以下に、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。なお、以下の説明では、特定の方向を意味する用語(例えば、「上」、「下」、「左」、「右」、およびそれらを含む他の用語、「時計回り方向」、「反時計回り方向」)を使用するが、それらの使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明は限定的に解釈されるべきものでない。また、以下に説明する画像形成装置1及び現像装置34では、同一又は類似の構成部分には同一の符号を用いている。
図1乃至5を参照しながら、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1及び当該装置に使用される現像装置34について説明する。
〔画像形成装置〕
図1は、本発明に係る電子写真式画像形成装置1の画像形成に関連する部分を示す。画像形成装置1は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、およびそれらの機能を複合的に備えた複合機のいずれであってもよい。画像形成装置1は、静電潜像坦持体である感光体12を有する。実施形態において、感光体12は円筒体で構成されているが、本発明はそのような形態に限定されるものでなく、代わりに無端ベルト式の感光体も使用可能である。感光体12は、図示しないモータに駆動連結されており、モータの駆動に基づいて矢印方向に回転するようにしてある。感光体12の周囲には、感光体12の回転方向に沿って、帯電装置26、露光装置28、現像装置34、転写装置36、およびクリーニング装置40がそれぞれ配置されている。
帯電装置26は、感光体12の外周面である感光体層を所定の電位に帯電する。実施形態では、帯電装置26は円筒形状のローラとして表されているが、これに代えて他の形態の帯電装置(例えば、回転型又は固定型のブラシ式帯電装置、ワイヤ放電式帯電装置)も使用できる。感光体12の近傍又は感光体12から離れた場所に配置された露光装置28は、帯電された感光体12の外周面に向けて、画像光30を出射する。露光装置28を通過した感光体12の外周面には、画像光30が投射されて電位の減衰した部分とほぼ帯電電位を維持する部分とからなる静電潜像が形成される。実施形態では、電位の減衰した部分が静電潜像画像部、ほぼ帯電電位を維持する部分が静電潜像非画像部である。現像装置34は、後述する現像槽内現像剤3を用いて静電潜像を可視像化する。現像装置34の詳細は後に説明する。転写装置36は、感光体12の外周面に形成された可視像を紙やフィルムなどの用紙38に転写する。図1に示した実施形態では、転写装置36は円筒形状のローラとして図示されているが、他の形態の転写装置(例えば、ワイヤ放電式転写装置)も使用できる。クリーニング装置40は、転写装置36で用紙38に転写されることなく感光体12の外周面に残留する未転写トナーを感光体12の外周面から回収する。実施形態では、クリーニング装置40は板状のブレードとして図示されているが、代わりに他の形態のクリーニング装置(例えば、回転型又は固定型のブラシ式クリーニング装置)も使用できる。
このような構成を備えた画像形成装置1が画像を形成するとき、感光体12はモータ(図示せず)の駆動に基づいて例えば反時計周り方向に回転する。このとき、帯電装置26を通過する感光体12の外周部分は、帯電装置26で所定の電位に帯電される。帯電された感光体12の外周部分は、露光装置28で画像光30が露光されて静電潜像が形成される。静電潜像は、感光体12の回転と共に現像装置34のところまで搬送され、現像装置34によって可視像化される。可視像化されたトナー像は、感光体12の回転と共に転写装置36のところまで搬送され、転写装置36により用紙38に転写される。トナー像が転写された用紙38は定着装置20のところまで搬送され、用紙38にトナー像が固定される。転写装置36を通過した感光体12の外周部分はクリーニング装置40のところまで搬送され、用紙38に転写されることなく感光体12の外周面に残存するトナーが感光体12から掻き取られる。
〔現像装置〕
現像装置34は、非磁性トナー(以下、単にトナーという。)及び磁性キャリア(以下、単にキャリアという。)を含む2成分現像剤と、種々の部材を収容する現像槽66と、を備えている。現像槽66は感光体12に向けて開放された開口部を備えており、この開口部の近傍に形成された空間に現像ローラ48が設けられている。現像剤担持体としての現像ローラ48は、円筒状の部材であり、感光体12と平行に且つ感光体12の外周面と所定の現像ギャップを介して、回転可能に枢支されている。
現像ローラ48は、回転不能に固定された磁石体48aと、磁石体48aの周囲を回転可能に支持された円筒状のスリーブ48b(第一の回転円筒体)と、を有するいわゆるマグネットローラである。現像ローラ48のスリーブ48bの上方には、現像槽66に固定され、現像ローラ48のスリーブ48bの中心軸と平行に延在する規制板62が、所定の規制ギャップを介して対向配置されている。現像ローラ48の内側にある磁石体48aは、スリーブ48bの回転方向に沿って、N1、S2、N3、N2、S1という5個の磁極を有する。これらの磁極のうち、主磁極N1は、感光体12と対向するように配置されている。スリーブ48bの上の現像剤を剥離させるための反発磁界を発生させる同極のN2及びN3は、現像槽66の内部に対向配置されている。現像ローラ48のスリーブ48bは、感光体1の回転方向と逆向きに(カウンタ方向に)回転する。
図2は、現像装置34を上から見た模式的断面図である。図2に示すように、現像ローラ48の背後には、現像剤攪拌搬送室67が形成されている。現像剤攪拌搬送室67は、現像ローラ48の近傍に形成された第二搬送路70と現像ローラ48から離れた第一搬送路68と、第一搬送路68及び第二搬送路70を間仕切る隔壁76と、を有する。第一搬送路68の搬送方向の上流側の上方には、現像剤補給タンク80が配設されていて、補給口82を介して第一搬送路68と連通している。現像剤補給タンク80には、トナーを主成分としてキャリアを含有する補給用現像剤2が充填されている。補給用現像剤2のキャリア比は、好ましくは5乃至40重量%であり、より好ましくは10乃至30重量%である。また、第二搬送路70の搬送方向の下流側の下方には、現像剤回収タンク90が配設されていて、回収口92を介して第二搬送路70と連通している。
現像剤補給タンク80の底部には、制御部100によって駆動制御される現像剤供給ローラが配置されている。現像剤供給ローラが回転駆動されることによって、その駆動時間に応じた量の新規の補給用現像剤2が、流下して現像槽66の第一搬送路68に供給される。
第一搬送路68には、現像槽内現像剤3を攪拌しながら搬送する攪拌部材である第一スクリュー72が回転可能に枢支されている。第二搬送路70には、第一搬送路68からの現像槽内現像剤3を攪拌しながら現像ローラ48に搬送する第二スクリュー74が回転可能に枢支されている。この場合、第一搬送路68と第二搬送路70との両端部に位置する隔壁76の上部が切り欠かれることによって連絡通路が形成されている。第一搬送路68の搬送方向の下流側端部に到達した現像槽内現像剤3が連絡通路を介して第二搬送路70へ送り込まれ、第二搬送路70の搬送方向の下流側端部に到達した現像槽内現像剤3が連絡通路を介して第一搬送路68に送り込まれる。その結果、図2の矢印方向にしたがって、現像槽内現像剤3が現像剤攪拌搬送室内を循環する。
第一スクリュー72及び第二スクリュー74は、シャフトに所定のピッチで螺旋状の羽根が固定されたスパイラルスクリューである。図4は、現像装置34の一部分を横から見た模式的断面図であり、図2の右端部に対応している。図4に示すように、第二スクリュー74は、図中の右側に延在して、回収口92の上まで延在している。第二スクリュー74は、第二搬送路70から第一搬送路68に向かう連絡通路及び第一搬送路68の下流側側端部に対応する位置において、スパイラルスクリューの螺旋の向きが他の部分とは逆向きに構成されている逆羽根部77を有する。第二スクリュー74の羽根のピッチは、搬送方向の下流側端部(図2の右端部)において他の部分に比べて小さくなっている。その結果、第二スクリュー74が回転すると、第二スクリュー74の搬送方向の下流側端部(右端部)での現像槽内現像剤3の高さが他の部分に比べて高くなる。すなわち、第二搬送路70の搬送方向の下流側端部(右端部)において、現像槽内現像剤3の盛り上がりが形成される。
ここで、現像装置34は、いわゆるトリクル方式を採用したものであるから、余剰の現像槽内現像剤3を流出させるための流出口75を有している。すなわち、第二搬送路70の搬送方向の下流側端部(右端部)に位置する側壁の上部が部分的に切り欠かれた切欠75を設けることによって、流出口75が形成されている。第二スクリュー74によって搬送される現像剤は、通常の状態では逆羽根部77によってせき止められることにより、図2及び4の実線矢印のように、第二搬送路70から第一搬送路68へと搬送される。現像槽内における現像槽内現像剤3が増えて現像槽内の液面が上昇すると、逆羽根部77のせき止め作用に抗して側壁の上部に設けられた流出口75を現像槽内現像剤3が乗り越えて、隣接する回収室に溢出する。回収室に溢出した余剰の現像槽内現像剤3は、図4の点線矢印に従って回収口92まで搬送され、回収口92を介して現像剤回収タンク90に回収(廃棄)される。
図2に示すように、現像剤攪拌搬送室67には、現像剤攪拌搬送室67内でのトナー濃度を検出するトナー濃度検出センサ78が設けられている。トナー濃度検出センサ78は、例えば、コイルのインダクタンスの変化から、現像剤攪拌搬送室67内を搬送される現像槽内現像剤3の透磁率を検出する。トナー濃度検出センサ78により検出された透磁率から、現像槽内現像剤3に対するトナーの比率が求められる。例えば、現像槽内現像剤3に含まれるキャリア量が少ない場合は、トナー比率が高いと検出される。一方、現像槽内現像剤3に含まれるキャリア量が多い場合は、トナー比率が低いと検出される。そして、このトナー濃度検出センサ78から出力された電圧信号は、制御部100に入力され、この検出信号に基づいて、必要な補給量が算出されるとともに、現像剤補給タンク80の現像剤補給ローラが駆動され、所定量の補給用現像剤2が現像槽66内に補給される。
現像装置34において、印字動作により、循環している現像槽内現像剤3のトナー濃度が低下すると、トナーと少量のキャリアとを含有する補給用現像剤2が現像剤補給タンク80から補給される。補給用現像剤2は、トナーとキャリアとが一体的な形態で、あるいはトナーとキャリアとが別々の形態で供給される。補給された補給用現像剤2は、すでに存在する現像槽内現像剤3と混合・攪拌されながら、上記現像剤攪拌搬送室67の第一搬送路68及び第二搬送路70に沿って搬送される。基本的には、トナーは感光体12で消費されるのに対して、キャリアは現像装置34内に蓄積されるが、キャリアの帯電性能は次第に低下する。補給用現像剤2にはトナーよりも嵩高いキャリアが少量含まれているので、補給用現像剤2の補給に伴って、現像装置34内での現像槽内現像剤3の量が徐々に増加する。そして、嵩の増えた現像槽内現像剤3が現像剤攪拌搬送室67を循環する。現像剤攪拌搬送室67を循環しきれない余剰の現像槽内現像剤3は、逆羽根部77を乗り越えて、第二搬送路70の搬送方向の下流側端部(右端部)に設けられた流出口75から流出して、回収口92を介して現像剤回収タンク90に回収される。
図5に示すように、現像剤攪拌搬送室67内には、現像剤量検出手段を構成する液面レベル検出センサ112が設けられている。液面レベル検出センサ112は、例えば、赤外線LED等の発光素子112aと、発光素子112aからの光線112cを受光する受光素子112bと、から構成されている。そして、発光素子112aからの光線112cが現像槽内現像剤3で遮光されたことを受光素子112cが検出することによって、現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が所定レベルになっていることが検出される。
現像剤攪拌搬送室67を構成する第一搬送路68及び第二搬送路70は、図1のように同じ高さに配置されたり、図5のように異なった高さに配置されたりして、様々な構成をとることができる。このような液面レベル検出センサ112は、現像槽66内の高さ方向の上位位置に配設される。
上記液面レベル検出センサ112の代わりに、第一スクリュー72と第二スクリュー74(攪拌部材)及び/又は現像ローラ48(現像剤担持体)を回転駆動する現像剤撹拌軸(駆動体)のトルクを検出するトルク検出センサ79を用いることができる。
第一スクリュー72と第二スクリュー74(攪拌部材)及び/又は現像ローラ48(現像剤担持体)を回転駆動する現像剤撹拌軸は、図示しない駆動モータにより駆動される。駆動モータと現像剤撹拌軸とは、現像剤量検出手段を構成するトルク検出センサ79を介してカップリングにより結合している。トルク検出センサ79の検出結果に基づき現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が判断される。例えば、現像剤撹拌軸に関するトルクの検出は現像剤撹拌軸を5回転させ、その間の10msec間隔で20回トルク検出センサ79の出力を検出し、その平均値を現像剤撹拌軸トルクTとする。このとき、現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が高くなると、現像槽内現像剤3を撹拌する際の抵抗が大きくなり、現像剤撹拌軸トルクTが大きくなる。したがって、現像剤撹拌軸トルクTが増大したとき、現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が高くなったと考えることができる。
現像剤撹拌軸トルクTは、現像槽内現像剤3のトナー濃度の大小によっても変動する。上述したように、トナー濃度検出センサ78により現像剤攪拌搬送室67内の現像槽内現像剤3のトナー濃度が検出されている。また、各トナー濃度に関しての、現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)と現像剤撹拌軸の基準トルクTrefとの間の相関関係を実験的に関連づけたトルク/液面レベル変換テーブルが後述するROM104に記憶されている。そこで、トナー濃度検出センサ78により得られた現像槽内現像剤3のトナー濃度と、トルク検出センサ79により得られた現像剤撹拌軸トルクTとから、現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が算出される。
補給用現像剤2の補給量は、トナー濃度検出センサ78によって検出された現像槽内現像剤3のトナー濃度と、画像形成時の画像情報(ドットカウンタ)と、現像剤補給タンク80内での補給用現像剤2に対するキャリア比と、に基づいて決定される。現像剤補給タンク80内での補給用現像剤2に対するキャリア比は、現像装置34内でのキャリアの劣化を抑制するとともに、コストアップを招かない程度に調整される。トナーの補給動作に伴って、キャリアが少しずつ供給される。
図3は、画像形成装置1の現像装置34に係る制御ブロック図を示している。
制御手段としての制御部100は、CPU(Central Processing Unit)102、ROM(Read Only Memory)104、RAM(Random Access Memory)106等から構成される。ROM104内に格納されている各種処理プログラムやテーブルに従って、CPU102は画像形成装置1での各種動作を集中的に制御する。ROM104には、例えば、トナー濃度検出センサ78で検出された電圧から現像槽内現像剤3のトナー濃度に変換・算出するためのトナー濃度算出テーブルや、現実の現像槽内現像剤3のトナー濃度と基準トナー濃度との間の差異から補給すべき現像剤量を算出するための現像剤補給用テーブルや、上述したトルク/液面レベル変換テーブルが格納されている。RAM106は、制御部100により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成している。
CPU102には、現像装置34や現像剤補給タンク80やカウンタ108や、現像剤量検出手段を構成する液面レベル検出センサ112やトルク検出センサ79が接続されている。現像装置34を構成する現像剤攪拌部材72,74、トナー濃度検出センサ78、現像ローラ48、及びトルク検出センサ79の動作が、制御部100のCPU102によって制御される。そして、トナー濃度検出センサ78で検出された現像槽内現像剤3のトナー濃度や、画像形成時の画像情報や、現像剤補給タンク80内での補給用現像剤2に対するキャリア比や、トルク検出センサ79で検出された現像剤撹拌軸トルクT等は、RAM106に一時的に記憶されている。
〔現像剤〕
2成分現像剤は、トナーと、トナーを帯電させるためのキャリアと、を含んでいる。本発明においては、画像形成装置1において従来から一般的に使用されている公知のトナーが使用可能である。トナーの粒径は、例えば約3乃至15μmである。バインダー樹脂中に着色剤を含有させたトナーや、荷電制御剤や離型剤を含有するトナーや、表面に添加剤を保持するトナーも使用可能である。
トナーは、例えば、粉砕法、乳化重合法、懸濁重合法等の公知の方法で製造される。
トナーに使用されるバインダー樹脂は、限定的ではないが、例えば、スチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、ポリエステル樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、またはそれらの樹脂を任意に混ぜ合わせたものである。バインダー樹脂は、軟化温度が約80乃至160℃の範囲であり、ガラス転移点が約50乃至75℃の範囲であることが好ましい。
着色剤は、公知の材料、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、活性炭、マグネタイト、ベンジンイエロー、パーマネントイエロー、ナフトールイエロー、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ウルトラマリンブルー、ローズベンガル、レーキーレッド等を用いることができる。着色剤の添加量は、一般に、バインダー樹脂100重量部に対して、2乃至20重量部であることが好ましい。
荷電制御剤は、従来から荷電制御剤として知られている材料が使用できる。具体的に、正極性に帯電するトナーには、例えばニグロシン系染料、4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン樹脂が荷電制御剤として使用できる。負極性に帯電するトナーには、Cr、Co、Al、Fe等の金属含有アゾ系染料、サリチル酸金属化合物、アルキルサリチル酸金属化合物、カーリックスアレーン化合物が荷電制御剤として使用できる。荷電制御剤は、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1乃至10重量部の割合で用いることが好ましい。
離型剤は、従来から離型剤として使用されている公知のものを使用できる。離型剤の材料には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、カルナバワックス、サゾールワックス、又はそれらを適宜組み合わせた混合物が用いられる。離型剤は、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1乃至10重量部の割合で用いることが好ましい。
さらに、現像剤の流動化を促進する流動化剤を添加してもよい。流動化剤には、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機微粒子や、アクリル樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂微粒子が使用できる。特にシランカップリング剤、チタンカップリング剤、およびシリコンオイル等で疎水化した材料を用いるのが好ましい。流動化剤は、トナー100重量部に対して、0.1乃至5重量部の割合で添加することが好ましい。これら添加剤の個数平均一次粒径は、9乃至100nmであることが好ましい。
キャリアは、従来から一般に使用されている公知のキャリアを使用できる。バインダー型キャリアやコート型キャリアのいずれを用いてもよい。キャリア粒径は、限定的ではないが、約15乃至100μmであることが好ましい。
バインダー型キャリアは、磁性体微粒子をバインダー樹脂中に分散させたものであり、表面に正極性または負極性に帯電する微粒子又はコーティング層を有するものが使用できる。バインダー型キャリアの極性等の帯電特性は、バインダー樹脂の材質、帯電性微粒子、表面コーティング層の種類によって制御できる。
バインダー型キャリアに用いられるバインダー樹脂としては、ポリスチレン系樹脂に代表されるビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂等の硬化性樹脂が例示される。
バインダー型キャリアの磁性体微粒子としては、マグネタイト、ガンマ酸化鉄等のスピネルフェライト、鉄以外の金属(Mn、Ni、Mg、Cu等)を一種または二種以上含有するスピネルフェライト、バリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライト、表面に酸化層を有する鉄や合金の粒子を用いることができる。キャリアの形状は、粒状、球状、針状のいずれであってもよい。特に高磁化を要する場合には、鉄系の強磁性微粒子を用いることが好ましい。化学的な安定性を考慮すると、マグネタイト、ガンマ酸化鉄を含むスピネルフェライトやバリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライトの強磁性微粒子を用いることが好ましい。強磁性微粒子の種類及び含有量を適宜選択することにより、所望の磁化を有する磁性樹脂キャリアを得ることができる。磁性体微粒子は磁性樹脂キャリア中に50乃至90重量%の量で添加することが適切である。
バインダー型キャリアの表面コート材としては、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂等が用いられる。これらの樹脂をキャリア表面にコートし硬化させてコート層を形成することにより、キャリアの電荷付与能力を向上できる。
バインダー型キャリアの表面への帯電性微粒子あるいは導電性微粒子の固着は、例えば、磁性樹脂キャリアと微粒子とを均一混合し、磁性樹脂キャリアの表面にこれら微粒子を付着させた後、機械的・熱的な衝撃力を与えることにより微粒子を磁性樹脂キャリア中に打ち込むことで行われる。この場合、微粒子は、磁性樹脂キャリア中に完全に埋設されるのではなく、その一部が磁性樹脂キャリア表面から突出するように固定される。帯電性微粒子には、有機、無機の絶縁性材料が用いられる。具体的に、有機系の絶縁性材料としては、ポリスチレン、スチレン系共重合物、アクリル樹脂、各種アクリル共重合物、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂およびこれらの架橋物などの有機絶縁性微粒子がある。電荷付与能力および帯電極性は、帯電性微粒子の素材、重合触媒、表面処理等に調整できる。無機系の絶縁性材料としては、シリカ、二酸化チタン等の負極性に帯電する無機微粒子や、チタン酸ストロンチウム、アルミナ等の正極性に帯電する無機微粒子が用いられる。
コート型キャリアは、磁性体からなるキャリアコア粒子を樹脂で被覆したキャリアであり、バインダー型キャリア同様に、キャリア表面に正極性または負極性に帯電する帯電性微粒子を固着することができる。コート型キャリアの極性等の帯電特性は、表面コーティング層の種類や帯電性微粒子の選択により調整できる。コーティング樹脂は、バインダー型キャリアのバインダー樹脂と同様の樹脂が使用可能である。
現像槽内現像剤3のトナー及びキャリアの混合比は、所望のトナー帯電量が得られるように調整される。現像槽内現像剤3のトナー比は、トナー及びキャリアの合計量に対して、好ましくは3乃至20重量%であり、より好ましくは4乃至15重量%である。また、現像剤補給タンク80に充填されている補給用現像剤2は、トナー及び少量のキャリアを含有したものであり、補給用現像剤2のキャリア比は、好ましくは1乃至50重量%であり、より好ましくは5乃至30重量%である。
このように構成された現像装置34の動作を説明する。
画像形成時、図示しないモータの駆動に基づいて、現像ローラ48のスリーブ48bは矢印方向(反時計回り)に回転する。第一スクリュー72の回転及び第二スクリュー74の回転により、現像剤攪拌搬送室67に存する現像槽内現像剤3は、第一搬送路68と第二搬送路70とを循環搬送されながら、攪拌される。その結果、現像剤に含まれるトナーとキャリアとが摩擦接触し、互いに逆の極性に帯電される。実施形態では、キャリアは正極性、トナーは負極性に帯電されるものとする。本発明に用いるトナー及びキャリアの帯電性は、このような組み合わせに限定されるものでない。キャリアの外形寸法は、トナーに比べて相当大きい。そのため、正極性に帯電したキャリアの周囲に、負極性に帯電したトナーが、主として両者の電気的な吸引力に基づいて付着している。
帯電された現像槽内現像剤3は、第二スクリュー74によって第二搬送路70に搬送される過程で現像ローラ48に供給される。この現像剤は、現像ローラ48内部の磁石体48aの磁力によってスリーブ48bの表面側に保持され、スリーブ48bと共に反時計周り方向に回転移動して、現像ローラ48に対向して設けられた規制板62で通過量を規制された後、感光体12と対向する現像領域へと搬送される。そして、現像領域において、磁石体48aの主磁極N1の磁力によって穂立ち(磁気ブラシ)が形成される。現像領域では、感光体12上の静電潜像と現像バイアスの印加された現像ローラ48との間に形成された電界(直流に交流が重畳された電界)がトナーに与える力により、トナーが感光体12上の静電潜像側へと移動して、この静電潜像が顕像へと現像される。現像領域でトナーを消費した現像剤は、現像槽66に向けて搬送され、現像槽66の第二搬送路70に対向して設けられた磁石体48aのN3,N2の反発磁界によって現像ローラ48上から剥離され、現像槽66内へと回収される。回収された現像剤は、第二搬送路70を搬送されている現像槽内現像剤3と混合される。
このような画像形成によって現像槽内現像剤3の中からトナーが強制消費されると、消費された量に見合う量のトナーが現像槽内現像剤3に補給されることが好ましい。したがって、トナーと少量のキャリアとを含む補給用現像剤2の補給量は、現像槽66内のトナーの強制消費量よりも多いことが好ましい。現像装置34は、現像剤攪拌搬送室67に存する現像槽内現像剤3に対するトナーの比を測定するトナー濃度検出センサ78を備えている。また、第一搬送路68の上方には現像剤補給タンク80が設けてある。
本発明における画像形成には、大別すると、現像後に紙出力を伴う一般の画像形成と、現像後に紙出力を行わないいわゆるパッチ画像形成と、がある。パッチ画像形成とは、画像データに基づいて露光装置28の画像光30を照射状態/非照射状態に切り替えるのではなく、露光装置28の画像光30を所定光量で照射状態を続けることにより感光体12上にベタ状態の静電潜像を形成することを意味している。ベタ状態の静電潜像を現像することによりトナーを感光体12上に強制的に付着させ、強制的に付着させたトナーを用紙38に転写することなくクリーニング装置40で回収することによりトナーが強制的に消費される。トナーの強制消費動作のために一般の画像形成を行うと、用紙38を無駄に消費してしまうので、本発明においては、トナーの強制消費動作のために、パッチ画像形成が用いられる。さらに、トナーの強制消費動作の際に、一回のパッチ画像形成によってできるだけ多くのトナーを消費させるために、パッチ画像形成は、感光体12のできるだけ広い領域に画像光30が照射されるものであることが好適である。
次に、第一実施形態に係る現像装置34の動作を、図6及び7を参照しながら説明する。
図6は、本発明の第一実施形態に係る現像装置34の補給動作のメインフローチャートを示している。図7は、第一実施形態に係る第一のトナー強制消費モードのフローチャートを示している。なお、第一実施形態に係る第一のトナー強制消費モードに関する理解を助けるために、以下のような具体的な数値を提示しながら説明するが、当該数値によって本実施形態が限定されるものではなく、単なる一例として提示した数値に過ぎない。
トリクル方式の現像装置34において貯蔵される現像槽内現像剤3の基準トナー濃度は7重量%であり、その量は約250gである。一回のパッチ画像形成によって消費されるトナー量は、約0.5gである。補給用現像剤2のキャリア比は、15重量%である。一回の補給用現像剤2の補給量は、約0.6gであり、トナー量に換算すれば約0.5gである。
図6は、図示しない全体制御(メインルーチン)のうちの現像装置34の補給制御(液面制御)に関するサブルーチンを示している。なお、当該サブルーチンに移行する前提として、トナー濃度検出センサ78の測定精度や、トナー濃度検出センサ78周辺での現像槽内現像剤3の充填状態や、画像形成装置の周囲環境の変動の理由により、トナー濃度検出センサ78によって検出された現状のトナー濃度が、例えば9重量%であり、基準トナー濃度(7重量%)よりも高い状態になっている。また、トナー濃度検出センサ78により、現状の現像槽内現像剤3のトナー濃度が適宜モニターされている。
ステップS102において、現像剤量検出手段としての液面検出センサ112によって、現像槽66内での現像槽内現像剤3の量、すなわち液面レベル(嵩レベル)が検出される。ステップS110において、現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が所定レベルになっているか否かが判別される。現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が所定レベルになっている場合、YESの方が選択されて、当該サブルーチンが終了してメインルーチンに戻る。
ステップS110において、現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が所定レベルになっていない場合、NOの方が選択されて、ステップS120の第一のトナー強制消費モードに移行する。
図7は、図6の現像装置34の補給制御(液面制御)に関するサブルーチンのうちの第一のトナー強制消費モードに関するサブルーチンを示している。ステップS202において、トナーの強制消費動作のために、現像後に紙出力を行わないパッチ画像形成が行われる。このパッチ画像形成は、一回のパッチ画像形成によってできるだけ多くのトナーを消費させるために、大略全面に画像が形成されるベタ状態である。一回のパッチ画像形成によって、約0.5gのトナーが消費される。
ステップS204において、トナー濃度検出センサ78によって検出された現状の現像槽内現像剤3のトナー濃度と、画像形成時の画像情報(ドットカウンタ)と、現像剤補給タンク80内での補給用現像剤2に対するキャリア比と、に基づいて、補給用現像剤2の補給量が算出される。そして、ステップS206において、補給用現像剤2が算出された量(約0.6g)で補給されたあと、ステップS208において、液面検出センサ112によって、現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が検出される。ステップS210において、現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が所定レベルになっているか否かが判別される。現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が所定レベルになっている場合、YESの方が選択されて、当該サブルーチンが終了してメインルーチンに戻る。
ステップS210において、現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が所定レベルになっていない場合、NOの方が選択されて、ステップS202のパッチ画像形成に戻る。
上記ステップS202乃至ステップS210のルーチンが繰り返し行われるが、その間に、パッチ画像形成(すなわち現像後に紙出力を行わないで、トナーを強制的に多く消費すること)及び現像槽内現像剤3の補給動作が繰り返し行われる。パッチ画像形成を繰り返し行うことにより、現像槽内現像剤3のトナー濃度が低下して、基準トナー濃度(7.0重量%)に近づくようになる。それとともに、補給用現像剤2の補給が繰り返し行われることにより、現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が回復する。
そして、最終的に、ステップ210において、現像剤攪拌搬送室67内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が所定レベルになったと判別されたとき、第一の強制トナー消費モードに関するサブルーチンが終了して、図6の現像装置34の補給制御(液面制御)に関するサブルーチンに戻る。
上述したような第一の強制トナー消費モードを行うことにより、例えば9重量%という高濃度の状態にあった現像槽内現像剤3の現トナー濃度が基準トナー濃度(7重量%)に近づくとともに、現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が所定レベルまで回復していた。そして、このような第一の強制トナー消費モードを有する画像形成装置1で一般の画像形成を行った結果、スクリュームラ等の画像欠損が発生することは無く、第一の補給制御修正モードの効果が確認された。
次に、第二実施形態に係る現像装置34の動作を、図8及び9を参照しながら説明する。
図8は、本発明の第二実施形態に係る現像装置34の補給動作のメインフローチャートを示している。図9は、第二実施形態に係る第二のトナー強制消費モードのフローチャートを示している。なお、第二実施形態に係る第二のトナー強制消費モードに関する理解を助けるために、以下のような具体的な数値を提示しながら説明するが、当該数値によって本実施形態が限定されるものではなく、単なる一例として提示した数値に過ぎない。
トリクル方式の現像装置34において貯蔵される現像槽内現像剤3の基準トナー濃度は7重量%であり、その量は約250gである。一回のパッチ画像形成によって消費されるトナー量は、約0.5gである。補給用現像剤2のキャリア比は、15重量%である。一回の補給用現像剤2の補給量は、約0.6gであり、トナー量に換算すれば約0.5gである。
図8は、図示しない全体制御(メインルーチン)のうちの現像装置34の補給制御(液面制御)に関するサブルーチンを示している。なお、当該サブルーチンに移行する前提として、トナー濃度検出センサ78の測定精度や、トナー濃度検出センサ78周辺での現像槽内現像剤3の充填状態や、画像形成装置の周囲環境の変動の理由により、トナー濃度検出センサ78によって検出された現状のトナー濃度が、例えば9重量%であり、基準トナー濃度(7重量%)よりも高い状態になっている。また、トナー濃度検出センサ78により、現状の現像槽内現像剤3のトナー濃度が適宜モニターされている。
ステップS302において、現像剤量検出手段としてのトルク検出センサ79によって、現像装置34の第一スクリュー72と第二スクリュー74(攪拌部材)及び/又は現像ローラ48(現像剤担持体)を回転駆動する現像剤撹拌軸(駆動体)のトルクTが検出される。ステップS304において、トルク検出センサ79により得られた現像剤撹拌軸トルクTと、トナー濃度検出センサ78により得られた現像槽内現像剤3のトナー濃度と、から、現像槽66内での現像槽内現像剤3の量、すなわち液面レベル(嵩レベル)が算出される。ステップS310において、現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が所定レベルになっているか否かが判別される。現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が所定レベルになっている場合、YESの方が選択されて、当該サブルーチンが終了してメインルーチンに戻る。
ステップS310において、現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が所定レベルになっていない場合、NOの方が選択されて、ステップS312の第二のトナー強制消費モードに移行する。
図9は、図8の現像装置34の補給制御(液面制御)に関するサブルーチンのうちの第一のトナー強制消費モードに関するサブルーチンを示している。ステップS402において、トナーの強制消費動作のために、現像後に紙出力を行わないパッチ画像形成が行われる。このパッチ画像形成は、一回のパッチ画像形成によってできるだけ多くのトナーを消費させるために、大略全面に画像が形成されるベタ状態である。一回のパッチ画像形成によって、約0.5gのトナーが消費される。
ステップS404において、トナー濃度検出センサ78によって検出された現状の現像槽内現像剤3のトナー濃度と、画像形成時の画像情報(ドットカウンタ)と、現像剤補給タンク80内での補給用現像剤2に対するキャリア比と、に基づいて、補給用現像剤2の補給量が算出される。そして、ステップS406において、補給用現像剤2が算出された量(約0.6g)で補給されたあと、ステップS407において、トルク検出センサ79によって、現像装置34の第一スクリュー72と第二スクリュー74(攪拌部材)及び/又は現像ローラ48(現像剤担持体)を回転駆動する現像剤撹拌軸のトルクTが検出される。ステップS408において、トルク検出センサ79により得られた現像剤撹拌軸トルクTと、トナー濃度検出センサ78により得られた現像槽内現像剤3のトナー濃度と、から、現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が算出される。ステップS410において、現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が所定レベルになっているか否かが判別される。現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が所定レベルになっている場合、YESの方が選択されて、当該サブルーチンが終了してメインルーチンに戻る。
ステップS410において、現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が所定レベルになっていない場合、NOの方が選択されて、ステップS402のパッチ画像形成に戻る。
上記ステップS402乃至ステップS410のルーチンが繰り返し行われるが、その間に、パッチ画像形成(すなわち現像後に紙出力を行わないで、トナーを強制的に多く消費すること)及び現像槽内現像剤3の補給動作が繰り返し行われる。パッチ画像形成を繰り返し行うことにより、現像槽内現像剤3のトナー濃度が低下して、基準トナー濃度(7.0重量%)に近づくようになる。それとともに、補給用現像剤2の補給が繰り返し行われることにより、現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が回復する。
そして、最終的に、ステップ410において、現像剤攪拌搬送室67内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が所定レベルになったと判別されたとき、第二の強制トナー消費モードに関するサブルーチンが終了して、図8の現像装置34の補給制御(液面制御)に関するサブルーチンに戻る。
上述したような第二の強制トナー消費モードを行うことにより、例えば9重量%という高濃度の状態にあった現像槽内現像剤3の現トナー濃度が基準トナー濃度(7重量%)に近づくとともに、現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が所定レベルまで回復していた。そして、このような第二の強制トナー消費モードを有する画像形成装置1で一般の画像形成を行った結果、スクリュームラ等の画像欠損が発生することは無く、第二の補給制御修正モードの効果が確認された。
次に、第三実施形態に係る現像装置34の動作を、図10及び11を参照しながら説明する。
図10は、本発明の第三実施形態に係る現像装置34の補給動作のメインフローチャートを示している。図11は、第三実施形態に係る強制消費及び強制補給モードのフローチャートを示している。なお、第三実施形態に係る強制消費及び強制補給モードに関する理解を助けるために、以下のような具体的な数値を提示しながら説明するが、当該数値によって本実施形態が限定されるものではなく、単なる一例として提示した数値に過ぎない。
トリクル方式の現像装置34において貯蔵される現像槽内現像剤3の基準トナー濃度は7重量%であり、その量は約250gである。一回のパッチ画像形成によって消費されるトナー量は、約0.5gである。補給用現像剤2のキャリア比は、15重量%である。一回の補給用現像剤2の補給量は、約0.6gであり、トナー量に換算すれば約0.5gである。
図10は、図示しない全体制御(メインルーチン)のうちの現像装置34の補給制御(液面制御)に関するサブルーチンを示している。なお、当該サブルーチンに移行する前提として、トナー濃度検出センサ78の測定精度や、トナー濃度検出センサ78周辺での現像槽内現像剤3の充填状態や、画像形成装置の周囲環境の変動の理由により、トナー濃度検出センサ78によって検出された現状のトナー濃度が、例えば9重量%であり、基準トナー濃度(7重量%)よりも高い状態になっている。また、トナー濃度検出センサ78により、現像槽内現像剤3の現トナー濃度が適宜モニターされている。
ステップS512において、トナー濃度検出センサ78によって、現像剤攪拌搬送室67に存する現像槽内現像剤3の現トナー濃度に関する電圧信号が出力される。ステップS514において、出力された電圧信号は、制御部100で現トナー濃度の値に変換・算出される。ステップS520において、現トナー濃度が基準トナー濃度(7重量%)よりも低いか否かが判別される。現トナー濃度が基準トナー濃度(7重量%)よりも低いと判別された場合、ステップS522において、トナー濃度検出センサ78によって検出された現トナー濃度と、画像形成時の画像情報(ドットカウンタ)と、現像剤補給タンク80内での補給用現像剤2に対するキャリア比と、に基づいて、補給用現像剤2の補給量が算出される。そして、ステップS524において、所定量の補給用現像剤2が補給されたあと、ステップS512のトナー濃度検出に戻る。
ステップS520において、現トナー濃度が基準トナー濃度以上であると判別された場合、ステップS530において、現トナー濃度が基準トナー濃度(7重量%)+修正値(0.5重量%)=7.5重量%よりも低いか否かが判別される。現トナー濃度が7.5重量%よりも低いと判別された場合、当該サブルーチンが終了してメインルーチンに戻る。トナー濃度検出センサ78の測定精度や、トナー濃度検出センサ78周辺での現像槽内現像剤3の充填状態や、画像形成装置の周囲環境の変動によって、現トナー濃度が基準トナー濃度(7重量%)+修正値(0.5重量%)=7.5重量%以上であると判別された場合、例えば現トナー濃度が9重量%であると判別された場合、現像槽66内における現像槽内現像剤3の液面レベルが今後低下するであろうと予測される。その場合、ステップS540において、トナーの強制消費及び補給現像剤の強制補給モード(すなわち強制動作モード)に移行する。
図11は、図10の現像装置34の補給制御(現像剤量予測制御)に関するサブルーチンのうちのトナーの強制消費及び補給現像剤の強制補給モード(すなわち強制動作モード)に関するサブルーチンを示している。ステップS602において、トナーの強制消費動作のために、現像後に紙出力を行わないパッチ画像形成が行われる。このパッチ画像形成は、一回のパッチ画像形成によってできるだけ多くのトナーを消費させるために、大略全面に画像が形成されるベタ状態である。一回のパッチ画像形成によって、約0.5gのトナーが消費される。
ステップS606において、一定量(約0.6g)の補給用現像剤2が補給されたあと、ステップS610において、制御部100のCPU102によって、トナーの強制消費及び補給現像剤の強制補給が所定の回数(例えば5回)繰り返されているかが判別される。繰り返しの回数が所定の回数(例えば5回)になっている場合、YESの方が選択されて、当該サブルーチンが終了してメインルーチンに戻る。
ステップS610において、トナーの強制消費及び補給現像剤の強制補給の回数が所定回数に至っていない場合、NOの方が選択されて、ステップS602のパッチ画像形成に戻る。
上記ステップS602乃至ステップS610のルーチンが繰り返し行われるが、その間に、パッチ画像形成(すなわち現像後に紙出力を行わないで、トナーを強制的に多く消費すること)及び現像槽内現像剤3の補給動作が繰り返し行われる。パッチ画像形成を繰り返し行うことにより、現像槽内現像剤3のトナー濃度が低下して、基準トナー濃度(7.0重量%)に近づくようになる。それとともに、補給用現像剤2の補給に伴って嵩高いキャリアも補給されるために、現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が回復する。
そして、最終的に、ステップ610において、トナーの強制消費及び補給現像剤の強制補給の繰り返し回数が所定回数になったと判別されたとき、トナーの強制消費及び補給現像剤の強制補給モード(すなわち強制動作モード)に関するサブルーチンが終了して、図10の現像装置34の補給制御に関するサブルーチンに戻る。
上述したようなトナーの強制消費及び補給現像剤の強制補給モード(すなわち強制動作モード)を行うことにより、例えば9重量%という高濃度の状態にあった現像槽内現像剤3の現トナー濃度が基準トナー濃度(7重量%)に近づくとともに、現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベル(嵩レベル)が所定レベルまで回復していた。そして、このようなトナーの強制消費及び補給現像剤の強制補給モード(すなわち強制動作モード)を有する画像形成装置1で一般の画像形成を行った結果、スクリュームラ等の画像欠損が発生することは無く、トナーの強制消費及び補給現像剤の強制補給モード(すなわち強制動作モード)の効果が確認された。
なお、上記各実施形態においては、具体的な数値を用いながら説明したが、当該数値によって本願発明が限定されるものではなく、特許請求の範囲及び均等物によって画定される範囲を逸脱しない範囲で本願発明を様々に変形させることができる。
上述した第一実施形態及び第二実施形態においては、液面レベル検出センサ112やトルク検出センサ79という何らかの現像剤量検出手段を設けることにより現像槽内の現像剤が所定量あるか否かを検出しているが、現像槽内の現像剤が所定量あるか否かを検出することができるのであれば、他の方法でもよいことは言うまでもない。
また、上述した第一実施形態及び第二実施形態において、現トナー濃度や画像形成時の画像情報(ドットカウンタ)に基づいて補給量を算出しているが、補給量を算出することなく一定量を補給するように構成することもできる。
また、上述した第三実施形態に係るトナーの強制消費及び補給現像剤の強制補給モード(すなわち強制動作モード)は、第一実施形態及び第二実施形態において既に説明した、現像槽66内での現像槽内現像剤3の液面レベルを検出するモードと組み合わせて実施することも可能である。