JP7130313B2 - 新規抗ウロモジュリン抗体、その抗体を使用した血中ウロモジュリン濃度の測定方法及び測定キット、並びに、そのキットを用いた腎機能の評価方法 - Google Patents
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現在、わが国では、慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease、以下、「CKD」と略する)の総患者数は1,330万人であり、有病率は成人の8人に1人という高いものとなっている。
(1)IgA腎症などの慢性糸球体腎炎、糖尿病性腎症、腎硬化症など原疾患に関わらず、尿所見異常などの腎疾患・腎障害の存在を示す所見がある
(2)中等度以上の腎機能低下(推算GFR 60 ml/分/1.73 m2未満)を認める
日本人の加齢変化とeGFRとの関係を見ると、eGFRは年間0.36ずつ低下すると言われている(Hypertension Research 31:433-441, 2008)。eGFRの正常とは100程度であることから、10年間で3~5程度、40年間で15~20程度低下することになるが、この程度の低下では腎機能に特段の問題は生じない。下記表1に、糖尿病性腎症の進展と年間死亡率・生命予後との関係を示す(Kidney International 63;225, 2003)。
GFTGDGLTCVDLD(配列番号2)
GSFSCVCPEGFRLSPGLGCT(配列番号3)
GFTGDGLTCVDLD(配列番号2)
GSFSCVCPEGFRLSPGLGCT(配列番号3)
DVD ECAEPGLSHC HALATCV(配列番号4)
TCQEGFTGDG LTCVDLDECA IPGAHNCSAN SSCVNTPGSF SCVCPEGFRL
SPGLGCTDVD ECAEPGLSHC HALATCVNVV GSYLCVCPAG YRGDGWHCEC
SPGSCGPGLD CVPEGDALVC ADPCQAHRTL DEYWRSTEYG EGYACDTDLR
GWYRFVGQGG ARMAETCVPV LRCNTAAPMW LNGTHPSSDE GIVSRKACAH
WSGHCCLWDA SVQVKACAGG YYVYNLTAPP ECHLAYCTDP SSVEGTCEEC
SIDEDCKSNN GRWHCQCKQD FNITDISLLE HRLECGANDM KVSLGKCQLK
SLGFDKVFMY LSDSRCSGFN DRDNRDWVSV VTPARDGPCG TVLTRNETHA
TYSNTLYLAD EIIIRDLNIK INFACSYPLD MKVSLKTALQ PMVSALNIRV
GGTGMFTVRM ALFQTPSYTQ PYQGSSVTLS TEAFLYVGTM LDGGDLSRFA
LLMTNCYATP SSNATDPLKY FIIQDRCPHT RDSTIQVVEN GESSQGRFSV
QMFRFAGNYD LVYLHCEVYL CDTMNEKCKP TCSGTRFRSG SVIDQSRVLN
LGPITRKGVQ ATVSRAFSSL GLLKVWLPLL LSATLTLTFQ(配列表の配列番号1)
本発明の抗ヒトウロモジュリン抗体は、下記のアミノ酸配列を有するヒトウロモジュリン(配列表の配列番号1)に対するものである。
LTCVDLDECA IPGAHNCSAN SSCVNTPGSF SCVCPEGFRL SPGLGCTDVD ECAEPGLSHC
HALATCVNVV GSYLCVCPAG YRGDGWHCEC SPGSCGPGLD CVPEGDALVC ADPCQAHRTL
DEYWRSTEYG EGYACDTDLR GWYRFVGQGG ARMAETCVPV LRCNTAAPMW LNGTHPSSDE
GIVSRKACAH WSGHCCLWDA SVQVKACAGG YYVYNLTAPP ECHLAYCTDP SSVEGTCEEC
SIDEDCKSNN GRWHCQCKQD FNITDISLLE HRLECGANDM KVSLGKCQLK SLGFDKVFMY
LSDSRCSGFN DRDNRDWVSV VTPARDGPCG TVLTRNETHA TYSNTLYLAD EIIIRDLNIK
INFACSYPLD MKVSLKTALQ PMVSALNIRV GGTGMFTVRM ALFQTPSYTQ PYQGSSVTLS
TEAFLYVGTM LDGGDLSRFA LLMTNCYATP SSNATDPLKY FIIQDRCPHT RDSTIQVVEN
GESSQGRFSV QMFRFAGNYD LVYLHCEVYL CDTMNEKCKP TCSGTRFRSG SVIDQSRVLN
LGPITRKGVQ ATVSRAFSSL GLLKVWLPLL LSAT(配列表の配列番号1)
GSFSCVCPEGFRLSPGLGCT(配列番号3)
同262~321番
同322~381番
以上のように変性させた抗体サンプル溶液を、所望の濃度のアクリルアミドを含むゲルビーズを用いた電気泳動に供し、250 kDa以上の完全長抗体のバンドが形成されているか否かを確認する。
本発明の酵素免疫法を簡便に実施するために、本発明2つの抗体を含む以下のような構成のキットを作製し、これを使用することができる。
(1)ウロモジュリン
ウロモジュリンは、メルク社より購入した。5-7週齢のBalb/cマウスは、日本チャールズ・リバー(株)より購入した。
ウロモジュリン100μgを生理食塩水で0.1 mLに希釈したものをマウス一匹当たりの抗原溶液として調製した。この抗原溶液に、0.1 mLのFCAを加えて乳化させた混合溶液をマウスの背部皮下に投与した。2週間おきに8回免疫操作を行った。8回目の免疫は、100μgの抗原溶液を0.1 mLの生理食塩水に溶解した溶液を、マウス尾静脈から投与した。上記マウスは、室温25℃、湿度45~70%、明暗12時間の条件の下、飼料(オリエンタル酵母工業(株)製)及び水を自由摂取させて飼育した。
得られた抗原でBalb/cマウスを免疫した。10μgのウロモジュリンを生理食塩水で0.1 mLに希釈したものをマウス一匹当たりの抗原溶液として調製した。この抗原溶液に、0.1 mLのFCA(フロイントの完全アジュバント)を加えて乳化させた混合溶液をマウスの背部皮下に投与した。2週間おきに8回免疫操作を行った。8回目の免疫は、100μgの抗原溶液を0.1 mLの生理食塩水に溶解した溶液を、マウス尾静脈から投与した。
先ず、上記の抗原溶液を、PBS(pH 7.2~7.4)を用いて1.0μg/mlに調製した。これを、50μL/ウェルとなるよう96ウェルプレート(Falcon社製)に分注して、4℃で一晩静置して抗原を固相化させた。0.05% Tweenを含むPBSで抗体を固相化した96ウェルプレートを3回洗浄し、その後、ブロックエース(大日本製薬(株)製)を4倍希釈して100μL/ウェルとなるように加え、37℃で2時間静置してブロッキング処理を行った。0.05% Tweenを含むPBSで3回洗浄した後に、血清の原液を50 μL/ウェルとなるよう加え、37℃で1時間静置して反応させた。
マウスから脾臓を摘出し、予めシャーレ5枚に分注しておいた200 mLのRPMI 1640 S.P培地を用いて各1回ずつ計5回洗浄した。洗浄後、脾臓をメッシュに乗せて、ハサミで数回切り込みを入れ、ガラス棒ですり潰し、RPMI 1640 S.P培地でメッシュを洗って、40 mLのガラス製遠沈管に脾臓細胞を集めた。集めた脾臓細胞を1,200 rpm(270 × g)で10分間遠心し、上清を吸引ピペットで除いた。その後、RPMI1640 S.P培地を40 mL加え、1,200 rpm(270 × g)で10分間遠心して上清を除いた。得られた脾臓細胞に40 mLのRPMI1640 S.P培地を加えてよく撹拌し、血球計算盤で細胞数を計数した。
15%FCS含有HAT培地を含むPMI1640 S.P培地を96ウェルプレートに入れ、上記で得られたハイブリドーマを播種した。37℃、5%CO2インキュベーター中で、得られたハイブリドーマを7日~14日培養し、コロニーの成長具合を見てELISA法で抗体産生能をスクリーニングした。
(1)抗体の精製
先ず、上記抗体(1 mg/mL)をそれぞれ1μLずつ取り、4μLの水を加えて総量5μLとした。10% 2-メルカプトエタノール含有2×SDS試料バッファー(125 mM Tris-HCl(pH 6.8)、4% SDS、10%グリセロール、0.004% ブロモフェノールブルーを含む)、又は2×SDSサンプルバッファーのみのいずれかを等量で加えた。その後、95℃で約10分加熱して、上記抗体を変性・還元条件下、又は変性・非還元条件下のいずれかで処理した抗体サンプル溶液を調製した。
上記で調製したハイブリドーマが産生した抗ヒトウロモジュリンモノクローナル抗体が反応する抗原エピトープを、以下のようにして解析した。
本発明のキットには使用していない抗体を含め、得られた新規モノクローナル抗体の抗原エピトープのまとめを下記表3に示す。
上記表1に示した抗体のうち、3-5及び29-9を使用して、下記のようにしてELISAを行ない、検出精度及び検出感度を市販されているキット(Euroimmune社製)と比較した。
上記2つの抗体(3-5及び29-9)を含むELISA用キットは、イムノ・プローブ社より提供を受けた。本発明のELISAキット(ウロモジュリンELISAキット)の構成は下記表4に示す通りである。
上記の各試薬は、室温に戻してから使用した。まず、10×洗浄液に精製水450 mLを加えて10倍希釈し、洗浄用バッファーを調製した。次いで、ウロモジュリン標準品に1mLの試料希釈液を加えて40 ng/mLの標準試料溶液を調製した。この標準試料溶液を試料希釈液で2倍希釈し、20、10、5、2.5、1.25、0.62、0.31、0 ng/mLの標準試料希釈液を調製した。ブランク(0 ng/mL)には、ウロモジュリン標準品を含まない試料希釈液を使用した。以上の手順に従って作製した検量線を、図8示す。
洗浄した上記の96ウェルプレートに上記のように調製した標識抗体を100μLずつ加え、室温にて1時間静置した。上記ウェル内の標準品又は試料を捨て、これらを加えていた各ウェルに300μLの洗浄液を加えて洗浄した。この洗浄操作を5回繰り返した。
本発明の検出キットの検出限界は、0.31 ng/mLであり、測定誤差は、10%以下であった(n = 3, P<0.05)。
市販のキット(Euroimmune社製)の検出限界は、使用説明書に記載されている通り、2ng/mLであった。また、前記市販のキットを使用した場合のウロモジュリンとeGFRとの間の相関関係を図5(A)に、腎不全の各ステージにおけるウロモジュリンの値を図5(B)にそれぞれ示す。
以上の結果、本発明の抗体を含む上記キットは、市販品よりもほぼ10倍感度が高いことが示された。
採取した検体を、即時測定する必要があるのか否かを確認するために、検体採取後の保存条件によるウロモジュリン測定値の差異を検討した。採取した血液は速やかに血清分離した後、図9に示すようにday 0(検体採取同日)~day 8(検体採取より9日目)で-80℃で凍結保存とした。検体採取後凍結保存までの期間は、4℃にて凍結せずに保存した。検体中のウロモジュリンの含有量を上記のELISAキットを用いて測定した。
測定結果から、検体採取から1週間以上経過した検体においても、4℃で保存されていれば、検体採取後速やかに凍結処理をせずとも検体中のウロモジュリンの測定値には、大きな変動はないことが示された。この結果より、検体採取後に速やかな凍結保存処理は必ずしも必要ではないこと、及び、4℃保存の条件下においては血中のウロモジュリン蛋白質自体は分離血清中で安定に存在していることが示された。
以下の実験は、東京女子医科大学病院で行われている「血中uromodulinの臨床的意義に関する研究」のプロトコルに従って行った。健常人、及びCKDステージ1~5の腎疾患の患者から得た血清を使用して、上記方法と同様の方法で血中ウロモジュリン濃度を測定した。疾患別の患者数を下記表5に示す。
eGFR-cre(クレアチニン換算eGFR)は、下記式にて算出した。
eGFR-cre(男性) = 194 × 血清クレアチニン-1.094 × 年齢-0.287
eGFR-cre(女性) = 194 × 血清クレアチニン-1.094 × 年齢-0.287 × 0.739
eGFR-cysc(男性) = (104 × シスタチンC-1.019 × 0.996年齢)-8
CCr-CG(Cockcroft-Gault式)は、下記式にて算出した。
CCr(男性) = {(140-年齢)×体重}/{72×血清クレアチニン値}
CCr(女性) = {(140-年齢)×体重}/{72×血清クレアチニン値}×0.85
aTINは、ほとんどがアレルギー性機序を含む薬の副作用によって生じることが知られている疾患である。発症時期は一定しておらず、投薬開始後数日で発症することもあれば、投薬開始後1年を超えて発症することもある。aTINの主な治療法は、被疑薬の中止であるが、症例によってはステロイドが投与されることもある。
以下に幾つかの症例について、ウロモジュリンの血中濃度を上記キットで測定し、マーカーとしての適否を検討した。個人情報の観点から、下記の実施例では、年についてはX年と記載した。
X年5月胸腰椎圧迫骨折を来し、自宅近くの整形外科にてチアラミド・ロキソプロフェン・エルデカルシトールを処方されたが、症状は改善しなかった。後にアセトアミノフェンが処方に追加され、神経ブロック注射も開始されたが奏功せず、自宅での生活が困難となった。このため、11月にY病院の整形外科に入院した。10月のクレアチニン値は0.88mg/dL(採血)であったが、同院への入院時に、クレアチニン値は8.05mg/dLと高くなっており、急激な腎機能悪化が認められた。このため、東京女子医科大学八千代医療センター腎臓内科へ転入院となった。
臨床経過における血中クレアチニン濃度と血中悪露モジュリン濃度の変化を図11(B)に示す。血中ウロモジュリンの濃度は、大きく低下し治療効果をよく反映していた。
この症例の患者は、元々アレルギー体質であった。X年11-12月に家族から勧められて何らかを成分として含有するサプリメントを複数摂取するようになった。また、12月にキムチを食べた後から食事アレルギーと思われる全身性浮腫を来した。しかし、病院で受診せず、自宅で経過観察とした。
翌年年3月にかけて次第に体調が悪化し、全身性に高度な落屑を伴う皮疹を認めるようになったため、他院の皮膚科を受診したところ、紅皮症と診断された。同時に、高度腎機能低下(クレアチニン値5.96mg/dL)が認められたため、東京女子医科大学八千代医療センター腎臓内科を受診し緊急入院となった。
生来健康であったが、X年4月、発熱があり感冒症状を自覚したため、自宅近くの医院で受診し、感冒と診断された。ロキソプロフェン、レバミピド、及びモサプリドの処方を受けたが症状は改善されなかったため、他院を受診したところ、血中クレアチニン濃度が10.52mg/dLと高値を示し、肺炎及び高度腎機能障害を指摘されて、東京女子医科大学八千代医療センター腎臓内科を紹介され受診し緊急入院となった。
したがって、以上の3症例の結果が示すように、血中クレアチニン濃度よりも、血中ウロモジュリン濃度は、aTINの鋭敏なマーカーとなりえると考えられた。
配列番号2:抗ウロモジュリン抗体のエピトープ配列(1)
配列番号3:抗ウロモジュリン抗体のエピトープ配列(2)
配列番号4:抗ウロモジュリン抗体のエピトープ配列(3)
Claims (14)
- 下記配列で表される新規エピトープ配列(配列表の配列番号2又は3)を認識する、ことを特徴とするマウス抗ヒトウロモジュリンモノクローナル抗体。
GFTGDGLTCVDLD(配列番号2)
GSFSCVCPEGFRLSPGLGCT(配列番号3) - 配列表の配列番号1で表されるヒトウロモジュリンのヌクレオチド配列の163~201番から翻訳されるペプチド配列(配列番号2)を新規抗原エピトープとする抗体、262~321番から翻訳されるペプチド配列(配列番号3)を新規抗原エピトープとする抗体、及び322~381番から翻訳されるペプチド配列(配列番号4)を新規抗原エピトープとする抗体からなる群から選ばれるいずれかのものである、マウス抗ヒトウロモジュリンモノクローナル抗体。
GFTGDGLTCVDLD(配列番号2)
GSFSCVCPEGFRLSPGLGCT(配列番号3)
DVD ECAEPGLSHC HALATCV(配列番号4) - 請求項1又は2に記載のモノクローナル抗体のうち、前記配列番号2又は3で表されるエピトープを認識する2種類を用いることを特徴とする、IgA腎症、腎硬化症、糖尿病性腎症、微小変化型、巣状糸球体硬化症、多発性嚢胞腎、膜性腎症、膜性増殖性糸球体腎炎、片腎、急性尿細管間質性腎炎及び急性尿細管障害からなる群から選ばれるいずれかの腎疾患に罹患した後の腎機能低下の検出、又は前記疾患に罹患する前もしくは前記疾患に罹患した時点における腎予備力・脆弱性を評価するための血中ウロモジュリン検出用酵素免疫法。
- (a)前記配列番号2で表される抗原エピトープを認識するモノクローナル抗体を第1次抗体として固相のウェルをコートする抗体固相化工程と;
(b)前記第1次抗体の標的タンパク質の標準品又は前記標的タンパク質を含む採取試料を、前記固相の前記ウェルに所定量加え、室温で前記固相を所定時間静置する反応工程と;
(c)前記反応工程終了後に前記固相のウェル中の液体を捨て、洗浄液で洗浄する第1洗浄工程と;
(d)希釈した試料を前記固相のウェル中に添加した後に、所望の酵素で標識した、前記第1次抗体とは異なる前記配列番号3で表される抗原エピトープを認識するモノクローナル抗体を第2次抗体として所定量加える標識工程と;
(e)前記標識工程終了後に前記固相のウェル中の液体を捨て、洗浄液で洗浄する第2洗浄工程と;
(f)前記固相のウェルに希釈した試料を添加した後に、酵素で標識した前記モノクローナル抗体を所定量加える酵素標識工程と;
(g)前記固相のウェルに所定量の発色液を添加して発色させ、停止液を加えて発色を停止させる発色工程と;
(h)前記発色停止後に吸光度を測定する測定工程と;
を備えることを特徴とする、請求項3に記載の血中ウロモジュリン検出用酵素免疫法。 - 前記第1次抗体は前記配列表の前記配列番号2で表されるエピトープを認識する抗体であり、前記第2次抗体は前記配列表の前記配列番号3で表されるエピトープを認識する抗体である、ことを特徴とする請求項4に記載の血中ウロモジュリン検出用酵素免疫法。
- 前記第2次抗体の標識に使用する標識は、西洋わさびペルオキシダーゼ、又はアルカリフォスファターゼからなる群から選ばれるいずれかの酵素であり、前記第1次抗体は前記配列番号2で表されるエピトープを認識する抗体であり、前記第2次抗体は前記配列番号3で表されるエピトープを認識する抗体であることを特徴とする、請求項4又は5に記載の血中ウロモジュリン検出用酵素免疫法。
- 請求項3~6のいずれかに記載の血中ウロモジュリン検出用酵素免疫法を用いて、採取試料中に含まれるヒト血中ウロモジュリン濃度を測定し、前記濃度の経時変化を確認する経時変化確認工程と、前記経時変化確認工程で得られた結果に基づいて、IgA腎症、腎硬化症、糖尿病性腎症、微小変化型、巣状糸球体硬化症、多発性嚢胞腎、膜性腎症、膜性増殖性糸球体腎炎、片腎、急性尿細管間質性腎炎及び急性尿細管障害からなる群から選ばれるいずれかの疾患への罹患リスクを判定する判定工程、又は前記リスク疾患に罹患した時点における腎予備力・脆弱性を評価する評価工程の少なくとも一方と、を備える腎疾患への罹患リスクの評価方法。
- 前記疾患は、急性尿細管間質性腎炎であることを特徴とする、請求項7に記載の疾患への罹患リスクの評価方法。
- 請求項1又は2に記載のモノクローナル抗体のうち、前記配列番号2又は3で表されるエピトープを認識する2種類を用いることを特徴とする、血中ウロモジュリン検出用酵素免疫測定用キット。
- ウェルを有する固相をコートする第1次抗体としての前記モノクローナル抗体のうちの一方、標識で標識された第2次抗体としての前記モノクローナル抗体うちの他方、凍結乾燥したウロモジュリンの標準品、試料希釈用の緩衝液及び洗浄用の緩衝液、発色液及び停止液を含む、ことを特徴とする、請求項9に記載の血中ウロモジュリン検出用酵素免疫測定用キット。
- 前記標識は、西洋わさびペルオキシダーゼ、又はアルカリフォスファターゼからなる群から選ばれるいずれかの酵素であることを特徴とする、請求項10に記載の血中ウロモジュリン検出用酵素免疫測定用キット。
- 前記発色液は、3,3’,5,5’-テトラメチルベンチジン、o-フェニレンジアミンジヒドロクロライド及び2,2'-アジノ-ジ-[3-エチル-ベンゾチアゾリン-6 スルフォン酸]ジアンモニウム塩からなる群から選ばれるいずれかの化合物であることを特徴とする、請求項10又は11に記載の血中ウロモジュリン検出用酵素免疫測定用キット。
- (a)前記配列番号2で表される抗原エピトープを認識するモノクローナル抗体を第1次抗体として固相のウェルをコートする抗体固相化工程と;
(b)前記第1次抗体の標的タンパク質の標準品又は前記標的タンパク質を含む採取試料を、前記固相の前記ウェルに所定量加え、室温で前記固相を所定時間静置する反応工程と;
(c)前記反応工程終了後に前記固相のウェル中の液体を捨て、洗浄液で洗浄する第1洗浄工程と;
(d)希釈した試料を前記固相のウェル中に添加した後に、所望の酵素で標識した、前記第1次抗体とは異なる前記配列番号3で表される抗原エピトープを認識するモノクローナル抗体を第2次抗体として所定量加える標識工程と;
(e)前記標識工程終了後に前記固相のウェル中の液体を捨て、洗浄液で洗浄する第2洗浄工程と;
(f)前記固相のウェルに希釈した試料を添加した後に、酵素で標識した前記モノクローナル抗体を所定量加える酵素標識工程と;
(g)前記固相のウェルに所定量の発色液を添加して発色させ、停止液を加えて発色を停止させる発色工程と;
(h)前記発色停止後に吸光度を測定する測定工程と;
を備える酵素免疫法を用いて、採取された血液試料中に含まれるウロモジュリン濃度を経時的に測定し、IgA腎症、腎硬化症、糖尿病性腎症、微小変化型、巣状糸球体硬化症、多発性嚢胞腎、膜性腎症、膜性増殖性糸球体腎炎、片腎、急性尿細管間質性腎炎及び急性尿細管障害からなる群から選ばれるいずれかの腎疾患に罹患した後の腎機能低下の検出、又は前記疾患に罹患する前もしくは前記疾患に罹患した時点における腎予備力・脆弱性を評価するための検査方法。 - 下記のアミノ酸配列(配列表の配列番号1)を有する、血中ウロモジュリンをバイオマーカーとして測定する測定工程と、前記血中ウロモジュリンのレベルを健常人の血中ウロモジュリンレベルと対比する対比工程とを備える、IgA腎症、腎硬化症、糖尿病性腎症、微小変化型、巣状糸球体硬化症、多発性嚢胞腎、膜性腎症、膜性増殖性糸球体腎炎、片腎、急性尿細管間質性腎炎及び急性尿細管障害からなる群から選ばれるいずれかの腎疾患に罹患した後の腎機能低下の検出、又は前記疾患に罹患する前もしくは前記疾患に罹患した時点における腎予備力・脆弱性を評価するための検査方法。
MGQPSLTWML MVVVASWFIT TAATDTSEAR WCSECHSNAT CTEDEAVTTC
TCQEGFTGDG LTCVDLDECA IPGAHNCSAN SSCVNTPGSF SCVCPEGFRL
SPGLGCTDVD ECAEPGLSHC HALATCVNVV GSYLCVCPAG YRGDGWHCEC
SPGSCGPGLD CVPEGDALVC ADPCQAHRTL DEYWRSTEYG EGYACDTDLR
GWYRFVGQGG ARMAETCVPV LRCNTAAPMW LNGTHPSSDE GIVSRKACAH
WSGHCCLWDA SVQVKACAGG YYVYNLTAPP ECHLAYCTDP SSVEGTCEEC
SIDEDCKSNN GRWHCQCKQD FNITDISLLE HRLECGANDM KVSLGKCQLK
SLGFDKVFMY LSDSRCSGFN DRDNRDWVSV VTPARDGPCG TVLTRNETHA
TYSNTLYLAD EIIIRDLNIK INFACSYPLD MKVSLKTALQ PMVSALNIRV
GGTGMFTVRM ALFQTPSYTQ PYQGSSVTLS TEAFLYVGTM LDGGDLSRFA
LLMTNCYATP SSNATDPLKY FIIQDRCPHT RDSTIQVVEN GESSQGRFSV
QMFRFAGNYD LVYLHCEVYL CDTMNEKCKP TCSGTRFRSG SVIDQSRVLN
LGPITRKGVQ ATVSRAFSSL GLLKVWLPLL LSATLTLTFQ(配列表の配列番号1)
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abcam, サンドイッチELISAプロトコール,2017年07月20日,[online 検索日:2021-4-27],〈URL:https://web.archive.org/web/20170720203450/https://www.abcam.co.jp/protocols/sandwich-elisa-protocol-3〉 |
Datebase Uniprot[online], Accession No.P07911,2019年01月16日,〈URL:https://www.uniprot.org/uniprot/P07911〉,Definition: Uromodulin |
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福崎 篤、他2名,抗THP抗体を用いた尿中赤血球免疫染色による血尿の部位診断,医学のあゆみ,1993年11月13日,[online 検索日:2021-4-27], 〈URL:https://mol.medicalonline.jp/library/journal/download?GoodsID=aa7ayuma/1993/016707/017&name=0617-0618j&UserID=61.206.183.138&base=jd_pdf〉 |
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