JP5422460B2 - 光学フィルター用の粘着性組成物、粘着剤および粘着シート - Google Patents

光学フィルター用の粘着性組成物、粘着剤および粘着シート Download PDF

Info

Publication number
JP5422460B2
JP5422460B2 JP2010074901A JP2010074901A JP5422460B2 JP 5422460 B2 JP5422460 B2 JP 5422460B2 JP 2010074901 A JP2010074901 A JP 2010074901A JP 2010074901 A JP2010074901 A JP 2010074901A JP 5422460 B2 JP5422460 B2 JP 5422460B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
sensitive adhesive
adhesive composition
mass
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010074901A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011209379A (ja
Inventor
裕之 米山
仁 大橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lintec Corp
Original Assignee
Lintec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lintec Corp filed Critical Lintec Corp
Priority to JP2010074901A priority Critical patent/JP5422460B2/ja
Publication of JP2011209379A publication Critical patent/JP2011209379A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5422460B2 publication Critical patent/JP5422460B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Description

本発明は、ディスプレイパネル等に用いられる光学フィルター用の粘着性組成物、粘着剤(粘着性組成物を架橋させた材料)および粘着シートに関するものである。
プラズマディスプレイパネル(PDP)は、セルに封入されているネオンとキセノンとの混合ガスをプラズマ化することにより紫外線を発生させ、セル壁に塗工された蛍光体を励起させることにより発光する。しかし、このとき、必要な可視光以外に近赤外線、ネオン光、電磁波等が同時に発生する。近赤外線は、リモコン等に用いられるため、他の電気機器の誤作動を引き起こす。また、ネオン光は、オレンジ色を示すため、ディスプレイの色調を崩してしまう。さらに、電磁波は、人体に悪影響を及ぼすおそれがある。そのため、PDPにおいては、それら近赤外線、ネオン光、電磁波等が外部に漏れることを抑制するために、通常前面に光学フィルターが用いられる。
従来の光学フィルターは、ガラスを支持体として、上記のような各種性能を有するフィルムを、粘着剤を介して積層する構成をとっていたが、最近では、光学フィルター構成の簡素化を目的として、これまでフィルムが担ってきた機能を粘着剤にもたせようとしている。そのため、粘着剤には、以前は添加が求められていなかった添加物を添加する必要がある。
ここで、一般にアクリル系粘着剤は、アクリル系ポリマーに架橋剤を加えた粘着性組成物から得られ、アクリル系ポリマーと架橋剤との架橋反応を利用することで凝集力を発揮する。上記のようにPDPの光学フィルター用の粘着剤に光吸収機能等の機能を付与するため、粘着性組成物にはアクリル系ポリマーおよび架橋剤以外に添加物を添加することを行ってきた(特許文献1,2)。
特開2008−266439号公報 特開2009−35615号公報
通常、PDPの光学フィルター用の粘着性組成物に添加する添加物としては、主に常温で架橋剤と反応性を示す官能基を有さない物質が用いられる。これは、架橋剤と反応性を示す添加物を粘着性組成物に添加して常温保存後に得られる粘着剤では、常温保存中に架橋剤と添加物との反応が進行して、本来期待されるアクリル系ポリマーと架橋剤との架橋反応が不十分となり、粘着剤の粘着物性を左右するゲル分率が低下することが問題となるためである。
架橋に広く用いられる方法は、ウレタン結合を生成する反応を利用し、1分子中に2つ以上のイソシアネート基を官能基として有するイソシアネート化合物を架橋剤として使用し、水酸基やカルボキシル基等を含有するアクリル系ポリマーと、イソシアネート化合物とを反応させて架橋する方法である。この場合、色素、防錆剤等の水酸基含有化合物を中心とする添加物は、イソシアネート化合物と常温で反応するため、上記の理由で粘着性組成物に添加することは困難であった。
しかし、新たな機能を粘着剤にもたせるためには、常温でイソシアネート化合物と反応する色素、防錆剤等の水酸基含有添加物を粘着性組成物に添加することが必要となる。また、新規機能を有する添加物がアルコール系溶剤にのみ可溶である場合、粘着性組成物に水酸基含有添加物としてアルコール系溶剤を添加する必要がある。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、架橋剤および水酸基含有添加物を含有する粘着性組成物を常温(23℃)で保存した場合でも、得られる粘着剤においてゲル分率の低下を抑制することのできる光学フィルター用の粘着性組成物、粘着剤および粘着シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、水酸基を含有するアクリル系ポリマー(A)と、23℃では前記アクリル系ポリマー(A)との架橋反応が進行せずに、80℃以上の加熱時に前記アクリル系ポリマー(A)との架橋反応が開始し進行する架橋剤(B)と、水酸基含有添加物(C)とを含有することを特徴とする光学フィルター用粘着性組成物を提供する(発明1)。
上記発明(発明1)によれば、粘着性組成物を23℃で保存した際に、架橋剤(B)と水酸基含有添加物(C)とが反応し難く、80℃以上の加熱にてアクリル系ポリマー(A)と架橋剤(B)との架橋反応(本来の架橋反応)が十分に進行するため、得られる粘着剤にてゲル分率の低下を抑制することができる。また、保存中に架橋剤(B)と水酸基含有添加物(C)とが反応し難いことで、それらの反応生成物は保存中にほとんど発生せず、したがって、当該反応生成物に起因する、得られる粘着剤における全光線透過率およびヘイズ値の変化を抑制することができる。
上記発明(発明1)において、前記架橋剤(B)は、前記アクリル系ポリマー(A)と架橋反応する官能基としてエステル基を有するもの(発明2)、あるいは前記アクリル系ポリマー(A)と架橋反応する官能基としてイソシアネート基を有し、当該イソシアネート基が保護基によってブロックされてなるブロックイソシアネート化合物(発明3)であることが好ましい。
上記発明(発明1〜3)においては、前記水酸基含有添加物(C)がアルコール系溶剤であることが好ましい(発明4)。
第2に本発明は、前記光学フィルター用粘着性組成物(発明1〜4)を架橋してなる光学フィルター用粘着剤を提供する(発明5)。
第3に本発明は、基材と、粘着剤層とを備えた光学フィルター用粘着シートであって、前記粘着剤層が、前記光学フィルター用粘着剤(発明5)からなることを特徴とする光学フィルター用粘着シートを提供する(発明6)。
上記発明(発明1)において、前記基材は、光学部材であることが好ましい(発明7)。
第4に本発明は、2枚の剥離シートと、前記2枚の剥離シートの剥離面と接するように前記剥離シートに挟持された粘着剤層とを備えた光学フィルター用粘着シートであって、前記粘着剤層は、前記光学フィルター用粘着剤(発明5)からなることを特徴とする光学フィルター用粘着シート
上記発明(発明6〜8)に係る光学フィルター用粘着シートは、プラズマディスプレイパネルに用いられることが好ましい(発明9)。
本発明によれば、粘着性組成物を23℃で保存した際に、架橋剤と水酸基含有添加物とが反応し難く、80℃以上の加熱にてアクリル系ポリマーと架橋剤との架橋反応が十分に進行するため、得られる粘着剤にてゲル分率の低下を抑制することができる。また、保存中に反応した架橋剤と水酸基含有添加物との生成物に起因する、得られる粘着剤における全光線透過率およびヘイズ値の変化も抑制することができる。
本発明の第1の実施形態に係る光学フィルター用粘着シートの断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る光学フィルター用粘着シートの断面図である。 光学フィルターの一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
〔光学フィルター用粘着性組成物〕
本実施形態に係る光学フィルター用粘着性組成物(以下「光学フィルター用」を省略する場合がある。)は、
水酸基を含有するアクリル系ポリマー(A)と、
23℃ではアクリル系ポリマー(A)との架橋反応が進行せずに、80℃以上の加熱時にアクリル系ポリマー(A)との架橋反応が開始し進行する架橋剤(B)と、
水酸基含有添加物(C)と
を含有する。
本実施形態におけるアクリル系ポリマー(A)は水酸基を有するが、この水酸基は、架橋剤(B)との反応に必要な官能基である。アクリル系ポリマー(A)の具体例としては、水酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体が好ましく挙げられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの両方を意味する。他の類似用語も同様である。
水酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としては、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルと、分子内に水酸基を有するモノマー(水酸基含有モノマー)と、所望により用いられる他のモノマーとの共重合体が好ましい。
エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水酸基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記他のモノマーとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド等の非架橋性のアクリルアミド、スチレン、酢酸ビニルなどが挙げられる。また、本発明の効果を妨げない限り、水酸基以外の架橋性官能基、例えば、カルボキシル基やアミノ基等を有するモノマーを使用することもできる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、水酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は、上記水酸基含有モノマーを0.1〜30質量%含有することが好ましく、特に0.2〜10質量%含有することが好ましい。水酸基含有モノマーを上記範囲で含有することで、得られる粘着剤の架橋の程度が光学フィルター用として好ましいものとなる。また、水酸基含有モノマーの含有量が0.1質量%未満では、得られる粘着剤の架橋が十分でなく、それにより耐久性に劣るおそれがある。水酸基含有モノマーの含有量が30質量%を超えると、得られる粘着剤の架橋が過度になり、それにより被着体への貼合適性が低下するおそれがある。
水酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の共重合形態については特に制限はなく、ランダム、ブロック、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
アクリル系ポリマー(A)の質量平均分子量は、5万〜200万であることが好ましく、特に20万〜120万であることが好ましい。なお、本明細書における質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。質量平均分子量が上記範囲内にあることで、得られる粘着剤において、被着体との密着性や、高熱・湿熱条件下での接着耐久性が十分となり、浮きや剥がれなどを抑制することができる。
本実施形態において、上記のアクリル系ポリマー(A)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態における架橋剤(B)は、23℃ではアクリル系ポリマー(A)との架橋反応が進行せずに、80℃以上の加熱時にアクリル系ポリマー(A)との架橋反応が開始し進行するものである。
23℃(常温)ではアクリル系ポリマー(A)との架橋反応が進行しないとしたのは、常温で反応が進行する場合、水酸基含有添加物(C)と架橋剤(B)の反応の進行により、本来のアクリル系ポリマー(A)と架橋剤(B)との架橋反応が不十分となり、粘着剤のゲル分率が低下してしまうためである。
また、80℃以上の加熱時にアクリル系ポリマー(A)との架橋反応が開始し進行するとしたのは、粘着性組成物が自然環境下で架橋してしまうことを防止し、アクリル系ポリマー(A)と架橋剤(B)との適切で十分な架橋反応により、本来求める特性を有する粘着剤を得るためである。なお、加熱温度の上限は、130℃程度であることが好ましい。加熱温度が130℃以下であれば、粘着性組成物を例えばPETフィルム等のフィルム基材に塗布し加熱するときに、フィルム基材の伸縮、熱変形を抑制することができる。
上記架橋剤(B)としては、好ましくは、第1に、官能基としてエステル基を有するエステル基含有化合物(B1)、第2に、官能基としてのイソシアネート基が保護基によってブロックされてなるブロックイソシアネート化合物(B2)が挙げられる。
エステル基含有化合物(B1)は、エステル交換反応を利用してアクリル系ポリマー(A)を架橋するものであり、加熱によりエステル基含有化合物(B1)のエステル基とアクリル系ポリマー(A)の水酸基とが反応して架橋が行われる。エステル交換反応は平衡反応であり、反応の副生成物であるアルコールが加熱により揮発することで、エステル交換反応はより架橋が進行する方へシフトする。
このエステル基含有化合物(B1)は、1分子中にエステル基を2つ以上有する化合物である。エステル基としては、メチルエステル基、エチルエステル基等の炭素数1〜20アルキルエステル基;ベンジルエステル基等のアリールエステル基等が挙げられ、中でもメチルエステル基およびエチルエステル基が好ましい。エステル基がメチルエステル基またはエチルエステル基であると、副生成物が比較的沸点の低いメタノールまたはエタノールとなり、それら副生成物は揮発し易いため、高効率で反応が進行する。
エステル基含有化合物(B1)によれば、23℃付近ではエステル交換反応は進行しないため、粘着性組成物が水酸基含有添加物(C)を含有していても、常温では当該水酸基含有添加物(C)との反応は進行しない。そのため、粘着性組成物を23℃で保存した際の架橋剤(B)と水酸基含有添加物(C)との反応に起因するゲル分率の低下を抑制した粘着剤を得ることができる。
エステル基含有化合物(B1)の好ましい具体例としては、日本ポリウレタン工業社製コロネート2555、旭化成社製MF−K60X、旭化成社製K6000等が挙げられる。
ブロックイソシアネート化合物(B2)は、1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有し、それらイソシアネート基が保護基によってブロックされてなる化合物である。保護基としては、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、活性メチレン化合物残基、メルカプタン系化合物残基、酸アミド系化合物残基、アミノ基、イミダゾール系化合物残基、イミノ基、オキシム系化合物残基、ラクタム系化合物残基等が挙げられる。
上記保護基は、ブロック剤より誘導される基であり、架橋剤のイソシアネート基を、当該ブロック剤を用いた公知のブロック方法で処理することにより、ブロックイソシアネート化合物(B2)を得ることができる。
上記ブロック剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、メチルカルビトール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、フルフリルアルコール等のアルコール系化合物;フェノール、クレゾール、キシレノール、p−エチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、ノニルフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール、p−ニトロフェノール、p−クロロフェノール等のフェノール系化合物;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル等の活性メチレン系化合物;ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、チオフェノール等のメルカプタン系化合物;アセトアニリド、アセトアニシジド、アセチルアミド、ベンズアミド等の酸アミド系化合物;ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール等のアミン系化合物;イミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール系化合物;エチレンイミン等のイミン系化合物;ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム系化合物;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、β−プロピオラクタム等のラクタム系化合物等が挙げられる。これらの中でも、アルコール系化合物、フェノール系化合物、活性メチレン系化合物、オキシム系化合物、ラクタム系化合物等が好ましく使用され、特に、比較的小さい熱量で保護基が外れる活性メチレン系化合物が好ましく使用される。
ブロックイソシアネート化合物(B2)によれば、23℃付近ではイソシアネート基が保護基によってブロックされているため、粘着性組成物が水酸基含有添加物(C)を含有していても、常温では当該水酸基含有添加物(C)との反応は進行しない。そのため、粘着性組成物を23℃で保存した際の架橋剤(B)と水酸基含有添加物(C)との反応に起因するゲル分率の低下を抑制した粘着剤を得ることができる。
また、ブロックイソシアネート化合物(B2)においては、80℃以上の加熱により、イソシアネート基から保護基が外れ、当該イソシアネート基とアクリル系ポリマー(A)の水酸基との反応が始まり、これにより架橋が開始・進行する。
ブロックイソシアネート化合物(B2)の好ましい具体例としては、旭化成社製TPA−B80E、旭化成社製MF−B60X、旭化成社製E402−B80T等が挙げられる。
上記架橋剤(B)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、架橋剤(B)の配合量は、アクリル系ポリマー(A)100質量部に対して、通常0.01〜20質量部、好ましくは、0.1〜10質量部である。
水酸基含有添加物(C)としては、光学フィルターに所定の機能を付与する添加剤(C1)の他、アルコール系溶剤(C2)も挙げられる。添加剤(C1)としては、例えば、色素、防錆剤等が挙げられる。
色素は、光学フィルターの色調を調整するために使用されるものである。色素としては、例えば、水酸基を有する金属錯体系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、ピロメテン系化合物、アゾ系化合物、スクアリリウム系化合物、イモニウム系化合物、ジチオール系化合物、トリフェニルメタン系化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、水酸基を有するものであればよい。これらの色素は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
防錆剤は、粘着剤が電磁波遮蔽フィルムの金属メッシュと接触するときに、金属メッシュと添加剤、金属メッシュと粘着剤の相互作用等による透過率の変化を抑制するものである。防錆剤としては、例えば、水酸基を有するアゾール系化合物、トリアゾール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、チアゾール系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、リン系化合物、アミン系化合物、亜硝酸塩系化合物、界面活性剤類、シランカップリング剤類等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、水酸基を有するものであればよい。これらの防錆剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記添加剤(C1)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、粘着性組成物中における添加剤(C1)の配合量は、その種類にもよるが、通常0.0001〜20質量%であり、好ましくは、0.01〜10質量%である。
アルコール系溶剤(C2)は、粘着性組成物に配合される添加剤(上記添加剤(C1)を含むがこれに限定されない。)がアルコール系溶剤にのみ可溶である場合に、当該添加剤を溶解させるのに有効である。すなわち、このアルコール系溶剤(C2)によれば、アルコール系溶剤にのみ可溶である添加剤を粘着性組成物に配合しても、当該添加剤が粘着剤層中に溶け残ること、そしてそれが異物となることが抑制される。
アルコール系溶剤にのみ可溶である添加剤としては、前述した色素および防錆剤の他、例えば、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤、ネオン光吸収剤が挙げられる。
アルコール系溶剤(C2)としては、炭素数1〜5のアルキルアルコールが好ましい。これらは加熱時に揮発し易いため、架橋剤(B)としてエステル基含有化合物(B1)を使用したときに、エステル交換反応を効率良く進行させることができる。アルコール系溶剤(C2)の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
本実施形態に係る粘着性組成物がアルコール系溶剤(C2)を含有する場合、不揮発分濃度は5〜50質量%であることが好ましく、特に10〜40質量%であることが好ましい。不揮発分濃度がこの範囲にあることで、当該粘着性組成物をそのまま塗布溶液として使用し、各種塗布方法により塗布することができる。
本実施形態に係る粘着性組成物は、上記成分の他にも、通常の光学フィルター用粘着性組成物に用いられる成分、例えば、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤、ネオン光吸収剤等を含有していてもよい。また、上記添加剤(C1)以外の色素、防錆剤等を含有していてもよいし、溶剤として上記アルコール系溶剤(C2)以外の溶剤を含有していてもよい。
以上説明した粘着性組成物においては、常温(23℃)で保存している状態では、架橋剤(B)と水酸基含有添加物(C)との反応は進行せず、80℃以上の加熱にてアクリル系ポリマー(A)と架橋剤(B)との架橋反応が十分に進行するため、粘着性組成物を常温で保存した際の架橋剤(B)と水酸基含有添加物(C)との反応に起因するゲル分率の低下が抑制される。また、保存中に反応した架橋剤(B)と水酸基含有添加物(C)との生成物に起因する全光線透過率およびヘイズの変化も抑制される。
〔光学フィルター用粘着剤〕
本実施形態に係る光学フィルター用粘着剤は、上記光学フィルター用粘着性組成物を架橋してなるものである。上記光学フィルター用粘着性組成物を架橋するには、加熱処理を行う。
加熱処理を行う場合、加熱温度は、80〜130℃であることが好ましく、特に90〜120℃であることが好ましい。また、加熱時間は、10秒〜60分であることが好ましく、特に30秒〜30分であることが好ましい。
上記の加熱処理により、アクリル系ポリマー(A)と架橋剤(B)との架橋反応が開始し進行する。これにより、粘着剤層としての形状が良好に維持されることとなる。
粘着性組成物を調製した直後に加熱して得た粘着剤のゲル分率(I)と、粘着性組成物を調製し常温(23℃)で24時間保存後に加熱して得た粘着剤のゲル分率(II)とから算出されるゲル分率低下率(%)(下記の式参照)は、40%未満であることが好ましく、20%未満であることが特に好ましく、4%未満であることがさらに好ましい。この数値を満たすことで、粘着性組成物を常温で保存した際の架橋剤(B)と水酸基含有添加物(C)との反応に起因する、粘着剤におけるゲル分率の低下が抑制されていることが示される。
ゲル分率低下率(%)=(1−粘着剤のゲル分率(II)(%)/ゲル分率(I)(%))×100
得られる粘着剤の全光線透過率は、95%以上であることが好ましく、特に98%以上であることが好ましい。また、粘着性組成物を調製した直後に加熱して得た粘着剤の全光線透過率(I)と、粘着性組成物を調製し常温(23℃)で24時間保存後に加熱して得た粘着剤の全光線透過率(II)とから算出される全光線透過率変化(%)(下記の式参照)は、1%以下であることが好ましく、特に0.1%以下が好ましい。この数値を満たすことで、粘着性組成物を常温で保存した際の架橋剤(B)と水酸基含有添加物(C)との反応生成物に起因する、粘着剤における全光線透過率の変化が抑制されていることが示される。これにより、ディスプレイ部材として使用する際に、粘着性組成物調製から加熱までの経過時間に光学物性としての全光線透過率が左右されない粘着剤となる。
全光線透過率変化(%)=全光線透過率(I)(%)−全光線透過率(II)(%)
得られる粘着剤のヘイズ値は、3%以下であることが好ましく、特に1%以下であることが好ましい。また、粘着性組成物を調製した直後に加熱して得た粘着剤のヘイズ値(I)と、粘着性組成物を調製し常温(23℃)で24時間保存後に加熱して得た粘着剤のヘイズ値(II)とから算出されるヘイズ値変化(%)(下記の式参照)は、1%以下であることが好ましく、特に0.2%以下が好ましい。この数値を満たすことで、粘着性組成物を常温で保存した際の架橋剤(B)と水酸基含有添加物(C)との反応生成物に起因する、粘着剤におけるヘイズ値の変化が抑制されていることが示される。これにより、ディスプレイ部材として使用する際に、粘着性組成物調製から加熱までの経過時間に光学物性としてのヘイズ値が左右されない粘着剤となる。
ヘイズ値変化(%)=ヘイズ値(II)(%)−ヘイズ値(I)(%)
以上説明した粘着剤は、プラズマディスプレイパネル等に使用される光学フィルターに好ましく用いることができ、例えば、金属メッシュフィルム(金属メッシュを有する電磁波遮蔽フィルム)と、他のフィルム(例えばコントラスト向上フィルム)との接着に好適である。この粘着剤においては、ゲル分率の低下が抑制されるとともに、全光線透過率およびヘイズ値の変化も抑制され、したがって、当該粘着剤は光学フィルター用として好適なものとなっている。
〔光学フィルター用粘着シート〕
図1に示すように、第1の実施形態に係る光学フィルター用粘着シート1Aは、下から順に、剥離シート12と、剥離シート12の剥離面に積層された粘着剤層11と、粘着剤層11に積層された基材13とから構成される。
また、図2に示すように、第2の実施形態に係る光学フィルター用粘着シート1Bは、2枚の剥離シート12a,12bと、それら2枚の剥離シート12a,12bの剥離面と接するように当該2枚の剥離シート12a,12bに挟持された粘着剤層11とから構成される。なお、本明細書における剥離シートの剥離面とは、剥離シートにおいて剥離性を有する面をいい、剥離処理を施した面および剥離処理を施さなくても剥離性を示す面のいずれをも含むものである。
いずれの粘着シート1A,1Bにおいても、粘着剤層11は、前述した粘着性組成物を架橋してなる粘着剤からなる。
粘着剤層11の厚さは、粘着シート1A,1Bの使用目的に応じて適宜決定されるが、通常5〜100μm、好ましくは10〜60μmの範囲であり、例えば、金属メッシュに貼付される粘着剤層として使用する場合には、10〜50μm、特に15〜40μmであることが好ましい。
基材13としては、特に制限は無く、通常の光学フィルター用粘着シートの基材として用いられているものは全て使用できる。例えば、所望の光学部材の他、ガラス;アルミ、銅等の金属箔;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリウレタンアクリレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム、液晶ポリマーフィルム等のプラスチックフィルム;これらの2種以上の積層体などを挙げることができる。プラスチックフィルムは、一軸延伸または二軸延伸されたものでもよい。
光学部材としては、例えば、金属メッシュを有する電磁波遮蔽フィルム、コントラスト向上フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、色調補正フィルム等が挙げられる。
基材13の厚さは、その種類によっても異なるが、例えば光学部材の場合には、通常10〜500μmであり、好ましくは50〜300μmである。
剥離シート12,12a,12bとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニルフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、液晶ポリマーフィルム等が用いられる。また、これらの架橋フィルムも用いられる。さらに、これらの積層フィルムであってもよい。
上記剥離シートの剥離面(特に粘着剤層11と接する面)には、剥離処理が施されていることが好ましい。剥離処理に使用される剥離剤としては、例えば、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系の剥離剤が挙げられる。
剥離シート12,12a,12bの厚さについては特に制限はないが、通常20〜150μm程度である。
上記粘着シート1Aを製造するには、剥離シート12の剥離面に、上記粘着性組成物と、所望により溶剤とを含む塗布溶液を塗布し、加熱処理を行って粘着剤層11を形成した後、その粘着剤層11に基材13を積層する。また、先に基材13に粘着剤層11を形成した後、その粘着剤層11に剥離シート12の剥離面を積層してもよい。なお、加熱処理の条件については、前述した通りである。また、塗布溶液の濃度・粘度としては、コーティング可能な範囲であればよく、特に制限されず、状況に応じて適宜選定することができる。
また、上記粘着シート1Bを製造するには、一方の剥離シート12a(または12b)の剥離面に、上記粘着性組成物と、所望により溶剤とを含む塗布溶液を塗布し、加熱処理を行って粘着剤層11を形成した後、その粘着剤層11に他方の剥離シート12b(または12a)の剥離面を重ね合わせる。
上記塗布溶液を塗布する方法としては、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等を利用することができる。
溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール;ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;塩化メチレン、塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤などが用いられる。これらの溶剤は1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、アルコール、またはアルコールとケトン(特にメチルエチルケトン)との混合物を使用することが好ましい。この場合、アルコールは、水酸基含有添加物(C)にも該当する。
ここで、例えば、図3に示すような、金属メッシュ21を有する電磁波遮蔽フィルム2と、コントラスト向上フィルム3とから構成される、プラズマディスプレイパネル用の光学フィルター4を製造する方法について説明する。
粘着シート1Aを使用する場合、粘着シート1Aの基材13としてコントラスト向上フィルム3を使用し、当該粘着シート1Aの剥離シート12を剥離して、露出した粘着剤層11と電磁波遮蔽フィルム2とを貼合するか、粘着シート1Aの基材13として電磁波遮蔽フィルム2を使用し、当該粘着シート1Aの剥離シート12を剥離して、露出した粘着剤層11とコントラスト向上フィルム3とを貼合する。
また、粘着シート1Bを使用する場合、粘着シート1Bの一方の剥離シート12a(または12b)を剥離して、露出した粘着剤層11とコントラスト向上フィルム3とを貼合し、次いで他方の剥離シート12b(または12a)を剥離して、露出した粘着剤層11と電磁波遮蔽フィルム2とを貼合するか、粘着シート1Bの一方の剥離シート12a(または12b)を剥離して、露出した粘着剤層11と電磁波遮蔽フィルム2とを貼合し、次いで他方の剥離シート12b(または12a)を剥離して、露出した粘着剤層11とコントラスト向上フィルム3とを貼合する。
以上の粘着シート1A,1Bの粘着剤層11においては、ゲル分率の低下が抑制されているとともに、全光線透過率およびヘイズ値の変化も抑制されており、プラズマディスプレイパネル用の光学フィルターとして好適なものとなっている。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、粘着シート1Aの剥離シート12は省略されてもよいし、粘着シート1Bにおける剥離シート12a,12bのいずれか一方は省略されてもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
アクリル酸n−ブチル68.5質量部、アクリル酸メチル30質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル1質量部およびアクリルアミド0.5質量部を共重合して、アクリル酸エステル共重合体(質量平均分子量:80万,固形分濃度:29質量%,以下「アクリル系ポリマー(a)」という。)を得た。
上記アクリル系ポリマー(a)100質量部に、エステル交換反応可能なエステル基を有する架橋剤(日本ポリウレタン工業社製,製品名:コロネート2555,固形分濃度:90質量%)0.51質量部、アルコール系溶剤にのみ可溶な色素(色調調整剤,オラゾールピンク)0.006質量部、および水酸基含有添加剤としてエタノール20質量部を混合し、さらにメチルエチルケトン(MEK)を不揮発分濃度が21質量%となるように添加して、粘着性組成物[1]を得た。
上記粘着性組成物[1]を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン樹脂で剥離処理した剥離フィルム(リンテック社製,製品名:SP−PET38T103−1,厚さ:38μm)の剥離処理面に、乾燥後の厚さが25μmとなるようにナイフコーターを用いて塗布し、120℃で30分間加熱して粘着剤層を形成した。
次いで、上記粘着剤層に対し、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン樹脂で剥離処理した剥離フィルム(リンテック社製,製品名:SP−PET381031,厚さ:38μm)の剥離処理面を貼合し、これを光学フィルター用粘着シートとした。
〔実施例2〕
実施例1で得られたアクリル系ポリマー(a)100質量部に、エステル交換反応可能なエステル基を有する架橋剤(旭化成社製,製品名:MF−K60X,固形分濃度:60質量%)0.82質量部、アルコール系溶剤にのみ可溶な色素(同上)0.006質量部、および水酸基含有添加剤としてエタノール20質量部を混合し、さらにメチルエチルケトン(MEK)を不揮発分濃度が21質量%となるように添加して、粘着性組成物[2]を得た。
粘着性組成物[1]の替わりに粘着性組成物[2]を用い、加熱条件を100℃、30分間とした以外は、実施例1と同様の方法により、光学フィルター用粘着シートを作成した。
〔実施例3〕
実施例1で得られたアクリル系ポリマー(a)100質量部に、エステル交換反応可能なエステル基を有する架橋剤(旭化成社製,製品名:K6000,固形分濃度:60質量%)0.82質量部、アルコール系溶剤にのみ可溶な色素(同上)0.006質量部、および水酸基含有添加剤としてエタノール20質量部を混合し、さらにメチルエチルケトン(MEK)を不揮発分濃度が21質量%となるように添加して、粘着性組成物[3]を得た。
粘着性組成物[1]の替わりに粘着性組成物[3]を用い、加熱条件を100℃、30分間とした以外は、実施例1と同様の方法により、光学フィルター用粘着シートを作成した。
〔実施例4〕
実施例1で得られたアクリル系ポリマー(a)100質量部に、ブロックイソシアネート系架橋剤(旭化成社製,製品名:TPA−B80E,固形分濃度:80質量%)0.43質量部、アルコール系溶剤にのみ可溶な色素(同上)0.006質量部、および水酸基含有添加剤としてエタノール20質量部を混合し、さらにメチルエチルケトン(MEK)を不揮発分濃度が21質量%となるように添加して、粘着性組成物[4]を得た。
粘着性組成物[1]の替わりに粘着性組成物[4]を用い、加熱条件を130℃、60分間とした以外は、実施例1と同様の方法により、光学フィルター用粘着シートを作成した。
〔実施例5〕
実施例1で得られたアクリル系ポリマー(a)100質量部に、ブロックイソシアネート系架橋剤(旭化成社製,製品名:MF−B60X,固形分濃度:60質量%)0.66質量部、アルコール系溶剤にのみ可溶な色素(同上)0.006質量部、および水酸基含有添加剤としてエタノール20質量部を混合し、さらにメチルエチルケトン(MEK)を不揮発分濃度が21質量%となるように添加して、粘着性組成物[5]を得た。
粘着性組成物[1]の替わりに粘着性組成物[5]を用い、加熱条件を130℃、60分間とした以外は、実施例1と同様の方法により、光学フィルター用粘着シートを作成した。
〔実施例6〕
実施例1で得られたアクリル系ポリマー(a)100質量部に、ブロックイソシアネート系架橋剤(旭化成社製,製品名:E402−B80T,固形分濃度:80質量%)0.89質量部、アルコール系溶剤にのみ可溶な色素(同上)0.006質量部、および水酸基含有添加剤としてエタノール20質量部を混合し、さらにメチルエチルケトン(MEK)を不揮発分濃度が21質量%となるように添加して、粘着性組成物[6]を得た。
粘着性組成物[1]の替わりに粘着性組成物[6]を用い、加熱条件を130℃、60分間とした以外は、実施例1と同様の方法により、光学フィルター用粘着シートを作成した。
〔比較例1〕
実施例1で得られたアクリル系ポリマー(a)100質量部に、キシリレンジイソシアネート系3官能性アダクト体(綜研化学社製,製品名:TD−75,固形分濃度:75質量%)0.45質量部、アルコール系溶剤にのみ可溶な色素(同上)0.006質量部、および水酸基含有添加剤としてエタノール20質量部を混合し、さらにメチルエチルケトン(MEK)を不揮発分濃度が21質量%となるように添加して、粘着性組成物[7]を得た。
粘着性組成物[1]の替わりに粘着性組成物[7]を用い、加熱条件を100℃、30分間とした以外は、実施例1と同様の方法により、光学フィルター用粘着シートを作成した。
〔試験例1〕(ゲル分率測定)
実施例または比較例で得た粘着剤層の粘着剤0.2gを秤量し、溶剤に不溶な#200メッシュで挟み込み、これをサンプルとした。ソックスレー抽出器を用いて大気圧下で16時間、常にサンプルが蒸留後の酢酸エチルに触れるようにして、85℃で加熱還流した。還流後に得られたサンプルを100℃のオーブン中で3時間放置することにより乾燥させ、サンプルの質量を測定した。粘着剤のゲル分率は下記の式により算出した。結果を表1に示す。
ゲル分率(%)=(還流および乾燥後に残留した粘着剤質量/還流前の粘着剤質量)×100
〔試験例2〕(ゲル分率低下率の算出)
実施例または比較例において、粘着性組成物を調製した直後(1分以内)に加熱して得た粘着剤層の粘着剤のゲル分率(I)と、粘着性組成物を調製し常温(23℃)で24時間保存後に加熱して得た粘着剤層の粘着剤のゲル分率(II)とから、下記の式によりゲル分率低下率(%)を算出した。結果を表1に示す。
ゲル分率低下率(%)=(1−粘着剤のゲル分率(II)(%)/ゲル分率(I)(%))×100
〔試験例3〕(全光線透過率測定)
実施例または比較例で得た粘着剤層をガラスに貼合して、これを測定用サンプルとした。ガラスでバックグラウンド測定を行った上で、上記測定用サンプルについて、JIS K7361−1:1997に準じて、ヘイズメーター(日本電色工業社製,製品名:NDH−2000)を用いて全光線透過率(%)を測定した。結果を表1に示す。
〔試験例4〕(全光線透過率変化の算出)
実施例または比較例において、粘着性組成物を調製した直後(1分以内)に加熱して得た粘着剤層の粘着剤の全光線透過率(I)と、粘着性組成物を調製し常温(23℃)で24時間保存後に加熱して得た粘着剤層の粘着剤の全光線透過率(II)とから、下記の式により全光線透過率変化(%)を算出した。結果を表1に示す。
全光線透過率変化(%)=全光線透過率(I)(%)−全光線透過率(II)(%)
〔試験例5〕(ヘイズ値測定)
実施例または比較例で得た粘着剤層をガラスに貼合して、これを測定用サンプルとした。ガラスでバックグラウンド測定を行った上で、上記測定用サンプルについて、JIS K7136:2000に準じて、ヘイズメーター(日本電色工業社製,製品名:NDH−2000)を用いてヘイズ値(%)を測定した。結果を表1に示す。
〔試験例6〕(ヘイズ値変化の算出)
実施例または比較例において、粘着性組成物を調製した直後(1分以内)に加熱して得た粘着剤層の粘着剤のヘイズ値(I)と、粘着性組成物を調製し常温(23℃)で24時間保存後に加熱して得た粘着剤層の粘着剤のヘイズ値(II)とから、下記の式によりヘイズ値変化(%)を算出した。結果を表1に示す。
ヘイズ値変化(%)=ヘイズ値(II)(%)−ヘイズ値(I)(%)
Figure 0005422460
表1より、比較例1では、粘着性組成物中にてエタノールとイソシアネート基とが反応し、それにより、得られた粘着剤においてゲル分率の低下が見られた。これに対し、実施例で得られた粘着剤では、かかるゲル分率低下が抑制できていたことが分かる。
また、比較例1では、粘着性組成物中にてエタノールとイソシアネート基とが反応し、その生成物に起因して、得られた粘着剤において全光線透過率の変化およびヘイズ値の変化が見られた。これに対し、架橋剤とエタノールとの間での反応が起こり難い実施例では、得られた粘着剤において全光線透過率の変化およびヘイズ値の変化がなく、比較例1に比べて改善された結果となった。
本発明の光学フィルター用の粘着性組成物、粘着剤および粘着シートは、特にプラズマディスプレイパネルの光学フィルター(前面フィルター)用として好適である。
1A,1B…粘着シート
11…粘着層
12,12a,12b…剥離シート
13…基材
2…電磁波遮蔽フィルム
21…金属メッシュ
3…コントラスト向上フィルム
4…光学フィルター

Claims (7)

  1. 水酸基を含有するアクリル系ポリマー(A)と、
    23℃では前記アクリル系ポリマー(A)との架橋反応が進行せずに、80℃以上の加熱時に前記アクリル系ポリマー(A)との架橋反応が開始し進行する架橋剤(B)と、
    水酸基含有添加物(C)と
    を含有する光学フィルター用粘着性組成物であって、
    前記架橋剤(B)は、前記アクリル系ポリマー(A)と架橋反応する官能基としてエステル基を有するものである
    ことを特徴とする光学フィルター用粘着性組成物。
  2. 前記水酸基含有添加物(C)がアルコール系溶剤であることを特徴とする請求項に記載の光学フィルター用粘着性組成物。
  3. 請求項1または2に記載の光学フィルター用粘着性組成物を架橋してなる光学フィルター用粘着剤。
  4. 基材と、粘着剤層とを備えた光学フィルター用粘着シートであって、
    前記粘着剤層は、請求項に記載の光学フィルター用粘着剤からなる
    ことを特徴とする光学フィルター用粘着シート。
  5. 前記基材は、光学部材であることを特徴とする請求項に記載の光学フィルター用粘着シート。
  6. 2枚の剥離シートと、
    前記2枚の剥離シートの剥離面と接するように前記剥離シートに挟持された粘着剤層と
    を備えた光学フィルター用粘着シートであって、
    前記粘着剤層は、請求項に記載の光学フィルター用粘着剤からなる
    ことを特徴とする光学フィルター用粘着シート。
  7. プラズマディスプレイパネルに用いられる請求項4〜6のいずれかに記載の光学フィルター用粘着シート。
JP2010074901A 2010-03-29 2010-03-29 光学フィルター用の粘着性組成物、粘着剤および粘着シート Active JP5422460B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010074901A JP5422460B2 (ja) 2010-03-29 2010-03-29 光学フィルター用の粘着性組成物、粘着剤および粘着シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010074901A JP5422460B2 (ja) 2010-03-29 2010-03-29 光学フィルター用の粘着性組成物、粘着剤および粘着シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011209379A JP2011209379A (ja) 2011-10-20
JP5422460B2 true JP5422460B2 (ja) 2014-02-19

Family

ID=44940544

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010074901A Active JP5422460B2 (ja) 2010-03-29 2010-03-29 光学フィルター用の粘着性組成物、粘着剤および粘着シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5422460B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102622012B (zh) * 2012-03-28 2014-01-08 中国航空工业集团公司北京长城计量测试技术研究所 一种光器件加热保温装置及方法
JP7484104B2 (ja) * 2018-08-09 2024-05-16 三菱ケミカル株式会社 光硬化性粘着シート、画像表示装置用積層体及び画像表示装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008266439A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Soken Chem & Eng Co Ltd 光学フィルタ用ネオンカット性粘着剤組成物、光学フィルタ用ネオンカット性粘着シート、プラズマディスプレイパネル用光学フィルタおよびプラズマディスプレイパネル
JP4942540B2 (ja) * 2007-04-20 2012-05-30 日本化薬株式会社 近赤外線吸収フィルム及びこれを用いたプラズマディスプレイパネル用光学フィルタ
JP4524320B2 (ja) * 2008-08-11 2010-08-18 日東電工株式会社 粘着剤組成物、粘着剤層、および粘着剤シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011209379A (ja) 2011-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI516559B (zh) 光學用壓感黏著片
JP6498991B2 (ja) 粘着シートおよび表示体
KR102071644B1 (ko) 점착성 조성물, 점착제 및 점착 시트
KR20200125766A (ko) 양면 점착제층이 형성된 편광 필름 및 화상 표시 장치
JP5882107B2 (ja) 粘着性組成物、粘着剤および粘着シート
JP6071231B2 (ja) 粘着剤および粘着シート
JP7069066B2 (ja) 繰り返し屈曲ディスプレイ
JP7343316B2 (ja) ベゼル付き画像表示パネル、画像表示装置および粘着剤層付き光学フィルム
JP2016224307A (ja) 両面粘着剤層付偏光フィルムおよび画像表示装置
US20200307155A1 (en) Double-sided pressure-sensitive-adhesive-layer-attached polarizing film, and image display device
JP2012207055A (ja) 光学用箔状粘着剤および光学用粘着シート
KR20130096626A (ko) 점착제 조성물 및 점착 시트
JP4913555B2 (ja) 再剥離性粘着型光学フィルム及びこの光学フィルムを貼付してなるプラズマディスプレイパネル表示装置
JP2019139007A (ja) 粘着剤付き偏光板および画像表示装置
JP2023059986A (ja) 粘着剤層、その製造方法、粘着シート、粘着剤層付光学フィルムおよび画像表示装置
KR101914457B1 (ko) 점착성 조성물, 점착제 및 점착 시트
JP2012102225A (ja) 光学フィルター用の粘着性材料、粘着剤および粘着シート
JP5422460B2 (ja) 光学フィルター用の粘着性組成物、粘着剤および粘着シート
KR20120112021A (ko) 점착제 및 점착시트
TW202111043A (zh) 黏著片、附黏著劑之光學膜、以及影像顯示裝置之製造方法
JP2021102708A (ja) 粘着シート、繰り返し屈曲積層部材および繰り返し屈曲デバイス
KR101886429B1 (ko) 활성 에너지선 경화형 점착제 조성물, 점착제, 점착 시트 및 점착제층 부착 광학부재
JP2019077784A (ja) 粘着シートおよび表示体
JP6130246B2 (ja) 粘着性組成物、粘着剤および粘着シート
JP2017160382A (ja) 粘着剤組成物及び粘着シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121003

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130508

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130529

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131030

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131125

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5422460

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250