JP4865354B2 - 振動型アクチュエータ - Google Patents

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本発明は、振動型アクチュエータに関し、特に、回転体が少なくとも2自由度の回転運動を行う振動型アクチュエータに関する。該振動型アクチュエータは、例えば監視装置やロボットの目等に搭載される画像入力機器をチルト方向およびパン方向に駆動するために用いられる。
従来、圧電振動を用いた多自由度のアクチュエータには、1つの振動体で複数の方向の力を発生し、この振動を切り替えることで回転体の回転方向を切り替えるようにした装置(例えば特許文献1参照)があった。また、複数の振動体で1つの回転体を回転させる装置(例えば、特許文献2参照)があった。
特開平11−220891号公報 特公平07−010191号公報
しかしながら、上記従来の振動型アクチュエータでは、振動体を基準にして回転体を回転させるため、回転体を基準にする回転体のローカル座標系において回転体を駆動するには不都合な点があった。すなわち、従来の振動型アクチュエータでは、回転体の向きに応じて振動体が発生する駆動力の方向を変える必要があった。そのため、制御が複雑になり、制御演算負荷の増大を招いていた。
例えば雲台のようなパン・チルト駆動(回転体の座標系での回転)を行う2軸の回転系では、チルト方向へ駆動する場合、パン方向の向きに合わせてチルト方向の振動ベクトルの向きを変更する必要があった。そのため、パン方向とチルト方向とを同時に回転させるには、力の方向を切り替えながら振動を制御したり、チルト方向の振動ベクトルの方向をパン方向の回転に連動して変更したりする必要があり、制御演算が複雑になるという問題があった。
なお、複数の振動体を用いてパン方向の回転とチルト方向の回転とを独立して駆動制御する方法もあるが、振動体の数が増えるため、振動型アクチュエータの小型化、低価格化には不利であった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、制御が簡単であって、制御演算負荷が軽減された振動型アクチュエータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明によれば、回転体が少なくとも2自由度の回転運動を行う振動型アクチュエータにおいて、前記回転体に設けられ、前記回転体の1つの回転方向に延伸した摩擦部材と、円弧部を備え、該円弧部の内側の端が前記回転体に対向するとともに、該内側の端の一部が前記摩擦部材に接触する振動体と、前記振動体に振動変位の方向が異なる複数の進行波を発生させ、前記回転体の回転方向を変更するために、前記複数の進行波の位相差を制御する振動制御手段とを有することを特徴とする振動型アクチュエータが提供される。
本発明における振動型アクチュエータは、回転体の他方(チルト方向)の回転運動を制御する際に、回転体の一方(パン方向)の回転位置に応じて振動体の振動方向を変更せずに回転させることができる。また、これによって、回転体のローカル座標系を基準としたパン方向およびチルト方向の回転駆動を、複雑な制御演算を行うこと無しに実行することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る多自由度振動型アクチュエータの構成を示す斜視図である。(A)は斜め前上方から見た図であり、(B)は斜め後側方から見た図である。
図1において、1はリング状の弾性体であり、支持部材(図示せず)を介して、後述する固定シャフト8に固定されている。弾性体1の形状は、図3および図6に示すような形状をしている。2は、弾性体1の下面に接着されるリング状の圧電素子である。圧電素子2は、不図示の駆動回路から交流電圧を印加されることで、弾性体1上に所望の振動を生成する。
3は、後述する画像入力部9を保持する球状の筐体であり、4は、筐体3の外周に帯状に設けられた摩擦部材である。摩擦部材4は、不図示の加圧機構によって弾性体1の内側上部に加圧接触しており、弾性体1に励起された振動によってこの加圧接触部に発生する摩擦力を筐体3に伝達している。摩擦部材4は、球状の筐体3において画像入力部9の配置位置の反対側に配置される。
5は、筐体3の側面に対向して設けられた円筒状の回転シャフトであり、この回転シャフト5内に、筐体3内部に設けられる電子回路を外部と接続するための不図示の接続ケーブルが挿入されている。回転シャフト5の中心軸は、球状の筐体3において画像入力部9および摩擦部材4の各中央部分が位置する平面に対して垂直であり、かつ球体の筐体3の中心を通過する構成となっている。6は、筐体3の側面に設けられた回転シャフト5を両端で支えるためのフレームであり、フレーム6にはベアリング7が設けられている。このベアリング7によって回転シャフト5が回転自在であり、したがって、筐体3が、ベアリング7を介してフレーム6にチルト方向(図2参照)に回転自在に支えられる。また、フレーム6は、不図示のベアリングを介して固定シャフト8に回転自在に支えられている。したがって、筐体3は、フレーム6を介して固定シャフト8(弾性体1)に対してパン方向(図2参照)に回転自在に支えられている。
8は、不図示の固定台に固定された円柱状の固定シャフトであり、固定シャフト8には、弾性体1が支持部材(図示せず)を介して固定されている。
9は、筐体3に設けられたロボット等の目を構成する画像入力部である。前述したように、筐体3が、回転シャフト5を中心軸にしてチルト方向に回転運動するとともに、回転シャフト5を支えるフレーム6が、固定シャフト8を中心軸にしてパン方向に回転運動することができる。これにより、画像入力部9も、パン、チルト方向に回転運動することができ、広い視野の画像入力が可能となっている。なお、画像入力部9にはCCD等の画像入力素子や光学結像素子(不図示)が含まれ、この画像入力素子は、光学結像素子のほぼ焦点位置に設けられ、この焦点位置は、上記パン、チルト方向の回転中心とほぼ一致するように構成されている。
図2は、図1に示す多自由度振動型アクチュエータの要部の構成を示す斜視図である。
ここで、筐体3、摩擦部材4、回転シャフト5、画像入力部9から成る部分を回転体10とし、また、弾性体1、圧電素子2から成る部分を振動体11とする。
回転体10をパン、チルト方向に独立して回転させるためには、回転体10を周方向に駆動する力と径方向に駆動する力とを振動体11に発生させる必要がある。これらの力を、振動体11上に励起する振動で発生させるには、振動体11に周方向の振動と径方向の振動とを個別に発生させる必要がある。本実施の形態では、弾性体1に面内5次および面外5次の撓み振動の進行波を形成し、これを独立して制御することで、回転体10をパン、チルト方向に独立して回転制御している。この原理について以下に詳述する。
図3は、圧電素子2に形成された複数の電極と、各電極の分極とを示す図である。
圧電素子2の電極は、内周側と外周側とに分かれると共に、各周とも20個の電極からなっている。そして、周上の電極は4つ(外周は2a,2b,2c,2d、内周は2e,2f,2g,2h)で振動波1波長分を生成する電極となっており、各周とも5波長分の振動波を生成する。また、各電極は、周上において1つ置きに接続され、外周側では、2相の駆動電圧Va,Vbが印加され、内周側では、2相の駆動電圧Vc,Vdが印加される。
ここで、弾性体1では、面内5次の振動モードの共振振動と面外5次の振動モードの共振振動とが生成され、回転体10を振動体11に加圧接触した状態で、各共振周波数がほぼ同じ周波数となるように設計されている。そして、圧電素子2の内外周の電極に印加する電圧を同相とすると、振動体11に面外曲げ振動が形成される。また、圧電素子2の内周の電極に印加する電圧と外周の電極に印加する電圧とを逆相とすると、振動体11に面内曲げ振動が形成される。そこで、圧電素子2の内外周の各2相の電極間に90°時間的に位相のずれた交流電圧を印加すると、振動体11に面内または面外の進行性振動波が形成される。また、内周または外周のみに交流電圧を印加すると、面内の振動と面外の振動とが同時に形成される。
図4および図5は、振動体11に励起される面内および面外の進行性振動波の進行方向と回転体10の回転方向との関係を示す図である。
図4および図5において、外周側の実線が面外5次進行性振動波の波形を示しており、点線で示した中立線に対して外側が、振動体11の上側(回転体10側)の振幅を表し、中立線の内側が、振動体11の下側(圧電素子2側)の振幅を表している。一方、内周側の実線は面内5次の進行性振動波の波形を示しており、点線で示した中立線に対して外側が、振動体11の外側の振幅を表し、中立線の内側が振動体11の内側の振幅を表している。また、面内および面外の進行性振動波は、反時計方向に振動体11の周上に沿って移動する。なお、図4と図5とでは回転体10の回転方向が逆である。これは、面内の進行性振動波の位相と面外の進行性振動波の位相とが異なることによっている。以下に、こうした振動体11での位相差と回転体10の回転方向との関係を説明する。
回転体10の回転方向を決めるのは、面外振動が摩擦部材4を介して回転体10に及ぶ際の面内および面外の楕円振動の各円周方向成分を合成して得られる振動の方向である。ここで図4および図5を参照すると、面内の楕円振動の円周方向成分が比較的小さいことがわかるが、これは、この楕円振動を生じている点が面内曲げ振動の中立面に近い、あるいは中立面に一致するためである。このように、面内の楕円振動の円周方向成分が比較的小さいため、面内曲げ振動が回転体10に及んでいる場合における面外楕円振動の円周方向成分の方向が、回転体10の回転方向をほとんど決めることになる。この面内曲げ振動が回転体10に及んでいる場合とは、振動体11の内側の上縁の一部が、回転体10の摩擦部材4に触れる場合である。すなわち図4および図5では、振動体11の内側の上縁の一部が回転体10の摩擦部材4に触れる場合とは、内周側の面内曲げ振動が内側に振れている場合である。
図4に示す関係において、面内曲げ振動が回転体10に及んでいる場合における面外曲げ振動は、振動体11の下側に振れているため、進行性振動波の進行方向と同方向に回転体10が回転する。一方、図5に示す関係では、面内曲げ振動が回転体10に及んでいる場合における面外曲げ振動は、振動体11の上側に振れているため、進行性振動波の進行方向と逆方向に回転体10が回転する。
このように、面内の進行性振動波を発生させつつ、面外の進行性振動波との位相差によって、回転体10の回転方向を切り替えることができ、これによって、回転体10の回転方向を高速に切り替えることが可能となる。また、所定以上の振幅をもった面内曲げ振動を常に発生させるようにし、これによって、振動振幅が小さい領域における不感帯(回転体10が回転しない領域)を小さくしている。また、面外曲げ振動の振幅を制御することで、極低速から安定して高トルクで駆動が可能となる。
すなわち、面内振動を常に発生させつつ面外振動の振幅を、極性を含めて制御すれば、回転体10のパン方向の回転運動を、回転方向を含めてスムーズに制御することができる。また、進行性振動波を振動体11の周上に形成するので、帯状の摩擦部材4が弾性体1の周上のどの位置に接触しても、回転体10をパン方向に回転させることができる。なお、回転体10のパン方向への回転範囲が360°よりも狭い範囲で済むのであれば、振動体11は必要な範囲において、摩擦部材4と接触する円弧状の部位が形成されていればよい。そして回転体10がパン方向に回転運動することによって、振動体11の摩擦部材4との接触位置が変化する。
上記説明では、面内曲げ振動による進行性振動波と面外曲げ振動による進行性振動波との位相関係が同相または逆相であったが、以下においては、それらの位相差が90°である場合について説明する。
図6は、面内曲げ振動による進行性振動波と面外曲げ振動による進行性振動波との位相差が90°である場合における振動体11の振動の様子を示す図である。
上述したように、回転体10と摩擦部材4とが接触する位置が面内曲げ振動の中立面に近い、あるいは中立面に一致するため、回転体10のパン方向における回転運動は、面外楕円振動の円周方向成分によってほぼ決まる。ここで、面外楕円振動において、振幅の上下方向の中間位置における点の移動方向には、振動体11の円周方向成分が含まれず、振動体11の径方向成分だけとなる。よって、このときに回転体10と摩擦部材4とが接触することによって、回転体10は振動体11の径方向、つまりチルト方向に回転する。この進行性振動波は、振動体11の円周上を、螺旋を描くように進行する進行性振動波であり、面内の進行性振動波と面外の進行性振動波との位相差が90°か−90°かによって螺旋の回転方向が反転する。この螺旋振動は振動体11上を進行しつつ螺旋運動しているので、回転体10の帯状の摩擦部材4が振動体11の円周上のどの位置で接しても、回転体10には振動体11の径方向に摩擦力を発生する。これによって、回転体10をチルト方向に回転させることができる。回転方向は、位相差を90°から−90°に、またはその反対に切り替えることによって制御することができる。また、進行性振動波の振幅を変化させることによって、チルト方向の回転速度も制御することができる。また、摩擦部材4が振動体11の1箇所でのみ振動体11と接触するため、回転体1をチルト方向に回転させる際には、振動体11の摩擦部材4と接触している部位における楕円振動の向きだけを考慮して制御すればよい。
以上のように、振動体11に生成される面内の進行性振動波と面外の進行性振動波との位相差を変化させることで、回転体10をパン方向およびチルト方向に自在に回転制御することができる。すなわち、面外の進行性振動波の振幅を利用して、パン・チルト方向を合成した回転速度ベクトルの大きさを制御しつつ、面内の進行性振動波と面外の進行性振動波との位相差で該回転速度ベクトルの方向を制御することができる。これを、図7を参照して説明する。
図7は、原点座標Oを中心としてパン方向をX座標、チルト方向をY座標で表した座標系を示す図である。
点P(x,y)は、回転体10上の画像入力部9の位置を表しており、ベクトルVは、回転体10上の画像入力部9の回転速度を表している。角度θは、X座標と平行な線分A−BとベクトルVとのなす角度を表しており、この角度θは、回転体10上の画像入力部9のパン方向の回転速度とチルト方向の回転速度との比によって決まる値である。
上記したように、ベクトルVの大きさは、上記進行性振動波の振幅によって制御可能であり、角度θは、面内の進行性振動波と面外の進行性振動波との間の位相差で制御可能である。したがって、本実施の形態によれば、パン方向およびチルト方向の独立した制御によって、X−Y座標上の任意の位置へ最短経路で回転体10上の画像入力部9を容易に移動させることができる。
図8は、図1に示す多自由度振動型アクチュエータの駆動制御装置の構成を示すブロック図である。
15はCPUであり、画像入力部9から映像信号を受け取り、また回転体10からパン方向角度およびチルト方向角度に関する情報を受け取る。そしてCPU15は、それらの情報と映像信号とに基づいて、回転体10上の画像入力部9が所定のターゲットに常時対向するように、回転体10の回転位置を制御する。すなわち、CPU15は、まず映像信号から所定のターゲットの画像上での位置を抽出する。そして、該ターゲット位置とパン方向角度およびチルト方向角度とに基づき、画像入力部9で得られる画像の中心に所定のターゲットの画像が常に位置するように、回転体10の回転位置を制御する。
具体的には、まずCPU15は、図7に示すパン、チルト座標系において所定のターゲットの位置(図7の点P)を算出する。そして、該算出されたターゲット位置が画像の中心に移動するように、振幅指令(ベクトルVの大きさ)および位相差指令(角度θ)を決定して振動制御部16に出力する。なお、画像入力部9を構成する光学系は、画像の拡大縮小やフォーカス調整を行う機能を備えており、こうした画像の拡大縮小やフォーカス調整が行われた場合には、所定のターゲットの位置を光学系の性能に応じて補正する必要がある。
振動制御部16は、振動体11に印加すべき4相の交流電圧Va、Vb、Vc、Vdの振幅および周波数を制御するとともに、これらの4相の交流電圧Va、Vb、Vc、Vdを振動体11に印加する。すなわち、振動制御部16には振動体11から振動検出信号Aおよび振動検出信号Bが送られる。振動検出信号Aは、振動体11の面内の振動の検出信号であり、振動検出信号Bは、振動体11の面外の振動の検出信号である。振動制御部16は、信CPU15から送られた振幅指令と、振動検出信号Aおよび振動検出信号Bの振幅とが一致するように、4相の交流電圧Va、Vb、Vc、Vdの振幅および周波数を決定する。また振動制御部16は、CPU15から送られた位相差指令と、振動検出信号Aおよび振動検出信号Bの相互間の位相差とが一致するように、交流電圧Va、Vbと交流電圧Vc、Vdとの間の位相差を決定する。
以上のようにして、第1の実施の形態における振動型アクチュエータでは、回転体10が少なくとも2自由度の回転運動を行い、この回転体10には、回転体10の1つの回転方向(チルト方向)に延伸した帯状の摩擦部材4が設けられる。また、振動型アクチュエータには、円環状をなした振動体11が設けられ、この振動体11の内側の端が回転体10に対向するとともに、該内側の端の一部が摩擦部材4に接触する。そして、回転体10が前記2自由度の回転運動のうちの一方(パン方向)の回転運動を行う際には、振動体11と摩擦部材4との間に生じる前記一方の回転運動のための駆動力の分布が振動体11上を移動するように制御される。一方、回転体10が前記2自由度の回転運動のうちの他方(チルト方向)の回転運動を行う際には、振動体11と摩擦部材4との間に生じる前記他方の回転運動のための駆動力の分布が振動体11上を移動しないように制御される。
これにより、回転体10の他方(チルト方向)の回転運動を制御する際に、回転体10の一方(パン方向)の回転位置に応じて振動体11の振動方向を変更せずに回転させることができる。また、これによって、回転体10のローカル座標系を基準としたパン方向およびチルト方向の回転駆動を、複雑な制御演算を行うこと無しに実行することが可能となる。
また、振動体11と回転体10との間の接触部を、円弧または円環状に形成したことで、回転体10の一方の回転運動に応じて、上記接触部の位置をスムーズに移動させることが可能となる。また、面内振動と面外振動とを合成することで、振動体11に円周方向と径方向との駆動力を発生させる、独立した振動制御が可能となる。
また、面内振動および面外振動を、振動体11上を周方向に進行する進行波とすることで、回転体10と振動体11との接触位置が振動体11の周方向のどこであっても安定した駆動力を発生することができる。ここで進行波の組み合わせの例として面内振動と面外振動の組み合わせを例にあげて説明を行ってきたが、振動変位の方向が異なる複数の進行波であれば、これに限定されるわけではない。例えば、面内振動の楕円振動を含む平面と、面外振動の楕円振動を含む平面とに対して、45°傾いた平面にて楕円振動を形成する進行波と、この平面に対して90°傾いた平面にて楕円振動を形成する進行波との組み合わせであってもよい。複数の進行波のうち、いずれかの進行波が回転体10を複数方向に駆動する作用を備え、別の進行波が回転体10と振動体11とが接触するタイミングを調整して回転体10の駆動方向を定める作用を備える構成であればよい。これら複数の進行波の位相差を制御することで、回転体10の2自由度の回転方向を制御することができる。
また、ローカル座標系基準で回転体10の回転を高速に制御可能なので、回転体10のローカル座標系での任意のパン方向およびチルト方向の角度軌跡を有する角度指令に対して回転体10の回転を高速、高精度に追従制御することが可能となる。
また、回転体10のローカル座標系で回転体10の回転を高速に制御可能であるので、画像から目標対象物の位置を検出する追跡によって、回転体10のローカル座標系基準で検出した目標対象物の位置を高速に追従制御することができる。
また、結像光学系のズームおよびフォーカス機構が動作することによる画像の拡大率に応じて、目標対象物の位置を補正することで、3次元的に運動する目標対象物を高速に追従制御することが可能となる。
また、振動体11に印加すれるべき交流電圧の振幅および周波数によって回転体10の移動速度を制御するとともに、上記交流電圧の位相を調整する。これによって、回転体10の移動方向を制御することで、簡単な回路構成で回転体10のローカル座標系でパン方向およびチルト方向の回転駆動を行うことが可能となる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
図9は、第2の実施の形態に係る多自由度振動型アクチュエータの要部の構成を示す斜視図である。なお、第2の実施の形態の構成は、基本的に第1の実施の形態の構成と同じであるので、図9では、第1の実施の形態の構成と同一部分には同一の参照符号を付す。そして、第2の実施の形態の説明では、第1の実施の形態の説明を流用して、異なる部分だけを説明する。
第1の実施の形態では、筐体3の表面に一定の厚みを持った摩擦部材4が設けられているが、第2の実施の形態では、無視できる程度の厚みを持った摩擦部材13が設けられる。この摩擦部材13の摩擦係数は筐体3の摩擦係数に比較して十分に大きく、筐体3のチルト方向の回転には、摩擦部材13に作用する駆動力が支配的に作用する。また、弾性体1の底面には円板12が設けられる。円板12の中心には固定シャフト8が、円板12の平面に対して垂直に固定される。なお、第1の実施の形態における支持部材がこの円板12であってもよい。
摩擦部材13の厚みは、無視できる程度の厚みであるため、摩擦部材13が弾性体1に接触することは勿論であるが、筐体3も弾性体1に接触する。そのため、第1の実施の形態では弾性体1上に筐体3を置くと不安定であったが、第2の実施の形態では、安定して置くことができる。
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
図10は、第3の実施の形態に係る多自由度振動型アクチュエータの要部の構成を示す斜視図である。なお、第3の実施の形態の構成は、基本的に第1の実施の形態の構成と同じであるので、図10では、第1の実施の形態の構成と同一部分には同一の参照符号を付す。そして、第3の実施の形態の説明では、第1の実施の形態の説明を流用して、異なる部分だけを説明する。
第3の実施の形態における画像入力部9aは、第1の実施の形態における画像入力部9と同一の機能を備えているが、筺体3から突出した構成であり、画像入力部9aの重心がチルト回転中心(球状の筺体3の中心)から大きく離れているものとする。摩擦部材14は、第1の実施の形態における摩擦部材4と同様に、所定の厚みを持ってチルト方向に延伸した構造である。また摩擦部材14は、画像入力部9aの突出構成に対応するために、チルト方向に沿ってその幅を変化させるようにしている。
すなわち、画像入力部9の重心がチルト回転中心(球状の筺体3の中心)から大きく離れ、かつ画像入力部9の重量が大きいと、回転体10を回転させるために必要な駆動力の大きさが、筺体3のチルト方向の回転位置に応じて変化する。画像入力部9の重心が、筺体3の中心を含む水平面に位置する場合に最も大きな駆動力が必要となり、筺体3がチルト方向に回転して、画像入力部9の重心が、筺体3の中心を含む垂直面に近づくにつれて必要とする駆動力が減少する。そこで、必要とする最大駆動力に基づいて、弾性体1と摩擦部材14との間の加圧力を決定することが考えられるが、そのように決定すると、それほど駆動力を必要としない回転角度領域で駆動力が無駄となってしまい、駆動効率が低下してしまう。
そこで、第3の実施の形態では、筺体3(回転体10)のチルト方向の回転位置に応じて、弾性体1と摩擦部材14との間の加圧力を変化させるようにして、駆動力が無駄となってしまうことを防止する。具体的には、摩擦部材14の厚さを変化させて加圧力を変化させつつ、摩擦材14の幅を加圧力に応じて変化させて面圧を所定値内にとどめることで、必要な駆動力と摩擦部材14に要求される耐久性能を満たす構成とした。つまり、画像入力部9の重心が、筺体3の中心を含む水平面に位置するときに弾性体1の内側の上縁に接触している摩擦部材14の第1の部分(摩擦部材14の幅)を最大にすると共に若干厚みを増加させる。また、画像入力部9の重心が、筺体3の中心を含む垂直面に位置するときに弾性体1の内側の上縁に接触している摩擦部材14の第2の部分(摩擦部材14の幅)を最小にする。そして、上記の第1の部分と第2の部分との間において摩擦部材14の幅と厚みを徐々に変化させる。
こうした摩擦部材14の構成により、摩擦部材14の幅が大きくなるほど、摩擦部材14と弾性体1との間の加圧力が増加する。したがって、画像入力部9の重心が、筺体3の中心を含む水平面に位置するときに該加圧力を最大にでき、筺体3がチルト方向に回転して、画像入力部9の重心が、筺体3の中心を含む垂直面に近づくにつれて加圧力を減少させることができる。
また、上記のように摩擦部材14を構成することにより、摩擦部材14と弾性体1との間の面圧が、筺体3のいずれのチルト方向回転位置においても一定になる。これによって、重力の影響で負荷トルクが増減する場合でも、摩擦損を最小に抑えることができ、摩擦部材14の耐久性が向上する。
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。
第4の実施の形態の構成は、基本的に第1の実施の形態の構成と同じであるので、第4の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態の構成と同一部分には同一の参照符号を付して、第1の実施の形態の説明を流用し、異なる部分だけを説明する。
図11は、第4の実施の形態におけるパン・チルト制御回路を示す回路図である。
このパン・チルト制御回路では、不図示の指令部から送られるパン方向角速度指令およびチルト方向角速度指令を受け取るとともに、回転体10のパン方向およびチルト方向の各角速度を振動ジャイロ等の角速度センサで検出するようにしている。そして、パン・チルト制御回路では、受け取ったパン方向角速度指令およびチルト方向角速度指令に対して、角速度センサで検出された回転体10のパン方向角速度およびチルト方向角速度が追従するように、交流電圧VA,VB,VC,VDを制御する。すなわち、交流電圧VA、VBと交流電圧VC、VDとの間の位相差および交流電圧VC,VDの振幅を制御する。
図11においてVA、VBは、振動体11の面内方向の振動を発生させるための交流電圧であり、VC、VDは、振動体11の面外方向の振動を発生させるための交流電圧である。17は交流電圧発生部であり、所定振幅をもち、90°位相のずれた2相の交流電圧VA、VBを発生する。また交流電圧発生部17には、弾性体1の面内方向の振動検出信号である振動検出信号Aが入力され、交流電圧発生部17は、振動検出信号Aが所定の振幅となるように交流電圧VA、VBの周波数を制御する。
次に、交流電圧VC、VDについて説明するが、まず、交流電圧VC、VDの振幅を制御するループについて説明する。
このループは、パン方向角速度およびチルト方向角速度を合成した角速度の大きさを制御するループであるが、実際には、不図示の指令部から送られた角速度指令を積分して角度に変換し、この角度を制御する構成となっている。
すなわち、パン方向およびチルト方向の角速度指令を積分部28、29がそれぞれ積分して角度指令に変換する。また、角速度センサで検出された回転体10のパン方向角速度およびチルト方向角速度もそれぞれ積分部30、31が積分して角度情報に変換する。そして、比較演算部18が、チルト方向の角度指令とチルト方向の角度情報とを比較してチルト方向の角度差を検出し、位置偏差演算部32へ出力する。また比較演算部19が、パン方向の角度指令とパン方向の角度情報とを比較してパン方向の角度差を検出し、位置偏差演算部32へ出力する。
位置偏差演算部32は、比較演算部18、19からのチルト方向およびパン方向の角度差を用いて二乗和の平方根を算出し、PID制御部20に出力する。この算出された値は、チルト方向およびパン方向の各角度差をX−Y座標で表した際の該各角度差の合成ベクトルの大きさを表す。
PID制御部20は、位置偏差演算部32からの出力値に応じて交流電圧VC、VDの振幅を制御する。すなわちPID制御部20は、各角度差の合成ベクトルの大きさが結果的に0になるように出力値を決定し、乗算部22、24に出力する。
移相回路36は、交流電圧発生部17から交流電圧VA、VBを受け取り、この交流電圧VA、VBに対して、後述のPID制御部21からの出力値に応じて移相を行い、乗算部22、24に出力する。
乗算部22、24は、位相をずらされた交流電圧VA、VBに対して、PID制御部20からの出力値を乗算することで、交流電圧VC、VDをそれぞれ生成して出力する。すなわち、交流電圧VC、VDの振幅が符号を含めて、上記各角度差の合成ベクトルの大きさが結果的に0になるように決定された出力値によって制御される。
次に、交流電圧VC、VDと交流電圧VA、VBとの位相差を制御するループについて説明する。このループは、パン方法およびチルト方向の角速度の比を制御するループである。
不図示の指令部からパン方向およびチルト方向の角速度指令が方向演算部34へ入力される。方向演算部34は、入力された各角速度指令に基づき、パン方向およびチルト方向の合成角度θを算出し、比較演算部33へ出力する。
一方、方向演算部35が、検出された実際のパン方向およびチルト方向の角速度から画像入力部9の移動方向を算出し、比較演算部33へ出力する。比較演算部33は、方向演算部34から送られた合成角度θと、方向演算部35から送られた移動方向との偏差を算出し、PID演算部21へ出力する。
PID演算部21は、比較演算部33からの出力値に応じて、交流電圧VC、VDと交流電圧VA、VBとの位相差を制御する。すなわちPID制御部21は、合成角度θと移動方向との偏差が結果的に0になるように出力値を決定し、移相回路36に出力する。
移相回路36は、交流電圧発生部17から送られた交流電圧VA、VBに対して、PID制御部21からの出力値に応じて、0°から90°の間で移相を行い、乗算部22、24に出力する。
以上のようにして、第4の実施の形態では、回転体10のパン方向およびチルト方向の各角速度を振動ジャイロ等の角速度センサで検出するようにしている。このように、第4の実施の形態では、回転体10の回転速度を非接触で検出することを可能にしている。
〔第5の実施の形態〕
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。
第5の実施の形態の構成は、基本的に第4の実施の形態の構成と同じであるので、第5の実施の形態の説明においては、第4の実施の形態の構成と同一部分には同一の参照符号を付して、第4の実施の形態の説明を流用し、異なる部分だけを説明する。
図12は、第5の実施の形態におけるパン・チルト制御回路を示す回路図である。
第5の実施の形態では、パン方向およびチルト方向の画像入力部9の移動角度を独立して検出するセンサを備えるものとする。
第4の実施の形態では、交流電圧VA、VBを基にして交流電圧VC、VDの振幅および位相差をそれぞれ独立して直接決定するようにしている。それに対して第5の実施の形態では、交流電圧VA、VBを基にして、それぞれ90°位相のずれた交流電圧VB、−VAを生成し、これらを用いて、下記式(1)〜(3)に基づいて決定される交流電圧VC、VDを生成する。
VC=α・VA+β・VB (1)
VD=α・VB−β・VA (2)
−1≦α,β≦1 (3)
ここでは、係数αの大きさでパン方向の回転体10の回転速度を制御し、係数βの大きさでチルト方向の回転体10の回転速度を制御するようにしている。すなわち、α≠0、β=0の場合、交流電圧VA、VBと交流電圧VC、VDとの位相差が0または180°となって回転体10はパン方向に回転する。また、α=0、β≠0の場合、交流電圧VA、VBと交流電圧VC、VDとの位相差が90°または−90°となって回転体10はチルト方向に回転する。またα≠0、β≠0の場合、回転体10はパン方向およびチルト方向へそれぞれ位相差に応じて回転する。
第5の実施の形態では、第4の実施の形態のように方向や位置偏差の大きさを計算することなく、パン方向およびチルト方向の単純な角度比較によって回転体1の回転を制御できるため、パン・チルト制御回路を簡単な構造で構成できる。
図12において比較演算部18、19は、不図示の指令部から送られたチルト方向角度指令およびパン方向角度指令と、回転体10のチルト方向角度およびパン方向角度とをそれぞれ比較演算する。そして、チルト方向角度偏差およびパン方向角度偏差をそれぞれ算出してPID制御部20,21へ出力する。
PID制御部20、21は、比較演算部18、19からそれぞれ送られたチルト方向角度偏差およびパン方向角度偏差に基づいて、上記係数α、βをそれぞれ決定する。すなわち、PID制御部20は、チルト方向角度偏差が結果的に0となるように係数αを決定する。具体的には、チルト方向角度偏差が大きいときは係数αの値も大きく設定し、交流電圧VC、VDに含まれる交流電圧VA、VBと同相成分の振幅を増加させてチルト方向の回転体10の回転速度を加速させる。また、PID制御部21は、パン方向角度偏差が結果的に0となるように係数βを決定する。具体的には、パン方向角度偏差が大きいときは係数βの値も大きく設定し、交流電圧VC、VDに含まれる交流電圧VA、VBと90°位相のずれた成分の振幅を増加させてパン方向の回転体10の回転速度を加速させる。
22、23、24、25は乗算部、26は加算部、27は減算部であり、上記式(1)、(2)の演算を実現する。
図13は、回転体10および振動体11の周囲を覆う透明な球殻を示す斜視図であり、図14は、画像入力部9に設けられる画像検出用のCMOSセンサを示す図である。これらの図を参照して、回転体10の回転角度を検出するための角度センサについて説明する。
図13において、回転体10および振動体11の周囲を覆う透明な球殻が、振動体11に固定されており、該球殻の中心が回転体10の回転中心と一致するように構成される。37は、この球殻表面に構成された経度および緯度を表す角度検出用の目盛りである。
回転体10上に配置された画像入力部9の光学系の焦点位置は、回転体10の回転中心と一致するように配置される。画像入力部9の光学系の焦点位置には、図14に示す画像検出用のCMOSセンサ38が設けられる。CMOSセンサ38上には、パン方向角度検出領域39とチルト方向角度検出領域40とが設けられる。画像入力部9には、目盛り37を結像するための専用光学系が設けられ、該専用光学系によってパン方向角度検出領域39とチルト方向角度検出領域40とに目盛り37の画像が結像される。これらのパン方向角度検出領域39およびチルト方向角度検出領域40に結像された目盛り37の画像の位置から、パン方向およびチルト方向の回転体10の回転角度位置を示す情報が抽出されるようになっている。
パン方向角度検出領域39およびチルト方向角度検出領域40以外のCMOSセンサ38上の領域には、球殻表面の目盛り37より外側に位置する被写体の画像を結像するための専用光学系によって画像が結像される。したがって、こうした領域においては、目盛り37の画像は殆どぼけてしまい、目盛り37より外側に位置する被写体の画像のみが結像される。
かくして、第5の実施の形態では、回転体10と振動体11との間の相対運動を容易に検出でき、振動型アクチュエータ全体が動いてもその影響を受けずに、振動体11に対する回転体10の回転角度を正確に制御することが可能となる。
また、画像入力部9で目盛り37の画像を検出することで、特別にセンサを追加すること無しに回転体10の回転位置を制御可能としている。
また、目盛り37の画像はX−Y座標系に格子状に投影されるように構成することで、回転体10のパン方向およびチルト方向の回転位置を正確に検出することができる。
なお、第5の実施の形態では、経度および緯度を表す目盛り37を用いて回転体10の回転角度を検出するようにしているが、こうした経度および緯度を表す目盛りではなくとも、目盛りパターンが変化しなければどのようなパターンであってよい。
また第5の実施の形態では、CMOSセンサ38上に設けられたパン方向角度検出領域39およびチルト方向角度検出領域40を用いて、パン方向およびチルト方向の回転体10の回転角度位置を検出するようにしている。これに代わって、こうした専用の検出領域を設けず、目盛り37よりも外側に位置する被写体の画像と目盛り37の画像とが重なった画像から、パン方向およびチルト方向の回転体10の回転角度位置を検出するようにしてもよい。その場合、画像相関等の手法を用いて目盛りパターンを抽出するようにする。なお、結像光学系の深度が十分深ければ、目盛り37とその外側に位置する被写体の画像を、1つの結像光学系によって結像させることができるので、光学系をコンパクトにまとめることができる。
また、第5の実施の形態における目盛り37上に、原点等の絶対位置を示す特定のパターンを設けるようにしてもよい。この特定のパターンを用いて画像相関方法を適用すれば、振動体11と回転体10との間の相対的な位置関係を容易に検出することができる。さらに、目盛り37上に特定のパターンを複数設け、回転体10の回転位置がどこにあっても、CMOSセンサ38上に必ず1つ以上の上記特定のパターンが結像されるようにしておけば、振動体11と回転体10との間の相対的な位置関係を常に容易に検出することが可能である。なお、上記複数の特定なパターンを整然と配置する方法や、同じ形状の複数の特定なパターンを不規則に配置する方法、また、これらの配置方法を組み合わせた方法などの適用が考えられる。そして、このような方法で得られた画像情報から回転体10の回転位置を特定する場合、1つの画像内に含まれる特定なパターンの数が多いほど、回転体10の回転位置の検出精度が向上することになる。
本発明の第1の実施の形態に係る多自由度振動型アクチュエータの構成を示す斜視図である。 図1に示す多自由度振動型アクチュエータの要部の構成を示す斜視図である。 圧電素子に形成された複数の電極と、各電極の分極とを示す図である。 振動体に励起される面内および面外の進行性振動波の進行方向と回転体の回転方向との第1の関係を示す図である。 振動体に励起される面内および面外の進行性振動波の進行方向と回転体の回転方向との第2の関係を示す図である。 面内曲げ振動による進行性振動波と面外曲げ振動による進行性振動波との位相差が90°である場合における振動体の振動の様子を示す図である。 原点座標Oを中心としてパン方向をX座標、チルト方向をY座標で表した座標系を示す図である。 図1に示す多自由度振動型アクチュエータの駆動制御装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態に係る多自由度振動型アクチュエータの要部の構成を示す斜視図である。 第3の実施の形態に係る多自由度振動型アクチュエータの要部の構成を示す斜視図である。 第4の実施の形態におけるパン・チルト制御回路を示す回路図である。 第5の実施の形態におけるパン・チルト制御回路を示す回路図である。 回転体および振動体の周囲を覆う透明な球殻を示す斜視図である。 画像入力部に設けられる画像検出用のCMOSセンサを示す図である。
符号の説明
1 弾性体
2 圧電素子
3 筐体
4 摩擦部材
5 回転シャフト
6 フレーム
7 ベアリング
8 固定シャフト
9 映像入力部
9a 映像入力部
10 回転体
11 振動体
13 摩擦部材
15 CPU
16 振動制御部(振動制御手段)
17 交流電圧発生部
18、19、33 比較演算部
20、21 PID制御部
22、23、24、25 乗算部
26 加算部
27 減算部
28、29、30、31 積分部
32 位置偏差演算部
34、35 方向演算部
36 移相回路
37 目盛り
38 CMOSセンサ

Claims (13)

  1. 回転体が少なくとも2自由度の回転運動を行う振動型アクチュエータにおいて、
    前記回転体に設けられ、前記回転体の1つの回転方向に延伸した摩擦部材と、
    円弧部を備え、該円弧部の内側の端が前記回転体に対向するとともに、該内側の端の一部が前記摩擦部材に接触する振動体と、
    前記振動体に振動変位の方向が異なる複数の進行波を発生させ、前記回転体の回転方向を変更するために、前記複数の進行波の位相差を制御する振動制御手段と
    を有することを特徴とする振動型アクチュエータ。
  2. 前記振動制御手段は、前記回転体が前記2自由度の回転運動のうちの一方の回転運動を行う際には、前記振動体と前記摩擦部材との間に生じる前記一方の回転運動のための駆動力の分布が前記振動体上を移動するように制御し、前記回転体が前記2自由度の回転運動のうちの他方の回転運動を行う際には、前記振動体と前記摩擦部材との間に生じる前記他方の回転運動のための駆動力の分布が前記振動体上を移動しないように制御することを特徴とする請求項1記載の振動型アクチュエータ。
  3. 前記振動制御手段は、前記振動体に面内振動および面外振動を発生させることを特徴とする請求項1記載の振動型アクチュエータ。
  4. 前記面内振動および面外振動は、前記振動体上を周方向に進行する進行波であることを特徴とする請求項3記載の振動型アクチュエータ。
  5. 前記振動体は、弾性体と、圧電素子とを含み、前記摩擦部材は、前記回転体の回転時に前記摩擦部材と前記弾性体との間の面圧が一定となるように、前記延伸方向に沿って幅が変化していることを特徴とする請求項1記載の振動型アクチュエータ。
  6. 前記振動体は、弾性体と、圧電素子とを含み、前記摩擦部材は、前記回転体の回転時に前記摩擦部材と前記弾性体との間の面圧が一定となるように、前記延伸方向に沿って厚さが変化していることを特徴とする請求項1記載の振動型アクチュエータ。
  7. 前記回転体が前記回転運動を行うことで、前記振動体の前記摩擦部材との接触位置が変化することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の振動型アクチュエータ。
  8. 前記振動制御手段は、
    前記2自由度の回転運動における各角度座標をX−Y座標平面に置き換えた座標系を指令座標系とし、前記回転体上の所定部分が前記指令座標系を単位時間に移動すべき距離を相対移動速度とし、該相対移動速度を指令する相対移動速度指令手段と、
    前記回転体上の前記所定部分が移動すべき方向が、前記指令座標系におけるX軸に対してなす角度を相対移動方向とし、該相対移動方向を指令する相対移動方向指令手段と、
    前記回転体上の前記所定部分の実際の相対移動速度を検出する実相対移動速度検出手段と、
    前記回転体上の前記所定部分の実際の相対移動方向を検出する実相対移動方向検出手段と、
    前記相対移動速度指令手段によって指令された相対移動速度と前記実相対移動速度検出手段によって検出された相対移動速度との差と、前記相対移動方向指令手段によって指令された相対移動方向と前記実相対移動方向検出手段によって検出された相対移動方向との差とに基づいて、前記振動体に印加すべき複数の交流電圧の振幅、周波数、および位相のうちの少なくとも1つを制御する交流電圧制御手段と
    を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の振動型アクチュエータ。
  9. 前記回転体の2自由度の回転運動における回転中心に焦点を有し、前記回転体と一体となって回転運動する結像光学系と、
    前記焦点位置に設けられ、前記結像光学系によって結像された画像を電気信号に変換する画像検出手段と、
    前記画像検出手段によって得られた電気信号を基に、前記回転体上の所定部分の位置を検出する位置検出手段とを更に有し、
    前記実相対移動速度検出手段および前記実相対移動方向検出手段は、前記位置検出手段によって時系列的に検出された前記回転体上の前記所定部分の各位置に基づき、前記実際の相対移動速度および相対移動方向をそれぞれ検出することを特徴とする請求項8記載の振動型アクチュエータ。
  10. 前記交流電圧制御手段は、前記振動体に印加すべき複数の交流電圧の振幅および周波数を調整することによって、前記回転体の相対移動速度を制御するとともに、前記複数の交流電圧の位相を調整することによって、前記回転体の相対移動方向を制御することを特徴とする請求項8記載の振動型アクチュエータ。
  11. 前記回転体の外側に前記振動体と一体に設けられた基準被写体と、
    前記回転体の回転中心に焦点を有し、前記回転体と一体となって回転運動する結像光学系と、
    前記焦点位置に設けられ、前記結像光学系によって結像された画像を電気信号に変換する画像検出手段と、
    前記画像検出手段によって得られた電気信号を基に、前記基準被写体の位置を検出する位置検出手段とを更に有し、
    前記振動制御手段は、
    前記2自由度の回転運動における各角度座標をX−Y座標平面に置き換えた座標系を指令座標系とし、前記基準被写体が前記指令座標系を単位時間に移動すべき距離を相対移動速度とし、該相対移動速度を指令する相対移動速度指令手段と、
    記基準被写体が移動すべき方向が、前記指令座標系におけるX軸に対してなす角度を相対移動方向とし、該相対移動方向を指令する相対移動方向指令手段と、
    記基準被写体の実際の相対移動速度を検出する実相対移動速度検出手段と、
    記基準被写体の実際の相対移動方向を検出する実相対移動方向検出手段と、
    前記相対移動速度指令手段によって指令された相対移動速度と前記実相対移動速度検出手段によって検出された相対移動速度との差と、前記相対移動方向指令手段によって指令された相対移動方向と前記実相対移動方向検出手段によって検出された相対移動方向との差とに基づいて、前記振動体に印加すべき複数の交流電圧の振幅、周波数、および位相のうちの少なくとも1つを制御する交流電圧制御手段と
    を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の振動型アクチュエータ。
  12. 記基準被写体は、前記回転体の経度方向および緯度方向に延びた複数の線状体であり、
    前記画像検出手段によって検出される画像は、前記X−Y座標平面に展開される格子状の画像であることを特徴とする請求項11記載の振動型アクチュエータ。
  13. 記基準被写体は、複数の絶対位置検出用パターンであることを特徴とする請求項11記載の振動型アクチュエータ。
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