場合を○とし、切削加工後にアクリル系樹脂板の欠け、バリの発生が僅かにあり、保護フィルムにも僅かな浮き、剥離等の発生があった場合を△とし、切削加工後に欠け、バリの発生があり、保護フィルムにも明らかな浮き、剥離等の発生があった場合を×とした。
得られた複合シートを、NC加工機及びルーター加工機を使用して、切削加工した。切削加工性の評価は、目視で行い、アクリル系樹脂板の欠け、バリの発生なく、保護フィルムにも浮き、剥離等の問題がなく切削加工できた場合、またはアクリル系樹脂板の欠け、バリの発生が僅かにあるが、保護フィルムには浮き、剥離等の問題なく切削加工できた場合を○とし、切削加工後にアクリル系樹脂板の欠け、バリの発生が僅かにあり、保護フィルムにも僅かな浮き、剥離等の発生があった場合を△とし、切削加工後に欠け、バリの発生があり、保護フィルムにも明らかな浮き、剥離等の発生があった場合を×とした。
<キズ付防止性>
評価(I)得られた複合シートを5枚重ね、パネルソーを用いて切断加工を実施し、そのまま24時間放置後、切断部付近の保護フィルムを剥離し、アクリル系樹脂板の表面を目視により観察した。問題ない場合を○、僅かなキズがついた場合を△、明らかなキズが発生している場合を×とした。
評価(II)複合シートを2枚準備し、その間に切削屑を強制的に10粒敷き、24時間放置後、切削屑を敷いた部分の保護フィルムを剥離し、帯電防止処理アクリル系樹脂板の表面を目視により観察した。問題ない場合を○、僅かなキズがついた場合を△、明らかなキズが発生している場合を×とした。
評価(I)得られた複合シートを5枚重ね、パネルソーを用いて切断加工を実施し、そのまま24時間放置後、切断部付近の保護フィルムを剥離し、アクリル系樹脂板の表面を目視により観察した。問題ない場合を○、僅かなキズがついた場合を△、明らかなキズが発生している場合を×とした。
評価(II)複合シートを2枚準備し、その間に切削屑を強制的に10粒敷き、24時間放置後、切削屑を敷いた部分の保護フィルムを剥離し、帯電防止処理アクリル系樹脂板の表面を目視により観察した。問題ない場合を○、僅かなキズがついた場合を△、明らかなキズが発生している場合を×とした。
<釘打ち性>
得られた複合シートに直径1.73mmのストレートシャンクドリルを使用したボール盤で貫通穴を10箇所(5mmピッチ)開け、それぞれの貫通穴に直径1.83mm、全長33.3mmの真鍮製釘を50mm/minの速度で打ち込み、アクリル系樹脂板の状況を目視で確認した。問題ない場合を○、僅かなクラックもしくは白化が発生した場合を△、明らかなクラックもしくは白化が発生した場合を×とした。
得られた複合シートに直径1.73mmのストレートシャンクドリルを使用したボール盤で貫通穴を10箇所(5mmピッチ)開け、それぞれの貫通穴に直径1.83mm、全長33.3mmの真鍮製釘を50mm/minの速度で打ち込み、アクリル系樹脂板の状況を目視で確認した。問題ない場合を○、僅かなクラックもしくは白化が発生した場合を△、明らかなクラックもしくは白化が発生した場合を×とした。
実施例1
〔ゴム粒子(1)の調製〕
特公昭55−27576号公報(米国特許第3,793,402号明細書)の実施例3に準じて、最内層がメタクリル酸メチルに少量のメタクリル酸アリルを用いて重合された架橋重合体、中間層がアクリル酸n−ブチルを主成分としてさらにスチレン及び少量のメタクリル酸アリルを用いて重合された弾性共重合体、最外層がメタクリル酸メチルに少量のアクリル酸エチルを用いて重合された硬質重合体からなる球形3層構造であるゴム粒子(1)を調製した。
〔ゴム粒子(1)の調製〕
特公昭55−27576号公報(米国特許第3,793,402号明細書)の実施例3に準じて、最内層がメタクリル酸メチルに少量のメタクリル酸アリルを用いて重合された架橋重合体、中間層がアクリル酸n−ブチルを主成分としてさらにスチレン及び少量のメタクリル酸アリルを用いて重合された弾性共重合体、最外層がメタクリル酸メチルに少量のアクリル酸エチルを用いて重合された硬質重合体からなる球形3層構造であるゴム粒子(1)を調製した。
〔アクリル系樹脂(1)の調製〕
重合反応器に、メタクリル酸メチル97.8重量部及びアクリル酸メチル2.2重量部の混合物(単量体成分)をバルク重合することにより、ペレット状のアクリル系樹脂(1)(ガラス転移温度103℃)を得た。
重合反応器に、メタクリル酸メチル97.8重量部及びアクリル酸メチル2.2重量部の混合物(単量体成分)をバルク重合することにより、ペレット状のアクリル系樹脂(1)(ガラス転移温度103℃)を得た。
〔アクリル系樹脂板(1)の調製〕
ゴム粒子(1)60重量部と、アクリル系樹脂(1)40重量部とをスーパーミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混錬して、ペレット状の混合物を得た。得られたペレット状の混合物をフィルム化し、得られたフィルムを適当な大きさに切り出し、切片を0.5重量%四酸化ルテニウム水溶液に室温で15時間浸漬し、該混合物に含まれるゴム粒子中の弾性共重合体の層を染色し、さらに、ミクロトームを用いて約80nmの厚さにサンプルを切断した後、透過型電子顕微鏡で写真撮影を行い、この写真から無作為に100個のアクリル系ゴム粒子を選択し、その各々の粒子について粒子外層部の染色された弾性共重合体層から粒子径を算出した後、その数平均値を平均粒子径として求めたところ、0.30μmであった。
ゴム粒子(1)60重量部と、アクリル系樹脂(1)40重量部とをスーパーミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混錬して、ペレット状の混合物を得た。得られたペレット状の混合物をフィルム化し、得られたフィルムを適当な大きさに切り出し、切片を0.5重量%四酸化ルテニウム水溶液に室温で15時間浸漬し、該混合物に含まれるゴム粒子中の弾性共重合体の層を染色し、さらに、ミクロトームを用いて約80nmの厚さにサンプルを切断した後、透過型電子顕微鏡で写真撮影を行い、この写真から無作為に100個のアクリル系ゴム粒子を選択し、その各々の粒子について粒子外層部の染色された弾性共重合体層から粒子径を算出した後、その数平均値を平均粒子径として求めたところ、0.30μmであった。
上記で得られたペレット状の混合物を、40mmφ一軸押出機((株)田辺製作所製)を用い、設定温度275℃のT型ダイを介して溶融押出を行い、得られた板状物の両面を100℃に温度設定した鏡面を有する二本のポリシングロールで押し付けて挟み込んで冷却し、幅200mm、厚み10mmのシートを得た。
帯電防止剤として、トリメチルラウリルアンモニウムクロライドを主成分とするC8−18アルキルトリメチルアンモニウムクロライドの混合物/イソプロピルアルコール/水=2.5/0.5/97(重量比)の溶液を調製した。次に、この溶液を押出機のゴムロールに塗布し、上記で得られたシートの両面にゴムロールを回転させながら押し当てることにより、帯電防止剤をシートの表面に転写塗布し、乾燥後、アクリル系樹脂板(1)を得た。得られたアクリル系樹脂板(1)について、表面抵抗率(A)の測定を行った。結果を表2に示す。
〔複合シート(1)の作製〕
基材層がポリエチレン樹脂から構成され、粘着材層がスチレン系ブロック共重合体を主成分とする合成ゴムから構成されてなる、基材層と粘着材層とが積層された保護フィルム(1)(積水化学工業(株)製、#6328B、厚み:0.15mm)を、アクリル系樹脂板(1)の両面にゴムロールを介して貼合し、複合シート(1)を作製した。保護フィルム(1)の貼合は、保護フィルム(1)の粘着材層がアクリル系樹脂板(1)の表面に接するようにして実施した。得られた複合シート(1)について、表面抵抗率(B)、剥離強度、切削加工性、キズ付防止性、及び釘打ち性を評価した。結果を表2に示す。
基材層がポリエチレン樹脂から構成され、粘着材層がスチレン系ブロック共重合体を主成分とする合成ゴムから構成されてなる、基材層と粘着材層とが積層された保護フィルム(1)(積水化学工業(株)製、#6328B、厚み:0.15mm)を、アクリル系樹脂板(1)の両面にゴムロールを介して貼合し、複合シート(1)を作製した。保護フィルム(1)の貼合は、保護フィルム(1)の粘着材層がアクリル系樹脂板(1)の表面に接するようにして実施した。得られた複合シート(1)について、表面抵抗率(B)、剥離強度、切削加工性、キズ付防止性、及び釘打ち性を評価した。結果を表2に示す。
実施例2
〔ゴム粒子(1)の調製〕
実施例1〔ゴム粒子(1)の調製〕と同様の方法でゴム粒子(1)を得た。
〔ゴム粒子(1)の調製〕
実施例1〔ゴム粒子(1)の調製〕と同様の方法でゴム粒子(1)を得た。
〔アクリル系樹脂(1)の調製〕
実施例1〔アクリル系樹脂(1)の調製〕と同様の方法でアクリル系樹脂(1)を得た。
実施例1〔アクリル系樹脂(1)の調製〕と同様の方法でアクリル系樹脂(1)を得た。
〔アクリル系樹脂板(2)の調製〕
ゴム粒子(1)の使用量を50重量部とし、さらに、アクリル系樹脂(1)の使用量を50重量部とした以外は、実施例1〔アクリル系樹脂板(1)の調製〕と同様の操作を行い、アクリル系樹脂板(2)を得た。得られたアクリル系樹脂板(2)について、表面抵抗率(A)の測定を行った。結果を表2に示す。
ゴム粒子(1)の使用量を50重量部とし、さらに、アクリル系樹脂(1)の使用量を50重量部とした以外は、実施例1〔アクリル系樹脂板(1)の調製〕と同様の操作を行い、アクリル系樹脂板(2)を得た。得られたアクリル系樹脂板(2)について、表面抵抗率(A)の測定を行った。結果を表2に示す。
〔複合シート(2)の作製〕
アクリル系樹脂板(1)に代えて、アクリル系樹脂板(2)を使用した以外は、実施例1〔複合シート(1)の作製〕と同様の操作を行い、複合シート(2)を得た。得られた複合シート(2)について、表面抵抗率(B)、剥離強度、切削加工性、キズ付防止性、及び釘打ち性を評価した。結果を表2に示す。
アクリル系樹脂板(1)に代えて、アクリル系樹脂板(2)を使用した以外は、実施例1〔複合シート(1)の作製〕と同様の操作を行い、複合シート(2)を得た。得られた複合シート(2)について、表面抵抗率(B)、剥離強度、切削加工性、キズ付防止性、及び釘打ち性を評価した。結果を表2に示す。
実施例3
〔ゴム粒子(1)の調製〕
実施例1〔ゴム粒子(1)の調製〕と同様の方法でゴム粒子(1)を得た。
〔ゴム粒子(1)の調製〕
実施例1〔ゴム粒子(1)の調製〕と同様の方法でゴム粒子(1)を得た。
〔アクリル系樹脂(1)の調製〕
実施例1〔アクリル系樹脂(1)の調製〕と同様の方法でアクリル系樹脂(1)を得た。
実施例1〔アクリル系樹脂(1)の調製〕と同様の方法でアクリル系樹脂(1)を得た。
〔アクリル系樹脂板(3)の調製〕
ゴム粒子(1)の使用量を30重量部とし、さらに、アクリル系樹脂(1)の使用量を70重量部とした以外は、実施例1〔アクリル系樹脂板(1)の調製〕と同様の操作を行い、アクリル系樹脂板(3)を得た。得られたアクリル系樹脂板(3)について、表面抵抗率(A)の測定を行った。結果を表2に示す。
ゴム粒子(1)の使用量を30重量部とし、さらに、アクリル系樹脂(1)の使用量を70重量部とした以外は、実施例1〔アクリル系樹脂板(1)の調製〕と同様の操作を行い、アクリル系樹脂板(3)を得た。得られたアクリル系樹脂板(3)について、表面抵抗率(A)の測定を行った。結果を表2に示す。
〔複合シート(3)の作製〕
アクリル系樹脂板(1)に代えて、アクリル系樹脂板(3)を使用した以外は、実施例1〔複合シート(1)の作製〕と同様の操作を行い、複合シート(3)を得た。得られた複合シート(3)について、表面抵抗率(B)、剥離強度、切削加工性、キズ付防止性、及び釘打ち性を評価した。結果を表2に示す。
アクリル系樹脂板(1)に代えて、アクリル系樹脂板(3)を使用した以外は、実施例1〔複合シート(1)の作製〕と同様の操作を行い、複合シート(3)を得た。得られた複合シート(3)について、表面抵抗率(B)、剥離強度、切削加工性、キズ付防止性、及び釘打ち性を評価した。結果を表2に示す。
比較例1
〔ゴム粒子(1)の調製〕
実施例1〔ゴム粒子(1)の調製〕と同様の方法でゴム粒子(1)を得た。
〔ゴム粒子(1)の調製〕
実施例1〔ゴム粒子(1)の調製〕と同様の方法でゴム粒子(1)を得た。
〔アクリル系樹脂(1)の調製〕
実施例1〔アクリル系樹脂(1)の調製〕と同様の方法でアクリル系樹脂(1)を得た。
実施例1〔アクリル系樹脂(1)の調製〕と同様の方法でアクリル系樹脂(1)を得た。
〔アクリル系樹脂板(4)の調製〕
ゴム粒子(1)60重量部と、アクリル系樹脂(1)40重量部とをスーパーミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混錬して、ペレット状の混合物を得た。
ゴム粒子(1)60重量部と、アクリル系樹脂(1)40重量部とをスーパーミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混錬して、ペレット状の混合物を得た。
上記で得られたペレット状の混合物を、40mmφ一軸押出機((株)田辺製作所製)を用い、設定温度275℃のT型ダイを介して溶融押出を行い、得られた板状物の両面を100℃に温度設定した鏡面を有する二本のポリシングロールで押し付けて挟み込んで冷却し、幅200mm、厚み10mmのシートを得た。
帯電防止剤として、トリメチルラウリルアンモニウムクロライドを主成分とするC8−18アルキルトリメチルアンモニウムクロライドの混合物/イソプロピルアルコール/水=2.5/0.5/97(重量比)の溶液を調製した。次に、この溶液を押出機のゴムロールに塗布し、上記で得られたシートの両面にゴムロールを回転させながら押し当てることにより、帯電防止剤をシートの表面に転写塗布し、乾燥後、アクリル系樹脂板(4)を得た。得られたアクリル系樹脂板(4)について、表面抵抗率(A)の測定を行った。結果を表2に示す。
〔複合シート(4)の作製〕
基材層がポリエチレン樹脂から構成され、粘着材層がアクリル酸エステル共重合体を含むアクリル系ゴムから構成されてなる、基材層と粘着材層とが積層された保護フィルム(2)(大王加工紙工業(株)製、FM−840、厚み:0.11mm)を、アクリル系樹脂板(4)の両面にゴムロールを介して貼合し、複合シート(4)を作製した。保護フィルム(2)の貼合は、保護フィルム(2)の粘着材層がアクリル系樹脂板(4)の表面に接するようにして実施した。得られた複合シート(4)について、表面抵抗率(B)、剥離強度、切削加工性、キズ付防止性、及び釘打ち性を評価した。結果を表2に示す。
基材層がポリエチレン樹脂から構成され、粘着材層がアクリル酸エステル共重合体を含むアクリル系ゴムから構成されてなる、基材層と粘着材層とが積層された保護フィルム(2)(大王加工紙工業(株)製、FM−840、厚み:0.11mm)を、アクリル系樹脂板(4)の両面にゴムロールを介して貼合し、複合シート(4)を作製した。保護フィルム(2)の貼合は、保護フィルム(2)の粘着材層がアクリル系樹脂板(4)の表面に接するようにして実施した。得られた複合シート(4)について、表面抵抗率(B)、剥離強度、切削加工性、キズ付防止性、及び釘打ち性を評価した。結果を表2に示す。
比較例2
〔ゴム粒子(1)の調製〕
実施例1〔ゴム粒子(1)の調製〕と同様の方法でゴム粒子(1)を得た。
〔ゴム粒子(1)の調製〕
実施例1〔ゴム粒子(1)の調製〕と同様の方法でゴム粒子(1)を得た。
〔アクリル系樹脂(1)の調製〕
実施例1〔アクリル系樹脂(1)の調製〕と同様の方法でアクリル系樹脂(1)を得た。
実施例1〔アクリル系樹脂(1)の調製〕と同様の方法でアクリル系樹脂(1)を得た。
〔アクリル系樹脂板(5)の調製〕
ゴム粒子(1)60重量部と、アクリル系樹脂(1)40重量部とをスーパーミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混錬して、ペレット状の混合物を得た。
ゴム粒子(1)60重量部と、アクリル系樹脂(1)40重量部とをスーパーミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混錬して、ペレット状の混合物を得た。
上記で得られたペレット状の混合物を、40mmφ一軸押出機((株)田辺製作所製)を用い、設定温度275℃のT型ダイを介して溶融押出を行い、得られた板状物の両面を100℃に温度設定した鏡面を有する二本のポリシングロールで押し付けて挟み込んで冷却し、幅200mm、厚み10mmのシートを得た。
帯電防止剤として、トリメチルラウリルアンモニウムクロライドを主成分とするC8−18アルキルトリメチルアンモニウムクロライドの混合物/イソプロピルアルコール/水=2.5/0.5/97(重量比)の溶液を調製した。次に、この溶液を押出機のゴムロールに塗布し、上記で得られたシートの両面にゴムロールを回転させながら押し当てることにより、帯電防止剤をシートの表面に転写塗布し、乾燥後、アクリル系樹脂板(5)を得た。得られたアクリル系樹脂板(5)について、表面抵抗率(A)の測定を行った。結果を表2に示す。
〔複合シート(5)の作製〕
基材層がポリエチレン樹脂から構成され、粘着材層がスチレン系ブロック共重合体を主成分とする合成ゴムから構成されてなる、基材層と粘着材層とが積層された保護フィルム(3)(積水化学工業(株)製、#6328B同等品、厚み:0.02mm)を、アクリル系樹脂板(5)の両面にゴムロールを介して貼合し、複合シート(5)を作製した。保護フィルム(3)の貼合は、保護フィルム(3)の粘着材層がアクリル系樹脂板(5)の表面に接するようにして実施した。得られた複合シート(5)について、表面抵抗率(B)、剥離強度、切削加工性、キズ付防止性、及び釘打ち性を評価した。結果を表2に示す。
基材層がポリエチレン樹脂から構成され、粘着材層がスチレン系ブロック共重合体を主成分とする合成ゴムから構成されてなる、基材層と粘着材層とが積層された保護フィルム(3)(積水化学工業(株)製、#6328B同等品、厚み:0.02mm)を、アクリル系樹脂板(5)の両面にゴムロールを介して貼合し、複合シート(5)を作製した。保護フィルム(3)の貼合は、保護フィルム(3)の粘着材層がアクリル系樹脂板(5)の表面に接するようにして実施した。得られた複合シート(5)について、表面抵抗率(B)、剥離強度、切削加工性、キズ付防止性、及び釘打ち性を評価した。結果を表2に示す。
比較例3
〔ゴム粒子(1)の調製〕
実施例1〔ゴム粒子(1)の調製〕と同様の方法でゴム粒子(1)を得た。
〔ゴム粒子(1)の調製〕
実施例1〔ゴム粒子(1)の調製〕と同様の方法でゴム粒子(1)を得た。
〔アクリル系樹脂(1)の調製〕
実施例1〔アクリル系樹脂(1)の調製〕と同様の方法でアクリル系樹脂(1)を得た。
実施例1〔アクリル系樹脂(1)の調製〕と同様の方法でアクリル系樹脂(1)を得た。
〔アクリル系樹脂組成物(6)の調製〕
ゴム粒子(1)の使用量を10重量部とし、さらに、アクリル系樹脂(1)の使用量を90重量部とした以外は、実施例1〔アクリル系樹脂板(1)の調製〕と同様の操作を行い、アクリル系樹脂板(6)を得た。得られたアクリル系樹脂板(6)について、表面抵抗率(A)の測定を行った。結果を表2に示す。
ゴム粒子(1)の使用量を10重量部とし、さらに、アクリル系樹脂(1)の使用量を90重量部とした以外は、実施例1〔アクリル系樹脂板(1)の調製〕と同様の操作を行い、アクリル系樹脂板(6)を得た。得られたアクリル系樹脂板(6)について、表面抵抗率(A)の測定を行った。結果を表2に示す。
〔複合シート(6)の作製〕
アクリル系樹脂板(1)に代えて、アクリル系樹脂板(6)を使用した以外は、実施例1〔複合シート(1)の作製〕と同様の操作を行い、複合シート(6)を得た。得られた複合シート(6)について、表面抵抗率(B)、剥離強度、切削加工性、キズ付防止性、及び釘打ち性を評価した。結果を表2に示す。
アクリル系樹脂板(1)に代えて、アクリル系樹脂板(6)を使用した以外は、実施例1〔複合シート(1)の作製〕と同様の操作を行い、複合シート(6)を得た。得られた複合シート(6)について、表面抵抗率(B)、剥離強度、切削加工性、キズ付防止性、及び釘打ち性を評価した。結果を表2に示す。
比較例4
〔ゴム粒子(1)の調製〕
実施例1〔ゴム粒子(1)の調製〕と同様の方法でゴム粒子(1)を得た。
〔ゴム粒子(1)の調製〕
実施例1〔ゴム粒子(1)の調製〕と同様の方法でゴム粒子(1)を得た。
〔アクリル系樹脂(1)の調製〕
実施例1〔アクリル系樹脂(1)の調製〕と同様の方法でアクリル系樹脂(1)を得た。
実施例1〔アクリル系樹脂(1)の調製〕と同様の方法でアクリル系樹脂(1)を得た。
〔アクリル系樹脂板(7)の調製〕
ゴム粒子(1)10重量部と、アクリル系樹脂(1)90重量部とをスーパーミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混錬して、ペレット状の混合物を得た。
ゴム粒子(1)10重量部と、アクリル系樹脂(1)90重量部とをスーパーミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混錬して、ペレット状の混合物を得た。
上記で得られたペレット状の混合物を、40mmφ一軸押出機((株)田辺製作所製)を用い、設定温度275℃のT型ダイを介して溶融押出を行い、得られた板状物の両面を100℃に温度設定した鏡面を有する二本のポリシングロールで押し付けて挟み込んで冷却し、幅200mm、厚み10mmのシートを得た。
帯電防止剤として、トリメチルラウリルアンモニウムクロライドを主成分とするC8−18アルキルトリメチルアンモニウムクロライドの混合物/イソプロピルアルコール/水=2.5/0.5/97(重量比)の溶液を調製した。次に、この溶液を押出機のゴムロールに塗布し、上記で得られたシートの両面にゴムロールを回転させながら押し当てることにより、帯電防止剤をシートの表面に転写塗布し、乾燥後、アクリル系樹脂板(7)を得た。得られたアクリル系樹脂板(7)について、表面抵抗率(A)の測定を行った。結果を表2に示す。
〔複合シート(7)の作製〕
アクリル系樹脂板(5)に代えて、アクリル系樹脂板(7)を使用した以外は、比較例2〔複合シート(5)の作製〕と同様の操作を行い、複合シート(7)を得た。得られた複合シート(7)について、表面抵抗率(B)、剥離強度、切削加工性、キズ付防止性、及び釘打ち性を評価した。結果を表2に示す。
アクリル系樹脂板(5)に代えて、アクリル系樹脂板(7)を使用した以外は、比較例2〔複合シート(5)の作製〕と同様の操作を行い、複合シート(7)を得た。得られた複合シート(7)について、表面抵抗率(B)、剥離強度、切削加工性、キズ付防止性、及び釘打ち性を評価した。結果を表2に示す。
実施例1〜3、比較例1〜4における複合シートの構成を表1に、各評価結果を表2にまとめる。
*1)粘着材層A:スチレン系ブロック共重合体を主成分とする合成ゴム
粘着材層B:アクリル酸エステル共重合体を含むアクリル系ゴム
粘着材層B:アクリル酸エステル共重合体を含むアクリル系ゴム
Claims (7)
- アクリル系樹脂及びアクリル系ゴム粒子を含有するアクリル系樹脂板と、その板の表面に設けられている保護フィルムとを備える弾球遊技機面板用複合シートであって、下記(I)〜(V)を満たすことを特徴とする弾球遊技機面板用複合シート。
(I)アクリル系樹脂板におけるアクリル系ゴム粒子の含有量が、アクリル系樹脂及びアクリル系ゴム粒子の合計100重量部に対して、15〜70重量部であること
(II)アクリル系樹脂板における一方の面の表面抵抗率(A)が108〜1013Ω/□であり、その面に保護フィルムが設けられていること
(III)保護フィルムが基材層と粘着材層との積層体であり、該保護フィルムが該粘着材層を介して前記アクリル系樹脂板に貼合されていること
(IV)保護フィルムにおける粘着材層がスチレン系ブロック共重合体を含有すること
(V)保護フィルムの厚みが0.04〜0.25mmであること - 前記アクリル系樹脂が、メタクリル酸エステルの含有割合が50重量%以上である単官能単量体を重合することにより得られる請求項1に記載の弾球遊技機面板用複合シート。
- 前記アクリル系ゴム粒子が多層構造を有する請求項1または2に記載の弾球遊技機面板用複合シート。
- 前記基材層がポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂から構成される請求項1〜3のいずれかに記載の弾球遊技機面板用複合シート。
- 前記保護フィルムを前記アクリル系樹脂板から試験速度300mm/minで180度剥離させた際の剥離強度が15〜100g/25mmである請求項1〜4のいずれかに記載の弾球遊技機面板用複合シート。
- 前記アクリル系樹脂板の表面抵抗率(A)が108〜1013Ω/□である面が、帯電防止剤を含有する溶液を塗布した後、乾燥することで形成される請求項1〜5のいずれかに記載の弾球遊技機面板用複合シート。
- 前記アクリル系樹脂板の厚みが3〜12mmである請求項1〜6のいずれかに記載の弾球遊技機面板用複合シート。
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