JP4143498B2 - 統合失調症の判定方法 - Google Patents

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本発明は、末梢血液、特に末梢血液中の血小板分画を用いて、Fynタンパク質を測定する工程を含む統合失調症の診断方法に関する。さらに、本発明は、抗Fynタンパク質抗体を含む統合失調症の診断キット、統合失調症治療薬等にも関する。
統合失調症は、人口の約1%に見られる、幻聴や被害妄想などの陽性症状、あるいは感情が鈍って意欲がなくなる陰性症状を伴う、慢性的な脳の疾患である。実際には、脳室の拡大、海馬細胞の混乱、層および領域特異的な樹状突起の減少などの組織異常が観察される。この疾患の原因として、ドーパミンの機能亢進、N−メチル−D−アスパラギン酸レセプター(NMDAレセプター)の阻害によるグルタミン酸の機能低下などが考えられている。
また、遺伝学的な連鎖解析から、ヒトにおいて、染色体6q21−q22.3あるいは6q16−24が統合失調症の感受性領域であることが示唆されている(非特許文献1:Genomics 43: 1-8 (1997);非特許文献2:Am. J. Med. Genet. 81: 282-289 (1998))。また、プロテオソーム解析から、感受性遺伝子が6q12−26に存在することが示されている(非特許文献3:Mol. Psychiatry 5: 85-90 (2000))。
また、Fynタンパク質は、非レセプター型のチロシンキナーゼで、脳、造血細胞、精巣において高い発現が認められている。脳において、Fynタンパク質は、軸索誘導、シナプス形成、シナプスにおける神経伝達などのニューロン機能において役割を果たしていると考えられている。
一方、従来、統合失調症は、妄想・幻覚などの特徴的な症状の聴取や対人関係や職業・学業能力など社会的機能の低下を確認することによって診断されていた(非特許文献5:「DSM−IV 精神疾患の診断・統計マニュアル」)。そのため、症状を患者本人あるいは周囲の人間が隠そうとした場合、診断に困難が生じることが多かった。また、従来、抗Fyn抗体を用いてウエスタン・ブロット法によってFynタンパク質を測定する方法は知れていたが(非特許文献6:EMBO J. 7: 3845-55 (1988))、従来公知の抗体は特異性に問題があり、多くの非特異的免疫反応がみられた。そのため、Fynタンパク質の定量や異常産物の確認が困難であった。
Genomics 43: 1-8 (1997) Am. J. Med. Genet. 81: 282-289 (1998) Mol. Psychiatry 5: 85-90 (2000) Biochem. Biophys. Res. Comm. 298: 501-504 (2002) 「DSM−IV 精神疾患の診断・統計マニュアル」 EMBO J. 7: 3845-55 (1988)
以上のように、統合失調症を診断するために使用できる、有効で、簡便に使用できる指標は知られておらず、そのような指標及びその指標を用いた簡便な統合失調症の診断方法の開発が望まれていた。
本発明は、上記のような状況を考慮してなされたもので、以下に示す、統合失調症の診断方法、抗Fynタンパク質抗体を含む統合失調症の診断キット、統合失調症治療薬などに関する。
(1)末梢血液由来試料中におけるFynタンパク質の発現解析を行うことを含む統合失調症の診断方法;
(2) 前記Fynタンパク質の発現解析を、該試料中のFynタンパク質を測定することによって行う、上記(1)に記載の診断方法;
(3) 前記Fynタンパク質の発現解析を、該試料中のFynΔ7タンパク質を統合失調症の病勢マーカーとして測定することによって行う、上記(2)に記載の診断方法;
(4) 前記タンパク質の測定を、ウエスタン・ブロット法によって行う、上記(2)または(3)に記載の診断方法;
(5) 前記Fynタンパク質の発現解析を、該試料中のFynΔ7タンパク質のmRNAを測定することによって行う、上記(1)に記載の診断方法;
(6) 前記FynΔ7タンパク質のmRNAの測定を、蛍光標識プライマーを用いた競合的PCRによって行う、上記(5)に記載の診断方法;
(7) 被験者の末梢血液由来試料を用いた測定値と、正常者の測定値とを比較することによって診断を行う、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の診断方法;
(8) 末梢血液中の血小板分画を試料として用いる、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の診断方法;
(9) Fynタンパク質のSH3領域に特異的に結合する抗体を含む統合失調症の診断キット;
(10) 生体試料中のFynΔ7タンパク質を統合失調症の病勢マーカーとして測定することを含む統合失調症の診断方法;及び
(11) FynBタンパク質、FynTタンパク質及び抗FynΔ7タンパク質抗体から選ばれる活性成分を含む統合失調症治療薬。
本発明によれば、末梢血液におけるfyn遺伝子産物の発現を高感度に検出することが可能となったので、簡便でかつ正確に統合失調症を診断する方法を提供することができる。また、本発明によれば、FynΔ7タンパク質を病勢マーカーとすることによって、より正確に統合失調症の診断を行うことができる。さらに、本発明によれば、統合失調症を診断する簡便な診断キットも提供することができる。
以下、本発明の統合失調症の診断方法、抗Fynタンパク質抗体を含む診断キット、統合失調症治療薬等について詳細に説明する。
1.統合失調症の診断方法
本発明は、末梢血液由来試料中におけるFyn遺伝子産物の発現解析を行うことを含む統合失調症の診断方法に関する。
(Fynタンパク質)
本明細書中、「Fynタンパク質」とは、p59fyn遺伝子の発現によって産生されるタンパク質をいい、すべてのアイソフォーム、スプライスバリアントなどを含む用語として用いられる。現在、ヒトFynタンパク質としては、FynB、FynT、FynΔ7の3種のアイソフォームが知られており、それぞれのアミノ酸配列および該タンパク質をコードする遺伝子の塩基配列は、GenBankに、それぞれ、NP_002028およびNM_002037(FynB)、NP_694592及びNM_153047(FynT)、NP_694593及びNM_153048(FynΔ7)として登録されている(Biochem. Biophys. Res. Comm. 298: 501-504 (2002))。Fynタンパク質は、非レセプター型のチロシンキナーゼで、脳、造血細胞、精巣において高い発現が認められている。また、脳において、Fynタンパク質は、軸索誘導、シナプス形成、シナプスにおける神経伝達などのニューロン機能において役割を果たしていると考えられている。マウスにおいて、Fynタンパク質をコードするfyn遺伝子を破壊することにより、NMDAレセプター、ドーパミン、5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT)、γ−アミノ酪酸(GABA)などの神経伝達物質/レセプター系の機能不全が観察されている(Yagi, Biochem Pharmacol 57, 845-50 (1999))。ヒトfyn遺伝子は染色体6q21に位置し、Srcファミリーに属するチロシンキナーゼをコードしている。これらの遺伝子の研究から、第7エクソンの中でスプライシングが生じ、造血細胞で発現するfynT、同じく、脳で発現するfynB、さらに第7エクソンが削除され、末梢血の単核細胞で同定されたfynΔ7が知られている(Biochem. Biophys. Res. Comm. 298: 501-504 (2002))。
本発明者らは、後述の実施例及び実験例に示すように、統合失調症患者と正常者の抹消血液中のFynタンパク質の発現レベルを分析した結果、Fynタンパク質が統合失調症に関与していることを明らかにしたものである。また、本発明者らは、後述の実施例及び実験例に示すように、Fynタンパク質アイソフォーム中のFynΔ7タンパク質がキナーゼ活性を有しないことから、その過剰発現が統合失調症に影響していることを見出したものである。
(末梢血液由来試料)
本明細書中、「抹消血液由来試料」とは、被験者の抹消血液及びその成分に由来する試料をいい、例えば、抹消血液及び末梢血液中の血小板分画が挙げられる。末梢血液由来試料は、例えば、DSM−IV(Diagnostic and Statistical Mannual of Mental Disorders, the 4th Ed.)に従って被験者から採取する。
血小板分画(血小板濃縮血漿)は、Weilらの報告(J. Virol. 73: 3709-3717 (1999))に記載の方法に準じた方法を用いて調製することができる。具体的には、次の方法で調製することができる。まず、前記の末梢血を50×gで15分間遠心し、その上清部分をさらに1000×gで15分間遠心する。沈殿を回収した後、適当量のPBSに溶解する。溶解液をいくつかに等分した後、1000×gで15分間の遠心により得られた沈殿を凍結し、液体窒素中で使用まで保存する。
なお、Fynタンパク質は抹消血液中に多く存在するので、このような抹消血液を使用することによって、全血を用いた場合と比較してより正確に統合失調症の診断を行うことができる。また、抹消血液中の血小板分画に特にFynタンパク質の発現が多いから、抹消血液由来試料としては、血小板分画を用いることが好適である。
(Fynタンパク質の発現解析)
本発明の診断方法においては、上記のようにして得られる抹消血液由来試料中のFynタンパク質の発現を解析する。ここで、「Fynタンパク質を解析する」とは、Fynタンパク質の発現を定量的及び/又は定性的に分析することをいい、例えば、(1)該試料中のFynタンパク質アイソフォームの全量を測定すること、(2)該試料中の特定のFynタンパク質アイソフォーム(例えば、FynΔ7タンパク質)の量を測定すること、(3)該試料中の特定のFynタンパク質アイソフォーム(例えば、FynΔ7タンパク質)のmRNA量を測定すること、(4)該試料中のFynタンパク質のアイソフォームの含有比率を測定すること、(5)該試料中のFynタンパク質アイソフォームのmRNAの含有比率を測定すること等を意味する。
Fynタンパク質の測定は、公知のタンパク質の測定法で行うことができ、例えば、Fynタンパク質に対する特異的ポリクローナル抗体やモノクローナル抗体を用いたウエスタンブロッティング法、EIA法(例えば、Harlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual, Col Spring Harbor Laboratory, 1988; 特開平10−160735等を参照)、RIA法、FIA、化学発光イムノアッセイ、あるいはECLIA法などの免疫学的な手法を用いて測定することができる。本発明においては、ウエスタンブロッティングを用いることによって、Fynタンパク質を簡便かつ感度良く測定することができる。
ウエスタンブロッティングを用いるタンパク質の測定方法は公知であり、そのような公知の手法に基づいて、Fynタンパク質を検出することができる。具体的には、試料をSDSサンプルバッファー(50mM トリス塩酸、pH6.8、5% SDS、10% グリセロール、1mM オルトバナジウム酸ナトリウム)で可溶化後、超音波処理し、20000×gで30分間遠心する。遠心上清を回収し、そのタンパク質濃度を測定する。タンパク質濃度の測定は公知の方法のいずれにしたがってもよいが、例えばBCAタンパク質測定キット(PIERCE社)等のキットを用い、キットに添付の手順にしたがって測定するのが簡便である。回収した上清をβ−メルカプトエタノールの存在下(全容量の5%)、または非存在下で沸騰処理を行った後、SDS−ポリアクリルアミドゲル(分離するタンパク質の分子量によりゲル濃度は異なる。本発明の場合は、10%程度が好ましい。)に充填し、電気泳動する。泳動後、タンパク質をPVDF膜へ公知の手段を用いてブロットする。抗Fynタンパク質抗体、続いて標識した2次抗体(例えば、パーオキシダーゼ標識)と反応させ、市販のキット(例えば、ECL−プラス(アマシャム))等を用いて、発色、視覚化する。
また、FynΔ7タンパク質等のFynタンパク質アイソフォームのmRNA量の測定は、競合的PCR法、好ましくは、蛍光標識プライマーを用いた競合的PCR法によって簡便かつ正確に定量測定することができる(Wang, et al., Proc. Natl. Acad. Sci., USA. 86: 9717-9721 (1989); Raeymaekers, PCR Methods Applic. 5: 91-94 (1995)等参照)。必要に応じて、β−アクチンなどのハウスキーピング遺伝子由来のタンパク質を内部標準物質として用いることによって、より正確にmRNAを定量することができる。本発明の実施においては、好ましくは、マルチ・キャピラリー・シークエンサーを用いることにより、簡便かつ正確に大量のサンプルを解析することができる。
(統合失調症の診断)
上記のようにして、本発明の抗Fynタンパク質レベルまたはmRNAレベルを測定することによって統合失調症の診断を行うことができる。すなわち、本発明によれば、例えば、被験者の末梢血液由来試料中のFynタンパク質を測定することによって得られた測定値と、正常者の測定値とを比較することによって、統合失調症の診断をすることができる。後述の実施例及び実験例において示されているように、統合失調症の患者の抹消血液中には、FynΔ7タンパク質の発現が亢進していることが確認されている。また、後述の実施例及び実験例において示されているように、FynΔ7タンパク質は、キナーゼ活性を有しないことが示され、このアイソフォームの発現が増加するとドミナントネガティブ的作用によって統合失調症に罹患し易いと考えられる。従って、正常者の測定値と比較して、(1)Fynタンパク質の発現量の全体的な異常減少、(2)FynΔ7タンパク質の過剰発現、(3)FynTタンパク質及びFynBタンパク質の合計発現量に対するFynΔ7タンパク質の過剰発現などを検知することによって、統合失調症になり易いか否か、統合失調症に罹患しているか否か、統合失調症の治療をしている場合は、病気の治療経過の状況などを診断することができる。
なお、本発明の別の態様によれば、生体試料中のFynΔ7タンパク質を統合失調症の病勢マーカーとして測定することを含む統合失調症の診断方法も提供される。この場合は、勿論、抹消血液由来試料を試料として用いることもできるが、より正確な診断をするために、被験者の生体から得られる、組織、細胞、体液(例えば、脳液、リンパ液)などの種々の試料を用いることができる。
2.抗Fynタンパク質抗体
本発明の診断方法においては、好ましくは、上記ウエスタンブロッティングの際に、FynのSH3領域の特異的アミノ酸配列を認識し、FynB、FynT、FynΔ7いずれのタンパクにも結合するが、Src、Yesなど他のSrcファミリータンパクには結合しない(Journal of Cell Biology 132, 91-99, 1996)抗体が用いられる(Journal of Cell Biology 132, 91-99, 1996)。このような抗体は、ウェスタンブロッティングに用いた際、市販されている他の抗体(Zymed社など)に比べ非特異的結合が少ない点で優れている。本発明で用いられるFynタンパク質またはFynΔ7タンパク質に対する抗体(以下、本発明の抗体という)は、上記タンパク質を認識し得る抗体であれば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の何れであってもよい。本発明の抗体は、Fynタンパク質を抗原として用い、公知の抗体または抗血清の製造法に従って製造することができる。
(モノクローナル抗体の作製)
(a)モノクローナル抗体産生細胞の作製
本発明で用いられるFynタンパク質等は、動物に対して投与により抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行なわれる。用いられる動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギなどの哺乳動物が挙げられるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標識化タンパク質等と抗血清とを反応させたのち、抗体に結合した標識剤の活性を測定することにより行なうことができる。
抗原を免疫された動物、例えばマウスから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することができる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミルスタインの方法(Nature 256: 495 (1975))に従い実施することができる。融合促進剤としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)やセンダイウィルスなどが挙げられるが、好ましくはPEGが用いられる。
骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、P3U1、SP2/0などが挙げられるが、P3U1が好ましく用いられる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、PEG(好ましくは、PEG1000〜PEG6000)が10〜80%程度の濃度で添加され、約20〜40℃、好ましくは約30〜37℃で約1〜10分間インキュベートすることにより効率よく細胞融合を実施できる。
モノクローナル抗体の選別は、公知あるいはそれに準じる方法に従って行なうことができるが、通常はHAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加した動物細胞用培地などで行なうことができる。選別および育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できるものならばどのような培地を用いても良い。例えば、1〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含むRPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含むGIT培地(和光純薬工業(株))またはハイブリドーマ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬(株))などを用いることができる。培養温度は、通常20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間である。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができる。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
(b)モノクローナル抗体の精製
モノクローナル抗体の分離精製は、通常のポリクローナル抗体の分離精製と同様の、例えば塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相またはプロテインAあるいはプロテインGなどを用いた特異的精製法による免疫グロブリンの分離精製法に従って行なうことができる。
(ポリクローナル抗体の作製)
本発明のポリクローナル抗体は、公知あるいはそれに準じる方法にしたがって製造することができる。例えば、免疫抗原(本発明のタンパク質等の抗原)とキャリアーとの複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製造法と同様に哺乳動物に免疫を行ない、該免疫動物から本発明のレセプタータンパク質等に対する抗体含有物を採取して、抗体の分離精製を行なうことにより製造できる。
免疫抗原とキャリアーとの複合体を形成する際に、キャリアーの種類および免疫抗原とキャリアーとの混合比は、キャリアーに架橋させた免疫抗原に対して抗体が効率良くできれば、どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミン、ウシサイログロブリン、キーホール・リンペット・ヘモシアニン等を重量比で免疫抗原1に対し、約0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合でカプルさせる方法が用いられる。
また、免疫抗原とキャリアーのカプリングには、種々の縮合剤を用いることができるが、グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性エステル、チオール基、ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。
免疫抗原とキャリアーとの複合体は、免疫される動物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行なうことができる。用いられる動物としては、モノクローナル抗体作製の場合と同様、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギなどの哺乳動物が挙げられるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫された動物の血液、腹水など、好ましくは血液から採取することができる。
抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、上記の血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上記のモノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの分離精製法に従って行なうことができる。
3.抗Fynタンパク質抗体を含む統合失調症の診断キット
上記抗Fynタンパク質抗体は、統合失調症の診断キットの構成材料とすることができる。診断キットには、統合失調症の診断に用いるために、少なくとも、抗Fynタンパク質抗体を含む。この診断キットは、必要に応じて、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動用試薬、ウェスタンブロッティング用PVDF膜、Fynタンパク質、FynΔ7タンパク質等を含むことができる。診断キットがEIAなどの手法に用いられる場合には、前記抗Fynタンパク質抗体は、予め固相担体に結合させておくことができる。固相には、一般に、反応容器、ビーズ(好ましくは磁気ビーズ)等が用いられる。
4.統合失調症治療薬
上記したように、FynBタンパク質及びFynTタンパク質の異常減少、並びにFynΔ7タンパク質の異常増加は、統合失調症の原因となると考えられる。したがって、FynBタンパク質、FynTタンパク質及び抗FynΔ7タンパク質抗体は、統合失調症治療薬の有効成分として利用することができる。ゆえに、本発明は、FynBタンパク質、FynTタンパク質及び抗FynΔ7タンパク質抗体から選ばれる活性成分を含む統合失調症治療薬をも提供する。
本発明で用いられるFynタンパク質は、ヒトの細胞または組織から公知のタンパク質の精製方法によって製造することもできるし、Fynタンパク質をコードするDNAを含有する形質転換体を培養し、その細胞または培養上清から上記同様に、公知のタンパク質の精製方法によって製造することができる。本発明で用いられるFynタンパク質をヒトの組織または細胞から製造する場合、ヒトの組織または細胞をホモジナイズした後、酸などで抽出を行ない、得られた抽出液を材料として、逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを組み合わせることによりタンパク質を精製単離することができる。
本発明の治療薬は、経口又は非経口的に全身又は局所投与することができる。本発明の治療剤を経口投与する場合は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、トローチ剤、内用水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤等のいずれのものであってもよく、使用する際に再溶解させる乾燥生成物にしてもよい。また、本発明の治療剤を非経口投与する場合は、静脈内注射(点滴を含む)、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射、坐剤などの製剤形態を選択することができ、注射用製剤の場合は単位投与量アンプル又は多投与量容器の状態で提供される。これらの各種製剤は、製剤上通常用いられる賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、潤滑剤、界面活性剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味矯臭剤、無痛化剤、安定化剤、等張化剤等などを適宜選択し、常法により製造することができる。
上記各種製剤は、医薬的に許容される担体又は添加物を共に含むものであってもよい。このような担体及び添加物の例として、水、医薬的に許容される有機溶剤、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、寒天、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン、マンニトール、ソルビトール、ラクトースなどが挙げられる。使用される添加物は、本発明の剤型に応じて上記の中から適宜又は組み合わせて選択される。
本発明の治療剤の投与量は、投与対象の年齢、投与経路、投与回数により異なり、広範囲に変えることができる。この場合、本発明のタンパク質の有効量と適切な希釈剤及び薬理学的に使用し得る担体との組合せとして投与される有効量は、一回につき体重1kgあたり0.001〜1000mg/bodyの範囲、好ましくは0.01〜100 mg/bodyの投与量を選ぶことができ、1日1回から数回に分けて1日以上投与される。
実施例
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(末梢血試料中のFynタンパク質濃度の測定・統合失調症の診断)
本実施例においては、Fynタンパク質の異常について統合失調症患者を検体として、健常者を対照に、血小板を濃縮した血漿のFynタンパク質のウエスタンブロッティングを行った。
(1)臨床検体の採取
まず、末梢血試料をDSM−IVにより診断された統合失調症患者42名と健康な志願者44名から得た。血液を採取した男女比および年齢の情報を表1に示す。
Figure 0004143498

全ての患者について急性感染症、炎症または神経疾患の徴候は見られなかった。一人一人から全て、インフォームド・コンセントを得た。本研究の手順は大阪大学と鹿児島大学の倫理委員会の承認を得た。
(2)血小板を濃縮した血漿
次いで、血小板を濃縮した血漿を分画遠心法の変法により回収した。すなわち、末梢血30mlを含む試料を50×gで15分間遠心し、その上清を1000×gで15分間遠心した。沈殿を1mlのPBSに溶解後、3本に分け、1000×gで15分間遠心し、得られた沈殿を凍結して、使用時まで保存した。
(3)ウェスタンブロッティングによるFynタンパク質の測定
上記のようにして得られた試料をSDSサンプルバッファー(50mM トリス塩酸、pH6.8、5% SDS、10% グリセロール、1mM オルトバナジウム酸ナトリウム)で可溶化後、超音波処理し、20000×gで30分間遠心した。上清を回収し、BCAタンパク質測定試薬(ピアス)を用い、そのタンパク質濃度を測定した。回収した上清をβ−メルカプトエタノールの存在下(全容量の5%)、または非存在下で沸騰処理を行った後、SDS−ポリアクリルアミドゲル(10%)電気泳動にかけた。タンパク質をPVDF膜へ移した。ラットモノクローナル抗Fynタンパク質抗体(γ3C)(Journal of Cell Biology 132, 91-99, 1996)、さらにパーオキシダーゼ標識2次抗体と膜を反応させた。免疫反応するタンパク質をECL−プラス(アマシャム)とアトー・クールセーバー(アトー)を用いて視覚化した。膜をストリッピングバッファー(100mM β−メルカプトエタノール、2% ドデシル硫酸ナトリウム、62.5mM トリス塩酸、pH6.7)を用いて、50℃で30分間処理した。洗浄およびブロック後、抗v−Src抗体(Ab−1、オンコジーンサイエンス)で膜をリプローブし、パーオキシダーゼ標識2次抗体で処理した。
ウエスタンブロッティングの結果を図1に示す。図1に示すように、健常者(対照)のFynタンパク質と免疫学的に反応するバンドは一定で、バンドの強度も強いものであった。対照的に、図1−Aに示したように、統合失調症患者のいくつかの試料では、免疫反応性が弱い場合があった(レーン4)。さらに、ウエスタンブロット膜を強く染色したところ、図1−Bに示したように、患者の試料から約30kDの大きさのバンドが検出された。これは、統合失調症患者のFynタンパク質が不安定で、分解されることを示唆している。免疫反応性と統合失調症の関係を調べるために、それぞれのバンドの強度(密度)を測定し、標準化したうえで、患者と対照から得られたそれぞれの値を比較した。図1−Cに示したように、統合失調症患者のFynバンドの強度(密度)は対照の約60%に低下していた。同様の実験を他のSrcファミリーのチロシンキナーゼであるp60 Srcとその抗体を用いて行ったところ、図1−Dに示したように、それぞれの強度は殆ど変化しなかった。これらの結果から、統合失調症患者ではFynタンパク質の発現が全体的に減少していることが明らかとなった。なお、健康な志願者では約30kDの大きさのバンドは検出できなかった。
(統合失調症患者試料中のFynタンパク質のスプライス型の検出)
実施例1で示されたFynタンパク質の減少がfyn遺伝子の転写産物の変化に起因するものなのかを調べるために、fyn遺伝子のmRNAを材料にRT−PCRを行い、その産物についての検討を行った。図2−Aに、RT−PCRの検出結果を示す。この結果、患者試料に新規の変異は観察されなかったが、図2−Aに示したように、通常の産物よりも150塩基対ほど短い産物のバンドが患者試料から検出された。そのバンドを切り出し、公知の方法を用いて、そのDNAをクローニングし、配列を調べたところ、最近fynΔ7として報告された、第7エクソンが欠落したfynスプライス変異体であることが明らかとなった。参考のため、図2−BにfynB、fynT及びfynΔ7の3種のスプラシングバリアントの構成を示す。
なお、RNA抽出、RT−PCR、クローニング及び配列解析は次のようにして行った。
RNAをTRIZOL試薬(インビトロジェン)を用いて試料から抽出し、スーパースクリプトII(インビトロジェン)とオリゴdTプライマーを用いて逆転写した。開始コドンの38ヌクレオチド上流から終止コドンの64ヌクレオチド下流までのfynB、fynTまたはfynΔ7の領域を、プライマーhfyn−30F(5’−AGT TTG TGA TCG TTG GCG−3’:配列番号1)とhfyn+50R(5’−TGA AAG CTA ATG GGG AGG−3’:配列番号2)で、LA−Taqポリメラーゼ(タカラ)を用いて増幅した。RT−PCR反応の条件は、LA−Taqの説明書に記載された標準的な反応液組成にしたがい(全体で50uL、プライマーは0.5uMずつ、鋳型として上記逆転写産物1uL)、95℃2分の後、(95℃30秒、55℃30秒、72℃2分)を30回おこなった。このPCR産物をpBluescriptSKベクター(ストラタジーン)に連結した。クローンの配列をABIプリズム3100ジェネティックアナライザーを用いて解析した。cDNAをプライマーhfyn390F(5’−ACA GGT TAC ATT CCC AGC−3’ ;配列番号3)とhfyn1000R(5’−TGA CGA TGT AGA TGG GCT−3’;配列番号4)で、LA−Taqポリメラーゼ(タカラ)を用いて増幅した。
(統合失調症患者でのfynΔ7のmRNA発現レベル)
統合失調症患者において、fynΔ7転写物が増加していることが確認されたので、fyn遺伝子の3種類のアイソフォームfynB,fynTおよびfynΔ7、それぞれの相対的量を算出するために、半定量的RT−PCR(競合RT−PCR)を行った。PCRおよびランオフ法はWeilらの方法の変法を用いた。すなわち、第7エクソンの上流と下流にハイブリダイズするプライマー、hfyn390F(配列番号3)およびFAM−hfyn850R((5’−FAM−GTG TTT CCA TAC CAG GTA CC−3’ ;配列番号5)を用い、Ex−Taqポリメラーゼ(タカラ)を用いてそれぞれのmRNAを増幅させた。次に、PCR断片をSuprec−PCR(タカラ)で精製し、ABIプリズム3100ジェネティックアナライザーで解析した。この解析結果を図3に示す。
得られた産物を比較したところ、図3−Aに示したように、fynTはfynBより9塩基対短く、fynΔ7はfynTよりもさらに156塩基対短いことが明らかとなった。図3−Bに示すように、fynBとfynTの比率は対照および患者で殆ど変化しなかったが、fynΔ7は統合失調症患者の方が顕著に対照よりも多かった(図3−C)。以上の結果は、Fynタンパク質の減少とfynΔ7の相対的な発現レベルの間には相関関係があることを示すものである。
実験例 1
(FynΔ7タンパク質のキナーゼ活性の測定)
FynΔ7の転写物の機能を調べるために、HEK293T細胞を用いて、ウェスタンブロットによる発現解析を行った。この解析結果を図4に示す。この結果、fynB、fynTおよびfynΔ7に加え、発現ベクターが細胞内でそれぞれの遺伝子に相当するタンパク質のアイソフォームを産生することが示された(図4A)。しかし、同じ膜を抗リン酸化チロシン抗体でリプローブすると、fynΔ7のレーンにはシグナルが検出されなかった。さらにこのタンパク質のキナーゼ活性を調べるために、試験管内のキナーゼ・アッセイを次のようにして行った。
(キナーゼアッセイ)
免疫沈降のために、fynB、fynTまたはfynΔ7でトランスフェクトしたHEK293T細胞をTNEバッファー(10mM トリス塩酸、pH7.5、1mM EDTA、150mM NaCl、1mM NaVO、50μM NacO、1% ノニデットP−40)で溶出した。2μgのモノクローナル抗Fynタンパク質抗体(γC3)をそれぞれ300μlのTNEバッファー中のタンパク質試料に加えた。プロテインG−セファロース(アマシャム)に吸着後、免疫沈降物をTNEバッファーで3回、キナーゼアッセイ・バッファー(50mM トリス塩酸、pH7.4、3mM MnCl、0.1mM NaVO)で2回洗浄した。キナーゼアッセイでは、免疫沈降物、2.5μgの酸処理エノラーゼ、および10μCiのγ32P−ATPが25μlのキナーゼアッセイ・バッファーに含まれる。リン酸化は30℃で10分間行われ、リン酸化タンパク質はSDS−ポリアクリルアミド(10%)ゲル電気泳動で分離され、オートラジオグラフィーにかけられた。
NR2Bに対するキナーゼ活性を評価するために、ラット脳を溶解バッファー(10mM トリス塩酸、pH7.4、1% トリトンX−100、0.1% デオキシコール酸ナトリウム、1% SDS、0.15M NaCl、0.1mM NaVO)中でホモジナイズし、3μgのウサギ抗NR2B抗体(モレキュラープローブ)で免疫沈降した後、等量の免疫沈降物を酸処理エノラーゼの代わりにキナーゼアッセイのチューブに加えた。
その結果、図4Bに示すように、FynΔ7タンパク質は自己リン酸化活性を欠損するだけでなく、反応に加えられるエノラーゼをリン酸化する活性も欠損していた。NMDA−RのサブユニットであるNR2Bは脳におけるFynタンパク質の基質であるから、エノラーゼの代わりにNR2Bを用いてキナーゼ・アッセイを行った。FynΔ7タンパク質のレーンに加えられたNR2Bについてもリン酸化シグナルは検出されなかった。
実験例 2
(FynΔ7タンパク質の試験管内での発現及びその解析)
pBluescriptSKベクター中のfynB、fynTまたはfynΔ7の全長cDNAをpcDNA3.1またはpcDNA3.1/myc−His発現ベクター(インビトロジェン)に移した。HEK293T細胞をリポフェクタミン2000試薬(インビトロジェン)を用いて、得られた構築物でトランスフェクトした。24時間後、細胞を上述の溶解バッファー中に回収した。細胞溶解液を直接ウェスタンブロットし、さらにモノクローナル抗Fynタンパク質抗体(γC3)で免疫沈降した。この結果を図5に示す。
還元剤(β−メルカプトエタノール)なしで試料を調製し、電気泳動により分離すると、HEK293T細胞ではfynΔ7の発現により、30kD付近にFynタンパク質と免疫反応性がある余分なバンドが誘導された。タンパク質が抗Fynタンパク質抗体で免疫沈降されると、この余分なバンドの強さが増した(図5)。一方、FynΔ7構築物のC末端に付加されたタグを認識する抗myc抗体で膜をプローブすると、バンドは検出できなかった。この余分なバンドは大きさの点で、高レベルのfynΔ7のmRNAを発現するいくつかの統合失調症試料で観察されるタンパク質バンドに類似していた(図1−C)。
本発明によれば、簡便かつ正確な統合失調症を診断する方法を提供することができる。また、本発明によれば、統合失調症を診断する簡便な診断キットも提供することができる。
統合失調症患者の血清中のFynタンパク質のウェスタンブロッティングによる検出を表す図である。 統合失調症患者からの試料中の新規のスプライス型Fynタンパク質のPCRによる検出を表す図である。 統合失調症患者におけるfynΔ7のmRNAの発現を表す図である。 実験例1におけるウェスタンブロット解析の結果を示す図である。 実験例2におけるウェスタンブロット解析の結果を示す図である。
[配列番号:1] プライマーhfyn−30Fの塩基配列を表す。
[配列番号:2] プライマーhfyn+50Rの塩基配列を表す。
[配列番号:3] プライマーhfyn390Fの塩基配列を表す。
[配列番号:4] プライマーhfyn1000Rの塩基配列を表す。
[配列番号:5] プライマーFAM−hfyn850Rの塩基配列を表す。5’端がFAMで標識されている。

Claims (10)

  1. 末梢血液由来試料中におけるFynタンパク質の発現解析を行うことを含む統合失調症の判定方法。
  2. 前記Fynタンパク質の発現解析を、該試料中のFynタンパク質を測定することによって行う、前記請求項1に記載の判定方法。
  3. 前記Fynタンパク質の発現解析を、該試料中のFynΔ7タンパク質を統合失調症の病勢マーカーとして測定することによって行う、前記請求項2に記載の判定方法。
  4. 前記タンパク質の測定を、ウエスタン・ブロット法によって行う、前記請求項2または3に記載の判定方法。
  5. 前記Fynタンパク質の発現解析を、該試料中のFynΔ7タンパク質のmRNAを測定することによって行う、前記請求項1に記載の判定方法。
  6. 前記FynΔ7タンパク質のmRNAの測定を、蛍光標識プライマーを用いた競合的PCR法によって行う、前記請求項5に記載の判定方法。
  7. 被験者の末梢血液由来試料を用いた測定値と、正常者の測定値とを比較することによって診断を行う、前記請求項1〜6のいずれかに記載の判定方法。
  8. 末梢血液中の血小板分画を試料として用いる、前記請求項1〜7のいずれかに記載の判定方法。
  9. 病勢マーカーであるFynΔ7タンパク質に特異的に結合する抗FynΔ7タンパク質抗体を含む統合失調症の診断キット。
  10. 生体試料中のFynΔ7タンパク質を統合失調症の病勢マーカーとして測定することを含む統合失調症の判定方法。
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