JP5424128B2 - 保護素子およびそれを備えた半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、窒化物半導体で構成される保護素子およびそれを備えた半導体装置に関する。
従来から、高周波デバイス用半導体素子には、半導体材料として窒化ガリウム(GaN)系化合物半導体が用いられている。窒化ガリウム系半導体素子(以下、GaN系半導体素子と記す。)では、半導体基板の表面に、例えば有機金属化学気相蒸着(MOCVD:Metal−Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いて形成されたバッファ層やGaNドープ層が設けられている。最近では、GaN系半導体素子は、高周波用途に加え、電力用のパワーデバイスにも適用可能であるという認識から、高耐圧、大電流を扱うデバイスの検討も行われている。
図11は、従来提案されているMOS構造を有するGaN系半導体素子100である。図11に示すように、基板101の上に、順次、バッファ層102、窒化ガリウム(GaN)層103、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)層104が積層されている。GaN層103におけるAlGaN層104との界面近傍には、上記AlGaN層104のAl濃度と厚さを制御することによって形成された2次元電子ガス(2DEG:Two Dimensional Electron Gas)層105が形成されている。AlGaN層104の表面の一部には、ショットキー特性を有するゲート電極106が配置されている。また、AlGaN層104の上には、ゲート電極106を挟むように、ソース電極107とドレイン電極108が形成されている。なお、AlGaN層104の表面における、ゲート電極106、ソース電極107、ドレイン電極108が形成されない領域には、パッシベーション膜109が形成されている。
このゲート電極106は、2DEG層105を流れる電流のオンオフを行う。電界効果トランジスタ(FET)のようなスイッチング素子は、ゲート電圧が0Vのときにソース・ドレイン間が導通している場合をノーマリオン、ゲートに正(又は負)バイアスしたときに導通している場合をノーマリオフと呼ばれる。応用回路の安全性を考えると、ノーマリオフのデバイスが望まれている。従来、GaN系半導体素子100をノーマリオフにするために、ゲート直下にフッ素などの選択的なイオン注入やプラズマ照射を施して部分的に2DEG層105を無くしたり、AlGaN層104の厚さを部分的に薄くなるように掘り込むなどの処理が施されている。また、ゲートリークを防止するために、ゲート電極106とAlGaN層104との間に絶縁膜を設ける場合もある。このようなノーマリオフのGaN系半導体素子100では、ゲートがオフ状態のときには、ソース・ドレイン間に電圧が印加されるとゲート端から2DEG層105が空乏化して高耐圧を維持することが可能となり、大電力、高耐圧の半導体素子として機能する。このため、近年、GaN系半導体素子は、高効率の電力用半導体素子としてさかんに開発が進められている。また、2DEG層を導電層として用いた、高耐圧ショットキーバリアダイオード(SBD)も同様に開発されている。
"Electrostatic discharge effects in AlGaN/GaN high-electron-mobility transistors". Kuzmi’k, D. Pogany, and E. GornikP. Javorka and P. Kordos.;APPLIED PHYSICS LETTERS,Vol.83, No.22, pp.4655-4657(2003)
GaN系半導体素子を電力用半導体素子として使用する場合、高速で動作し導通抵抗が低いということは大きな利点であるが、その一方でさまざまな負荷が加わっても破壊しないという高い信頼性が要求される。負荷が加わっても破壊しないという基本的な特性の一つとして、アバランシェ耐量がある。このアバランシェ耐量は、素子に耐圧以上の電圧が印加されてソース・ドレイン間がブレークダウンしても、所定の電流量までは壊れない、というものである。これまで、2DEG層を利用したGaN系半導体素子においては、アバランシェ特性についての報告が少ない。例えば、非特許文献1は、GaN−HEMT(高電子移動度トランジスタ:High Electron Mobility Transistor)を用いて、TLP(Transmission Lin Pulser)測定と呼ばれる、短時間の電圧ストレスを印加したときの電流電圧特性を調べたもので、ある電圧で急激に負性抵抗が発生してその後破壊に至っていることが記載されている。このような負性抵抗特性があると、大電流素子はデバイスサイズが大きいため、全体に対してごくわずかの領域に膨大な電流が集中して瞬時に破壊してしまうという問題がある。例えば、静電気(ESD)耐量は、短時間に素子へ過電圧が印加されても壊れないことが要求されるが、上記の負性抵抗特性があると静電気耐量を確保することは困難である。非特許文献1ではGaN−HEMTを用いて測定しているが、同様のTLP測定を窒化ガリウム系の半導体材料からなるショットキーバリアダイオードに行っても、非特許文献1と同様に、急激な負性抵抗特性を有しており、ほぼ瞬時破壊することが確認されている。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、被保護素子に接続されることにより、被保護素子の破壊を未然に防止できる保護素子およびそれを備えた、破壊耐量が向上された半導体装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、アノード電極とカソード電極を備え、前記アノード電極と前記カソード電極との間に主たる電流を流す被保護素子に対して、電気的に並列に接続された保護素子であって、第1の窒化物半導体でなる第1の窒化物半導体層と、前記第1の窒化物半導体層上に形成された当該第1の窒化物半導体よりもバンドギャップの大きな第2の窒化物半導体でなる第2の窒化物半導体層と、前記第2の窒化物半導体層の表面に離間して形成された前記アノード電極と前記カソード電極との間に、前記第1の窒化物半導体層と前記第2の窒化物半導体層との界面付近に形成された2次元電子ガス層により流れる電流のオンオフを制御する制御電極を有するオンオフ可能領域と、前記制御電極と前記アノード電極を接続する抵抗体と、を備え、前記被保護素子より耐圧が低く設定されていることを特徴とする。
また、この発明にかかる保護素子は、上記の発明において、前記オンオフ可能領域が、前記第2の窒化物半導体層との間でダイオード特性を有するダイオード構成体を備えることを特徴とする。
また、この発明にかかる保護素子は、上記の発明において、前記ダイオード構成体が、ショットキーバリアダイオードを構成することを特徴とする。
また、この発明にかかる保護素子は、上記の発明において、前記ダイオード構成体が、PN型ダイオードを構成することを特徴とする。
また、この発明にかかる保護素子は、上記の発明において、前記制御電極が、前記第2の窒化物半導体層の表面から前記第1の窒化物半導体層内の前記2次元電子ガス層よりも深い位置まで形成された溝内に、ゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極であることを特徴とする。
また、この発明にかかる保護素子は、上記の発明において、前記耐圧が温度に対して正の依存性を持つことを特徴とする。
この発明にかかる半導体装置は、上述の保護素子と前記被保護素子とからなることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上記の発明において、前記保護素子と前記被保護素子が、モノリシックに形成されていることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、前記被保護素子が、前記アノード電極がソース電極と接続され、前記カソード電極がドレイン電極と接続された電界効果トランジスタであることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、前記被保護素子が、ダイオードであることを特徴とする。
上述した発明では、高耐圧に設定された被保護素子に過電圧が印加されると、保護素子のオンオフ可能領域が被保護素子の主電流を流す領域よりも先に電流を流す構成となる。また、保護素子では、所定の電圧になると急激に電流が流れ、この電流はアバランシェ降伏を起こさない導通経路で電流が流れることから、負性抵抗を発生しにくく、結果として過電圧耐量が大きな高耐圧な半導体装置を提供することができる。
この発明によれば、被保護素子の破壊を未然に防止できる保護素子を提供でき、この保護素子を備えた半導体装置の信頼性を向上させることができる。
図1は、この発明の実施の形態1にかかる保護素子を示し、図2のI−I断面図である。 図2は、この発明の実施の形態1にかかる保護素子の平面図である。 図3は、この発明の実施の形態2にかかる保護素子を示し、図4のIII−III断面図である。 図4は、この発明の実施の形態2にかかる保護素子を示す平面図である。 図5は、この発明の実施の形態1および2にかかる保護素子を備えた半導体装置の平面図である。 図6は、この発明の実施の形態1にかかる保護素子を備えた半導体装置の等価回路図である。 図7は、この発明の実施の形態2にかかる保護素子を備えた半導体装置の等価回路図である。 図8は、この発明にかかる半導体装置に含まれる被保護素子の断面図である。 図9は、この発明にかかる半導体装置に含まれる他の被保護素子の断面図である。 図10は、この発明にかかる保護素子を備える半導体装置と、保護素子の無い半導体装置の動作を説明する図である。 図11は、従来のGaN−HEMTを示す断面図である。
以下に、本発明を実施するための形態である保護素子およびそれを備えた半導体装置について図面を参照して説明する。但し、図面は模式的なものであり、各層の厚みや長さの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
(実施の形態1)
この発明の実施の形態1にかかる保護素子について図1および図2を用いて説明する。なお、図1は本実施の形態にかかる保護素子1の断面図(図2のI−I断面図)、図2は保護素子1の平面図である。
図1に示すように、この実施の形態1にかかる保護素子1は、結晶成長の母板となる基板11上に、バッファ層12が形成され、このバッファ層12の上に、順次、キャリア走行層としての結晶成長されたGaN層13、GaN層13よりもバンドギャップの大きな、キャリア供給層としてのAlGaN層14が積層されている。GaN層13におけるAlGaN層14との界面近傍には、例えばAlGaN層14のAl濃度と厚さを制御することによって形成された2次元電子ガス(2DEG)層13Aが形成されている。このように、AlGaN層14の組成は、AlGa1−xNのさまざまな組成xおよび層構成を用いて、2次元電子ガス濃度の調整を行ったものも含まれる。
AlGaN層14の上には、互いに略平行をなすようにアノード電極15とカソード電極16とが互いに離間して形成されている。なお、これらアノード電極15とカソード電極16は、後述する被保護素子25と共用されるものであり、具体的には櫛歯状で互いに入り組んで対向配置されたアノード電極15とカソード電極16の一部である。AlGaN層14の表面における、アノード電極15とカソード電極16との間には、アノード電極15とカソード電極16に平行をなすように、所定幅寸法のp型AlGaN層17が形成されている。また、AlGaN層14の表面における、アノード電極15、カソード電極16、p型AlGaN層17が形成されない領域には、パッシベーション膜18が形成されている。
p型AlGaN層17の上には、制御電極19が形成されている。図2に示すように、制御電極19は、アノード電極15とカソード電極16に挟まれた配置で、これらアノード電極15とカソード電極16に略平行をなすように形成されている。なお、GaN層13における制御電極19の直下には、2次元電子ガス層13Aが形成されないように設定されている。さらに、アノード電極15と制御電極19との間には、抵抗体20が並列に接続されている。これら抵抗体20は、例えば、不純物をドープしたポリシリコン膜をパターニングして形成されている。
制御電極19直下のp型AlGaN層17、AlGaN層14は、GaN層13との間にダイオード特性を有するダイオード構成体22を構成する。なお、本実施の形態では、ダイオード構成体22はPN接合型ダイオードの構成となっている。このダイオード構成体22では、リーク電流の増加に伴い制御電極19にかかる電圧が所定値を超えると、2次元電子ガス層13Aと導通されるようになっている。このようにダイオード構成体22により、図1および図2に示すオンオフ可能領域21で、2次元電子ガス層13Aの電流のオンオフが制御されるようになっている。
この実施の形態では、ダイオード構成体22がPN接合型ダイオードを構成しているが、このような形態に限定されるものではなく、ショットキーバリアダイオードや、ツェナーダイオード等であってもよい。また、上記ダイオード構成体22において、p型AlGaN層17は、GaN、あるいはポリシリコンなど他の半導体であってもかまわない。また、ダイオード構成体22直下のAlGaN層14/GaN層13界面には2次元電子ガス層13Aが発生しないように、AlGaN層14の厚さを調整するか、またはプラズマ照射やイオン注入などの手法によって処理が施されている。このように、ダイオード構成体22直下に2次元電子ガス層13Aを形成しないようにする理由は、通常状態において保護素子1のアノード電極15、カソード電極16間を電気的に絶縁するためである。なお、上述のように保護素子1は、アノード電極15とカソード電極16がソース電極とドレイン電極として機能し、制御電極19がゲート電極として機能するHEMTの構成となっている。
次に、この実施の形態1にかかる保護素子1の作用・動作について説明する。保護素子1は、アノード電極15、カソード電極16間に大きな電圧Vが印加されると、ダイオード構成体22の制御電極19に、電圧Vに応じてリーク電流Ileakが流れるように構成されている。このリーク電流Ileakは抵抗体20を流れるため、リーク電流Ileakが大きくなるとそれに伴って制御電極19の電圧Vが高くなる。電位Vがダイオード構成体22直下の2次元電子ガス層13Aが形成される電圧Vthを超えると、アノード、カソード間が導通する。このため、下記(1)式の関係となるようなリーク電流Ileakが流れるカソード電圧以上では、アノード電極15、カソード電極16間に電流が流れるようになる。但し、Rは抵抗体20の抵抗値である。
th<R×Ileak…(1)
アノード電極15、カソード電極16間を流れる電流は2次元電子ガス層13Aを通じて流れる、通常の導通電流であり、上述したTLP試験で破壊する場合に流れているアバランシェ電流ではない。アバランシェ電流は大きな電界で発生した電子、正孔電流によるものであるが、保護素子1では上記のように電子のみの導通電流である。このため、保護素子1では、寄生的に電流が増幅されるようなことがなく、負性抵抗の発生が抑えられる。
この実施の形態1では、図2に示すように複数の抵抗体20が互いに分離して並列に接続されている。この抵抗体20は、上記式(1)を考慮しながら、所定の抵抗になるようにその幅と数が設計されている。また、製造工程の過程において、ダイオード構成体22を流れるリーク電流の値や抵抗体20の抵抗値を測定し、所定の電圧で電流が流れるように、抵抗体20を接続したり、切断したりしてトリミングができるようになっている。このため、歩留まりよく保護素子1を製造することが可能となる。図2に示すように、この実施の形態1では、同一の抵抗値を持つ複数の抵抗体20を並列に形成したが、上述のようにトリミングする方法としては、複数の異なる抵抗値の抵抗体を並べてトリミングできるようにしてもよい。
(実施の形態2)
この発明の実施の形態1にかかる保護素子について図3および図4を用いて説明する。なお、図3はこの実施の形態2にかかる保護素子1Aの断面図(図4のIII−III断面図)、図4は保護素子1Aの平面図である。なお、この実施の形態2にかかる保護素子1Aにおいて、上記実施の形態1にかかる保護素子1と同一部分また類似部分には、同一符号または類似符号を付して詳細な説明を省略する。
上記の実施の形態1にかかる保護素子1においては、2次元電子ガス層13Aがダイオード構成体22直下に形成されない構造としているが、図3に示すように、この実施の形態2においてはダイオード構成体22直下では2次元電子ガス層13Aが存在する構成となっている。なお、2次元電子ガス層13Aは、ダイオード構成体22とは別の領域にAlGaN層14およびGaN層13の一部をメサ状に掘り込むことにより、2次元電子ガス層13Aが存在しない領域が形成されている。メサ状に掘り込まれた溝内には、ゲート絶縁膜23を介してゲート電極24が形成されている。図3および図4に示すように、このゲート電極24は、ダイオード構成体22と接続された制御電極19Aと一体に形成されている。この制御電極19Aおよびゲート電極24は、所定の抵抗値を有する抵抗体20を介してアノード電極15に電気的に接続される。また、この実施の形態2におけるダイオード構成体22は、図1に示した実施の形態1と同様の構成である。この実施の形態2においては、制御電極19が形成されたダイオード構成体22とゲート電極24の及ぶ領域を、オンオフ可能領域21とする。
この保護素子1Aの動作としては、上記実施の形態1と同様であるが、この実施の形態2では、2次元電子ガス層13Aが導通する電圧Vthが、絶縁ゲート構成となっている部分のしきい値となる点で異なっている。本実施の形態2において、AlGaN層14およびGaN層13に掘り込まれるメサ部分の深さは、図3に示すように、バリア層であるAlGaN層14を突き抜けて、GaN層13に達するようにしたが、必ずしもその必要はなく、電圧Vthがプラスの値になるように設定されていればよい。この電圧Vthは、上記のようにメサ部分の深さ、ゲート絶縁膜23の厚さ、GaN層13の厚さなどによって制御でき、上記実施の形態1の保護素子1よりも制御性がよいという利点がある。すなわち、この実施の形態2にかかる保護素子1Aでは、電流が流れ始める電圧の設計が容易となるという利点がある。なお、保護素子1では、耐圧が温度に対して正の依存性を持つことが好ましい。
保護素子の耐圧の温度依存性が負であると、素子のばらつきで耐圧の低い部分がある場合、電流が流れることによる温度上昇によってさらに耐圧が低下して、局所的な電流集中が発生し、素子が破壊してしまう。耐圧を、温度に対して正の依存性を持たせることで、この問題を解決することが可能となる。耐圧が温度に対して正の依存性を持つようにするためには、抵抗の温度依存性を負とする等の方法を採用することができる。
(半導体装置)
図5は、この発明の上記実施の形態1、2にかかる保護素子1、1Aを被保護素子25、25A(後述)に接続した半導体装置30、30Aを示す平面説明図である。すなわち、図5は、保護素子1を備える場合は半導体装置30、保護素子1Aを備える場合は半導体装置30Aとなることを示している。また、図5に示すように、半導体装置30、30Aは、それぞれ被保護素子25に代えて被保護素子25Aを適用してもよい。図6は半導体装置30の構成説明図、図7は半導体装置30Aの構成説明図である。図8は被保護素子25を示し、図9は被保護素子25Aを示している。
この半導体装置30は、図5におけるアノード電極15とカソード電極16が櫛歯状に互いに入り組んだ電極配置において、アノード電極15とカソード電極16とが対向配置された3つの領域(破線で示す)に保護素子1が設けられ、図中実線で楕円状に示す領域に被保護素子25が形成されている。なお、図5においては、被保護素子25の詳細な構成は図示を省略する。図5に示すように、保護素子1の設置箇所は3箇所である必要はなく、単数箇所でも複数箇所でもよい。保護素子1の半導体装置30全体に占める面積が大きくなると、耐量がそれに比例して大きくなるが、一方で主電流を流す被保護素子25の占有面積が少なくなってしまうため、最適な面積にする必要がある。
図8に示すように、被保護素子25は、保護素子1の構成部分を共用するものであり、基板11上に、順次、バッファ層12、GaN層13、AlGaN層14が積層されている。GaN層13におけるAlGaN層14との界面近傍には、2次元電子ガス層13Aが設定されている。AlGaN層14の上には、互いに略平行をなすようにアノード電極15とカソード電極16とが互いに離間して形成されている。AlGaN層14の表面における、これらアノード電極15とカソード電極16との間には、これらアノード電極15とカソード電極16に平行をなすように、p型AlGaN層17が形成されている。また、AlGaN層14の表面における、アノード電極15、カソード電極16、p型AlGaN層17が形成されない領域には、パッシベーション膜18が形成されている。p型AlGaN層17Aの上には、電極26がp型AlGaN層17の上面に沿って形成されてHEMTを構成している。なお、図9に示す被保護素子25Aは、図8に示す被保護素子25のp型AlGaN層17Aが無いMES構造を有し、図8と同様に高耐圧素子としての機能を有するものであり、被保護素子25に代えて用いてもよい。また、被保護素子としては、HEMTの他に、ダイオード等を適用してもよい。
次に、図5および図6を用いて半導体装置30の作用・動作について説明する。図5および図6に示す保護素子1のアノード電極15、カソード電極16間に大きな電圧Vが印加されると、ダイオード構成体22の制御電極19には電圧Vに応じてリーク電流Ileakが増加するように構成されている。このリーク電流は抵抗体20を流れるため、リーク電流Ileakが大きくなると制御電極19はアノード電極15よりも電位Vが高くなる。このVが、ダイオード構成体22直下の2次元電子ガス層13Aが形成される電圧Vthを超えると、アノード、カソード間が導通する。
このように、被保護素子25よりも耐圧が低く、所定の電圧が印加されると大きな電流が流れるような構成とした保護素子1を、被保護素子25に並列に接続することで、半導体装置30の破壊耐量を大きくして信頼性を高めることができる。
次に、図10を用いて半導体装置30と従来の半導体装置の基本的な特性を比較して説明する。図10は、半導体装置30の耐圧特性(実線で示す。)と、図11に示すような、保護素子1を有さない半導体装置(被保護素子25だけのもの)の耐圧特性(破線で示す。)、すなわち逆方向の電流電圧特性を示す。半導体装置30では、保護されるべき破壊耐量の小さな高耐圧素子である被保護素子25に対して並列に、耐圧が被保護素子25よりも低い保護素子1が接続されている。これにより、図10に実線で示すように、電圧が被保護素子25に印加された場合には、より耐圧の低い保護素子1に電流が流れ始め、被保護素子25の耐圧には達しないようにする。これにより、被保護素子25を破壊から保護することができる。しかし、図10に破線で示すように、保護素子を備えない従来の半導体装置では過電圧にいたると瞬時に破壊されてしまう。
なお、半導体装置30は、保護素子1と被保護素子25とを上述のようにモノリシックに製造してもよいし、別素子として形成してもよい。電流をオンオフするための主素子である被保護素子25は、GaNを主たる半導体材料として構成されたもので、図11に示した、従来のトランジスタであってもよいし、ダイオードであってもかまわない。
次に、半導体装置30Aの作用・動作について説明する。被保護素子25と保護素子1Aのアノード電極15とカソード電極16は共用されているため、被保護素子25のアノード電極15、カソード電極16間に大きな電圧が印加されてくると、図3および図4に示す保護素子1Aにおいてもアノード電極15、カソード電極16間に大きな電圧が印加されてくる。すると、ダイオード構成体22の制御電極19には電圧に応じてリーク電流Ileakが増加してくる。この制御電極19は、ゲート電極24と抵抗体20に接続されている。このリーク電流Ileakは抵抗体20を流れるため、電流が大きくなるとゲート電極24の電位が高くなり、ついには、MOS部分でチャネルが形成される電圧Vthを超えると、MOS部分にチャネルが形成され2次元電子ガス層13Aに電流が流れてアノード、カソード間が導通する。
アノード電極15、カソード電極16間を流れる電流は2次元電子ガス層13Aを通じて流れる、通常の導通電流であり、上述したTLP試験で破壊する場合に流れているアバランシェ電流ではない。アバランシェ電流は大きな電界で発生した電子、正孔電流によるものであるが、保護素子1Aでは上記のように電子のみの導通電流である。このため、保護素子1Aでは、寄生的に電流が増幅されるようなことがなく、負性抵抗の発生が抑えられる。図7に示すように、この保護素子1Aに並列に接続された被保護素子25は、過電圧が印加されても破壊が防止される。したがって、半導体装置30Aは、過電圧耐量が大きく高耐圧な機能を有する。
このように半導体装置30Aは、上述の半導体装置30と同様の動作を行うが、保護素子1Aにおいて2次元電子ガス層13Aが形成される電圧Vthの制御性が、上記実施の形態1の保護素子1よりもよいという利点がある。すなわち、半導体装置30Aでは、電流が流れ始める電圧の設計が、半導体装置30に比較して容易となるという利点がある。
(その他の実施の形態)
以上、この発明の各実施の形態について説明したが、上記の実施の形態の開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかになろう。
例えば、上記の各実施の形態では、半導体材料として、GaNやAlGaNなどを適用しているが、2次元電子ガスが発生する構成であれば、上記半導体材料に限定されるものではなく、他の窒化物半導体、例えばAlInGaNで示される窒化物半導体を用いてもよい。
1、1A 保護素子
11 基板
12 バッファ層
13 GaN層
14 AlGaN層
15 アノード電極
16 カソード電極
18 パッシベーション膜
19、19A 制御電極
20 抵抗体
21 オンオフ可能領域
22 ダイオード構成体
23 ゲート絶縁膜
24 ゲート電極
25、25A 被保護素子
30、30A 半導体装置

Claims (8)

  1. アノード電極とカソード電極を備え、前記アノード電極と前記カソード電極との間に主たる電流を流す被保護素子に対して、電気的に並列に接続された保護素子であって、
    第1の窒化物半導体でなる第1の窒化物半導体層と、
    前記第1の窒化物半導体層上に形成された当該第1の窒化物半導体よりもバンドギャップの大きな第2の窒化物半導体でなる第2の窒化物半導体層と、
    前記第2の窒化物半導体層の表面に離間して形成された前記アノード電極と前記カソード電極との間に、前記第1の窒化物半導体層と前記第2の窒化物半導体層との界面付近に形成された2次元電子ガス層により流れる電流のオンオフを制御する制御電極を有するオンオフ可能領域と、
    前記制御電極と前記アノード電極を接続する抵抗体と、を備え、
    前記オンオフ可能領域は、前記第2の窒化物半導体層との間でダイオード特性を有するダイオード構成体を有し、
    前記ダイオード構成体とは別の領域において、前記第2の窒化物半導体層の表面から前記第1の窒化物半導体層内の前記2次元電子ガス層よりも深い位置まで溝が形成されており、
    前記制御電極は、前記溝内にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極であり、
    前記被保護素子より耐圧が低く設定されてことを特徴とする保護素子。
  2. 前記ダイオード構成体は、ショットキーバリアダイオードを構成することを特徴とする請求項に記載された保護素子。
  3. 前記ダイオード構成体は、PN型ダイオードを構成することを特徴とする請求項に記載された保護素子。
  4. 前記耐圧が温度に対して正の依存性を持つことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載された保護素子。
  5. 請求項1〜のいずれか1つに記載された保護素子と前記被保護素子とからなることを特徴とする半導体装置。
  6. 前記保護素子と前記被保護素子は、モノリシックに形成されていることを特徴とする請求項に記載された半導体装置。
  7. 前記被保護素子は、前記アノード電極がソース電極と接続され、前記カソード電極がドレイン電極と接続された電界効果トランジスタであることを特徴とする請求項または請求項に記載された半導体装置。
  8. 前記被保護素子は、ダイオードであることを特徴とする請求項または請求項に記載された半導体装置。
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