JP5422230B2 - 多孔フィルムの製造方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、微細な孔を複数有する多孔フィルムの製造方法及び装置に関するものである。
今日、光学分野や電子分野では、集積度の向上や高密度化、画像の高精細化といった要求がますます大きくなっている。このため、これらの分野に用いられるフィルムに対しては、より微細な構造を形成することが強く求められている。そして、微細な構造のフィルムとしては、フィルム面に微細な孔を複数形成されたハニカム構造のフィルムがある。
ハニカム構造のフィルムを製造する方法としては、所定のポリマと疎水性溶剤とからなるポリマ溶液を支持体上に塗布して塗布膜を形成し、高い湿度の空気を吹き付けて、この塗布膜に結露させて、結露により形成された水滴を蒸発させて、ミクロン(μm)スケールのハニカム構造をもつフィルムとする方法が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許文献1及び2に記載されている製造方法では、この塗布膜は、結露により形成された水滴で孔を型取られる。塗布膜の表面から水滴が蒸発しないように、特許文献1では、塗布膜の表面温度が塗布膜の周りにある気体の露点以下の条件の下で、特許文献2では、塗布膜の周りにある気体の露点より塗布膜の表面温度が一定の範囲で低い条件の下で、塗布膜中の疎水性溶剤を蒸発させて塗布膜を固める。これにより孔の形状、大きさ、孔の配列の態様を保つ。次いで、塗布膜の表面温度が塗布膜の周りの気体の露点より一定に高い条件の下で、水滴を蒸発させて塗布膜上にミクロンスケールのハニカム構造を形成する。
特開2006−070254号公報 特開2007−291367号公報
ところで、特許文献1及び2に記載されている製造方法では、塗布膜の表面温度と気体の露点とを所定の範囲に調整する必要があるが、両温度はともに調整することが難しく、気体の露点の調整は特に難しいという問題があった。
加えて、塗布膜中の疎水性溶剤の蒸発には時間が掛かり過ぎるので、多孔フィルムを製造する時間を所望に短くすることができないという問題もあった。多孔フィルムの製造時間を短くするためには、塗布膜中の疎水性溶剤を速く蒸発させるとよい。このためには、塗布膜の表面温度を上げるとよい。しかし、塗布膜の表面温度を上げると、疎水性溶剤より早く、塗布膜上に形成されている水滴も蒸発してしまうことがあるため、問題となる。疎水性溶剤より早く水滴が蒸発しきってしまうと、孔の形状、大きさ、孔の配列が乱れたフィルムとなってしまうからである。
そこで、本発明は、塗布膜中の疎水性溶剤を速く蒸発させることができ、かつ、所望の孔の形状、大きさ、孔の配列を有するハニカム構造の多孔フィルムを製造することができる多孔フィルムの製造方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明の多孔フィルムの製造方法は、ポリマと疎水性溶剤とを含む塗布液を支持体上に塗布して塗布膜を形成する塗布工程と、前記塗布膜上に結露させる結露工程と、前記塗布膜を乾燥することにより複数の孔が形成された多孔フィルムとする乾燥工程とを有する多孔フィルムの製造方法において、前記乾燥工程は、前記塗布膜の溶剤含有率が50重量%となるまで前記疎水性溶剤を蒸発させる第1蒸発工程と、前記第1蒸発工程の後に前記支持体上の前記塗布膜を液体の水に接触させる水接触工程と、前記水接触工程の後に前記塗布膜から、結露により生じた水滴と水接触工程で接触した水と疎水性溶剤とを蒸発させる第2蒸発工程と、を有することを特徴とする。
本発明の多孔フィルムの製造方法においては、前記疎水性溶剤の沸点をTbとし、前記水接触工程で前記塗布膜に接触させるべき前記水の温度をTwとするときに、Tw−Tb<20℃とすることが好ましい。前記水接触工程と前記第2蒸発工程との間に、前記支持体上の前記塗布膜を、水より沸点が低いアルコールに接触させるアルコール接触工程を有するが好ましい。
本発明の多孔フィルムの製造装置は、ポリマと疎水性溶剤とを含む塗布液を支持体上に塗布して塗布膜を形成する塗布手段と、前記塗布膜上に結露させる結露手段と、前記塗布膜と液体の水とを接触させる水接触手段と、前記水接触手段による水を接触する前の前記塗布膜から前記疎水性溶剤を蒸発させる第1蒸発手段と、結露により生じた水滴と、前記水接触手段により接触した水と、前記疎水性溶剤とを前記塗布膜から蒸発させる第2蒸発手段とを有することを特徴とする。
本発明の多孔フィルムの製造方法によれば、ハニカム構造を有する多孔フィルムを製造する工程において、塗布膜中の疎水性溶剤が蒸発する時間を短くすることできるので、従来に比べて、多孔フィルムを製造する時間を短くすることができる。これにより、孔の形状、サイズ、配列についての所望の態様を有する多孔フィルムを製造することができる。
多孔フィルムの平面図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 図1のIII−III線に沿う断面図である。 多孔フィルムの製造過程の説明図である。 本発明の第1実施形態の多孔フィルム製造設備を示す概略図である。 本発明の第2実施形態の水槽を示す概略図である。 実施例における条件と評価結果とを示す表である。 実施例における条件と評価結果とを示す表である。
図1〜図3に示すように、多孔フィルム29は、フィルム面に複数の孔30が形成されたフィルムである。形状及び大きさがほぼ等しい複数の孔30を、密に、そして規則的な配列を成すように形成してあることにより、多孔フィルム29はハニカム構造となっている。
互いに隣り合う孔30は多孔フィルム29の内部で連なって、フィルム面に沿った方向に連通路を形成している。個々の孔30は、多孔フィルム29の両面に突き抜けるように、すなわち厚み方向に貫通するように形成する場合もあるし、貫通せずに一方のフィルム面に窪みとして形成する場合もある。
本実施形態では、ポリマを疎水性溶剤に溶解した塗布液を、支持体に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜が多孔フィルム29となる。したがって、厚み方向に貫通するように孔30を形成した場合には、支持体上の多孔フィルム29をフィルム面の法線方向から見ると、孔30においては支持体が露出して見える。
長尺の多孔フィルムを製造する場合には、支持体としては、公知の高分子化合物から構成されるフィルムを用いてよい。例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)からなる高分子フィルムが考えられる。また、シート状や、短冊状の多孔フィルムを製造する場合には、高分子化合物からなるフィルムの他に、ガラスを支持体として使用することができる。
塗布液は、ポリマと両親媒性化合物とを含むことが好ましい。両親媒性化合物とは、親水性をもつとともに親油性をもつ化合物であり、具体的には、親水基と疎水基をもつ化合物である。ポリマが両親媒性をもつものであるときには、ポリマと他の両親媒性化合物とを併用しなくてもよい。また、両親媒性をもつとはいえないようなポリマを用いる場合には、ポリマと両親媒性化合物とを併用することが好ましい。
塗布膜の主たる成分としてのポリマは、用途等に応じて決定することができるが、その数平均分子量(Mn)が10,000〜10,000,000であるものが好ましく、50,000〜1,000,000であるものがより好ましい。
両親媒性化合物と併用される場合のポリマは、非水溶性溶剤つまり疎水性溶剤に溶解するものが好ましく、例えば、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、アガロース、ポリ−2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポリスルホンなどが好ましい。生分解性を必要とする場合や、あるいは、コストや入手の容易さなどを考慮すると、ポリ−ε−カプロラクトンが特に好ましい。
ここで、疎水性とは、水に対する親和性が低いことを意味する。具体的には、疎水性溶剤に対する水の溶解度が5重量%以下であることをいう。
両親媒性化合物と併用される場合のポリマの他の例としては、ビニル重合ポリマ(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロペン、ポリビニルエーテル、ポリビニルカルバゾール、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸等)、ポリラクトン(例えばポリカプロラクトンなど)、ポリアミド又はポリイミド(例えば、ナイロンやポリアミド酸など)、ポリウレタン、ポリウレア、ポリカーボネート、ポリアロマティックス、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリシロキサン誘導体、などが挙げられる。これらは、溶解性、光学的物性、電気的物性、強度、弾性等の観点から、ホモポリマであってもよいし、コポリマやポリマブレンド、ポリマアロイとしてもよい。
また、両親媒性をもつポリマの例としてはポリアクリルアミドがある。その他の両親媒性化合物としては、ポリアクリルアミドを主鎖骨格とし、親油性側鎖としてドデシル基、親水性側鎖としてカルボキシル基を併せ持つもの、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロックコポリマ、などが挙げられる。親油性側鎖は、アルキレン基、フェニレン基等の非極性直鎖状基であり、エステル基、アミド基等の連結基を除いて、末端まで極性基やイオン性解離基などの親水性基を分岐しない構造であることが好ましい。親油性側鎖は、例えば、アルキレン基を用いる場合には5つ以上のメチレンユニットからなることが好ましい。親水性側鎖は、アルキレン基等の連結部分を介して末端に極性基やイオン性解離基、又はオキシエチレン基などの親水性部分を有する構造であることが好ましい。
ポリマと混合して用いられる両親媒性化合物としては、市販される多くの界面活性剤のような単量体の他に、二量体や三量体等のオリゴマー、ポリマを用いることができる。両親媒性化合物をポリマと混合することにより、塗布膜の露出面に水滴を形成しやすくなる。また、ポリマに対する分散状態を制御することにより、水滴が形成される位置をより容易に制御することができる。ポリマと両親媒性化合物とを混合して用いる場合には、ポリマの重量に対する両親媒性化合物の重量の割合は0.1%以上20%以下の範囲とすると、形成される水滴の大きさが均一となりやすいので、孔が均一である多孔フィルムを得やすくなる。高分子化合物の重量に対する両親媒性化合物の重量の割合が0.1%未満であると、両親媒性化合物の添加効果がほとんどなく、形成される水滴が不安定で大きさが不均一となる場合がある。一方、高分子化合物の重量に対して低分子である両親媒性化合物の重量の割合を20%よりも大きくすると、多孔フィルムの強度が下がることがある。
ポリマと混合される両親媒性化合物については、(親水基の数):(疎水基の数)が0.1:9.9〜4.5:5.5であることが好ましい。これにより、より細かな水滴をより密に、塗布膜の上に形成することができる。(親水基の数):(疎水基の数)が上記範囲に含まれない場合には、孔の大きさが大きくばらつき、具体的には、{(孔の径の標準偏差)/(孔の平均値)}×100で示される孔径変動係数(単位;%)が10%以上になる場合がある。また、(親水基の数):(疎水基の数)が上記範囲に含まれない場合には、孔の配列の規則性が乱れる場合もある。
互いに異なる2種以上の両親媒性化合物を用いると水滴の形成位置、水滴の大きさを制御することができるので好ましい。また、ポリマについても、互いに異なる2種以上の化合物を用いることにより同様の効果を得ることができる。
塗布液の溶媒となる溶剤は、疎水性かつポリマを溶解させるものであれば、特に限定されない。例としては、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、シクロヘキサン、酢酸メチルなどが挙げられる。溶剤として互いに異なる2種以上の化合物を用い、その割合を適宜代えて用いてもよい。
塗布液については、溶剤100重量部に対しポリマが0.02重量部以上20重量部以下とすることが好ましい。
多孔フィルムの製造工程は、塗布液を支持体22の上に塗布して塗布膜25を形成する塗布工程と、塗布膜25上に結露させる結露工程と、塗布膜25を乾燥することにより複数の孔30が形成された多孔フィルム29とする乾燥工程を有する。塗布工程の後の結露工程では、図4の(a)及び(b)に示すように、雰囲気中の水分19を支持体22上の塗布膜25の表面で結露させて水滴20とする。そして、乾燥工程では、図4の(c)に示すように、塗布膜25中の溶剤27を蒸発させる。溶剤27の蒸発に伴い、図4(d)に示すように、水滴20が塗布膜25の内部に入り込む。そして、この乾燥工程は、塗布膜25中の溶剤含有率が所定レベルになるまで溶剤を蒸発させる第1蒸発工程と、第1蒸発工程を経た塗布膜25を水に接触させる水接触工程と、水接触工程後に塗布膜25から水及び溶剤を蒸発させる第2蒸発工程とからなる。第1蒸発工程は、ハニカム構造を形成するに十分な程度に水滴20が塗布膜25の内部に入り込ませるために実施する工程である。第2蒸発工程で蒸発する水は、水滴20と水接触工程により塗布膜25に付着した水との両方である。水と溶剤27とが蒸発すると、水滴20が占めていたエリアが孔30となり、ハニカム構造のフィルムが得られる。
第1実施形態である図5の多孔フィルム製造設備12には、塗布室13が備えられている。塗布室13は、塗布工程と結露工程とを実施する第1エリア14、第1蒸発工程を実施する第2エリア15、水接触工程を実施する第3エリア16、第2蒸発工程を実施する第4エリア21に区画されている。つまり、乾燥工程は、第2エリア15から第4エリア21にかけて実施する。本実施形態では、各エリアが区画された一体型の塗布室13を用いているが、各エリアをそれぞれ独立したチャンバで形成し、複数のチャンバで多孔フィルム製造設備を構成してもよい。なお、図5中の矢線Aは、支持体22が搬送される向きを示す。
第1から第4エリア14〜16,21には、支持体22を周面で支持する複数のローラ23が設けられている。これらのローラ23の中には、回転して支持体22を搬送する駆動ローラが含まれている。第1エリア14は、支持体22に塗布液24を流出する流出ダイ26と、搬送路の上方に送風吸気ユニット31とを備える。第2エリア15には、2つの送風吸気ユニット32,33が設けられている。第3エリア16には、水34を塗布膜25に流出する水流出ダイ35及びアルコール37を塗布膜25に流出するアルコール流出ダイ36が設けられている。塗布膜25が水34に接触を開始する位置を接触開始位置P1と称する。第4エリア21には、送風吸気ユニット41〜43が設けられている。各送風吸気ユニットは、支持体22の走行方向に複数並べて設けられてもよく、本実施形態に限られない。さらには、塗布室13で気体となった溶剤は、それぞれ回収装置(図示せず)で回収された後に、塗布室13の外に備えられる再生装置(図示せず)で再生されて再利用に供される。なお、各送風吸気ユニット31〜33,41〜43の基本構造は互いに同じである。
第1エリア14では、流出ダイ26から塗布液24が流出されると、搬送される長尺の支持体22の上に塗布液24からなる塗布膜25が形成される。乾燥される前の塗布膜25の厚みが0.01mm以上1mm以下の範囲で一定となるように、塗布液24を塗布することが好ましい。塗布膜25の厚みが0.01mm以上1mm以下の範囲であっても、厚みが変動していると、均一な水滴を形成することができない場合がある。そして、0.01mm未満であると、塗布膜25が不均一になる場合がある。また、一方では、1mmよりも厚いと、乾燥が遅すぎて生産性が損なわれる場合がある。
送風吸気ユニット31は、加湿空気を塗布膜25の近傍で流し出す送風口31aと、塗布膜25の周辺気体を吸引する吸気口31bとを有するとともに、送風系における風の温度、露点、湿度、風速、吸気系における吸引力を独立して制御する送風コントローラ(図示せず)を備える。送風口31aには、塵埃度、つまり加湿空気の清浄度を保つためのフィルタが備えられる。送風吸気ユニット31は、支持体22の走行方向に複数並べて設けてもよい。
ここで、送風口31aからの風の露点をTDとするとき、塗布膜25の表面温度をTSとするとき、TD−TSで求められる値をΔTとする。ΔTが下記の式(1)を満たすように、表面温度TSと露点TDとの少なくともいずれか一方を制御することが好ましい。なお、塗布膜25の表面温度TSは、例えば、市販される赤外式温度計等の非接触式温度測定手段を塗布膜25の走行路の近傍に設けて測定することができる。ΔTが3℃未満であると、結露による水滴が発生しにくく、一方ΔTが30℃よりも大きいと水滴が急激に発生してしまい、水滴の大きさが不均一になることがあり、また、水滴が2次元、つまり平面に並ばずに3次元に重なってできてしまうこともある。
3℃≦ΔT≦30℃・・・(1)
第1エリア14においては、塗布膜25の表面温度TSは、ローラ23に接触する支持体22と、この支持体22に対向して配された温度制御板(図示なし)とにより制御されるが、いずれか一方により制御されてもよい。また、露点TDについては、送風吸気ユニット31から出される加湿空気の条件を制御することにより制御される。
第2エリア15には、2つの送風吸気ユニット32,33が塗布膜25の搬送路に沿って上流側から順に配される。送風吸気ユニット32は、第1エリア14の送風吸気ユニット31のすぐ下流側とされる。
第2エリア15では、ΔTが下記の式(2)を満たすように、表面温度TSと露点TDとの少なくともいずれか一方を制御することが好ましい。表面温度TSの制御は、主に、塗布膜25の近傍に備えられる温度制御板(図示なし)によりなされる。この温度制御板は、第1エリア14の温度制御板と基本的には同一の構造であり、支持体22の搬送方向に沿って温度を変化させることができる。また、露点TDの制御は送風口からの加湿空気の条件制御によりなされる。
0℃<ΔT≦10℃・・・(2)
ところで、第3エリア16で塗布膜25に液体の水34を接触させるタイミングは、ハニカム構造を形成するに十分な程度に水滴が塗布膜25へ侵入した後であることが好ましい。すなわち、水34との接触のタイミングは、水滴の塗布膜25への侵入度とを基準として決することが好ましい。しかしながら、水滴の塗布膜25への侵入度、すなわち、水滴が塗布膜25の中に入り込んだ深さを敏速に測定することが難しい場合がある。このような場合には、第3エリア16で塗布膜25を水34に接触させるタイミングは、塗布膜25の溶剤含有率に基づき決めるとよい。これは、第1エリア14及び第2エリア15における上記のような工程を経る場合には、塗布膜25の溶剤含有率と水滴の塗布膜25への侵入度との間には一定の関係があるからである。
そして、支持体22が搬送されて接触開始位置P1に至った時点で塗布膜25の溶剤含有率が50重量%に達しているように、第2エリア15で溶剤を蒸発させる。溶剤含有率が50重量%に達したときには、水滴の塗布膜25への侵入度がハニカム構造を形成するに十分な程度になっているからである。P1における塗布膜25の溶剤含有率が50重量%に達しているとは、即ち、P1における塗布膜25の溶剤含有率が50重量%以下であることを意味する。P1における塗布膜の溶剤含有率は50重量%以下であればこれよりも小さくてもよいが、製造効率の向上という目的からは、50重量%に達したらできるだけ早いタイミングで水接触工程を実施することが好ましい。また、P1における溶剤含有率が50重量%よりも多い場合、すなわち、溶剤含有率が50重量%よりも多いタイミングで水接触工程を実施する場合であっても、多孔フィルム29を製造できる場合はあるが、ポリマや溶剤の種類等によっては水滴20の侵入度が不十分で孔が浅い窪みにとどまることもある。したがって、P1での溶剤含有率を50重量%以下にすることが効果を確実に得る意味で好ましい。例えば、第2エリア15の下流端における溶媒含有率が50重量%に達するように第2エリア15で乾燥しておくとよい。なお、溶剤含有率は、塗布膜25のうちの溶剤の重量をXとし、ポリマの重量をYとしたときに、100×X/(X+Y)で求められる値である。
溶剤含有率が50重量%に達しているか否かは、塗布膜25の厚みにより判断することができる。例えば、非接触型厚み測定機(図示無し)を支持体22の搬送路の近傍に設け、多孔フィルム29の目的とする厚みと、この厚み測定機で測定する塗布膜25の厚みとの相関から、溶剤含有率が50重量%に達しているか否かを判断することができる。
水滴の塗布膜25への侵入度がハニカム構造を形成するに十分な程度になっているか否かについては、目視で判断することもできる。これは、結露で生じた水滴における光の屈折を利用する方法である。第2エリア15に入った塗布膜25を経時的に観察すると、塗布膜25が虹色に見えて、やがてこの虹色が見えなくなる。そして、虹色が見えなくなる時点と、水滴に十分に侵入した時点とほぼ一致する。そこで、第2エリアにおける溶剤の蒸発を、溶剤含有率が50重量%に達するまで実施するという態様を、虹色が消えるまで実施するという態様に代えることができる。このように光の屈折を利用する方法は、塗布膜25へ光を照射することにより簡易に実施することができる。
第3エリア16では、水流出ダイ35により、第2エリア15から送られる塗布膜25の上に液体の水34が流出されて、塗布膜25に水34が接触する。従来の方法では、ポリマ及び疎水性溶剤によっては、第2エリア15で行われる第1蒸発工程において、塗布膜25から疎水性溶剤が十分に蒸発しないことがある。これにより、所望のハニカム構造を有する多孔フィルムが得られないことがわかった。しかし、本実施形態のように、塗布膜25に水34を接触させることにより、塗布膜25の孔を満たすように存在する水滴の蒸発が水34により抑制される。また、疎水性溶剤が水34や塗布膜25の中の水滴に移動するので、第4エリアでの工程と併せて、疎水性溶剤を塗布膜25から効率的に取り除くことができる。
水34は、接触した塗布膜25中で疎水性溶剤が突沸しないように、温度設定することが好ましい。突沸を防ぐという観点では、水34の温度は疎水性溶剤の沸点より20℃以上高くしない方がさらに好ましい。すなわち、疎水性溶剤の沸点をTbとし、塗布膜25に接触させる水34の温度をTwとするとき、水34の温度Twから疎水性溶剤の沸点Tbを減じたTw−Tbの値が20℃未満、すなわちTw−Tb<20℃であることが好ましい。なお、TwがTbを超えないよう(Tw≦TB)にすると、突沸はほぼ確実に防ぐことができる。一方、塗布膜25の乾燥効率の向上という観点からは、水の温度Twは溶剤の沸点Tbより60℃以上低くしない方が好ましい。すなわち、Tw−Tbの値は−60℃より大きく、−60℃<Tw−Tbであることがより好ましい。このように、−60℃<Tw−Tb<20℃を満たすように疎水性溶剤の選択と水34の温度の設定とを行うことが好ましい。ただし、−60℃という下限値は、溶剤の種類や目標とする製造効率のレベル等に応じて変わり得る。水34の温度Twから疎水性溶剤の沸点Tbを引いた差が20℃以上となる場合には、塗布膜25の中の疎水性溶剤が接触する水34により急激に温められ、突沸する可能性がある。水34の温度Twから疎水性溶剤の沸点Tbを引いた差が−60℃以下となる場合には、塗布膜25から水34と疎水性溶剤とを乾燥させる効率が低下する。
水流出ダイ35を、支持体22の搬送路に沿って複数設けることにより、水との接触を複数回実施してもよい。これにより、疎水性溶剤をより効率的に塗布膜25から出させることができるようになる。この場合には、上流の水流出ダイからの水よりも下流の水流出ダイからの水の方が高温であることがより好ましい。水の温度が高いほど、疎水性溶剤の水への移動速度が高いからである。
本実施形態では、塗布膜25に接触させる液体を水34としているが、水34に代えて、アルコールやポリマを溶解しない親水性溶剤でもよい。
第3エリア16では、塗布膜25に水34を接触させた後に、アルコール流出ダイ36により塗布膜25にアルコール37を接触させるアルコール接触工程を実施することが好ましい。アルコール37は、水よりも沸点が低いものが好ましい。水よりも沸点が低いアルコールは、水との親和性が強く、水の蒸発を早める。また、アルコールは、疎水性溶剤とも親和性があるので、水の蒸発に伴い疎水性溶剤を蒸発させる効果もある。従って、アルコールとの接触により、第4エリア21における塗布膜25の乾燥の効率を更に上げることができる。また、アルコールの温度をTa、水の温度をTwとすると、Ta>Twとする方が好ましい。アルコール37がより蒸発しやすくなり、この蒸発に伴い水も蒸発しやすくなるからである。
アルコール接触工程は、水接触工程と第2蒸発工程との間に代えて、あるいは、加えて第2蒸発工程の間に実施してもよい。アルコール37としては、エタノールやイソプロピルアルコール等が望ましい。これらのアルコールを用いることにより、効率的に早く塗布膜25を乾燥させる。
アルコール流出ダイ36に代えて、アルコールが収容された液槽を配し、液槽の中のアルコールに塗布膜25を案内することによって、塗布膜25をアルコールに接触させてもよい。この場合には、液槽の中に、支持体22に接触してこれを支持するローラ23を配する。アルコールの中に塗布膜25が確実に浸漬するように、ローラ23の下端をアルコールの液面以下とすることが好ましい。
第4エリア21では、送風吸気ユニット41〜43から塗布膜25に乾燥空気を送ることにより、塗布膜25の内部にある水滴と、水接触工程により付けられた塗布膜25の表面にある水と、疎水性溶剤とを塗布膜25から乾燥させる。なお、第3エリア16でアルコール接触工程を実施する場合には、この第4エリア21でアルコール37も蒸発させる。
多孔フィルム製造設備は、さらに、ロール状に巻かれた長尺の支持体を第1エリア14に送り出す送出手段(図示せず)と、多孔フィルムを巻き取る巻取手段(図示せず)とを備える。
以上の製造方法により、疎水性溶剤の蒸発に要する時間を、従来の方法におけるよりも短くすることができる。
また、塗布液24を塗布する方法としては、静置した支持体上に塗布液を載せて塗り広げる方法と、走行する支持体上に塗布液を流出ダイから流出する方法とがあり、本発明ではいずれの方法も用いることができる。前者は少ない生産量で多品種つくる場合、すなわち少量多品種生産の場合に一般には適し、後者は大量生産に一般には適する。なお、後者の方法では、連続的に塗布液を流出すると長尺の多孔フィルムをつくることができるし、断続的に塗布液を流出、つまり所定の時間で塗布ダイからの流出のオン・オフを繰り返すと、所定長さの多孔フィルムを複数枚連続して製造することができる。
次に、図6を参照して、第2実施形態について説明する。図6においては、図5と同じ部材には同じ符号を付する。第2実施形態では、第1実施形態の水流出ダイ35(図5参照)に代えて水槽47を用いる。すなわち、水接触工程として、塗布膜25に対して水34を塗布することに代えて、塗布膜25を水34の中に浸漬させることを実施する。図6では、第3エリア16(図5参照)の水接触における搬送路についてのみ概略を示す。第3エリア16よりも上流と、第3エリア16のアルコール流出ダイ36から下流とについては、第1実施形態と同じであるので、説明及び図示を略す。
第3エリア16に設けた水槽47の中には、支持体22と接してこれを支持するローラ23が備えられ、塗布膜25が支持体22とともに水34に浸漬されるようにローラ23の下端は、水面以下の高さとされる。そして、第2エリア15(図5参照)を経た塗布膜25は、支持体22の搬送に伴い、水槽47の水の中に案内されて、これにより水34と接触する。水槽47を用いるので、第1実施形態の水流出ダイ35を用いるよりも水と塗布膜25との接触時間が長くなるとともに、接触する水34の量が多くなる。このため、疎水性溶剤が水34へ拡散したとしても、水34における疎水性溶剤の濃度が上昇しにくく、塗布膜25の付近と水34中における疎水性溶剤の濃度差が一定に保たれやすくなる。これにより、濃度差による水34への疎水性溶剤の物質移動が進行しやすくなり、乾燥の効率が向上する。
水槽47を、支持体22の搬送方向に直列に複数に配し、水接触工程を複数回実施してもよい。これにより、疎水性溶剤の除去がより確実になる。この場合にも、下流側の水槽の水が上流側の水槽の水よりも高温であることが好ましい。これにより、突沸は抑制しつつ、より効率的な乾燥が可能となる。
また、水槽47から出ると、第1実施形態と同様に、塗布膜25には、アルコール37(図5参照)を接触させることが好ましい。
本発明のフィルムの製造方法によれば、ハニカム構造を有する多孔フィルムを製造する工程において、塗布膜を水に接触させることにより、従来よりも疎水性溶剤が蒸発する時間を短くすることできるので、多孔フィルムを製造する時間が短く、かつ孔の形状、サイズ、配列が均一な多孔フィルムを製造することができる。
[実験1]〜[実験11]
多孔フィルム製造設備12により、実験1〜実験11の互いに異なる条件で、複数の多孔フィルム29を製造した。各条件については、図7の表に記載する。支持体22にはPETからなるフィルムを用いた。塗布液24の溶剤成分はジクロロメタン(沸点Tb=40℃)、塗布液24の溶剤含有率は98.9重量%である。塗布液24の配合は以下の通りである。
ポリブタジエン 1重量部
ジクロロメタン 98.9重量部
両親媒性ポリアクリルアミド 0.1重量部
溶剤含有率が所定値になるまで塗布膜25を第2エリア15で乾燥した。続いて、第3エリア16では、水流出ダイ35により、塗布膜25に水34を接触させる水接触工程を実施した。各実験について、接触開始位置P1における溶剤含有率(単位:重量%)は、図7の「P1での溶剤含有率」欄に、水34の温度Tw(単位:℃)は、図7の「水の温度Tw」欄に記載する。
一部の実験では、第3エリア16で、水接触工程の後にアルコール接触工程を実施した。アルコール接触工程の実施の有無については、図7の「アルコール接触工程の有無」欄に記載する。アルコール37は、アルコール流出ダイ36を用いて塗布膜25に連続的に塗布するように接触させた。用いたアルコール37は、エタノール(沸点は78℃)であり、アルコール37の温度は30℃とした。
次に、塗布膜25を第4エリア21で乾燥し、多孔フィルム29を得た。各実験で得られた多孔フィルム29のそれぞれについて品質を評価し、また各実験について多孔フィルム29の製造効率を評価した。また、これらの評価結果に基づき、総合評価を行った。多孔フィルム29の品質評価は、ムラの有無及び程度の評価と、孔の形と大きさとの均一性及び配列の規則性についての評価とである。製造効率は、塗布液24を塗布した時点から、巻き取れるレベルにまで乾燥された時点までの時間、すなわち、製造時間の長短の評価である。各評価の具体的方法及び基準は以下の通りである。
品質の評価のうち、ムラの有無及び程度の評価は目視で実施した。また、孔の形と大きさとの均一性及び配列の規則性についての評価は、レーザー顕微鏡により測定した孔径に基づき行った。品質の評価基準は以下の通りである。なお、孔径変動係数(単位:%)は、100×(孔の径の標準偏差)/(孔の平均値)で求めた。
A:ムラがなく均一であり、孔径変動係数が5%以内
B:ムラがなく均一であり、孔径変動係数が5%より大きく10%以内
C:ムラがほとんどなくほぼ均一であり、孔径変動係数が10%より大きく15%以内
D:ムラがみられ、孔径変動係数が15%よりも大きい
製造効率の評価基準は以下の通りである。
A:20分未満
B:20分以上40分未満
C:40分以上60分未満
D:60分以上
総合評価は以下の基準による。この結果は、図7の「総合」欄に記載する。
A:品質と製造効率との評価レベルがともにA
B:品質と製造効率との評価レベルがともにB以上(ただし、ともにAであるものは除く)
C:品質と製造効率との評価レベルがともにC以上(ただし、ともにB以上であるものは除く)
D:品質と製造効率とのいずれか一方の評価レベルがD
[比較実験1]
水接触工程とアルコール接触工程とを実施せずに多孔フィルムを製造した。具体的には、第3エリア16の水流出ダイ35とアルコール流出ダイとを、第4エリア21の送風吸気ユニット41〜43と同様の送風吸気ユニットに代えて、第2エリア15から案内されてきた塗布膜25を乾燥した。その他の条件は、実験1と同じである。そして、得られた多孔フィルムにつき、実験1〜実験11と同様に評価した。
[比較実験2]
アルコール接触工程は実施せず、水接触工程における水の温度Twを図7に示す温度にし、P1での溶剤含有率が表7の値となるようにした。その他の条件は、実験7と同じである。そして、得られた多孔フィルムにつき、実験1〜実験11と同様に評価した。
実施例1の塗布液24を、以下の配合の塗布液24に代えた。この塗布液24の溶剤成分はクロロホルム(沸点Tb=61℃)、塗布液24の溶剤含有率は98.9重量%である。
ポリブタジエン 1重量部
クロロホルム 98.9重量部
両親媒性ポリアクリルアミド 0.1重量部
実験1〜実験3の互いに異なる条件で、上記塗布液24から複数の多孔フィルム29を製造した。そして、実施例1と同様に、得られた多孔フィルム29を評価した。各条件及び評価結果については、図8の表に記載する。
[比較実験1]
水接触工程とアルコール接触工程とを実施せずに多孔フィルムを製造した。具体的には、第3エリア16の水流出ダイ35とアルコール流出ダイとを、第4エリア21の送風吸気ユニット41〜43と同様の送風吸気ユニットに代えて、第2エリア15から案内されてきた塗布膜25を乾燥した。その他の条件は、実験1と同じである。そして、得られた多孔フィルムにつき、実験1〜実験3と同様に評価した。
[比較実験2]
アルコール接触工程は実施せず、水接触工程における水の温度Twを図8に示す温度にし、P1での溶剤含有率が表8の値となるようにした。その他の条件は、実験1と同じである。そして、得られた多孔フィルムにつき、実験1〜実験3と同様に評価した。
12 多孔フィルム製造設備
22 支持体
24 塗布液
25 塗布膜
26 流出ダイ
34 水
35 水流出ダイ
36 アルコール流出ダイ
37 アルコール
47 水槽

Claims (4)

  1. ポリマと疎水性溶剤とを含む塗布液を支持体上に塗布して塗布膜を形成する塗布工程と、前記塗布膜上に結露させる結露工程と、前記塗布膜を乾燥することにより複数の孔が形成された多孔フィルムとする乾燥工程とを有する多孔フィルムの製造方法において、
    前記乾燥工程は、
    前記塗布膜の溶剤含有率が50重量%となるまで前記疎水性溶剤を蒸発させる第1蒸発工程と、
    前記第1蒸発工程の後に前記支持体上の前記塗布膜と液体の水とを接触させる水接触工程と、
    前記水接触工程の後に前記塗布膜から、前記結露により生じた水滴と前記水接触工程で接触した水と前記疎水性溶剤とを蒸発させる第2蒸発工程と、
    を有することを特徴とする多孔フィルムの製造方法。
  2. 前記疎水性溶剤の沸点をTbとし、前記水接触工程で前記塗布膜に接触させるべき前記水の温度をTwとするときに、Tw−Tb<20℃とすることを特徴とする請求項1記載の多孔フィルムの製造方法。
  3. 前記水接触工程と前記第2蒸発工程との間に、
    前記支持体上の前記塗布膜を、水より沸点が低いアルコールに接触させるアルコール接触工程を有することを特徴とする請求項1または2記載の多孔フィルムの製造方法。
  4. ポリマと疎水性溶剤とを含む塗布液を支持体上に塗布して塗布膜を形成する塗布手段と、
    前記塗布膜上に結露させる結露手段と、
    前記塗布膜と液体の水とを接触させる水接触手段と、
    前記水接触手段による水を接触する前の前記塗布膜から前記疎水性溶剤を蒸発させる第1蒸発手段と、
    結露により生じた水滴と、前記水接触手段により接触した水と、前記疎水性溶剤とを前記塗布膜から蒸発させる第2蒸発手段と、
    を有することを特徴とする多孔フィルムの製造装置。
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