JP5440063B2 - 超電導回転電機 - Google Patents
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Description
超電導回転電機が発電機である場合には、回転子の超電導材料は超電導バルク磁石等の超電導磁石とすることができる。
図1〜図3は実施形態1の概念を示す。本実施形態は、本発明に係る超電導回転電機を超電導モータに適用した場合である。図1に示されているように、超電導モータは、基体1と、回転磁界を生成させる固定子2と、固定子2に対して回転可能に設けられ固定子2の回転磁界に伴い回転すると共に超電導材料を有する回転子3と、回転子3を保持する回転軸4と、固定子2を冷却させる冷却部5と、固定子2および回転子3を収容すると共に気体冷媒66(冷熱媒体)を収容する収容室60を形成する低温容器6と、収容室60を覆うように収容室60の外側に配置された真空断熱室7とを有する。
図4は実施形態2を示す。本実施形態は前記した実施形態と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。以下、相違する部分を中心として説明する。図4は磁気シール部9の一例を示す。図4に示されるように、磁気シール部9は、回転軸4の軸長方向(矢印L方向)において並設された複数の磁極(N極およびS極)をもつ複数個の磁石部90と、隣接する磁石部90間に配置された非磁性または常磁性の材料で形成されたスペーサ91と、磁極(N極およびS極)によって形成された磁路92に沿って配向して微小隙間63におけるシール性を高める磁性流体93とを有する。磁路92は互いに独立していることが好ましいが、これに限定されるものではない。磁性流体93は、磁性微粒子を界面活性剤などでベース液に安定的に分散させた流動体である。ベース液としては炭化水素系、フッ素油系、水系などが例示されるが、これらに限定されるものではない。
図5は実施形態3を示す。本実施形態は前記した実施形態1,2と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。以下、相違する部分を中心として説明する。図5に示されているように、収容室60内の気体冷媒66の圧力変動に伴い気体冷媒66を収容室60に対して出し入れする気体冷媒出入要素100(冷熱媒体出入要素)が設けられている。気体冷媒出入要素100は、基体1の外方に配置されたバッファタンク102と、バッファタンク102と収容室60とを連通させる連通通路103と、連通通路103に設けられたバルブ104とを有する。超電導モータを駆動させるときには、図略の制御装置はコンプレッサをオンさせて冷凍機53を作動させる。これによりコールドヘッド55が極低温状態に冷却され、第1熱伝導体51および第2熱伝導体52を介して固定子2が極低温状態に冷却され、ひいては収容室60に収容されている気体冷媒66が極低温状態に冷却される。この場合、収容室60の気体冷媒66の圧力が低下する。例えば、常温(300K)時に収容室60に充填された気体冷媒66が77Kに冷却されると、その圧力は約25%(1/4程度)に低下する。このためバルブ104を開放させれば、バッファタンク102のタンク室102cと収容室60との圧力差に基づいて、高圧側のバッファタンク102のタンク室102cに封入されている気体冷媒66が低圧側の収容室60に流入する。このように超電導モータが駆動するときには、バッファタンク102のタンク室102cの気体冷媒66が収容室60に流入される。よって収容室60の気体冷媒66が回転子3を冷却させる冷却能力を高めることができる。
図6は実施形態4を示す。本実施形態は前記した実施形態と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。以下、相違する部分を中心として説明する。回転軸4は中空軸とされており、軸長方向(矢印L方向)において回転子3に対向する位置に配置された第3真空断熱室73と、第3真空断熱室73を仕切るように対向して回転軸4の内部に設けられた仕切壁43とを有する。第3真空断熱室73は、収容室60と大気部14との間の温度領域になる密閉空間であり、軸長方向において回転子3および収容室60に重なる位置に形成されており、回転子3および収容室60への伝熱を抑え、回転子3および収容室60をできるだけ低温状態に維持するのに有利である。すなわち、このように回転軸4の内部に密閉室である第3真空断熱室73が形成されているため、大気部14(常温部)からの回転子3および収容室60側への熱侵入を低減させることができる。
図7は実施形態5を示す。本実施形態は前記した実施形態と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。以下、相違する部分を中心として説明する。図7に示されているように、回転軸4は中空軸とされており、軸長方向(矢印L方向)において回転子3に対向する位置に配置された第3真空断熱室73と、第3真空断熱室73を仕切るように対向して回転軸4の内部に設けられた仕切壁43とを有する。回転軸4の内部に第3真空断熱室73が形成されているため、回転軸4の断熱性が向上している。故に、外部(大気部14)の熱が、低温状態の収容室60側に回転軸4を介して侵入する熱侵入を低減させることができる。
図8は実施形態6を示す。本実施形態は前記した実施形態と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。以下、相違する部分を中心として説明する。回転軸4の内部に密閉状態の第3真空断熱室73が配置されている。このため、低温状態に維持される収容室60,回転子3側に外部の熱が回転軸4を介して侵入することが低減されている。第3真空断熱室73にはガス吸着剤46が配置されている。具体的には、ガス吸着剤46が第3真空断熱室73を形成する内周面73iにテープ状に貼られることにより保持されている。これにより第3真空断熱室73の高真空度および真空断熱状態を長期にわたり維持することができる。ガス吸着剤46としては、低温状態で吸着能力が高いものが好ましい。このようなガス吸着剤46としてはモレキュラーシーブ、活性炭、水素ゲッター等が例示される。モレキュラーシーブは吸着性能が高いゼオライトを基材とする。他の実施形態においても、回転軸4が第3真空断熱室73を有する構造で有れば、ガス吸着剤46を使用することもできる。回転軸4の軸バランスのため、ガス吸着剤46としては、回転軸4の第3真空断熱室73を区画する内周部73iに均一に保持することが好ましい。場合によっては、粉末状、粒子状のガス吸着剤を第3真空断熱室7に装入してもよい。更には真空断熱室7および/または第2真空断熱室72にガス吸着剤46を配置することにしても良い。
図9は実施形態7を示す。本実施形態は超電導回転電機を発電機に適用した場合を示す。本実施形態は前記した実施形態1〜6と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。以下、相違する部分を中心として説明する。発電機に適用されているため、回転子3には、これの周方向に間隔を隔てて複数個の永久磁石部3xが配置されている。永久磁石部3xは周方向においてN極およびS極を交互に配置されており、超電導バルク磁石で形成されており、これの臨界温度以下の低温状態に維持される。図略の駆動源により回転軸4がこれの軸芯P1の回りで回転すると、回転子3と共に永久磁石部3xが回転し、電磁誘導により固定子2の各巻線部21に誘導電流が発生する。巻線部21に発生した誘導電流は変換器により交流電流とされる。
上記した実施形態によれば、回転軸4の外周部4pと基体1の軸孔10との間には、磁性流体を利用した磁気シール部9が設けられているが、これに限らず、有機系または無機系で形成された通常のシール材料で形成されたシール部としても良い。超電導回転電機では、固定子2の内周側に回転子3が配置されているが、固定子2の外周側に回転子3を配置するタイプでも良い。軸受8は、リング状の内輪80と、リング状の外輪81と、転動体82とを有するが、これに限らず、内輪および転動体を有するタイプでも良いし、外輪および転動体を有するタイプでも良い。また軸受は転がり転動タイプに限定されず、円筒ころ軸受、円錐ころ軸受、更には滑りタイプでも良い。回転子3の軸端には複数個の羽根部33が設けられているが、回転軸4に設けても良い。あるいは、場合によっては、回転子3の回転により気体冷媒66を循環移動させ得るときには、羽根部33を廃止しても良い。気体冷媒は空気としても良い。更に、気体冷媒66に代えて、若干粘性が増加するものの、液体窒素、液体空気等の液状冷媒としても良い。
Claims (5)
- モータまたは発電機を構成する超電導回転電機であって、基体と、前記基体に保持された固定子と、前記固定子に対して回転可能に設けられ超電導材料を有する回転子と、前記回転子を保持する回転軸と、前記固定子を冷却させる冷却部と、前記固定子および前記回転子を収容すると共に冷熱媒体を収容する収容室を形成する低温容器と、前記収容室の外側に配置され前記収容室を真空断熱させる真空断熱室と、前記基体のうち前記収容室以外で且つ大気を含む雰囲気に対面する部位に設けられ前記回転軸を回転可能に支持する軸受とを具備し、
前記低温容器は、前記回転軸の外周部に微小隙間を介して対向すると共に前記回転軸の軸長方向に沿って筒形状に延設されたシール筒部を有する超電導回転電機。 - 請求項1において、前記収容室の前記冷熱媒体の洩れを抑えるシール部が、前記回転軸の外周部に設けられている超電導回転電機。
- 請求項1または2において、前記シール部は、前記収容室と前記軸受との間に配置されている磁気シール部である超電導回転電機。
- 請求項1〜3のうちの一項において、前記回転子および前記回転軸のうちの少なくとも一方は、前記収容室内の冷熱媒体を前記収容室において移動させることにより前記回転子の冷却性を高める羽根構造を有する超電導回転電機。
- 請求項1〜4のうちの一項において、前記収容室内の前記冷熱媒体の圧力変動に伴い前記冷熱媒体を収容室に対して出し入れする冷熱媒体出入要素が設けられている超電導回転電機。
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