WO2019208542A1 - スティル病と敗血症との鑑別用バイオマーカー - Google Patents

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Abstract

本発明は、以下の(a)~(d)のいずれかからなる、スティル病と敗血症とを鑑別するためのバイオマーカー:(a)FGF-2タンパク質又はFGF-2転写産物、(b)IL-18タンパク質又はIL-18転写産物、(c)G-CSFタンパク質又はG-CSF転写産物、及び(d)GM-CSFタンパク質又はGM-CSF転写産物を提供する。

Description

スティル病と敗血症との鑑別用バイオマーカー
 本発明は、スティル病と敗血症とを鑑別するためのバイオマーカーに関する。より詳しくは、FGF-2、IL-18、G-CSF及びGM-CSFのいずれかからなるスティル病と敗血症とを鑑別するためのバイオマーカーに関し、さらに当該バイオマーカーを用いた検査方法等に関する。
 スティル病は、子供に発症するスティル病(SJIA:若年性特発性関節炎のうち全身型のもの)と、成人スティル病(ASD、成人発症スティル病AOSDともいう)に分類できる。スティル病は、発熱、関節痛、皮疹を主体とする難治性の自己炎症疾患であり、これらのスティル病はいずれも指定難病となっている。日本国内ではそれぞれ推定2,000人前後と5,000人前後の患者がいるとの情報があるが、実際にはその10倍以上の潜在患者がいると言われている。スティル病は、診断が困難であるばかりでなく、重篤な合併症であるHPSや播種性血管内凝固症候群(DIC; disseminated intravascular coagulation)は生命予後を著しく低下させ、強力かつ迅速な治療が必要である。スティル病の診断は、現在「Yamaguchi criteria (非特許文献1)」と呼ばれる除外診断が基本である。
 一方、敗血症は感染症に対する制御不能な生体反応に起因する生命を脅かすような臓器障害であり、現在、世界保健機関(WHO)でもグローバルヘルスプライオリティと認識され、米国集中治療医学会と欧州集中治療医学会の共同研究である「Surviving Sepsis Campaign」のガイドラインも2016年に改訂されるなど、注目されている疾患である。敗血症は診断後1時間以内に抗菌薬治療を開始した場合の生存率は約80%だが、処置が1時間遅れる毎に7.6%低下すると言われ、また最初の治療が不適切な場合の生存率は5倍低下するとも報告されている(非特許文献2)。敗血症の最新の診断基準は、感染症(疑いを含む)とquick Sequential (Sepsis-Related) Organ Failure Assessment(qSOFA)スコアにより、医師の所見に委ねられている。
 よって、スティル病や敗血症の治療のために、これらの疾患を迅速に診断することが求められており、スティル病の診断や病勢の評価に有用な血清バイオマーカーとして、IL-1β、IL-6などが報告されている(非特許文献3)。しかしながら、これらのバイオマーカーは、感染症や他の自己炎症疾患でも上昇することも知られている。
Yamaguchi M. et al., J. Rheumatol, 19:424-30, 1992 Kumar A. et al., Crit Care Med, 34:1589-1596, 2006 Jung K.H. et al., Scand J. Rheumatol, 43(2):162-9, 2014
 従って、本発明は、スティル病と敗血症とを迅速に精度よく鑑別できるバイオマーカー、及び該バイオマーカーを用いた、スティル病と敗血症との鑑別方法を提供することを課題とする。
 本発明者らは、上記課題を解決するために、血清サイトカイン、ケモカインの網羅的解析の結果をもとに、決定木分析を併用した統計学的手法を用いて、正診率が高いサイトカインの最小の組み合わせの同定を行った。その結果、成人スティル病(AOSD)患者の血清中のFGF-2、IL-18、G-CSF及びGM-CSFの濃度が、敗血症患者と比較して有意に高いことを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づいてさらに研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
 すなわち、本発明は以下よりなる。
[1] 以下の(a)~(d)のいずれかからなる、スティル病と敗血症とを鑑別するためのバイオマーカー。
 (a)FGF-2タンパク質又はFGF-2転写産物、
 (b)IL-18タンパク質又はIL-18転写産物、
 (c)G-CSFタンパク質又はG-CSF転写産物、及び
 (d)GM-CSFタンパク質又はGM-CSF転写産物
[2] 被検動物由来の試料において、[1]に記載のバイオマーカーの1種以上を検出又は定量する工程を含む、該被検動物がスティル病又は敗血症を発症しているかの判定を補助する方法。
[3] 被検動物由来の試料において、[1]に記載のバイオマーカーの1種以上を検出又は定量する工程を含む、スティル病又は敗血症の可能性を分析する方法。
[4] 以下の(i)~(iii)の工程を含む、[2]に記載の方法。
 (i)被検動物由来の試料において、[1]に記載のバイオマーカーの1種以上を定量する工程、
 (ii)(i)で定量したバイオマーカーの量を基準値と比較する工程、及び
 (iii)(ii)の結果に基づき、(i)で定量したバイオマーカーの量が基準値以上である場合に、前記被検動物がスティル病を発症していると判定し、基準値未満である場合に、前記被検動物が敗血症を発症していると判定する工程
[5] 以下の(i)~(iii)の工程を含む、[3]に記載の方法。
 (i)被検動物由来の試料において、[1]に記載のバイオマーカーの1種以上を定量する工程、
 (ii)(i)で定量したバイオマーカーの量を基準値と比較する工程、及び
 (iii)(ii)の結果に基づき、(i)で定量したバイオマーカーの量が基準値以上である場合に、前記被検動物がスティル病を発症している可能性があると判定し、基準値未満である場合に、前記被検動物が敗血症を発症している可能性があると判定する工程
[6] [1]に記載のバイオマーカーを2種以上用いることを特徴とする、[2]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7] 前記バイオマーカーが、
 (1)FGF-2タンパク質若しくはFGF-2転写産物、並びに
 (2)GM-CSFタンパク質若しくはGM-CSF転写産物、及び/又はIL-18タンパク質若しくはIL-18転写産物
を含む、[2]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8] 以下の(a)~(f)のいずれかを用いて前記バイオマーカーを検出又は定量することを特徴とする、[2]~[7]のいずれかに記載の方法。
 (a)FGF-2タンパク質を特異的に認識し得る抗体又はFGF-2転写産物を特異的に認識し得る核酸プローブ若しくは核酸プライマー、
 (b)IL-18タンパク質を特異的に認識し得る抗体又はIL-18転写産物を特異的に認識し得る核酸プローブ若しくは核酸プライマー、
 (c)G-CSFタンパク質を特異的に認識し得る抗体又はG-CSF転写産物を特異的に認識し得る核酸プローブ若しくは核酸プライマー、
 (d)GM-CSFタンパク質を特異的に認識し得る抗体又はGM-CSF転写産物を特異的に認識し得る核酸プローブ若しくは核酸プライマー、
 (e)(a)の抗体、核酸プローブ若しくは核酸プライマー、及び(b)の抗体、核酸プローブ若しくは核酸プライマー、並びに
 (f)(a)の抗体、核酸プローブ若しくは核酸プライマー、及び(d)の抗体、核酸プローブ若しくは核酸プライマー
[9] 前記基準値が、決定木分析あるいはROC解析に基づいて設定される値である、[4]~[8]のいずれかに記載の方法。
[10] 前記被検動物がヒトである、[2]~[9]のいずれかに記載の方法。
[11] 前記試料が血清である、[2]~[10]のいずれかに記載の方法。
[12] 以下の(a)~(f)のいずれかを1種以上含む、スティル病と敗血症とを鑑別するための検査キット。
 (a)FGF-2タンパク質を特異的に認識し得る抗体又はFGF-2転写産物を特異的に認識し得る核酸プローブ若しくは核酸プライマー、
 (b)IL-18タンパク質を特異的に認識し得る抗体又はIL-18転写産物を特異的に認識し得る核酸プローブ若しくは核酸プライマー、
 (c)G-CSFタンパク質を特異的に認識し得る抗体又はG-CSF転写産物を特異的に認識し得る核酸プローブ若しくは核酸プライマー、
 (d)GM-CSFタンパク質を特異的に認識し得る抗体又はGM-CSF転写産物を特異的に認識し得る核酸プローブ若しくは核酸プライマー、
 (e)(a)の抗体、核酸プローブ若しくは核酸プライマー、及び(b)の抗体、核酸プローブ若しくは核酸プライマー、並びに
 (f)(a)の抗体、核酸プローブ若しくは核酸プライマー、及び(d)の抗体、核酸プローブ若しくは核酸プライマー
[13] さらに[1]に記載のバイオマーカーの1種以上を含む、[12]に記載のキット。
[14] 以下の(i)~(iv)の工程を含む、スティル病の治療方法。
 (i)被検動物由来の試料における、[1]に記載のバイオマーカーの1種以上を定量する工程、
 (ii)(i)で定量したバイオマーカーの量を基準値と比較する工程、
 (iii)(ii)の結果に基づき、(i)で定量したバイオマーカーの量が基準値以上である場合に、前記被検動物がスティル病を発症していると判定する工程、及び
 (iv)(iii)の結果に基づき、スティル病を発症していると判定された被検動物に、スティル病の治療薬を投与する工程
[15] 前記スティル病の治療薬が、ステロイド薬、トシリズマブ及び免疫抑制剤からなる群より選択される、[14]に記載の方法。
[16] 以下の(i)~(iv)の工程を含む、敗血症の治療方法。
 (i)被検動物由来の試料における、[1]に記載のバイオマーカーの1種以上を定量する工程、
 (ii)(i)で定量したバイオマーカーの量を基準値と比較する工程、
 (iii)(ii)の結果に基づき、(i)で定量したバイオマーカーの量が基準値未満である場合に、前記被検動物が敗血症を発症していると判定する工程、及び
 (iv)(iii)の結果に基づき、敗血症を発症していると判定された被検動物に、敗血症の治療薬を投与する工程
[17] 前記敗血症の治療薬が、抗菌薬及び循環作動薬からなる群より選択される、[16]に記載の方法。
[18] [1]に記載のバイオマーカーを2種以上用いることを特徴とする、[14]~[17]のいずれかに記載の方法。
[19] 前記バイオマーカーが、
 (1)FGF-2タンパク質若しくはFGF-2転写産物、並びに
 (2)GM-CSFタンパク質若しくはGM-CSF転写産物、及び/又はIL-18タンパク質若しくはIL-18転写産物
を含む、[14]~[18]のいずれかに記載の方法。
 本発明のFGF-2、IL-18、G-CSF及びGM-CSFは、いずれもスティル病と敗血症とを鑑別するためのバイオマーカーとなり得る。さらに、これらのサイトカインの1種以上をバイオマーカーとして定量することにより、スティル病又は敗血症を発症しているかの判定をすることできる。
図1は、AOSD患者と敗血症患者のサイトカインレベルに関するRandom Forest analysisを示す。縦軸は各サイトカインを示す。横軸は各サイトカインの重要度を表す。 図2は、GM-CSFとFGF-2を用いて、AOSD患者と敗血症患者とを鑑別する決定木分析の結果を示す。
1.本発明のバイオマーカー
 本発明は、スティル病(好ましくは成人スティル病)と敗血症とを鑑別するためのバイオマーカー(以下「本発明のバイオマーカー」と称することがある。)を提供する。本発明のバイオマーカーとして、具体的には、(a)FGF-2タンパク質又はFGF-2転写産物、(b)IL-18タンパク質又はIL-18転写産物、(c)G-CSFタンパク質又はG-CSF転写産物、及び(d)GM-CSFタンパク質又はGM-CSF転写産物が挙げられる。以下では、FGF-2タンパク質、IL-18タンパク質、G-CSFタンパク質及びGM-CSFタンパク質から選択される1種以上のタンパク質を「本発明のバイオマーカータンパク質」と称する場合がある。また、FGF-2転写産物、IL-18転写産物、G-CSF転写産物及びGM-CSF転写産物から選択される1種以上の転写産物を「本発明のバイオマーカー転写産物」と称する場合がある。
 本発明のバイオマーカーに含まれるFGF-2、IL-18、G-CSF及びGM-CSFの各タンパク質は公知のタンパク質であり、それぞれGenPept Accession No.: P09038 (FGF-2)、GenPept Accession No.: Q14116 (IL-18)、GenPept Accession No.: P09919 (G-CSF)、及びGenPept Accession No.: P04141 (GM-CSF)としてアミノ酸配列が開示されている。本発明において、FGF-2、IL-18、G-CSF及びGM-CSFの各タンパク質は、配列番号:2(FGF-2)、配列番号:4(IL-18)、配列番号:6(G-CSF)、及び配列番号:8(GM-CSF)で表されるアミノ酸配列であってもよく、これらと実質的に同一のアミノ酸配列を含むタンパク質であってよい。
 配列番号:2、4、6又は8で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、これらのアミノ酸配列と60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、さらにより好ましくは、95%以上、最も好ましくは98%以上の同一性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。ここで「同一性」とは、当該技術分野において公知の数学的アルゴリズムを用いて2つのアミノ酸配列をアラインさせた場合の、最適なアラインメント(好ましくは、該アルゴリズムは最適なアラインメントのために配列の一方もしくは両方へのギャップの導入を考慮し得るものである)における、オーバーラップする全アミノ酸残基に対する同一アミノ酸及び類似アミノ酸残基の割合(%)を意味する。「類似アミノ酸」とは物理化学的性質において類似したアミノ酸を意味し、例えば、芳香族アミノ酸(Phe、Trp、Tyr)、脂肪族アミノ酸(Ala、Leu、Ile、Val)、極性アミノ酸(Gln、Asn)、塩基性アミノ酸(Lys、Arg、His)、酸性アミノ酸(Glu、Asp)、水酸基を有するアミノ酸(Ser、Thr)、側鎖の小さいアミノ酸(Gly、Ala、Ser、Thr、Met)などの同じグループに分類されるアミノ酸が挙げられる。このような類似アミノ酸による置換はタンパク質の表現型に変化をもたらさない(即ち、保存的アミノ酸置換である)ことが予測される。保存的アミノ酸置換の具体例は当該技術分野で周知であり、種々の文献に記載されている(例えば、Bowieら,Science, 247: 1306-1310 (1990)を参照)。本明細書におけるアミノ酸配列の同一性は、相同性計算アルゴリズムNCBI BLAST(National Center for Biotechnology Information Basic Local Alignment Search Tool)を用い、以下の条件(期待値=10;ギャップを許す;マトリクス=BLOSUM62;フィルタリング=OFF)にて計算することができる。
 本発明のバイオマーカータンパク質は、公知のタンパク質合成法、例えば、固相合成法、液相合成法等に従って製造することができる。得られたタンパク質は、公知の精製法、例えば、溶媒抽出、蒸留、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、再結晶、これらの組み合わせ等により精製単離することができる。また、自体公知の方法により、生体試料から単離、精製してもよい。あるいは、本発明のバイオマーカータンパク質は、それをコードする核酸を含有する形質転換体を培養し、得られる培養物からタンパク質を分離精製することによって製造することもできる。かかる核酸はDNAであってもRNAであってもよく、あるいはDNA/RNAキメラであってもよいが、好ましくはDNAである。該核酸は二本鎖であっても、一本鎖であってもよい。
 また、配列番号:2、4、6又は8で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、これらのアミノ酸配列のうち1又は2個以上(好ましくは、1~100個程度、好ましくは1~50個程度、さらに好ましくは1~10個程度、特に好ましくは1~数(2、3、4もしくは5)個)のアミノ酸が置換、挿入及び/又は欠失したアミノ酸配列を含有するタンパク質なども含まれる。
 上記のようにアミノ酸配列が置換、挿入及び/又は欠失されている場合、その置換、挿入及び/又は欠失の位置は、タンパク質の活性(例:炎症活性)が保持される位置であることが好ましい。前記活性の測定は、自体公知の方法に準じて行なうことができる。
 本発明のバイオマーカーに含まれるFGF-2、IL-18、G-CSF及びGM-CSFの各転写産物は公知の転写産物であり、それぞれGenbank Accession No.: NM_002006 (FGF-2)、Genbank Accession No.: NM_001562 (IL-18)、Genbank Accession No.: NM_000759 (G-CSF)及びGenbank Accession No.: M11734 (GM-CSF)として塩基配列が開示されている。本発明において、FGF-2、IL-18、G-CSF及びGM-CSFの各転写産物は、配列番号:1(FGF-2)、配列番号:3(IL-18)、配列番号:5(G-CSF)、及び配列番号:7(GM-CSF)で表される塩基配列と同一又は実質的に同一な塩基配列を含む核酸などが挙げられる。
 配列番号:1、3、5又は7で表される塩基配列と実質的に同一な塩基配列を含む核酸としては、例えば、これらの塩基配列と60%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上の同一性を有する塩基配列を含有し、且つ本発明のバイオマーカータンパク質と実質的に同質の活性を有するタンパク質をコードする核酸、あるいは上記バイオマーカーをコードする遺伝子のホモログなどが挙げられる。本明細書における塩基配列の同一性は、相同性計算アルゴリズムNCBI BLAST(National Center for Biotechnology Information Basic Local Alignment Search Tool)を用い、以下の条件(期待値=10;ギャップを許す;フィルタリング=ON;マッチスコア=1;ミスマッチスコア=-3)にて計算することができる。
 本発明のバイオマーカー転写産物は、例えば、該転写産物を含有する生体試料から、自体公知の方法により単離、精製することにより得ることができる。
2.本発明の検査方法及び分析方法
 後述する実施例の通り、本発明者らは、スティル病であると臨床的に診断された患者の血清中における本発明のバイオマーカーのレベルが、敗血症であると臨床的に診断された患者に比べて有意に高いことを見出した。従って、本発明は、被検動物由来の試料(即ち、被検動物から採取した試料)について、本発明のバイオマーカーを検出又は定量することを含む、該被検動物がスティル病(好ましくは成人スティル病)を発症しているか、あるいは敗血症を発症しているかを判定等(例:判定、診断、判断、鑑別)するための検査を行う方法、又は該判定等や検査を補助する方法(以下では、これらをまとめて「本発明の検査方法」と称する場合がある)を提供する。あるいは、被検動物由来の試料について、本発明のバイオマーカーを検出又は定量することを含む、スティル病又は敗血症の可能性を分析等(例:分析、評価)する方法(以下「本発明の分析方法」と称する場合がある)を提供する。以下では、本発明の検査方法と本発明の分析方法をまとめて「本発明の方法」と称する場合がある。
 本発明の方法は、具体的には、(i)被検動物由来の試料における本発明のバイオマーカーを定量する工程及び、(ii)(i)で定量したバイオマーカーの量を比較する工程、を含む方法であってもよい。本発明の検査方法は、上記(i)、(ii)に加えて、(iii)(ii)の結果に基づき、前記被検動物がスティル病を発症している、あるいは敗血症を発症していると判定等する工程、を含んでいてもよい。また、本発明の分析方法は、上記(i)、(ii)に加えて、(iii’)(ii)の結果に基づき、前記被検動物がスティル病を発症している可能性がある、あるいは敗血症を発症している可能性があると判定等する工程、を含んでいてもよい。
 本発明の方法において、上記バイオマーカーは、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種類を組み合わせて用いる場合には、例えば、2種類のバイオマーカーを検出又は定量し、その結果に基づき、被検動物がスティル病を発症している、あるいは敗血症を発症していると判定(あるいは、これらの疾患を発症している可能性があると判定)してもよい。あるいは、まず1種類目のバイオマーカーを検出又は定量し、その結果に基づき、被検動物がスティル病(又は敗血症)を発症しているか判定し、スティル病(又は敗血症)を発症しているとは判定されなかった場合に、さらに2種類目のバイオマーカーを検出又は定量し、その結果を用いて、スティル病を発症しているか、あるいは敗血症を発症しているか判定することもできる。3種類以上用いる場合にも、同様に判定することができる。2種以上を組み合わせて用いる場合の好ましい組合せとして、(1)FGF-2タンパク質若しくはFGF-2転写産物、並びに(2)GM-CSFタンパク質若しくはGM-CSF転写産物、及び/又はIL-18タンパク質若しくはIL-18転写産物の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
 本発明の方法の被検対象となり得る動物(即ち、被検動物)は、特に制限されないが、好ましくは、スティル病又は敗血症を発症していることが疑われる動物、あるいは発症していると臨床的に診断された動物が挙げられる。動物の種類としては、例えば、哺乳動物(例:ヒト、サル、ウシ、ブタ、ウマ、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、ハムスター、モルモット、マウス、ラット等)、鳥類(例:ニワトリ等)などが挙げられる。好ましくは、哺乳動物、より好ましくはヒトである。
 被検動物由来の試料は、本発明のバイオマーカーを含有し得る限り特に限定されないが、例えば、血液、血清、血漿、唾液、尿、涙、汗、乳汁、鼻汁、精液、胸水、消化管分泌液、脳脊髄液、組織間液、及びリンパ液などが挙げられ、好ましくは血清又は血漿であり、より好ましくは血清である。これらの試料は、自体公知の方法により得ることができ、例えば、血清や血漿は、常法に従って被検動物から採血し、液性成分を分離することにより調製することができ、脳脊髄液は、脊椎穿刺等の公知の手段により採取することができる。
 被検動物由来の試料における本発明のバイオマーカーの検出又は定量は、該試料からRNA(例:全RNA、mRNA)画分を調製し、該画分中に含まれる本発明のバイオマーカー転写産物を検出又は定量することにより調べることができる。従って、一実施態様において、本発明の方法は、本発明のバイオマーカー転写産物をそれぞれ特異的に認識し得る核酸プローブ又は核酸プライマーを用いて検出又は定量することを含む。
 RNA画分の調製は、グアニジン-CsCl超遠心法、AGPC法など公知の手法を用いて行うことができ、市販のRNA抽出用キット(例:RNeasy Mini Kit;QIAGEN製等)を用いて、微量検体から迅速且つ簡便に高純度の全RNAを調製することもできる。RNA画分中の本発明のバイオマーカー転写産物を検出又は定量する手段としては、例えば、ハイブリダイゼーション(ノーザンブロット、ドットブロット等)を用いる方法、あるいはPCR(RT-PCR、競合PCR、リアルタイムPCR等)などを用いる方法などが挙げられる。微量試料から迅速且つ簡便に定量性よく本発明のバイオマーカーをコードする各遺伝子の発現変動を検出できる点で、競合PCRやリアルタイムPCRなどの定量的PCR法が好ましい。
 ノーザンブロット又はドットブロットハイブリダイゼーションによる場合、本発明のバイオマーカーの遺伝子の検出又は定量は、例えば、本発明のバイオマーカーの各転写産物を特異的に認識し得る核酸プローブを用いて行うことができる。そのような核酸プローブとして、前述の公知のFGF-2、IL-18、G-CSF又はGM-CSFの転写産物であるポリヌクレオチドのうち、15塩基以上、好ましくは18~500塩基、より好ましくは18~200塩基、さらに好ましくは18~50塩基の連続したヌクレオチド配列又はその相補配列を含むポリヌクレオチドが挙げられる。該核酸はDNAであってもRNAであってもよく、あるいはDNA/RNAキメラであってもよいが、好ましくはDNAである。また、プローブとして用いられる核酸は、二本鎖であっても一本鎖であってもよい。二本鎖の場合は、二本鎖DNA、二本鎖RNA又はDNA:RNAのハイブリッドでもよい。一本鎖の場合は、アンチセンス鎖配列を含むものを用いることができる。
 上記核酸プローブは、本発明のバイオマーカー転写産物であるポリヌクレオチドにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドである。ハイブリダイゼーションは、自体公知の方法、具体的には、モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning)第2版(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab.Press,1989)に記載の方法に従って行なうことができる。ストリンジェントな条件としては、6×SSC(sodium chloride/sodium citrate)中45℃でのハイブリダイゼーション反応の後、0.2×SSC/0.1%SDS中65℃での一回以上の洗浄が挙げられる。
 上記核酸プローブは、本発明のバイオマーカーの遺伝子の転写産物の一部もしくは全部を増幅し得るプライマーセットを用い、被検動物の細胞由来のcDNA若しくはゲノムDNAを鋳型としてPCR法によって所望の長さの核酸を増幅するか、該cDNA若しくはゲノムDNAライブラリーから、コロニー若しくはプラークハイブリダイゼーション等により上記の遺伝子若しくはcDNAをクローニングし、必要に応じて制限酵素等を用いて適当な長さの断片とすることにより取得することができる。あるいは、市販のDNA/RNA自動合成機等を用いて化学的に合成することによっても得ることができる。
 上記核酸プローブは、標的核酸の検出・定量を可能とするために、標識剤により標識されていることが好ましい。標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素としては、例えば、〔32P〕、〔3H〕、〔14C〕などが用いられる。酵素としては、安定で比活性の大きなものが好ましく、例えば、β-ガラクトシダーゼ、β-グルコシダーゼ、アルカリホスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用いられる。発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用いられる。さらに、プローブと標識剤との結合にビオチン-(ストレプト)アビジンを用いることもできる。
 ノーザンハイブリダイゼーションによる場合は、上記のようにして調製したRNA画分をゲル電気泳動にて分離した後、ニトロセルロース、ナイロン、ポリビニリデンジフロリド等のメンブレンに転写し、上記のようにして調製された標識プローブを含むハイブリダイゼーション緩衝液中、特異的にハイブリダイゼーションさせた後、適当な方法でメンブレンに結合した標識量をバンド毎に測定することにより、本発明のバイオマーカーの転写量を測定することができる。ドットブロットの場合も、RNA画分をスポットしたメンブレンを同様にハイブリダイゼーション反応に付し、スポットの標識量を測定することにより、本発明のバイオマーカーの転写量を測定することができる。
 別の好ましい実施態様によれば、本発明のバイオマーカーの転写量を測定する方法として、定量的PCR法が用いられる。PCRでプライマーとして用いられるオリゴヌクレオチドのセットとしては、例えば、本発明のバイオマーカーの転写産物を特異的に認識し得る核酸プライマーを挙げることができる。1つの好ましい態様において、本発明の方法に用いられる核酸プライマーとして、例えば、公知の本発明のバイオマーカーの各転写産物であるポリヌクレオチドのうち、15塩基以上、好ましくは15~50塩基、より好ましくは15~30塩基、さらに好ましくは15~25塩基の連続したヌクレオチド配列の長さを有し、100bp~数kbpのDNA断片を増幅するようにデザインされたポリヌクレオチド(センス鎖)配列に相補的なポリヌクレオチド、及び前記のポリヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド(アンチセンス鎖)にハイブリダイズし得るポリヌクレオチドのオリゴヌクレオチドのセットが挙げられる。かかる核酸プライマーも、核酸プローブと同様の方法により調製や合成等することができる。
 あるいは、被検動物由来の試料における本発明のバイオマーカーの検出又は定量は、該試料からタンパク質画分を調製し、該画分中に含まれる該遺伝子の翻訳産物(即ち、本発明のバイオマーカータンパク質)を検出又は定量することにより調べることができる。これらのタンパク質の検出又は定量は、各タンパク質を特異的に認識する抗体を用いて、免疫学的測定法(例:ELISA、FIA、RIA、ウェスタンブロット等)によって行うことができる。従って、一実施態様において、本発明の方法は、本発明のバイオマーカータンパク質をそれぞれ特異的に認識し得る抗体を用いて、該バイオマーカーを検出又は定量することを含む。
 本発明のバイオマーカータンパク質をそれぞれ特異的に認識し得る抗体は、これらのタンパク質又はエピトープを有する部分ペプチドを免疫原として用い、既存の一般的な製造方法によって製造することができる。本明細書において、抗体には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAb)等の天然型抗体、遺伝子組換技術を用いて製造され得るキメラ抗体、ヒト化抗体や一本鎖抗体、及びこれらの結合性断片などが含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、抗体はポリクローナル抗体、モノクローナル抗体又はこれらの結合性断片である。結合性断片とは、特異的結合活性を有する前述の抗体の一部分の領域を意味し、具体的には例えばF(ab’)2、Fab’、Fab、Fv、sFv、dsFv、sdAb等が挙げられる(Exp. Opin. Ther. Patents, Vol.6, No.5, p.441-456, 1996)。抗体のクラスは、特に限定されず、IgG、IgM、IgA、IgDあるいはIgE等のいずれのアイソタイプを有する抗体をも包含する。好ましくは、IgG又はIgMであり、精製の容易性等を考慮するとより好ましくはIgGである。また、本発明において、本発明のバイオマーカータンパク質をそれぞれ特異的に認識し得る抗体として、市販の抗体又は抗体を含むキットやアレイ等を使用することもまた好ましい。
 個々の免疫学的測定法を本発明の方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発明のバイオマーカーの測定系を構築すればよい。これらの一般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参照することができる。例えば、入江寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和49年発行)、入江寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」Vol.70(Immunochemical Techniques(Part A))、同書Vol.73(Immunochemical Techniques(Part B))、同書Vol.74(Immunochemical Techniques(Part C))、同書Vol.84(Immunochemical Techniques(Part D:Selected Immunoassays))、同書Vol.92(Immunochemical Techniques(Part E:Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Methods))、同書Vol.121(Immunochemical Techniques(Part I:Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodies))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参照することができる。
 また、本発明のバイオマーカーの検出又は定量は、ハイスループットなタンパク質の検出又は定量解析が可能なiTRAQTM試薬(ABI社)及び質量分析計の組み合わせによりプロテオーム解析を用いて検出又は定量してもよい。
 後述の実施例により、成人スティル病患者において血清中の本発明のバイオマーカーの濃度は、敗血症患者と比較して有意に高いことが示された。従って、バイオマーカーの量の比較は、例えば、敗血症を発症している、若しくは発症している可能性が高い対照動物由来の試料(以下「対照試料」と称する場合がある)、及び対象とする被検動物由来の試料における本発明のバイオマーカーの濃度を定量し、両者の濃度を比較することにより行うことができる。
 あるいは、バイオマーカーの量を基準値と比較することにより行ってもよい。本発明に用いる「基準値」としては、対照試料における本発明のバイオマーカーの量を用いてもよい。あるいは、対照試料におけるバイオマーカーの定量値からあらかじめ設定した値を用いてもよい。この場合、基準値として、例えば、複数個体を対照群として、複数個体の測定値の平均値や最頻値などを採用することもできる。
 前記基準値は、決定木分析により設定される分岐点の基準値であってもよい。分岐点は、例えば、スティル病を発症した個体又は個体群及び敗血症を発症した個体又は個体群から採取した試料(例:血清)において、本発明のバイオマーカーの量を決定し、決定木分析を行い、ジニ係数、エントロピー、カイ二乗統計量などの基準尺度で表されるデータの不純度を利用して、変数(例:試料中の本発明のバイオマーカーの濃度)とその基準値を作成し、決定することができる。決定木分析は、自体公知の方法、例えば、決定木分析用のソフトフェア(統計解析ソフトR及びrpartパッケージ)を用いた方法、などにより行うことができる。
 好ましい実施態様において、分岐点については、スティル病を発症した個体群及び敗血症を発症した個体群から採取した血清中の本発明のバイオマーカーの量を定量し、決定木分析をおこない、ジニ係数で表されるデータの不純度を利用して、変数とその基準値を作成し、決定する。採取した血清中の本発明のバイオマーカーの好適な分岐点の基準値として、例えば、FGF-2タンパク質の場合は35.3 (pg/ml)、GM-CSFの場合は3.09 (pg/ml)が挙げられるが、これらの数値は、サンプルサイズや他の条件により変動し得るものであり、この数値に限定されるものではない。
 また基準値は、カットオフ値であってもよい。「カットオフ値」は、その値を基準として疾患の判定をした場合に、高い診断感度(有病正診率)及び高い診断特異度(無病正診率)の両方を満足できる値である。例えば、スティル病を発症している個体群で高い陽性率を示し、かつ、敗血症を発症している個体群で高い陰性率を示す値をカットオフ値として設定することができる。
 カットオフ値の算出方法は、この分野において周知である。例えば、スティル病を発症した個体及び敗血症を発症した個体から採取した血清中の本発明のバイオマーカーの量を定量し、定量された値における診断感度及び診断特異度を求め、これらの値に基づき、市販の解析ソフトを使用してROC(Receiver Operating Characteristic)曲線を作成する。そして、診断感度と診断特異度が可能な限り100%に近いときの値を求めて、その値をカットオフ値とすることができる。
 採取した血清中の本発明のバイオマーカーの好適なカットオフ値として、例えば、FGF-2タンパク質の場合は35.5 (pg/ml)、IL-18タンパク質の場合は543 (pg/ml)、G-CSFの場合は47.97(pg/ml)、GM-CSFの場合は4.44 (pg/ml)が挙げられるが、これらの数値は、サンプルサイズや他の条件により変動し得るものであり、この数値に限定されるものではない。後述の実施例では示していないが、G-CSFをバイオマーカーとして用いた場合に、感度は0.837、特異度は0.706、正診率は0.800、AUC(Area Under Curve)は0.721、AIC(Akaike's Information Criterion)は75.30であった(AOSDと診断された患者の血清66例、敗血症と診断された患者の血清17例)。
 上記本発明のバイオマーカーの量の比較の結果、例えば、被検動物由来の試料において、本発明のバイオマーカーが、対照試料に比べて高値で検出若しくは測定された場合、又は上記基準値以上である場合には、該被検動物がスティル病を発症していると判定等することができ、本発明のバイオマーカーが、対照試料に比べて同程度若しくは低値で検出若しくは測定された場合、又は上記基準値未満である場合には、該被検動物が敗血症を発症していると判定等することができる。
 あるいは、バイオマーカーの量の比較の結果、例えば、被検動物由来の試料において、本発明のバイオマーカーが、対照試料に比べて高値で検出若しくは測定された場合、又は上記基準値以上である場合には、該被検動物がスティル病を発症している可能性があると判定等することができ、対照試料に比べて同程度又は低値で検出若しくは測定された場合、又は上記基準値未満である場合には、該被検動物が敗血症を発症している可能性があると判定等することができる。
3.本発明の治療又は予防方法
 上記2.で記載した本発明の方法の結果、被検動物がスティル病若しくは敗血症を発症しているとの判定等がされた場合、又は発症している可能性があるとの判定等がされた場合、該判定等の結果に基づき、該被検動物に投与すべきスティル病若しくは敗血症の治療薬又は予防薬(以下では纏めて「治療薬」と称する)を選択(又は決定)し、該被検動物に治療上又は予防上有効量の該治療薬を投与することにより、スティル病又は敗血症を治療又は予防することができる。本明細書において、「治療薬」には、スティル病又は敗血症の根治治療を目的とする医薬だけでなく、例えば、これらの疾患の進行抑制を目的とする医薬又は症状の軽減を目的する医薬も含まれるものとする。
 スティル病の治療薬としては、例えば、ステロイド薬(例:プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン等)、トシリズマブ、免疫抑制剤(シクロスポリン、タクロリムス、メトトレキサート)などが挙げられるが、これらに限定されない。また、敗血症の治療薬としては、例えば、抗菌薬(例:メロペネム等)、循環作動薬(ノルアドレナリン等)、などが挙げられるが、これらに限定されない。上記治療薬は、患者の症状に合わせて、適宜組み合わせて使用してもよい。
 上記治療薬は、有効成分をそのまま単独で、又は薬学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤等と混合し、適当な剤型の医薬組成物として経口的又は非経口的に投与してもよい。経口投与のための組成物としては、固体又は液体の剤形、具体的には錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等が挙げられる。一方、非経口投与のための組成物としては、例えば、注射剤、坐剤等が用いられ、注射剤は静脈注射剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤等の剤形を包含してもよい。また、治療薬の投与量は、化合物の種類、投与対象の症状、齢、体重、薬物受容性等の種々の条件により、適宜設定することができる。
4.本発明の検査キット
 さらに本発明は、スティル病と敗血症とを鑑別するための検査キット(以下、本発明の検査キット)を提供する。本発明の検査キットには、好ましくは、
 (a)FGF-2タンパク質を特異的に認識し得る抗体又はFGF-2転写産物を特異的に認識し得る核酸プローブ若しくは核酸プライマー、
 (b)IL-18タンパク質を特異的に認識し得る抗体又はIL-18転写産物を特異的に認識し得る核酸プローブ若しくは核酸プライマー、
 (c)G-CSFタンパク質を特異的に認識し得る抗体又はG-CSF転写産物を特異的に認識し得る核酸プローブ若しくは核酸プライマー、
 (d)GM-CSFタンパク質を特異的に認識し得る抗体又はGM-CSF転写産物を特異的に認識し得る核酸プローブ若しくは核酸プライマー、
 (e)(a)の抗体、核酸プローブ若しくは核酸プライマー、及び(b)の抗体、核酸プローブ若しくは核酸プライマー、並びに
 (f)(a)の抗体、核酸プローブ若しくは核酸プライマー、及び(d)の抗体、核酸プローブ若しくは核酸プライマー
のいずれかが含まれる。これらは1種類のみ含まれていてもよいし、複数種類含まれていてもよい。
 本発明の検査キットが前記の核酸プローブ又は核酸プライマー(単に「核酸」ともいう。)を構成として含む場合、これらの核酸としては、上記2.の本発明の方法で例示されたプローブ用核酸及びプライマー用オリゴヌクレオチドが挙げられる。これらの核酸は、乾燥した状態もしくはアルコール沈澱の状態で、固体として提供することもできるし、水もしくは適当な緩衝液(例:TE緩衝液等)中に溶解した状態で提供することもできる。標識プローブとして用いられる場合、核酸は予め上記のいずれかの標識物質で標識した状態で提供することもできるし、標識物質とそれぞれ別個に提供され、用時標識して用いることもできる。あるいは、該核酸は、適当な固相に固定化された状態で提供することもできる。固相としては、例えば、ガラス、シリコン、プラスチック、ニトロセルロース、ナイロン、ポリビニリデンジフロリド等が挙げられるが、これらに限定されない。また、固定化手段としては、予め核酸にアミノ基、アルデヒド基、SH基、ビオチンなどの官能基を導入しておき、一方、固相上にも該核酸と反応し得る官能基(例:アルデヒド基、アミノ基、SH基、ストレプトアビジンなど)を導入し、両官能基間の共有結合で固相と核酸を架橋したり、ポリアニオン性の核酸に対して、固相をポリカチオンコーティングして静電結合を利用して核酸を固定化するなどの方法が挙げられるが、これらに限定されない。
 本発明の検査キットに含有される上記核酸が複数種類含まれる場合、同一の方法(例:ノーザンブロット、ドットブロット、DNAアレイ技術、定量RT-PCR等)により本発明のバイオマーカーの発現を検出又は定量し得るように構築されていることが好ましい。
 本発明の検査キットが前記の抗体を構成として含む場合、これらの抗体としては、上記2.の本発明の方法で例示された抗体が挙げられる。
 本発明の検査キットには、上記核酸や抗体に加えて、本発明のバイオマーカーの発現を検出又は定量するための反応において必要な他の物質を含んでいてもよい。これらの他の物質は、反応に悪影響を及ぼさない限り、核酸や抗体等と共存状態で提供されてもよく、あるいは、別個の試薬とともに提供されてもよい。例えば、本発明のバイオマーカーの発現を検出又は定量するための反応がPCRの場合、当該他の物質としては、例えば、反応緩衝液、dNTPs、耐熱性DNAポリメラーゼ等が挙げられる。競合PCRやリアルタイムPCRを用いる場合は、competitor核酸や蛍光試薬(上記インターカレーターや蛍光プローブ等)などをさらに含むことができる。また、本発明のバイオマーカーの発現を検出又は定量するための反応が抗原抗体反応の場合、当該他の物質としては、例えば、反応緩衝液、competitor抗体、標識された二次抗体(例えば、一次抗体がウサギ抗体の場合、ペルオキシダーゼやアルカリホスファターゼ等で標識されたマウス抗ウサギIgGなど)、ブロッキング液、ELISA用プレートなどが挙げられる。また、本発明の検査キットには、キットや試薬の使用方法や、疾患の判定基準等の説明が記載された説明書を含んでいてもよい。また、上記検査キットには、例えばポジティブコントロールとして用いるため、本発明のバイオマーカーを1種以上含んでいてもよい。
 以下に、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではないことは明らかである。
患者及び対照者
 本実施例の研究対象集団は、当院および関連施設(金沢大学病院、長崎医療センター、佐世保総合医療センター)においてYamaguchiらの分類基準(1992年)を満たし他の疾患が除外され、AOSDとリウマチ専門医によって診断された患者の治療前の血清66例(女性 41例、平均年齢 48.1歳、標準偏差21.2)と、当院にて敗血症と診断され、循環作動薬またはDICに対してトロンボモジュリン製剤を要した敗血症性ショックの患者の治療前の血清17例(女性 9例、平均年齢 61.4歳、標準偏差18.3)である。
 得られた血液試料を2,000gで5分間遠心し、上清を回収し、アッセイ前まで-80℃で保存した。全ての患者は長崎大学および関連センターの施設内倫理委員会によって承認されたプロトコル(承認番号14092946)に基づき研究内容を説明され、同意・納得の上でインフォームド・コンセントにサインした。
複合型サイトカインアッセイ
 発明者らは、得られた上記血液試料を、説明書に従いBio-Plex Pro Human Cytokine (Bio-Rad, Hercules, CA)およびMilliplex MAP Human Cytokine/Chemokine Panel 1 (Millipore, Billerica, MA)を用いて、複合型サイトカインビーズアッセイを実施した。インターロイキン-1β (IL-1β), IL-1RA, IL-2, IL-4, IL-5, IL-6, IL-7, IL-8, IL-10, IL-12 (p40), IL-12 (p70), IL-17, IL-18, 腫瘍壊死因子-α (TNF-α), インターフェロン-α (IFN-α), IFN-γ,顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF), 顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF), 血管内皮成長因子(VEGF), ICAM-1, VCAM-1, 線維芽細胞増殖因子2 (FGF2), CCL2 [単球遊走因子-1 (MCP-1)/MCAF], CCL3 [マクロファージ炎症性タンパク質-1a(MIP-1a)], CCL4 [マクロファージ炎症性タンパク質-1b (MIP-1b)], CCL22 [ヒトマクロファージ由来ケモカイン(MDC)], CXCL1[増殖制御タンパク質α前駆体(GRO)], CXCL10[インターフェロンγ誘導性タンパク質10 (IP-10)]およびCX3CL1 (Fractalkine)を含む45のサイトカインのうち、数値の変動が大きかった30のサイトカインを選択し、さらなる解析に供試した。
統計解析
 まず、ロジスティック回帰分析を用いて、AOSDと敗血症を判別するのに有効なサイトカインまたはその組み合わせを導出した。表1は、ROC解析による結果である。これにより、FGF-2、IL-18、G-CSF、GM-CSF、FGF-2とIL-18の組み合わせ、及びFGF-2とGM-CSFの組み合わせを用いた場合に、感度、特異度及びAUCが高い値を示し、これらの1種以上のサイトカインがスティル病と敗血症を鑑別するためのバイオマーカーとして適していることが示された。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表中、AUCはArea Under Curveの略であり、AICはAkaike's Information Criterion(赤池情報量規準)の略であり、TPはTrue Positive(真陽性)の略であり、TNはTure Negative(真陰性)の略であり、FPはFalse Positive(偽陽性)の略であり、FNはFalse Negative(偽陰性)の略である。また、カットオフ値の単位はpg/mlである。
 さらに、発明者らは、R package random Forest Version 4.5-34,22(Kokkonen H, Soderstrom I, Rocklov J, et al. Up-regulation of cytokines and chemokines predates the onset of rheumatoid arthritis. Arthritis Rheum. 2010; 62(2):383)を用いたRandom Forest analysis (RFA)という名称の多変数分類アルゴリズムによってサイトカインレベルをランキングした。結果を図1に示す。
 次に、上記サイトカインレベルを用いて、AOSD患者と敗血症患者を判別するアルゴリズムとして、決定木分析を行い、判別のモデルを構築した。決定木分析は、サイトカインの値を分岐させ、それを組み合わせて、判別モデルを構築する解析手法であり、サイトカインの分布によらず、二値の分岐といった簡潔なルールが得られるため、臨床応用に優れている。適切な木のサイズはクロスバリデーション(特にMin-1SEルール)で決め、解析には統計解析ソフトRとrpartパッケージを用いた。その結果、GM-CSFタンパク質とFGF-2タンパク質の測定を組み合わせることで、AOSD患者と敗血症患者を精度よく鑑別することが示された(図2)。
 本発明のFGF-2、IL-18、G-CSF又はG-CSFは、スティル病と敗血症を鑑別するためのバイオマーカーとして有用である。
 本出願は、日本で出願された特願2018-083489(出願日:平成30年4月24日)を基礎としており、その内容をすべて本明細書に包含されるものとする。

Claims (13)

  1.  以下の(a)~(d)のいずれかからなる、スティル病と敗血症とを鑑別するためのバイオマーカー。
     (a)FGF-2タンパク質又はFGF-2転写産物、
     (b)IL-18タンパク質又はIL-18転写産物、
     (c)G-CSFタンパク質又はG-CSF転写産物、及び
     (d)GM-CSFタンパク質又はGM-CSF転写産物
  2.  被検動物由来の試料において、請求項1に記載のバイオマーカーの1種以上を検出又は定量する工程を含む、該被検動物がスティル病又は敗血症を発症しているかの判定を補助する方法。
  3.  被検動物由来の試料において、請求項1に記載のバイオマーカーの1種以上を検出又は定量する工程を含む、スティル病又は敗血症の可能性を分析する方法。
  4.  以下の(i)~(iii)の工程を含む、請求項2に記載の方法。
     (i)被検動物由来の試料において、請求項1に記載のバイオマーカーの1種以上を定量する工程、
     (ii)(i)で定量したバイオマーカーの量を基準値と比較する工程、及び
     (iii)(ii)の結果に基づき、(i)で定量したバイオマーカーの量が基準値以上である場合に、前記被検動物がスティル病を発症していると判定し、基準値未満である場合に、前記被検動物が敗血症を発症していると判定する工程
  5.  以下の(i)~(iii)の工程を含む、請求項3に記載の方法。
     (i)被検動物由来の試料において、請求項1に記載のバイオマーカーの1種以上を定量する工程、
     (ii)(i)で定量したバイオマーカーの量を基準値と比較する工程、及び
     (iii)(ii)の結果に基づき、(i)で定量したバイオマーカーの量が基準値以上である場合に、前記被検動物がスティル病を発症している可能性があると判定し、基準値未満である場合に、前記被検動物が敗血症を発症している可能性があると判定する工程
  6.  請求項1に記載のバイオマーカーを2種以上用いることを特徴とする、請求項2~5のいずれか1項に記載の方法。
  7.  前記バイオマーカーが、
     (1)FGF-2タンパク質若しくはFGF-2転写産物、並びに
     (2)GM-CSFタンパク質若しくはGM-CSF転写産物、及び/又はIL-18タンパク質若しくはIL-18転写産物
    を含む、請求項2~6のいずれか1項に記載の方法。
  8.  以下の(a)~(f)のいずれかを用いて前記バイオマーカーを検出又は定量することを特徴とする、請求項2~7のいずれか1項に記載の方法。
     (a)FGF-2タンパク質を特異的に認識し得る抗体又はFGF-2転写産物を特異的に認識し得る核酸プローブ若しくは核酸プライマー、
     (b)IL-18タンパク質を特異的に認識し得る抗体又はIL-18転写産物を特異的に認識し得る核酸プローブ若しくは核酸プライマー、
     (c)G-CSFタンパク質を特異的に認識し得る抗体又はG-CSF転写産物を特異的に認識し得る核酸プローブ若しくは核酸プライマー、
     (d)GM-CSFタンパク質を特異的に認識し得る抗体又はGM-CSF転写産物を特異的に認識し得る核酸プローブ若しくは核酸プライマー、
     (e)(a)の抗体、核酸プローブ若しくは核酸プライマー、及び(b)の抗体、核酸プローブ若しくは核酸プライマー、並びに
     (f)(a)の抗体、核酸プローブ若しくは核酸プライマー、及び(d)の抗体、核酸プローブ若しくは核酸プライマー
  9.  前記基準値が、決定木分析あるいはROC解析に基づいて設定される値である、請求項4~8のいずれか1項に記載の方法。
  10.  前記被検動物がヒトである、請求項2~9のいずれか1項に記載の方法。
  11.  前記試料が血清である、請求項2~10のいずれか1項に記載の方法。
  12.  以下の(a)~(f)のいずれかを1種以上含む、スティル病と敗血症とを鑑別するための検査キット。
     (a)FGF-2タンパク質を特異的に認識し得る抗体又はFGF-2転写産物を特異的に認識し得る核酸プローブ若しくは核酸プライマー、
     (b)IL-18タンパク質を特異的に認識し得る抗体又はIL-18転写産物を特異的に認識し得る核酸プローブ若しくは核酸プライマー、
     (c)G-CSFタンパク質を特異的に認識し得る抗体又はG-CSF転写産物を特異的に認識し得る核酸プローブ若しくは核酸プライマー、
     (d)GM-CSFタンパク質を特異的に認識し得る抗体又はGM-CSF転写産物を特異的に認識し得る核酸プローブ若しくは核酸プライマー、
     (e)(a)の抗体、核酸プローブ若しくは核酸プライマー、及び(b)の抗体、核酸プローブ若しくは核酸プライマー、並びに
     (f)(a)の抗体、核酸プローブ若しくは核酸プライマー、及び(d)の抗体、核酸プローブ若しくは核酸プライマー
  13.  さらに請求項1に記載のバイオマーカーの1種以上を含む、請求項12に記載のキット。
PCT/JP2019/017149 2018-04-24 2019-04-23 スティル病と敗血症との鑑別用バイオマーカー WO2019208542A1 (ja)

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