JP5425063B2 - IgA腎症の検査方法及び検出キット - Google Patents

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Description

本発明は、IgA腎症の検査方法及び検査キットに関する。
IgA腎症は1968年Bergerらによって記載された疾患であり、糖尿病性腎症を除く慢性糸球体腎炎の中で最も頻度の高い腎疾患である(例えば、非特許文献1参照)。IgA腎症は長期予後不良の疾患であり、透析治療を必要とする末期腎不全患者の約25%がIgA腎症を起因疾患とするものと推定されている。従来、IgA腎症の進行を遅延させる治療法はあっても治癒させる治療法はなかった。しかし、近年堀田らにより早期に治療を開始すれば完全寛解が得られる治療法が確立されてきた。
一方、IgA腎症の診断方法は「厚生省特定疾患進行性腎障害調査研究班と日本腎臓学会の共同委員会」によると、尿検査(持続的顕微鏡的血尿、持続的または間欠的蛋白尿、肉眼的血尿)、血液検査(血清IgA値が350mg/dl以上)を補助的診断基準とし、確定診断は腎生検によって腎糸球体メサンギウム領域へのIgAの沈着を証明することを唯一の方法としている。しかし、腎生検は1週間程度の入院を必要とし、出血の多い危険な検査方法であるため、受診率は必ずしも高いとは言えない。早期のIgA腎症を簡便かつ安全な方法で診断できる検査方法が求められているのが現状である。
また、IgA腎症の診断方法としてIgA−フィブロネクチン複合体を用いる方法等が知られているが(例えば、特開2000−241431号公報、特許2592121号公報、Cederholm et al., Proc.Natl.Acad.Sci., 85:4865-8, 1988参照)、これまで実用化された方法は無かった。
本発明の課題は、検出感度と特異性とが良好で、簡便かつ安全にIgA腎症と判定することができるIgA腎症の検査方法及び検査キットを提供することである。
本発明者らは、鋭意努力を重ね、ヒト尿中のウロモジュリンとIgAとの複合体の検出量を測定したところ、健康人やIgA腎症以外の腎疾患患者に比べIgA腎症患者において、前記複合体がより高い濃度で存在することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
本発明の第1の態様は、被験者の尿に由来する試料から、ヒトウロモジュリンとヒトIgAとの複合体を検出する複合体検出工程を含むIgA腎症の検査方法である。前記複合体検出工程は、前記試料と、ヒトウロモジュリンに対する抗体及びヒトIgAに対する抗体とを接触させることを含むことが好ましい。また、前記複合体検出工程で検出された前記複合体の検出量の、被験者の尿に由来する試料中の尿蛋白質量に対する比率を得る工程をさらに含むことが好ましく、前記比率に基づいてIgA腎症と判定する判定工程をさらに含むことがより好ましい。
本発明の第2の態様は、被験者の尿に由来する試料から、ヒトウロモジュリンとヒトIgAとの複合体を検出する複合体検出工程を含む腎疾患の検査方法である。前記複合体検出工程は、前記試料と、ヒトウロモジュリンに対する抗体及びヒトIgAに対する抗体とを接触させることを含むことが好ましい。
本発明の第3の態様は、被験者の尿に由来する試料から、ヒトウロモジュリンとヒトIgAとの複合体を検出する複合体検出工程と、前記複合体検出工程で検出された前記複合体の検出量、あるいは前記試料中の尿蛋白質量に基づいて腎疾患と判定する第1の判定工程と、前記尿料中の尿蛋白質量に対する前記複合体検出工程で検出された前記複合体の検出量の比率に基づいて、前記腎疾患をIgA腎症と判定する第2の判定工程と、を含むIgA腎症の検査方法である。
前記複合体検出工程は、ヒトウロモジュリンに対する抗体と、ヒトIgAに対する抗体とを用いる免疫化学的方法であることが好ましく、サンドイッチ法であることがより好ましい。
本発明の第4の態様は、被験者の尿に由来する試料と、ヒトウロモジュリンに対する抗体及びヒトIgAに対する抗体とを接触させる工程を含む、ヒトウロモジュリンとIgAとの複合体の検出方法である。前記複合体はヒトウロモジュリンに対する抗体と、ヒトIgAに対する抗体とを用いて免疫化学的方法で検出されることが好ましく、前記免疫化学的方法はサンドイッチ法であることがより好ましい。
また前記被験者は、腎疾患を発症しているヒト、腎疾患を発症していると疑われるヒト、または腎疾患を発症する可能性があるヒトであることが好ましく、前記腎疾患はIgA腎症であることがより好ましい。
また、本発明の第5の態様は、少なくとも、ヒトウロモジュリンに対する抗体と、ヒトIgAに対する抗体とを含む、ヒトウロモジュリンとヒトIgAとの複合体の検出キットである。
本発明によれば、検出感度と特異性とが良好で、簡便かつ安全にIgA腎症と判定することができるIgA腎症の検査方法及び検査キットを提供することができる。
尿中のIgA−ウロモジュリン複合体をELISA法で検出した測定値の分布図である。 尿中のIgA−ウロモジュリン複合体をELISA法で検出した測定値についてのROC解析の結果を示す図である。 尿中のIgA−ウロモジュリン複合体をELISA法で検出した測定値を尿蛋白濃度当りに補正した値の分布図である。 尿中のIgA−ウロモジュリン複合体をELISA法で検出した測定値を尿蛋白濃度当りに補正した値についてのROC解析の結果を示す図である。 尿中のIgA−ウロモジュリン複合体をECL法で検出した測定値の分布図である。 尿中のIgA−ウロモジュリン複合体をECL法で検出した測定値についてのROC解析の結果を示す図である。 尿中のIgA−ウロモジュリン複合体をECL法で検出した測定値を尿蛋白濃度当りに補正した値の分布図である。 尿中のIgA−ウロモジュリン複合体をECL法で検出した測定値を尿蛋白濃度当りに補正した値についてのROC解析の結果を示す図である。 anti-IgA結合ビーズに結合した蛋白質のウエスタンブロッティング解析の結果を示す図である。 尿中のIgA−ウロモジュリン複合体をELISA法で検出した測定値の分布図である。 尿中のIgA−ウロモジュリン複合体をELISA法で検出した測定値についてのROC解析の結果を示す図である。 尿中のIgA−ウロモジュリン複合体をELISA法で検出した測定値を尿蛋白濃度当りに補正した値の分布図である。 尿中のIgA−ウロモジュリン複合体をELISA法で検出した測定値を尿蛋白濃度当りに補正した値についてのROC解析の結果を示す図である。 尿中のヒトウロモジュリンをELISA法で検出した測定値の分布図である。 尿中のヒトIgAをELISA法で検出した測定値の分布図である。 尿中のヒトIgAをELISA法で検出した測定値についてのROC解析の結果を示す図である。 尿中のヒトIgAをELISA法で検出した測定値を尿蛋白濃度当りに補正した値の分布図である。 尿中のヒトIgAをELISA法で検出した測定値を尿蛋白濃度当りに補正した値についてのROC解析の結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
本発明の腎疾患の検査方法は、被験者の尿に由来する試料から、ヒトウロモジュリンとヒトIgAとの複合体を検出する複合体検出工程を含むものである。前記複合体を前記試料から検出することによって、被験者における腎疾患を良好な検出感度と良好な特異性で検出することができる。尚、前記腎疾患は、IgA腎症とIgA腎症以外の腎疾患とを含むものである。
本発明において、被験者の尿に由来する試料とは、被験者から採取した尿自体であっても、採取した尿に通常行われる稀釈、濃縮等の処理を行ったものであってもよい。本発明においては、ヒトから採取した尿を常法により稀釈した尿試料であることが好ましい。
さらに前記被験者の尿に由来する試料は、前記尿試料をヒトウロモジュリンに対する抗体、またはヒトIgAに対する抗体と接触させて得られるものであってもよい。
ヒトウロモジュリン(以下、単に「ウロモジュリン」ということがある)は腎臓由来の分子量85kdの糖蛋白質である。ウロモジュリンはIL1、TNFと結合すること、また、IL1の阻害剤として作用することが知られており、抗炎症作用を有すると考えられている。更に妊娠中の尿中に多量に存在することが知られている。
またウロモジュリンの蛋白質部分は、健常人の尿中の主要な糖蛋白質であるタム・ホースフォール蛋白質(Tamm-Horsfall protein)の蛋白質部分と同一であることが知られている。しかしながら、ウロモジュリンと腎疾患との関係については全く知られていない。
尚、本発明において「ヒトウロモジュリン」または「ウロモジュリン」は、ウロモジュリンおよびタム・ホースフォール蛋白質を包含するものである。
前記複合体の検出方法については特に制限はなく、通常用いられる蛋白質の検出方法を適用することができるが、検出される複合体を定量又は半定量可能な方法であることが好ましい。例えば、前記複合体と結合する抗体を用いる方法、イオン交換クロマトグラフィー、質量分析等を挙げることができる。
本発明において複合体の検出に用いる装置には特に制限はなく、複合体の検出方法に応じて適宜選択することができる。具体的には例えば、HPLC機器、質量分析機器(マススペクトロメトリー)、電気泳動機器(キャピラリー電気泳動装置等)、全自動あるいは半自動酵素免疫測定機器、セルウォッシャー、全自動あるいは半自動化学発光免疫測定機器、発光測定装置、全自動あるいは半自動電気化学発光免疫測定機器、光学測定装置、プレートリーダー、CCDカメラ、全自動あるいは半自動蛍光免疫測定機器、蛍光測定装置、全自動あるいは半自動放射免疫測定機器、液体シンチレーションカウンター、クールターカウンター、表面プラズモン測定装置、ブロッティング装置、デンシトメーター等を挙げることができる。
本発明においては、検出感度、特異性及び簡便性の観点から、前記複合体に対する抗体を用いる免疫化学的方法であることが好ましい。前記複合体に対する抗体は、前記複合体を免疫特異的に認識して結合可能な抗体であれば特に制限はない。例えば、前記複合体中のウロモジュリンとIgAとの結合部位を認識して結合する抗体、前記複合体中のウロモジュリンを認識して結合する抗体、および前記複合体中のIgAを認識して結合する抗体等を挙げることができる。
尚、本明細書において「複合体に対する抗体」とは、「複合体を認識する抗体」、「複合体に結合する抗体」等の抗体において通常用いられる意味で用いられるものである。すなわち、前記「複合体に対する抗体」は、ヒトウロモジュリン及びヒトIgAからなる複合体の少なくとも一部と結合し、新たな複合体を形成する。以下、「ヒトウロモジュリンに対する抗体」、「ヒトIgAに対する抗体」等についても同様である。
本発明における免疫化学的方法としては、通常行われる方法を特に制限なく用いることができる。具体的には例えば、酵素免疫測定法(ELISA)、化学発光免疫測定法、電気化学発光免疫測定法(ECL)、吸光度測定、蛍光抗体法、放射免疫測定法(RIA)、表面プラズモン共鳴、ウェスタンブロット法、ドットブロット法等を挙げることができる。本発明においては、検出感度、特異性及び簡便性の観点から、酵素免疫測定法(ELISA)または電気化学発光免疫測定法(ECL)を用いることが好ましい。
本発明における免疫化学的方法としては、特異性と簡便性の観点から、前記複合体中のウロモジュリンを認識して結合する抗体と前記複合体中のIgAを認識して結合する抗体とを用いるサンドイッチ法であることが好ましい。
前記サンドイッチ法は例えば、以下のようにして行うことができる。前記複合体と結合する抗体(一次抗体)を、プレート等の担体に固相化する。通常プレート等の非特異的な結合部位をふさぐため、カゼイン等の蛋白質あるいは界面活性剤でブロッキング操作を行なう。次いで尿に由来する試料または被検試料を添加してインキュベーションする。プレート等を洗浄した後、前記複合体と結合する抗体であって標識された二次抗体を添加し、インキュベーション後、プレート等を洗浄し、標識を検出する方法で行うことができる。
本発明においては、検出感度と特異性の観点から、前記一次抗体及び前記二次抗体として、前記複合体に結合する抗体から選ばれる2種の抗体を用いることが好ましく、前記一次抗体及び前記二次抗体のうち一方の抗体としてウロモジュリンに対する抗体を用い、他方の抗体としてヒトIgAに対する抗体を用いることが、より好ましい。
本発明において、前記複合体に結合する抗体はポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であってもよいが、腎疾患の検出特異性の観点から、モノクローナル抗体であることが好ましい。
前記複合体に結合する抗体は、通常行われる方法によって調製することができる。
ウロモジュリンに対するポリクローナル抗体は通常の作製方法により得ることができ、例えば、次のようにして得ることができる。ウロモジュリンをウサギ、ヤギ等の動物に免疫して血清を得る。これを例えば、硫安沈殿、プロテインA、プロテインGカラム、DEAEイオン交換クロマトグラフィー、ウロモジュリンをカップリングしたアフィニティカラム等により精製することで調製できる。
本発明においては、ヒトウロモジュリンを用いて作製した抗体からウロモジュリン以外の抗原に結合する抗体を、通常行われる方法、例えば吸収操作等によって除いたウロモジュリンに対する特異性がより高い抗体であることが好ましい。
またウロモジュリンに対するモノクローナル抗体は、通常の作製方法で得ることができる。例えば、ウロモジュリンを、マウスなどの小動物に免疫を行う。同マウスより脾臓を摘出し、これをすりつぶして細胞を分離し、マウスミエローマ細胞とポリエチレングリコールなどの試薬により融合させる。これにより形成された融合細胞(ハイブリドーマ)の中から、ウロモジュリンと結合する抗体を産生するクローンを選択する。次いで選択したハイブリドーマをマウス腹腔内に移植し、同マウスより腹水を回収する。得られたモノクローナル抗体を、例えば、硫安沈殿、プロテインA、プロテインGカラム、DEAEイオン交換クロマトグラフィー、ウロモジュリンをカップリングしたアフィニティカラム等により精製することで調製できる。
また、ウロモジュリンに対する抗体としては、市販の抗ヒトタム・ホースフォール蛋白質抗体、抗ヒトウロモジュリン抗体等を用いることもできる。さらに前記ウロモジュリンに対するモノクローナル抗体は、上記のようにして得られるマウス等の小動物に由来する抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、および完全ヒト抗体等のいずれであってもよい。
またヒトIgAに対する抗体としては、前記複合体中のIgAと結合可能な抗体であれば特に制限はなく、ヒトIgAのH鎖、J鎖、分泌片(secretory component)等のいずれを認識するものであってもよい。
また、ヒトIgAに対する抗体はポリクローナル抗体であっても、モノクローナル抗体であってもよいが、複合体の検出特異性の観点から、ヒトIgAに対するモノクローナル抗体であることが好ましい。
前記ヒトIgAに対するモノクローナル抗体は、抗原としてヒトIgAを用いて、上記ウロモジュリンに対する抗体と同様にして調製することができる。またヒトIgAに対する抗体としては、市販の抗ヒトIgA抗体を用いることもできる。さらに前記ヒトIgAに対するモノクローナル抗体は、上記のようにして得られるマウス等の小動物に由来する抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、および完全ヒト抗体等のいずれであってもよい。
前記標識としては特に制限なく公知の標識を用いることができる。例えば、酵素、化学発光物質、電気化学発光物質、放射性物質等を挙げることができる。
本発明においては、検出感度と簡便性の観点から、前記標識として酵素または電気化学発光物質を用いることが好ましい。
前記酵素としては、物理的、化学的方法で定量可能な酵素であれば特に制限はない。例えば、アルカリフォスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、ルシフェラーゼ等の酵素を挙げることができる。
また標識の検出方法は、標識を定量又は半定量可能な検出方法であれば特に制限はなく、標識に応じて適宜選択することができる。例えば、吸光度、発光強度、蛍光強度、放射線計数等を挙げることができる。
標識を定量又は半定量することで、前記複合体を定量又は半定量することができる。
本発明における複合体検出工程を、酵素免疫測定法(ELISA)を用い、標識の検出を吸光度にて行なう場合、本発明に好ましく用いられる前記複合体の検出量を測定する測定装置としては、複合体に結合した標識によって生じた色素の吸光度を測定可能な吸光度測定装置であって、標識によって生じた色素を含む試料を載置する試料載置部と、前記試料に光を照射する光照射部と、前記試料からの反射光及び透過光の少なくともいずれかを受光し、受光した光量を測定する光量測定部と、を備える吸光度測定装置を挙げることができる。
本発明においては、検体(被験者の尿に由来する試料)に含まれるヒトウロモジュリンとヒトIgAとの複合体と結合した標識によって生じた色素を含む試料に、前記光照射部により光を照射し、前記色素の吸光度を光量測定部より定量化することにより、検体中におけるヒトウロモジュリンとヒトIgAとの複合体の存在量を測定することができる。
また、前記標識の検出を吸光度に代えて、試料からの発光を検出することによって行うこともできる。その場合は、前記吸光度測定装置に代えて、後述する電気化学発光免疫測定法に用いる装置と同様の装置を用いることができる。
本発明における複合体検出工程を、電気化学発光免疫測定法(ECL)を用い、標識の検出を試料からの発光の測定にて行なう場合、本発明に好ましく用いられる前記複合体の検出量を測定する測定装置としては、複合体に結合した標識そのものまたは反応液中の標識の基質から発せられる光を測定可能な測定装置であって、標識を含む試料を載置する試料載置部と、前記試料からの発光を受光し、受光した光量を測定する光量測定部と、を備える測定装置を挙げることができる。
本発明においては、検体に含まれるヒトウロモジュリンとヒトIgAとの複合体と結合した標識を含む試料から発せられた光を前記光量測定部より定量化することにより、検体中におけるヒトウロモジュリンとヒトIgAとの複合体の存在量を測定することができる。
本発明の腎疾患の検査方法は、前記尿に由来する試料中に含まれる前記複合体の検出量に基づいて、腎疾患と判定する判定工程を含むことが好ましい。本発明における前記複合体の検出量としては、前記尿に由来する試料中に含まれる前記複合体の濃度又はそれに対応する定量値又は半定量値であれば特に制限なく用いることができる。例えば、前記複合体の検出量を直接的に測定した測定値、前記複合体の検出量を標識の検出を介して間接的に測定した測定値等を挙げることができる。
また本発明の腎疾患の検査方法においてIgA腎症を検査する場合、IgA腎症と判定することに用いる複合体の検出量は、被験者の尿に由来する試料中の総尿蛋白質量に対する複合体の検出量の比率であることが好ましい。前記比率は複合体の検出量の測定値を被験者の尿に由来する試料中の総尿蛋白質量の測定値で除して得られるものであっても、総尿蛋白質量に対する相対値として得られる複合体の検出量であってもよい。かかる比率に基づいて判定することで、より高い感度と特異性でIgA腎症と判定することができる。
尚、総尿蛋白質量を測定する被験者の尿に由来する試料は、同一の被験者から得られるものであれば、前記複合体の検出に用いる尿に由来する試料とは異なる試料であってもよい。
本発明の腎疾患の検査方法における判定工程は、被験者の尿に由来する試料からのウロモジュリンとヒトIgAとの複合体の検出量と、対照となる健常人の尿に由来する試料からの前記複合体の検出量とを比較する工程と、前記被験者の尿に由来する試料中の前記複合体の検出量が対照となる健常人の尿に由来する試料中の前記複合体の検出量よりも大きい場合と腎疾患とを関連づける工程と、を含むことが好ましい。
ここで対照となる健常人とは、腎疾患を発症していないことが予め判明している個体を意味する。また、検出量が大きいとは、健常人と腎疾患患者とを区別するために設定された正常検出量(カットオフ値)よりも、被験者に由来する前記複合体の検出量のほうが大きいことである。
前記カットオフ値は、例えば、腎疾患患者の尿に由来する試料群における前記複合体の検出量と、対照となる健常体群の尿に由来する試料群における前記複合体の検出量とをROC解析等に付することよって設定することができる。ROC解析は、例えば、疾病の検査方法の検出能、診断能を評価可能な解析方法であって、日本臨床検査自動化学会会誌「臨床検査の診断的有用性評価マニュアル」Ver.1.3(2004.9.1)、Vol.29 Suppl.1(通巻第154号)(2004年9月1日発行)に記載された解析方法である。
また、カットオフ値は、例えば、健常人の検出レベルの平均値に、標準偏差を2倍あるいは3倍した値を加算した値として定めることもでき、更に、感度(検出率)・特異性(偽陽性率の低さ)をバランスよく満たす値に適宜定めることができる。
本発明における腎疾患としては、例えば、IgA腎症(IgAN)、膜性腎症(MN)、ループス腎炎(SLE)、巣状糸球体硬化症(FGS)、微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)、糖尿病性腎症(DMN)、アミロイドーシス、遺伝性腎症(Alport)、燃え尽きIgA腎症(IgA腎症の自然寛解状態)、膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連腎炎、菲薄基底膜症候群(TBMD)、腎硬化症等を挙げることができる。
本発明の腎疾患の検査方法は、尿中の前記複合体を検出することで、IgA腎症をはじめとする種々の腎疾患を検出することができる。
本発明のIgA腎症の検査方法は、被験者の尿に由来する試料から、ウロモジュリンとヒトIgAとの複合体を検出する複合体検出工程と、前記複合体検出工程で検出された前記複合体の検出量、あるいは被験者の尿に由来する試料中の尿蛋白質量に基づいて腎疾患と判定する判定工程と、被験者の尿に由来する試料中の尿蛋白質量に対する前記複合体検出工程で検出された前記複合体の検出量の比率に基づいて、前記腎疾患をIgA腎症と判定する判定工程と、を含むことを特徴とする。
尿に由来する試料中の総蛋白質量に対する前記複合体の検出量の比率に基づいて、IgA腎症と判定することで、高感度かつ高特異的であって、治療介入によって完全寛解が得られる初期段階においても、簡便かつ安全にIgA腎症を判定することができる。
本発明における複合体検出工程は、前記腎疾患の検査方法における複合体検出工程と同様である。
また、尿蛋白質量の検出方法は、尿に由来する試料中の総蛋白質量を測定可能であれば特に制限なく、通常行われる尿に由来する試料中の蛋白質検出方法を適用することができる。例えば、金井光正ら著の「臨床検査法概要改訂版第32版」、173〜174頁、2005年に記載の方法を適用することができる。
本発明における第1の判定工程において、前記複合体検出工程で検出された前記複合体の検出量に基づいて腎疾患と判定する工程は、前記腎疾患の検査方法における判定工程と同様である。
また、前記尿に由来する試料中の尿蛋白質量に基づいて腎疾患と判定する工程は、健常人と腎疾患患者とを区別するために設定された正常検出量(カットオフ値)よりも、被験者の尿に由来する試料中の尿蛋白質量のほうが大きい場合と腎疾患とを関連づける工程、を含むことが好ましい。
ここで尿蛋白質量の正常検出量は通常の方法で設定することができる。
本発明における第2の判定工程は、被験者の尿に由来する試料中の前記複合体の検出量の前記試料中の総蛋白質量に対する比率(複合体/総蛋白質)と、対照となるIgA腎症以外の腎疾患患者の尿に由来する試料中の前記複合体の検出量の前記試料中の総蛋白質量に対する比率とを比較する工程と、前記被験者の尿に由来する試料中の前記複合体の検出量の前記試料中の総蛋白質量に対する比率が対照となるIgA腎症以外の腎疾患患者の尿に由来する試料中の前記複合体の検出量の前記試料中の総蛋白質量に対する比率よりも大きい場合とIgA腎症とを関連づける工程と、を含むことが好ましい。
ここで、比率が大きいとは、IgA腎症とIgA腎症以外の腎疾患を区別するために設定されたカットオフ値よりも、被験者の尿に由来する試料中の前記複合体の検出量比率のほうが大きいことである。
前記カットオフ値は上述した腎疾患の検査方法におけるカットオフ値と同様にして設定することができるが、検出特異性の観点から、ROC解析の結果に基づいてカットオフ値を設定することが好ましい。
本発明のIgA腎症の検査方法は、尿中の前記複合体の検出量と総蛋白質量とを測定し、前記総蛋白質量に対する前記複合体の検出量の比率に基づいて、IgA腎症を検出することが可能であることから、簡便で安全なIgA腎症の検査方法である。
本発明のヒトウロモジュリンとヒトIgAとの複合体の検出方法は、被験者の尿に由来する試料と、ヒトウロモジュリンに対する抗体及びヒトIgAに対する抗体とを接触させる工程を含む。これによりヒトウロモジュリンとヒトIgAとの複合体を、高感度かつ高い特異性で検出することができる。
本発明の複合体の検出方法には、前記腎疾患の検査方法における複合体検出工程において説明した事項を同様に適用することができる。
また前記被験者は、腎疾患を発症しているヒト、腎疾患を発症していると疑われるヒト、または、腎疾患を発症する可能性を有しているヒトであることが好ましい。ここで言う腎疾患を発症する可能性を有しているヒトとは、腎疾患を発症しているヒトまたは腎疾患を発症していると疑われるヒトのいずれでもないあらゆるヒトをいう。また前記腎疾患はIgA腎症であることがより好ましい。
本発明の腎疾患の検査キットは、ヒトウロモジュリンに対する抗体の少なくとも1種と、ヒトIgAに対する抗体の少なくとも1種とを含むことを特徴とする。前記ヒトウロモジュリンに対する抗体と、ヒトIgAに対する抗体とを用いて、尿に由来する試料中のヒトウロモジュリンとヒトIgAとの複合体を検出することで、良好な検出感度と特異性で腎疾患と判定することが可能になる。
本発明の腎疾患の検査キットは、前記抗体に加えて、被験者の尿に由来する試料と、ヒトウロモジュリンに対する抗体及びヒトIgAに対する抗体とを接触させて、ヒトウロモジュリンとヒトIgAとの複合体を検出し、その検出量と腎疾患と関連付けることが記載された取扱い説明書をさらに含むことが好ましい。
本発明の腎疾患の検査キットは、IgA腎症の検査用としてより好ましく用いることができる。
日本国出願番号第2008−144882号の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「%」は質量基準である。
[実施例1]
<腎疾患の検出>
〜ELISA法による尿中IgA−ウロモジュリン複合体の検出〜
抗ヒトタム・ホースフォール蛋白質(Tamm-Horsfall protein)抗体(Cedarlane Laboratories社製)をPROSEP−A(MILLIPORE社製)で精製後、更に50mM Tris/HCl(pH7.5)、0.15M NaClで透析して精製した精製抗体を5μg/ml〜10μg/mlの濃度に50mM Tris/HCl(pH7.5)、0.15M NaClで希釈した後、ポリソープカップ(NUNC社製)に50μl/well注入した。カップを湿潤ボックスに入れ4℃、一夜コートした。コート後、洗浄液(50mM Tris/HCl(pH7.5)、150mM NaCl、0.01%Tween20)で3回洗浄し、ブロッキング液(50% N102(日本油脂社製)、25mM Tris/HCl(pH7.5)、75mM NaCl、2%ブロックエース(大日本住友製薬社製))を150μl/well注入後、室温で2時間又は4℃で1日以上ブロッキングした(以下、「anti-Tamm-Horsfallカップ」という)。
anti-Tamm-Horsfallカップを洗浄液(50mM Tris/HCl(pH7.5)、150mM NaCl、0.01%Tween20)で3回洗浄し、検体希釈液(50% N102(日本油脂社製)、50mM Tris/HCl(pH7.5)、150mM NaCl、2%ブロックエース(大日本住友製薬社製))で50倍希釈した尿検体を50μl/well注入し、室温で1時間反応した。洗浄液(50mM Tris/HCl(pH7.5)、150mM NaCl、0.01%Tween20)で3回洗浄後、Can Get Signal2(TOYOBO社製)で3000倍希釈したHRP-GOAT Anti-Human IgA(Zymed社製)を、50μl/well注入し、室温で1時間反応した。洗浄液で3回洗浄後、3,3',5,5'-Tetramethylbenzidine(TMB)Liquid Substrate System for ELISA(SIGMA社製)を100μl/well注入し、室温で30分反応した。0.5M HSOを100μl/well注入して反応を停止させた後、OD(450−650nm)を測定した。IgA腎症患者95例を含む腎疾患患者147例と健康人(健常人)20例について測定した結果を図1に示す。
ブランクを差し引いた値を比較することで、IgA腎症患者95例を含む腎疾患患者147例と健康人20例を有意に区別できる結果を得た。
また、腎疾患患者147例と健康人20例についてROC解析を行った。ROC曲線を図2に示す。ROC曲線から求めたカットオフ値は0.066であり、そのカットオフ値から腎疾患患者147例と健康人20例の陽性率を求めた結果を表1に示す。表1に示した通り、腎疾患患者147例中陽性134例(91.2%)、健康人20例中陽性1例(5%)であり、両者を有意に区別できた。その時の感度は91.2%、特異度(特異性)は95%、診断効率は91.6%であった。

<IgA腎症の検出>
次に、カットオフ値以上の発色値を示した検体についてピロガロールレッド法により尿中の尿蛋白濃度を定量した。上記で得られた複合体検出量の値を尿蛋白濃度で除して、尿蛋白量あたりの複合体検出量を算出した。結果を図3に示す。尿蛋白量あたりの複合体検出量を比較することで、IgA腎症患者86例とIgA腎症以外の腎疾患患者47例を有意に区別できる結果を得た。
また、IgA腎症患者86例とIgA腎症以外の腎疾患患者47例についてROC解析を行なったところ、図4に示すROC曲線が得られた。ROC曲線から求めたカットオフ値は6.5であった。そのカットオフ値からIgA腎症患者86例とIgA腎症以外の腎疾患患者47例の陽性率を求めた結果を表2に示す。表2に示した通り、IgA腎症患者86例中陽性62例(72.1%)、IgA腎症以外の腎疾患患者47例中陽性13例(27.7%)であり、両者を有意に区別できた。その時の感度は72.1%、特異度は72.3%、診断効率は72.2%であった。
[実施例2]
<腎疾患の検出>
〜電気化学発光(ECL)法による尿中IgA-ウロモジュリン複合体の検出〜
30mg/mlのDynabeads M-450 Epoxy(Invitrogen社製)1mlを磁石でトラップして、1mlのPBS-1(10mM燐酸カリウムバッファー、150mMNaCl、pH7.8)で5回洗浄した。次いで、磁石でトラップしたビーズに、精製抗ヒトタム・ホースフォール蛋白質(Tamm-Horsfall protein)抗体(Cedarlane Laboratories社製)を上記PBS-1で透析した後、0.2mg/mlの濃度に調製した溶液1mlを加え、20時間25℃で混合した。
次いで、上記で得られたビーズを磁石でトラップして、1mlの上記PBS-1で洗浄後、1%BSAを含む50mMTris-HClバッファー(pH7.5)、150mM NaClを加えて2時間室温で混合した。ビーズを磁石でトラップして、1mlの上記PBS-1で5回洗浄後、0.1%BSAを含む50mMTris-HClバッファー(pH7.5)、150mM NaClに懸濁した(以下、「anti-Tamm-Horsfall結合ビーズ」という)。
24.3μgのルテニウム錯体(Igen社製)と、GOAT Anti-Human IgA (Cappel社製)1.425mgを室温遮光下で30分混合し、2Mグリシン/PBS−1を25μl添加し、室温遮光下で10分混合した後、Sephdex G-25カラムでゲルろ過し、抗ヒトIgA抗体にルテニウム錯体が結合した分画をプールした(以下、「anti-IgAルテニウム標識抗体」という)。
anti-Tamm-Horsfall結合ビーズ30mg/mlを検体希釈液(50% N102(日本油脂)、50mM Tris/HCl(pH7.5)、150mM NaCl、2% ブロックエース(大日本住友製薬))で60倍希釈(0.5mg/ml)した。また、anti-IgAルテニウム標識抗体をCan Get Signal2(TOYOBO社製)で希釈し0.5μg/ml濃度に調製した。60倍希釈したanti-Tamm-Horsfall結合ビーズと0.5μg/ml濃度に調製したanti-IgAルテニウム標識抗体をそれぞれ専用ホルダーにセットした。反応管に検体希釈液を200μl注入し、次いで検体5μlをそれぞれ添加して混合攪拌した。専用の反応管ラックに反応管を詰め、電気化学発光法自動測定装置(ピコルミシリーズ、三光純薬社製)に試薬と検体をセットして、第一反応時間9分、第二反応時間9分の反応条件で自動測定した。IgA腎症患者88例を含む腎疾患患者128例と健康人19例について測定した結果を図5に示す。
測定カウント値からブランク値を差し引いた値を比較したとき、IgA腎症患者88例を含む腎疾患患者128例と健康人19例を有意に区別できる結果を得た。
また、IgA腎症患者88例を含む腎疾患患者128例と健康人19例についてROC解析を行なったところ、図6に示すROC曲線が得られた。ROC曲線から求めたカットオフ値は510.3であった。そのカットオフ値からIgA腎症患者88例を含む腎疾患患者128例と健康人19例の陽性率を求めた結果を表3に示す。表3に示した通り、腎疾患患者128例中陽性109例(85.2%)、健康人19例中陽性3例(15.8%)であり、両者を有意に区別できた。またその時の感度は85.2%、特異度は84.2%、診断効率は85.0%であった。
<IgA腎症の検出>
次に、測定カウント値からブランク値を差し引いた値が、カットオフ値以上の値を示した検体についてピロガロールレッド法により尿中の蛋白濃度を定量した。上記で得られた複合体検出量の値を尿蛋白濃度で除して、尿蛋白量あたりの複合体検出量を算出した。結果を図7に示す。図7から、IgA腎症患者77例とIgA腎症以外の腎疾患患者32例を有意に区別できることが分かる。
また、IgA腎症患者77例とIgA腎症以外の腎疾患患者32例についてROC解析を行ったところ、図8に示すROC曲線が得られた。ROC曲線から求めたカットオフ値は39.525であった。そのカットオフ値からIgA腎症患者77例とIgA腎症以外の腎疾患患者32例の陽性率を求めた結果を表4に示す。表4に示した通り、IgA腎症患者77例中陽性58例(75.3%)、IgA腎症以外の腎疾患患者32例中陽性9例(28.1%)であり、両者を有意に区別できた。その時の感度は75.3%、特異度は71.9%、診断効率は74.3%であった。
[実施例3]
<尿中のウロモジュリン−IgA複合体中に含まれるウロモジュリンのウェスタンブロット法による解析>
30mg/mlのDynabeads M-450 Epoxy(Invitrogen社製)1mlを磁石でトラップして、1mlのPBS-1(10mM燐酸カリウムバッファー、150mMNaCl、pH7.8)で3回洗浄した後、磁石でトラップしたビーズに、抗ヒトIgA抗体(Cappel社製)を上記PBS-1で透析した後、0.2mg/mlの濃度に調製した溶液1mlを加え、1昼夜25℃で混合した。
得られたビーズを磁石でトラップして、1mlの上記PBS-1で洗浄後、1%BSAを含む50mMTris-HClバッファー(pH7.5)、150mM NaClを加えて1昼夜4℃で混合した。ビーズを磁石でトラップして、1mlの上記PBS-1で3回洗浄後、0.1%BSAを含む50mMTris-HClバッファー(pH7.5)、15mM NaClに懸濁した(以下、「anti-IgA結合ビーズ」という)。
同様に、30mg/mlのDynabeads M-450 Epoxy 1mlを磁石でトラップして、1mlの上記PBS-1で3回洗浄した後、磁石でトラップしたビーズに1%BSAを含む50mMTris-HClバッファー(pH7.5)、150mM NaClを加えて1昼夜4℃で混合した。得られたビーズを磁石でトラップして、1mlの上記PBS-1で3回洗浄後、0.1%BSAを含む50mMTris−HClバッファー(pH7.5)、150mM NaClに懸濁した(以下、「BSA結合ビーズ」という)。
45mlの尿サンプルに2.5mlの1MTris−HClバッファー(pH7.5)、1.5mlの5M NaClを加え、さらに0.25mlのanti-IgA結合ビーズまたはBSA結合ビーズを加えて、1昼夜4℃で混合した。ビーズをそれぞれ磁石でトラップして、50mlから1mlの上記PBS−1で5回洗浄後、0.5mlの0.1Mクエン酸バッファー(pH3)を加えて室温で30分混合した。ビーズを磁石でトラップして上清を回収し、1/10濃度の上記PBS−1、0.01%NaNで透析後、約10倍の濃度に遠心濃縮し、タンパク溶液を調製した。
調製したタンパク溶液3μlをSDS−PAGEにかけ、ニトロセルロースフィルター(Schleicher&Schuell、BA85)にブロッティングした。フィルターをブロッキング液(50mM Tris−HCl(pH7.5)、150mM NaCl、5%スキムミルク、0.01%Tween20、0.1% NaN)に浸し、4℃で一夜振とうした後、ブロッキング液を交換した。一次抗体の抗ウロモジュリン抗体(抗ヒトTamm-Horsfall protein monoclonal抗体(Cedarlane Laboratories,Ltd.))を1/1000濃度で加え、室温で2時間振とうし、洗浄液で3回洗浄した。次いで洗浄液に二次抗体のHRP標識抗mouse IgG(Zymed Laboratories,Inc.)を1/1000濃度で加え、室温で1時間振とうし、洗浄液で3回洗浄した後、発色液(8.3mM Tris−HCl(pH6.5)、125mM NaCl、0.05% 4-Chloro-1-Naphtol、0.01% H)を加えて発色させた。
上記で得られたanti-IgA結合ビーズに結合したタンパクのウエスタンブロッティング解析の結果を図9に示した。尚、図9において、レーンCは、精製ウロモジュリン10μgを、レーン1〜3は、IgA腎症患者尿のanti−IgA結合ビーズに結合したタンパクを泳動した。
IgA腎症患者に由来する検体の全例で強いウロモジュリンのバンドが認められた。すなわち、IgA腎症患者の尿中から抗IgA抗体により免疫沈降させた抗原−IgA複合体中には、例外なくウロモジュリンが含まれることが確認された。
以上より、IgA腎症患者の尿中の抗原−IgA複合体中に、ウロモジュリンが含まれることが示され、抗ウロモジュリン抗体と抗IgA抗体によるサンドイッチ法によりIgA腎症を診断することの妥当性が確認された。
[実施例4]
<腎疾患の検出>
〜ELISA法による尿中IgA−ウロモジュリン複合体の検出2、異なる検体群による評価〜
実施例1における検体群とは異なる検体群を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてELISA法による尿中IgA−ウロモジュリン複合体の検出を行った。ただし、複合体量の測定値として、発色値の代わりに、以下のようにして作製した標準物(ヒトIgA−ヒトウロモジュリン複合体)における発色値を用いて、検体中の複合体量を標準物の濃度に換算した値を用いた。
(ヒトIgA−ヒトウロモジュリン複合体の作製)
100μlの2mg/ml Human IgA(Cortex社製)/PBS-1(10mM燐酸カリウムバッファー、150mMNaCl、pH7.8)と100μlの1mg/ml Human Tamm-Horsfall protein(Cortex社製)/PBS-1を混合し、20μlのグルタールアルデヒド(TAAB LABORATORIES EQUIPMENT LIMITED社製)溶液(0.5%/PBS-1)を加えて、25℃で2時間混合した後、PBS-1にて透析したものをヒトIgA−ヒトウロモジュリン複合体標準物とした。
IgA腎症患者32例を含む腎疾患患者74例と健康人(健常人)6例とから得られた検体について尿中IgA−ウロモジュリン複合体を測定した結果を図10に示す。
ブランクを差し引いた値を比較することで、IgA腎症患者32例を含む腎疾患患者74例と健康人6例を有意に区別できる結果を得た。
また、腎疾患患者74例と健康人6例についてROC解析を行った。ROC曲線を図11に示す。特異性が100%になるように定めたカットオフ値は0.064であり、そのカットオフ値から腎疾患患者74例と健康人6例の陽性率を求めた結果を表5に示す。表5に示した通り、腎疾患患者74例中陽性67例(90.5%)、健康人6例中陽性0例(0%)であり、両者を有意に区別できた。その時の感度は90.5%、特異度は100%、診断効率は91.3%であった。
<IgA腎症の検出>
次に、カットオフ値以上の複合体を検出した検体についてピロガロールレッド法により尿中の尿蛋白濃度を定量した。上記で得られた複合体検出量の値を尿蛋白濃度で除して、尿蛋白量あたりの複合体検出量を算出した。結果を図12に示す。尿蛋白量あたりの複合体検出量を比較することで、IgA腎症患者31例とIgA腎症以外の腎疾患患者36例を有意に区別できる結果を得た。
また、IgA腎症患者31例とIgA腎症以外の腎疾患患者36例についてROC解析を行なったところ、図13に示すROC曲線が得られた。ROC曲線から求めたカットオフ値は0.13であった。そのカットオフ値からIgA腎症患者31例とIgA腎症以外の腎疾患患者36例の陽性率を求めた結果を表6に示す。表6に示した通り、IgA腎症患者31例中陽性24例(77.4%)、IgA腎症以外の腎疾患患者36例中陽性5例(13.9%)であり、両者を有意に区別できた。その時の感度は77.4%、特異度は86.1%、診断効率は82.1%であった。
特に臨床診断上IgA腎症との鑑別が困難な遺伝性腎症(Alport)8例、IgA腎症の自然治癒例(燃え尽きIgA腎症)4例は全例陰性と判定され、臨床診断上非常に有効であることが示された。
[参考例1]
<腎疾患の検出>
〜ELISA法による尿中ウロモジュリンの検出〜
抗ヒトタム・ホースフォール蛋白質(Tamm-Horsfall protein)抗体(sheep, poly, Biotrend Chemikalien GmbH社製)をPeroxidase Labeling Kit-NH2(DOJINDO MOLECULAR TECHNOLOGIES, Inc)を用いて、キットに添付されているマニュアルに従って、Peroxidase標識を行った(以下、「Peroxidase標識抗ヒトタム・ホースフォール蛋白質抗体」という)。
上記で得られたanti-Tamm-Horsfallカップを洗浄液(50mM Tris/HCl(pH7.5)、150mM NaCl、0.01%Tween20)で3回洗浄し、検体希釈液(50% N102(日本油脂社製)、50mM Tris/HCl(pH7.5)、150mM NaCl、2%ブロックエース(大日本住友製薬社製))で1,000から10,000倍希釈した尿検体を50μl/well注入し、室温で1時間反応した。洗浄液(50mM Tris/HCl(pH7.5)、150mM NaCl、0.01%Tween20)で3回洗浄後、Can Get Signal2(TOYOBO社製)で1000倍希釈したPeroxidase標識抗ヒトタム・ホースフォール蛋白質抗体を、50μl/well注入し、室温で1時間反応した。洗浄液で3回洗浄後、3,3',5,5'-Tetramethylbenzidine (TMB) Liquid Substrate System for ELISA(SIGMA社製)を100μl/well注入し、室温で30分反応した。0.5M HSOを100μl/well注入して反応を停止させた後、OD(450−650nm)を測定した。IgA腎症患者32例を含む腎疾患患者74例と健康人6例について測定した結果を図14に示す。
ブランクを差し引いた値を比較したが、IgA腎症患者32例を含む腎疾患患者74例と健康人6例とを区別できない結果であった。
[参考例2]
<腎疾患の検出>
〜ELISA法による尿中IgAの検出〜
抗ヒトImmunoglobulin抗体(goat, poly anti-Human Ig’s, BIOSOURCE社製))を10μg/mlの濃度に、50mM Tris/HCl(pH7.5)、0.15M NaClで希釈した後、ポリソープカップ(NUNC社製)に50μl/well注入した。カップを湿潤ボックスに入れ4℃、一夜コートした。コート後、洗浄液(50mM Tris/HCl(pH7.5)、150mM NaCl、0.01%Tween20)で3回洗浄し、ブロッキング液(50% N102(日本油脂社製)、25mM Tris/HCl(pH7.5)、75mM NaCl、2%ブロックエース(大日本住友製薬社製))を150μl/well注入後、室温で2時間又は4℃で1日以上ブロッキングした(以下、「anti-Ig’sカップ」という)。
anti-Ig’sカップを洗浄液(50mM Tris/HCl(pH7.5)、150mM NaCl、0.01%Tween20)で3回洗浄し、検体希釈液(50% N102(日本油脂社製)、50mM Tris/HCl(pH7.5)、150mM NaCl、2%ブロックエース(大日本住友製薬社製))で1,000倍希釈した尿検体を50μl/well注入し、室温で1時間反応した。洗浄液(50mM Tris/HCl(pH7.5)、150mM NaCl、0.01%Tween20)で3回洗浄後、Can Get Signal2(TOYOBO社製)で1000倍希釈したHRP標識抗ヒトIgA抗体(Zymed社製)を、50μl/well注入し、室温で1時間反応した。洗浄液で3回洗浄後、3,3',5,5'-Tetramethylbenzidine (TMB) Liquid Substrate System for ELISA(SIGMA社製)を100μl/well注入し、室温で30分反応した。0.5M HSOを100μl/well注入して反応を停止させた後、OD(450−650nm)を測定した。IgA腎症患者32例を含む腎疾患患者74例と健康人6例について測定した結果を図15に示す。
ブランクを差し引いた値を比較することで、ウロモジュリン-IgA複合体を測定した場合に比較すると少し劣るものの、IgA腎症患者32例を含む腎疾患患者74例と健康人6例を有意に区別できる結果を得た。
また、腎疾患患者74例と健康人6例についてROC解析を行った。ROC曲線を図16に示す。特異度が100%になるように定めたカットオフ値は0.418であり、そのカットオフ値から腎疾患患者74例と健康人6例の陽性率を求めた結果を表7に示す。表5に示した通り、腎疾患患者74例中陽性64例(86.5%)、健康人6例中陽性0例(0%)であり、両者を有意に区別できた。その時の感度は86.5%、特異度は100%、診断効率は87.5%であった。

<IgA腎症の検出>
次に、IgA腎症患者32例を含む腎疾患患者74例についてピロガロールレッド法により尿中の尿蛋白濃度を定量した。上記で得られたIgA検出量の値を尿蛋白濃度で除して、尿蛋白量あたりのIgA検出量を算出した。結果を図17に示す。また、IgA腎症患者32例とIgA腎症以外の腎疾患患者42例についてROC解析を行なったところ、図18に示すROC曲線が得られた。尿蛋白量あたりのIgA検出量を比較することで、IgA腎症患者32例とIgA腎症以外の腎疾患患者42例を有意に区別することは困難であった。
上記から、尿中に存在するヒトIgAとヒトウロモジュリンとの複合体を検出することで、健康人(健常人)と腎症患者を識別できた。
また、尿中に存在するヒトIgAとヒトウロモジュリンとの複合体の尿蛋白濃度当りの検出量を測定することでIgA腎症とそれ以外の腎疾患を識別できた。
一方、尿中に存在するヒトウロモジュリンを単独で測定した場合には健康人(健常人)と腎症患患者を識別することができず、尿中に存在するヒトIgAを単独で測定した場合には健康人(健常人)と腎症患患者を識別することはできるが、尿蛋白濃度当りの検出量を測定することでIgA腎症とそれ以外の腎疾患を識別することができなかった。

Claims (19)

  1. 被験者の尿に由来する試料から、ヒトウロモジュリンとヒトIgAとの複合体を検出する複合体検出工程を含むIgA腎症の検査方法。
  2. 前記複合体検出工程は、前記試料と、ヒトウロモジュリンに対する抗体及びヒトIgAに対する抗体とを接触させることを含む請求項1に記載の検査方法。
  3. 前記複合体検出工程で検出された複合体の検出量の、被験者の尿に由来する試料中の尿蛋白質量に対する比率を得る工程をさらに含む請求項1または請求項2に記載の検査方法。
  4. 前記比率に基づいて、前記被験者の尿に由来する試料を、IgA腎症患者の尿に由来する試料に関連づける工程をさらに含む請求項3に記載の検査方法。
  5. 前記比率に基づいて、IgA腎症と判定する判定工程(但し、医師によるヒトの診断行為を除く)をさらに含む請求項3または請求項4に記載の検査方法。
  6. 被験者の尿に由来する試料から、ヒトウロモジュリンとヒトIgAとの複合体を検出する複合体検出工程を含む腎疾患の検査方法。
  7. 前記複合体検出工程は、前記試料と、ヒトウロモジュリンに対する抗体及びヒトIgAに対する抗体とを接触させることを含む請求項6に記載の検査方法。
  8. 前記複合体の検出量に基づいて、前記被験者の尿に由来する試料を、腎疾患患者の尿に由来する試料に関連づける工程をさらに含む請求項6または請求項7に記載の検査方法。
  9. 前記複合体の検出量に基づいて、腎疾患と判定する工程(但し、医師によるヒトの診断行為を除く)をさらに含む請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の検査方法。
  10. 被験者の尿に由来する試料から、ヒトウロモジュリンとヒトIgAとの複合体を検出する複合体検出工程と、
    前記複合体検出工程で検出された前記複合体の検出量、あるいは被験者の尿に由来する試料中の尿蛋白質量に基づいて、前記被験者の尿に由来する試料を、腎疾患患者の尿に由来する試料に関連づける第1の工程と、
    前記試料中の尿蛋白質量に対する前記複合体検出工程で検出された前記複合体の検出量の比率に基づいて、前記被験者の尿に由来する試料を、IgA腎症患者の尿に由来する試料に関連づける第2の工程と、を含むIgA腎症の検査方法。
  11. 被験者の尿に由来する試料から、ヒトウロモジュリンとヒトIgAとの複合体を検出する複合体検出工程と、
    前記複合体検出工程で検出された前記複合体の検出量、あるいは被験者の尿に由来する試料中の尿蛋白質量に基づいて、腎疾患と判定する第1の判定工程(但し、医師によるヒトの診断行為を除く)と、
    前記試料中の尿蛋白質量に対する前記複合体検出工程で検出された前記複合体の検出量の比率に基づいて、前記腎疾患をIgA腎症と判定する第2の判定工程(但し、医師によるヒトの診断行為を除く)と、を含むIgA腎症の検査方法。
  12. 前記複合体検出工程は、ヒトウロモジュリンに対する抗体と、ヒトIgAに対する抗体とを用いる免疫化学的方法である請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の検査方法。
  13. 前記免疫化学的方法は、サンドイッチ法である請求項12に記載の検査方法。
  14. 被験者の尿に由来する試料と、ヒトウロモジュリンに対する抗体及びヒトIgAに対する抗体とを接触させる工程を含む、ヒトウロモジュリンとヒトIgAとの複合体の検出方法。
  15. 前記複合体は、前記ヒトウロモジュリンに対する抗体と、ヒトIgAに対する抗体とを用いて免疫化学的方法で検出される請求項14に記載の検出方法。
  16. 前記免疫化学的方法は、サンドイッチ法である請求項15に記載の検出方法。
  17. 前記被験者は、腎疾患を発症しているヒト、腎疾患を発症していると疑われるヒト、または、腎疾患を発症する可能性を有しているヒトである請求項14〜請求項16のいずれか1項に記載の検出方法。
  18. 前記腎疾患は、IgA腎症である請求項17に記載の検出方法。
  19. 請求項1〜請求項18のいずれかに1項に記載の方法に使用するための、ヒトウロモジュリンに対する抗体と、ヒトIgAに対する抗体とを含む、ヒトウロモジュリンとヒトIgAとの複合体の検出キット。
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