JP5432403B2 - くくり罠 - Google Patents

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Description

この発明は、一方に設けられた通し孔に他方を通して罠用ループが作られるくくり用ワイヤーと、そのくくり用ワイヤーが通されてそのくくり用ワイヤーに沿って移動できるように配され、そのくくり用ワイヤーの前記通し孔を形成する一端部に接して前記罠用ループをくくるように締め付ける締付部材とを備えるくくり罠に関する。
機能性の高いくくり罠としては、一方に設けられた通し孔に他方を通して罠用ループが作られるワイヤー状のくくり部部材と、該くくり部部材の前記通し孔を形成する一端部に接して前記罠用ループを小さくするように締め付ける締付部材と、該締付部材を稼働させるように力を与えるスプリング状の撥ね上げ部材とを備え、前記くくり部部材を前記撥ね上げ部材の力によって獣足をくくるように締め付けるくくり罠において、掘削された土中に埋められる枠状に設けられた本体外枠と、該本体外枠の上部外周を取り巻いて上側に張り出した縁状に設けられた本体外枠上部保護材と、前記本体外枠の内周に嵌まって上下方向へ移動可能に枠状に設けられると共に内部に踏み板が固定されて設けられ、上部外周が、罠を設置するときには前記くくり部部材が前記撥ね上げ部材の力に抗して前記罠用ループを作るように嵌められた状態に保持される部位になると共に、前記踏み板が踏み込まれることに伴って下降したときには前記くくり部部材が前記本体外枠の上端面によって下降を阻止されて外れる部位になるように設けられている本体中枠と、前記くくり部部材が、前記本体外枠の上端面、前記本体外枠上部保護材の内周面、及び前記本体中枠の上部外周面によって囲まれて設置される部位を含め、上部を覆う上部覆い材とを具備する(特許文献1、2参照)ものが、先に本出願人によって提案されている。これによれば、仕掛けが大掛かりにならず、撥ね上げ部材を弱いものにした場合でも、獣足のくくりをより確実にすることができる。
このくくり罠においては、くくり用ワイヤーとスプリング状の撥ね上げ部材(本実施形態では以下「押しコイルバネ」という。)とを構成要素とするもので、圧縮したスプリングが伸長する際の力を利用する。つまり、一本の押しコイルバネの反発力を利用して獣足をくくり、締め付けている。
このような構成のくくり罠においては、罠用ループをより速く縮径させてくくるためには、作動時に押しコイルバネの力が強くなければならず、このくくり罠をセットする際に大きな力を要して作業を行いにくい。そして、この押しコイルバネのみを利用して罠用ループをくくるくくり罠では、くくりに要する時間を短縮することに構造的な限界があった。
特許第4603616号公報(請求項1、第1図) 特許第4763096号公報(請求項1、第1図)
くくり罠に関して解決しようとする問題点は、従来のくくり罠が押しコイルバネのみによって罠用ループをくくるため、くくりスピードを高めることについては構造的な限界がある点にある。
そこで本発明の目的は、仕掛けが大掛かりにならず、罠用ループをより素早くくくることができるくくり罠を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明に係るくくり罠の一形態によれば、一方に設けられた通し孔に他方を通して罠用ループが作られるくくり用ワイヤーと、該くくり用ワイヤーが通されて該くくり用ワイヤーに沿って移動できるように配され、該くくり用ワイヤーの前記通し孔を形成する一端部に接して前記罠用ループをくくるように締め付ける締付部材とを備えるくくり罠において、前記くくり用ワイヤーの中途部が通されると共に該くくり用ワイヤーの他方端側の部位が保持されるように形成された基部材と、前記くくり用ワイヤーが、前記基部材を通過する部位から前記他方端側の部位の間において掛け回される動滑車と、前記締付部材と前記基部材との間で前記くくり用ワイヤーが通されて配され、圧縮状態から伸びる際に前記罠用ループをくくるように前記締付部材を押圧する押しコイルバネと、前記動滑車を、前記罠用ループがくくられる方向へ移動させるように、前記基部材から離れる方向へ付勢する動滑車移動用の弾性部材とを具備する。
本発明に係るくくり罠の一形態によれば、前記動滑車移動用の弾性部材が、バネ線材の中途部をつる巻き状に形成し、該バネ線材の一端部に前記基部材が設けられ、該バネ線材の他端部に前記動滑車が設けられているトーションバネであることを特徴とすることができる。
本発明に係るくくり罠の一形態によれば、一方に設けられた通し孔に他方を通して罠用ループが作られるくくり用ワイヤーと、該くくり用ワイヤーが通されて該くくり用ワイヤーに沿って移動できるように配され、該くくり用ワイヤーの前記通し孔を形成する一端部に接して前記罠用ループをくくるように締め付ける締付部材とを備えるくくり罠において、前記くくり用ワイヤーが掛け回された動滑車と、該動滑車が収納されて長手方向へ移動できる筒状の内部空間を有する筒状本体と、該筒状本体の一端を塞ぐように設けられ、前記くくり用ワイヤーを通すと共に該くくり用ワイヤーの他方の端部が保持される一方端基部と、該筒状本体の他端を塞ぐように設けられた他方端基部と、前記締付部材と前記一方端基部との間で前記くくり用ワイヤーが通されて配され、圧縮状態から伸びる際に前記罠用ループをくくるように前記締付部材を押圧する押しコイルバネと、前記動滑車と前記他方端基部との間で前記筒状本体の内部に配され、引っ張り状態から縮む際に前記動滑車を介して前記くくり用ワイヤーを前記筒状本体の内部へ引き込むことで前記罠用ループをくくるように作動する引きコイルバネとを具備する。
また、本発明に係るくくり罠の一形態によれば、前記動滑車が前記筒状本体内を長手方向へスムースに移動できるように、滑車と、該滑車を挟んで回転自在に保持すると共に前記筒状本体の内面によって前記長手方向の移動が案内される滑車枠部とを備えた動滑車を具備することを特徴とすることができる。
また、本発明に係るくくり罠の一形態によれば、前記押しコイルバネを収納する筒状の押しコイルバネ収納部材を具備することを特徴とすることができる。
本発明によれば、一例として、掘削された土中に埋められる枠状に設けられた本体外枠と、前記本体外枠の内周にすり合わせ状態で嵌まって上下方向へ移動可能に枠状に設けられると共に内部に踏み板が固定されて設けられ、上部外周が、罠を設置するときには前記くくり用ワイヤーが前記押しコイルバネの力に抗して前記罠用ループを作るように嵌められた状態に保持される部位になると共に、前記踏み板が踏み込まれることに伴って下降したときには前記くくり用ワイヤーが前記本体外枠の上端面によって下降を阻止されて外れる部位になるように設けられている本体中枠とを具備するくくり罠に適用できる他、他の構成のくくり罠にも好適に適用することができる。
本発明に係るくくり罠によれば、仕掛けが大掛かりにならず、罠用ループをより素早くくくることができるという特別有利な効果を奏する。
本発明に関連するくくり罠の形態例を示す分解斜視図であり、図中Aは撥ね上げ装置くくり部の組み上がり状態を示す斜視図である。 図1に示す形態例の本体外枠に付随する部材の組み上がりと布設状態を示す断面図である。 図1に示す形態例の本体中枠の踏み板の上に覆い部材を敷いて土を入れ、そくくり用ワイヤーや撥ね上げ部材をセットするように、本体外枠の内部に本体中枠を中途まで入れた状態を示す断面図である。 本体外枠に合わせて本体中枠を沈め、本体外枠上部保護材部に沿って覆い部材を切って上をカムフラージュし、本発明に係る形態例のくくり罠をセットした状態を示す断面図である。 本発明に関連する形態例のくくり罠の各部材の設置時と稼働時を示した断面図であり、実線は稼働前の状態を示し、点線は稼働時の状態を示す。 本発明に関連する形態例のくくり罠がくくり部先端跳ね上げ部材及び回動作動部材を備えた形態例を示す断面図である。 図6の形態例に用いられているくくり部先端跳ね上げ部材及び回動作動部材の形態例を示す斜視図である。 図7の形態例のセットをするときの配設形態を示す側面図である。 図7の形態例の回動作動状態を示す側面図である。 本発明に係るくくり罠の形態例を示す断面図である。 図10の形態例の作動状態を示す断面図である。 本発明に係るくくり罠の動滑車をくくり用ワイヤーと引きコイルバネに取り付ける状態を示す分解斜視図である。 本発明に係るくくり罠の動滑車が筒状本体に収容された状態を示す断面図である。 本発明に係るくくり罠をセットした状態を示す断面図である。 本発明に係る動滑車移動用の弾性部材のトーションバネを構成要素とする形態例を示す斜視図である。 図15の形態例を別方向から見た斜視図である。 本発明に係る罠用ループをセットする工程を示す斜視図である。 図17の工程に次いで、図15及び16に示した形態例の基部材をセットする工程を示す斜視図である。 図18の工程に次いで、図15及び16に示した形態例の動滑車に、くくり用ワイヤーを掛け回してセットする工程を示す斜視図である。 図18の工程に次いで、図15及び16に示した形態例のトーションバネを圧縮し、くくり用ワイヤーの他方端側の部位を基部材に保持させる最終的なセット工程を示す斜視図である。
以下、本発明に係るくくり罠の構成を利用することができる本発明に関連するくくり罠の形態例を添付図面1〜9に基づき詳述する。
このくくり罠の形態例は、一方に設けられた通し孔に他方を通して罠用ループ14aが作られるくくり用ワイヤー14と、くくり用ワイヤー14が通されてくくり用ワイヤー14に沿って移動できるように配され、くくり用ワイヤーの通し孔を形成する一端部14bに接して罠用ループ14aをくくるように締め付ける締付部材15と、その締付部材15を稼働させるように力を与える押しコイルバネ17とを基本構成として備え、くくり用ワイヤー14を押しコイルバネ17の力によって獣足をくくるように締め付けるくくり罠になっている。
なお、この形態例は、以下に説明する本体中枠3の上部外周を用いて罠用ループ14aが作られるが、本発明に係るくくり罠はこれに限定されず押しコイルバネ17の力に抗して罠用ループ14aが作られて保持される各種のくくり罠に用いられる。すなわち、くくり用ワイヤー14をループ状に広げて固定しておいて踏み板が半割れに割れて降下することにより、また下方から罠用ループ14aを押し上げることなどによって罠用ループ14aの固定状態が解除され、くくり部が縮径する各種の装置に用いることが可能である。
13は本体外枠であり、掘削された土中に埋められる枠状に設けられている。
12は本体外枠上部保護材部であり、本体外枠13の上部外周を取り巻いて上側に張り出した縁状に設けられている。本形態例の本体外枠上部保護材部12は、本体外枠13とは別部品に構成されて、ピン状の固定部材(図5参照)によって本体外枠13に固定されているが、これに限定されず、本体外枠13と一体的に形成してもよいのは勿論である。本体外枠13と本体外枠上部保護材部12とは、例えば樹脂成型によって容易に一体成形できる。
3は本体中枠であり、本体外枠13の内周にすり合わせ状態で嵌まって上下方向へ移動可能に枠状に設けられる。これにより、本体外枠13の内周面にガイドされて好適に上下方向に移動でき、比較的大きな荷重が付加された場合でも好適に作動できる。
また、この本体中枠3の内部には、踏み板4が固定されて設けられている。本形態例の本体中枠3は、図示しないピン状の固定部材によって踏み板4を本体中枠3に固定する形態になっているが、これに限定されず、本体中枠3と踏み板4とを一体的に形成することで、本体中枠3に踏み板4が固定された形態にしてもよいのは勿論である。本体中枠3と踏み板4とは、例えば樹脂成型によって容易に一体成形できる。
そして、この本体中枠3の上部外周が、罠を設置するときにはくくり用ワイヤー14が押しコイルバネ17の力に抗して罠用ループ14aを作るように嵌められた状態に保持される部位になると共に、踏み板4が踏み込まれることに伴って下降したときにはくくり用ワイヤー14が本体外枠13の上端面によって下降を阻止されて外れる部位になるように設けられている。
1は上部覆い材であり、くくり用ワイヤー14が、本体外枠13の上端面、本体外枠上部保護材部12の内周面、及び本体中枠3の上部外周面によって囲まれて設置される部位を含め、本くくり罠の上部を覆うように配されている。この上部覆い材1としては、水を通さない樹脂製の薄いシート状材を用いればよい。
このくくり罠の一形態によれば、本体外枠13上部に付随する本体外枠上部保護材部12と本体中枠3によって、くくり用ワイヤー14を挟み、罠上部全体を上部覆い材1で覆うこと(図4参照)で、くくり用ワイヤー14をほぼ完全に外部から隔離することができる。このため、寒冷時でも、ワイヤー状のくくり用ワイヤー14に土その他の異物が付着することが無く、くくり用ワイヤー14の撥ね上がり動作に影響を与えない。このため、安定的に作動でき、作動の確実性を高めるために、より強力なスプリング(弾性部材)を要しない。
従って、このくくり罠によれば、構成が簡単且つ小型で、押しコイルバネを弱いものにした場合でも、獣足のくくりをより確実にすることができる。
なお、上部覆い部材1は、踏み板4の上の土の重さによって保持・設置されるが、くくり用ワイヤー14の撥ね上がり時には、本体中枠3の踏み板4と共に本体外枠13の中に移動し、くくり用ワイヤー14の撥ね上がり動作には影響を与えない。
また、2はくくり部先端跳ね上げ部材であり、くくり用ワイヤー14が押しコイルバネ17稼働時に急激な上昇によりおこるくくり用ワイヤー14の先端(罠用ループ14aの先端部)が垂れ下がって輪にならないことを防ぐために配設されている。
このくくり部先端跳ね上げ部材2は、くくり用ワイヤー14(罠用ループ14a)の先端側半分が嵌められる本体中枠3の形状に対応して半円状(半ループ状)に形成され、両端部2b、2bが本体中枠3の上部に回動自在に軸止されて設けられ、その半円状(半ループ状)の中ほどにくくり用ワイヤー14の先端(罠用ループ14aの先端部)への引っかかり部2aを有する。本形態例では、くくり部先端跳ね上げ部材2の中途部に突起した部分が引っかかり部2aになっており、その引っかかり部2aが、罠がセットされる際に、くくり用ワイヤー14の罠用ループ14aの先端にあたる部分に上側から覆う状態に接している。
このくくり部先端跳ね上げ部材2によれば、くくり用ワイヤー14(罠用ループ14a)が押しコイルバネ17の稼働により上昇すると同時に半円状(半ループ状)の両端部2b、2bの軸止部2b’を中心としてくくり用ワイヤー14(罠用ループ14a)に途中まで引っかかった状態で回動されてくくり用ワイヤー14(罠用ループ14a)の先端側を案内して上昇させるように作動する。すなわち、くくり用ワイヤー14の罠用ループ14aが小さくなるように作動すると共に上昇するように作用する押しコイルバネ17の弾性力によって、そのくくり用ワイヤー14に引っかかり部2aを介して引っ掛かっているくくり部先端跳ね上げ部材2の中途部が撥ね上げられるようにして回動する。
このくくり部先端跳ね上げ部材2の動作によれば、くくり用ワイヤー14(罠用ループ14a)との引っかかりが外れるまで、そのくくり用ワイヤー14を張って罠用ループ14aが保持できるようにくくり用ワイヤー14(罠用ループ14a)の先端を適切に上昇させるように案内し、くくり用ワイヤー14(罠用ループ14a)が下方へ反って丸まってしまうように挙動することを防止できる。
これによれば、本体中枠3の踏み板4を獣が踏み落とすことにより、くくり用ワイヤー14が押しコイルバネ17により急激に上昇を始め、その時にくくり用ワイヤー14の先端は慣性によって垂れ下がり、獣の足が少しでも踏み板から浮いて居ればくくらないという現象を極力少なくすことができ、くくりの確実性を向上できるように、くくり用ワイヤー14の先端をくくり用ワイヤー14の全体が上昇すると共に上に適切な形態で移動させることができる。
また、一対の挟み部材6、7は、くくり用ワイヤー14の撥ね上がり速度を補う機構であって、獣の体重移動により本体中枠3の踏み板4に十分な加重が掛かった時に一気にその踏み板4が落下し、その踏み板4と同時に落下する獣足を確実にくくるように、踏み板4の下部に設置された板状の踏み込み部材5を挟んで十分な加重がかかったときに押し開かれて踏み板4の下降を一気に許容するように設けられている。
罠を獣が踏んで踏み板4が即下降を起せば、獣が機敏に反応し足を挙げ、罠のくくり速度が追いつかず獣足をくくらない現象(以後空跳ねと言う)を起す。特に安全を重視する本発明に係るくくり罠は、押しコイルバネ17のスプリング力を最小限としているため、くくり部を撥ね上げる速度は遅い。
そこで本形態例では、それを補う為に獣が踏み板4を踏んでも即下降せず、獣が移動のため踏み足に十分な加重が掛かった時、踏み板4に設置された踏み込み部材5が第1の挟み部材6と第2の挟み部材7の間を押し開き、一気に踏み板4と獣の踏み足が落下するようにしている。そして、くくり部先端撥ね上げ部材2の動きと、締付部材用案内部材16の総合した稼動で獣足のくくりをほぼ完璧なものにしている。
本体外枠13に取り付けられた一対の板状の挟み部材6、7による締付力を、ボルト8、スプリング9、ワッシャー10、ナット11から構成される締め付け調節部によって加減することによれば、ある態度、捕獲獣を種別することもできる。すなわち、例えばナット11を強く締め付けることで、挟み部材6、7による締付力を高め、より大型の獣に対応することができる。
16は締付部材用案内部材であり、筒状であって、くくり用ワイヤー14及び締付部材15を押しコイルバネ17の稼働時により高位置に押し上げるため、その締付部材15の押し上げを案内するように、くくり用ワイヤー14を通し、押しコイルバネ17の中に納められて配されていると共にその押しコイルバネ17を介して筒状の押しコイルバネ収納部材18に納められている。
この機構によって、締付部材15を締付部材用案内部材16によって適切に案内して適切な方向へ押し上げることができ、くくり用ワイヤー14を適切な方向で且つ高位置へ押し上げることができる。
これによれば、罠の踏み板4が下降すると同時にくくり用ワイヤー14の罠用ループ部14aと共に締付部材15が上昇するが、くくり用ワイヤー14及び締付部材15の両部材自体の重さや、くくり部先端撥ね上げ部材2による引っ掛かりによって、くくり用ワイヤー14の先端が高所に達することなく、くくってしまうことを防ぐことができる。すなわち、獣の素早く上げようとする足を、くくり部先端撥ね上げ部材2と締付部材用案内部材16が合い総合し、より高位置で獣足をくくることができる。
このくくり罠の形態例は、安全性を最も重視し、くくり用ワイヤー14を締め付ける押しコイルバネ17は限界まで弱いものにしたが、この形態例の各部材の稼動によって獣足のくくりを確実にし、大幅に捕獲率を上げることができた。
また、この形態例の罠を覆う上部覆い材1による効果は大きく、くくり用ワイヤー14を好適に保護すると共に、掘削箇所から発散する草木の根切断や新しい土の匂いを少なくできる効果がある。これによれば、警戒心と共に臭いにも敏感に反応する獣捕獲にも効果が大きい。
上述したようにこの形態例は罠使用者の安全性を第一にはかり、小型化と軽量化につとめ獣道を多く破壊することなく設置範囲が極めて狭いため、設置場所に左右されることが極めて少ない。また、罠の本体上部を上部覆い材1で覆い、くくり用ワイヤー14を隔離保護することで、寒冷地においても使用可能にした。さらに、くくり部先端撥ね上げ部材2及び踏み板4の落とし込み機構、跳ね上げの案内等の各部材が総合し作動することで獣捕獲の効率を飛躍的に高めることができた。
次に、図6〜9に基づいて、押しコイルバネ17の作動力を梃子の原理を利用して伝達することで、くくり部先端跳ね上げ部材2を素早く強制的に回動させるように、回動作動部材20が設けられたくくり罠の形態例について説明する。
この回動作動部材20は、罠用ループ14aの後端側半分が嵌められる本体中枠3の形状に対応して半ループ状に形成され、両端部20bが本体中枠3の上部に回動自在に軸止されて設けられ、半ループ状の中ほどに罠用ループ14aの後端部への引っかかり部20aを有し、罠用ループ14aが押しコイルバネ17稼働によって上昇する際に、引っかかり部20aに作用する力によって半ループ状の軸止部20b’を中心として回動され、その半ループ状の両端部の延長部20cが、くくり部先端跳ね上げ部材2の両端部の延長部2cに当接して押し下げることで、そのくくり部先端跳ね上げ部材2を梃子の原理で回動させるように設けられている。
これによれば、くくり部先端跳ね上げ部材2を強制的に回動でき、罠用ループ14aを先端部が垂れ下がらないように確実且つ適切に押し上げることができる。
回動作動部材20の軸止部20b’と延長部の当接部20c’との間の長さが、くくり部先端跳ね上げ部材2の軸止部2b’と延長部の被当接部2c’との間の長さよりも長くなるように設けられている。
これによれば、回動作動部材20の回動角度に対してくくり部先端跳ね上げ部材2の回動角度が大きくなり、罠用ループ14aの先端側がより素早く押し上げられる。従って、罠用ループ14aを適切に上方へ撥ね上げることができ、獣足をより確実にくくることができる。
くくり部先端跳ね上げ部材2の引っかかり部2aは、ワイヤー状のくくり用ワイヤー14(罠用ループ14aの先端部)の上下両方に引っかかるように、上下に設けられている。下側の引っかかり部2a’が、くくり用ワイヤー14(罠用ループ14aの先端部)を確実に押し上げるように作用する。なお、この形態例の引っかかり部2a、2a’及び引っかかり部20aが設けられた部位は、本体中枠3の上縁部に切り欠かれて設けられた凹状部分に嵌まった状態にセットされるようになっている。
次に、図10〜13に基づいて、以上のくくり罠の形態例にも好適に適用できるように設けられた本発明に係るくくり罠の形態例について説明する。なお、図1〜9に記載されたくくり罠の形態例の構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
本形態例では、押しコイルバネ17の作動と引きコイルバネ34の作動とが相俟って罠用ループ14aを素早くくくることができる。
図10に示すように、本発明に係るくくり罠の形態は、罠用ループ14aを形成するくくり用ワイヤー14が掛け回された動滑車30が収納されて長手方向へ移動できる筒状の内部空間を有する筒状本体31を備えている。この筒状本体31には、押しコイルバネ収納部材18に接する側の一端を塞ぐように設けられ、くくり用ワイヤー14を通すと共にくくり用ワイヤー14の他方の端部が保持される一方端基部32と、筒状本体31の他端を塞ぐように設けられた他方端基部33とが設けられている。
一方端基部32は、押しコイルバネ収納部材18と接してくくり用ワイヤー14を通す一方端基部32の外側が斜面に形成されている。これにより、押しコイルバネ収納部材18の配置向きの自由度を高めている。なお、押しコイルバネ収納部材18についても、配置向きの自由度を高めるため一方端基部32と接する部分が凸湾曲面に形成されている。また、締結部材15を押しコイルバネ収納部材18の開口部を塞ぐキャップのように形成して土中の押しコイルバネ17に影響をもたらさないようにすることができる。
他方端基部33は、後述する引きコイルバネ34に連結されて引きコイルバネ34を固定する固定部材35を設けた外部連結部材340が通る外部連結部材用孔330を備えている。この外部連結部材340は、ワイヤーなどの強固な紐状体によって構成され、その後端は立木等に結びつけられ、これにより本発明に係るくくり罠が固定される。
一方端基部32と他方端基部33との間には動滑車30と引きコイルバネ34が収納されている。
動滑車30は、くくり用ワイヤー14が掛け回される滑車301と、滑車301を挟んで回転自在に保持すると共に筒状本体31の内面によって長手方向の移動が案内される滑車枠部302とを備えている。
動滑車30に掛け回されたくくり用ワイヤー14の他方の端部は、一方端基部32に筒状本体31の内側から外側へ通され、一方端基部32に他方の端部に固定された抜け止め部材29によって保持されている。一方端基部32には、押しコイルバネ収納部材18から連続するくくり用ワイヤー14が通る引き込み孔320と、このくくり用ワイヤー14の他方の端部が通される固定用孔321が形成されている。このくくり用ワイヤー14の他方の端部を罠用ループ14aが拡径するように引くことで、押しコイルバネ17が収縮する一方、引きコイルバネ34が引き伸ばされてそれぞれのバネに付勢力が与えられる。
滑車301は、滑車枠部302に形成されたスリット部303(図12参照)に位置して筒状本体31の筒方向へ支持された軸部材310、本形態例ではボルトとナット、によって保持されている。
滑車枠部302は、図12及び図13に示すように矩形板状に形成され、筒状本体31に沿った厚み部分にくくり用ワイヤー14を滑車301に導いて掛け回すための溝304、304が形成されている。それらの溝304は滑車枠部302をレール状に抉るように形成され、筒状本体31の内面によってくくり用ワイヤー14の移動範囲を規制している。そして、滑車枠部302も、これらの溝304の縁部に形成された2列の内接部305によって筒状本体31内の長手方向の移動が案内される。すなわち、図13に示すように、滑車枠部302の横幅と筒状本体31の内径とは略等しく形成され、径方向(上下方向)へ動く余地がないので、筒状本体31の内径の最も大きい位置で常に滑車枠部302が筒状本体31内を長手方向へ移動することになる。これにより、動滑車30が筒状本体31内を長手方向へスムースに移動できる。
滑車枠部302は、図12に示すように、他方端基部33側にワイヤー状の内部連結部材341を介して後述する引きコイルバネ34が連結されている。本形態例では固定具311としてボルトとナットで内部連結部材341が固定されている。
引きコイルバネ34は、動滑車30と他方端基部33との間で筒状本体31の内部に配され、図10及び図11に示すように、引っ張り状態から縮む際に動滑車30を介してくくり用ワイヤー14を筒状本体31の内部へ引き込むことで罠用ループ14aをくくるように作動する。これによれば、動滑車30の作用によってくくり用ワイヤー14を素早く引いて罠用ループ14aのくくりスピードを高めることができる。本形態例では、従来の押しコイルバネ17のみの場合と比較して、倍のスピードでくくることが可能になった。従って、くくり時間を短縮でき、より確実に獣を捕獲することができる。
また、この引きコイルバネ34は、獣足をくくった後にも伸び縮みが可能なので、あばれる獣の動きを受け止めるクッションの働きをする。これにより押しコイルバネ17などのくくり罠の各構成部材が傷まないだけでなく、獣を痛めることが少ない。なお、引きコイルバネ34はゴムなどの弾性体で代用することが可能であり、複数本備えることも可能である。
本発明に係るくくり罠は、上述の形態例のように、掘削された土中に埋められる枠状に設けられた本体外枠13と、本体外枠13の内周にすり合わせ状態で嵌まって上下方向へ移動可能に枠状に設けられると共に内部に踏み板4が固定されて設けられ、上部外周が、罠を設置するときにはくくり用ワイヤー14が押しコイルバネ17の力に抗して罠用ループ14aを作るように嵌められた状態に保持される部位になると共に、踏み板4が踏み込まれることに伴って下降したときにはくくり用ワイヤー14が本体外枠13の上端面によって下降を阻止されて外れる部位になるように設けられている本体中枠3とを具備してもよい。
上述のとおり、本発明に係るくくり罠の形態例は、締付部材15と一方端基部32との間でくくり用ワイヤー14が通されて配され、圧縮状態から伸びる際に罠用ループ14aをくくるように締付部材15を押圧する押しコイルバネ17と、動滑車30と他方端基部33との間で筒状本体31の内部に配され、引っ張り状態から縮む際に動滑車30を介してくくり用ワイヤー14を筒状本体31の内部へ引き込むことで罠用ループ14aをくくるように作動する引きコイルバネ34とを具備する。これにより、従来の押しコイルバネ17が罠用ループ14aをくくるために必要とされた強力かつ長いバネを不要とすることができる。このためくくり罠の取扱を誤ってバネの力で怪我をすることがない。
そして、動滑車30を採用したことにより、くくり用ワイヤー14を単に引きコイルバネ34で引き寄せる速度の倍の速度で引き寄せることが可能となり、素早いくくりが可能になった。これにより、罠を獣が踏んで踏み板4が下降を起こした際に機敏に反応する獣にも対応することができる。また、必要以上に高い位置で獣足をくくることを不要とすることができる。さらに、押しコイルバネ収納部材18と引きコイルバネ34が収納される筒状本体31との2分割構造とすることにより、持ち運びが容易で便利となるだけでなく、土中での設置の自由度が高まり、土を深く掘る必要がなく、従来の形態では設置しにくかった場所での設置も容易になる。なお、押しコイルバネ収納部材18と引きコイルバネ34が収納される筒状本体31とを一体に形成することも可能である。
次に、本発明に係るくくり罠について、その組み込み形態及び現場での設置方法やセット方法について、図面に基づいて説明する。
まず、図1〜4に基づいて本発明に関連するくくり罠の形態例による組み込み形態及び現場での設置方法やセット方法について説明する。
図1は、罠全体の分解した状態を示す斜視図であり、点線で囲ったA内は、撥ね上げくくり部の組み上がりを示す斜視図である。
本発明に係るくくり罠の形態例は、罠体を径の異なる筒状の部材2個で作成し、本体中枠3の外側上部に装着されたくくり用ワイヤー14が固定された本体外枠13の中を下がる事によりくくり用ワイヤー14が本体外枠13の上端面によって本体中枠3から外れ、その本体中枠3を踏み落とした獣足をくくり用ワイヤー14でくくることができる装置である。
また、本発明に係るくくり罠の形態例は、くくり用ワイヤー14を上部覆い材1で保護し、くくり部先端跳ね上げ2部材を設け、くくり用ワイヤー14の撥ね上がり時に起こるくくり用ワイヤー14の先端の垂れ下がりを少なくし、獣足をくくるくくり部(罠用ループ14a)を締付部材用案内部材16により高所に導き、獣の体重移動を利用し獣足を一気に落下させ捕獲の確実性を飛躍的に向上させたくくり罠になっている。
本発明に係るくくり罠の形態例の設置方法は、先ず図2に示すように、各部材6〜11の部材を取り付けた本体外枠13を獣道に布設する。このとき、本体外枠13を、獣が残した足跡に合わせて掘削する。また、押しコイルバネ収納部18についても、本体外枠13に対し適度な角度に収まるように地面を掘削する。そして、掘削箇所に本体外枠13及び押しコイルバネ収納部18を沈め、獣道よりほんの僅か下げてしっかりと固定する。
次に、図3に示すように本体中枠3及びこれに付随して一体化した部材2、4、5を、本体外枠13内に収める。上部覆い材1は、本体中枠3の踏み板4の上に真ん中を置き、中に土を入れて固め踏み板4より本体中枠3いっぱいにつめ、周囲が罠の上部全体より大きく覆うようにする。この時点でくくり用ワイヤー14は、本体中枠3の周囲に装着する。締付部材15と締付部材用案内部材16にワイヤー状のくくり用ワイヤー14を通し、締付部材用案内部材16をスプリング状の押しコイルバネ17の中に入れて押しコイルバネ収納部材18に収める(図1を参照)。なお、くくり用ワイヤー14は、本形態例の場合、その後端をくくり用ワイヤー固定部材19によって押しコイルバネ収納部材18の下端から抜けないように固定する。
次に、図4に示すように、獣道に固定した本体外枠13に、本体中枠3を合わせた状態でさらに沈める。くくり用ワイヤー14の罠用ループ14aが、本体中枠3の上端部まで達するまで、そのまま本体中枠3を静かに下げ、本体外枠上部保護材12の高さに合わせる。同時に押しコイルバネ収納部材18も慎重に本体外枠13に添えて設置する。設置されたら、本体外枠13の周囲及び押しコイルバネ収納部材18の周りを、埋め戻して整理して周囲を僅か平らにし、本体外枠上部保護材12の外部に沿って上部覆い材1を切り取り、辺りをカムフラージュして設置完了となる。
次に、本発明に係るくくり罠について、その組み込み形態及び現場での設置方法やセット方法について、図14に基づいて説明する。
図14は、本発明に係るくくり罠をセットした状態を示す断面図であり、前述の本発明に関連するくくり罠の形態例と同等の構成に加えて、動滑車30、筒状本体31、一方端基部引き32、他方端基部33、及びコイルバネ34などが付加されており、その付加された構成を土中に埋設した状態を示している。これによれば、押しコイルバネ17を短くすることができ、引きコイルバネ34を収納した筒状本体31を水平に置くなど深く設置する必要がない。従って、前述の形態例に比較して土を深く掘って埋める作業を要せず、設置効率が高いものとなっている。
また、本発明に係るくくり罠は、機敏な獣にも対応できるため、本体外枠13及び本体中枠3を前述した形態例に比べて浅い形態に設定することが可能であり、より浅く、より容易に設置することができる。
そして、本発明に係るくくり罠の構成は、図14に示したような全体構成から成るくくり罠に限定されるものではなく、他の全体構成から成るくくり罠についても、極めて容易に適用でき、汎用性の高いものになっている。
次に、他の実施例について、図15〜20に基づいて詳細に説明する。
40は基部材であり、くくり用ワイヤー14の中途部が通されると共にそのくくり用ワイヤーの他方端側の部位14cが保持されるように形成されている。本形態例では、くくり用ワイヤーの通し用の溝部41が、基部材40の一端方向(長軸方向)へ開いた溝状に設けられている。また、くくり用ワイヤーの保持用の溝部42が、基部材40の通し用の溝部41が設けられた部位とは反対側の他端の側であって、側面方向(短軸方向)へ開いた溝状に設けられている。
43はくくり用ワイヤーの仮止め用の蝶ボルトであり、そのボルトの先端がくくり用ワイヤーの通し用の溝部41の内部へ突き出るように、基部材40の先端部に通し用の溝部41の内部まで貫通するように設けられたボルト孔に螺合されている。この仮止め用の蝶ボルト43をねじ込むことで、通し用の溝部41の内部を通されたくくり用ワイヤー14を押え付けて仮に保持することができる。
また、29aはくくり用ワイヤーの保持用の蝶ボルトであり、図17などに示すように抜け止め部材29にその側面から螺合している。すなわち、保持用の蝶ボルト29aは、そのボルトの先端が抜け止め部材29の内部に突き出るように、抜け止め部材29の側面に貫通するように設けられたボルト孔に螺合されている。この保持用の蝶ボルト29aをねじ込むことで、くくり用ワイヤー14に圧接して、そのくくり用ワイヤー14に抜け止め部材29固定することができる。これによれば、くくり用ワイヤーの保持用の溝部42の内部に通されたくくり用ワイヤー14が、抜け止め部材29によって基部材40から抜けないように保持された状態となり、くくり動作がなされるときに、そのくくり用ワイヤー14を適切に引くことができる。
41aは押しコイルバネ収納部材18を受けるための凹部(図16参照)であり、押しコイルバネ収納部材の後端部18aが当接すると共に浅く嵌って保持され、その後端部18aの横滑りが抑制される。
42aは抜け止め部材29を受けるための凹部(図16参照)であり、基部材40の一面側に設けられくくり用ワイヤー保持用の抜け止め部材29が当接すると共に浅く嵌って保持され、その抜け止め部材29の横滑りが抑制される。
30は動滑車30であり、くくり用ワイヤー14が、基部材40を通過する部位から他方端側の部位14cの間において掛け回されている。この動滑車30は、滑車30aが滑車保持部30bに回転自在に装着されて構成されている。
図17〜20に示した押しコイルバネ収納部材18には、前記形態例と同様に、締付部材15と基部材40との間でくくり用ワイヤー14が通されて配され、圧縮状態から伸びる際に罠用ループ14aをくくるように締付部材15を押圧する押しコイルバネ17(前記形態例を参照)が収納されている。
50はトーションバネであり、動滑車30を、罠用ループ14aがくくられる方向へ移動させるように、基部材40から離れる方向へ付勢する動滑車移動用の弾性部材の形態例を構成している。この動滑車移動用の弾性部材(トーションバネ50)によれば、動滑車30を好適に稼働させることができるため、罠用ループ14aをくくる動作の速度を格段に高めることができる。すなわち、動滑車30の動作によって、その動滑車30が動滑車移動用の弾性部材によって移動する距離の倍に相当する長さについて、くくり用ワイヤー14が引かれることになり、そのくくり速度を倍にすることができる。また、このトーションバネ50を用いる構成によれば、後述するように、くくり罠を容易にセットできる。すなわち、従来の強力な一本のコイルバネによってくくり動作を行うものに比較して、本形態例の押しコイルバネ17及びトーションバネ50は弾性力の小さいものでよく、安全且つ容易に取り扱うことができる。
また、本形態例のトーションバネ50はバネ線材の中途部をつる巻き状に形成されて設けられ、そのバネ線材の一端部51に基部材40が装着されて設けられ、そのバネ線材の他端部52に動滑車30が装着されて設けられている。このトーションバネ50によって構成されるくくりを高速化するための機構(トーションバネによる動滑車機構)は、簡単な構造であり、安価に提供できると共に耐久性の高いものになっている。なお、バネ線材の中途部に形成されているつる巻き状の形態は、一巻きになっている。これは、一巻きの方が、複数巻きにした場合よりも強い反発力を得られやすく、くくり速度を高めることができるためである。
次に、以上に説明したトーションバネによる動滑車機構(図15及び16参照)を備えるくくり罠の形態例の使用方法(くくり罠のセットにかかる作業手順の事例)について、図17〜20に基づいて詳細に説明する。
先ず、図17に示すように、罠本体60に罠用ループ14aを形成し、押しコイルバネ収納部材18を介して押しコイルバネ17(前記形態例を参照)を圧縮する。その圧縮状態を押しコイルバネ収納部材18を介して維持するために、その押しコイルバネ収納部材の後端部18aに抜け止め部材29を当接させ、その抜け止め部材29を保持用の蝶ボルト29aによってくくり用ワイヤー14に仮に固定する。
次に、図18に示すように、基部材40を押しコイルバネ収納部材の後端部18aに当接させるように、くくり用ワイヤー14を基部材40の通し用の溝部41に通すように嵌め込むことで、基部材40をセットする。この工程では、押しコイルバネ17(前記形態例を参照)の圧縮をさらに圧縮できる範囲を若干残して抜け止め部材29によって仮に保持・固定しておき、その抜け止め部材29とコイルバネ収納部材の後端部18aとの間に基部材40をこじ入れるようにするとよい。これにより、くくり用ワイヤー14の中途部が基部材40を通る状態となる。なお、この際に、押しコイルバネ収納部材の後端部18aは、基部材40の凹部41aの内底面に当接してその内部に嵌った状態となり、安定的に位置される。
そして、保持用の蝶ボルト29aの螺合を緩め、抜け止め部材29による仮の固定を解除する。これによって、抜け止め部材29がくくり用ワイヤー14に沿って自由に移動できる状態となる。
次に、図19に示すように、くくり用ワイヤー14を滑車30aに掛け回し、くくり用ワイヤー14を保持するための保持用の溝部42に、そのくくり用ワイヤーの他方端側の部位14c通し、その保持用の溝42を挟んで動滑車30とは反対の側に抜け止め部材29が配されるようにする。なお、本形態例の抜け止め部材29は、六角筒状で、その一つの側面から保持用の蝶ボルト29aをねじ込むことで、くくり用ワイヤー14に固定されて抜けないように設けられている。
そして、図20に示すように、トーションバネ50を圧縮する。なお、この場合の圧縮された状態とは、バネ線材の一端部51とバネ線材の他端部52とが近接するように力を与えて、トーションバネ50に弾発力が蓄積された状態のことである。
このトーションバネ50が圧縮された状態を保持するように、抜け止め部材29を、基部材40の保持用の溝42を挟んで動滑車30とは反対側に当接させた状態で、保持用の蝶ボルト29aを締めて固定する。なお、この際に、抜け止め部材29は、基部材40の凹部42aの内底面に当接してその内部に嵌った状態となり、安定的に位置される。
最後に、くくり用ワイヤーの仮止め用の蝶ボルト43を緩める。これにより、くくり罠のくくり用ワイヤー14によるくくり機能がセットされた状態となる。
本形態例の基部材40では、くくり用ワイヤー14が通過できるように、くくり用ワイヤーの通し用の溝部41、及びくくり用ワイヤーの保持用の溝部42が形成されている。この基部材40によれば、罠用ループ14が罠本体60側の部位から外れてくくり動作が完了した状態である押しコイルバネ17とトーションバネ50とが伸びたときに、くくり用ワイヤー14から、容易に外れる。すなわち、くくり用ワイヤー14は、通し用の溝部41及び保持用の溝部42に嵌っているだけで、トーションバネ50が圧縮された際の弾発力によってくくり用ワイヤー14に保持された状態を維持できるが、そのトーションバネ50の弾発力が開放された際には簡単に外れる状態となる。これによれば、基部材40やこれに装着されて設けられたトーションバネ50及び動滑車30が、その役目を果たした後はくくり用ワイヤー14とは分離されるため、損傷することがほとんどなく、繰り返し使用でき、経済的であるという利点がある。
なお、本形態例の基部材40では、以上に説明したように、くくり用ワイヤー14が通過できるように通し用の溝部41及び保持用の溝部42を形成したが、くくり用ワイヤー14を通すという機能を満たすものとすれば、これに限定されることはない。例えば、溝状の形態に替えて、貫通孔やリング状の形態など、他の形態を採用できることは勿論である。
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
1 上部覆い材
2 くくり部先端跳ね上げ部材
2a 引っかかり部
2b 両端部
3 本体中枠
4 踏み板
5 踏み込み部材
6 第1の挟み部材
7 第2の挟み部材
8 ボルト
9 スプリング
10 ワッシャー
11 ナット
12 本体外枠上部保護材部
13 本体外枠
14 くくり用ワイヤー
14a 罠用ループ
14b 一端部
14c くくり用ワイヤーの他方端側の部位
15 締付部材
16 締付部材案内部材
17 押しコイルバネ
18 押しコイルバネ収納部材
18a 押しコイルバネ収納部材の後端部
20 回転作動部材
29 抜け止め部材
29a くくり用ワイヤーの保持用の蝶ボルト
30 動滑車
30a 滑車
30b 滑車保持部
31 筒状本体
32 一方端基部
33 他方端基部
34 引きコイルバネ
35 固定部材
40 基部材
41 くくり用ワイヤーの通し用の溝部
41a 凹部
42 くくり用ワイヤーの保持用の溝部
42a 凹部
43 くくり用ワイヤーの仮止め用の蝶ボルト
50 トーションバネ
51 バネ線材の一端部
52 バネ線材の他端部
60 罠本体
301 滑車
302 滑車枠部
303 スリット部
304 溝
305 内接部
310 軸部材
311 固定具
330 外部連結部材用孔
340 外部連結部材
341 内部連結部材

Claims (5)

  1. 一方に設けられた通し孔に他方を通して罠用ループが作られるくくり用ワイヤーと、該くくり用ワイヤーが通されて該くくり用ワイヤーに沿って移動できるように配され、該くくり用ワイヤーの前記通し孔を形成する一端部に接して前記罠用ループをくくるように締め付ける締付部材とを備えるくくり罠において、
    前記くくり用ワイヤーの中途部が通されると共に該くくり用ワイヤーの他方端側の部位が保持されるように形成された基部材と、
    前記くくり用ワイヤーが、前記基部材を通過する部位から前記他方端側の部位の間において掛け回される動滑車と、
    前記締付部材と前記基部材との間で前記くくり用ワイヤーが通されて配され、圧縮状態から伸びる際に前記罠用ループをくくるように前記締付部材を押圧する押しコイルバネと、
    前記動滑車を、前記罠用ループがくくられる方向へ移動させるように、前記基部材から離れる方向へ付勢する動滑車移動用の弾性部材とを具備することを特徴とするくくり罠。
  2. 前記動滑車移動用の弾性部材が、バネ線材の中途部をつる巻き状に形成し、該バネ線材の一端部に前記基部材が設けられ、該バネ線材の他端部に前記動滑車が設けられているトーションバネであることを特徴とする請求項1記載のくくり罠。
  3. 一方に設けられた通し孔に他方を通して罠用ループが作られるくくり用ワイヤーと、該くくり用ワイヤーが通されて該くくり用ワイヤーに沿って移動できるように配され、該くくり用ワイヤーの前記通し孔を形成する一端部に接して前記罠用ループをくくるように締め付ける締付部材とを備えるくくり罠において、
    前記くくり用ワイヤーが掛け回された動滑車と、
    該動滑車が収納されて長手方向へ移動できる筒状の内部空間を有する筒状本体と、
    該筒状本体の一端を塞ぐように設けられ、前記くくり用ワイヤーを通すと共に該くくり用ワイヤーの他方の端部が保持される一方端基部と、
    該筒状本体の他端を塞ぐように設けられた他方端基部と、
    前記締付部材と前記一方端基部との間で前記くくり用ワイヤーが通されて配され、圧縮状態から伸びる際に前記罠用ループをくくるように前記締付部材を押圧する押しコイルバネと、
    前記動滑車と前記他方端基部との間で前記筒状本体の内部に配され、引っ張り状態から縮む際に前記動滑車を介して前記くくり用ワイヤーを前記筒状本体の内部へ引き込むことで前記罠用ループをくくるように作動する引きコイルバネとを具備することを特徴とするくくり罠。
  4. 前記動滑車が前記筒状本体内を長手方向へスムースに移動できるように、滑車と、該滑車を挟んで回転自在に保持すると共に前記筒状本体の内面によって前記長手方向の移動が案内される滑車枠部とを備えた動滑車を具備することを特徴とする請求項3記載のくくり罠。
  5. 前記押しコイルバネを収納する筒状の押しコイルバネ収納部材を具備することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のくくり罠。
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