JP3571102B2 - 眼科装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、被検眼を測定する眼科装置、さらに詳しく述べると被検眼と装置とを所定の位置関係にアライメントするアライメント機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
非接触式眼圧計や他覚式眼屈折力測定装置等の眼科装置では、被検眼と装置との位置調整(アライメント)が必要であり、アライメント状態を検出する機構としては次のものが知られている。被検眼角膜に向けてアライメント光を投光することによって角膜反射像を形成し、角膜反射像の位置を分割受光素子やPSD等の位置検出素子により検出する。この検出位置に基づき、手動操作または自動的に被検眼と装置とのアライメントを行う。位置検出素子が角膜反射像を所定の位置に検出すると、スタ−ト信号を発し自動的に測定を開始する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような従来のアライメント機構では、被検眼の瞬きがあると誤ってアライメントが完了したと判断し、測定を開始しまうという欠点がある。被検眼の瞬きによりアライメント光はまぶたによって散乱され、この散乱光は角膜反射光と同様に位置検出素子により受光される。散乱光は状況によって位置検出素子に一様に入射することがあり、位置検出素子が入射する光量分布等の検出により被検眼の位置を検出する形式のときには、位置検出素子の出力は被検眼のアライメントが完了した状態と区別がつかない。このため、装置は不要な測定を開始し、無駄な時間が費やされるのみならず、検者及び被検者に余分な負担をかけるという欠点があった。
【0004】
本発明は、上記欠点に鑑み案出されたものであり、装置の誤動作を防止して効率の良い測定を可能にし、検者及び被検者にかける負担を軽減する眼科装置を提供することを技術課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、次のような構成を有することを特徴とする。
(1) 被検眼にアライメント用指標を形成する指標形成手段と、該アライメント用指標を検出する検出手段と、該検出手段の検出結果に基づいてアライメント状態を判断する判断手段と、被検眼の前眼部を観察する観察光学系と、流体噴射手段により被検眼角膜に圧縮気体を噴射して角膜を変形させ、角膜変形検出手段により角膜が圧平されたときの圧力から眼圧を測定する測定手段とを持つ眼科装置において、前記指標形成手段の指標光束を反射するミラーを前記観察光学系の光路に斜設することにより光路を分岐し、正常にアライメントされたときにはアライメント用指標光束が通過しないように、光軸からずれた位置に開口を持つ絞りを分岐された光路中でかつ被検眼に形成されるアライメント用指標と共役な位置に配置し、前記指標形成手段のまぶたで反射され、絞りを通過した散乱光を受光素子で受光する受光手段と、該受光手段の受光素子による受光量からまぶたの有無を検知する検知手段と、該検知手段によりまぶたを検知したときは前記流体噴射手段の作動開始を停止させる停止手段と、を設けたことを特徴とする。
【0010】
【実施例1】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は実施例1の装置のアライメント光学系と制御系の概略構成を示す図であり、光学系は上から見た図を示している。なお、測定系については非接触式眼圧計(図5参照)や眼屈折力測定装置等周知の種々の構成のものが使用できるが、その説明は省略している。
光学系
(観察光学系)
Lは観察光学系の光軸を示し、観察光軸L上にはハ−フミラ−1、対物レンズ2、フィルタ3、ハ−フミラ−4、CCDカメラ5が設けられている。フィルタ3は後述する正面指標投影光学系の光束の波長を透過し、距離指標投影光学系の光束の波長を透過しない特性を持ち、CCDカメラ5及び正面指標検出光学系の検出素子に不要なノイズ光が入射することを防止する。
6は被検眼Eの前眼部像を映し出すテレビモニタである。
【0011】
(正面視標投影光学系)
10は近赤外光を発する正面視標投影用の光源、11は投光レンズである。光源10からの光は投光レンズ11により平行光束とされた後、ハ−フミラ−1により光軸Lにそって被検眼Eへ正面から投光される。
(正面視標検出光学系)
正面視標検出光学系は、観察光学系と共用する対物レンズ2及びフィルタ3、光軸La上に配置されたハ−フミラ−12、PSD等の2次元位置検出素子13から構成される。2次元位置検出素子13の中心は光軸La上に位置し、2次元位置検出素子13は、光軸Laと交わる点を原点として入射した光束の光量分布の重心位置の偏位から被検眼の上下左右方向を検出する。
(まぶた検出光学系)
Lbはハ−フミラ−12によって光軸Laから分岐されたまぶた検出光学系の光軸である。まぶた検出光学系は観察光学系の対物レンズ2及びフィルタ3を共用し、光軸Lbからずれた位置に開口を持つ絞り15、受光素子16を有する。
【0012】
(距離指標投影光学系)
Mは距離指標投影光学系の光軸であり、光軸Mは観察光軸Lに対して斜めに交差して設けられている。光軸M上には光源10と異なる波長の光を発する光源20、投光レンズ21が配置されている。
(距離指標検出光学系)
Nは距離指標検出光学系の光軸であり、光軸Nは光軸Lに対して光軸Mと対称に配置されている。光軸N上には受光レンズ22、フィルタ23、円柱レンズ24、1次元位置検出素子25が配置される。フィルタ23は光源20の波長の光を透過し、正面指標投影光学系の光源10の波長の光を透過しない特性を持ち、位置検出素子25に光源10の角膜反射光束が入射することを防止する。位置検出素子25は1次元のPSDであり、その中心は光軸N上に位置する。1次元位置検出素子25は被検眼の前後方向の位置をその光量分布の重心位置から検出する。
【0013】
制御系
30は2次元位置検出素子13及び1次元位置検出素子25からの出力信号に所定の処理を施して被検眼の位置を求める位置演算系である。31は測定系32を制御する測定制御系である。33は測定系32の作動を停止させるための測定停止信号を発生する停止信号発生系であり、停止信号発生系33は受光素子16からの出力信号に所定の処理を施し、その信号と予め設定記憶された基準値(後述する)とを比較することにより測定停止信号を発生する。
【0014】
以上のような構成を持つ装置において、その動作を説明する。
正面視標投影光学系により光源10の光束が被検眼Eの角膜Ecに投光されると、この光束により角膜Ecでは光源10の角膜反射像である虚像の指標i1を形成する。指標i1の光束は観察光学系によりCCDカメラ5の撮像素子上に指標i1の像を形成する。検者はこの指標像と、図示なき照明光源に照明された被検眼前眼部像をテレビモニタ6で観察し、アライメント操作のための情報とする。
【0015】
角膜Ecで反射した正面指標i1の光束は、ハ−フミラ−4によって正面視標検出光学系に導かれ、2次元位置検出素子13に受光される。また、正面視標検出光学系に導かれた光束の一部は、ハ−フミラ−12によりまぶた検出光学系に入射するが、位置調整が完了した時には絞り15の開口が光軸Lbからずらしてあるので、受光素子16には光束は入射しない(図2の(c)参照)。
一方、光源20を出射した光は投光レンズ21によりほぼ平行光束とされ、光軸Mにそって角膜Ecへ斜め前から投光される。角膜Ecで鏡面反射した光束は光源20の虚像である指標i2を形成し、角膜反射光は受光レンズ22によりフィルタ23、円柱レンズ24を介して検出素子25上に入射する。円柱レンズ24はその母線方向を1次元位置検出素子25の検出方向と一致するように配置することにより、被検眼が上下に振れても1次元位置検出素子25は指標i2の光束を受光することができる。
【0016】
検者が装置のアライメントを行い、指標i1の光束が2次元位置検出素子13上に、指標i2の光束が1次元検出素子25上に入射するようになると、それぞれの位置検出素子は指標像を検出する。図2は被検眼と装置とが所定の位置関係に位置調整されたときのそれぞれの素子に入射する光束の状態を示す図であり、(a)は2次元位置検出素子13を光軸La方向から見た図、(b)は1次元位置検出素子25を光軸N方向から見た図、(c)は受光素子16を光軸Lb方向から見た図である。図中の点線は入射光束の分布を示す。位置演算系30は2つの位置検出素子13及び25からの信号によりそれぞれの指標像の位置を算出し、両者の指標像が共に所定の許容誤差内にあると判定すると、測定制御系31にアライメント完了の信号を出力する。被検眼が瞬きをせずに正常にアライメントが行われた場合には、角膜反射の指標i1の光束は受光素子16に入射しないので停止信号発生系33は停止信号を出力しない。測定制御系はトリガ信号を測定系32に発し、測定系32は測定を開始する。
【0017】
次に、被検眼が瞬きをして角膜Ecがまぶたに覆われると、光源10及び光源20から出射した光束は像を結ぶことなく、まぶた表面でそれぞれ散乱反射される。この散乱光は角膜Ecの反射光と同じ経路を経て各検出光学系に入射する(図3参照)。図中の点線は入射光束の分布を示し、まぶたによる散乱光は大きく広がって各素子に入射し、位置検出素子13及び1次元位置検出素子25では光量分布の重心位置を検出しているため、図2の状態と図3の状態を弁別ができず、図3の状態でもその重心位置が所定の許容誤差内であれば位置演算系30はアライメント完了と判別し、その信号を測定制御系31に出力する。
まぶたが閉じられた状態では、まぶた検出光学系の受光素子16には図3の(c)で示すように光束の一部が入射している。図4は受光素子16のまぶたが閉じられることなくアライメントが完了したときの出力例(イ)と、まぶたが閉じられたときの出力例(ロ)を示しており、あらかじめ基準値であるしきい値I0 を設定しておくことにより2つの状態を判別できる。したがって、受光素子16の出力からまぶたを検知することができる。
【0018】
停止信号発生系33は、受光素子16の出力信号と基準値(I0 )とを比較することにより、基準値を越える出力があったときには測定停止信号を測定制御系31に出力する。測定制御系31はこの停止信号を受けたときは、位置演算系30からのアライメント完了信号の入力にかかわらずトリガ信号の発生を停止し、測定系32を作動させない。
このように瞬きによって検出された被検眼偏位信号が所定の許容誤差内におかれたとしても、装置は瞬きによるものであることを判別するため、誤って測定を開始することを防止することができる。
【0019】
【実施例2】
実施例2は本発明を非接触式眼圧計に適用したものであり、測定系の角膜変形状態を検出するための光学系と共用させる構成としている。
図5はその流体噴射機構、光学系及び制御系の概略構成を示した図である。図において図1と共通な要素については同一の符号を付し、その説明は省略する。非接触式眼圧計は、被検眼角膜に圧縮気体を噴射して角膜を変形させるとともに、その角膜で反射された光束を受光光学系で受光し、その受光量により角膜が所定の状態に変形されたことを検出し、所定状態に変形された気体圧を得、その気体圧に基づいて眼圧を測定するものであるが、本明細書では本発明と関連する要素のみの説明にとどめ、測定機構自体の詳細な説明は本出願人による特願平3−29415号(発明の名称「非接触式眼圧計」)の記載を援用する。
【0020】
気体噴射機構は、シリンダ40、ソレノイド41により駆動されて往復するピストン42、圧縮気体の噴射口のノズル43、ノズル43を保持するガラス部材45、シリンダ40の後壁を構成する後壁窓46、シリンダ40内の圧力を検出する圧力センサ47等から構成される。圧縮気体は測定系32がソレノイド41を駆動してピストン42で押圧することにより発生し、ノズル43から角膜Ecに向けて噴射される。
【0021】
50は角膜変形検出光学系であり、光源20(距離指標検出光学系の光源と共用される)の光束の角膜反射光を検出し、角膜Ecの変形状態を検出する。角膜変形検出光学系50は、距離指標検出光学系の受光レンズ22及びフィルタ23を共用し、光軸N上に配置されたハ−フミラ−51、受光素子52、受光素子52への入射光を制限する絞り53から構成される。絞り53は位置調整が完了して測定が行われ、角膜Ecが変形されて所定形状になったときに光源20と共役になる位置に設けられている。
角膜変形検出光学系50はまぶた検出光学系と共用され、受光素子52はアライメント時のまぶたによる反射光を検出する。これは角膜とまぶたとでは、まぶたの方がより平面に近いため、アライメンが完了されたときと、まぶたが閉じられたときでは、まぶたが閉じられたときの方が受光素子52の受光量が多いことを利用している。
【0022】
55は測定波形処理系であり、測定波形処理系55は測定時の受光素子52の受光量の変化を解析し、ピ−ク検出処理等を行う。停止信号発生系33がアライメント中の受光素子52の受光量が、予め設定された基準値を越えたときに、停止信号を測定制御系31に出力し、まばたきにより誤って測定を開始することを防ぐことができる。
このように、実施例2ではまぶた検出のための専用の光学系を設けることなく、非接触式眼圧計の周知の構成要素を利用できるので、より簡単に本機能を装置に付加することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、装置の誤動作を防止して効率の良い測定を可能にし、検者及び被検者にかける負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の装置のアライメント光学系と制御系の概略構成を示す図である。
【図2】被検眼と装置とが所定の位置関係に位置調整されたときのそれぞれの素子に入射する光束の状態を示す図である。
【図3】角膜がまぶたに覆われたときのそれぞれの素子に入射する光束の状態を示す図である。
【図4】まぶたが閉じられることなくアライメントが完了したときの出力例と、まぶたが閉じられたときの出力例を示す図である。
【図5】本発明を非接触式眼圧計に適用した実施例2の装置の流体噴射機構、光学系及び制御系の概略構成を示した図である。
【符号の説明】
10 光源
13 2次元位置検出素子
16 受光素子
20 光源
25 1次元位置検出素子
30 位置演算系
31 測定制御系
32 測定系
33 停止信号発生系
【産業上の利用分野】
本発明は、被検眼を測定する眼科装置、さらに詳しく述べると被検眼と装置とを所定の位置関係にアライメントするアライメント機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
非接触式眼圧計や他覚式眼屈折力測定装置等の眼科装置では、被検眼と装置との位置調整(アライメント)が必要であり、アライメント状態を検出する機構としては次のものが知られている。被検眼角膜に向けてアライメント光を投光することによって角膜反射像を形成し、角膜反射像の位置を分割受光素子やPSD等の位置検出素子により検出する。この検出位置に基づき、手動操作または自動的に被検眼と装置とのアライメントを行う。位置検出素子が角膜反射像を所定の位置に検出すると、スタ−ト信号を発し自動的に測定を開始する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような従来のアライメント機構では、被検眼の瞬きがあると誤ってアライメントが完了したと判断し、測定を開始しまうという欠点がある。被検眼の瞬きによりアライメント光はまぶたによって散乱され、この散乱光は角膜反射光と同様に位置検出素子により受光される。散乱光は状況によって位置検出素子に一様に入射することがあり、位置検出素子が入射する光量分布等の検出により被検眼の位置を検出する形式のときには、位置検出素子の出力は被検眼のアライメントが完了した状態と区別がつかない。このため、装置は不要な測定を開始し、無駄な時間が費やされるのみならず、検者及び被検者に余分な負担をかけるという欠点があった。
【0004】
本発明は、上記欠点に鑑み案出されたものであり、装置の誤動作を防止して効率の良い測定を可能にし、検者及び被検者にかける負担を軽減する眼科装置を提供することを技術課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、次のような構成を有することを特徴とする。
(1) 被検眼にアライメント用指標を形成する指標形成手段と、該アライメント用指標を検出する検出手段と、該検出手段の検出結果に基づいてアライメント状態を判断する判断手段と、被検眼の前眼部を観察する観察光学系と、流体噴射手段により被検眼角膜に圧縮気体を噴射して角膜を変形させ、角膜変形検出手段により角膜が圧平されたときの圧力から眼圧を測定する測定手段とを持つ眼科装置において、前記指標形成手段の指標光束を反射するミラーを前記観察光学系の光路に斜設することにより光路を分岐し、正常にアライメントされたときにはアライメント用指標光束が通過しないように、光軸からずれた位置に開口を持つ絞りを分岐された光路中でかつ被検眼に形成されるアライメント用指標と共役な位置に配置し、前記指標形成手段のまぶたで反射され、絞りを通過した散乱光を受光素子で受光する受光手段と、該受光手段の受光素子による受光量からまぶたの有無を検知する検知手段と、該検知手段によりまぶたを検知したときは前記流体噴射手段の作動開始を停止させる停止手段と、を設けたことを特徴とする。
【0010】
【実施例1】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は実施例1の装置のアライメント光学系と制御系の概略構成を示す図であり、光学系は上から見た図を示している。なお、測定系については非接触式眼圧計(図5参照)や眼屈折力測定装置等周知の種々の構成のものが使用できるが、その説明は省略している。
光学系
(観察光学系)
Lは観察光学系の光軸を示し、観察光軸L上にはハ−フミラ−1、対物レンズ2、フィルタ3、ハ−フミラ−4、CCDカメラ5が設けられている。フィルタ3は後述する正面指標投影光学系の光束の波長を透過し、距離指標投影光学系の光束の波長を透過しない特性を持ち、CCDカメラ5及び正面指標検出光学系の検出素子に不要なノイズ光が入射することを防止する。
6は被検眼Eの前眼部像を映し出すテレビモニタである。
【0011】
(正面視標投影光学系)
10は近赤外光を発する正面視標投影用の光源、11は投光レンズである。光源10からの光は投光レンズ11により平行光束とされた後、ハ−フミラ−1により光軸Lにそって被検眼Eへ正面から投光される。
(正面視標検出光学系)
正面視標検出光学系は、観察光学系と共用する対物レンズ2及びフィルタ3、光軸La上に配置されたハ−フミラ−12、PSD等の2次元位置検出素子13から構成される。2次元位置検出素子13の中心は光軸La上に位置し、2次元位置検出素子13は、光軸Laと交わる点を原点として入射した光束の光量分布の重心位置の偏位から被検眼の上下左右方向を検出する。
(まぶた検出光学系)
Lbはハ−フミラ−12によって光軸Laから分岐されたまぶた検出光学系の光軸である。まぶた検出光学系は観察光学系の対物レンズ2及びフィルタ3を共用し、光軸Lbからずれた位置に開口を持つ絞り15、受光素子16を有する。
【0012】
(距離指標投影光学系)
Mは距離指標投影光学系の光軸であり、光軸Mは観察光軸Lに対して斜めに交差して設けられている。光軸M上には光源10と異なる波長の光を発する光源20、投光レンズ21が配置されている。
(距離指標検出光学系)
Nは距離指標検出光学系の光軸であり、光軸Nは光軸Lに対して光軸Mと対称に配置されている。光軸N上には受光レンズ22、フィルタ23、円柱レンズ24、1次元位置検出素子25が配置される。フィルタ23は光源20の波長の光を透過し、正面指標投影光学系の光源10の波長の光を透過しない特性を持ち、位置検出素子25に光源10の角膜反射光束が入射することを防止する。位置検出素子25は1次元のPSDであり、その中心は光軸N上に位置する。1次元位置検出素子25は被検眼の前後方向の位置をその光量分布の重心位置から検出する。
【0013】
制御系
30は2次元位置検出素子13及び1次元位置検出素子25からの出力信号に所定の処理を施して被検眼の位置を求める位置演算系である。31は測定系32を制御する測定制御系である。33は測定系32の作動を停止させるための測定停止信号を発生する停止信号発生系であり、停止信号発生系33は受光素子16からの出力信号に所定の処理を施し、その信号と予め設定記憶された基準値(後述する)とを比較することにより測定停止信号を発生する。
【0014】
以上のような構成を持つ装置において、その動作を説明する。
正面視標投影光学系により光源10の光束が被検眼Eの角膜Ecに投光されると、この光束により角膜Ecでは光源10の角膜反射像である虚像の指標i1を形成する。指標i1の光束は観察光学系によりCCDカメラ5の撮像素子上に指標i1の像を形成する。検者はこの指標像と、図示なき照明光源に照明された被検眼前眼部像をテレビモニタ6で観察し、アライメント操作のための情報とする。
【0015】
角膜Ecで反射した正面指標i1の光束は、ハ−フミラ−4によって正面視標検出光学系に導かれ、2次元位置検出素子13に受光される。また、正面視標検出光学系に導かれた光束の一部は、ハ−フミラ−12によりまぶた検出光学系に入射するが、位置調整が完了した時には絞り15の開口が光軸Lbからずらしてあるので、受光素子16には光束は入射しない(図2の(c)参照)。
一方、光源20を出射した光は投光レンズ21によりほぼ平行光束とされ、光軸Mにそって角膜Ecへ斜め前から投光される。角膜Ecで鏡面反射した光束は光源20の虚像である指標i2を形成し、角膜反射光は受光レンズ22によりフィルタ23、円柱レンズ24を介して検出素子25上に入射する。円柱レンズ24はその母線方向を1次元位置検出素子25の検出方向と一致するように配置することにより、被検眼が上下に振れても1次元位置検出素子25は指標i2の光束を受光することができる。
【0016】
検者が装置のアライメントを行い、指標i1の光束が2次元位置検出素子13上に、指標i2の光束が1次元検出素子25上に入射するようになると、それぞれの位置検出素子は指標像を検出する。図2は被検眼と装置とが所定の位置関係に位置調整されたときのそれぞれの素子に入射する光束の状態を示す図であり、(a)は2次元位置検出素子13を光軸La方向から見た図、(b)は1次元位置検出素子25を光軸N方向から見た図、(c)は受光素子16を光軸Lb方向から見た図である。図中の点線は入射光束の分布を示す。位置演算系30は2つの位置検出素子13及び25からの信号によりそれぞれの指標像の位置を算出し、両者の指標像が共に所定の許容誤差内にあると判定すると、測定制御系31にアライメント完了の信号を出力する。被検眼が瞬きをせずに正常にアライメントが行われた場合には、角膜反射の指標i1の光束は受光素子16に入射しないので停止信号発生系33は停止信号を出力しない。測定制御系はトリガ信号を測定系32に発し、測定系32は測定を開始する。
【0017】
次に、被検眼が瞬きをして角膜Ecがまぶたに覆われると、光源10及び光源20から出射した光束は像を結ぶことなく、まぶた表面でそれぞれ散乱反射される。この散乱光は角膜Ecの反射光と同じ経路を経て各検出光学系に入射する(図3参照)。図中の点線は入射光束の分布を示し、まぶたによる散乱光は大きく広がって各素子に入射し、位置検出素子13及び1次元位置検出素子25では光量分布の重心位置を検出しているため、図2の状態と図3の状態を弁別ができず、図3の状態でもその重心位置が所定の許容誤差内であれば位置演算系30はアライメント完了と判別し、その信号を測定制御系31に出力する。
まぶたが閉じられた状態では、まぶた検出光学系の受光素子16には図3の(c)で示すように光束の一部が入射している。図4は受光素子16のまぶたが閉じられることなくアライメントが完了したときの出力例(イ)と、まぶたが閉じられたときの出力例(ロ)を示しており、あらかじめ基準値であるしきい値I0 を設定しておくことにより2つの状態を判別できる。したがって、受光素子16の出力からまぶたを検知することができる。
【0018】
停止信号発生系33は、受光素子16の出力信号と基準値(I0 )とを比較することにより、基準値を越える出力があったときには測定停止信号を測定制御系31に出力する。測定制御系31はこの停止信号を受けたときは、位置演算系30からのアライメント完了信号の入力にかかわらずトリガ信号の発生を停止し、測定系32を作動させない。
このように瞬きによって検出された被検眼偏位信号が所定の許容誤差内におかれたとしても、装置は瞬きによるものであることを判別するため、誤って測定を開始することを防止することができる。
【0019】
【実施例2】
実施例2は本発明を非接触式眼圧計に適用したものであり、測定系の角膜変形状態を検出するための光学系と共用させる構成としている。
図5はその流体噴射機構、光学系及び制御系の概略構成を示した図である。図において図1と共通な要素については同一の符号を付し、その説明は省略する。非接触式眼圧計は、被検眼角膜に圧縮気体を噴射して角膜を変形させるとともに、その角膜で反射された光束を受光光学系で受光し、その受光量により角膜が所定の状態に変形されたことを検出し、所定状態に変形された気体圧を得、その気体圧に基づいて眼圧を測定するものであるが、本明細書では本発明と関連する要素のみの説明にとどめ、測定機構自体の詳細な説明は本出願人による特願平3−29415号(発明の名称「非接触式眼圧計」)の記載を援用する。
【0020】
気体噴射機構は、シリンダ40、ソレノイド41により駆動されて往復するピストン42、圧縮気体の噴射口のノズル43、ノズル43を保持するガラス部材45、シリンダ40の後壁を構成する後壁窓46、シリンダ40内の圧力を検出する圧力センサ47等から構成される。圧縮気体は測定系32がソレノイド41を駆動してピストン42で押圧することにより発生し、ノズル43から角膜Ecに向けて噴射される。
【0021】
50は角膜変形検出光学系であり、光源20(距離指標検出光学系の光源と共用される)の光束の角膜反射光を検出し、角膜Ecの変形状態を検出する。角膜変形検出光学系50は、距離指標検出光学系の受光レンズ22及びフィルタ23を共用し、光軸N上に配置されたハ−フミラ−51、受光素子52、受光素子52への入射光を制限する絞り53から構成される。絞り53は位置調整が完了して測定が行われ、角膜Ecが変形されて所定形状になったときに光源20と共役になる位置に設けられている。
角膜変形検出光学系50はまぶた検出光学系と共用され、受光素子52はアライメント時のまぶたによる反射光を検出する。これは角膜とまぶたとでは、まぶたの方がより平面に近いため、アライメンが完了されたときと、まぶたが閉じられたときでは、まぶたが閉じられたときの方が受光素子52の受光量が多いことを利用している。
【0022】
55は測定波形処理系であり、測定波形処理系55は測定時の受光素子52の受光量の変化を解析し、ピ−ク検出処理等を行う。停止信号発生系33がアライメント中の受光素子52の受光量が、予め設定された基準値を越えたときに、停止信号を測定制御系31に出力し、まばたきにより誤って測定を開始することを防ぐことができる。
このように、実施例2ではまぶた検出のための専用の光学系を設けることなく、非接触式眼圧計の周知の構成要素を利用できるので、より簡単に本機能を装置に付加することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、装置の誤動作を防止して効率の良い測定を可能にし、検者及び被検者にかける負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の装置のアライメント光学系と制御系の概略構成を示す図である。
【図2】被検眼と装置とが所定の位置関係に位置調整されたときのそれぞれの素子に入射する光束の状態を示す図である。
【図3】角膜がまぶたに覆われたときのそれぞれの素子に入射する光束の状態を示す図である。
【図4】まぶたが閉じられることなくアライメントが完了したときの出力例と、まぶたが閉じられたときの出力例を示す図である。
【図5】本発明を非接触式眼圧計に適用した実施例2の装置の流体噴射機構、光学系及び制御系の概略構成を示した図である。
【符号の説明】
10 光源
13 2次元位置検出素子
16 受光素子
20 光源
25 1次元位置検出素子
30 位置演算系
31 測定制御系
32 測定系
33 停止信号発生系
Claims (1)
- 被検眼にアライメント用指標を形成する指標形成手段と、該アライメント用指標を検出する検出手段と、該検出手段の検出結果に基づいてアライメント状態を判断する判断手段と、被検眼の前眼部を観察する観察光学系と、流体噴射手段により被検眼角膜に圧縮気体を噴射して角膜を変形させ、角膜変形検出手段により角膜が圧平されたときの圧力から眼圧を測定する測定手段とを持つ眼科装置において、前記指標形成手段の指標光束を反射するミラーを前記観察光学系の光路に斜設することにより光路を分岐し、正常にアライメントされたときにはアライメント用指標光束が通過しないように、光軸からずれた位置に開口を持つ絞りを分岐された光路中でかつ被検眼に形成されるアライメント用指標と共役な位置に配置し、前記指標形成手段のまぶたで反射され、絞りを通過した散乱光を受光素子で受光する受光手段と、該受光手段の受光素子による受光量からまぶたの有無を検知する検知手段と、該検知手段によりまぶたを検知したときは前記流体噴射手段の作動開始を停止させる停止手段と、を設けたことを特徴とする眼科装置。
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