JP5420975B2 - 箸および、箸の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、箸先部に漆層を備える箸および、箸の製造方法に関するものである。
近年、飲食店等において、ゴミの排出量を削減するために、使い捨ての割り箸の代わりに、繰り返し使用できる合成樹脂製の箸を提供する取り組みがなされており、このようなところからも、合成樹脂製の箸を使用して食事をする機会が増えつつある。
その一方で、箸は、食べ物や使用者の口に直接触れるものであることから、このような合成樹脂製の箸においても、使用者に安心感を与えるものであることが望まれている。
ここで、従来、合成樹脂製の箸として、特に麺類を摘んだ際のすべりを防止するために、箸先部に漆層を備えた箸があった(例えば、特許文献1参照)。この合成樹脂製の箸は、食べ物や使用者の口に直接触れることになる箸先部に、天然の素材を用いる漆層を備えていることから、麺類のすべりを防止するのみならず、箸の使用者に安心感を与えることができた。
また、箸先部に漆層を備えた箸として、木、竹等からなる箸本体の箸先部を一段と細くし、その細くした箸先部に漆層(乾漆粉の層)を形成した箸があった(例えば、特許文献2参照)。こうすることで、箸先部が不自然に太くなることを防ぐことができた。
実開平4−6973号公報 特許第3091613号公報
しかしながら、上記引用文献1に示されるような合成樹脂製の箸は、木製あるいは竹製の箸よりは、漆が定着しにくい傾向にあり、したがって、箸先部に備わる漆層の定着性が十分ではないという問題があった。この発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、箸本体が合成樹脂材料または合成樹脂を含む材料からなる箸でありながら、箸先部に備わる漆層が定着性に優れている箸、および箸の製造方法を提供することにある。
この発明に係る箸および、箸の製造方法は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る箸は、箸本体が合成樹脂材料または合成樹脂を含む材料からなり、箸先部の表面に、天然素材の粉状物を含む漆層を備える。ここで、前記箸本体は、前記箸先部を構成する本体箸先部が、細るように段差付けされるとともに、その本体箸先部の表面が粗面となるように形成され、かつ、その本体箸先部に、長手方向に間隔を置くようにして、横に延びる複数の溝入れが施され、さらに、その溝入れを埋めて前記本体箸先部の表面を覆うように、前記漆層が設けられている。
この箸にあっては、細るように段差付けされた本体箸先部の表面が粗面となるように形成されることにより、その表面を覆うように設けられる漆層が剥がれにくくなり、箸先部に備わる前記漆層の定着性が向上する。しかも、本体箸先部には、溝入れが施されているため、本体箸先部に対して漆層がより一層定着し易くなる。また、漆層に粉状物が含まれることで、漆層の表面に凹凸ができると、この箸で食べ物を摘んだときの滑りを防止することができる。しかも、この粉状物は、天然素材からなるため、箸の使用者に安心感を与えることができる。
また、請求項2に記載の発明に係る箸のように、請求項1に記載の箸において、前記天然素材の粉状物は、木粉または竹粉であってもよい。この箸にあっては、とくに、木製または竹製の箸を製造する際に生じる木粉または竹粉を用いることで、廃棄物の再資源化を図ることができるとともに、箸の製造コストを抑えることができる。
また、請求項3に記載の発明に係る箸のように、請求項1に記載の箸において、前記天然素材の粉状物は、米粉であってもよい。この箸にあっては、とくに、安価に入手可能な古い米からなる米粉を用いることで、箸の製造コストを抑えることができる。
また、請求項4に記載の発明に係る箸のように、請求項1に記載の箸において、前記天然素材の粉状物は、乾漆粉であってもよい。
また、請求項5に記載の発明に係る箸のように、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の箸において、前記箸は、前記箸先部以外の部分の表面に、木粉または竹粉を含む他の漆層を備え、かつ、その木粉または竹粉が前記他の漆層の表面に露出してもよい。こうすることで、他の漆層の表面に露出する木粉または竹粉から、木または竹の香りを出すことができ、箸の使用者は、箸本体が合成樹脂材料または合成樹脂を含む材料からなる箸でありながら、木または竹の香りを楽しむことができる。
また、請求項6に記載の発明に係る箸の製造方法は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の箸の製造方法であって、合成樹脂材料または合成樹脂を含む材料からなり、かつ、箸の形状を有する箸素材の箸先部を、段差付けするように先端に至るまで削ることで、表面が粗面となった前記本体箸先部を形成し、かつ、その本体箸先部に、長手方向に間隔を置くようにして、横に延びる複数の溝入れを施す、本体箸先部形成工程と、削られて粗面となり、かつ、溝入れが施された、前記本体箸先部に対し、前記溝入れを埋めてその本体箸先部の表面を覆うように、前記天然素材の粉状物を含む前記漆層を形成する、漆層形成工程とを備える。
この発明に係る箸、および箸の製造方法によれば、箸本体が合成樹脂材料または合成樹脂を含む材料からなる箸でありながら、箸先部に備わる漆層が定着性に優れている箸、および箸の製造方法を提供することができる。
この発明の一実施の形態の、箸の正面図である。 同じく、図1における、一方の箸片の漆層を省略して示した要部拡大図である。 同じく、図1におけるA−A線による拡大断面図である。 同じく、箸の製造方法における本体箸先部形成工程を示す、製造工程図である。 同じく、箸の製造方法における漆層形成工程を示す、製造工程図である。 この発明の他の実施の形態の、図2相当図である。 参考例としての、図2相当図である。
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図5は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、箸を示し、この箸1は、一対の箸片1a、1aを備える。
箸1(箸片1a)は、箸本体2が合成樹脂材料または合成樹脂を含む材料(図示実施の形態においては、合成樹脂材料)からなり、箸先部1bの表面に、天然素材の粉状物3(図示実施の形態においては、木粉3a)を含む漆層4を備える。ここで、箸本体2は、箸先部1bを構成する本体箸先部2aが、細るように段差付けされるとともに、その本体箸先部2aの表面2bが粗面となるように形成され、かつ、その本体箸先部2aの表面2bを覆うように(図示実施の形態においては、後述する溝入れ2d、2dを埋めて本体箸先部2aの表面2bを覆うように)、漆層4が設けられている。
具体的には、前記合成樹脂材料には、例えば、PBT(Polybutylene Terephthalate)樹脂、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂、AS(Acrylonitrile Styrene)樹脂、メタクリル(Polymethyl Methacrylate)樹脂等を用いることができるが、これらの合成樹脂に限られるわけではない。そして、箸1(箸片1a)は、箸先部1bが漆層4によって覆われるとともに、箸先部1b以外の部分1cの表面には、前記合成樹脂材料からなる箸本体2(詳細には、箸本体2の、本体箸先部2a以外の部分2c)が露出している(図1、図2参照)。また、本体箸先部2aには、溝入れ2dが施されている(図2、図3参照)。詳細には、本体箸先部2aの長手方向に間隔を置くようにして、横に延びる複数の溝入れ2d、2dが施されている。また、図示実施の形態においては、箸本体2の、本体箸先部2a以外の部分2cの表面2eは、滑らかな面となるように形成されている。
漆層4を形成する漆は、例えば、生漆、透漆、黒漆、または糊漆等からなるが、これらに限定されるわけではない。そして、前記漆によって、木粉3a(粉状物3)が塗り固められるようにして、漆層4が形成されている。また、漆層4の表面4aは、箸本体2の、本体箸先部2a以外の部分2cの表面2eとほぼ面一となるように形成されている(図2、図3参照)。そして、漆層4に木粉3a(粉状物3)が含まれることで、その漆層4の表面4aに僅かな凹凸(図示せず)が形成されている。なお、木粉3a(粉状物3)の大きさは、好ましくは、目開き(Opening)が0.218mm〜0.076mmの篩を通過する範囲内であり、より好ましくは、目開き(Opening)が0.183mm〜0.157mmの篩を通過する範囲内であるが、これらの数値に示される範囲内に限定されるものではない。また、図示実施の形態においては、便宜上、木粉3a(粉状物3)を球形形状で模式的に表わしている。
次に、以上の構成からなる箸1の製造方法を、図4および図5に示す製造工程図に基づいて説明する。なお、これら図4および図5にあっては、箸1の箸頭部側の図示を省略している。
この製造方法は、合成樹脂材料または合成樹脂材料を含む材料(図示実施の形態においては、合成樹脂材料)からなり、かつ、箸の形状を有する箸素材10(箸本体2に相当する。)の箸先部10aを、段差付けするように先端に至るまで削ることで、表面2bが粗面となった本体箸先部2aを形成する、本体箸先部形成工程と、削られて粗面となった、本体箸先部2aの表面2bを覆うように(図示実施の形態においては、削られて粗面となり、かつ、溝入れ2d、2dが施された、本体箸先部2aに対し、溝入れ2d、2dを埋めてその本体箸先部2aの表面2bを覆うように)、天然素材の粉状物3(図示実施の形態においては、木粉3a)を含む漆層4を形成する、漆層形成工程とを備える。
詳細には、前記本体箸先部形成工程において、前記合成樹脂材料によって箸の形状に形成された箸素材10の、箸先部10aの表面全体を、例えば、サンドペーパー(sandpaper)等の研磨具で、前記先端に至るまで削る(図4参照)。より詳細には、箸素材10を、好ましくは、前記先端から3cm〜8cmの範囲内の領域に渡り、1〜2mm程度の段差を付けるように削る。このとき、箸素材10の箸先部10aの削り面は、研磨具の目の粗さに応じた粗面となる。こうして、箸素材10に、段差付けと粗面の形成とが同時に施されて、本体箸先部2a以外の部分2cの表面2eよりも粗い面からなる粗面を表面全体に備えた本体箸先部2aが形成される。さらに、図示実施の形態においては、その本体箸先部2aに、鋸刀等の工具を用いて、前記複数の溝入れ2d、2dを施す。
前記漆層形成工程にあっては、まず、箸本体2の、本体箸先部2a以外の部分2cに、例えば、マスキングテープ(masking tape)11を巻くことで、マスキング(masking)を施す(図5参照)。このマスキング(masking)については、必ずしも、本体箸先部2a以外の部分2cの全体に施す必要はなく、本体箸先部2a以外の部分2cの、本体箸先部2a側のみに施してもよい。
そして、マスキング(masking)を施した箸本体2の本体箸先部2aに、漆を下塗りする。詳細には、本体箸先部2aに下塗り用の漆を複数回、重ね塗りする。こうして、本体箸先部2aの表面2bを覆うように、下塗り層12が形成される。そして、この下塗り層12が乾かないうちに(詳細には、最後の下塗り用の漆を重ね塗りした直後に)、その下塗り層12の略全体に木粉3a(粉状物3)を付着させる。なお、下塗り用の漆については、木粉3a(粉状物3)が付着し易いように、粘性の高いものが望ましい。また、木粉3aについては、木製の箸を製造する際に生じる木粉3aを用いることができる。
下塗り層12が乾固したら、その下塗り層12および下塗り層12に付着した木粉3a(粉状物3)の上から、漆を押さえ塗りする。詳細には、本体箸先部2aの段差を埋めるように、押さえ塗り用の漆を複数回、重ね塗りする。こうして、下塗り層12を覆うように、押さえ塗り層13が形成される。
押さえ塗り層13が乾固したら、その乾固した押さえ塗り層13を研磨して、箸先の形状を整え、さらに、研磨した押さえ塗り層13の上に、漆を仕上げ塗りする。図示実施の形態においては、研磨した押さえ塗り層13の上に、仕上げ塗り用の漆を複数回、重ね塗りする。こうして、仕上げ塗り層14が形成される。なお、仕上げ塗り用の漆については、色艶がよく表われるものが望ましい。
そして、箸本体2のマスキング(masking)を除去することで、前記漆層形成工程が完了する。なお、場合によっては、漆の下塗り、押さえ塗り、および仕上げ塗りにおいて、漆の塗りをそれぞれ1回で済ませてもよい。
次に、以上の構成からなる箸1および、箸1の製造方法の作用効果について説明する。この箸1にあっては、細るように段差付けされた本体箸先部2aの表面2bを覆うように、漆層4が設けられているため、箸1の箸先部1bが不自然に太くなることを避けることができる。そして、その本体箸先部2aの表面2bが粗面となるように形成されることにより、その表面2bを覆うように設けられる漆層4が剥がれにくくなり、箸先部1bに備わる前記漆層4の定着性が向上する。
また、漆層4に粉状物3(図示実施の形態においては、木粉3a)が含まれることで、その漆層4の表面4aに僅かな凹凸が形成されているため、この箸1で食べ物を摘んだときの滑りを防止することができる。特に、粉状物(図示実施の形態においては、木粉3a)の大きさを、目開き(Opening)が0.218mm〜0.076mm(より好ましくは、0.183mm〜0.157mm)の篩を通過する範囲内とすることで、前記凹凸による箸1の滑り防止効果を十分に発揮しつつ、漆層4の表面4aに口や唇が触れたときの、前記凹凸による違和感が少ない。しかも、この粉状物3は、天然素材からなる(図示実施の形態においては、木粉3aである)ため、箸1の使用者に安心感を与えることができる。さらには、木製の箸を製造する際に生じる木粉3aを用いることで、廃棄物の再資源化を図ることができるとともに、箸1の製造コストを抑えることができる。
また、本体箸先部2aには、溝入れ2dが施されているため、本体箸先部2aに対して漆層4がより一層定着し易くなる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、箸本体2は、合成樹脂材料のみによって形成されるのではなく、合成樹脂を含む材料によって形成されてもよく、例えば、木または木粉、竹または竹粉、米または米粉、紙、天然繊維、石などの天然素材と、合成樹脂材料とを混合した材料によって形成されてもよいし、さらには、これら天然素材以外の天然素材あるいは人工素材と、合成樹脂材料とを混合した材料によって形成されても構わない。
また、天然素材の粉状物3は、木粉3aでなくてもよく、例えば、竹粉、米粉、乾漆粉であってもよく、さらには、コルク粉(cork powder)その他の粉状物であってもよい。また、箸1の製造方法においては、下塗り層12に木粉3aを付着させなくてもよく、例えば、竹粉、米粉、乾漆粉、あるいはコルク粉(cork powder)その他の粉状物を付着させてもよい。ここで、竹粉については、木粉3aの場合と同様に、竹製の箸を製造する際に生じる竹粉を用いることで、廃棄物の再資源化を図ることができるとともに、箸の製造コストを抑えることができる。また、米粉については、とくに、安価に入手可能な古い米からなる米粉を用いることで、箸の製造コストを抑えることができる。
また、箸本体2の、本体箸先部2a以外の部分2cの表面2eは、滑らかな面となるように形成されなくてもよく、粗面に形成されてもよい。
また、本体箸先部形成工程において、箸素材10は、加飾が施されていない箸本体2に限られるわけではなく、加飾が施されている箸本体2を用いても構わない。
また、漆層形成工程において、下塗り層12に木粉3a(粉状物3)を付着させ、その下塗り層12および下塗り層12に付着した木粉3a(粉状物3)の上から漆を押さえ塗りしなくてもよく、例えば、予め木粉3a(粉状物3)を混入させた漆を、下塗り層12に塗ってもよい。あるいは、木粉3a(粉状物3)が混入した漆を、直接、本体箸先部2aに塗ってもよい。
また、箸1は、箸先部1b以外の部分1cの表面に漆層を備えてもよい。ここにおいて、例えば、図6に示す他の実施の形態のように、箸1は、箸先部1b以外の部分1cの表面に、木粉または竹粉3a(図示実施の形態においては、木粉3a)を含む他の漆層5を備え、かつ、その木粉または竹粉3a(図示実施の形態においては、木粉3a)が他の漆層5の表面5aに露出してもよい。具体的には、箸本体2は、本体箸先部2a以外の部分2cの表面2eも粗面となるように形成されており、その本体箸先部2a以外の部分2cの表面2eを覆うように、他の漆層5が設けられている。すなわち、図示実施の形態においては、ともに木粉3aを含む漆層4および他の漆層5によって箸本体2の表面全体が覆われて、箸1(箸片1a)が形成されている。そして、この箸1にあっては、他の漆層5の表面5aに露出する木粉または竹粉3a(図示実施の形態においては、木粉3a)から、木または竹の香り(図示実施の形態においては、木の香り)を出すことができる。そして、箸1の使用者は、箸本体2が合成樹脂材料または合成樹脂を含む材料(図示実施の形態においては、合成樹脂材料)からなる箸でありながら、木または竹の香り(図示実施の形態においては、木の香り)を楽しむことができる。
ここで、図6に示す箸1の製造方法にあっては、前記本体箸先部形成工程において、箸素材(箸本体に相当する。)の表面全体を、その箸先部に1〜2mm程度の段差を付けるようにして削る。こうして、箸本体2の表面全体(2b、2e)が、粗面となるように形成される。そして、前記漆層形成工程において、箸本体2の表面全体(2b、2e)に漆を下塗りすることで、その表面全体(2b、2e)を覆うように、下塗り層を形成し、その下塗り層の全体に渡って木粉または竹粉3a(図示実施の形態においては、木粉3a)を付着させる。その後、箸本体2の表面全体(2b、2e)を覆うように形成された前記下塗り層の全体を覆うように、押さえ塗り層を形成する。そして、前記押さえ塗り層が乾固したら、その乾固した押さえ塗り層の全体を研磨して、箸先の形状を整え、さらに、研磨した前記押さえ塗り層のうちの、箸1の箸先部1bを構成する部分にのみ、漆を仕上げ塗りする。こうして、表面5aに、木粉または竹粉3a(図示実施の形態においては、木粉3a)が露出してなる他の漆層5、および、表面4aが漆(詳細には、仕上げ用の漆)によって覆われてなる漆層4が形成される。
また、図6に示す箸1のように、箸先部1b以外の部分1cの表面に他の漆層5を備える場合にあっては、必ずしも、箸先部1bの表面に設けられた漆層4が、木粉または竹粉を含んでいなくてもよく、例えば、米粉、乾漆粉、あるいは、コルク粉(cork powder)その他の粉状物を含んでいてもよい。すなわち、箸先部1bの表面に設けられた漆層4と、箸先部1b以外の部分1cの表面に設けられた他の漆層5とで、異なる素材の粉状物を含んでいてもよい。
また、箸1は、箸先部1b以外の部分1cについては、種々の技法からなる加飾が施されてもよい。
また、この箸1においては、本体箸先部2aの段差および粗面は、箸素材を削ることで形成されたものでなくてもよく、例えば金型成型により、予め段差および粗面を有するような箸素材を成型することで形成されたものであってもよい。また、図6に示す箸1の、箸本体2の表面全体(2b、2e)における粗面についても、例えば金型成型により、表面全体に予め粗面を有するような箸素材を成型することで形成されたものであってもよい。
また、参考例として、細るように段差付けされる本体箸先部2aは、図7に示すように、溝入れ2dが施されることなく、その表面2bが粗面となるように形成されてもよい。また、参考例として、図6に示す箸1においても、細るように段差付けされる本体箸先部2aは、溝入れ2dが施されることなく、その表面2bが粗面となるように形成されてもよい。
なお、参考例ではあるが、天然素材の粉状物3が、木粉、竹粉、米粉である場合にあっては、箸本体2は、必ずしも、箸先部1bを構成する本体箸先部2aが、細るように段差付けされていなくてもよく、本体箸先部2aと、本体箸先部2a以外の部分2dとが面一となるように形成されていてもよい。こうすることで、箸1の製造方法において、本体箸先部2aを段差付けする工程を省略することができ、箸1の製造コストをさらに抑えることができる。
1 箸
1b 箸先部
1c 箸先部以外の部分
2 箸本体
2a 本体箸先部
2b 本体箸先部の表面
2d 溝入れ
3 粉状物
3a 木粉
4 漆層
5 他の漆層
5a 他の漆層の表面
10 箸素材
10a 箸素材の箸先部

Claims (6)

  1. 箸本体が合成樹脂材料または合成樹脂を含む材料からなり、箸先部の表面に、天然素材の粉状物を含む漆層を備える箸であって、
    前記箸本体は、前記箸先部を構成する本体箸先部が、細るように段差付けされるとともに、その本体箸先部の表面が粗面となるように形成され、かつ、その本体箸先部に、長手方向に間隔を置くようにして、横に延びる複数の溝入れが施され、さらに、その溝入れを埋めて前記本体箸先部の表面を覆うように、前記漆層が設けられていることを特徴とする箸。
  2. 前記天然素材の粉状物は、木粉または竹粉であることを特徴とする、請求項1に記載の箸。
  3. 前記天然素材の粉状物は、米粉であることを特徴とする、請求項1に記載の箸。
  4. 前記天然素材の粉状物は、乾漆粉であることを特徴とする、請求項1に記載の箸。
  5. 前記箸は、前記箸先部以外の部分の表面に、木粉または竹粉を含む他の漆層を備え、かつ、その木粉または竹粉が前記他の漆層の表面に露出してなることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の箸。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の箸の製造方法であって、
    合成樹脂材料または合成樹脂を含む材料からなり、かつ、箸の形状を有する箸素材の箸先部を、段差付けするように先端に至るまで削ることで、表面が粗面となった前記本体箸先部を形成し、かつ、その本体箸先部に、長手方向に間隔を置くようにして、横に延びる複数の溝入れを施す、本体箸先部形成工程と、
    削られて粗面となり、かつ、溝入れが施された、前記本体箸先部に対し、前記溝入れを埋めてその本体箸先部の表面を覆うように、前記天然素材の粉状物を含む前記漆層を形成する、漆層形成工程とを備えることを特徴とする、箸の製造方法。
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