JP5434715B2 - エポキシ樹脂粉体塗料 - Google Patents
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また、特許文献1には、成膜表面に粒状の凹凸が殆ど無く、しかも平滑性に優れた塗膜を形成することができる粉体塗料組成物とその流動化剤が記載されているが、複雑な形状をした被塗装物に塗装した場合の効果は十分ではない。
(1) コロナ帯電方式の塗装機用のエポキシ樹脂粉体塗料であって、前記エポキシ樹脂粉体塗料がエポキシ樹脂(A)、無機充填材(B)、硬化剤(C)及びポリシロキサン処理酸化亜鉛微粒子(D)を必須成分としてなり、前記ポリシロキサン処理酸化亜鉛微粒子(D)の含有量が前記エポキシ樹脂粉体塗料全体に対して0.01〜2.0重量%であり、前記ポリシロキサン処理酸化亜鉛微粒子(D)の平均一次粒子径が1〜100nmであることを特徴とするコロナ帯電方式の塗装機用のエポキシ樹脂粉体塗料。
(2) (1)に記載のエポキシ樹脂粉体塗料で塗装された物品。
(3) 電子電気部品である(2)記載の物品。
本発明のエポキシ樹脂粉体塗料(以下、単に「粉体塗料」ということがある)に配合されるエポキシ樹脂(A)としては特に限定されない。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などを用いることができ、これらを単独または混合して用いてもよい。これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた場合は、塗膜が機械的特性、電気的特性に優れたものになり好ましい。また、これらのエポキシ樹脂の分子量やエポキシ当量なども特に限定されず、粉体塗料の配合や要求される性状に合わせて適宜選択すればよい。
一例を挙げると、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた場合は、エポキシ当量が450〜2000であるのものを用いると、粉体塗料の塗装性が優れたものになり好ましい。
無機充填材(B)の配合量についても特に限定されないが、エポキシ樹脂(A)、無機充填材(B)及び硬化剤(C)の合計量に対して30〜60重量%であることが好ましく、さらに好ましくは40〜55重量%である。無機充填材(B)をかかる範囲の配合量とすることで、粉体塗料の塗装性を良好なものにできる。配合量が上記下限値よりも少ないと焼成時にタレやトガリといった外観上の不具合を起こすことがあり、一方、上記上限値よりも多いと塗膜の平滑性が低下することがある。
また、無機充填材(B)の粒径は特に限定されないが、通常、平均粒径として30μm以下のものが用いられる。かかる平均粒径を有する無機充填材を用いることにより、粉体塗料に良好な流動性と塗膜の強度を付与することができる。
ポリシロキサン処理酸化亜鉛微粒子(D)の配合量は特に限定されないが、前記粉体塗料全体に対して0.01〜2.0重量%であることが好ましく、さらには0.1〜1.0重量%であることが好ましい。
配合量が上記下限値未満では凸部に付着する粉体塗料が多くなり、均一な膜厚を有する硬化物を得ることが出来ないことがあり好ましくない。一方、上記上限値を越えるとレベリング性の低下とボイドの発生のため、塗膜を形成する際表面がきれいに仕上がらず、さらに滑り性向上による付着粉体の落下が発生し好ましくない。
所定の原材料組成としたものを分散混合する方法は、具体的には、所定の組成比で原材料成分を配合し、これをヘンシェルミキサー等の分散混合装置によって十分に均一混合するものである。
また、原材料混合物を溶融混練して粉砕する方法は、具体的には、上記の方法で得られた原材料混合物を、エクストルーダー、ロールなどの溶融混練装置により溶融混合し、これを、粉砕装置を用いて適当な粒度に粉砕した後、分級するものである。
原材料成分を表1で示す配合比でヘンシェルミキサーにより20分間混合して、原材料混合物を調製した。これを、エクストルーダーを用いて混練後、粉砕装置にて粉砕して得た平均粒子径50〜70μmの粉体塗料を得た。無機微粒子はヘンシェルミキサーを使って混合を行った。
原材料成分を表1で示す配合比で、実施例と同様の手法で粉体塗料を得た。
(1)エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製・エピコート1055、エポキシ当量850)
(2)硬化剤:
3,3'-4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
(3)硬化促進剤:2−フェニルイミダゾール
(4)無機充填材:炭酸カルシウム(丸尾カルシウム株式会社製・タンカルN−35、平均粒径22μm)
(5-1)ポリシロキサン処理酸化亜鉛微粒子 平均一次粒子径30nm
(5-2)未処理酸化亜鉛微粒子 平均一次粒子径30nm
(5-3)ラウリン酸処理酸化亜鉛微粒子 平均一次粒子径30nm
(5-4)ポリシロキサン処理処理シリカ微粒子 平均一次粒子径30nm
(試験方法)
1.塗装条件:電装モーター(長65mm、直径60mm、スロット深さ15mm)にコロナ帯電式静電流動浸漬塗装機により60秒間塗装した。
2.硬化条件:300kHzの高周波により60秒で230℃まで加熱した。
3.流れ性:0.5gの粉体塗料を10mmφの金型に入れ成形後150℃の乾燥機中で30分間加熱、加熱前後の錠剤径の変化から次式により算出した。
流れ率(%)=加熱後の錠剤径/10×100
4.ゲル化時間:200℃、0.1g、針法で評価を行った。
5.電荷量:ファラデーケージを使用して電荷量を測定した。
6.膜厚差:塗装後のモーターを切断し、凸部である端面と凹部であるスロット間の膜厚を測定し、膜厚差から評価した。
7.付着粉落下:モーターに付着した粉体が大きく脱落していないか目視確認した。
8.塗膜外観:塗装後の試料の塗膜表面を観察し、塗膜表面の平滑性に優れているものを◎、平滑性はそれほど優れていないが問題ないレベルのものを○、細かな凹凸が見られるものを△で表記した。
特に、実施例1については、無機微粒子の配合量が最適であったので、特性バランスに最も優れたものとなった。
Claims (3)
- コロナ帯電方式の塗装機用のエポキシ樹脂粉体塗料であって、
前記エポキシ樹脂粉体塗料がエポキシ樹脂(A)、無機充填材(B)、硬化剤(C)及びポリシロキサン処理酸化亜鉛微粒子(D)を必須成分としてなり、
前記ポリシロキサン処理酸化亜鉛微粒子(D)の含有量が前記エポキシ樹脂粉体塗料全体に対して0.01〜2.0重量%であり、
前記ポリシロキサン処理酸化亜鉛微粒子(D)の平均一次粒子径が1〜100nmであることを特徴とするコロナ帯電方式の塗装機用のエポキシ樹脂粉体塗料。 - 請求項1に記載のエポキシ樹脂粉体塗料で塗装された物品。
- 電子電気部品である請求項2記載の物品。
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