JP5443067B2 - ボール用表皮材 - Google Patents
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Description
本発明のボール用表皮材は、繊維と高分子からなる基体層の表面にコート層が存在するものである。
ここでこの繊維と高分子からなる基体は、繊維から構成された繊維質基材に高分子弾性体を含浸・凝固するなどして得られる基体である。そして基体を構成する繊維質基材に用いられる繊維としては、ポリアミド、ポリエステルなどの合成繊維、レーヨン、アセテートなどの再生繊維、あるいは天然繊維などの単独または混合した繊維を挙げることができる。さらに好ましくは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などのポリアミド繊維や、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維を挙げることができる。
透過電子顕微鏡(TEM)を用いて30個の粒径を測定し、その平均値を微粒子シリカの平均粒子径とした。
JIS K 6301 2号型ダンベル試験片の厚さ5mmのフィルムを試料とし、恒速伸長試験機で伸長速度100%/minの条件で測定した。
<基体層の作成>
ナイロン6と低密度ポリエチレンを50/50で混合、エクストルダーで溶融、混合し290℃で混合紡糸し、延伸、油剤を処理しカットし5.5dtex、51mmの繊維を得た。これをカード、クロスラッパー、ニードルロッカー、カレンダーの工程を通し、重さ570g/m2、厚さ2.4mm、見掛け密度0.24g/cm3の絡合繊維質基材を得た。
参考例1で得られた凹凸を有する多孔質コート層が付与された基体層の上にB層を付与した。
まずB層用として、次の配合のゴム成分が固形分濃度76%、シリカの固形分濃度4%である被覆層(B層)用の塗布液を作成した。この被覆層(B層)用の塗布液を、110メッシュのグラビアロールにて、塗布間隙をシートの厚さの60%に調整し、3回塗布した。この時の塗布液の付着量は、45g/m2であった。また、B層を構成する全成分からなるフィルムの100%伸長応力は、0.4MPaであった。
アクリル系ラテックス(ゴム成分、固形分濃度 40%);76部
ポリエーテル系ポリウレタンエマルジョン(固形分濃度;30%、100%モジュラス;2MPa);12部
ポリエーテル系ポリウレタンエマルジョン(固形分濃度;35%、100%モジュラス;8.5MPa);12部
水分散シリカ(固形分濃度;20%);4部
増粘剤(固形分濃度;40%);1部
次いで、被覆層(A層)として、100%モジュラスが5MPaのポリエステル系ポリウレタン樹脂100部、分子量2000のポリブタジエン(ゴム成分)50部、粒径16nmのフュームドシリカ20部を、ジメチルホルムアミド:テトラヒドロフラン:トルエンの混合溶剤で溶解し、ゴム成分が固形分濃度29%、フュームドシリカの固形分濃度12%である被覆層A層用の塗布液を作成した。このA層を構成する全成分からなるフィルムの100%伸長応力は2.5MPaであった。
この被覆層A層用の塗布液を、110メッシュのグラビアロールにて、塗布間隙をシートの厚さの75%に調整し、3回塗布し、バスケットボール用表皮材を得た。この時の塗布液の付着量は、45g/m2であった。得られたバスケットボール用表皮材を観察すると、被覆層(A層)の樹脂は、凸凹を有する表面の90%を被覆していた。
また得られたボール用表皮材の凸部の(A層の面積)/(B層の面積)の比、A/B比は100/100、凹部のA/B比は50/80であった。
得られたバスケットボール用の表皮材を使用してバスケットボールを作製し、実用テストで、乾燥時、湿潤時(汗等で手の表面が濡れてきた手が湿潤状態の時)のタック性、ハンドリング性、指の滑り難さ等を総合評価しグリップ感を5段階(良5→1悪)評価したところ、乾燥時のグリップ感は、評価4で良好。また湿潤時のグリップ感は、評価5で、汗等で手の表面が濡れても指が滑り難くグリップ感が良好であった。
<基体層上へのB層の付与>
参考例1で得られた凹凸を有する多孔質コート層が付与された基体層の上に、実施例1と同様にしてB層を付与した。この時の塗布液の付着量は実施例1と同じく45g/m2であった。
次いで、被覆層(A層)として実施例1と同じ被覆層A層用の塗布液を、グラビアロールの塗布間隙をシートの厚さの75%に調整し、塗布回数を3回から1回に変更した以外は、実施例1と同様に塗布し、バスケットボール用表皮材を得た。この時の塗布液の付着量は、15g/m2であった。
得られたバスケットボール用表皮材を観察すると、被覆層(B)の樹脂は、凸凹を有する表面の全面を被覆し、また被覆層(A)は凸部の面積の80%のみ被覆し、凹部は、凸部に対して被覆が少なくなっていた。得られたボール用表皮材の凸部の(A層の面積)/(B層の面積)の比、A/B比は70/100、凹部のA/B比は30/80であった。
得られたバスケットボール用の表皮材を使用してバスケットボールを作製し、実用テストで、乾燥時、湿潤時(汗等で手の表面が濡れてきた手が湿潤状態の時)のタック性、ハンドリング性、指に掛かる感覚等を総合評価しグリップ感を5段階(良5→1悪)で評価したところ、乾燥時のグリップ感は、評価4でタック感が適度にあり実施例1のボールよりも良好なものであった。また湿潤時のグリップ感は、評価5で、汗等で手の表面が濡れている状態であっても、そのグリップ感が良好であった。
被覆層(A層)用の塗布液から、ゴム成分であるポリブタジエンのみを除いて塗布液を作成した以外は、実施例2と同様に処理をして、バスケットボール用表皮材を得た。
このバスケットボール用表皮材を使用してバスケットボールを作製し、実用テストをしたところ、乾燥時のグリップ感は、評価2でタックが少な過ぎる感じのグリップであった。また湿潤時のグリップ感は、評価3であった。
被覆層(A層)用の塗布液中の、フュームドシリカの添加量を20部から4部に変更し、シリカの固形分濃度を2.6%となる塗布液を作成した以外は、実施例2と同様に処理をして、バスケットボール用表皮材を得た。このもののB層におけるシリカは実施例1の通り固形分濃度4%で、A層のシリカの固形分濃度2.6%よりも多いものであった。
このバスケットボール用表皮材を使用してバスケットボールを作製し、実用テストをしたところ、乾燥時のグリップ感は、評価3で少しタックが強過ぎる感じのグリップであった。また湿潤時のグリップ感は、評価2で、指に掛かる感覚が少なく滑り易いものであった。
被覆層(A層)用の塗布液中の、シリカを平均粒子径16nmの微粒子シリカから平均粒子径5μmの通常シリカに変更し、併せて添加量を20部から13部に変更し、シリカの固形分濃度を8%となる塗布液を作成した以外は、実施例1と同様に処理をして、バスケットボール用表皮材を得た。
このバスケットボール用表皮材を使用してバスケットボールを作製し、実用テストをしたところ、乾燥時のグリップ感は、評価3。また湿潤時のグリップ感は、評価3で、いずれも実施例1に劣るものであった。
Claims (6)
- 繊維と高分子からなる基体層の表面にコート層が存在するボール用表皮材であって、コート層の最表面に位置するA層が粒径1〜50nmの微粒子シリカとゴム成分(A)を含有し、A層と接する次の層であるB層がゴム成分(B)をB層全体の固形分濃度の50%〜90%含み、B層に存在する微粒子シリカの存在量がA層における存在量よりも少なく、A層に含有しているゴム成分(A)が液状ゴムである分子量1000〜4000のブタジエンゴムであり、B層に含有しているゴム成分(B)がアクリレート系ゴムラテックスであり、かつコート層の一部分においてはB層が最表面に露出していることを特徴とするボール用表皮材。
- 表面に高低差0.1mm以上の凹凸が存在する請求項1記載のボール用表皮材。
- 最表面に露出している(A層の面積)/(B層の面積)の比A/Bが、凹部のA/Bの値よりも凸部のA/Bの値が大きい請求項2記載のボール用表皮材。
- B層と基体層の間に、多孔質コート層が存在する請求項1〜3のいずれか1項記載のボール用表皮材。
- A層を構成する全成分からなるフィルムの100%伸長応力が2〜5MPaであり、B層を構成する全成分からなるフィルムの100%伸長応力が0.1〜1MPaである請求項1〜4のいずれか1項記載のボール用表皮材。
- 微粒子シリカがフュームドシリカである請求項1〜5のいずれか1項記載のボール用表皮材。
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