JP5429895B2 - 球面超音波モータ及び球面超音波モータの制御方法 - Google Patents

球面超音波モータ及び球面超音波モータの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、多方向の自由度を有し、撮像部やロボットアーム等の被回動部材を回動させる球面超音波モータ及びこの球面超音波モータの制御方法に関する。
従来、超音波モータを応用したものとして、略球状のロータと、このロータの表面に接触してロータを回動自在に支持する複数のリング状のステータから構成された球面超音波モータ(球面アクチュエータ)が存在する。ステータはリング状の金属に圧電セラミックスからなる圧電素子を接着して構成される。圧電素子にはA相とB相からなる電極パターンがあり、分極処理により分極の極性が円周方向で交互に異なるようにしている。このような圧電素子のA相とB相にそれぞれ90度の位相の異なる高周波電圧を印加すると、所定の周波数でステータは共振状態となる。この結果、ステータに曲げ(たわみ)振動による進行波を発生させ、ステータに加圧されたロータが摩擦力により回転する。このように球面超音波モータでは、複数のステータが発生させる表面波振動をロータに伝達させて、この振動によりロータを多方向に駆動させている。
ところで、超音波モータの速度制御は、大きく2つの方法で行われている。すなわち、圧電素子に対する印加電圧の位相又は周波数を制御する方法である。
位相は、振動を発生するステータ(圧電素子)に印加する2相の電圧の位相差のことで、ステータ表面の振動は、位相差0°では定在波(ロータは回転しない)、位相差90°では進行波(振幅は一定でロータは勢いよく回転する)となる。このことを利用し、2相の電圧の位相差を調節して回転速度を制御することが行われている。
一方、周波数による制御では、印加電圧の周波数がステータの共振周波数のときロータは最もよく回転し、印加電圧の周波数を共振周波数からずらすに従って回転速度が減少し、やがて停止する。このことを利用し、2相の電圧の周波数を制御してロータの回転速度を制御することが行われている。
ところで球面超音波モータは、円板状の例えば3個のステータで略球状のロータを保持し、それぞれのステータの角速度ベクトルの合成ベクトルまわりに、ロータを回転させるものである。従来は、3個のステータの位相を調節して、ロータの回転軸方向と回転速度を制御していた。というのは、球面超音波モータの場合、周波数によるステータの制御は周波数が小さいと表面波振動の振幅が小さくなりステータ間の干渉が強く、回転軸の生成が困難であり、回転速度も不安定であった。
球面アクチュエータを位相によって制御する例として、例えば、球面アクチュエータの各々のステータに印加する2相の高周波電圧の位相差を利用して、ロータの回転を制御する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−84526号公報
上述したとおり、球面超音波モータを位相により制御するとき、ロータの回転動作の回転軸を精度よく生成することができる。しかし、低い回転速度を実現しようとするとき、各ステータに与える2相の電圧の位相差が小さくなると、ロータと複数のステータ間における固体摩擦の不均一性により、ロータの回転が安定しないという問題があった。また低い回転速度のときに位相差が小さくなると、上述したようにステータ表面の振動は定在波に近くなり、ロータがステータから浮いたような状態となるので、外乱にも弱くなる。実際には、球面アクチュエータを低い回転速度(回転数)で利用する場合が多く、回転速度の不安定性は重要な問題であった。
図11は、位相差のみで球面アクチュエータのロータをY軸方向へ回転する場合における、位相差[deg]と回転速度[rpm]及び角度誤差[deg]との関係を示したグラフの一例である。
ここでは、3つのステータを備える球面アクチュエータを想定しており、第1のステータに印加する2相の電圧の初期入力の位相差を0deg、第2のステータに印加する2相の電圧の位相差を+60deg、第3のステータに印加する2相の電圧の位相差を−60degとしている。そして、第1〜第3のステータに印加する2相の電圧の位相差を初期入力の位相差から10段階で、すなわち位相差を6degずつ減らして回転速度を変化させた例としている。すなわち、図11のグラフの横軸に示した位相差は、第2および第3のステータに印加する2相の電圧の位相差の絶対値を示している。なお、第1のステータに印加する2相の電圧の初期位相差は0degなのでこの場合は変化しない。
図11に示すように、第2および第3のステータに印加する2相の電圧の位相差を小さくしていくとロータの回転速度が減少するものの、位相差が20deg弱より小さくなっても回転速度がゼロとならず低速が思うように出なくなる。また、位相差の減少とともに目標とするロータの回転軸の方向と実際の回転軸の方向との角度誤差が増大する。すなわち、位相差のみでロータの回転動作を制御しようとしたときに位相差が小さいと、ロータを低速で回転できないことに加え、回転軸が意図した方向に動かないという問題があった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、球などの曲面部を持つロータを低速回転でも精度よく制御できるようにするものである。
本発明の一側面の球面超音波モータは、曲面部を有するロータと、所定の間隔を開けて配置されてロータの表面に接触し、2相の駆動信号が供給されて超音波振動を発生する複数のステータと、この複数のステータに対応して設けられ、入力された周波数制御信号に基づいて、所定周波数の2相の駆動信号を生成する複数の発振部と、複数のステータに対応して設けられ、入力された位相制御信号に基づいて、発振部から発振された2相の駆動信号の位相差を調整する複数の位相制御部と、2相の駆動信号の周波数を目標の周波数にするための周波数制御信号を発振部へ出力し、また2相の駆動信号の位相差を目標の位相差にするための位相制御信号を位相制御部に出力して位相差の調整を行わせる制御部と、
を備え、
複数の位相制御部の各々から周波数一定かつ目標の位相差に調整された2相の駆動信号を対応する各ステータに供給し、その後、複数の位相制御部の各々から位相差一定かつ目標の周波数に調整された2相の駆動信号を対応する各ステータに同時に供給することを特徴とする。
本発明の一側面の球面超音波モータの制御方法は、球面超音波モータが備えるロータの目標の回転軸の方向に応じて、球面超音波モータが備える制御部が、ロータの表面に接触する複数のステータごとに供給すべき2相の駆動信号の位相差を決定して位相制御信号を生成する第1ステップと、ロータの目標の回転速度に応じて、制御部が、複数のステータごとに供給すべき2相の駆動信号の周波数を決定して周波数制御信号を生成する第2ステップと、この第2ステップで生成された各周波数制御信号を、複数のステータに対応して設けられ2相の駆動信号を生成している複数の発振部の各々に入力し、各発振部において当該2相の駆動信号の周波数を調整して出力する第3ステップと、第1ステップで生成された各位相制御信号を、複数のステータに対応して設けられている複数の位相制御部の各々に入力し、各位相制御部において対応する発振部から出力された2相の駆動信号の位相差を調整して出力する第4ステップと、第3ステップ及び第4ステップにより複数の位相制御部の各々から周波数一定かつ目標の位相差に調整された2相の駆動信号を対応する各ステータに供給する第5ステップと、第5ステップの終了後、第3ステップ及び第4ステップにより複数の位相制御部の各々から位相差一定かつ目標の周波数に調整された2相の駆動信号を対応する各ステータに同時に供給する第6ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の一側面においては、球面超音波モータの回転動作を制御する際、複数のステータに印加する駆動信号の周波数を一定にしつつ位相差を決定して球面超音波モータの回転軸の方向を定めることにより、回転軸の方向を正確に定めることができる。また複数のステータに印加する駆動信号の位相差を一定にしつつ周波数を同時に調整して当該球面超音波モータの回転速度を制御することにより、低速回転でも安定した制御が可能である。
本発明によれば、球などの曲面部を持つロータを低速回転でも精度よく制御できる。
本発明の球面アクチュエータの一実施形態を備えた撮像装置を正面側から示す斜視図である。 本発明の球面アクチュエータの一実施形態を背面側から示す斜視図である。 本発明の球面アクチュエータの一実施形態を示す分解斜視図である。 本発明の球面アクチュエータの一実施形態の駆動力発生部を示すもので、図4Aは正面図、図4Bは断面図である。 本発明の球面アクチュエータの一実施形態の支持部材に対する駆動力発生部の位置関係を示す説明図である。 球面アクチュエータの角速度ベクトルの例を示す説明図である。 本発明の球面アクチュエータの一実施形態の制御機構を示すブロック図である。 本発明の球面アクチュエータの制御方法を示すフローチャートである。 本発明の球面アクチュエータの周波数制御を示す説明図である。 本発明の球面アクチュエータによる測定結果を示すグラフである。 従来技術の説明に供するグラフである。
以下、本発明の球面超音波モータの実施形態例について、図1〜図10を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。また、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
[球面アクチュエータの構造例]
図1は、本発明の球面超音波モータが適用された球面アクチュエータを備える撮像装置を正面側から見た斜視図、図2は、球面アクチュエータを背面側から見た斜視図である。
この図1に示す、本発明の実施の形態例(以下、「本例」という。)である撮像装置10は、本発明の一実施の形態例に係る球面アクチュエータ1と、被回動部材の一具体例を示す撮像部2から構成されている。撮像部2は、撮像素子{例えば、CCD(電荷結合素子)、CMOS(相補性金属酸化膜半導体)等}と、この撮像素子に被写体からの像光を入射させるレンズ装置とを有している。
図1及び図2に示す、球面アクチュエータ1は、多方向(本例では、互いに直交するX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の3軸方向)の自由度を有するアクチュエータである。そして、この球面アクチュエータ1は、略球状の支持部材3(ロータ)と、この支持部材3を固定する固定部材4と、支持部材3に回動可能に支持される可動部材5から構成されている。
支持部材3(ロータ)は、略球状に形成されており、曲面部を有している。この支持部材3には、円柱状をなす固定部材4が取り付けられている。この固定部材4により、支持部材3は、回動しないように固定されている。そして、固定部材4に固定された支持部材3に可動部材5が回動可能に支持されている。なお、本例では、支持部材3の形状を略球状として説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、支持部材3の形状を半球、楕円球、や円盤状等の外側に膨出する曲面部を有するその他各種の形状に形成してもよい。更に、固定部材4の形状を円柱状として説明したが、固定部材4を角柱状やその他各種の棒状に形成してもよい、ことは言うまでもない。
図3は、本例の球面アクチュエータを示す分解斜視図である。
この図3に示すように、可動部材5は、略円環状の台座部7と、この台座部7に略等角度間隔に配置された3つのアーム部8a,8b,8cと、3つのアーム部8a,8b,8cに固定された3つの駆動力発生部9a,9b,9c(ステータ)を有している。台座部7は、略円環状をなしており、撮像部2を固定するための取付孔11が設けられている。台座部7の端面は、平面状をなしており、撮像部2を取り付ける取付面7aを構成している(図1参照)。また、この台座部7は、外周を略等角度間隔(本例では、120°)毎に平面状に切り欠くことにより3つの固定面12a,12b,12cが形成されている。3つの固定面12a,12b,12cには、3つのアーム部8a,8b,8cが台座部7における撮像部2の取り付け方向と反対側に延在するように固定されている。3つのアーム部8a,8b,8cにおける隣り合うアーム部間の間隔は、固定部材4の軸径よりも広く設定されている。
3つのアーム部8a〜8cのうち、第1のアーム部8aに第1の駆動力発生部9aが取り付けられ、第2のアーム部8bに第2の駆動力発生部9bが取り付けられ、更に第3のアーム部8cに第3の駆動力発生部9cが取り付けられている。これら3つのアーム部8a〜8cは、それぞれ同一の構成を有するものであるため、ここでは、第1のアーム部8aについて説明する。
第1のアーム部8aは、略長方形をなす平板状をなしており、角部が切り欠かれている。この第1のアーム部8aは、台座部7の第1の固定面12aに固定するための固定孔と、第1の駆動力発生部9aが取り付けられる開口孔14と、弾性部15を有している。図に表れない固定孔は、第1のアーム部8aの長手方向の一側に設けられている。この固定孔に固定ネジ17を螺合することにより、第1のアーム部8aが台座部7の第1の固定面12aに固定されている。なお、第2及び第3のアーム部8b,8cは、それぞれ台座部7の第2及び第3の固定面12b,12cに固定されている。
また、固定孔の反対側である長手方向の他側には、開口孔14が設けられている。この開口孔14には、後述する第1の駆動力発生部9aの固定部21が嵌合されている。なお、第2及び第3のアーム部8b,8cの開口孔14には、それぞれ第2及び第3の駆動力発生部9b,9cの固定部21が嵌合されている。弾性部15は、第1のアーム部8aの長手方向の略中心に設けられている。そして、弾性部15は、外縁から短手方向に沿って互い違いに、かつ長手方向に所定の間隔を開けて複数切り欠くことにより形成されている。この弾性部15によって、駆動力発生部9が支持部材3側に付勢される。
なお、本例では、3つのアーム部8a〜8cと台座部7を別部材として説明したが、これに限定されるものではなく、3つのアーム部8a〜8cと台座部7を一つの部材として一体に形成してもよい。
次に、図4A及び図4Bを参照して駆動力発生部9(ステータ)について説明するが、3つの駆動力発生部9a〜9cは、それぞれ同一の構成を有しているため、ここでは、第1の駆動力発生部9aについて説明する。図4Aは、駆動力発生部を示す正面図であり、図4Bは駆動力発生部を示す断面図である。
この図4A及び図4Bに示すように、第1の駆動力発生部9aは、第1のアーム部8aの開口孔14に嵌合される固定部21と、薄い皿状をなす支持体22と、環状に配置された複数の接触片23と、振動素子である圧電素子24を有している。固定部21は、第1のアーム部8aの開口孔14と略等しい直径を有する略円盤状をなしている。この固定部21の外周から支持体22が連続して設けられている。支持体22は、薄い皿状をなしており、その外周には、円環状の平坦部22aを有している。この支持体22の円環状の平坦部22aには、複数の接触片23が形成されている。
複数の接触片23は、支持体22の平坦部22aから環状に一定間隔で、かつ、同一方向に突出している。この複数の接触片23には、支持部材3の曲面状の表面に対応するように、支持部材3の表面曲率と同一の曲率を有するアール面23aが設けられている。そして、支持体22の平坦部22aにおける複数の接触片23が配設された面と反対側の面には、複数の接触片23を振動させる圧電素子24が接着剤等の固定方法によって取り付けられている。
圧電素子24は、図示しないフレキシブル配線を介して図示しない圧電素子駆動電源と電気的に接続されている。そして、この圧電素子24に圧電素子駆動電源から超音波領域の交流電圧が印加されると、圧電素子24の電歪現象によって微小振動(超音波振動)が発生する。圧電素子24によって発生した微小振動は、支持体22の平坦部22aを介して複数の接触片23に伝達される。これにより、複数の接触片23が振動し、接触片23の表面にたわみ振動や伸縮振動等の表面波振動が発生する。
なお、本例では、圧電素子24を接着剤により支持体22の平坦部22aに貼り付けた例を説明したが、圧電素子24の取り付け方法は、これに限定されるものではない。例えば、支持体22の平坦部22aに圧電皮膜を直接生成したり、圧電材料を支持体の平坦部に直接塗布したりしてもよい。これらの方法によれば、圧電素子と支持体の接着面が劣化することを防止又は抑制することができる。
図5は、支持部材3に対する3つの駆動力発生部9a〜9cの位置関係を示す説明図である。
この図5に示すように、3つの駆動力発生部9a〜9cは、支持部材3を中心にZ軸方向(支持部材3の中心を通る固定部材4の軸方向)の回りに120°の角度間隔で配置されている。更に、可動部材5をZ軸方向の回りに回転させるために、3つの駆動力発生部9a〜9cは、支持部材3の中心を通るXY平面よりZ軸方向の固定部材4と反対側へ傾いた位置に配置されている。
[球面アクチュエータの動作]
次に、本例の球面アクチュエータ1の動作について説明する。
まず、図示しない圧電素子駆動電源(後述する駆動信号生成部)から駆動力発生部の圧電素子24に電圧が印加すると、圧電素子24の電歪現象により微小振動が発生する。そして、この発生した微小振動は、複数の接触片23に伝達されて、複数の接触片23が共振する。ここで、複数の接触片23の表面には、たわみ振動や伸縮振動等の表面波振動が発生する。このとき、円環状に配置された複数の接触片23の列の特定の位置に振動の腹と節が生じる。そして、圧電素子24に印加する電圧を調節することにより、複数の接触片23の列に生じた振動の腹と節の位置が、次々に移動する。その結果、複数の接触片23の列中を円周方向に進む進行波が発生する。
また、図1及び図2に示すように、複数の接触片23は、支持部材3の表面に接触している。そのため、複数の接触片23に生じた円周方向に進む進行波が摩擦力によって支持部材3に伝達される。ここで、支持部材3は、固定部材4により固定されて、回動動作ができなくなっている。そのため、3つの駆動力発生部9a〜9cを有する可動部材5が、支持部材3の表面を滑るように回動する。
図6は、3つの駆動力発生部9a〜9cの角速度ベクトルと支持部材3の角速度ベクトルを示したものである。
各ベクトルの矢印の向きは、各駆動力発生部が発生させた駆動力による回動動作の回転軸の方向を表し、また各ベクトルの長さは、回動動作の角速度(回転トルク)の大きさを表している。3つの駆動力発生部9a〜9cがそれぞれ角速度ベクトルω〜ωで示される回転トルクを発生し、3つの角速度ベクトルω〜ωの合成ベクトルωの向きを回転軸とする回転トルクが支持部材3に対し作用する。その結果、球面アクチュエータ1を構成している3つの駆動力発生部9a〜9cを有する可動部材5が、固定部材4に固定された支持部材3の表面を滑るように回動する。なお、合成ベクトルωは、同一の向きと大きさであっても、角速度ベクトルω〜ωの向きと大きさの違いによって複数の組み合わせが考えられる。
本発明においては、略球状の支持部材3を低速回転で精度よく制御できるようにするため、各駆動力発生部に印加する電圧(駆動信号)を2段階で制御(以下、「ハイブリッド制御」ともいう。)することを特徴とする。支持部材3がどの回転速度にあっても、支持部材3と駆動力発生部との摩擦力が一定でないと、球面超音波モータは精度よく回らない。そこで、まず3つの駆動力発生部9a〜9cに印加する電圧の位相を決定して支持部材3の回転軸の方向を定め、次に3つの駆動力発生部9a〜9cに印加する電圧の周波数を調整することにより当該支持部材3の回転速度を制御するようにしている。
図7に、上記2段階の制御方法を実現するための球面アクチュエータ1の構成例を示す。
本例では、支持部材3及び3つの駆動力発生部9a〜9cを備える可動部材5からなる球面アクチュエータを制御するための構成として、制御部31と、3つの駆動信号生成部32a〜32cと、回転軸方向入力部33と、回転速度入力部34を備えている。
制御部31は、例えばマイクロコンピュータにより構成され、利用者の指示等に基づいて、3つの駆動力発生部9a〜9cのそれぞれに印加する2相(A相及びB相)の電圧の位相差及び周波数を計算する。そして、その計算結果を含む位相制御信号及び周波数制御信号を駆動信号生成部32a〜32cに供給するものである。
3つの駆動信号生成部32a〜32cはそれぞれ、制御部31での計算結果に基づいて、対応する駆動力発生部9a〜9cに印加する電圧(駆動信号)を生成するものである。なお、3つの駆動信号生成部32a〜32cは、それぞれ同一の構成を有しているため、ここでは、代表して第1の駆動信号生成部32aについて説明する。
第1の駆動信号生成部32aは、発振回路41と、位相制御回路42と、駆動回路43を備えて構成される。
発振回路41は、制御部31から入力される周波数制御信号に基づき、所定の発振周波数の交流信号である2相の駆動信号を生成し、位相制御回路42へ出力するものである。
位相制御回路42は、いわゆる移相器であり、制御部31から入力される位相差情報の乗せた位相制御信号に基づいて、A相の駆動信号の位相φ1A及びB相の駆動信号の位相φ1Bを変化させて、A相とB相の位相差(φ1A−φ1B)を制御し、駆動回路43へ出力するものである。
駆動回路43は、位相制御回路42のA相及びB相の駆動信号をそれぞれ増幅して第1の駆動力発生部9aに印加するものである。駆動信号が印加された第1の駆動力発生部9aでは、A相及びB相の駆動信号の位相差と周波数に応じた表面波振動が発生する。
なお、図7に示した駆動信号生成部32a〜32cの構成は本出願人が発明したものであるが、発振回路41、位相制御回路42及び駆動回路43を単体で捉えた場合、各ブロックは周知慣用の技術である。つまり、周知のブロックを組み合わせて上述した本発明の機能を満たすものであればこの図7の例に限られない。例えば、本例では、発振回路41においてA相及びB相の駆動信号を生成する構成としたが、発振回路41では1相のみの駆動信号を生成して位相制御回路42で所定の位相差を持った2相の駆動信号を生成するようにしてもよい。
球面アクチュエータ1の構成の説明に戻る。
回転軸方向入力部33は、利用者の操作に応じた入力信号を生成して制御部31に入力するものであり、利用者はこの回転軸方向入力部33を操作することにより、撮像装置10が取り付けられた可動部材5の回転軸を所望の方向に設定することができる。
また、回転速度入力部34は、利用者の操作に応じた入力信号を生成して制御部31に入力するものであり、利用者はこの回転速度入力部34を操作することにより、撮像装置10が取り付けられた可動部材5を所望の回転速度に調整することができる。
これら回転軸方向入力部33及び回転速度入力部34には、例えばキースイッチやジョグダイアル等を用いることができる。
またさらに、撮像部2と表示部35が制御部31に接続されており、撮像部2で撮影された映像を制御部31で映像処理した後、表示部35に表示する。利用者は、表示部35に表示された映像を確認しながら回転軸方向入力部33及び回転速度入力部34を操作し、撮像部2の動作を制御して所望の映像を得ることができる。表示部35には、例えば液晶表示装置などを適用することができる。
なお、球面アクチュエータ1に図示しない回転センサを取り付け、回転センサの出力端を制御部31に接続して、可動部材5の回転を検出するようにしてもよい。例えば回転センサを発光素子(図示省略)と受光素子(図示省略)とで構成し、発光素子から射出されて、例えば可動部材5の上面に貼付された円環状の反射シール(図示省略)に反射した光が受光素子で受光されるように配置して、回転センサで可動部材5の回転速度に応じた周期のパルス信号を検出する。
また、図7に示した各ブロック間の駆動信号の通信手段としては、USB(Universal Serial Bus)やシリアルバスなど、種々の通信手段を用いることができる。さらに、回転軸方向入力部33、回転速度入力部34、制御部31、並びに3つの駆動信号生成部32a〜32cの間の通信は、無線により行う構成としてもよい。
また、駆動力発生部9の実際の振動を振動検出器(図示略)で検出し、検出した振動を示す信号とA相又はB相の駆動信号との位相差を計測するようにしてもよい。このようにした場合、位相差が所望の値となるように駆動信号の位相差(周波数は固定)、周波数(位相差は固定)を制御することで球面アクチュエータ1をより安定に制御することができる。
さらに、制御部31は、撮像部2が撮像した映像、回転センサが得た情報、並びに駆動信号と実際の振動の比較情報などを利用して、球面アクチュエータ1の回転軸の現在位置及び/又は回転速度を自動的に検出するようにしてもよい。この場合、制御部31が目標の回転軸の方向や回転速度を実現するための位相制御信号及び周波数制御信号を生成し、位相制御回路42及び発振回路41にそれぞれ入力する。
次に、図7の球面アクチュエータ1による制御方法の具体例を、図8のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1において、制御部31は、利用者から可動部材5に取り付けられた撮像装置10の回転軸の方向を指示されたかどうか、すなわち回転軸方向入力部33から入力信号が入力されたか否かを判定する。この処理が終了後、ステップS2へ進む。
ステップS2において、上記ステップS1の判定処理で回転軸の方向が指示されたと判定された場合、制御部31は、指示された回転軸の方向に応じて可動部材5の3つの駆動力発生部9a〜9cへ供給するA相及びB相の駆動信号の位相差を決定する。そして、その位相差の情報を位相制御信号に乗せて3つの駆動信号生成部32a〜32cのそれぞれの位相制御回路42へ供給する。この処理が終了後、ステップS3へ進む。
なお、上記位相差を決定する際、支持部材3の回転速度は無視して回転軸の生成のみに注目する。すなわち、例えば駆動力発生部9a,9b,9cに対する2相の印加電圧の位相差を10°、20°、30°ではなく、例えば30°、60°、90°のように設定する。その理由は、既述したとおり、2相の駆動信号の位相差が小さい(例えば20°以下)と、回転軸の方向を定めるのが困難だからである。そのため、3つの駆動力発生部9a,9b,9cのうちいずれか一つを大きな進行波を得られる例えば60°以上の位相差とする。このように、大きな位相差を用いることにより支持部材3の回転軸を安定して生成することができる。また、3つの駆動力発生部9a,9b,9cにおいて進行波成分の大きな表面波振動が発生するので、印加電圧を効率よく回転運動に変換できる。
ステップS3において、3つの駆動信号生成部32a〜32cの各位相制御回路42は、制御部31から入力されたそれぞれの位相制御信号に基づき、発振回路41から出力されたA相及びB相の駆動信号の位相差を、初期値から変更後の値に変更する。このとき、周波数は一定である。そして、位相差が変更されたA相とB相の駆動信号がそれぞれの駆動回路43へ出力される。位相制御回路42から出力された位相差が変更されたA相とB相の駆動信号が各駆動回路43で増幅され、それぞれ対応する駆動力発生部9a〜9cに供給される。各駆動回路43からの駆動信号が印加された3つの駆動力発生部9a〜9cでは、A相及びB相の駆動信号の変更後の位相差に基づいて表面波振動を発生し、支持部材3に表面波振動に応じた回転軸が生成(移動)される。この処理が終了後、ステップS4へ進む。
一方、ステップS4において、制御部31は、利用者から可動部材5に取り付けられた撮像装置10の回転速度を指示されたかどうか、すなわち回転速度入力部34から入力信号が入力されたか否かを判定する。この判定結果に応じて、ステップS5又はステップS6へ進む。
ステップS5において、上記ステップS4の判定処理で回転速度が指示されたと判定された場合、制御部31は、指示された回転速度に応じて可動部材5の3つの駆動力発生部9a〜9cへ供給するA相及びB相の駆動信号の周波数を決定する。この処理が終了後、ステップS7へ進む。
一方、ステップS6において、上記ステップS4の判定処理で回転速度が指示されていないと判定された場合、制御部31は、3つの駆動力発生部9a〜9cへ供給するA相及びB相の駆動信号の周波数を予め登録しておいた初期値に設定する。周波数の初期値の保存場所は、例えば制御部31(マイクロコンピュータ)の内部メモリなどの不揮発性の記憶手段などである。この処理が終了後、ステップS7へ進む。
そして、ステップS7において、上記各ステップで決定した周波数の情報を周波数制御信号に乗せて3つの駆動信号生成部32a〜32cのそれぞれの発振回路41へ供給する。このとき、位相差は一定である。この処理が終了後、ステップS8へ進む。
ステップS8において、3つの駆動信号生成部32a〜32cの各発振回路41は、制御部31から入力されたそれぞれの周波数制御信号に基づき、所定周波数のA相及びB相の駆動信号を生成し、そのA相とB相の駆動信号をそれぞれの位相制御回路42へ出力する。そして、各位相制御回路42でA相及びB相の駆動信号の位相差が適切な値に制御された後、各駆動回路43へ供給され、所定の増幅処理が行われて3つの駆動力発生部9a〜9cのそれぞれに供給される。3つの駆動力発生部9a〜9cでは、A相及びB相の駆動信号の変更後の周波数に基づいて表面波振動を発生し、固定された支持部材3に対して回動可能な可動部材5が表面波振動に応じた回動動作をする。この処理が終了後、一連の処理を終了する。また、再度、可動部材5に対する回動動作の指示がなされた場合、ステップS1〜ステップS8の処理を繰り返す。
なお、上記ステップS8において可動部材5を目標の回転速度へ調整するために重要な点は、各駆動力発生部9a〜9cに印加する駆動信号の周波数を同時にかつ一様に変化させることである。すなわち、3つの駆動力発生部9a〜9cの共振周波数が例えば30kHzであれば、周波数を一斉に30.5kHz、あるいは31kHzといったように変化させる。このように3つの駆動力発生部9a〜9cに印加する駆動信号の周波数を全て同様に変化させることで、3つの駆動力発生部9a〜9cの出力の比は変化しないで、大きさのみが変化する。
図9は、図6に示した第1の駆動力発生部9a、第2の駆動力発生部9b及び第3の駆動力発生部9cに与える駆動信号の周波数を当初の半分に変更した例を示している。第1の駆動力発生部9aによる角速度ベクトルω、第2の駆動力発生部9bによる角速度ベクトルω、第3の駆動力発生部9cによる角速度ベクトルωが、それぞれ半分の大きさの角速度ベクトルω′、ω′、ω′に変化し、結果として合成ベクトルω(=ω′+ω′+ω′)の向きはそのままで、その大きさが半分に変化している。このように、可動部材5の回転軸の方向(合成ベクトル)を変化させることなく回転速度を制御するためには、各駆動力発生部に与える駆動信号の周波数を同時にかつ一様に変化させることが肝要である。
本実施の形態に係る球面アクチュエータ1のように、略球状の支持部材3を位相差と周波数の2段階で制御することにより、固定された支持部材3に対して回動する可動部材5の回転軸も安定し、回転速度も滑らかに変化させることができる。つまり、低速回転でも、支持部材3の周囲を回動する可動部材5の回転軸の方向が正確に確保され、回転制御の精度が向上し、可動部材5を意図した方向に駆動できる。最初から周波数のみの変化で精度の高い回転軸の生成と回転速度の制御を実現しようとしても不安定である。位相差と周波数の2つの制御パラメータを使って初めて精度よく制御することができる。
図10は、位相差及び周波数により球面アクチュエータをY軸方向へ回転する場合における、共振周波数からの変位(ずれ量)[kHz]と回転速度[rpm]及び角度誤差[deg]との関係を示したグラフの一例である。
ここでは、第1の駆動力発生部9aに印加する2相の駆動信号の初期入力の位相差を0deg、第2の駆動力発生部9bに印加する2相の駆動信号の位相差を+60deg、第3の駆動力発生部9cに印加する2相の駆動信号の位相差を−60degとして固定する。そして、3つの駆動力発生部9a〜9cに印加する駆動信号の周波数を全て、共振周波数から同様にずらしていきデータを取得している。
図10に示すように、印加する2相の駆動信号の周波数を共振周波数からプラス側に所定周波数ずつ段階的に増加させると、周波数の増加に伴って回転速度が減少する。この例では、2[rpm]という超低速で駆動可能であり、このときの角度誤差は4[deg]以内で推移しほとんど変化しておらず、位相差のみの場合(図11参照)と比較するとその違いが歴然としている。本例から理解されるように、本発明の2段階制御によれば、低速回転で意図した方向に回転軸を移動させることができる。
なお、2相の駆動信号の周波数が共振周波数の近傍、特にマイナス側にある場合、駆動力発生部を構成する圧電素子の特性により回転速度が急速に落ち込んでいるとともに、角度誤差の変動が大きい。このことから、回転速度を変化させる場合には、共振周波数のプラス側の周波数帯を利用するのが望ましいと考えられる。なお、本例では、共振周波数のプラス側に、当該共振周波数上の測定点を含め9つの測定点が存在するが、周波数帯を所定数に分けて、例えば「高速」、「中速」、「低速」のように3段階で回転速度を調整できるようにしてもよい。
上述した制御部31で行われる一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。また、これらの処理を実行する機能はハードウェアとソフトウェアの組み合わせによっても実現できることは言うまでもない。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
また、本明細書において、プログラム記録媒体に格納されるプログラムを記述する処理ステップ(図8参照)は、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)をも含むものである。
また、プログラムは、一つのコンピュータにより処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであってもよい。
さらに、本発明は上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した実施の形態例では、2相の駆動信号の位相制御後に周波数制御を行い、周波数および位相差が調整された2相の駆動信号を3つの駆動力発生部へ供給するようにしたが、この逆でもよい。すなわち、2相の駆動信号の周波数制御後に位相制御を行い、周波数および位相差が調整された2相の駆動信号を3つの駆動力発生部へ供給するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態例では、略球状の支持部材3(ロータ)を中心に、駆動力発生部9a,9b,9c(ステータ)が取り付けられた可動部材5が多方向回りに回動する構成を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、略球状のロータの表面に接触してロータを回動自在に支持する複数のステータから構成され、被回動部材が取り付けられたロータが多方向に回動することにより被回動部材を多方向に回動させる構成にも適用できる。すなわち、ロータとステータのうち、いずれを固定し他方を回動させるかは相対的なものであり、複数のステータが略球状のロータに駆動力を与える構成は同じであるから、本発明は、曲面部を有するロータとこれの表面に接触する複数のステータを持つ全ての球面超音波モータに適用可能である。
また、上記した実施の形態例では、ステータとして駆動力発生部を3つ用いた例を説明したが、これに限定されるものではなく、ステータを4つ以上設けてもよい。
また、上述した実施の形態例では、被回動部材として撮像装置の撮像部を用いた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、略球状のロータに被回動部材としてレーザ装置を装着し、一定の低速度で患部を照射する医療ロボットへの適用が考えられる。また、半導体製造装置のように精密位置決め(低速回転)を必要とする装置への適用が考えられる。このように、本発明の球面アクチュエータ(球面アクチュエータの制御方法)は、その他各種の回動動作を行う装置に適用できるものである。
1…球面アクチュエータ、2…撮像部(被回動部材)、3…支持部材、4…固定部材、5…可動部材、7…台座部、7a…取付面、8a,8b,8c…アーム部、9a,9b,9c…駆動力発生部、10…撮像装置、14…開口孔、15…弾性部、21…固定部、22…支持体、23…接触片、24…圧電素子(振動素子)、31…制御部、32a,32b,32c…駆動信号生成部、33…回転軸方向入力部、34…回転速度入力部、41…発振回路、42…位相制御回路、43…駆動回路

Claims (8)

  1. 曲面部を有するロータと、
    所定の間隔を開けて配置されて前記ロータの表面に接触し、2相の駆動信号が供給されて超音波振動を発生する複数のステータと、
    前記複数のステータに対応して設けられ、入力された周波数制御信号に基づいて、所定周波数の2相の駆動信号を生成する複数の発振部と、
    前記複数のステータに対応して設けられ、入力された位相制御信号に基づいて、前記発振部から発振された前記2相の駆動信号の位相差を調整する複数の位相制御部と、
    前記2相の駆動信号の周波数を目標の周波数にするための周波数制御信号を前記発振部へ出力し、また前記2相の駆動信号の位相差を目標の位相差にするための位相制御信号を前記位相制御部に出力して位相差の調整を行わせる制御部と、
    を備え、
    前記複数の位相制御部の各々から周波数一定かつ目標の位相差に調整された2相の駆動信号を対応する各ステータに供給し、その後、前記複数の位相制御部の各々から位相差一定かつ目標の周波数に調整された2相の駆動信号を対応する各ステータに同時に供給する
    球面超音波モータ。
  2. 前記制御部は、前記2相の駆動信号が供給された前記複数のステータの各々で発生する超音波振動による角速度ベクトルの大きさの比が変更の前後で一定であるように、前記目標の周波数を決定する
    請求項1に記載の球面超音波モータ。
  3. 前記制御部は、前記複数のステータのうち少なくとも一つに供給する2相の駆動信号の位相差を90°に設定する
    請求項1又は2に記載の球面超音波モータ。
  4. 前記ロータの回転軸の方向を指示するための回転軸方向入力部と、
    前記ロータの回転速度を指示するための回転速度入力部と、更に備え、
    前記制御部は、前記回転軸方向入力部から指示された前記ロータの回転軸の方向に基づく位相制御信号を前記複数の位相制御部へ出力し、また前記回転速度入力部から指示された前記ロータの回転速度の方向に基づく周波数制御信号を前記複数の発振部へ出力する
    請求項1乃至3のいずれかに記載の球面超音波モータ。
  5. 前記ステータは3つである
    請求項1乃至4のいずれかに記載の球面超音波モータ。
  6. 前記ロータは、略球状に形成されている
    請求項1乃至5のいずれかに記載の球面超音波モータ。
  7. 球面超音波モータが備えるロータの目標の回転軸の方向に応じて、前記球面超音波モータが備える制御部が、前記ロータの表面に接触する複数のステータごとに供給すべき2相の駆動信号の位相差を決定して位相制御信号を生成する第1ステップと、
    前記ロータの目標の回転速度に応じて、前記制御部が、前記複数のステータごとに供給すべき2相の駆動信号の周波数を決定して周波数制御信号を生成する第2ステップと、
    第2ステップで生成された各周波数制御信号を、前記複数のステータに対応して設けられ前記2相の駆動信号を生成している複数の発振部の各々に入力し、各発振部において当該2相の駆動信号の周波数を調整して出力する第3ステップと、
    第1ステップで生成された各位相制御信号を、前記複数のステータに対応して設けられている複数の位相制御部の各々に入力し、各位相制御部において対応する発振部から出力された2相の駆動信号の位相差を調整して出力する第4ステップと、
    第3ステップ及び第4ステップにより前記複数の位相制御部の各々から周波数一定かつ目標の位相差に調整された2相の駆動信号を対応する各ステータに供給する第5ステップと、
    第5ステップの終了後、第3ステップ及び第4ステップにより前記複数の位相制御部の各々から位相差一定かつ目標の周波数に調整された2相の駆動信号を対応する各ステータに同時に供給する第6ステップと、
    を含む球面超音波モータの制御方法。
  8. 第2ステップにおいて、前記2相の駆動信号が供給された前記複数のステータの各々で発生する超音波振動による角速度ベクトルの大きさの比が変更の前後で一定であるように、前記目標の周波数を決定する
    請求項7に記載の球面超音波モータの制御方法。
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