JP2004002713A - エポキシ樹脂粉体塗料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エポキシ樹脂(A)、イミダゾール系硬化剤(B)および無機充填材(C)を必須成分とするエポキシ樹脂粉体塗料に、フェノール樹脂及び/又はアニリン樹脂(D)を配合することを特徴とするエポキシ樹脂分体塗料であって、好ましくはフェノール樹脂及び/又はアニリン樹脂(D)中の水酸基及びアミノ基の合計当量が、エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量に対して0.1〜0.8である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシ樹脂粉体塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂粉体塗料は、電気的特性、機械的特性、熱的特性に優れており、従来の溶剤型塗料と比較して、塗料中に溶剤を含有しないため、低公害で作業環境性にも優れたものであること、塗装直後でも使用できること、多層の重ね塗りが可能で塗膜厚みを厚くできること、比較的安価であること、塗装後に余剰分の塗料を回収し再利用できることなどの利点から、電子部品、OA機器、家電製品、建材、自動車部品等の絶縁保護装飾用塗料として需要が高い。
【0003】
従来からハードディスクやフレキシブルディスクなどのOA機器用のマイクロモーターや自動車用電装モーター等の大型モーターの分野において、スロット絶縁用にエポキシ樹脂粉体塗料が広く使われている。これらのエポキシ樹脂粉体塗料に要求される特性として耐熱性や硬化性、機械的衝撃強さなどが挙げられる。また、近年になりエネルギーコストの低減を目的として、エポキシ樹脂粉体塗料の硬化温度の低下が強く望まれはじめている。
【0004】
エポキシ樹脂粉体塗料には、一般的な硬化剤として、イミダゾール類や酸無水物、ジシアンジアミド、フェノール樹脂などが使用されている。しかし、イミダゾール類を使用した場合、低温硬化性に優れたものを得られるが耐熱性に劣り、ジシアンジアミド、フェノール樹脂を用いた場合は、塗装外観に優れたものを得られるが活性温度が高いため低温硬化性に劣る欠点がある。また、酸無水物を用いた場合は、耐熱性、金属密着性に優れたものを得られるが、硬化スピードに劣る欠点が見られる(例えば、特許文献1〜2参照。)。
【0005】
これらのことから低温硬化性に優れ耐熱性、金属密着性、保存安定性などの各特性を併せ持ったエポキシ樹脂粉体塗料の開発が強く望まれている。
【0006】
【非特許文献1】
新保正樹著,「エポキシ樹脂ハンドブック」,日刊工業新聞社,1987年12月25日
【非特許文献2】
室井宗一、石村秀一共著,「入門エポキシ樹脂」,新高分子文庫,1988年6月20日
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、低温硬化性、保存安定性、金属密着性、塗装外観、耐熱性などの特性を高いレベルで併せ持ったエポキシ樹脂粉体塗料を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(4)記載の本発明により達成される。
(1)エポキシ樹脂(A)、イミダゾール系硬化剤(B)及び無機充填材(C)を必須成分とするエポキシ樹脂粉体塗料に、フェノール樹脂及び/又はアニリン樹脂(D)を配合することを特徴とするエポキシ樹脂粉体塗料。
(2)前記成分(B)が、イソシアヌル酸付加イミダゾール類である上記(1)に記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
(3)前記成分(D)中の水酸基及び/又はアミノ基の合計が、前記成分(A)中のエポキシ基に対して、当量比0.1〜0.8である上記(1)又は(2)に記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
(4)前記成分(D)が、GPC測定による重量平均分子量が300〜1000のアニリン樹脂である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
(5)前記成分(D)が、GPC測定による重量平均分子量が1000〜5500のフェノール樹脂である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
(6)前記成分(D)のフェノール樹脂は、GPC測定による2核体成分の含有量が5%以下である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエポキシ樹脂粉体塗料の詳細について説明を行う。
本発明のエポキシ樹脂粉体塗料は、エポキシ樹脂(A)、イミダゾール系硬化剤(B)および無機充填材(C)を必須成分とするエポキシ樹脂粉体塗料に、フェノール樹脂及び/又はアニリン樹脂(D)を配合することを特徴とするものである。まず、これらの各成分について説明する。
【0010】
本発明のエポキシ樹脂粉体塗料(以下、単に「粉体塗料」ということがある)に配合されるエポキシ樹脂(A)としては特に限定されない。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂などを用いることができ、これらを単独または混合して用いても良い。これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた場合は、塗膜が機械的特性、電気的特性に優れたものになり好ましい。また、これらのエポキシ樹脂の分子量やエポキシ当量なども特に限定されず、粉体塗料の配合や要求される性状に合わせて適宜選択すればよい。一例を挙げると、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の場合は、エポキシ当量450〜2000のものを用いると、粉体塗料の塗装性が優れたものになり好ましい。
【0011】
上記エポキシ樹脂(A)の配合量についても特に限定されないが、後述するイミダゾール系硬化剤(B)と合わせて、粉体塗料全体に対して30〜60重量%であることが好ましく、さらに好ましくは40〜55重量%である。これにより、粉体塗料の塗装性を良好なものにすることができる。エポキシ樹脂(A)の配合量が上記下限値よりも少ないと、塗膜の平滑性が低下することがあり、一方、上記上限値よりも多いと、塗装後の硬化工程である焼成時にタレやトガリといった外観不良を起こすことがある。
【0012】
本発明の粉体塗料には、エポキシ樹脂の硬化剤としてイミダゾール系硬化剤(B)を配合する。これにより、優れた低温硬化性や塗装外観を持つ粉体塗料にすることができる。
ここで配合されるイミダゾール系硬化剤(B)としては特に限定されないが、一般にエポキシ樹脂用硬化剤として使用されている公知のものが使用できる。例えば2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1)]−エチル−s−トリアジン、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1)]−エチル−sトリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイトなどが挙げられ、これらを単独又は混合して使用することができる。
これらの中でも、イソシアヌル酸付加イミダゾール類を用いた場合は、上記効果に加えて金属密着性が向上するため望ましい。
【0013】
また、上記イミダゾール系硬化剤(B)の配合量については特に限定されないが、エポキシ樹脂(A)に対して0.5〜10.0phrとなるように配合することが好ましい。さらに好ましくは2.0〜8.0phrである。イミダゾール系硬化剤(B)の配合量が上記下限値よりも小さい場合は、十分な硬化性が得られず機械的特性が低下することがある。また、上記上限値よりも大きい場合は、保存安定性が低下することがある。
【0014】
本発明の粉体塗料には、無機充填材(C)を配合する。これにより、塗膜に機械的強度を付与することができる。ここで用いられる無機充填材(C)としては特に限定されないが、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、タルク等が挙げられ、これらを単独または混合して用いることができる。これらの中でもシリカを用いた場合は、塗膜の機械的強度、耐湿性、耐熱性が良好となるので最も好ましいものである。
【0015】
上記無機充填材(C)の配合量についても特に限定されないが、粉体塗料全体に対して37〜67重量%であることが好ましく、さらに好ましくは42〜57重量%である。これにより、粉体塗料の塗装性を良好なものにできる。無機充填材(C)の配合量が前記下限値よりも少ないと、焼成時にタレやトガリといった外観上の不具合を起こすことがあり、塗膜の機械的強度も十分とならないことがある。一方、前記上限値よりも多いと、塗膜の平滑性が低下することがある。
【0016】
また、上記無機充填材(C)の粒径は特に限定されないが、通常、平均粒径として10〜30μmのものが好ましく用いられる。これにより、粉体塗料に良好な流動性が付与され塗装性がより向上し、さらには塗膜の機械的強度についても最適なものとすることができる。
【0017】
本発明の粉体塗料には、以上説明した成分のほかに、フェノール樹脂及び/又はアニリン樹脂(D)を配合することを特徴とする。これにより、耐熱性及び機械的衝撃強さを向上させることができる。
【0018】
ここでフェノール樹脂としては特に限定されないが、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などが挙げられ、これら通常のフェノール樹脂のほかにも、各種変性フェノール樹脂を用いることもできる。変性フェノール樹脂としては特に限定されないが、例えば、クレゾール、アルキルフェノール、レゾルシンなどのフェノール類、カシューオイル、トールオイル、アマニ油などの各種動植物油などのほか、不飽和脂肪酸、ロジン、アルキルベンゼン樹脂、アニリン、メラミン、ゴム等で変性されたフェノール樹脂を、単独あるいは2種類以上を併用して用いることができる。
【0019】
上記フェノール樹脂としては特に限定されないが、GPC測定による重量平均分子量が1000〜10000であるものが好ましい。これにより、優れた耐熱性及び機械的衝撃強さを得ることができる。
また、上記フェノール樹脂は、2核体成分の含有量が5%以下であり、上記重量平均分子量が1000〜5500であることが特に好ましい。これにより、上記向上効果をさらに大きくできる。
【0020】
また、ここでアニリン樹脂とは、アニリンとアルデヒド類とを酸性下で反応させて得られる熱硬化性樹脂であり特に限定されないが、GPC測定による重量平均分子量が300〜1000であるものが好ましい。これにより、優れた耐熱性及び機械的衝撃強さを得ることができる。
【0021】
上記(D)成分としては、これらの中でも、アニリン樹脂、アニリン変性のフェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂を用いることが特に好ましい。これにより、粉体塗料の耐熱性および機械的衝撃強さの向上効果をさらに大きなものとすることができる。
【0022】
なお、本発明において、重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により求めたものである。検量線はポリスチレン標準物質を用いて作成したものを使用した。GPC測定はテトラヒドロフランを溶出溶媒として使用し、流量1.0ml/分、カラム温度40℃の条件で測定した。装置は、本体:TOSOH社製HLC−8020、検出器:波長280nmにセットしたTOSOH社製UV−8011、分析用カラム:昭和電工社製SHODEX KF−802 1本、KF−803 1本、KF−805 1本、を使用した。
また、フェノール樹脂中に含有される2核体成分量は、上記GPC測定による2核体成分の面積比率により求めたものである。
【0023】
上記フェノール樹脂及び/またはアニリン樹脂(D)の配合量については特に限定されないが、成分(D)中の水酸基及びアミノ基の合計が、上記エポキシ樹脂(A)のエポキシ基に対して、当量比で0.1〜0.8となるように配合することが好ましく、さらに好ましくは0.3〜0.6である。これにより、良好な耐熱性、機械的衝撃強さを得ることができる。(D)成分の配合量が上記下限値未満であると、その効果が十分に発現されないことがある。また上記上限値を超えても、塗膜の機械的衝撃強さの低下がみられることがある。これは硬化物の弾性率が高くなりすぎることにより、機械的衝撃に対して弱くなることが原因と考えられる。
【0024】
本発明の粉体塗料はエポキシ樹脂、イミダゾール系硬化剤および無機充填材を必須成分とし、さらに耐熱性および機械的衝撃強さを向上させることを目的として、フェノール樹脂及び/又はアニリン樹脂を配合することを特徴とする。特にアニリン樹脂、アニリン変性フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂を配合することにより、粉体塗料の機械的衝撃強さ及び耐熱性をさらに向上させることができる。このメカニズムは明確ではないが、フェノール樹脂やアニリン樹脂は骨格中のベンゼン環の割合が非常に高いため、粉体塗料が硬化物となった場合熱による分解が起こりにくいためと考えられる。またフェノール樹脂やアニリン樹脂には水酸基、アミノ基などの極性基が多く含まれているため、金属との密着性が向上し優れた機械的衝撃強さが得られると考えられる。
【0025】
なお、本発明の粉体塗料には上記配合物のほかにも、本発明の目的を損なわない範囲内で他の成分を配合することもできる。このような成分としては着色顔料、レベリング剤、硬化促進剤などが挙げられ、例えば着色顔料としては酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック等が用いられる。
【0026】
本発明の粉体塗料を製造する方法としては特に限定されるものではなく、粉体塗料を製造する一般的な方法を用いることができる。一例としては、所定の組成比で配合した原料成分をヘンシェルミキサーによって十分に均一混合した後、エクストルーダーなどの混練装置で溶融混合し、次いで粉砕装置により適当な粒度に粉砕、分級して得られる。
また、本発明の粉体塗料については、粉体の流動性向上のため、シリカなどの微粉末で粉体塗料粒子の表面を被覆することもできる。このような処理を行なう方法としては特に限定されないが、例えば、粉体塗料の粉砕時にシリカなどの微粉末を添加しながら混合する粉砕混合やヘンシェルミキサーなどによる乾式混合などの方法がある。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例、比較例を用いて具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例、比較例で示される「部」及び「%」は、「2核体成分量」以外は全て「重量部」及び「重量%」を表す。
【0028】
1.粉体塗料の作製
原料成分を表1で示す配合比でヘンシェルミキサーにより20分間混合し、エクストルーダーを用いて混練後、粉砕装置にて粉砕して平均粒度40〜60μmのエポキシ樹脂粉体塗料を得た。なお、実施例、比較例のいずれも、イミダゾール系硬化剤はエポキシ樹脂に対して7.0phr配合した。
【0029】
【表1】
【0030】
2.使用原材料
(1)エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製・「エピコート1055」、エポキシ当量850)
(2)イミダゾール系硬化剤:
(2.1)イミダゾール系硬化剤(1):2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物(四国化成社製・「2PZ−OK」)
(2.2)イミダゾール系硬化剤(2):2−フェニルイミダゾール
(3)無機充填材:結晶シリカ(住友石炭鉱業社製・「SQ−H25」、平均粒径25μm)
(4)フェノール樹脂
(4.1)フェノール樹脂(1):ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製・「PR−53195」、重量平均分子量=3000、2核体成分含有量=10.0%)
(4.2)フェノール樹脂(2):ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製・「PR−53647」、重量平均分子量=1000、2核体成分含有量=3.6%)
(4.3)フェノール樹脂(3):ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製・「NMD−104」、重量平均分子量=1500、2核体成分含有量=0.2%)
(4.4)フェノール樹脂(4):ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製・「NMD−204」、重量平均分子量=5000、2核体成分含有量=0.1%)
(5)アニリン樹脂:(住友ベークライト社製・「PR−AFS」、重量平均分子量=600)
【0031】
実施例および比較例で得られた粉体塗料を用い、以下の評価を行った。評価結果を表2に示す。
【表2】
【0032】
3.試験方法
(1)硬化性:流動浸漬塗装装置を用い、SPCC(珪素鋼鈑:1.6×70×100mm)に、塗膜の厚さが平面部で約250μmとなるように塗装した。硬化条件は、予熱150℃30分間および後硬化150℃10分間で行った。この塗膜表面をアセトンを染み込ませた布でこすり、色落ちなどの無い場合を○とした。
(2)機械的衝撃強さ:硬化性の評価試料を用い、以下のデュポン衝撃試験法により評価を行った。試料の塗膜上にポンチサイズ1/8インチφの球を置き、その上方から1.0kgの重りを前記球の上に落下させ、塗膜の割れ及び珪素鋼鈑からの剥がれが起こらない最高落下高さを測定した。
(3)耐熱性1:流動浸漬塗装装置を用い、鋼棒(12×12×100mm)に塗膜厚さが平面部で約250μmとなるように塗装した。硬化条件は、予熱150℃30分間および後硬化150℃10分間で行った。硬化後、カットスルー抵抗(0.6mmφ銅線、1kg荷重、300V、昇温速度4℃/分)を測定することにより評価を行った。
(4)耐熱性2:流動浸漬塗装装置を用い、鋼鈑(1.6×70×100mm)に塗膜厚さが平面部で約250μmとなるように塗装した。硬化条件は、予熱150℃30分間および後硬化150℃10分間で行った。硬化後の塗装サンプルを240℃乾燥機中に放置し所定時間放置後の塗膜の劣化を観察により比較した。判定には塗膜表面にクラック発生の見られなかった最大時間を示した。
(5)ゲル化時間:粉体塗料0.1gを用い、200℃で針法により測定した。
(6)流れ性:粉体塗料0.5gを金型に入れ、室温で10mmφの錠剤型に成形し、これを150℃の乾燥機中で30分間加熱した。加熱後の錠剤径(mm)を測定し、加熱前後の錠剤径の変化から次式により算出した。
流れ率(%)=(加熱後の錠剤径/10)×100
【0033】
表1、表2から、実施例はいずれもエポキシ樹脂、イミダゾール系硬化剤、無機充填剤、フェノール樹脂又はアニリン樹脂を適正量配合した粉体塗料であり、フェノール樹脂及び/又はアニリン樹脂を配合しない比較例と比べて、金属密着性、硬化性、耐熱性のバランスに優れた粉体塗料を得ることができた。また、実施例1では、アニリン樹脂の配合量が最適であったため前記効果をさらに高めることができたと考えられる。
フェノール樹脂とアニリン樹脂とでは、アニリン樹脂の方が若干機械的衝撃強さに優れた結果が得られた。また、耐熱性については、2核体成分の含有量が少ないフェノール樹脂を使用した場合に優れた結果が得られた。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、エポキシ樹脂、イミダゾール系硬化剤、及び無機充填材を必須成分とするエポキシ樹脂粉体塗料に、フェノール樹脂及び/又はアニリン樹脂を配合することを特徴とするエポキシ樹脂分体塗料であり、フェノール樹脂及び/又はアニリン樹脂を配合することにより、耐熱性および機械的衝撃強さを向上させることができる。従って本発明の粉体塗料は、優れた低温硬化性、保存安定性、金属密着性、塗装外観、耐熱性を得ることが可能であり、モーターの電気絶縁用粉体塗料として特に好適に使用できるものである。
Claims (6)
- エポキシ樹脂(A)、イミダゾール系硬化剤(B)、及び、無機充填材(C)を必須成分とするエポキシ樹脂粉体塗料に、フェノール樹脂及び/又はアニリン樹脂(D)を配合することを特徴とするエポキシ樹脂粉体塗料。
- 前記成分(B)が、イソシアヌル酸付加イミダゾール類である請求項1に記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
- 前記成分(D)中の水酸基及び/又はアミノ基の合計が、前記成分(A)中のエポキシ基に対して、当量比0.1〜0.8である請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
- 前記成分(D)が、GPC測定による重量平均分子量が300〜1000のアニリン樹脂である請求項1ないし3のいずれかに記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
- 前記成分(D)が、GPC測定による重量平均分子量が1000〜5500のフェノール樹脂である請求項1ないし4のいずれかに記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
- 前記成分(D)のフェノール樹脂は、GPC測定による2核体成分の含有量が5%以下である請求項1ないし5のいずれかに記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
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