JP5443226B2 - 眼科装置 - Google Patents

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Description

この発明は、開瞼状態を検出する開瞼検出手段を備えるとともに2種類以上の検査が行える眼科装置に関する。
従来から、眼圧と眼屈折力を測定することのできる眼科装置が知られている(特許文献1参照)。
かかる眼科装置は、ベースに対して上下、前後、左右に移動可能に設けた測定ヘッドに、眼圧測定光学系と眼屈折力測定光学系とを上下に配置したものである。
眼屈折力を測定する場合には測定ヘッドを上に移動させ、眼圧を測定する場合には測定ヘッドを下方に移動させて眼圧の測定を行う。
このように眼圧を測定する場合、測定ヘッドを下方に移動させるので、測定ヘッドの上部のスペースが開放されることになり、検者は被検眼の開瞼を容易に行うことができる。
特開2007−144128号公報
しかしながら、このような眼科装置にあっては、測定を実行する際に瞼が閉じられてしまう場合があり、この状態で測定を実行してしまう虞があった。
これを防止するために、開瞼検出手段を設けることが考えられるが、瞼が少し閉じた状態でも測定に支障がないにも拘わらず瞼が閉じられていると判断されて測定ができなかったり、その逆に瞼が少しでも閉じていると正確な測定が出来ないのに、瞼が閉じられていないと判断されて測定が実行されたりしてしまう問題が生じる。
この発明の目的は、測定の種類に応じた適正な瞼の開瞼状態を検出して測定を実行することのできる眼科装置を提供することにある。
請求項1の発明は、それぞれ異なる測定を行う複数の測定手段と、被検眼の前眼部に照明光を投影する照明光学系と、前記被検眼の瞼からの反射光を受光する受光手段と、この受光手段の受光量に基づいて開瞼を判定する開瞼判定手段とを備えた眼科装置であって、
前記測定手段ごとに応じて異なる閾値を設定し、
前記開瞼判定手段は、前記いずれかの測定手段によって測定を行う場合、該測定手段に応じた閾値を基準にして開瞼を判断することを特徴とする。
この発明によれば、測定手段ごとに応じてそれぞれ異なる閾値を設定したものであるから、測定の種類に応じた適正な瞼の開瞼状態を検出して測定を実行することができる。
この発明に係る眼科装置の測定ヘッドを示した外観斜視図である。 図1に示す測定ヘッドに設けた屈折力測定光学系を示した光学配置図である。 図1に示す測定ヘッドに設けた眼圧計の光学配置を示した平面図である。 図1に示す測定ヘッドに設けた眼圧計の光学配置を示した側面図である。 眼科装置の制御系の構成を示したブロック図である。 イメージセンサの所定領域と開瞼状態との関係を示した説明図である。
以下、この発明に係る眼科装置の実施の形態である実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示す眼科装置1は、ベース2に対して前後、左右、上下に移動可能な測定ヘッド(装置本体)3を備え、この測定ヘッド3の後部にはモニタ(報知手段)4が設けられている。測定ヘッド3は、コントロールレバー5の操作により前後、左右、上下に移動され、コントロールレバー5には測定スイッチ6が設けられている。また、測定ヘッド3は、図示しない駆動機構により前後、左右、上下に移動されるようになっている。
ベース2に移動スイッチ9が設けられており、この移動スイッチ9の操作により顎受け台7が上下に移動するようになっている。
額当て8を設けたフレーム10はベース2に固定され、このフレーム10には前眼部を照明する複数の前眼部照明光源(照明光学系)211(図3参照)が設けられている。
測定ヘッド3には、被検眼Eの眼屈折力(球面度,乱視度,乱視軸角度など)や角膜形状を測定する眼屈折力測定系(測定手段)100(図2参照)と、被検眼Eの眼圧を測定する眼圧測定系(測定手段)200(図3,4参照)とが上下に配置されている。
[眼屈折力測定系]
眼屈折力測定系100は、図2に示すように、眼底Erにリング像を投影する投影光学系110と、眼底Erに投影されたリング像を受光する受光光学系120と、固視標投影光学系130と、前眼部観察光学系140と、角膜Ecにリング像を投影するリング投影光学系150とを備えている。
投影光学系110は、赤外光を発光する赤外LED112と、リレーレンズ113と、円錐状プリズム114と、リング開口絞り115と、リレーレンズ116と、孔開きミラー117と、ダイクロイックミラー134と、ハーフミラー142と、対物レンズ105とを有している。赤外LED112と孔開きミラー117はリレーレンズ113,116に関して共役に配置され、孔開きミラー117と被検眼Eの瞳孔Epは対物レンズ105に関して共役に配置され、円錐状プリズム114と眼底Erはリレーレンズ116および対物レンズ105に関して共役に配置されている。
受光光学系120は、対物レンズ105と、ハーフミラー142と、ダイクロイックミラー134と、リレーレンズ122と、CCDなどからなるイメージセンサ123とを有している。イメージセンサ123の受光面124は眼底Erと共役になっており、光軸上の点Aが対物レンズ105に関して眼底Erと共役になっている。
固視標投影光学系130は、固視標提示部(報知手段)132と、リレーレンズ133と、ダイクロイックミラー134と、ハーフミラー142と、対物レンズ105とを有している。固視標提示部132は、光軸131に沿って移動可能となっており、リレーレンズ133に関して点Aと共役な位置に配置されている。
固視標提示部132は、青色発光ダイオードと赤色発光ダイオードとを有し、固視を行う場合に青色発光ダイオードを点灯させ、後述する開瞼と判定されなかった場合に赤色発光ダイオードを点灯させる。
前眼部観察光学系140は、対物レンズ105と、ハーフミラー142と、リレーレンズ143と、イメージセンサ(受光手段)144とを有している。イメージセンサ144の受光面145は被検眼Eの前眼部Efと共役になっている。
リング投影光学系150は、リング開口151aを設けたパターン板151と、このパターン板151のリング開口151aの後方に配置したリング状のリング光源152とを有している。
[眼圧測定系]
眼圧測定系200は、図3および図4に示すように、前眼部観察光学系210と、XYアライメント視標投影光学系220と、固視標投影光学系230と、XYアライメント検出光学系240と、角膜変形検出光学系250と、スリット投影光学系260と、Zアライメント受光光学系270と、Zアライメント投影光学系280とを有している。
前眼部観察光学系210は、図3に示すように、フレーム10(図1参照)に設けた前眼部照明光源211と、前眼部窓ガラス213と、気流吹付ノズル212と、チャンバガラス214と、ハーフミラー215と、対物レンズ216と、ハーフミラー217,218と、CCDなどのイメージセンサ(受光手段)219とを有している。気流吹付ノズル212はエア噴出装置310(図5参照)によって圧縮された空気を被検眼Eに向けて吹き付ける。
XYアライメント視標投影光学系220は、図4に示すように、赤外光を射出するアライメント光源221と、集光レンズ222と、開口絞り223と、ピンホール板224と、ダイクロイックミラー225と、投影レンズ226と、ハーフミラー215と、チャンバガラス214と、気流吹付ノズル212とを有している。ダイクロイックミラー225は赤外光を反射させ、可視光を透過させる。
固視標投影光学系230は、固視標光源(報知手段)231と、ピンホール板232と、ダイクロイックミラー225と、投影レンズ226と、ハーフミラー215と、チャンバガラス214と、気流吹付ノズル212とを有している。
固視標光源231は、青色発光ダイオードと赤色発光ダイオードとを有し、固視を行う場合に青色発光ダイオードを点灯させ、後述する開瞼と判定されなかった場合に赤色発光ダイオードを点灯させる。
XYアライメント検出光学系240は、気流吹付ノズル212と、チャンバガラス214と、ハーフミラー215と、対物レンズ216と、ハーフミラー217,218と、受光センサ241とを有している。受光センサ(エリアセンサ)241は結像点の位置検出が可能なポジションセンサなどで構成される。
角膜変形検出光学系250は、気流吹付ノズル212と、チャンバガラス214と、ハーフミラー215と、対物レンズ216と、ハーフミラー217と、ピンホール板251と、受光センサ252とを有している。
スリット投影光学系260は、図3に示すように赤外光を射出するスリット光源261と、集光レンズ262と、スリット263と、矩形開口絞り264と、ハーフミラー285と、投影レンズ265とを有している。
Zアライメント受光光学系270は、結像レンズ271と、ラインセンサ272とを有している。
Zアライメント投影光学系280は、赤外光を射出するアライメント光源281と、集光レンズ282と、開口絞り283と、ピンホール板284と、ハーフミラー285と、投影レンズ265とを有している。
[制御系]
図5は眼科装置1の制御系の構成を示したブロック図であり、300はイメージセンサ144,219から出力される画像信号に基づいて瞼の開瞼状態を判定する開瞼判定手段である。この開瞼判定手段300は、閾値切換手段301から出力される閾値とイメージセンサ144,219の所定エリアの受光量とを比較してその受光量が閾値以下であれば開瞼と判定するものである。
閾値切換手段301は、操作部302の操作によって設定される測定モードに応じて閾値を切り換えて出力するものであり、例えば、角膜形状測定を行う場合に閾値をV1に切り換え、眼圧測定を行う場合に閾値をV2に切り換え、眼屈折力測定を行う場合に閾値をV3に切り換えるものである。閾値の大きさの関係はV1<V2<V3となっている。
ここで、瞼が完全に開いた状態では、図6(a)に示すようにイメージセンサ144,219の所定エリアSに瞼像が写り込まないので、その所定エリアSの受光量は小さく閾値V1以下となる。なお、Mdは被検眼Eの瞳孔像である。
図6(b)に示すように所定エリアSに瞼像Mbが僅かに写り込んだ場合、瞼からの反射光を受光するため所定エリアSの受光量は閾値V1より大きく閾値V2以下となる。図6(b)の状態では、角膜形状を測定する場合、角膜Ecに投影するリング光の一部がケラれる虞があるが、眼圧測定や眼屈折力測定には支障を来たさない。このため、角膜形状を測定する場合には閾値V1を設定する。
すなわち、リング光がケラレない範囲で閾値V1は設定される。
図6(c)に示すように所定エリアSに瞼像Mbが少し写り入り込んだ場合、すなわち、瞼が少し閉じられた状態のとき、所定エリアSの受光量は閾値V2より大きくなり、閾値V3以下となる。このような状態では、気流吹付ノズル212から噴出される圧縮空気が瞼に掛かって角膜Ecを圧平させることができなくなるので、眼圧測定する場合には閾値V2を設定する。
すなわち、気流吹付ノズル212から噴出される圧縮空気が瞼にかからない範囲で閾値V2が設定される。
また、図6(c)に示す状態では、眼底Erに投影するリング像は欠けないので、眼屈折力測定には支障を来たさない。
図6(d)に示すように所定エリアSに瞼像Mbが写り入り込んだ場合、すなわち、瞼が1/3ぐらい閉じられた状態のとき、所定エリアSの受光量は閾値V3より大きくなる。このような状態では、眼底Erに投影するリング像は欠けて正確な眼屈折力を計測することができないので、眼屈折力を測定する場合には閾値V3を設定する。
すなわち、眼底Erに投影するリング像がケラレない範囲で閾値V3が設定される。
303はイメージセンサ123から出力される画像信号に基づいて眼底Erに形成されるリング像や、イメージセンサ144から出力される画像信号に基づいて角膜Ecに形成されるリング像を抽出する画像処理回路である。304は操作部302の操作に基づいて各種の測定モードの設定や各光源112,152,211,221,231,261,281の点灯を制御したり、エア噴出装置310の駆動を制御したりする演算制御装置である。また、演算制御装置304は、画像処理回路303が抽出したリング像から角膜形状や眼屈折力を求めたり、受光センサ252の受光量等に基づいて眼圧を求めたりする。
[動 作]
次に、上記実施例の眼科装置1の動作について説明する。
[角膜形状測定]
最初に角膜形状を測定する場合について説明する。
先ず、操作部302のスイッチ(図示せず)を操作して角膜形状測定モードを設定する。このモードの設定により測定ヘッド3が所定の高さ位置へ移動される。
次に、被検者の顎を顎受け台7に載せるとともに額を額当て8に当てる。また、測定ヘッド3が所定の高さ位置へ移動されると、前眼部照明光源211が点灯するとともに固視標提示部132により青色の固視標が提示される。また、角膜形状測定モードの設定により演算制御装置304は閾値切換手段301の閾値をV1に切り換えさせる。
固視標提示部132による青色の固視標の提示により、固視標がリレーレンズ133、ダイクロイックミラー134、ハーフミラー142、対物レンズ105を介して被検眼Eの眼底Erに投影され、被検眼Eが固視される。
前眼部照明光源211の点灯により被検眼Eの前眼部Efが照明され、前眼部Efで反射された照明光は対物レンズ105を通ってハーフミラー142で反射され、リレーレンズ143を通ってイメージセンサ144の受光面145に達し、この受光面145に前眼部像が結像される。この前眼部像はモニタ4に表示される。
検者は、モニタ4に表示される前眼部像を見ながら、前眼部像の瞳孔がモニタ4の中心部に位置するように測定ヘッド3を上下左右に移動させてXYアライメントを行う。測定ヘッド3の上下左右の移動はコントロールレバー5の操作によって行う。
また、モニタ4に表示されている前眼部像のピントが合うように、コントロールレバー5の操作により測定ヘッド3を前後に移動させてZアライメントを行う。
XYアライメントおよびZアライメントが行えたら、被検者に固視標を視認させて操作部302の測定スイッチ(図示せず)を操作する。
一方、開瞼判定手段300は、イメージセンサ144の所定エリアSの受光量と閾値切換手段301の閾値V1とを比較して開瞼状態を判定しており、測定スイッチが押された時点における開瞼判定手段300の判定が開瞼の場合、すなわち、図6(a)に示すように瞼が開いた状態のとき、つまり、イメージセンサ144の所定エリアSの受光量が閾値切換手段301の閾値V1以下のとき、演算制御装置304はリング光源152を点灯させる。
リング光源152が点灯すると、パターン板151のリング開口151aにより被検眼Eの角膜Ecにリング光が投影される。このリング光は角膜Ecで反射されて、この反射光は対物レンズ105、ハーフミラー142およびリレーレンズ143を介してイメージセンサ144に達し、イメージセンサ144の受光面145にリング像が結像される。
画像処理回路303は、イメージセンサ144の受光面145に結像されたリング像を抽出し、演算制御装置304はこの抽出されたリング像の形状に基づいて被検眼Eの角膜Ecの形状を求め、この結果をモニタ4に表示する。
開瞼判定手段300が開瞼していないと判定していた場合、すなわち、イメージセンサ144の所定エリアSの受光量が閾値V1より大きいとき、つまり、図6(b)〜(d)に示すように所定エリアSに瞼像Mbが入り込んでいる場合、開瞼されていないとし、これをモニタ4に文字などで表示して正確な測定が行えないことを検者に知らせるとともに、演算制御装置304はリング光源152を点灯させず、測定を実行しない。
また、演算制御装置304は、固視標提示部132の青色発光ダイオードを消灯させて赤色発光ダイオードを点灯させる。
検者は、被検者に固視標提示部132の固視標の色が青色になるまで開瞼するように促す。そして、固視標提示部132の青色発光ダイオードが点灯したら、すなわち、開瞼判定手段300が開瞼していると判定したら、検者は再度測定スイッチを操作する。この測定スイッチの操作により、上記のようにして角膜Ecの形状が求められていく。
[眼屈折力測定]
操作部302の操作により眼屈折力測定モードを設定する。眼屈折力測定モードの設定により、演算制御装置304は閾値切換手段301の閾値をV3に切り換えさせる。
測定スイッチ(図示せず)を操作すると、開瞼判定手段300が開瞼であると判定しているとき、すなわち、イメージセンサ123の所定エリアSの受光量が閾値V3以下のとき、つまり、図6(a)〜(c)の状態のとき、演算制御装置304は投影光学系110の赤外LED112を点灯させる。
赤外LED112から赤外光が射出され、この赤外光はリレーレンズ113、円錐状プリズム114、リング開口絞り115およびリレーレンズ116を介して孔開きミラー117に達し、ここで反射されてダイクロイックミラー134、ハーフミラー142および対物レンズ105を介して被検眼Eの眼底Erに達し、眼底Er上にリング像が投影される。
眼底Erに投影されたリング像の反射光は、瞳孔Epの中心部、対物レンズ105、ハーフミラー142、ダイクロイックミラー134、孔開きミラー117の孔117a、リレーレンズ122を介してイメージセンサ123に達し、イメージセンサ123の受光面124にリング像R2が結像される。
画像処理回路303はイメージセンサ123から出力される画像信号に基づいてリング像R2を抽出し、演算制御装置304は画像処理回路303が抽出したリング像R2に基づいて被検眼Eの眼屈折力を求め、この結果がモニタ4に表示される。
開瞼判定手段300が開瞼されていないと判定していると、すなわち、イメージセンサ123の所定エリアSの受光量が閾値V3より大きいとき、つまり瞼が図6(d)に示すように瞳孔に大きく掛かっている場合、モニタ4に文字などで開瞼されていないことを表示して正確な測定が行えないことを検者に知らせるとともに、演算制御装置304は投影光学系110の赤外LED112を点灯させず、測定を実行しない。
また、演算制御装置304は、固視標提示部132の青色発光ダイオードを消灯させて赤色発光ダイオードを点灯させる。
検者は、被検者に固視標提示部132の固視標の色が青色になるまで開瞼するように促す。そして、固視標提示部132の青色発光ダイオードが点灯したら、すなわち、開瞼判定手段300が開瞼していると判定したら、検者は再度測定スイッチを操作する。この測定スイッチの操作により、上記のようにしてガン屈折力が求められていく。
[眼圧測定]
眼圧を測定する場合、操作部302のスイッチ(図示せず)を操作して眼圧測定モードを設定する。このモードの設定により測定ヘッド3が上方に移動される。
また、眼圧測定モードの設定により演算制御装置304は閾値切換手段301の閾値をV2に切り換えさせる。
なお、被検眼Eの前眼部Efは既に前眼部照明光源211により照明されている。
この前眼部照明光源211によって照明された被検眼Eの前眼部像は、気流吹付ノズル212の内外を通り、前眼部窓ガラス213、チャンバガラス214、ハーフミラー215を透過し、対物レンズ216により集束されつつハーフミラー217,218を透過してイメージセンサ219上に形成される。そして、モニタ4には前眼部像が表示される。
検者はモニタ4に表示される前眼部像を観察しながら大まかなアライメントを行う。
一方、固視標投影光学系230の固視標光源231の青色発光ダイオードが点灯され、この青色光がピンホール板232、ダイクロイックミラー225、投影レンズ226、ハーフミラー215、チャンバガラス214、ノズル212内を通って被検眼Eの眼底Erに投影され、被検眼Eが固視される。
大まかなアライメントを行った後、オートアライメントスイッチを操作すると、演算制御装置304はXYアライメント視標投影光学系220のアライメント光源221を点灯させる。これにより、アライメント光源221から赤外光が射出され、この赤外光は集光レンズ222により集束されつつ開口絞り223を通過し、ピンホール板224に導かれる。そして、ピンホール板224を通過した光束は、ダイクロイックミラー225で反射され、投影レンズ226によって平行光束となってハーフミラー215で反射された後に、チャンバガラス214を透過して気流吹付ノズル212の内部を通過し、XYアライメント指標光を形成して角膜Ecに投影する。
このXYアライメント指標光は角膜Ecの表面で反射され、この反射光束は、ノズル212の内部を通りチャンバガラス214、ハーフミラー215を透過し、対物レンズ216により集束されつつハーフミラー217でその一部が透過し、ハーフミラー218でその一部が反射される。ハーフミラー218で反射された光束は、受光センサ241上に輝点像T1を形成する。
また、ハーフミラー218を透過した反射光束はイメージセンサ219の受光面に輝点像T2を形成する。
演算制御装置304は、受光センサ241による輝点像T1の検出結果に基づいて角膜Ecに対する測定ヘッド3のXY方向のずれを演算し、図示しない駆動機構によってXY方向のアライメントが行われる。
一方、イメージセンサ219の輝点像T2は被検眼Eの前眼部像とともにモニタ4に表示され、XY方向のアライメントが目視で確認することができる。
Zアライメント投影光学系280のアライメント光源281から赤外光が射出され、この赤外光が集光レンズ282に集光されて開口絞り283に到達する。開口絞り283を通過した赤外光の一部はピンホール板284を通過し、ハーフミラー285により反射され、投影レンズ265により角膜Ecに投影される。
この赤外光は角膜Ecで反射され、この反射された反射光は結像レンズ271により集光されてラインセンサ272の受光面に輝点像Qを形成する。この輝点像Qに基づいてZ方向のアライメント(粗調整)が図示しない駆動機構によって行われる。
この後、スリット投影光学系260のスリット光源261が点灯されて赤外光を射出し、この赤外光が集光レンズ262により集光されてスリット263に導かれ、スリット263を通過した赤外光(スリット光束L)は矩形開口絞り264、ハーフミラー285を通過し、投影レンズ265により角膜Ecに投影される。角膜Ecに投影されたスリット光束Lは角膜表面や角膜裏面で反射される。
スリット光束Lの角膜反射光(表面反射、裏面反射)は、結像レンズ271により集光されてラインセンサ272上に結像される。ラインセンサ272の光量分布のピーク値がラインセンサ272の基準位置に一致するように、演算制御装置304は駆動機構を制御して測定ヘッド3をZ方向に移動させてZアライメントを行う。
他方、開瞼判定手段300は、イメージセンサ219の所定エリアSの受光量と閾値切換手段301の閾値V2とを比較して、受光量が閾値V2以下であれば開瞼していると判定する。
そして、XYアライメントおよびZアライメントが完了したときに、開瞼判定手段300が開瞼していると判定していれば、演算制御装置304はエア噴出装置310を駆動させて気流吹付ノズル212から圧縮空気を被検眼Eの角膜Ecに向けて噴出させる。この圧縮空気の噴出により角膜Ecが圧平されていき、このときの角膜Ecの変形量が角膜変形検出光学系250によって検出される。
この検出された角膜Ecの変形量すなわち受光センサ252の受光量の変化量と、ノズル212から吹き付けられる圧縮空気の圧力とから眼圧が算出される。そして、この眼圧値がモニタ4に表示される。
XYアライメントおよびZアライメントが完了したときに、開瞼判定手段300が開瞼していないと判定しているとき、すなわち、イメージセンサ219の所定エリアSの受光量が閾値V3より大きいとき、つまり瞼が図6(d)に示すように瞳孔に大きく掛かっている場合、モニタ4に文字などで開瞼されていないことを表示して正確な測定が行えないことを検者に知らせるとともに、演算制御装置304はエア噴出装置310を駆動させず、眼圧測定を実行しない。
そして、演算制御装置304は、固視標投影光学系230の固視標光源231の青色発光ダイオードを消灯し、赤色発光ダイオードを点灯させる。
検者は、被検者に固視標光源231の色が青色になるまで開瞼するように促す。そして、固視標光源231の青色発光ダイオードが点灯したら、すなわち、開瞼判定手段300が開瞼していると判定したら、測定スイッチを操作する。この測定スイッチの操作により、上記のようにXYアライメントおよびZアライメントが完了していれば、上記のようにして眼圧が測定される。
上述のように、測定する種目によって閾値を切り換えて開瞼を判定するものであるから、測定の種類に応じた適正な瞼の開瞼状態を検出して測定を実行することができる。このため、必要以上に測定が行えなくなったり、正確な測定が行えなかったりすることが防止され、測定の効率化を図ることができる。
上記実施例では、開瞼判定手段300が開瞼していないと判定すると、固視標提示部132や固視標光源231の色を変えているが、これに限らず、例えば連続点灯から点滅に切り換えてもよく、あるいは固視標を点滅表示して、その点滅の時間間隔を変えるようにしてもよい。また、開瞼判定手段300が開瞼していないと判定したとき、例えば「ピィ−、ピィ−…」という音を出力して知らせるようにしてもよい。
さらに、瞼の開瞼状態に応じて固視標の色を変えてもよい。例えば、図6(a)の状態のとき青、図6(b)の状態のとき緑、図6(c)の状態のとき黄、図6(d)のとき赤にする。また、これらの状態を音で表してもよい。例えば、図6(a)の状態のとき音なし、図6(b)の状態のとき「ピッ、ピッ…」、図6(c)および図6(d)のとき「ピィー」の音を出力させる。
固視標の色を変える場合には、モニタ4にも固視標を表示して検者にも色の変化が分かるようにする。
また、Zアライメントが完了していない場合、測定を行わないので各測定手段の閾値を一段大きくし、開瞼状態に応じて固視標の色で表示するようにしてもよい。例えば、図6(a),(b)の状態のとき青、図6(c)のとき緑、図6(d)のとき黄にする。
また、上記実施例では、角膜形状測定と眼屈折力と眼圧計との複合機について説明したがこれに限らず、他の計測装置を組み込んだ複合機であってもよい。また、例えば角膜内皮を撮影する角膜内皮撮影装置と角膜の厚みを測定する角膜厚み測定装置と眼底を撮影する眼底カメラのいくつかを組み込んだ複合機やこれ以外の他の組み合わせの複合機であってもよい。
この場合、例えば角膜内皮撮影装置や角膜厚み測定装置であれば撮影部位や測定部位に瞼が掛からない位置まで瞼が閉じられた状態のイメージセンサの所定エリアSの受光量を閾値に設定し、眼底カメラであれば瞳孔に掛からない位置まで瞼が閉じられた状態のイメージセンサの所定エリアSの受光量を閾値に設定する。
この発明は、上記実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
100 眼屈折力測定系(測定手段)
144 イメージセンサ(受光手段)
200 眼圧測定系(測定手段)
211 前眼部照明光源(照明光学系)
219 イメージセンサ(受光手段)
300 開瞼判定手段

Claims (8)

  1. それぞれ異なる測定を行う複数の測定手段と、被検眼の前眼部に照明光を投影する照明光学系と、前記被検眼の瞼からの反射光を受光する受光手段と、この受光手段の受光量に基づいて開瞼を判定する開瞼判定手段とを備えた眼科装置であって、
    前記測定手段ごとに応じて異なる閾値を設定し、
    前記開瞼判定手段は、前記いずれかの測定手段によって測定を行う場合、該測定手段に応じた閾値を基準にして開瞼を判断することを特徴とする眼科装置。
  2. 前記開瞼判定手段の判定結果を被検者に報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記報知手段は、被検眼に提示する固視標の色または点滅または音で報知することを特徴とする請求項2に記載の眼科装置。
  4. 前記固視標の色または音は、開瞼状態に応じて段階的に変化することを特徴とする請求項3に記載の眼科装置。
  5. 前記被検眼と装置本体との距離に応じて前記閾値を変えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の眼科装置。
  6. 前記開瞼判定手段の判定結果を検者に報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の眼科装置。
  7. 前記報知手段は、前記被検眼の前眼部を表示するモニタであることを特徴とする請求項6に記載の眼科装置。
  8. 前記被検眼の前眼部を照明する前記照明光学系は各測定手段に対して共通であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1つに記載の眼科装置。
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