JP2009063850A - 現像装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】現像剤補給タンク内でのトナー濃度の変動に応じて、二成分現像剤を用いたトリクル方式の現像装置への適正なトナー補給を行うことによって、長期にわたって良好な画像形成を行うことのできる現像装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像槽内現像剤を現像槽内で搬送しながら攪拌する攪拌部材と、現像槽内現像剤を静電潜像担持体へ供給する現像剤担持体と、を備える現像装置であって、トリクル式の排出機構と、補給用現像剤を現像槽へ補給する現像剤補給タンクと、現像剤補給タンク内トナー濃度検出センサと、記憶手段及び判断手段を有する制御手段と、を備えてなり、現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量の絶対値が所定の現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量を越えている場合には、記憶手段に記憶されている現像剤補給タンク内基準トナー濃度を現像剤補給タンク内トナー濃度に置き換える。
【選択図】図4

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる現像装置、及び当該現像装置を用いた画像形成装置に関する。本発明は、特に、新規現像剤を少しずつ供給するとともに劣化現像剤を少しずつ排出するというトリクル方式の現像装置、及び当該現像装置を用いた画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置に用いられる現像方式として、現像剤の主成分としてトナーを用いる一成分現像方式と、現像剤の主成分としてトナー及びキャリアを用いる二成分現像方式と、が知られている。
トナー及びキャリアを用いた二成分現像方式は、トナーとキャリアとを摩擦接触させることによって両者を所定の極性に荷電させるため、一成分現像剤を用いた一成分現像方式よりも、トナーの受けるストレスが少ないという特徴を有している。キャリアの表面積はトナーよりも大きいことから、トナーがキャリア表面に付着することによってキャリアが汚れることも少ない。しかし、長期間の使用により、キャリア表面に付着した汚れ(スペント)が増加し、そのためにトナーを帯電する能力が次第に低下する。その結果、かぶりやトナー飛散の問題が発生する。二成分現像装置の長寿命化を図るために、現像装置に収容するキャリアの量を増やすことも考えられるが、これは現像装置の大型化を招くために望ましくない。
二成分現像剤に係る上記問題を解消するため、特許文献1には、新規現像剤を少しずつ現像装置内に補給するとともに、帯電性能の低下した劣化現像剤を少しずつ現像装置から排出することによって、劣化キャリアの増加を抑制するというトリクル方式の現像装置が開示されている。この現像装置は、現像剤の嵩変動を利用して、余剰となった劣化現像剤を排出して現像装置内の現像剤の嵩レベルを大略一定に保つ構成である。このトリクル方式の現像装置によれば、現像装置内の劣化キャリアが少しずつ新規キャリアに置換され、現像装置内のキャリアの帯電性能を大略一定に保つことが可能となる。
また、特許文献2及び3には、検出された現像装置内トナー濃度と、現像装置内の環境状態あるいは画像形成の動作回数と応じて、現像剤補給タンクから現像装置に補給される現像剤の量を適正量に補正する技術が開示されている。
特開昭59−100471号公報 特開2004−157185号公報 特開2004−157186号公報
特許文献1に示されたトリクル方式の現像装置では、現像装置内での現像剤が常に規定量を維持するように、現像剤の補給と排出とが同時並行的に行われている。また、特許文献2及び3の現像剤補給方法では、適正量の現像剤を現像剤補給タンクから現像装置に補給することが行われている。いずれの場合も、現像装置への現像剤の補給は、現像装置の上方に配設された現像剤補給タンクを介して行われるが、現像剤補給タンク内に含まれる補給現像剤の内容成分は、常に一定に保たれているのではなく、以下に説明する理由により経時的に変化している。
現像剤補給タンクに含まれた二成分現像剤は、充填当初においては、規定の基準トナー濃度でトナー及びキャリアが均一に分散された状態で提供される。しかしながら、画像形成装置を移送させたり稼働させたりする際には、その際に生じる振動によって現像剤補給タンク内において現像剤が流動することが起こっている。すなわち、トナー及びキャリアが現像剤補給タンク内で流動すると、お互いの粒子径や質量等の粉体特性が異なっていることに起因して、均一に分散されていたトナー及びキャリアがトナーリッチ層とキャリアリッチ層とに分離する粉体分離現象(いわゆる偏析現象)が起こる。その結果、現像剤補給タンク内の現像剤は、均一な分散状態から次第に不均一な分散状態になってしまう。このような不均一な分散状態は、現像剤補給タンクの鉛直下部分がトナーリッチ状態になる(逆に言えば、現像剤補給タンクの鉛直上部分がキャリアリッチ状態になる)場合や現像剤補給タンクの鉛直下部分がキャリアリッチ状態になる(逆に言えば、現像剤補給タンクの鉛直上部分がトナーリッチ状態になる)場合の両方が起こりうるが、いずれの場合においても、現像剤補給タンク内での現実のトナー濃度が規定の基準トナー濃度からずれていることを意味している。
特許文献2及び3の現像剤補給方法においては、現像剤補給タンクから現像装置への現像剤の補給は、現像剤補給タンク内トナー濃度が規定の基準トナー濃度として常に一定値に保たれていることを前提として、補給現像剤の量を増減するという補給現像剤の量的管理に基づいて行われている。しかしながら、現実の現像剤補給タンク内では、補給用現像剤のトナー濃度が経時的に変動していることから、補給用現像剤のトナー濃度が基準トナー濃度として常に一定値に保たれていることを前提として現像剤の補給を行うことは適切ではない。したがって、従来の現像装置では、本来必要とされるトナー補給量とは異なった量のトナーが補給されてしまい、好ましくない画像形成が起こってしまう。すなわち、適正なトナー量よりも多めのトナーが補給され続けた場合にはトナー飛散やかぶりが起こり、適正なトナー量よりも少なめのトナーが補給され続けた場合には画像濃度が薄くなることが起こるという問題がある。
したがって、本発明の解決すべき技術的課題は、現像剤補給タンク内でのトナー濃度の変動に応じて、二成分現像剤を用いたトリクル方式の現像装置への適正なトナー補給を行うことによって、長期にわたって良好な画像形成を行うことのできる現像装置及び画像形成装置を提供することである。
課題を解決するための手段および作用・効果
前記技術的課題を解決するために、本発明によれば、
トナー及びキャリアを含む現像槽内現像剤を現像槽内で搬送しながら攪拌する攪拌部材と、該攪拌部材に隣接配置され攪拌された現像槽内現像剤を静電潜像担持体へ供給する現像剤担持体と、を備える現像装置であって、
前記現像槽に設けられ、現像槽内での現像槽内現像剤の量が所定量を上回ったときに、上回った現像槽内現像剤を現像槽外に排出する排出機構と、
トナー及びキャリアを含む補給用現像剤を現像槽へ補給する現像剤補給タンクと、
前記現像剤補給タンク内のトナー濃度を検出する現像剤補給タンク内トナー濃度検出センサと、
現像剤補給タンク内トナー濃度と、現像剤補給タンク内基準トナー濃度と、現像剤補給タンク内トナー濃度と現像剤補給タンク内基準トナー濃度との間の差である現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量と、を記憶する記憶手段と、現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量の絶対値が所定の現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量を越えているかを判断する判断手段と、を有する制御手段と、
を備えてなり、
前記現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量の絶対値が所定の現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量を越えている場合には、記憶手段に記憶されている現像剤補給タンク内基準トナー濃度を現像剤補給タンク内トナー濃度に置き換えることを特徴とする現像装置が提供される。
上記現像装置によれば、現像剤の補給が必要になったときには、現像剤補給タンクからトナー及びキャリアを含む補給用現像剤が現像槽へ補給されるが、現実の現像剤補給タンク内トナー濃度が、記憶されている規定の基準トナー濃度に対して現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量を越えて外れている場合には、記憶されている現像剤補給タンク内基準トナー濃度が現実の現像剤補給タンク内トナー濃度に置き換えられる。補給用現像剤の補給量の算出に使用される現像剤補給タンク内基準トナー濃度が、現実の現像剤補給タンク内トナー濃度に即したものとなることで、現像槽に補給される補給用現像剤の補給量すなわちトナーの補給量が、真に必要とされるトナー補給量に適正化される。現像剤補給タンク内のトナー濃度の変動に応じて、最適な現像剤補給量が決定されるので、現像槽内のトナー濃度の変動に関して悪影響を及ぼすことがなくなり、長期にわたって良好な画像形成を維持することができる。
現像剤補給タンク内トナー濃度検出センサとしては、磁性キャリアの透磁率を利用した透磁率検知センサが好適である。
現像剤補給タンク内トナー濃度検出センサは、攪拌部材を回転駆動するモータの駆動電流の変化を検出したり、攪拌部材の回転数変化を光センサで検出したりすることによって、現像剤補給タンク内の攪拌部材の駆動負荷トルクを検出する攪拌トルク検知センサである。
現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量は、3重量%乃至7重量%が好適であり、5重量%がさらに好適である。ズレ量の設定値を7重量%より大きくすると現像槽内のトナー濃度がオーバーシュートし、ズレ量の設定値を3重量%より小さくすると設定値を頻繁に置き換えることになるために煩雑となるからである。
上記現像装置は、周面に静電潜像を担持する回転可能な静電潜像担持体を備える画像形成装置に組み込まれて使用される。
以下に、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。なお、以下の説明では、特定の方向を意味する用語(例えば、「上」、「下」、「左」、「右」、およびそれらを含む他の用語、「時計回り方向」、「反時計回り方向」)を使用するが、それらの使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明は限定的に解釈されるべきものでない。また、以下に説明する画像形成装置1及び現像装置34では、同一又は類似の構成部分には同一の符号を用いている。
図1乃至3を参照しながら、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1及び当該装置に使用される現像装置34について説明する。
〔画像形成装置〕
図1は、本発明に係る電子写真式画像形成装置1の画像形成に関連する部分を示す。画像形成装置1は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、およびそれらの機能を複合的に備えた複合機のいずれであってもよい。画像形成装置1は、静電潜像坦持体である感光体12を有する。実施形態において、感光体12は円筒体で構成されているが、本発明はそのような形態に限定されるものでなく、代わりに無端ベルト式の感光体も使用可能である。感光体12は、図示しないモータに駆動連結されており、モータの駆動に基づいて矢印方向に回転するようにしてある。感光体12の周囲には、感光体12の回転方向に沿って、帯電装置26、露光装置28、現像装置34、転写装置36、およびクリーニング装置40がそれぞれ配置されている。
帯電装置26は、感光体12の外周面である感光体層を所定の電位に帯電する。実施形態では、帯電装置26は円筒形状のローラとして表されているが、これに代えて他の形態の帯電装置(例えば、回転型又は固定型のブラシ式帯電装置、ワイヤ放電式帯電装置)も使用できる。感光体12の近傍又は感光体12から離れた場所に配置された露光装置28は、帯電された感光体12の外周面に向けて、画像光30を出射する。露光装置28を通過した感光体12の外周面には、画像光30が投射されて電位の減衰した部分とほぼ帯電電位を維持する部分とからなる静電潜像が形成される。実施形態では、電位の減衰した部分が静電潜像画像部、ほぼ帯電電位を維持する部分が静電潜像非画像部である。現像装置34は、後述する現像槽内現像剤3を用いて静電潜像を可視像化する。現像装置34の詳細は後に説明する。転写装置36は、感光体12の外周面に形成された可視像を紙やフィルムなどの用紙38に転写する。図1に示した実施形態では、転写装置36は円筒形状のローラとして図示されているが、他の形態の転写装置(例えば、ワイヤ放電式転写装置)も使用できる。クリーニング装置40は、転写装置36で用紙38に転写されることなく感光体12の外周面に残留する未転写トナーを感光体12の外周面から回収する。実施形態では、クリーニング装置40は板状のブレードとして図示されているが、代わりに他の形態のクリーニング装置(例えば、回転型又は固定型のブラシ式クリーニング装置)も使用できる。
このような構成を備えた画像形成装置1が画像を形成するとき、感光体12はモータ(図示せず)の駆動に基づいて例えば反時計周り方向に回転する。このとき、帯電装置26を通過する感光体12の外周部分は、帯電装置26で所定の電位に帯電される。帯電された感光体12の外周部分は、露光装置28で画像光30が露光されて静電潜像が形成される。静電潜像は、感光体12の回転と共に現像装置34のところまで搬送され、現像装置34によって可視像化される。可視像化されたトナー像は、感光体12の回転と共に転写装置36のところまで搬送され、転写装置36により用紙38に転写される。トナー像が転写された用紙38は定着装置20のところまで搬送され、用紙38にトナー像が固定される。転写装置36を通過した感光体12の外周部分はクリーニング装置40のところまで搬送され、用紙38に転写されることなく感光体12の外周面に残存するトナーが感光体12から掻き取られる。
〔現像装置〕
現像装置34は、非磁性トナー(以下、単にトナーという。)及び磁性キャリア(以下、単にキャリアという。)を含む2成分現像剤と、種々の部材を収容する現像槽66と、を備えている。現像槽66は感光体12に向けて開放された開口部を備えており、この開口部の近傍に形成された空間に現像ローラ48が設けられている。現像剤担持体としての現像ローラ48は、円筒状の部材であり、感光体12と平行に且つ感光体12の外周面と所定の現像ギャップを介して、回転可能に枢支されている。
現像ローラ48は、回転不能に固定された磁石体48aと、磁石体48aの周囲を回転可能に支持された円筒状のスリーブ48b(第一の回転円筒体)と、を有するいわゆるマグネットローラである。現像ローラ48のスリーブ48bの上方には、現像槽66に固定され、現像ローラ48のスリーブ48bの中心軸と平行に延在する規制板62が、所定の規制ギャップを介して対向配置されている。現像ローラ48の内側にある磁石体48aは、スリーブ48bの回転方向に沿って、N1、S2、N3、N2、S1という5個の磁極を有する。これらの磁極のうち、主磁極N1は、感光体12と対向するように配置されている。スリーブ48bの上の現像剤を剥離させるための反発磁界を発生させる同極のN2及びN3は、現像槽66の内部に対向配置されている。現像ローラ48のスリーブ48bは、感光体1の回転方向と逆向きに(カウンター方向に)回転する。
図2に示すように、現像ローラ48の背後には、現像剤攪拌搬送室67が形成されている。現像剤攪拌搬送室67は、現像ローラ48の近傍に形成された第二搬送路70と現像ローラ48から離れた第一搬送路68と、第一搬送路68及び第二搬送路70を間仕切る隔壁76と、を有する。第一搬送路68の搬送方向の上流側の上方には、現像剤補給タンク80が配設されていて、補給口82を介して第一搬送路68と連通している。現像剤補給タンク80には、主成分のトナーと少量のキャリアとを含有する補給用現像剤2が充填されている。補給用現像剤2のキャリア比は、現像槽66内での現像剤劣化を抑制するとともにコスト的に見合った割合に調整されており、好ましくは5乃至40重量%であり、より好ましくは10乃至30重量%である。言い換えれば、補給用現像剤2のトナー濃度は、好ましくは60乃至95重量%であり、より好ましくは70乃至90重量%である。したがって、補給用現像剤2のトナー濃度は、現像槽内現像剤3のトナー濃度と比較すると、補給用現像剤2の方が圧倒的に高く、体積比を考えれば、補給用現像剤2は主成分のトナー中に少量のキャリアが混合されているものと考えることもできる。つまり、画像形成によって消費されたトナーを補給する際に少量のキャリアを徐々に補給していくことになる。
現像剤補給タンク80から現像槽66へ補給すべき補給用現像剤2、すなわち主成分のトナー及び少量のキャリアの量は、現像槽66内のトナー濃度を検出する現像槽内トナー濃度検出センサ78と、現像剤補給タンク80内のトナー濃度を検出する現像剤補給タンク内トナー濃度検出センサ112と、によってそれぞれ検出された現像槽内トナー濃度及び現像剤補給タンク内トナー濃度に基づいて決定される。
現像剤補給タンク80の底面側には、現像剤補給タンク80内でのトナー濃度を検出する現像剤補給タンク内トナー濃度検出センサ112が設けられている。現像剤補給タンク内トナー濃度検出センサ112は、例えば、コイルのインダクタンスの変化から、現像剤補給タンク80内を流動する現像剤補給タンク内現像剤2の透磁率を検出する。現像剤補給タンク内トナー濃度検出センサ112により検出された透磁率から、現像剤補給タンク内現像剤2に対するトナーの比率が求められる。例えば、現像剤補給タンク内現像剤2に含まれるキャリア量が少ない場合は、トナー比率が高いと検出される。一方、現像剤補給タンク内現像剤2に含まれるキャリア量が多い場合は、トナー比率が低いと検出される。そして、この現像剤補給タンク内トナー濃度検出センサ112から出力された電圧信号は、現像剤補給タンク内トナー濃度検出信号として、制御部100に入力される。
また、現像剤補給タンク80内の現像剤攪拌部材110を回転駆動するモータの駆動電流から現像剤攪拌部材110の駆動負荷トルクを求めて、現像剤補給タンク内現像剤2のトナー濃度を検知することもできる。これは、予め、モータの駆動電流値と駆動負荷トルクとの関係を測定によって求めておき、この駆動負荷トルクと現像剤補給タンク内トナー濃度との関係を求めておけば、駆動負荷トルクから現像剤補給タンク内トナー濃度を求めるというものである。現像剤補給タンク内トナー濃度が高いほどキャリアの含有比率小さくなるので、駆動負荷トルクが小さくなる。現像剤補給タンク内トナー濃度が低いほどキャリアの含有比率が大きくなるので、駆動負荷トルクが大きくなる。駆動負荷トルクは、現像剤補給タンク80内の現像剤攪拌部材110を回転駆動するモータの駆動電流で求めるだけではなく、他の方法によっても求めることができる。例えば、現像剤補給タンク80内の現像剤攪拌部材110の回転数変化を光センサ等で検出し、検出された回転数変化に基づいて駆動負荷トルクを検出することも可能である。
また、第二搬送路70の搬送方向の下流側の下方には、現像剤回収タンク90が配設されていて、回収口92を介して第二搬送路70と連通している。
現像剤補給タンク80の底部には、制御部100によって駆動制御される現像剤供給ローラが配置されている。現像剤供給ローラが回転駆動されることによって、その駆動時間に応じた量の新規の補給用現像剤2が、流下して現像槽66の第一搬送路68に供給される。
第一搬送路68には、現像槽内現像剤3を攪拌しながら搬送する攪拌部材である第一スクリュー72が回転可能に枢支されている。第二搬送路70には、第一搬送路68からの現像槽内現像剤3を攪拌しながら現像ローラ48に搬送する第二スクリュー74が回転可能に枢支されている。この場合、第一搬送路68と第二搬送路70との両端部に位置する隔壁76の上部が切り欠かれることによって連絡通路が形成されている。第一搬送路68の搬送方向の下流側端部に到達した現像槽内現像剤3が連絡通路を介して第二搬送路70へ送り込まれ、第二搬送路70の搬送方向の下流側端部に到達した現像剤が連絡通路を介して第一搬送路68に送り込まれる。その結果、図2の矢印方向にしたがって、現像槽内現像剤3が現像剤攪拌搬送室内を循環する。
第一スクリュー72及び第二スクリュー74は、シャフトに所定のピッチで螺旋状の羽根が固定されたスパイラルスクリューである。第二スクリュー74は、第二搬送路70から第一搬送路68に向かう連絡通路及び第一搬送路68の下流側側端部に対応する位置において、スパイラルスクリューの螺旋の向きが他の部分とは逆向きに構成されている逆羽根部を有する。第二スクリュー74の羽根のピッチは、搬送方向の下流側端部(図2の右端部)において他の部分に比べて小さくなっている。その結果、第二スクリュー74が回転すると、第二スクリュー74の搬送方向の下流側端部(右端部)での現像槽内現像剤3の高さが他の部分に比べて高くなる。すなわち、第二搬送路70の搬送方向の下流側端部(右端部)において、現像槽内現像剤3の盛り上がりが形成される。
ここで、現像装置34は、いわゆるトリクル方式を採用したものであるから、余剰の現像槽内現像剤3を流出させるための流出口75を有している。すなわち、第二搬送路70の搬送方向の下流側端部(右端部)に位置する側壁の上部が部分的に切り欠かれた切欠75を設けることによって、流出口75が形成されている。現像槽内における現像槽内現像剤3が増えて液面が上昇して側壁の上部に設けられた流出口75を越えることによって、余剰の現像槽内現像剤3が現像槽66の外に溢出して、回収口92を介して現像剤回収タンク90に回収(廃棄)される。
現像剤攪拌搬送室67には、現像剤攪拌搬送室67内でのトナー濃度を検出する現像槽内トナー濃度検出センサ78が設けられている。現像槽内トナー濃度検出センサ78は、例えば、コイルのインダクタンスの変化から、現像剤攪拌搬送室67内を搬送される現像槽内現像剤3の透磁率を検出する。現像槽内トナー濃度検出センサ78により検出された透磁率から、現像槽内現像剤3に対するトナーの比率が求められる。例えば、現像槽内現像剤3に含まれるキャリア量が少ない場合は、トナー比率が高いと検出される。一方、現像槽内現像剤3に含まれるキャリア量が多い場合は、トナー比率が低いと検出される。この現像槽内トナー濃度検出センサ78から出力された電圧信号は、現像槽内トナー濃度検出信号として制御部100に入力される。この現像槽内トナー濃度検出信号と、上述した現像剤補給タンク内トナー濃度検出信号と、画像形成時の画像情報(ドットカウンタ)と、に基づいて、必要な補給量が算出されるとともに、現像剤補給タンク80の現像剤補給ローラが駆動され、所定量の補給用現像剤2が現像槽66内に補給される。なお、上記磁気的検知センサの代わりに、感光体12上に形成した試験用トナー画像の光学反射特性を検知する反射光検知センサを用いて、現像剤攪拌搬送室67内でのトナー濃度を検知することもできる。
現像装置34において、印字動作により、循環している現像槽内現像剤3のトナー濃度が低下すると、主成分のトナーと少量のキャリアとを含有する補給用現像剤2が現像剤補給タンク80から補給される。補給された補給用現像剤2は、現像槽内現像剤3と混合・攪拌されながら、上記現像剤攪拌搬送室67の第一搬送路68及び第二搬送路70に沿って搬送される。基本的には、トナーは感光体12で消費されるのに対して、キャリアは現像装置34内に蓄積されるが、キャリアの帯電性能は次第に低下する。補給用現像剤2にはキャリアも少量含まれているので、補給用現像剤2の補給に伴って、現像装置34内での現像槽内現像剤3の量が徐々に増加する。そして、嵩の増えた現像槽内現像剤3が現像剤攪拌搬送室67を循環する。現像剤攪拌搬送室67を循環しきれない余剰の現像槽内現像剤3は、第二搬送路70の搬送方向の下流側端部(右端部)に設けられた流出口から流出して、回収口92を介して現像剤回収タンク90に回収される。
補給用現像剤2の補給量は、現像槽内トナー濃度検出センサ78によって検出されたトナー濃度と、画像形成時の画像情報(ドットカウンタ)と、現像剤補給タンク80内での補給用現像剤2に対するキャリア比と、に基づいて決定される。現像剤補給タンク80内での補給用現像剤2に対するキャリア比は、現像装置34内でのキャリアの劣化を抑制するとともに、コストアップを招かない程度に調整される。トナーの補給動作に伴って、キャリアが少しずつ供給される。
図3は、画像形成装置1の現像装置34に係る制御ブロック図を示している。
制御手段としての制御部100は、CPU(Central Processing Unit)102、ROM(Read Only Memory)104、RAM(Random Access Memory)106等から構成される。ROM104内に格納されている各種処理プログラムやテーブルに従って、CPU102は画像形成装置1での各種動作を集中的に制御する。ROM104には、例えば、現像槽内トナー濃度検出センサ78で検出された現像槽内トナー濃度検出信号から現像槽内トナー濃度に変換・算出するための現像槽内トナー濃度算出テーブルや、現像剤補給タンク内トナー濃度検出センサ112で検出された現像剤補給タンク内トナー濃度検出信号から現像剤補給タンク内トナー濃度に変換・算出するための現像剤補給タンク内トナー濃度算出テーブルや、所定の現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量と、現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量から補給用現像剤2の補給量を算出するための現像剤補給用テーブルが格納されている。RAM106は、制御部100により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成している。
CPU102には、現像装置34の現像剤攪拌部材72,74や現像槽内トナー濃度検出センサ78や現像ローラ48と、現像剤補給タンク80の現像剤攪拌部材110や現像剤補給タンク内トナー濃度検出センサ112と、カウンタ108とが接続されている。現像装置34を構成する現像剤攪拌部材72,74、現像槽内トナー濃度検出センサ78、現像ローラ48の動作が、制御部100のCPU102によって制御される。また、現像剤補給タンク80を構成する現像剤攪拌部材110や現像剤補給タンク内トナー濃度検出センサ112の動作も、制御部100のCPU102によって制御される。そして、現像槽内トナー濃度検出センサ78で検出された現状の現像槽内トナー濃度や、現像剤補給タンク内トナー濃度検出センサ112で検出された現状の現像剤補給タンク内トナー濃度や、画像形成時の画像情報や、現状の現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量や、補給用現像剤2の補給量等の各情報は、RAM106に一時的に記憶されている。
〔現像剤〕
2成分現像剤は、トナーと、トナーを帯電させるためのキャリアと、を含んでいる。本発明においては、画像形成装置1において従来から一般的に使用されている公知のトナーが使用可能である。トナーの粒径は、例えば約3乃至15μmである。バインダー樹脂中に着色剤を含有させたトナーや、荷電制御剤や離型剤を含有するトナーや、表面に添加剤を保持するトナーも使用可能である。
トナーは、例えば、粉砕法、乳化重合法、懸濁重合法等の公知の方法で製造される。
トナーに使用されるバインダー樹脂は、限定的ではないが、例えば、スチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、ポリエステル樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、またはそれらの樹脂を任意に混ぜ合わせたものである。バインダー樹脂は、軟化温度が約80乃至160℃の範囲であり、ガラス転移点が約50乃至75℃の範囲であることが好ましい。
着色剤は、公知の材料、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、活性炭、マグネタイト、ベンジンイエロー、パーマネントイエロー、ナフトールイエロー、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ウルトラマリンブルー、ローズベンガル、レーキーレッド等を用いることができる。着色剤の添加量は、一般に、バインダー樹脂100重量部に対して、2乃至20重量部であることが好ましい。
荷電制御剤は、従来から荷電制御剤として知られている材料が使用できる。具体的に、正極性に帯電するトナーには、例えばニグロシン系染料、4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン樹脂が荷電制御剤として使用できる。負極性に帯電するトナーには、Cr、Co、Al、Fe等の金属含有アゾ系染料、サリチル酸金属化合物、アルキルサリチル酸金属化合物、カーリックスアレーン化合物が荷電制御剤として使用できる。荷電制御剤は、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1乃至10重量部の割合で用いることが好ましい。
離型剤は、従来から離型剤として使用されている公知のものを使用できる。離型剤の材料には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、カルナバワックス、サゾールワックス、又はそれらを適宜組み合わせた混合物が用いられる。離型剤は、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1乃至10重量部の割合で用いることが好ましい。
さらに、現像剤の流動化を促進する流動化剤を添加してもよい。流動化剤には、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機微粒子や、アクリル樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂微粒子が使用できる。特にシランカップリング剤、チタンカップリング剤、およびシリコンオイル等で疎水化した材料を用いるのが好ましい。流動化剤は、トナー100重量部に対して、0.1乃至5重量部の割合で添加することが好ましい。これら添加剤の個数平均一次粒径は、9乃至100nmであることが好ましい。
キャリアは、従来から一般に使用されている公知のキャリアを使用できる。バインダー型キャリアやコート型キャリアのいずれを用いてもよい。キャリア粒径は、限定的ではないが、約15乃至100μmであることが好ましい。
バインダー型キャリアは、磁性体微粒子をバインダー樹脂中に分散させたものであり、表面に正極性または負極性に帯電する微粒子又はコーティング層を有するものが使用できる。バインダー型キャリアの極性等の帯電特性は、バインダー樹脂の材質、帯電性微粒子、表面コーティング層の種類によって制御できる。
バインダー型キャリアに用いられるバインダー樹脂としては、ポリスチレン系樹脂に代表されるビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂等の硬化性樹脂が例示される。
バインダー型キャリアの磁性体微粒子としては、マグネタイト、ガンマ酸化鉄等のスピネルフェライト、鉄以外の金属(Mn、Ni、Mg、Cu等)を一種または二種以上含有するスピネルフェライト、バリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライト、表面に酸化層を有する鉄や合金の粒子を用いることができる。キャリアの形状は、粒状、球状、針状のいずれであってもよい。特に高磁化を要する場合には、鉄系の強磁性微粒子を用いることが好ましい。化学的な安定性を考慮すると、マグネタイト、ガンマ酸化鉄を含むスピネルフェライトやバリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライトの強磁性微粒子を用いることが好ましい。強磁性微粒子の種類及び含有量を適宜選択することにより、所望の磁化を有する磁性樹脂キャリアを得ることができる。磁性体微粒子は磁性樹脂キャリア中に50乃至90重量%の量で添加することが適切である。
バインダー型キャリアの表面コート材としては、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂等が用いられる。これらの樹脂をキャリア表面にコートし硬化させてコート層を形成することにより、キャリアの電荷付与能力を向上できる。
バインダー型キャリアの表面への帯電性微粒子あるいは導電性微粒子の固着は、例えば、磁性樹脂キャリアと微粒子とを均一混合し、磁性樹脂キャリアの表面にこれら微粒子を付着させた後、機械的・熱的な衝撃力を与えることにより微粒子を磁性樹脂キャリア中に打ち込むことで行われる。この場合、微粒子は、磁性樹脂キャリア中に完全に埋設されるのではなく、その一部が磁性樹脂キャリア表面から突出するように固定される。帯電性微粒子には、有機、無機の絶縁性材料が用いられる。具体的に、有機系の絶縁性材料としては、ポリスチレン、スチレン系共重合物、アクリル樹脂、各種アクリル共重合物、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂およびこれらの架橋物などの有機絶縁性微粒子がある。電荷付与能力および帯電極性は、帯電性微粒子の素材、重合触媒、表面処理等に調整できる。無機系の絶縁性材料としては、シリカ、二酸化チタン等の負極性に帯電する無機微粒子や、チタン酸ストロンチウム、アルミナ等の正極性に帯電する無機微粒子が用いられる。
コート型キャリアは、磁性体からなるキャリアコア粒子を樹脂で被覆したキャリアであり、バインダー型キャリア同様に、キャリア表面に正極性または負極性に帯電する帯電性微粒子を固着することができる。コート型キャリアの極性等の帯電特性は、表面コーティング層の種類や帯電性微粒子の選択により調整できる。コーティング樹脂は、バインダー型キャリアのバインダー樹脂と同様の樹脂が使用可能である。
現像槽内現像剤3のトナー及びキャリアの混合比は、所望のトナー帯電量が得られるように調整される。現像槽内現像剤3のトナー比は、トナー及びキャリアの合計量に対して、好ましくは3乃至20重量%であり、より好ましくは4乃至15重量%である。また、現像剤補給タンク80に充填されている補給用現像剤2は、主成分のトナー及び少量のキャリアを含有したものであり、補給用現像剤2のキャリア比は、トナー及びキャリアの合計量に対して、好ましくは1乃至50重量%であり、より好ましくは5乃至30重量%である。言い換えれば、補給用現像剤2のトナー濃度は、好ましくは50乃至99重量%であり、より好ましくは70乃至95重量%である。
このように構成された現像装置34の動作を説明する。
画像形成時、図示しないモータの駆動に基づいて、現像ローラ48のスリーブ48bは矢印方向(反時計回り)に回転する。第一スクリュー72の回転及び第二スクリュー74の回転により、現像剤攪拌搬送室67に存する現像槽内現像剤3は、第一搬送路68と第二搬送路70とを循環搬送されながら、攪拌される。その結果、現像剤に含まれるトナーとキャリアとが摩擦接触し、互いに逆の極性に帯電される。実施形態では、キャリアは正極性、トナーは負極性に帯電されるものとする。本発明に用いるトナー及びキャリアの帯電性は、このような組み合わせに限定されるものでない。キャリアの外形寸法は、トナーに比べて相当大きい。そのため、正極性に帯電したキャリアの周囲に、負極性に帯電したトナーが、主として両者の電気的な吸引力に基づいて付着している。
帯電された現像槽内現像剤3は、第二スクリュー74によって第二搬送路70に搬送される過程で現像ローラ48に供給される。この現像剤は、現像ローラ48内部の磁石体48aの磁力によってスリーブ48bの表面側に保持され、スリーブ48bと共に反時計周り方向に回転移動して、現像ローラ48に対向して設けられた規制板62で通過量を規制された後、感光体12と対向する現像領域へと搬送される。そして、現像領域において、磁石体48aの主磁極N1の磁力によって穂立ち(磁気ブラシ)が形成される。現像領域では、感光体12上の静電潜像と現像バイアスの印加された現像ローラ48との間に形成された電界(直流に交流が重畳された電界)がトナーに与える力により、トナーが感光体12上の静電潜像側へと移動して、この静電潜像が顕像へと現像される。現像領域でトナーを消費した現像剤は、現像槽66に向けて搬送され、現像槽66の第二搬送路70に対向して設けられた磁石体48aのN3,N2の反発磁界によって現像ローラ48上から剥離され、現像槽66内へと回収される。回収された現像剤は、第二搬送路70を搬送されている現像槽内現像剤3と混合される。
このような画像形成によって現像槽内現像剤3からトナーが強制消費されると、消費された量に見合う量のトナーが現像槽内現像剤3に補給されることが好ましい。そのために、現像装置34は、現像剤攪拌搬送室67に存する現像槽内現像剤3に対するトナーの比すなわち現像槽内トナー濃度を測定する現像槽内トナー濃度検出センサ78を備えている。また、第一搬送路68の上方には現像剤補給タンク80が設けてある。
次に、本発明の一実施形態に係る現像装置34の動作を、図4乃至6を参照しながら説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係る現像装置34の補給動作に関するサブルーチンのフローチャートである。図5は、現像剤補給タンク80内での現像剤補給タンク内現像剤2のトナー濃度の変化を示す図である。図6は、現像槽66内での現像槽内現像剤3のトナー濃度の変化を示す図である。なお、本発明の一実施形態に係る現像剤補給動作に関する理解を助けるために、以下のような具体的な数値を提示しながら説明するが、当該数値によって本実施形態が限定されるものではなく、単なる一例として提示した数値に過ぎない。
また、本実施形態では、現像剤補給タンク内トナー濃度検出センサ112として透磁率検知センサを用いている。
現像剤補給タンク80に充填されている現像剤補給タンク内現像剤2は、充填当初においては、規定の現像剤補給タンク内基準トナー濃度でトナー及びキャリアが均一に分散された状態となっている。しかしながら、画像形成装置を移送させたり稼働させたりする際には、その際に生じる振動によって現像剤補給タンク80内においてトナー及びキャリアが流動して、均一に分散されていた現像剤補給タンク内現像剤2がトナーリッチ層とキャリアリッチ層とに分離する粉体分離現象(いわゆる偏析現象)が起こる。その結果、均一に分散されていた現像剤補給タンク内現像剤2は、次第に不均一な分散状態になってしまう。このような不均一な分散状態は、図5の点線Bで示すように、現像剤補給タンク80の鉛直下部分がトナーリッチ状態になる(逆に言えば、現像剤補給タンク80の鉛直上部分がキャリアリッチ状態になる)場合と、図5の一点鎖線Cに示すように、現像剤補給タンク80の鉛直下部分がキャリアリッチ状態になる(逆に言えば、現像剤補給タンク80の鉛直上部分がトナーリッチ状態になる)場合の両方が起こりうる。いずれの場合においても、経時的に見て、現状の現像剤補給タンク内トナー濃度が、図5の実線Aに示す規定の現像剤補給タンク内基準トナー濃度(80重量%)からずれている。
トリクル方式の現像装置34における現像槽内基準トナー濃度は7重量%であり、現像装置34に含まれる現像槽内現像剤3の量は約250gである。補給用現像剤2の現像剤補給タンク内基準トナー濃度が80重量%であるように初期設定されている。
現像剤補給タンク80から現像槽66へ補給される補給用現像剤2の補給量は、以下の算出式によって算出される。
補給用現像剤の補給量=現像槽内現像剤の量×(現像槽内現像剤の基準トナー濃度−現像槽内現像剤の現トナー濃度)×(現像剤補給タンク内基準トナー濃度−現像槽内現像剤の基準トナー濃度)−1 ・・・(1)
上記算出式(1)において、現像槽内現像剤の現トナー濃度を6重量%とすると、
補給用現像剤の補給量=250×(0.07−0.06)×(0.80−0.07)−1
となり、補給用現像剤2の補給量が3.42gとなる。その結果、補給用現像剤2によって補給されるトナー量は、3.42g×0.80=2.74gである。
図4は、図示しない全体制御(メインルーチン)のうちの現像装置34の補給制御に関するサブルーチンを示している。ステップS110において、現像槽内トナー濃度検出センサ78によって、現像剤攪拌搬送室67に存する現像槽内現像剤3のトナー濃度に関する電圧信号が出力される。ステップS112において、出力された電圧信号は、制御部100で現状の現像槽内トナー濃度に変換・算出される。ステップS120において、現状の現像槽内トナー濃度が現像槽内基準トナー濃度(7重量%)よりも低いか否かが判別される。現状の現像槽内トナー濃度が現像槽内基準トナー濃度(7重量%)以上であると判別された場合、当該サブルーチンが終了してメインルーチンに戻る。
現状の現像槽内トナー濃度が現像槽内基準トナー濃度(7重量%)よりも低いと判別された場合、ステップS124において、現像剤補給タンク内トナー濃度検出センサ112によって、現像剤補給タンク80内に存する現像剤補給タンク内現像剤2のトナー濃度に関する電圧信号が出力される。ステップS126において、出力された電圧信号は、制御部100で現状の現像剤補給タンク内トナー濃度に変換・算出され、現状の現像剤補給タンク内トナー濃度としてRAM106に一時的に記憶される。
ステップS126において、RAM106に記憶された現状の現像剤補給タンク内トナー濃度と現像剤補給タンク内基準トナー濃度との間の差である現状の現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量が、CPU102により算出される。ステップS130において、現状の現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量の絶対値が所定の現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量(例えば、5重量%)より小さいか否かが判別される。
現状の現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量の絶対値が所定の現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量(例えば、5重量%)より小さいと判別された場合、ステップS132において、上記算出式(1)に従って、補給用現像剤2の補給量が算出される。そして、ステップS134において、所定量の補給用現像剤2が補給されたあと、当該サブルーチンが終了してメインルーチンに戻る。
ステップS130において、現状の現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量の絶対値が所定の現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量(例えば、5重量%)以上であると判別された場合、RAM106に一時的に記憶されている現像剤補給タンク内基準トナー濃度(初期設定の80重量%)が現像剤補給タンク内トナー濃度(例えば、85重量%)に置き換えられる。したがって、上記算出式(1)に従って、
更新される補給用現像剤の補給量=250×(0.07−0.06)×(0.85−0.07)−1
となり、補給用現像剤2の補給量が3.20gとなる。その結果、補給用現像剤2によって補給されるトナー量は、3.20g×0.85=2.72gである。
なお、現状の現像剤補給タンク内トナー濃度と現像剤補給タンク内基準トナー濃度との間の差である現状の現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量が正であるときは、現像剤補給タンク80の鉛直下部分が、図5の点線Bで示すような、トナーリッチ状態になっていることを意味している。また、現状の現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量が負であるときは、現像剤補給タンク80の鉛直下部分が、図5の一点鎖線Cで示すような、キャリアリッチ状態になっていることを意味している。現像剤補給タンク80の鉛直下部分は、トナーリッチ状態又はキャリアリッチ状態のいずれも状態をも取ることができ、現状の現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量が正又は負の値を取ることができることから、現状の現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量の絶対値が所定の現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量より大きいか又は小さいかが判別される。
本発明によれば、現像剤補給タンク内トナー濃度の変動に応じて補給用現像剤2の補給量が修正されることによって、現像剤補給タンク内トナー濃度が変動する前後において、補給されるトナー量が大略同じ量に保たれている。そして、図6の実線Aで示すように、現像槽内トナー濃度が、7重量%前後を中心にした非常に狭い変動幅(おおよそ±0.3重量%の幅)で変化するという結果が得られた。
また、他の実施形態として、現像剤補給タンク内トナー濃度検出センサ112として現像剤補給タンク80内の攪拌部材の駆動負荷トルクを検出する攪拌トルク検知センサを用いて、上述したのと同様の補給制御を行った。その結果、図6の実線Aで示すように、現像槽内トナー濃度が、7重量%前後を中心にした非常に狭い変動幅(おおよそ±0.3重量%の幅)で変化するという結果が得られた。
これに対して、現状の現像剤補給タンク内トナー濃度(85重量%)が現像剤補給タンク内基準トナー濃度(80重量%)からずれているにもかかわらず補給用現像剤2の補給量の修正を行わない場合、現に補給されてしまうトナー量は、3.42g×0.85=2.90gとなって、過剰なトナーが補給されることになる。そして、図6の実線Bで示すように、現像槽内トナー濃度が、7重量%前後を中心にした非常に広い変動幅(おおよそ±1.2重量%の幅)で変化するという結果が得られた。
このような現像剤補給タンク内トナー濃度の修正の有無と、耐久枚数試験後の画像形成の良否との関係を調べ、その結果を表1にまとめた。ここで、耐久枚数試験後の画像形成が良好であるものは、トナー飛散やかぶりが無いものであり、耐久枚数試験後の画像形成が不良であるものは、トナー飛散やかぶりが生じたものである。また、表1において、本発明(透磁率検知センサ)というものは、現像剤補給タンク内トナー濃度を透磁率検知センサで検知して補給用現像剤2の補給量の修正を行ったものであり、本発明(トルク検知センサ)というものは、現像剤補給タンク内トナー濃度を攪拌トルク検知センサで検知して補給用現像剤2の補給量の修正を行ったものである。そして、比較例(タンク内トナー濃度の修正無し)というものは、現像剤補給タンク内トナー濃度が一定であるという前提で補給用現像剤2の補給量を増減させたものである。
表1

Figure 2009063850
表1から明らかなように、現像剤補給タンク内トナー濃度を透磁率検知センサ等で検知して補給用現像剤2の補給量の修正を行った本発明の場合には、15000枚の耐久枚数試験後でもトナー飛散やかぶりが無い良好な画像形成を行うことができたが、補給用現像剤2の補給量の修正を行わない比較例の場合には、10000枚以降の耐久枚数試験後でトナー飛散やかぶりが発生して良好な画像形成を行うことができなかった。
なお、上記各実施形態においては、具体的な数値を用いながら説明したが、当該数値によって本願発明が限定されるものではなく、特許請求の範囲及び均等物によって画定される範囲を逸脱しない範囲で本願発明を様々に変形させることができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。 図1に示した画像形成装置の現像装置を上から見た模式的断面図である。 図2に示した画像形成装置の現像装置に係るブロック図である。 本発明の一実施形態に係る現像装置の補給動作に関するサブルーチンのフローチャートである。 現像剤補給タンク内でのトナー濃度の変化を示す図である。 現像槽内でのトナー濃度の変化を示す図である。
符号の説明
1:画像形成装置
2:補給用現像剤
3:現像槽内現像剤
12:感光体(静電潜像担持体)
20:定着装置
22:定着ローラ
26:帯電装置
28:露光装置
30:画像光
34:現像装置
36:転写装置
38:用紙
40:クリーニング装置
48:現像ローラ(現像剤担持体)
48a:磁石体
48b:スリーブ
62:規制板
66:現像槽
67:現像剤攪拌搬送室
68:第一搬送路
70:第二搬送路
72:第一スクリュー(攪拌部材)
74:第二スクリュー(攪拌部材)
75:切欠(流出口)
76:隔壁
78:現像槽内トナー濃度検出センサ
80:現像剤補給タンク
82:補給口
90:現像剤回収タンク
92:回収口
100:制御部
102:中央演算処理装置(CPU)
104:読み出し専用メモリ(ROM)
106:読み書き可能メモリ(RAM)
108:カウンター
110:現像剤攪拌部材
112:現像剤補給タンク内トナー濃度検出センサ

Claims (8)

  1. トナー及びキャリアを含む現像槽内現像剤を現像槽内で搬送しながら攪拌する攪拌部材と、該攪拌部材に隣接配置され攪拌された現像槽内現像剤を静電潜像担持体へ供給する現像剤担持体と、を備える現像装置であって、
    前記現像槽に設けられ、現像槽内での現像槽内現像剤の量が所定量を上回ったときに、上回った現像槽内現像剤を現像槽外に排出する排出機構と、
    トナー及びキャリアを含む補給用現像剤を現像槽へ補給する現像剤補給タンクと、
    前記現像剤補給タンク内のトナー濃度を検出する現像剤補給タンク内トナー濃度検出センサと、
    現像剤補給タンク内トナー濃度と、現像剤補給タンク内基準トナー濃度と、現像剤補給タンク内トナー濃度と現像剤補給タンク内基準トナー濃度との間の差である現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量と、を記憶する記憶手段と、現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量の絶対値が所定の現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量を越えているかを判断する判断手段と、を有する制御手段と、
    を備えてなり、
    前記現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量の絶対値が所定の現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量を越えている場合には、記憶手段に記憶されている現像剤補給タンク内基準トナー濃度を現像剤補給タンク内トナー濃度に置き換えることを特徴とする現像装置。
  2. 前記現像剤補給タンク内トナー濃度検出センサは、透磁率検知センサであることを特徴とする、請求項1記載の現像装置。
  3. 前記現像剤補給タンク内トナー濃度検出センサは、現像剤補給タンク内の攪拌部材の駆動負荷トルクを検出する攪拌トルク検知センサであることを特徴とする、請求項1記載の現像装置。
  4. 前記現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量が5重量%であることを特徴とする、請求項1記載の現像装置。
  5. トナー及びキャリアを含む現像槽内現像剤を現像槽内で搬送しながら攪拌する攪拌部材と、該攪拌部材に隣接配置され攪拌された現像槽内現像剤を静電潜像担持体へ供給する現像剤担持体と、を備える現像装置と、
    周面に静電潜像を担持する回転可能な静電潜像担持体と、を備える画像形成装置であって、
    前記現像槽に設けられ、現像槽内での現像槽内現像剤の量が所定量を上回ったときに、上回った現像槽内現像剤を現像槽外に排出する排出機構と、
    トナー及びキャリアを含む補給用現像剤を現像槽へ補給する現像剤補給タンクと、
    前記現像剤補給タンク内のトナー濃度を検出する現像剤補給タンク内トナー濃度検出センサと、
    現像剤補給タンク内トナー濃度と、現像剤補給タンク内基準トナー濃度と、現像剤補給タンク内トナー濃度と現像剤補給タンク内基準トナー濃度との間の差である現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量と、を記憶する記憶手段と、現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量の絶対値が所定の現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量を越えているかを判断する判断手段と、を有する制御手段と、
    を備えてなり、
    前記現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量の絶対値が所定の現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量を越えている場合には、記憶手段に記憶されている現像剤補給タンク内基準トナー濃度を現像剤補給タンク内トナー濃度に置き換えることを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記現像剤補給タンク内トナー濃度検出センサは、透磁率検知センサであることを特徴とする、請求項5記載の画像形成装置。
  7. 前記現像剤補給タンク内トナー濃度検出センサは、現像剤補給タンク内の攪拌部材の駆動負荷トルクを検出する攪拌トルク検知センサであることを特徴とする、請求項5記載の画像形成装置。
  8. 前記現像剤補給タンク内トナー濃度ズレ量が5重量%であることを特徴とする、請求項5記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013025142A (ja) * 2011-07-22 2013-02-04 Kyocera Document Solutions Inc トナー分散機構及びそれを備えた現像装置並びに画像形成装置

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