JP5434158B2 - 半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法及び半導体装置 Download PDF

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本発明は、半導体装置及びその製造方法に関するものであり、特に短チャネル効果を抑制すると共に、閾値電圧の制御性を高めることを可能とした半導体装置の製造方法及び半導体装置に関するものである。
SOI(Silicon On Insulator)層を含む半導体基板(以下、SOI基板ともいう)に形成されたMOSFET(即ち、SOI−MOSFET)は、従来のバルクの半導体基板に形成されたMOSFETに比べて寄生容量が小さく、動作の高速化や低電圧化が期待されているデバイスである。このSOI−MOSFETには大きく分けて二つのタイプがある。一方のタイプは動作時に空乏層がSOI基板に含まれるBOX層まで達する「完全空乏型」であり、他方のタイプは動作時に空乏層がこのBOX層まで達せず中性領域が残る「部分空乏型」である。
完全空乏型のSOI−MOSFETは、動作の高速化や低電圧化といったSOI−MOSFETの特徴がより顕著に現れるが、SOI層の厚さは数十nm以下であるため、その製造に関する難易度が高い。一方、部分空乏型のSOI−MOSFETは、SOI層の厚さは百nmレベルであり、その製造に関する難易度は完全空乏型と比較してそれほど高くない。また、部分空乏型では基板電位(ボディ電位)を適切な値に設定することで完全空乏型と同等な特性を得ることも可能である。この部分空乏型SOI−MOSFETの構造に関しては、例えば、特許文献1に記載されている。
特開2004−128254号公報
このように製造難易度が比較的低く、且つ優れた特徴を有する部分空乏型SOI−MOSFETを高い製品歩留りで大量生産するために必要不可欠なプロセスが、短チャネル効果の抑制と、閾値電圧(以下、Vthとする)の正確な設定である。
しかしながら、従来、この二つのプロセスを同時に実現することが困難であるという課題があった。これは、上記のプロセスがそれぞれ相反する関係(トレードオフの関係)にあるからである。例えば、短チャネル効果を抑制する場合は、SOI−MOSFETに含まれるソース及びドレイン端からの空乏層の伸びを抑制する必要がある。このため、SOI層の深い部位(例えば、SOI層とBOX層との境界近傍)に導電型不純物を導入し、不純物濃度の高い層(即ち、パンチスルーストッパー領域)を形成する必要がある。しかしながら、このような導電型不純物の導入はSOI層の浅い部位を介して行われるため、SOI層の表面近傍における不純物濃度に影響を与える。このため、所望のVth値が得られない、もしくはVth値のばらつき度合いが大きいといった不都合が生じる場合がある。
一方、Vth値を正確に設定する場合は、Vth値を設定するための導電性不純物をSOI層の表面近傍のみに導入し、そこに不純物濃度の高い層を形成する必要がある。このため、SOI層とBOX層との境界近傍にはパンチスルーストッパー領域が形成されない。したがって、ソース及びドレイン端からの空乏層の伸びが必然的に起こり、その結果として、短チャネル効果を抑制することができないといった不都合が生じる場合がある。
そこで、本発明の幾つかの態様は、このような課題に鑑みてなされたものであって、短チャネル効果を抑制すると共に、Vth値の制御性を高めることを可能とした半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法は、絶縁層上に設けられた半導体層に、第1導電型の不純物を含むソース及びドレインを有する半導体装置の製造方法であって、第2導電型の不純物を、前記半導体層の深い部分に導入してパンチスルーストッパー領域を形成すると同時に、前記半導体層の浅い部分に導入して第1の閾値領域を形成する工程と、前記第1導電型の不純物を、前記第2導電型の不純物が導入される前記半導体層の浅い部分に導入して前記第1の閾値領域の少なくとも一部に第2の閾値領域を形成する工程と、を含むことを特徴とするものである。
上記の方法によれば、導入された第2導電型の不純物によって、ソース及びドレイン端からの空乏層の伸びを抑制して短チャネル効果を抑制するパンチスルーストッパー領域を形成すると共に、このパンチスルーストッパー領域の上方に第1の閾値領域を形成することができる。さらに、第1導電型の不純物の導入によって、第1の閾値領域よりもVth値の低い第2の閾値領域を形成することができる。これにより、短チャネル効果を抑制すると共に、Vth値の制御性を高めた(即ち、ばらつき度合いの小さい)半導体装置を提供することができる。
また、上記の製造方法において、前記第1導電型の不純物を、前記半導体層の浅い部分に導入して前記第1の閾値領域の少なくとも一部、または、前記第2の閾値領域の少なくとも一部に第3の閾値領域を形成する工程をさらに含むことを特徴としても良い。
上記の方法によれば、第1の閾値領域、または、第2の閾値領域よりもVth値の低い第3の閾値領域を形成することができる。これにより、短チャネル効果を抑制すると共に、Vth値の制御性を高めた複数種類の閾値領域を1チップ内の所望の位置に形成することができる。
さらに、上記の製造方法において、前記第2の閾値領域を形成する工程後に、前記半導体層に熱処理を施す工程をさらに含むことを特徴としても良い。
上記の方法によれば、第1の閾値領域を形成する工程後に実施する熱処理工程を省略することができる。前記第2の閾値領域を形成した後にのみ熱処理工程を実施することで、製造工程数を一工程分減らすことができる。これにより、製造コストを抑えつつ、短チャネル効果を抑制すると共に、Vth値の制御性を高めた半導体装置を生産することができる。
さらに、上記の製造方法において、前記第3の閾値領域を形成する工程後に、前記半導体層に熱処理を施す工程をさらに含むことを特徴としても良い。
上記の方法によれば、第1及び第2の閾値領域を形成する工程後に実施する熱処理工程を省略することができる。前記第3の閾値領域を形成した後にのみ熱処理工程を実施することで、形成する閾値領域の数に関わらず、実施する熱処理工程を一回とすることができる。これにより、製造工程を増やすことなく製品を製造することができる。したがって、短チャネル効果が抑制され、且つ、Vth値の制御性が高められた半導体装置を低い製造コストで生産することができる。
さらに、上記の製造方法において、前記パンチスルーストッパー領域及び前記第1の閾値領域を形成する工程は、前記ソース及びドレインが形成される領域上をマスクで覆った状態の前記半導体層に対して行うことを特徴としても良い。
上記の方法によれば、ソース及びドレインが形成される領域の下方に第2導電型の不純物を導入しないようにすることができる。これにより、ソース及びドレインにおける第1導電型の不純物の実質的な濃度低下(即ち、カウンタードープによる濃度低下)を防ぐことができ、ソース及びドレインの高抵抗化を防ぐことができる。これにより、短チャネル効果の抑制性を向上させることができるだけでなく、半導体装置の駆動電力の低電圧化も図ることができる。
さらに、上記の製造方法において、前記パンチスルーストッパー領域及び前記第1の閾値領域を形成する工程は、素子分離領域が形成された後の前記半導体層に対して行うことを特徴としても良い。
上記の方法によれば、パンチスルーストッパー領域及び第1の閾値領域を形成するに際し、素子分離領域を形成する際の熱履歴や不純物拡散の影響を考慮しなくて済む。したがって、パンチスルーストッパー領域及び第1の閾値領域の位置や濃度等を予め設定した値に精度良く合わせ込むことが容易となる。
また、本発明の別の態様に係る半導体装置は、絶縁層上に半導体層が形成された基板と、前記半導体層上に設けられたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に設けられたゲート電極と、前記ゲート電極の両側下方の前記半導体層に設けられた第1導電型の不純物を含むソース及びドレインと、を有するトランジスターを含む半導体装置であって、前記ゲート電極の下方であって、前記半導体層の深い部分に設けられた第2導電型の不純物を含むパンチスルーストッパー領域と、前記ゲート電極の下方であって、前記半導体層の浅い部分に設けられた第1の閾値領域及び第2の閾値領域と、を有し、前記第1の閾値領域は第2導電型の不純物のみを含み、前記第2の閾値領域は第1導電型の不純物及び第2導電型の不純物を含むことを特徴とするものである。
このような構成の装置によれば、導入された第2導電型の不純物によって、ソース及びドレイン端からの空乏層の伸びを抑制することができる。その結果、第2導電型の不純物を注入しなかった半導体装置と比較して、短チャネル効果を効果的に抑制することができる。さらに、第1導電型の不純物を導入することによって、Vth値を正確に調整することができる。
本発明の第一の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。 本発明の第一の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。 本発明の第一の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す平面図。 本発明の第二の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。 本発明の第三の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。 n型及びp型トランジスターにおける短チャネル効果を示す実験データー。 n型トランジスターにおけるVth値とそのばらつき度合いを示す実験データー。 p型トランジスターにおけるVth値とそのばらつき度合いを示す実験データー。
以下、本発明の実施の一形態を、添付図面を参照して説明する。
(1)第一の実施形態
図1(a)〜(e)及び図2(a)〜(f)は、本発明の第一の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。また、図3(a)〜(e)は、本発明の第一の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す平面図である。なお、図中に示されるX軸方向及びY軸方向は基板水平方向を、Z軸方向は基板垂直方向を、それぞれを示している。
以下、第1導電型(例えば、p型)の電界効果トランジスターを形成する場合について説明する。
初めに、図1(a)において、バルクのシリコン(Si)基板3上に絶縁層4(BOX層)が形成され、その上に半導体層5が形成されたSOI基板を用意する。ここで、絶縁層4は例えばSi酸化膜であり、半導体層5は例えば単結晶のSi層である。このSOI基板は、例えばSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)法や、貼り合わせ法により形成されたものである。次に、例えば、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法を用いて、半導体層5に素子分離領域6を形成する。ここで、図3(a)に示すように、この素子分離領域6により囲まれた領域(即ち、素子分離領域6が形成されていない領域)が、素子領域となる。
次に、図1(b)において、第2導電型(この場合は、n型)の不純物2として、例えばリン(P)を半導体層5に導入する。これにより、図1(c)に示すように、半導体層5と絶縁層4との境界近傍にパンチスルーストッパー領域7を形成すると同時に、半導体層5の表面近傍に第1の閾値領域8を形成する。この場合、SOI層が1400Å程度であれば、Pの入射エネルギーを150keV程度、導入量を2.1×1013/cm程度とするのが好適であるが、これに限定されるものではない。上記の工程を平面図で示すと、図3(b)のようになり、例えば、素子領域の全てには、第1の閾値領域8が形成される。なお、本明細書では、形成した第1の閾値領域8が示す閾値をVth1と表す。
次に、図1(d)において、図1(b)の工程により形成した第1の閾値領域8の一部または全部に、第1導電型の不純物1として、例えばフッ化ボロン(BF )を導入して第2の閾値領域9を形成する。この場合、BF の入射エネルギーを30keV程度、導入量を3.5×1012/cm程度とするのが好適であるが、これに限定されるものではない。ここで、図3(c)に示すように、例えば、第1の閾値領域8において所望する領域にのみマスクを施した場合は、マスクで覆われていない領域に第2の閾値領域9が形成される。そして、第2の閾値領域9を形成した後にマスクを除去する。なお、本明細書では、形成した第2の閾値領域9が示す閾値をVth2と表す。また、この製造工程で施したマスクは、図中において、破線で囲まれた領域に対応する。
次に、図1(e)では、図1(d)と同様に、図1(b)の工程により形成した第1の閾値領域8の一部または全部に、第1導電型の不純物1として、例えばBF を導入して第3の閾値領域10を形成する。この第3の閾値領域10を形成する際には、第2の閾値領域9の形成時よりも多量のBF を第1の閾値領域8の一部または全部に導入する。なお、第2の閾値領域9または第3の閾値領域10を形成する際、導入するBF の入射エネルギーをそれぞれ等しくすることが望ましい。これは、不純物が到達する深さは、導入する不純物の入射エネルギーに依存するためである。
したがって、第3の閾値領域10を形成する場合、例えば、BF の入射エネルギーを30keV程度、導入量を1.0×1013/cm程度とするのが好適である。こうすることで、第3の閾値領域10における第1導電型の不純物濃度を、第2の閾値領域9におけるそれよりも高くすることができる。つまり、図3(d)に示すように、例えば、第1の閾値領域8において所望する領域と、第2の閾値領域9の全てにマスクを形成した場合は、マスクで覆われていない領域に第3の閾値領域10が形成される。そして、第3の閾値領域10を形成した後にマスクを除去することで、図3(e)に示すチップが製造される。なお、本明細書では、形成した第3の閾値領域10が示す閾値をVth3と表す。
こうして形成された第1の閾値領域8における第1導電型の不純物濃度をC1、第2の閾値領域9における第1導電型の不純物濃度をC2、第3の閾値領域10における第1導電型の不純物濃度をC3、とそれぞれ表す時、それらの大小関係は、C3>C2>C1となる。図1(c)〜(e)の各半導体層5にそれぞれ第1導電型のトランジスターを形成する場合(例えば、図2(d)〜(f)に相当する場合)、これらトランジスターの閾値電圧は、第1導電型の不純物濃度が大きいほど小さくなるので、各閾値領域におけるVth値の大小関係は、Vth1>Vth2>Vth3となる。
この後の製造工程は、一般的なトランジスターの製造工程に準ずる。例えば、まず、図2(a)〜(c)に示すように、第1の閾値領域8、第2の閾値領域9、第3の閾値領域10が形成された半導体層5に熱酸化を施して、その表面にゲート絶縁膜12を形成する。次に、各閾値領域の半導体層5上にゲート絶縁膜12を介してゲート電極13を形成する。そして、これらゲート電極13をマスクにして、各半導体層5に第1導電型の不純物1(例えば、BF )を導入する。その後、SOI基板に熱処理を施して、各半導体層5に導入された第1導電型の不純物1を熱拡散させ、図2(d)〜(f)に示すように、各半導体層5にソース14、ドレイン15を形成する。このようにして、1チップ内の半導体層5に、閾値電圧がVth1のトランジスターと、閾値電圧がVth2のトランジスターと、閾値電圧がVth3のトランジスターと、を形成することができる。
このように、本発明の第一の実施形態によれば、高エネルギーでのボディイオン注入(図1(b)の工程)に、低エネルギーでのカウンターイオン注入(図1(d)、図1(e)の各工程)を付加している。これにより、短チャネル効果を抑制しつつ、Vth値の制御性を高め、さらには、ばらつき度合いの小さい部分空乏型のトランジスターを実現することができる。そして、このようなトランジスターを1チップ内に多数備えた半導体装置を提供することができる。
また、上記の実施形態によれば、素子分離領域6を形成した後で、第1の閾値領域8と、第2の閾値領域9と、第3の閾値領域10とを形成している。これにより、素子分離領域6を形成する際の熱履歴や不純物拡散の影響を考慮しなくて済む。したがって、パンチスルーストッパー領域7の位置や各閾値領域の位置、及びそれらの濃度等を予め設定した値に精度良く合わせ込むことが容易である。
また、上記の実施形態では、第3の閾値領域10を形成した後で、半導体層5に熱処理を施して、各閾値領域に含まれる不純物を一括して熱拡散させている。つまり、第1及び第2の閾値領域を形成する工程後に実施する熱処理工程を省略し、第3の閾値領域10を形成した後に熱処理工程を実施しているので、形成する閾値領域の数に関わらず、閾値領域を形成するための熱処理工程を一回とすることができる。このように、熱処理の工程数を必要最小限に抑えることにより、製造コストを抑制することができる。
(2)第二の実施形態
上記の実施形態では、第1の閾値領域8の一部又は全部に第1導電型の不純物1を導入して第3の閾値領域10を形成する場合(図1(e))について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
図4(a)〜(e)は、本発明の第二の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。例えば、図4(a)〜(e)に示すように、第1の閾値領域8ではなく、第2の閾値領域9の一部又は全部に第1導電型の不純物1を再度導入して第4の閾値領域11を形成しても良い。この場合、第3の閾値領域10と第4の閾値領域11を同時に形成しても良いし、第3の閾値領域10を形成せずに、第4の閾値領域11のみを形成しても良い。なお、本明細書では、形成した第4の閾値領域11が示す閾値をVth4と表す。
また、この第二の実施形態では、第1の閾値領域8、第2の閾値領域9、第3の閾値領域10、第4の閾値領域11の4つの領域について例示したが、本発明は、この領域の数に制限されない。つまり、第1導電型の不純物1を導入する工程を複数回実施することで、より多くの閾値領域を形成することができる。
(3)第三の実施形態
上記の実施形態では、例えば図1(b)に示したように、素子領域の半導体層5をマスクで覆わない状態で、第2導電型の不純物2を導入する場合について説明した。しかしながら、本発明では、例えばフォトレジスト又は絶縁膜からなるマスク16を用いて不純物2を導入しても良い。
図5(a)〜(f)は、本発明の第三の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。例えば、図5(a)及び(b)に示すように、半導体層5の一部分をマスク16で覆った状態で、Pを導入し、パンチスルーストッパー領域7と第1の閾値領域8とを半導体層5に形成しても良い。ここで、このマスク16をソース14及びドレイン15が形成される部分に施すと、図5(c)〜(f)に示すように、ソース14及びドレイン15領域の下部にはパンチスルーストッパー領域7が形成されない。これにより、ソース14及びドレイン15の高抵抗化を防ぐことができる。なお、図5(c)〜(f)に示した第1の閾値領域8、第2の閾値領域9、第3の閾値領域10、第4の閾値領域11の形成方法は、図1及び図4で示した形成方法に準ずる。
(4)その他の実施形態
また、本発明は、上記p型の電界効果トランジスターの形成に限定されるものではなく、n型の電界効果トランジスターの形成においても同様な作用及び効果を発揮することができる。n型電界効果トランジスターを形成する際には、第1導電型の不純物1をn型とし、第2導電型の不純物2をp型とする。この場合、パンチスルーストッパー領域7及び第1の閾値領域8を形成する際には、例えば、Bを第2導電型の不純物2として、ボディイオン導入する。その際、Bの入射エネルギーを50keV程度、導入量を1.2×1013/cm程度とするのが好適である。また、第2の閾値領域9を形成する場合には、例えば、Pを第1導電型の不純物1として、カウンターイオン導入する。その際、Pの入射エネルギーを20keV程度、導入量を4.6×1012/cm程度とするのが好適である。
また、上記の第一、第二、第三、その他の実施形態では、ボディイオンとして第2導電型の不純物2を導入した後に、カウンターイオンとして第1導電型の不純物1を導入したが、本発明はこの順番に制限されない。つまり、まず、第1導電型の不純物1を半導体層5に導入して複数の閾値領域を形成し、その後、第2導電型の不純物2を導入してパンチスルーストッパー領域7を形成しても良い。
(5)実験データーについて
図6は、n型及びp型トランジスターにおける、パンチスルーストッパー領域の有無による短チャネル効果の違いを示す図である。図6の縦軸は測定したVth値を、横軸はチャネル長をそれぞれ示す。図中において、◆を実線で結んだものはパンチスルーストッパー領域を設けたn型トランジスターの場合の短チャネル効果を示し、◇を実線で結んだものはパンチスルーストッパー領域を設けなかったn型トランジスターの場合の短チャネル効果を示す。また、◆を破線で結んだものはパンチスルーストッパー領域を設けたp型トランジスターの場合の短チャネル効果を示し、◇を破線で結んだものはパンチスルーストッパー領域を設けなかったp型トランジスターの場合の短チャネル効果を示している。
上記の4つの場合において共通して観測されるのは、チャネル長が短くなるにつれ、Vth値が低下することである。しかしながら、図6からわかるように、パンチスルーストッパー領域を設けた場合には、それぞれのトランジスターにおいて、その低下の割合は比較的小さく、チャネル長を十分に長くとった場合のおよそ90%以上のVth値となる。一方、パンチスルーストッパー領域を設けなかった場合には、それぞれのトランジスターにおいて、その低下の割合が大きく、チャネル長を十分に長くとった場合のおよそ70〜80%のVth値となる。つまり、この結果は、トランジスター内にパンチスルーストッパー領域を設けることで、n型トランジスターであるかp型トランジスターであるかに関わらず、短チャネル効果を効果的に抑制することができることを示している。
図7は、パンチスルーストッパー領域を有するn型トランジスターに設けた2つの閾値領域におけるVth値の測定値と、各測定値におけるばらつき度合いと、をロット番号毎に示した実験データーである。図7の縦軸は測定値を、横軸は各ロット番号をそれぞれ示す。本実験では、同一ロットに予め2つの閾値領域を設け、それらの閾値をそれぞれVth1及びVth2とする時、Vth1=0.55V、Vth2=0.37Vを設定値とした。これらの設定値は、図中において破線で示されている。また、ロット番号は1から6までとした。なお、図中の◆及び■は、Vth1の測定値及びVth2の測定値をそれぞれ示す。
まず、同一ロット内における測定値とそのばらつき度合いに着目する。図7に示すように、測定値は、それぞれの設定値と概ね一致している。さらに、各測定値には、その値のばらつき度合いを示すバー(エラーバー;誤差範囲)が付けられている。このエラーバーの値は、概ね±0.01Vである。この値は、従来技術を用いた場合のおよそ1/10である。つまり、この結果は、本発明は従来技術と比較して、閾値の設定精度が向上したことを示している。
次に、ロット毎の測定値とそのばらつき度合いに着目する。各ロットにおいて2つの測定値に大きな変動はなく、それぞれの設定値と概ね一致している。また、エラーバーの値に関しても、各ロットにおいて概ね±0.01Vであり、大きな変動はない。つまり、この結果は、所望の閾値を有する閾値領域を繰り返して形成することができることを示している。
これと同様な結果は、パンチスルーストッパー領域を有するp型トランジスターに対しても得られた。次に、得られた結果を図8に示す。
図8は、パンチスルーストッパー領域を有するp型トランジスターに設けた3つの閾値領域におけるVth値の測定値と、各測定値におけるばらつき度合いと、をロット番号毎に示した実験データーである。図7の場合と同様に、図8の縦軸は測定値を、横軸は各ロット番号をそれぞれ示す。本実験では、同一ロットに予め3つの閾値領域を設け、それらの閾値をそれぞれVth1、Vth2、Vth3とする時、Vth1=0.55V、Vth2=0.45V、Vth3=0.25Vを設定値とした。これらの設定値は、図中において破線で示されている。また、ロット番号は1から6までとした。なお、図中の◆、■、▲は、Vth1の測定値、Vth2の測定値、Vth3の測定値をそれぞれ示す。
まず、同一ロット内における測定値とそのばらつき度合いに着目する。図8に示すように、測定値は、それぞれの設定値と概ね一致している。さらに、各測定値には、その値のばらつき度合いを示すエラーバーが付けられている。このエラーバーの値は、概ね±0.01Vである。
次に、ロット毎の測定値とそのばらつき度合いに着目する。各ロットにおいて3つの測定値に大きな変動はなく、それぞれの設定値と概ね一致している。また、エラーバーの値に関しても、各ロットにおいて概ね±0.01Vであり、大きな変動はない。
つまり、図7及び図8は、本発明に係る製造方法によりn型及びp型トランジスターを製造することで、所望のVth値を有し、且つ、短チャネル効果を抑制したトランジスターを繰り返し、精度を高く(即ち、高い製品歩留りで)製造することができることを示している。
1 第1導電型の不純物,2 第2導電型の不純物,3 基板,4 絶縁層,5 半導体層,6 素子分離領域,7 パンチスルーストッパー領域,8 第1の閾値領域,9 第2の閾値領域,10 第3の閾値領域,11 第4の閾値領域,12 ゲート絶縁膜,13 ゲート電極,14 ソース,15 ドレイン,16 マスク,Vth1 第1の閾値領域における閾値,Vth2 第2の閾値領域における閾値,Vth3 第3の閾値領域における閾値,Vth4 第4の閾値領域における閾値

Claims (7)

  1. 絶縁層上に設けられた半導体層に、第1導電型の不純物を含むソース及びドレインを有する半導体装置の製造方法であって、
    第2導電型の不純物を、前記半導体層の深い部分に導入してパンチスルーストッパー領域を形成すると同時に、前記半導体層の浅い部分に導入して第1の閾値領域を形成する工程と、
    前記第1導電型の不純物を、前記第2導電型の不純物が導入されている前記半導体層の浅い部分に導入して前記第1の閾値領域の少なくとも一部に第2の閾値領域を形成する工程、又は、前記第1導電型の不純物を、前記第2導電型の不純物が導入される予定の前記半導体層の浅い部分に、前記第2導電型の不純物の導入に先立って導入して前記第1の閾値領域の少なくとも一部に第2の閾値領域を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記第1導電型の不純物を、前記半導体層の浅い部分に導入して前記第1の閾値領域の少なくとも一部、または、前記第2の閾値領域の少なくとも一部に第3の閾値領域を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記第2の閾値領域を形成する工程後に、前記半導体層に熱処理を施す工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記第3の閾値領域を形成する工程後に、前記半導体層に熱処理を施す工程をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記パンチスルーストッパー領域及び前記第1の閾値領域を形成する工程は、前記ソース及びドレインが形成される領域上をマスクで覆った状態の前記半導体層に対して行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記パンチスルーストッパー領域及び前記第1の閾値領域を形成する工程は、素子分離領域が形成された後の前記半導体層に対して行うことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 絶縁層上に半導体層が形成された基板と、
    前記半導体層上に設けられたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上に設けられたゲート電極と、
    前記ゲート電極の両側下方の前記半導体層に設けられた第1導電型の不純物を含むソース及びドレインと、を有するトランジスターを含む半導体装置であって、
    前記ゲート電極の下方であって、前記半導体層の深い部分に設けられた第2導電型の不純物を含むパンチスルーストッパー領域と、
    前記ゲート電極の下方であって、前記半導体層の浅い部分に設けられた第1の閾値領域及び第2の閾値領域と、を有し、
    前記パンチスルーストッパー領域の前記半導体層の表面に沿った方向の位置は、前記第1の閾値領域及び前記第2の閾値領域と重なっており、
    前記第1の閾値領域は第2導電型の不純物のみを含み、
    前記第2の閾値領域は第1導電型の不純物及び第2導電型の不純物を含むことを特徴とする半導体装置。
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